ソーシャルメディアが普及してからしばらく経ちますが、それによって高校生たちの睡眠時間が削られている現状があります。いったい、高校生たちはどのような夜を過ごし、どのような思いでスマートフォンを利用しているのでしょうか。高校生が睡眠時間を削ってソーシャルメディアにかける時間は?スマートフォンが普及している今、多くの高校生たちはインターネットを介してソーシャルメディアに時間を割いています。総務省の情報通信政策研究所の調査によると、高校生がスマホや携帯電話を使ってネットを利用している時間のうち、一番長いのが「ソーシャルメディアを見る時間」でした。では、スマホ利用によって何の時間が削られているのでしょうか。「睡眠時間」という回答が40.7%と一番多く、次に34.1%の「勉強時間」と続きました。この睡眠時間をネットのために犠牲にしている傾向は高校生だけでなく、中学生や小学4~6年生にも同様だそうです。高校生たちの言い分なぜ高校生たちは睡眠時間を削ってまで、ソーシャルメディアに励むのでしょうか。そこには、高校生たちの一種のコミュニケーションの特異性が反映されているようです。それは、相手に面と向かって言いづらいことや言うのは避けたいことなどを、メールやメッセージで済ませようとする特徴です。LINEやメールは、直接相手に話すことをためらわれることに利用されているそうです。それは、相手に拒否されたり、文句や小言を言われたりというリアクションを目の当たりにしなくて済むので、自分自身が傷つかずに済むという心理からきているといわれています。傷つきたくないという思いが、スマホでのコミュニケーションを助長させている面があるようです。厚労省による注意喚起先日、厚生労働省が出した新しい睡眠指針では、若者の夜更かしについての内容が盛り込まれました。それは、寝床に入ってからのメールやゲームのやりすぎを避けるように、という内容です。スマホや携帯電話、ゲームは光の刺激で目が冴えてしまい、眠れなくなってしまうことが挙げられています。また、夜更かしを続けると、体内時計がずれて夜型になってしまうことも指摘され、高校生で起床時刻を3時間遅らせた生活を2日続けるだけで、体内時計が45分遅れるなどの具体的なデータも出されています。コミュニケーションが活発化するソーシャルメディアの良い面とは裏腹に、高校生たちの心理面の変化と、睡眠習慣が損なわれることには不安が残ります。Photo by Cristiana Gasparotto
2014年10月23日ここのところ、よく睡眠中に鼻血がでるなぁ。そんな人はいませんか?もしかするとそれは、睡眠障害の一つである睡眠時無呼吸症候群かもしれません。自分で勝手な判断をせずに、お医者さんに相談しましょう。睡眠中の鼻血は何のサイン?睡眠中にタラーッと鼻から血が……。そんな経験はありませんか?この睡眠中の鼻血。頻繁に起こるようだと睡眠障害を疑ったほうがよいかもしれません。鼻血で睡眠障害?! と思われるかもしれませんが、その病名は「睡眠時無呼吸症候群」。これは夜間、睡眠中に突然、呼吸が止まってしまう病気です。この病気は肥満体質の人が、気道が狭くなってなるものなどと誤解を受けていますが、痩せている人も、また老若男女にかかわらずかかる恐れがあります。鼻血の応急処置の方法睡眠時無呼吸症候群の検査や治療方法をご説明する前に、夜中に大量の鼻血が出た場合の応急処置方法について解説します。真っ赤な血を見るとパニックになってしまう方もいるかと思いますが、まずは落ち着いて鼻血は飲みこまずにティッシュなどに吐き出すようにしましょう。鼻血が出た側の穴を確認し、ティッシュなどを入れて栓をして、両方の小鼻をつまみます。鼻の付け根の部分を冷やすとよいとも言われています。座った状態で顔を下に向けるか、横になって顔を横または下に向けるような体位をとるようにしましょう。この状態を10分程度、キープすればだいたい鼻血はとまります。睡眠時無呼吸症候群の疑いがある人は……さて、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるとわかったら、どうしたらよいのでしょうか。まず、絶対に放っておいてはいけません。心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなる可能性があるからです。病院へ行けば、自宅で検査をすることができる専用の器具を貸し出してくれるところもあります。自宅の簡単な検査で可能性ありとわかると、病院で1泊して、精密検査を受けることになります。治療は重症度によってさまざまですが、CPAP(シーパップ)療法が用いられることもあります。これは呼吸が止まらないようになる専用の装置をつけて眠るというもの。思わぬ病気につながることもある睡眠時無呼吸症候群。怪しいと思ったら早めにお医者さんに相談するようにしましょう。Photo by Ben Wells
2014年10月21日5人に1人が睡眠に対して何らかの悩みを抱えるという不眠大国・日本。睡眠に関する悩みは自分だけのものと思ってしまいどうしても一人で抱え込みがちですが、同じ悩みを抱えている人は、案外周りにもいるものです。睡眠障害ってなに?睡眠障害とは大まかに言えば、「入眠・睡眠に何らかの異常をのある状態」を指すとされています。睡眠障害国際分類 (ICSD)が1990年に発表した資料によると、睡眠障害は下記の4タイプに分けられています。(1)睡眠異常睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシー、睡眠相後退症候群、不眠症など、睡眠自体に異常をもたらすもの。(2)睡眠時随伴症周期性四肢運動、睡眠麻痺、夜驚症、夜尿症など、睡眠中にみられる異常な行動。(3)内科・精神科的睡眠障害うつ病や精神病、不安障害などに伴って起こる不眠や過眠。(4)その他長時間睡眠者や短時間睡眠者など、未だに分類が明確にされていないもの。4つのタイプがある睡眠障害の症状はそれぞれ異なると言われています。よく風邪などと勘違いされることがある不眠症は、睡眠環境の変化やストレスによって引き起こされることがあります。過眠症はまとまって多くの時間を寝てしまうだけでなく、昼間も強烈な眠気にたびたび襲われたり、就寝中はいびきや無呼吸状態を伴うこともあるとされています。睡眠中の異常行動は、寝ぼけて独り言を言ったり、無意識のまま起き上がって歩きまわるほか、突然、大声を出したり、暴れまわることもあると言われています。このように「睡眠障害」と一言でいっても、その症状にはさまざまなものがあるのです。睡眠障害相談はどうすればいい?このような症状に当てはまる、もしくは家族や友人に思い当たるという方で、誰にも相談できずに悩みを抱え込んでしまっている方はいませんか?現在は電話での相談室を設けているクリニックなどもありますので、一人で抱え込まずに相談してみましょう。治療の方法はさまざまですが、まずはその原因を探るために精神的ストレスや悩みなどをカウンセリングにより聞き取り、睡眠習慣の見直しの提案からスタートすることが多いようです。ほかにも睡眠導入剤による睡眠の改善、運動療法、食事療法などさまざまなものがあります。もしかしたら睡眠障害かも、と思った方は気軽に相談してみてはいかがでしょうか?Photo by MeganLynnW
2014年10月18日睡眠に関する研究が始まったのは1930年ごろからで、まだまだ研究としては日が浅い分野です。しかし、現代社会で起きる睡眠障害や事故によって、睡眠研究のニーズが急速に高まっています。今回は、睡眠医療の歴史と今後について紹介します。睡眠医療の歴史~最初に睡眠を科学し始めたのはどこの国?眠りに関することは、太古の昔から多くの人々によって関心が寄せられていました。しかし、睡眠が科学として研究され始めたのはごく最近のことでした。その初めは1930年。オーストリアの神経科学者であるvon Economoが、睡眠をコントロールする中枢の存在を明らかにしたのです。続いて、ドイツの精神医学者Bergerがヒトの脳波を発見した後、1953年にはシカゴ大学のAserinskyとKleitmanによってレム睡眠が発見されました。その後、スタンフォード大学で睡眠障害クリニックを設立したDementは、睡眠医療分野のパイオニアと呼ばれています。そして、睡眠時無呼吸が明らかになる時代がやってきます。睡眠研究はなぜ発展したの?現代は、これまでにないほど睡眠に対して高い関心が寄せられています。この背景には、脳科学の進歩によって、睡眠の重要性が認識されはじめてきたことがあるでしょう。また同時に、現代社会の活動様式が睡眠を慢性的に犠牲にするようになり、さまざまな悪影響を生じさせたことも原因だといわれています。私たちが生活している高度技術化社会は、生産活動や経済利益を重視する代わりに、睡眠を軽視し、犠牲にしてきた背景があります。この睡眠を軽視した結果は、各地の大事故にも発展してしまったのです。睡眠に対する研究が推進されているのは、この社会的な要請によるところが大きいといわれています。睡眠医療の今後深刻な睡眠障害や、睡眠を軽視したことによる大事故が各地で頻発していることにより、ますます睡眠研究が求められています。科学的な成果にもとづいて、健康を維持するにはどのような生活パターンを構築すべきであるか、また、どのような睡眠障害対策を実施すればいいかということが、年々重みを増す課題となっているといえるでしょう。課題を解決するには、まだまだ遅れている日本の睡眠研究を行うための環境面や費用面の充実が必要です。社会的要請が増大する中で、今後は学部レベルの学科や講座を増やすなどの早急な対策が求められています。今後の睡眠研究の成果に期待していましょう。photo by omoon
2014年10月16日睡眠に関する研究は日々進んでいます。今後もますます各種多様な研究が進められていくことでしょう。今回は100年前に行われたという、ヒトではなく犬を対象とした睡眠物質に関する、ある研究をご紹介したいと思います。睡眠誘発物質とは?人はなぜ眠くなるのでしょうか。それは睡眠を誘発する睡眠物質が存在するからであり、この物質が発見されたのは約100年前と言われています。最初にこの物質が発見されたのはヒトではなく犬でした。石森國臣博士という研究者が断眠の状態においた犬の脳の抽出物を別の正常な状態の犬に注射する、という実験を行いました。すると、正常な犬は十分な睡眠をとっていたにもかかわらず寝てしまったのです。このことから、博士は脳内に睡眠を誘発する物質が含まれているのではないかという仮説をたて、論文を発表しました。そこからヒトの研究へと進んでいったというわけですね。約30種類もある睡眠物質その後、研究は進み、現在では脳だけでなく、血液や尿などから約30種類の睡眠物質が発見されています。そのなかでも、早石修博士という研究者が発見した睡眠誘発物質「プロスタグランジンD2(PGD2)」は強力な睡眠誘発作用を有すると言われています。このPGD2が脳脊髄液に溜まると、アデノシンと呼ばれる第2の睡眠物質が睡眠中枢を刺激することで睡眠を誘発するということがわかっています。一方で、プロスタグランジンE2(PGE2)と呼ばれる同じプロスタグランジンの物質は逆の作用=覚醒の働きをすることで睡眠と覚醒のバランスをとっている、ということも判明したそうです。がん細胞と睡眠物質が関係している!?このPGD2は、がん細胞の成長を抑制する効果があるとも言われています。PGD2の働きを強めることができるようになれば、新たな治療法にもなりうると考えられているとか。そのために必要なことは睡眠誘発作用をもつPGD2をたくさん出すこと。つまり、質の良い睡眠をたくさんとることで睡眠物質もたくさん出て、免疫効果も高まるということですね。これからますます、睡眠とがん細胞など、病気との関連性が最新の研究によって解き明かされていくと思うと楽しみですね!私たちは病気を防ぐためにも、日々、快適に眠って健康的な生活を送るように心がけましょう!Photo by John Tyler
2014年10月15日新婚生活では睡眠環境が合うかどうかは大事なポイントとなります。軽視しがちですが、新しい生活を始める前に睡眠環境について考えてもらえればと思います。自分たちに合った睡眠環境を整えていきましょう。軽視されやすい睡眠環境夫婦ならば一緒に寝るのが当たりまえ!と日本では考えられがちで、睡眠環境について考えることなく、寝室はひとつと決めてしまってはいませんか?しかし、男女で睡眠環境に求めるものは違っています。例えば、女性の多くは冷え性で寒がり。寝る前にクーラーなどで体を冷やすことを避けたい方もいます。また男性は暑がりで、広いスペースを使って寝たいという人も多いでしょう。センシティブな方は、小さな振動で目が覚めてしまう、という方もいるでしょう。1つのベッドに寝なければいけない、1つの部屋で寝なければいけない、という決まりはありませんので、自分たちに合った睡眠環境を考えてみましょう。どうしたらいい?ベッドのサイズ睡眠環境を整えていくうえで、3つ考えるべきことがあります。1.一緒の部屋で寝るかどうか2.一緒のベッドで寝るかどうか3.ベッドのサイズはどうするか特に1と2についてはじっくり話し合って決めましょう。1を決める際には、部屋の間取りに関わってくることなので、部屋の間取りを決める際に、話し合うべき項目となるでしょう。3のベッドのサイズについてですが、パートナーと2人で寝ている場合のベッドのサイズは、60%以上がダブルかセミダブルのベッドを選んでいるようです。別々の寝室で、一人で寝ている場合のベッドのサイズでも、約30%がダブルかセミダブルのベッドとなっているようです。これはどういうことでしょうか?結局、寝室環境を分けることに別々の寝室で一人で寝ているのに、ダブルかセミダブルのベッドに寝ているのにはわけがあります。もともと一緒に寝ていたけれど、別々に寝るようになり、夫婦の片方がもともとあったダブルかセミダブルのベッドに寝ているという理由がほとんどのようです。つまり、新婚時代はよかったものの、睡眠環境が合わず、結局別々のベッドで寝るようになったのです。先のことも考えて、しっかりとベッドは選びたいものです。また、エアコンの位置やベッドの配置などによっても睡眠環境は変えられるので工夫してみてはいかがでしょうか?睡眠環境だけでなく、新しい生活環境は、しっかり考えたうえで決めていきましょう。Photo by Club Med UK
2014年10月14日平均睡眠時間が7~8時間と言われている日本。それよりも長い人、短い人、同じぐらいの人、さまざまな人がいるでしょう。最近の研究で睡眠時間と脳の劣化の関係が発表されました。いつまでも快活に生きるためには何時間の睡眠が最適なのでしょうか?脳と睡眠には関係がある?睡眠時間と脳の老化には関係があるのか、ないのか? これは誰もが非常に興味のあるテーマだと思います。じつは最近、これに関する最新の研究成果が発表されました。「睡眠時間の短い人のほうが脳の老化が早く、さらに認知力も低下しやすくなる」。これを証明するために、実験が行われました。被験者の脳の容積をMRIで測定し、さらに血液検査や神経心理学的検査を行い、睡眠時間が脳にどのような影響を与えているのかについて、数年間にわたって調べたそうです。実験では、睡眠時間の短い被験者ほど、認知能力が低下し、さらに脳室の拡大が早くなる、という傾向がみられたようです。アルツハイマーとも関わりが?睡眠は脳に大きな影響を与えるということが、ほかの研究からも解明されています。アメリカの大学の研究チームが発表した研究結果によると「睡眠は脳の老廃物を排除する効果がある」そうです。老廃物のなかにはアルツハイマー病にも深く関連しているタンパク質アミロイドベータと呼ばれる物質もあると言われています。これを調べるために行われたのがマウスを用いた実験です。マウスの脳の体液を調べたところ、起きているときに比べて、なんと2倍もの速さで脳内からアミロイドベータが取り除かれていたと報告されています。やはり睡眠は健康に生きていくために欠かせないものだということがわかりますね!睡眠は脳をつくる「睡眠は脳をつくる、脳は睡眠をつくる、睡眠は脳を守り、修復し、賢くする」という言葉があります。これは井上昌次郎・東京医科歯科大名誉教授が言ったとされる言葉です。睡眠がいかに脳に大きな影響を与えているかということがよくわかる言葉ではないでしょうか。人は大脳を酷使した後は、睡眠が欠かせないと言われています。みなさんも頭から湯気が出そうなほどに脳ミソを使った後は、ぐったりしてちょっと眠らないと頭が働かないという経験があるかもしれません。それは決して怠けているから、ということではなく、人間が本質的に求める行動だったということが最近の実験で明らかになっています。これからも睡眠に関する研究が進めば面白いですね!Photo by Nima Fatemi
2014年10月14日あなたの睡眠不足、いつからですか?「いつからともなく……」「最近かな?」「ずーっと!」。いろんな答えがあるかもしれません。でも、人はたった5日間の睡眠不足でも深刻な影響が及ぶかもしれないことがわかってきました。がんばっているのに、マイナス思考に陥る?試験前の追い込みや仕事がたまっているときなど、睡眠時間を削って1、2週間くらい忙しくしていること、誰でもあるかもしれませんね。そんなときの気持ちって、どうでしたか?あたふたと目の前にあることを一生懸命にこなすのに精一杯で、気持ちにゆとりなんかありませんよね。それに、もっとひどくなるとピリピリ、カリカリ……なんてことに。おまけに自分でも、「あ~あ、こんな自分は大嫌い!」と反省しつつも、「なかなかポジティブになれない」という人も多いのではありませんか?でも、こんなふうになるのには、脳の変化による影響があるそうなんです!たった5日間の睡眠不足で脳に変化が!がんばっているのにネガティブな気持ちになるのは、どうしてなのでしょう?国立精神・神経医療研究センターの発表によると、睡眠不足の時はネガティブな情動刺激に対して反応しやくすなることが明らかにされました。具体的には、健康な成人男性に、8時間睡眠と4時間睡眠のグループに分かれ5日間過ごしてもらい、脳活動の変化を機能的MRIで測定するというもの。結果、睡眠不足の状態で「幸福な人の顔写真」を見せても、左扁桃体の変化はなかったものの、「恐怖におびえる人の顔写真」を見た後は、左扁桃体の活動量が増大していたそう。つまり、睡眠不足のときには、ネガティブな情動刺激に対してだけ反応しやすいことがわかったんです。どうりで、睡眠不足のときにはピりピりしがちだったわけですね!睡眠不足は脳にもっと深刻な影響が!でも、睡眠不足による脳への影響は、これだけではないのです。もっと深刻な影響があることが確認されました。それは、この左扁桃体の活動は、亢進するほど不安や混乱が高まり、抑うつ傾向が強まるということ。たった5日間の睡眠不足が、ネガティブな思考を起こさせるだけにとどまらず、さらに心の病さえ引き起こしかねないことがわかるのではないでしょうか?研究グループの一人、三島氏は、「睡眠を犠牲にして勤勉であることが、日本人の美徳であると考えられてきた(が)、このような生活が本当に効率的かつ持続可能なのか、考え直すべき時期に来ている」と述べておられます。睡眠不足でがんばっているあなたも、一度一息ついて、ご自分のスケジュールを調整してみてはいかがでしょうか?Photo by wolfgangfoto
2014年10月12日「睡眠衛生」という言葉をご存じですか?なんだかカタい響きのある言葉ですが、睡眠衛生は自分が健康でハッピーな生活を送るために欠かせない、睡眠の質を上げるために大事なものなのです。睡眠衛生って?夜寝る前のお酒やたばこ、カフェインなどが眠りの妨げになることは、多くの人に知られています。すでに自分の寝室環境を整えたり、よりよい睡眠を得るために日中の運動を心がけたりと工夫している人もいるかもしれません。睡眠衛生とは、よりよい睡眠習慣を身に付けること。この良い睡眠について正しい知識を得ることはとても重要です。もし睡眠に関する悩みでお医者さんにかかることがあった際も、睡眠衛生の指導を受ける機会が今後ますます増えてくるかもしれません。自分の睡眠をよくして快適な生活を送るためにも、ぜひ「自分ごと」として睡眠衛生と向き合っていきたいものです。睡眠衛生教育が医療の現場で取り入れられている理由不眠などの悩みに対して、近年、非薬物的アプローチが進められています。薬に頼らず、睡眠衛生教育と実践によって問題を改善していこうという動きが出てきているのです。実際、不眠の認知行動療法は、薬物と同等の改善効果があり、安全性の面でも優れていて、長期的な効果は薬物より高いことが数多く報告されています。ポイントは、サーカディアンリズムの規則性の確保や、日中や就床前の良好な覚醒状態の確保、就床前のリラックスと睡眠への脳の準備にあるといわれています。例えば、寝る前の激しい運動、熱いお風呂、食事など体温が上がる行動は望ましくありません。睡眠健康教室「脳とこころの癒し塾」では何が行われたの?広島国際大学では、うつと評定された55~75歳を対象に、短期集中体験型の睡眠健康教室「脳とこころの癒し塾」が開催されました。これは、快眠とストレス緩和のための習慣づけを行うためのものです。教室で行われたのは講話やグループワークのほか、30分の軽い運動。そして30分間の昼寝を自宅でとる生活を習慣づけた結果、8割の参加者の睡眠状態や体調が改善したといいます。しかも、この教室の体験後、大半の参加者がこの生活習慣を維持しているのだそうです。この睡眠健康教室は、自ら睡眠に対する対処スキルを習得できたというのが一番の成果物であるといえそうです。つまり睡眠衛生教育がいかに大事かということがわかります。睡眠衛生について知る機会は増えています。まずは厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」を確認してみましょう。photo by PhoTones_TAKUMA
2014年10月10日「ふっくらしてるの、正直気にならないわけじゃないんだけど、食べずにはいられない!」。そんな人、増えているかもしれませんね。でも、あなたの睡眠の質、どうですか? 一見全く関係なさそうな体型と睡眠の質。実は、人の感情に少なからぬ影響があるんですよ!ホントにあるの?体型と睡眠の質の関係最近の研究によると、肥満と睡眠の質は大いに関係していることが分かってきました。つまり、睡眠の質が悪い、もしくは睡眠不足だと、食欲を促進したり抑制したりするホルモンのバランスが悪くなるということです。その結果、ますます体重は増え悪循環に陥ることになります。しかも、それだけにとどまりません!糖尿病や高血圧、その他循環器疾患などの病気のリスクも高まってしまいます。これは見逃せない!まだあるマイナス影響「私にはダイエットは無理!そんなに意志が強くないから……」。そう思って諦めていませんか?時々思い立ってはやってみるものの、なかなかうまくいかないという人も多いかもしれません。確かに、頭で睡眠不足だと肥満になりやすいというのはわかってはいても、実際身体から出てくる”食べたいサイン”を抑えるのは大変なことです。でも、人は心の動物。メンタル面での影響も決して見逃せません!アメリカ・ペンシルバニア大学を中心とした研究によると、肥満治療で5%以上の減量に成功した人は、以前よりも20分以上長く睡眠時間を取ることができるようになったということ。これは、いったい何を意味しているのでしょうか?睡眠の質アップのために、心にも注目しよう同大学の研究によると、5%の減量に成功した人とそこまでいかなかった人では、大きな開きがでたそうです。その開きというのは、先ほど言及した睡眠時間の長さに加え、睡眠の質に対する満足度やうつ傾向、不安などのネガティブな気分が改善されたというもの。これは実に注目に値する点です。なぜなら、ネガティブな気分は心身ともに大きなマイナス影響をもたらすからです。でも、この部分が改善されるなら、睡眠の質はおろか、今よりも毎日を明るく元気に過ごせるようになるということです。あなたもそうなりたいと思いませんか?では頭の中に、減量→睡眠が取れるようになる→元気になるの公式を叩き込んで、もう一度減量に励んでみるのはいかがでしょうか?Photo by Helga Weber
2014年10月09日美容に気を遣う女性であれば、睡眠が必要不可欠であることはご存知のことでしょう。睡眠には疲れたお肌を修復してくれる役割があります。良質な睡眠をとることは誰もが望むこと。しかし実際は忙しい日々が続くと、どうしても睡眠不足になってしまいがちです。そんなときにおすすめの栄養素を紹介します。アミノ酸で睡眠の質が良くなる?!ある栄養素を摂取すると睡眠の質が良くなる、と聞くと、特に睡眠時間が少なくなってしまいそうなときにその質を上げることができれば、これほどいいことはないですよね。短時間でもぐっすりと眠ることができれば、美肌や健康をキープできるのですから。その栄養素とは、ずばり「アミノ酸」。特に、アミノ酸の中でも「トリプトファン」がいいといわれています。トリプトファンとは、牛乳から発見されたという必須アミノ酸の一つで、乳製品や大豆製品、ナッツ類などのたんぱく質に多く含まれているものです。良質な睡眠で美肌も健康もキープ!トリプトファンは、体内に取り入れられるとどうなるのでしょうか。食物から取り込まれたトリプトファンは、いったん肝臓や腎臓で分解されます。そしてエネルギー源として利用されます。また、脳に運ばれたトリプトファンは、「セロトニン」という物質を生成します。このセロトニンが良質な睡眠を得るカギとなるのです。セロトニンは、一般的に神経の高ぶりを抑えてくれ、リラックスさせてくれる物質だといわれていますが、実際、睡眠にとても深く関わっているのです。なぜなら、セロトニンが不足すると、睡眠障害やうつ状態、不安感などが引き起こされると考えられているからです。そして何より私たちが欲しいのは、眠気を誘うホルモン「メラトニン」。セロトニンの分泌を促すことによって、このメラトニンが分泌され、良い睡眠が手に入るというわけです。具体的な食べ方は?では、トリプトファンを効率良く摂取するにはどうすればいいのでしょうか?多く含まれているのはレバー、牛乳、チーズ、バナナ、大豆、アーモンド、まぐろやかつおなどです。中でもバナナには、精神状態の安定に役立つというビタミンB6やマグネシウムも含まれていることから、良質な睡眠を得たい人にはぴったりの食材といえます。ホットミルクと一緒にバナナを1本食べるだけでも、ぐっすりと眠れるための準備は万端だそうですよ!トリプトファンは必須アミノ酸なので、毎日摂取しなくてはなりません。そこで、サプリメントを活用するのもいいといわれています。ただし、取りすぎにはご注意を。
2014年10月08日夫婦によって睡眠環境は異なります。多くの夫婦は一緒に寝ているのでしょうか?それとも別々?多くの夫婦がどうやって寝ているのか、なかなか聞けないところですよね。今回は、夫婦の睡眠事情についてご紹介します。約9割の夫婦は一緒の睡眠環境で寝ている!女性向けサイトで、いまどきの夫婦の寝室事情を調査することを目的として、「旦那様と一緒に寝ているかどうか」を調査したそうです。その結果、『一緒に寝ている』と答えた人は87%。約9割の夫婦が、一緒の寝室で寝ているそうです。別々の寝室で寝ている夫婦は、13%で全体の1割程度という結果がでています。しかし、これは結婚年数によっても変化するようです。夫婦は結婚○年目から別々に寝始める?!次は、結婚年数ごとの結果をみてみたいと思います。結婚1年目だと96%の夫婦が一緒に寝ているとのこと。しかし、6~10年になると80%までその割合は下がります。さらに、11~20年になると65%にまで下がります。結婚5年目あたりから一気に一緒に寝る割合が下がっていき、10年を超えるとそこからさらに15%下がる傾向にあることがわかりました。結婚年数が経つにつれて、寝室やベッドを分ける夫婦が増える傾向にあります。睡眠環境を別々にしたい理由別々で寝ている夫婦にもさまざまな理由があるようです。まずはイビキ問題。相手のイビキがうるさくて眠れない、ということも多いようです。また、ひとりの時間を確保したいという人もいます。さらに大きく影響するのが子どもの問題です。夫婦で寝ていたが、子どもが生まれたことで別々で眠るようになった、という家庭もあるようです。また、生活リズムが違うと、一緒に眠ることも難しくなります。睡眠環境が違うからといって、家庭に問題があるわけではありません。夫婦にとって最適な睡眠環境を選ぶようにしましょう。【参考】朝日新聞『【引越し侍/エイチーム】夫婦が別々で寝始めるタイミングは、結婚○年目だった!?~誰と寝ている?ベッドのサイズは?いまどき夫婦の寝室を徹底調査!~』Photo by Vladimir Pustovit
2014年10月07日身体の疲れはもちろんのこと、精神的な疲れや自律神経の乱れの一番の治療は「質の良い眠り」をとることです。不眠症などの睡眠障害に悩まされる人が多い今の時代、安眠に効果的な方法を求めてさまざまな対策が考案されています。そのために、まずは、規則正しい生活、正しい食習慣にすることが必須ですが、効果的に摂取できる健康食品などを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。青汁原料のケールとは?良薬は口に苦し……と言われるように、ケールの特徴を表すとき、その苦みが挙げられます。日本では、青汁の原料として使われることが殆どですが、海外に至っては家庭料理にも用いられるポピュラーな野菜として知られています。アブラナ科に属し、キャベツやブロッコリーの原種とされている植物で、地中海沿岸の原産です。その歴史は古く、紀元前からギリシャ・ローマ地方で栽培が始まったと言われています。苦くて飲みにくいケールですが、日本では戦後の食糧難に栄養補給を目的として青汁が考案され、食用としての歴史が始まりました。緑黄色野菜の王子さまケールはさまざまな栄養素を豊富に含んでいますが、中でも目の健康に働きかけるルテインや皮膚の粘膜を強固にするビタミンCなど、老化を防ぐ有効成分も豊富に含んでいます。さらに成人病予防などによいことが認められるほか、眠りを促すホルモン「メラトニン」も含んでいることが知られています。ヒトは、夜間に多くのメラトニンが分泌され、体内の睡眠リズムが整えられますが、ケールにはこのメラトニンが含まれていることから、不眠症や睡眠障害の改善によいのではと期待されています。青汁に甘さをプラスしてケールは青汁の中でもとても人気のある野菜ですが、その反面、特徴として飲みにくさをあげる人が多くいることも事実です。最近では飲みやすく工夫されたケール青汁もたくさん発売されていますが、どうしても苦みが気になる人は甘さをプラスすると良いでしょう。砂糖は甘すぎますし、糖分のとりすぎも心配ですから、少量のハチミツを加えることをオススメします。夕方以降にこのケールを原料とした青汁を飲むことで、ぐっすり安眠効果が期待できます。
2014年10月06日日本人の睡眠時間は、他の国と比べると短いといわれています。全世界でみるとフランスが一番多く睡眠をとっているとのことです。そこで今回は、他の国の睡眠に目を向け、睡眠重視の生活リズムを学んでいきましょう。「眠らない日本人」といわれる理由日本人の睡眠時間は、この半世紀で徐々に減ってきています。経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本人の1日の平均睡眠時間は7時間50分。これは1位のフランスより1時間も少ない結果となっています。また、調査を行った18カ国中、ワースト2位を記録しています。では、日本はなぜここまで睡眠時間が少ないのでしょうか?睡眠時間が短いのは生活リズムの問題?!睡眠時間が短い傾向にある原因の一つは、夜型の生活をする人が増えてしまったことが考えられます。近年では、インターネットの普及などによって、24時間いつでも娯楽に触れられるようになったといえますが、その影響が中高生にまで及んでいるのです。成長期に夜型の睡眠時間の少ないライフスタイルが定着してしまうと、大人になってもそのままその生活リズムを続けてしまう可能性があります。フランス人は睡眠への意識が高い?!全世界でみると、フランスが一番多く睡眠をとっていることがわかっています。では、日本人との違いはなんなのでしょうか?フランス人は、睡眠はとても重要なものである、と考えている人が多いのです。睡眠を重視しているため、自分がどれだけ睡眠をとっているかしっかりとチェックしていて、足りていないようならばその分の睡眠を補おうとします。生活リズムを整える中で睡眠が何よりも大切だと考えられているのです。日本との差の一番の原因はここにあると考えられます。睡眠を軽視しがちな日本人ですが、他国の睡眠に対しての意識を照らし合わせて考えると、根本的な部分から意識を変えていく必要がありそうですね。Photo by Moyan Brenn
2014年10月04日近年、地球温暖化によって引き起こされている睡眠障害が増えているそうです。そこで今回は、快適な睡眠を得るためにどんなことができるのか、国はどんな対策をしているのかをご紹介します。日本のおかれた環境を知っておくことで、睡眠障害の謎を探るきっかけにもなりますよ。快適な睡眠が得られないのは地球環境のせい?近年、夜眠りづらくなった、快適な睡眠が得られないと悩んでいる方が増えているようです。そういうとき、自分自身に原因があると考えがちですが、そうとも限りません。年々、地球環境も大きく変化してきています。地球温暖化にヒートアイランド現象が加わり、体感温度はどんどん上昇しています。特に、都市はその影響を強く受けています。これによって、熱中症や睡眠障害などの健康被害が増えているというのです。そこで、環境省は主に3つの対策をたてて健康被害を減らそうとしています。「白」「緑」「青」の対策環境省が進めている対策は3つあり、「白」「緑」「青」の色でイメージ付けられています。「白」は、太陽の熱を反射させる対策で、「緑」は植物を増やす計画です。また「青」は水を活用する対策です。この3色のイメージカラーをたてて、都市を冷やそうという対策は世界中から注目されています。実際にこの計画は行われており、気温を下げることで快適な睡眠を得られるようになりますし、体調を崩した人は回復が期待できるでしょう。世界でも注目される気候問題暑さに伴う健康被害は都市部に集中するといわれており、都市の暑さへの対応策を考えているのは日本だけではなく世界的な課題となっています。世界的にみても都市人口はさらに増え、それに比例して健康被害も膨れ上がることが予測されています。しっかりとした対策をつくった上で、生活の質や資産価値を高めていく街づくりが世界では進んでいます。これから進んでいく対策に期待して、将来的に快適な環境で豊かな睡眠が得られるようになるといいですね。Photo by Roger Wollstadt
2014年10月03日「ステラ マッカートニー(Stella McCartney)」は、乳がん意識向上月間を支援するため、ランジェリーシリーズ「リラックスするジェマ」を発売する。イメージビジュアルにはケイト・モス(Kate Moss)が起用された。同シリーズは14-15AWランジェリーコレクションの1部。ネオンピンクのカラーリングで、ステラが象徴するナチュラルかつフェミニンな雰囲気をアピール。シンプルなスタイルに幾何学的なディティールを施している。コントゥールブラやソフトカップブラ、ビキニブリーフをラインアップし、価格はビキニブリーフが6,000円から、バルコネットブラが1万円から。オンラインストアや世界各国の直営店、百貨店などで販売される。また、売上の一部が、イギリス・リバプールにある「リンダ・マッカートニー・センター」に寄付される。同センターは、乳がん患者やその家族をサポートする目的で2000年に設立。寄付金は乳がんの早期発見や治療、新しいマンモグラフィー装置のための資金に役立てられる。
2014年10月03日あなたは「グリシン」をご存知ですか?睡眠に対する効果や抗酸化作用などがあることから、現代人には欠かせない成分として注目を集めています。このグリシンはハリのあるお肌に備わっているものなので、不足させたくないものでもあります。今回は、このグリシンについて詳しく見てみましょう。睡眠の質を高めてくれるグリシングリシンは、体内で合成できる非必須アミノ酸の一種。実は、睡眠の質を高める効果があると実験によって報告されているのです。就寝前にグリシン3gを摂取した実験において、起床時のスッキリ感が増し、さらに疲労感が減ったという結果が出たそうです。では、なぜグリシンが睡眠の質を高めるのでしょうか。まず、血管拡張作用によって表面体温を上昇させ、体内の熱を放出します。すると、身体の中心温度がどんどん下がり、眠りにつくのに最高の状態へと導かれるのだそうです。さらにグリシンは、ノンレム睡眠の時間を長くし、特に睡眠の深い徐波睡眠により早く到達させてくれる作用もあるそうです。グリシン、どうやって摂り入れる?スムーズな寝入りや快眠へと誘導してくれるグリシン。すぐにでも摂取したくなってきますよね。グリシンが多く含まれるのは動物性コラーゲン。鶏の軟骨、豚足、牛スジなどがそれに該当します。これらの食品からグリシンを摂取して、良質な睡眠を得ることができると、さらに筋肉の形成を促す成長ホルモンを分泌させる効果もあるといわれています。また、グリシンは健康食品としても存在するので、動物性コラーゲンを頻繁に摂取するのがむずかしいという場合に利用すると便利です。その他、グリシンは甘味が特徴なので、調味料としても使われていたり、豆腐などを日持ちさせるための添加物として使われていたりもします。睡眠の質向上効果だけじゃない!美肌効果もグリシンの嬉しい効果は、睡眠の質を高めてくれることだけではありません。なんと、美肌にもよいといわれているのです。グリシンはそもそも人の肌に備わっており、肌の弾力を支えるコラーゲンを構成しているもの。真皮層でハリや弾力を保ってくれているのです。また、グリシンをはじめとするアミノ酸は、角質層の細胞にある線維間物質にある天然保湿因子(NMF)の約40%を占めています。つまりグリシンはハリのある肌を保つのに欠かせない成分というわけです。肌荒れなどが気になる場合には、ぜひグリシンを積極的に食事やサプリメントから摂り入れてみましょう。photo by Soren Rajczyk
2014年10月02日睡眠不足だとなんだか風邪をひきやすい。そんなことってありませんか?それを証明するために、今から約35年前にラットを使ったある実験が行われました。果たして、睡眠と免疫の間には関係性があったのでしょうか?ラットの研究で判明したこと1980年代、アメリカの研究者がラットを使ってある実験を行いました。それは、餌は豊富に与え続ける反面、睡眠は一切断つというもの。この結果は、通常よりも餌をたくさん食べるものの、次第にやせこけていき、最後は体温が下がっていった結果、3週間足らずで死んでしまったのだそうです。この実験やその後の研究で、断眠は免疫力を低下させる、ということが明らかになったそうです。それだけ生物にとって睡眠は欠かせない大切なものだということですね。ここで突然ですが問題です。そもそも免疫とは何なのでしょうか?免疫ってなに?免疫とは簡単に言えば、病気や病原菌などから身体を守る仕組みのことです。感染症などで発熱を伴うのもこの仕組みのためで、免疫に関係するリンパ球や白血球が増加し、熱で病原菌を殺していると考えられています。私たちが眠くなるのは、白血球からつくられる免疫物質が増加するためと言われています。つまり、しっかり睡眠をとることでエネルギーを蓄えることができ、病気や病原菌と戦えるというわけですね。実験のラットが死んでしまったのは、健康な状態であれば免疫によって防げた病原菌が血液へ感染し、敗血症となったことが原因と考えられています。睡眠時間はしっかり確保が原則!私たち人間もラットと同様に、睡眠不足では免疫力が低下します。眠ることで自律神経のバランスもとっているため、できれば7~9時間は睡眠時間を確保したほうがよいと言われています。ただ、睡眠時間が長すぎてもリンパ球が過剰な状態になるなど、よくないと考えられているので、寝すぎには注意が必要です。夜更かしをすれば交感神経が優位になりすぎ、昼夜逆転のような生活では副交感神経が優位になりすぎるそうです。何事も大切なのは塩梅(あんばい)ということでしょうか。季節の変わり目は特に体調を崩しやすいので、しっかりと睡眠時間をとって、毎日健康的な生活を送るようにしたいですね!Photo by michibanban
2014年10月02日9月の睡眠に関するニュース記事もたくさんありました。9月3日の秋の睡眠の日にまつわるものや、誰もが気になる寝不足の解消法など、参考になる記事を厳選してまとめています。ぜひチェックしてみてください。東京都港区のホテルに「心地よい睡眠のための宿泊プラン」登場ワコールは9月3日~2015年2月28日、東京都港区のザ・プリンス さくらタワー東京とコラボし、同社ナイトウェアブランド「睡眠科学」のパジャマと、心地よい睡眠、快適なホテル滞在を提供するコラボレーション宿泊プラン「さくら Sleep」を展開する。……続きを読むマイナビニュース2014年9月1日9月3日は睡眠の日!すっぴん協会が提唱する「ねむり美人のお作法5ヶ条」とは?本日9月3日は睡眠の日!みなさん睡眠はしっかり取れてますか?美しいお肌でいるためにはターンオーバーを整えることが不可欠ですが、細胞を新しく生み出し、紫外線やストレスなどによるダメージなどを修復するのも寝ている間です。……続きを読むLBR2014年9月3日9月3日は睡眠の日!ブルーライト対策でリラックマもグッスリ安眠!?9月3日は“ぐっすり”と読める語呂合わせから、精神・神経科学振興財団と日本睡眠学会によって「睡眠の日」に制定されている。その「睡眠の日」の本日、安眠の象徴ともいえる人気キャラクター「リラックマ」が、アイウエアブランド「JINS」吉祥寺ダイヤ街店に登場。……続きを読むORICON STYLE2014年9月3日上手な睡眠で「人間力」もアップ!?文科省が検討渡辺敦司多くの学校では、まだ夏休みが明けたばかりかと思います。お子さんの生活は、普段どおりに戻ったでしょうか?早寝早起きの規則正しい生活習慣は、十分な睡眠時間を確保するためにも大切です。……続きを読むMSN産経ニュース2014年9月10日羊を数えると逆に眠れなくなる!? 睡眠にまつわる8つの神話を科学的に検証「食べてすぐ寝るとウシになる」なんて言葉を文字通り信じている人はいないと思いますが、それ以外にも、睡眠にまつわる神話がたくさんあるのをご存知ですか?睡眠に関して、表面上はロジカルでも、詳しく試してみるとまったく真実でない神話がたくさんあります。……続きを読むLifehacker2014年9月19日良質な睡眠のカギは「朝」にあり過去2回にわたって最近注目を集めている瞑想に関する研究をご紹介してきました。今回は少し趣向を変えて、睡眠をテーマにしてみようと思います。突然ですが、昨晩の睡眠時間は、昨日の疲れがしっかり取れるくらいに十分でしたか?……続きを読むハフィントンポスト2014年9月22日あなたは当てはまる?翌日に影響するちょっと変わった睡眠障害たち朝目が覚めると、意識がもうろうとしており、少し錯乱しているとさえ感じる…。この混乱が日常化すると、目覚まし時計を止めようとして電話に出てしまったりなど、おかしな行動が表れます。「朝起きづらい」以上の深刻な問題にも発展することも。……続きを読むLifehacker2014年9月25日寝不足?上手に「睡眠の借金」を清算する方法―アメリカ研究寝だめはできないと言いますが、実は睡眠不足は清算できる事がハーバード大学医学大学院の研究により判明しました。睡眠時間が少なくなってしまっても、その時間を適切な方法で取り戻すことができるのだそうです。……続きを読むマイナビウーマン2014年9月27日Photo by @Doug88888
2014年10月02日現在では、睡眠に関するさまざまな情報がWEB上に公開されていますが、昔はわからないことだらけだったに違いありません。その解明のために必要なことは、やはり生身の人間での実験しかありません!今回は実際に行われた睡眠に関する実験をいくつかご紹介します。睡眠の実験を調査する!実際に、睡眠の実験内容とはどのようなものなのでしょうか。早速1つめをご紹介します。これは心理学者が睡眠に関して行った実験です。内容は、まず10個の意味のない言葉を覚えてもらい、それから(1)就寝するグループと、(2)起きたままのグループの2つに分けて、一定の時間ごとにいくつ覚えているか確認する、というもの。結果はどうだったと思いますか?まず(1)のしっかり睡眠をとったグループは何時間経ってもほぼ50%の言葉を覚えていたそうですが、(2)の起きたままのグループは、8時間後には覚えているのは約10%だったそうです。このことから、睡眠と記憶に深い結びつきがあるということがよくわかりますね。断眠実験とはどんなもの?2つめに紹介するのは「断眠実験」です。1965年のアメリカで、高校生が自由研究のために睡眠の専門家立ち合いのもと、断眠に挑戦しました。結果はなんと、264時間12分。約11日間も寝なかったことになります。この断眠を終えたあと、この高校生は14時間40分眠り続けたといわれています。パソコンの文字が笑って踊っている!?2006年にはイギリス在住の別の男性が高校生の記録に挑戦しようと断眠を行っています。目をつぶっている内に寝ていたなどと言われないために、この男性は32台のカメラでインターネット配信をしました。発想が凄すぎますよね……。結果的に高校生の記録を2時間上回る266時間でこの実験は終了しています。このぐらい眠らないと人はどうなるのでしょうか?5日目の男性の日記には次のように書かれていたそうです。「パソコンの文字が笑いながら踊っている。次第に文字が妖精に変わる。最後には苦痛からの一時的救済がZキーの上に来ていた」――この男性がどのような精神状態だったかはわざわざ説明する必要はありませんね。いかがでしたか?いずれの実験にしても、睡眠がいかに大事かということが分かる内容です。みなさんは、興味本位で断眠実験などしないようにしましょうね。
2014年10月01日電車の中の時間を、睡眠時間に充てている人が多いようですが、疲労回復のためにも、空き時間に少しでも睡眠をとろうとする気持ちはなんだか分かる気がしますよね。移動中の空き時間の使い方について、疲労回復のための睡眠を含めてご紹介します。通勤時間の過ごし方は?疲労回復のために睡眠!英会話のGabaが、「新年度を迎えるビジネスパーソンの年代別意識調査」を実施しました。その調査の中で、通勤時間の電車内での過ごし方を調べています。その結果によると、最も多いのが「寝る」の51.3%だったそうです。多くのビジネスパーソンは、電車内での通勤時間を寝て過ごしているのです。移動中の空き時間に少しでも疲労回復させたい、という気持ちがうかがえます。「メールをする」「車内広告を見る」「音楽をきく」「ボーっとする」「考え事をする」などという回答も多くありましたが、それよりも睡眠を必要としていることがわかります。通勤時間にビジネストークのためのネタを収集睡眠をとっている、という声が多かったものの、ビジネスパーソンの約7割が、移動時間を使ってビジネストークのためのネタを収集しているそうです。ネタの収集は、「テレビ」が最も多いようですが、移動時間に見られる「インターネット(ニュースサイトなど)」や「新聞」も利用されています。特に若い世代では「SNS・ミニブログなどソーシャルメディア」からの情報収集の割合が高い傾向にあります。空き時間に見ることができ、電車内でもアクセスできるため、若者は積極的に利用していると考えられます。短時間睡眠で疲労回復!効率をアップ!睡眠不足が続いていると、どうしても集中力が落ちてしまい、作業効率が下がりますよね。そんなときに短時間睡眠は非常に有効です。もちろん、そんなことせずに、しっかりと夜の睡眠時間を確保することが一番ですが、いつもきちんと十分な睡眠時間をとることはなかなか難しいでしょう。移動時間などを利用して、睡眠に充てることで集中力をコントロールしていきましょう。【参考】朝日新聞『ネタの情報源は新聞よりネット–20代の3人に1人はソーシャルメディア』
2014年09月30日「よく眠れない日が続いているけど、病院へ行くほどでもないよね。」――こんな自己判断をされている方はいませんか?今回は、睡眠のプロが監修した睡眠診断サイトをご紹介します!睡眠は人生の時間の3分の1を占める人生の時間の3分の1を占める睡眠。仮に人生を60年とすると20年間は眠っていることになります。そんな多くの時間を占める睡眠について、日本人は5人に1人が悩みを抱えているといわれています。昔と違い、コンビニエンスストアは24時間営業で、ネットの世界も時間は関係なく活動を続けています。睡眠に関する悩みはこれからますます増えていくのかもしれません。ちなみに、日本人によくみられる睡眠障害というものがあるそうで、それは睡眠時無呼吸症候群や不眠症だそうです。睡眠障害は100種類近くあるともいわれているので、自分が気づいていないだけというケースもありそうですよね。睡眠の悩みを診断するサイト今回は、睡眠に悩む日本人を対象にしたあるサイトをご紹介します。その名は「睡眠医療プラットフォーム(睡眠医療および睡眠研究用プラットフォーム Research Platform for Advanced Sleep Medicine; 略称PASM)」。これは、国立精神・神経医療研究センターが全国の睡眠医療施設や大学、研究機関の専門家と協力して作成した、いわば「睡眠健康度の診断サイト」です。睡眠の状態や習慣に関する6つの質問に答えることで、睡眠障害の有無を簡易判定してくれる、という優れものです。さらに、睡眠障害の疑いありと判定された方には、ID登録の後に詳細診断が可能なサイトを案内してくれます。どのような設問があるの?6つの設問をここでご紹介したいと思います。1.夜、よく眠れませんか?2.日中に強い眠気がありますか?もしくは眠りこんでしまうことがありますか?3.寝ている時に、いびき、もしくは呼吸が止まる、のどちらか1つでも指摘されたことがありますか?4.夜、寝床に就くと、次のような症状が1つでもありますか?・足をじっとしているのがつらい・足がむずむずする・足がほてって苦しい5.寝ている時に、次のような症状が1つでもありますか?・手足を動かしたり、歩き回るなどの行動がある・興奮したり泣き叫ぶなど混乱した言動がある・夢と関連した仕草や寝言がある6.睡眠のリズムに関して、次のような症状が1つでもありますか?・遅寝が直せない、朝起きるのがすごくつらい・昼夜逆転になっている設問は、その場でパッと答えられるものばかりなので、睡眠に不安のある方はぜひサイトから診断を行ってみてくださいね!【参考】睡眠医療プラットフォームphoto by rachel CALAMUSA
2014年09月29日就寝前の喫煙、飲酒。良く眠りたいと思うが故のその行動が、実は良質な睡眠を妨げています。厚生労働省が定めた「健康づくりのための睡眠指針2014」は12箇条あります。第2条では就寝前の嗜好品摂取について、警鐘を鳴らしています。第2 条.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす朝食はからだとこころのめざめに重要睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける今回は、就寝前の飲酒、喫煙、カフェイン摂取について、詳しくご説明します。「お酒を飲むとよく眠れる」は気のせいまずは飲酒です。就寝前に、睡眠薬代わりに寝酒を飲む習慣を持っている人は男性に多いことが分かっています。アルコールの摂取は、熟眠感が得られないばかりか、中途覚醒も増えるので、眠る前の飲酒は控えた方がよいと、指針は示しています。眠る前の一服が、睡眠時の無呼吸につながる喫煙も入眠を妨げ、睡眠を浅くします。ニコチンには覚醒作用があるためです。飲酒や喫煙は、そもそも生活習慣病の発症と重症化の危険因子となります。睡眠の質を低下させるだけではなく、睡眠時無呼吸のリスクも増加させます。緑茶、ココアにも含まれているカフェイン、持続時間は3時間睡眠指針2014の第2条では、カフェインの摂取にも気を配るように呼びかけています。就寝前3~4時間以内にカフェインを摂ることは、入眠を妨げたり、睡眠を浅くしたりする可能性があるので控えた方がよいとのことです。カフェインの覚醒作用は、3時間程度持続します。またカフェインには利尿作用があるために、眠っているときに、尿意でひんぱんに目が覚めてしまう原因にもなります。カフェインを含む飲み物と聞くと、コーヒーを思い浮かべる人が多いでしょうが、緑茶、紅茶、ココアや栄養・健康ドリンクにも、カフェインは含まれています。食事は就寝2時間前まで、お茶やコーヒーは4時間前まで人は、脳にある体内時計の指令により、日中は活動状態、夜間は休息状態に切り替わるようになっています。眠る前のカフェイン摂取により体内時計が乱れ、良質な睡眠が妨げられてしまいます。体内時計を整えるために、就寝2時間までに食事を済ませ、お茶やコーヒーは就寝4時間前までにしましょう。また、目覚めの際に朝の光を浴びると、体内時計をリセットすることも出来ます。寝る前の飲酒、喫煙、カフェイン摂取を控え、体内時計を整えることで、良質な睡眠を心がけたいものです。参考文献『厚生労働省第3回健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会』『厚生労働省健康づくりのための睡眠指針2014』Photo by John Loo【提供:武田薬品工業株式会社】
2014年09月29日ソーシャルデトックスという言葉を知っていますか?簡単に言えば、日々スマートフォンやPCでSNSを見続けていることからくるSNS疲れを解消する方法として、SNSから離れてスマートフォンやPCに触らない時間を意識的につくろうという動きです。このソーシャルデトックスは睡眠の質にもよいといわれています。あなたも今日から始めてみませんか?SNS利用者の本音を調査!睡眠の質への影響ネオマーケティングによる「SNS利用者の本音調査」によると、SNSを利用する上でストレスや不満を抱えているユーザーは6割以上いるそうです。多くの人がSNSを通して、ストレスを抱えています。面識がないユーザーとのコミュニケーションだけでなく、書き込みに対する反応が気になってしまったりと、自分が起こした行動からストレスを生んでいるケースも少なくありません。寝る前にSNSを利用している方も多いことでしょう。そのまま眠りに入ることで、睡眠の質にも影響を与えることになります。睡眠の質を高めるためにも、SNSの利用をコントロールしましょう。SNS利用の実態は?SNSを利用する際のデバイスは、PC、スマートフォンがほとんどです。いつでもどこでもSNSを利用できる環境に私たちはいます。1日の平均SNS利用時間をみると「30分以内」が27.7%、「10分以内」が23.7%、「1時間以内」が18.6%という結果になっています。目的のほとんどが暇つぶしです。昔の友人などと再会することができた、友人が増えた、友達の輪が広がった、などのメリットもありますが、ストレスが増えているのも事実です。また、それによって睡眠の質が低下しているということも見逃してはいけません。ソーシャルデトックスで睡眠の質を改善!デジタル機器に依存してしまっている状態から抜け出すことを意味する、「デジタルデトックス」という言葉があります。SNSが原因で睡眠障害を引き起こしてしまったり、鬱病になってしまったりする人も近年では多くいるようです。そうなる前に、SNSを休む時間をしっかりととることが重要です。特にデジタルの世界にどっぷりとつかっている若い人は、SNSと上手く付き合っていくことを意識しましょう。寝る前は携帯の電源を切ってSNSを休んでみる、電車の移動時間はSNSを控えて読書をするなど、睡眠の質の改善のために試してみてはいかがでしょうか?【参考】朝日新聞DIGITAL『SNSに6割が不満–SNS疲れには「ソーシャルデトックス」が必要』Photo by Trịnh Ngọc Hưng
2014年09月28日睡眠不足はダイエットの敵!ダイエット中にもかかわらず、どうしても食べたい気持ちが抑えられなくなったことはありませんか?それは、もしかしたら睡眠不足のせいかもしれません。睡眠不足が続くと、体力や脳の活動のためのエネルギーを補おうとして、体は無意識に「もっと食べ物を食べろ」という指令を出すようにできているようです。今回は、睡眠不足と食欲の関係をご説明します。睡眠不足と食欲の関係とは睡眠不足だと太ってしまう理由は、2004年のシカゴ大学の研究で明らかにされました。シカゴ大学の研究チームは、健康な成人の睡眠時間を強制的に4時間に制限したのです。4時間睡眠で2日を過ごさせた人たちの血液を採取したところ、グレリンというホルモンが増加し、レプチンというホルモンが減少していました。グレリンは成長ホルモンの分泌に影響するホルモンですが、食欲を増強する働きを持っています。胃で作られ、脳の視床下部にある食欲中枢に作用して、食欲を増すのです。一方のレプチンは、脂肪細胞で作られ、血中に分泌され、脳の視床下部の満腹中枢に作用して、満腹感をもたらす働きをします。つまり、睡眠不足になると、食欲増強ホルモンが増えて、満腹ホルモンが減ってしまうのです。食べたい気持ちを抑えられず、なおかつ、食べても食べても、なかなか満腹感を得られない状態に陥ってしまいます。ダイエットの前に、まずは睡眠の見直しを睡眠不足による食欲増加は、意思の力でねじ伏せられるものではありません。意識的にダイエットに取り組んでいたとしても、睡眠不足があると、食欲は増強し、満腹感は得られない体になってしまうのです。ダイエットに取り組みたいのであれば、まずは睡眠不足に陥らないように心がけたいものです。参考文献『睡眠のはなし – 快眠のためのヒント 』日本大学医学部付属病院精神科教授/内山真著中央公論新社Photo by Aaron Edwards【提供:武田薬品工業株式会社】
2014年09月27日あなたは寝る前に、アルコールに頼ってしまうということはありますか?実はアルコールは、睡眠の質を下げてしまったり、夜中に途中で目が覚めてしまったりと、ぐっすり眠る妨げになってしまいます。思い切って禁酒すれば睡眠の質が上がる可能性が高いのは事実です。では、禁酒することによって、具体的にどのような効果が得られるのかを見てみましょう。アルコールは睡眠に影響あり!あなたは、仕事や人間関係で嫌なことがあったときに、アルコールでその苦しさを紛らわしてしまうことはありませんか?いっそアルコールの力で寝てしまおうとすることもあるでしょう。しかし、アルコールが睡眠の質を低下させてしまうことは事実です。多量に飲んでしまうと二日酔いになり、さらに翌日の気分を悪化させてしまいます。また、アルコールを分解するのにもエネルギーを要するため、眠ったはずなのに疲れがとれないという状態に。アルコールは睡眠をどう変化させる?ある不眠の悩みを持つ女性が禁酒してみることで、中途覚醒がなくなったという事例があります。夜中に何度も目が覚めてしまうというのがきっかけで、睡眠日記をつけてみたところ、アルコールを飲まなかった日は中途覚醒の回数も減ったそうです。試しにいつも寝る前に飲んでいた缶ビールの本数を5本から2本に減らして寝てみると、案の定、中途覚醒の回数が減ったり、起きてから再び眠りにつくまでの時間も短くなったりしたそうです。この女性の場合、寝る前のアルコール摂取が不眠の原因だと分かったそうですが、量を減らすことで結果的に睡眠の質が上がり、自分でアルコールの摂取量を調整できるようにもなったそうです。賢く禁酒して、睡眠の質を上げよう禁酒すると、睡眠によいとは考えられます。でも、禁酒しなければと思うと、途端にストレスが増大するという場合には、量を調整するところから始めてみましょう。ついついお酒に頼って眠ろうとしてしまっている方は、ご自身の睡眠の質を見直して、賢いお酒との付き合い方を見つけてみてはいかがでしょうか。Photo by B Rosen
2014年09月26日デスクワークの人と身体をハードに動かすアスリートでは、なんとなく必要な睡眠時間は違いそうだな、と想像できますが、実際にどのくらいの差があるのでしょうか?運動と睡眠の関係とは?「身体が資本」のアスリートは、一日に何時間ぐらい睡眠をとっているのでしょうか?とても気になりますよね。調べてみたところ、やはりアスリートの方たちは睡眠をとても重視していて、早稲田大学競走部の長距離駅伝選手は、なんと合宿中に10~12時間くらい眠るのだそうです。駅伝の選手は、1日の約半分を睡眠にあてるということですね。それもそのはず。合宿中は毎日約50kmも走るそうで、パフォーマンスを維持するために長時間の睡眠が不可欠だと考えられています。早稲田大学の駅伝選手に限らず、NHKの調査によるとアスリートの平均睡眠時間は8時間4分と一般的な睡眠時間よりも50分長かったそうです。アメリカの実験でも証明されている!アメリカのスタンフォード大学では、睡眠とパフォーマンスの関係に関する研究が行われました。その内容は、大学のバスケットボール部の選手に5~7週間、一日に10時間睡眠をとってもらうというもの。すると、通常と比べてフリースローの入る確率が高くなったそうです。ただ、睡眠時間だけ長くすればよいというものではありません。同様に大切だといわれているのが睡眠の質で、そのためによいのが習慣的な運動なのだそうです。一日だけ運動するのではなく、継続して運動をすることが大切だといわれています。継続して軽い運動をすることが大切!習慣的な運動をすると以下のような効果があるといわれています。1.徐波睡眠が増えるので、深い睡眠を得られる2.寝つきが良くなる3.途中で目が覚めなくなる4.睡眠時間が伸びる5.血糖値が下がる6.成長ホルモンが分泌される7.神経栄養因子が分泌される8.体組成が変化する9.体内時計が整う10.副交感神経が優位になるので、リラックスできる11.心肺機能が向上するこんなにたくさんあるなんて驚きですよね!ただ注意点として、ダッシュを繰り返すなどのハードな運動ではなく、心拍数が上がる程度のウォーキングなどを週に数回行うことが大切なのだそうです。ぜひ、みなさんもトライしてみてくださいね!
2014年09月26日社会人を対象にした調査で、一日の睡眠時間が4時間未満の人は肥満を自覚する傾向にあるという結果が出たそうです。そこで今回は、4時間睡眠に絞って肥満と睡眠時間の関係についてご紹介します。4時間睡眠に関する意外な調査結果?!アイシン精機株式会社という寝具ブランドを扱っている会社が、全国1,206名の社会人に「睡眠」に関する実態調査をしました。その結果、睡眠4時間未満の人は、4時間以上の人より2.8倍も肥満の傾向にあることがわかりました。平日は特に時間がとれず、寝ていたい時間まで寝ていられないという人が多いようで、睡眠時間が短い人ほど肥満について悩んでいる傾向があることがわかりました。現代人の多くは、単純に「睡眠不足」の一言で片付けられないような悩みを抱えていることがわかります。4時間睡眠だと肥満になる理由睡眠時間が短い人が肥満を自覚する傾向にあるという結果については、しっかりとした理由があります。睡眠時間が短いと、食欲を抑える役割を果たすホルモンのレプチンが出にくくなってしまいます。すると、肥満だけでなく、糖尿病や高血圧にもなりやすくなります。さらに、睡眠不足がきっかけで肥満になり、肥満になったことで糖尿病や睡眠時無呼吸症候群になり、さらに睡眠障害を引き起こすという悪循環に陥ってしまうケースもあるようです。そのため、睡眠の質を向上させ、睡眠をしっかりと取ることが大切になります。起きたい時間よりも早く目が覚めてしまう起きようとする時間に起きられるかどうかという調査結果でわかったことは、約8割の人が起きたい時刻よりも前に目が覚めてしまうことがあるということです。寝ていられる時間よりも前に、または途中で起きてしまうとのことです。さらに42.5%の人は、1時間以上も前に目が覚めてしまうといいます。ストレスや日常の焦りなどもあり、十分な睡眠が取れない環境を自ら作り出してしまっているともいえます。睡眠を取る前にしっかりと気分をほぐしリラックスさせ、平日から十分な睡眠が取れるように心がけましょう。【参考】朝日新聞『全国1,206名の社会人に聞いた「睡眠」に関する実態調査』Photo by Charlie Barker
2014年09月24日最近、寝付けない、よく眠れない。それは、眠りの環境が整っていないからかもしれません。良い睡眠のために、入浴、寝室の温度、照明を見直しましょう。「健康づくりのための睡眠指針2014」の第6条では、睡眠のための環境作りを提言しています。第6 条.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。これには、次のような補足文が続きます。自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる自分の睡眠に適した環境づくり習慣となっている就寝時刻が近づくと、脳は目覚めている状態から徐々にリラックスした状態に移ります。やがて睡眠に就きます。このときの脳の変化を妨げないような生活での工夫が必要です。ぬるいお湯にゆったり入浴工夫は人それぞれですが、指針では、入浴についての例を挙げています。熱い湯ではなく、ぬるいと感じる湯温で、ゆったりと入浴するのが良い睡眠に就くには適していると説明しています。部屋の温度は適切にまた、環境は、寝つきの良さや睡眠の深さに影響します。ひとつには、体温調節の仕組みを理解していると、環境作りのヒントになるでしょう。体の内側の深部体温は、手足の末端から熱が放出されることで低下し、眠りを誘います。寝室や寝床の温度が低すぎると、手足の血管は収縮してしまいます。皮膚から熱を逃がそうとしないため、体の熱を放出できなくなります。深部体温が効率的に下がっていかないために、寝つきが悪くなります。この悪循環を絶つためには、寒い季節には、寝室を心地よいと感じる程度に暖かくしておくとよいでしょう。暑い季節にも、環境作りは大切です。温度や湿度が高すぎると、発汗による体温調節がうまくいかずに、やはり皮膚から熱が逃げていかなくなります。これも寝つきが悪くなる環境だといえます。冬の暖房や、夏の冷房を上手に利用して、睡眠に適した環境を作りましょう。極端な暖房や、極端な冷房は、季節が逆転する環境になってしまうため、やはり良い睡眠には適しません。節度が大切だということですね。寝室は暗くして、メラトニンの分泌を促すもうひとつには、メラトニンの分泌の仕組みを理解していると環境作りのヒントになるでしょう。メラトニンは、脳の松果体と呼ばれる部分から分泌される、自然な眠りを促すホルモンです。メラトニンの分泌は主に光によって調節されており、明るい環境では分泌されません。朝の光を浴びるとメラトニンの分泌は止まり、目覚めてから14~16時間ぐらい経つと再び分泌されます。夜、明るい環境にいるとメラトニンの分泌量が減って、睡眠の質が低下します。眠りに就く際には、寝室は暗くして、メラトニンの分泌を促し、良質な睡眠をとりたいものです。また、眠る際に気になる音は、できる範囲で遮断する方がよいでしょう。睡眠環境を整えて、ぐっすりと眠りましょう。参考文献『厚生労働省第3回健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会』『厚生労働省健康づくりのための睡眠指針2014』Photo by Waterfall Lodge【提供:武田薬品工業株式会社】
2014年09月23日寝つけない、満足に眠れないという症状を訴える人がいる一方で、突然襲われる強烈な眠気に悩まされている人もいます。本当に睡眠に関する悩みは十人十色。いろいろな症状を知って、お互いを思いやれるようにしたいものですね。睡眠発作とは、どのような症状?睡眠発作と聞くと、どのような症状を思い浮かべますか?よく睡眠発作=睡眠時無呼吸症候群と考える人がいるようですが、そうではありません。ちなみに、睡眠時無呼吸症候群とは、就寝すると呼吸が止まってしまい、高血圧や過眠を引き起こすと言われている睡眠障害の1つです。睡眠発作とは、昼間に強烈な眠気に襲われることを指すのだそうです。この眠気はランチを食べたから眠いというようなレベルのものではなく、引きずり込まれるような眠気と表現されるほど強い眠気を指しています。ナルコレプシーが原因?この睡眠発作が起きる原因の1つにナルコレプシーがあります。ナルコレプシーの主な症状は、日中の強烈な眠気のほかに、笑ったりした後に首や膝の力が抜けてしまう脱力発作、金縛り、就寝直後の幻覚などがあると言われています。ナルコレプシーの原因は、今のところまだ完全には判明していません。生まれつきの先天的な要素も少し関係するそうですが、後天的な要素が影響する部分もあると考えられています。自己判断は禁物!睡眠発作には次のような危険性があるといいます。それは、冒頭に記したように睡眠発作が起きると、睡眠時無呼吸症候群だと誤診または勝手に自己判断をしてしまう恐れがあることだと言います。そのようなことにならないためには、自分でネットなどで調べて判断するのではなく、専門の睡眠クリニックまたは医療施設に宿泊して、詳細な検査を受ける必要があるのだそうです。日中の眠気は、だるい、辛いだけの感情的な問題だけでなく、運転中の突然の居眠りなどの危険が潜んでいます。何か心配や悩みがある方は、一度、お医者さんに相談してみましょう。Photo by Kostya Koukey
2014年09月22日