本記事では、iDeCo(イデコ)口座をSBI証券で開くとしたら、どれがおすすめ商品なのか?を見抜く方法について考察します。名称や本数は執筆時点の内容です。また「筆者の考える理論上のおすすめ商品」と「現在の筆者なら、この商品をこの割合で積み立てる」という運用商品の組み合わせ(ポートフォリオ)を載せています。ポートフォリオ:運用商品の組み合わせのこと。ちなみに国内・海外の株式・債券などの「資産クラス」の組み合わせはアセットアロケーションと呼ばれる。iDeCo(イデコ)SBI証券のおすすめ商品はどれ?基本的な考え方※本記事の指すおすすめ商品とは 「理論上、合理的・効率的だと考えられる投資信託」のことです。また、おすすめ商品とは「元本割れをしない投資信託」ではありません。基本的に投資信託は値動きがあります。どのような投資信託でも元本割れを起こす可能性があります。投資信託:場合によっては数千以上の株式・債券などの入っているパッケージ化されている金融商品。分散投資に適しているが、組み合わせによって、将来得られるであろう見返り(期待リターン)や想定される値動きの幅(リスク)が変化する。値動きは金融商品ごとによって異なる値動きは金融商品ごとによって異なりますし、未来がどうなるかは誰にもわかりません。株価などの金融商品の値動きはランダム・ウォーカーだと考えられるからです。ランダム・ウォーカー:何もない原っぱを酔っぱらいがフラフラと歩いている様子。株価などには法則性はなく、チャート分析(テクニカル分析)などで株価などの値動きの法則が分かるというのは迷信です。そのため、どの投資信託を買えば短期的に儲かるかなども誰にも明確には分かりません。どのような投資信託でも運用成績が良くなったり悪くなったりするおすすめ商品とは「今後も運用成績が安定している投資信託」ではありません。どのような投資信託でも運用成績が良くなったり悪くなったりするものです。悪くなるたびに売却をして、調子の良いものに乗り換えていると、常に「高く買って・安く売る」を自己実現してしまいます。こうすると、どんどん資産額が減っていきます。ヘンテコな投資になってしまいます。しかし、誰もが陥りがちです。「おすすめ商品」にとらわれ過ぎず、どのような運用が合理的なのかをしっかりと理解することも重要です。2018年のSBI証券のiDeCo(イデコ)ラインナップはこちら執筆時時点でSBI証券のHPを見ると、どうやら全部で83本の投資信託があることが確認できます。ただ、今後の法改正で、数は減ることが予想されます。あくまでも執筆時点の内容です。ろうきんという金融機関の投資信託の品ぞろえが7本に対してSBI証券は約12倍の83本という品ぞろえの豊富さですね。しかし、初心者の方には、多すぎる選択肢は「選択できなくなる・戸惑う」という「決定回避の法則」を招いてしまいがちです。個人的には、選択肢は5本程度を初期設定にすることが親切かと思います。金融商品の種類の多さは、金融機関を選ぶ際のポイントにはほとんどなり得ない。マシなモノがあるか・ないかが重要。たいてい「ある」。iDeCo(イデコ)SBI証券のおすすめ商品おすすめ商品の見分けるポイントは2つそれでは、筆者の考えるおすすめ商品はどれかを見てみましょう。見分けるポイントは2つです。信託報酬が0.5%以下であること(低い方がより良い)インデックス型投資信託であることなぜこの見分け方が重要なのか?どうして理論上はそうなるのか?についてはこちらの関連記事をご覧ください。上記ポイントをふまえた理論上のおすすめ商品それでは、上記の関連記事をふまえた見極めポイントで選びます。すると、おすすめ商品はこれらになりました。38本になりました。とても多く、まだ選ぶのに一苦労しそうです。ただ、上記が理論上のおすすめ商品だと考えられます。筆者がiDeCo(イデコ) SBI証券のおすすめ商品を選ぶならコレを選ぶそれでは、上記の中から筆者が選ぶなら、この組み合わせ(ポートフォリオ)でこの割合で積み立てる、というものを発表します。発表前にご注意この組み合わせは、現時点での筆者のリスク許容度・年齢・働き方・世界の経済情勢・金利・考え方などによるものです。つまり、筆者にとっては適切ですが、他の人にとっては不適切であることもあります。また、上記要素の変化により内容は変わります。株式の比率が高いので、金融危機時には半分、あるいはそれよりも減ることが予想されます。例えば、現在50歳の方が、この組み合わせにして、60歳時に金融危機が発生した場合、いざお金を引き出そうとした時には、ひょっとしたら、出したお金が半分以下に目減りしているかもしれない、「とても困る!」という組み合わせです。ただ、いまの筆者にはこれが適切だと考えます。著者が選ぶ、iDeCo(イデコ)SBI証券のおすすめ商品&組み合わせiDeCo(イデコ)口座でのSBI証券でのおすすめ商品まとめiDeCo(イデコ) でのおすすめ商品とは「運用成績が悪くならないもの」という意味ではない点に気を付けるおすすめの金融商品でも「高く買って、安く売る」を繰り返していては資産が目減りしていくことは避けられないSBI証券のiDeCo(イデコ)口座でのおすすめ商品は多いので、逆に迷いやすい点に注意本記事では、SBI証券の品ぞろえから理論上合理的であると考えられる「おすすめ商品」を考察しました。金融機関によっては、選択肢が豊富にありすぎてしまい逆に迷いがちです。また、マシな金融商品が多すぎると、よくある困った事態として「分散投資が重要」というのを過剰に扱いすぎて、毎月の積立対象を十数~数十種類にも分けてしまうことがあります。これは必ずしも悪いことではないのですが、結果としては「運用商品の組み合わせ(ポートフォリオ)全体で、どのくらいの見返り(期待リターン)と値動きの幅(リスク)を抱えているのか?が良く分からないことになってしまいます。投資対象である投資信託は、きちんと選べば2~4種類程度でも「数千以上の株式や債券」に分散投資ができます。また、その方が管理や期待リターン・リスク(値動きの幅)に関しても把握がしやすいです。雑な言い方をしますとバランス型投資信託なら、1種類でも(それがその人に合っているなら)良いです。シンプルさも選び方(&組み合わせ&運用)の重要なポイントかと思います。
2019年01月28日確定申告や年末調整は、個人の方を対象にした税金の精算手続きを言い、たとえば、アルバイトの方で年末(12月31日)以降も引き続き勤務先に籍を置いて働いていく方は、勤務先が年末調整を行うことで1年間の税金精算手続きが完了します。ただし、アルバイトといった職業に就いているすべての方が、年末調整で1年間の税金精算手続きが完了するとは限らず、時には、確定申告をすることで税金精算手続きをしなければならない場合があります。そこで本記事では、確定申告をしなければならないアルバイトの人とは、どのような人なのかを紹介し、合わせて、アルバイトの人が抱えている確定申告に対する疑問と回答まで、幅広く紹介していきます。なお、本記事で解説するアルバイトには、パートや日雇い労働者も含みますのでご留意ください。確定申告をしなければならないアルバイトの人とははじめに、アルバイトの人で確定申告をしなければならない主な例を2つ紹介します。給与の支給を1ヶ所から受けていて、かつ、副業による収入などが20万円を超える人給与の支給を2ヶ所以上から受けている人1. 給与の支給を1ヶ所から受けていて、かつ、副業による収入などが20万円を超える人仮に、アルバイトを1ヶ所で行っている場合は、基本的に勤務先が行う年末調整で1年間の税金精算が終了することになるのですが、勤務先から支給を受けたアルバイトの給与のほかにも、たとえば、株式投資やFXをはじめ、別の副業などで得た他の収入が20万円を超えるアルバイトの人は、確定申告をして1年間の税金精算を行う必要があります。2. 給与の支給を2ヶ所以上から受けている人また、アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちして働いている場合は、複数の勤務先から受けた給与を合算して確定申告をしなければならないことになっており、こちらにつきましては、他の収入が20万円を超える、超えないに関わらず確定申告が必要になります。アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちして働いている人も多いと思いますが、なぜ、アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちしている場合は確定申告が必要になるのか、次項から紹介する確定申告に対してアルバイトの人が抱える多い疑問と回答を読み進めていくことでおわかりいただけると思います。確定申告に対してアルバイトの人が抱える多い疑問と回答を紹介ここからは、確定申告に対してアルバイトの人が抱える多い疑問とその疑問に対する回答を紹介していきます。確定申告は、アルバイトを掛け持ちしている場合は必要?アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちしている場合、それぞれの勤務先で得た給与収入を合算して確定申告をする必要があります。たとえば、1月1日から12月31日までの1年間において、アルバイトによる1ヶ所からの給与年収が80万円で、もう1ヶ所からの給与年収が50万円だったとした場合、これらの給与収入を合算して年収130万円の給与年収があったものとして確定申告をしなければならないといったイメージになります。もしも、それぞれの勤務先で年末調整を行うことによって1年間の税金精算を済ませてしまいますと、給与所得控除や基礎控除といった各種控除が重複して適用されてしまうことになり、同じく給与年収130万円を得ている方と比較すると税負担の公平性に欠けてしまいます。比較内容給与年収を個別に計算した場合(それぞれ年末調整をした場合)給与年収を合算して計算した場合1年間の給与年収130万円(80万円+50万円)130万円給与所得給与年収80万円の場合:15万円給与年収50万円の場合:0円65万円基礎控除76万円(年末調整でそれぞれ適用と仮定)38万円課税総所得金額0円27万円(65万円-38万円)納めるべき税金(復興特別所得税含みます)0円13,700円上記のようになることを防ぎ、公平な税負担をするためには、給与収入を合算して確定申告をする必要があるわけです。確定申告は、アルバイトの年収が103万円以下であれば必要ない?先の解説を踏まえまして、仮に、アルバイトを2ヶ所以上で掛け持ちしている場合で、複数の勤務先から得たアルバイトの合算給与年収が103万円以下であれば、確定申告をする必要はありません。これは、1年間で得た給与年収が103万円以下であれば、税金の計算上、税金がかからない仕組みになっているためです。副業でアルバイトをした場合は、確定申告が必要?副業でアルバイトをしたからといって、必ず確定申告が必要になるとは限りません。厳密に言えば、副業でアルバイトをした場合に得た給与の収入をはじめ、おもに得ている収入がどのような形態なのかによっても判断がわかれることになると考えられます。たとえば、会社員の方が、勤務先のほかにも副業として別のところからアルバイトによる給与収入を得た場合、すでに解説をしましたように、給与収入を合算して確定申告をしなければなりません。一方、筆者のように事業を営んでいる場合で、仮に、副業によるアルバイトの収入を得たとしても、1年間に得た給与収入が65万円以下であれば、税金の計算上、給与収入を含めても含めなくても、納めるべき税金が変わることはありません。このように、副業でアルバイトをした場合の確定申告は、ケース・バイ・ケースとなりますので、特殊な事情がある場合は、税務署や税理士などにあらかじめ確認しておくことが望ましいでしょう。確定申告をしないとアルバイトで得た収入が税務署にばれる?確定申告をしても、しなくてもアルバイトで得た収入は、税務署にしっかりと把握されているため、確定申告が必要なのにも関わらず、無申告で、かつ、税金を納めなければならない場合は、税務署からお尋ねがくる場合があります。つまり、アルバイトで得た収入を隠すことはできず、税務署にばれるということです。この理由は、アルバイトをしているそれぞれの勤務先では、アルバイトを含む従業員の年末調整をすべて完了させた後、翌年1月31日までに税務署に対して法定調書と呼ばれる資料を提出しなければならない義務があるためです。この法定調書の中には、勤務先が作成し交付したマイナンバーが記載された源泉徴収票も含まれており、税務署だけではなく、お住いの市区町村に対しても情報が届くことになります。そのため、アルバイトの掛け持ちの質問で紹介したように、80万円の給与を支給した勤務先も50万円の給与を支給した勤務先も税務署に対して法定調書を提出しているため、マイナンバーから簡単に1年間の給与年収が把握できるという仕組みになっているわけです。この結果、本来、確定申告をする必要があり、収入に見合った税金を納めていない方に対しては、お住いの所轄税務署からお尋ねがきて、修正申告をしてくださいといった流れになるのが一般的です。アルバイトの方の確定申告に関するまとめ確定申告をしなければならないアルバイトの人や、確定申告に対する疑問と回答を幅広く紹介させていただきましたが、本記事のポイントをざっくりまとめます。複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は、確定申告を忘れない給与合算年収103万円以下であったとしても、所得税の還付金を得られる場合もあるため、事前確認しておくことが望ましいアルバイトの収入を隠したとしても、法定調書の提出がなされている関係上ばれるため、副業によるアルバイトも含め、働き方に注意(就業規則に違反して解雇などの処分がされたら取り返しがつかない)本記事を通じて、確定申告をしなければならないアルバイトにあてはまっている人は、率直なところ、所得税の追徴や還付といった損得に関わらず、確定申告を行うのが、最も確実でわかりやすい考え方だと言えるでしょう。
2019年01月26日本記事では、楽天証券でiDeCo(イデコ)の運用商品を選ぶ場合、どれがおすすめ商品(理論上優れていると考えられるもの)なのかを考察します。なお、記事の数値や名称は、本記事執筆時点の内容です。また、本記事は、特定の銘柄を勧誘・斡旋・推奨するものではありません。iDeCo(イデコ) 楽天証券おすすめ商品はどれ?基本的な考え方まず、基本的なことを確認しておきましょう。iDeCo(イデコ)は「もう一つの年金」とも呼ばれます。これは、老後の資産形成のための制度です。加入するか・しないかは、個人が判断します。そして、iDeCo(イデコ)の運用商品は大きく2タイプに分かれます。基本的に元本保証の預貯金タイプ元本割れをすることのある投資信託元本割れ:買った時の値段を下回ること。いわゆる「損をする」という状態。本記事では、2の元本割れをすることのある投資信託について、どれがおすすめ商品なのか迫ります。ポイントとしては、iDeCo(イデコ)では税制優遇などの仕組みは共通ですが、取り扱っている運用商品は運用期間ごとに異なります。本記事では楽天証券の取扱商品について見てみます。ただ、基本的な考え方は共通ですので、楽天証券以外でiDeCo(イデコ)をされている方も、本記事のポイントと照らし合わせながら見ていただければ、良く分かるかと思います。投資信託:複数の金融商品(株・債券など)が袋詰めにされたような金融商品。分散投資に適している。超重要なポイント!金融市場の参加者の9割は「おりこうさん」だと考えられるさて、大変恐縮ですが、まだどれがおすすめ商品なのかには触れません。その前に知っておいていただきたいことがあるからです。それは、金融市場の参加者のおよそ9割くらいは「おりこうさん」だと考えられる、ということです。投資の初心者の方からすると「どういうこと?」と思われるでしょう。分かりやすく説明します。これはつまり「株式市場や債券市場で投資をしているのは、金融機関やその専門家たち、おりこうさんが90%近くを占めている」ということです。すなわち、「株式市場や債券市場での株式や債券の価格は、素人が適当に決めているのではなくて、賢いプロたちによって、おおよそ適正価格になっているだろう」と考えられるのです。これを格好良く言うと、効率的市場仮説と言います。が、専門用語を覚えていなくても大丈夫です。効率的市場仮説:現代投資理論(MPT)でも用いられる基本的な考え方の一つiDeCo(イデコ)はもちろん、通常の証券口座でも、どこでも、なんでも、投資をする際にはこの金融市場の参加者のおよそ9割くらいは「おりこうさん」だということがとっても大事な考え方です。おすすめ商品(理論上優れていると考えられるもの)を見抜くうえで、欠かせないポイントです。金融市場の参加者のおよそ9割くらいは「おりこうさん」だと考えられる※ご注意!どんな投資信託でも値下がりしますそして、これも重要なポイントですが「基本的に元本割れしない投資信託はありません」。確かに世の中には「元本確保型」や「損失回避型」もありますが、元本割れをしにくくしていたり、元本が割れそうなときに損切りに近いことをするだけです。また、これらの「魅力的に思える金融商品」は、コストが高く資産運用の効率が悪いのでおすすめ商品とはなり得ません。ですから、iDeCo(イデコ)とは別の税制優遇制度の「つみたてNISA(ニーサ)」には、「元本確保型」や「損失回避型」などの魅力的に思える金融商品は一切入っていません。筆者としては「現代投資理論に沿った、良い選択である」という拍手喝さいの心境です。ただ、iDeCo(イデコ)には、ちょっと理論上おすすめできない投資信託があることがあります。それでは見てみましょう。どんな投資信託を買っても、元本割れはあり得るし、運用成績は良くなったり悪くなったりするのが当たり前。iDeCo(イデコ)おすすめ商品の見抜き方楽天証券のHPによりますと、執筆時点でiDeCo(イデコ)の対象商品は全32本(内、投資信託は31本)のようです。さあ、クイズです。どれがおすすめ商品でしょうか?というと投資初心者の方は途方に暮れてしまいます。場合によっては、「名前が格好いい・ステキ」ですとか「これが良い気がする」や「(金融機関によっては)星付けやランクが良いから」という理論とまったく関係のない理由で決めてしまいかねません。ここでは、次の見極め方を参考に見ていきます。信託報酬が0.5%以下であること、かつインデックス型であること見抜き方のポイントをおさらいここで、ポイントをおさらいしますと、コストはただのマイナス要因なのでせめて0.5%以下から選ぶこと。もちろん0.5%より低ければより良いです。コスト:信託報酬などの各種経費のこと。信託報酬は毎日発生するので、低い方が良い。コストが高くても、運用成績とは「関連性がない」ので低い方が良い。そして、インデックス型投資信託であることです。インデックス型投資信託:いわゆる「市場平均」と「連動する」ことを目標とする投資信託。なぜ、インデックス型投資信託が良いの?さて、初心者の方からすると、「なぜ、コストの高さが運用成果と関連性がなく、いわゆる平均点であるインデックス型投資信託が良いことになるのか?」という疑問が浮かぶと思います。ここに、資産運用の大きな誤解があるのです。その誤解とはコストが高いと運用成績も良いはず平均点なんてプロ(金融機関)なら簡単に超えられるはずという誤解です。この誤解を解くカギこそが、最初にお話しした、金融市場の参加者のおよそ9割くらいは「おりこうさん」だと考えられるという「効率的市場仮説」なのです。専門用語をできるだけ使わず、4ステップで解説します。世界中の参加者はほぼ「おりこうさん」ばかりだから、株価などは適正価格であるだからコストをたくさんかけても、特に良いことはないし、むしろコストをかけると成績がその分悪くなる(ただし、売り手は儲かるかも・・・)みんなが「おりこうさん」なのだから、平均点こそが効率的になり、連続して平均点を超えることは理論上、むつかしいし、経験則的にもむつかしい。まれに平均点を超えることはあるが、長期では、やはり平均に勝てないさらに、おりこうさんが賢くなり、スゴイAIや新しい「勝利の方程式」のようなものが出ても、それは平均点が効率的になるだけなので、やっぱり平均点が効率的になるというものです。これがいわゆる現代投資理論の結論の一つです。現代投資理論の結論:より正確には、市場平均と安全資産(預貯金や国債)の組み合わせがベスト。つまり、投資をするならインデックス型投資信託が効率的、ということに理論上はなります。iDeCo(イデコ) 楽天証券で理論上のおすすめ商品それでは楽天証券取扱商品の中から、どれがおすすめ商品かを見ていきます。繰り返しですが、ポイントは、次の内容です。信託報酬が0.5%以下であること、かつインデックス型であることそれがこちらです。インデックス型の見極め方法は、商品説明の中に「この投資信託はインデックス型です(または何々の市場平均に連動することを目指す)」というような表記がありますので、それを探してください。10種類に絞られました。ただ、冒頭にも書きましたが、どんな投資信託でも基本的に値下がりしますし、景気によっては半値近くまで・あるいはもっと下がります。ですから、どれを選んでも損をする可能性があります。そして、大きく下がったところで売ってしまうと、どれを選んでも当然、損をします。また、大きく下がったところで、大きく上がっているモノに買い替えると、不思議(?)なことに「高く買って安く売る」という行為を自分で行うことになり、やればやるほど損をします。なぜなら、大きく上がっているモノも、やがていつか下がる可能性があるです。これではいつまでたっても、効率的に増えませんね。投資信託には良い・悪いはなく「理論上マシか・そうでないか」が判断のポイントです。金融商品の組み合わせ方法・運用はまた別の問題です。折に触れて別記事で詳しく触れていきたいと思います。筆者がiDeCo(イデコ) 楽天証券でおすすめ商品を選ぶならコレを選ぶそれでは、仮に筆者が楽天証券のラインナップの中から、iDeCo(イデコ)の運用商品を選ぶなら、どれか?を発表したいと思います。発表前にご注意ただ、組み合わせや比率は人それぞれで正解が異なります。現代投資理論でも、最適な資産の組み合わせは、その人が一番満足する・うれしい(効用を最大化する)もの、ということになっています。ですから、この組み合わせは正解でもなんでもありません。あくまでも一つの参考例です。ちなみに、金融危機時には、半分くらいまで資産が減る(大損する)組み合わせでもあります。定年間際の方がこの組み合わせにしていては、大変なことになるかもしれません。また、初心者の方がこの組み合わせにしたまま、金融危機に直面すると、慌てて売ってしまい、資産が大きく目減りしてしまうかもしれません。さらに、この組み合わせは筆者の働き方や資産額、リスク(値動きの幅)や物事の考え方、時代、経済環境によっても変わります。さらにくどいですが、何かしらの勧誘・斡旋・推奨を意図するものではありません。筆者の選ぶものと組み合わせはコレですこの組み合わせの場合、金融危機時には半分、あるいは半分より資産が減る可能性があります。iDeCo(イデコ)楽天証券のおすすめ商品まとめ楽天証券のラインナップからiDeCo(イデコ)の運用商品を10個、理論的に厳選見極めポイントは、コストとインデックス型投資信託カギは「市場参加者の9割はおりこうさん」ということ本日は、楽天証券のおすすめ商品を見ました。また、最後に筆者が選ぶなら?というテーマで組み合わせを紹介しました。筆者の組み合わせを見てお分かりのように「なぜこれが良いのか?」が「分からない」と思います。分からないと、運用も定まりません。投資で重要なのは、「どれがおすすめ?」よりも「なぜそうなのか?」ということではないかと思います。なぜコストが低い方が良いのか?なぜインデックス型投資信託が良いのか?なぜ筆者は株式ばかりを組み合わせているのか?なぜリート(不動産)や金、海外先進国が入っていないの?なぜ筆者は金融危機時に大きく目減りする組み合わせなのか?どうやって運用していくつもりなのか?また、それはなぜなのか?これをもっと知っていかないと、資産形成の効率が悪かったり(マシでなくなる)、金融危機時などにヘンテコなことをしてしまうものです。今後も、これらの「なぜ」について、少しずつ言及していきたいと思います。
2019年01月25日ちょっとの工夫で少しの得でも、積もり積もれば、結果は全然違う。年金は当てにできないと思う人は必読。経済ジャーナリストの荻原博子さんが、年金受給額をふやすための裏ワザを教えてくれた――。「老後が心配だ」と多くの方が口にします。しかも高齢の方より、40代、50代の現役世代のほうが、不安感が大きいように思います。ですが私は「老後は年金だけで暮らせる」と考えています。40代、50代の方が老後を迎えるころも、大丈夫だと思います。ただし、年金制度をきちんと知って、十分に活用することが大前提です。私はこのほど、『年金だけでも暮らせます決定版・老後資産の守り方』(PHP新書)を出版しました。そこには、年金だけで暮らすための極意を詰め込んでいます。今回はその中から、特に40代、50代の『女性自身』読者の皆さんに今知ってほしい、年金を増やす裏ワザをお伝えしたいと思います。公的年金には大きく分けて、国民年金と厚生年金がありますが、今回は2組の夫婦を例に考えます。1組目は、夫が40年間会社勤めで厚生年金、妻はその間ずっと専業主婦だった「厚生年金モデル夫婦」です。2組目は、自営業などで2人とも40年間国民年金の保険料を払い続け、満額を受給できる「国民年金夫婦」です。まず、それぞれの今の年金額を知っておきましょう。厚生年金モデル夫婦は月約22万1,000円で、国民年金夫婦は月約13万円です(’18年度・厚生労働省・夫婦2人分)。では、今40歳の方が年金をもらい始めるころの年金額はどうなっているのでしょうか。将来の年金額は、厚生労働省が5年に1度「財政検証」を行い、試算します。前回’14年の財政検証でもっとも標準的な経済状況では、今から約25年後、’43年度の年金月額は、厚生年金モデル夫婦が約24万4,000円、国民年金夫婦が約12万5,000円となっています。現状より少しよいか現状並みに見えますが、実は、現役世代の給料が今より1.39倍に増え、物価も上がっていることを前提にしています。これを基に今の価値に換算すると、厚生年金モデル夫婦で月約18万円、国民年金夫婦で約9万円相当になります。つまり、今40歳の方が年金をもらい始める25年後は、今より2~3割程度、年金が減るということです。「老後がますます不安だ」と嘆く前に、今から紹介する年金アップの裏ワザをぜひ試してください。■国民年金のまとめ払い国民年金の保険料は現在、毎月払いだと1万6,340円です(’18年度・厚生労働省)。これを6カ月分まとめて口座振替で払うと、毎月払いより1,110円安くなります。まとめ払いは6カ月のほか、1年、2年とあり、長期ほど割引額は大きくなります。2年払いの口座振替は、毎月払いより1万5,650円安くなります。2年払いの保険料は1人分で約38万円と高額ですが、一度目だけ貯金からねん出し、それ以降は毎月払いの保険料を払ったつもりで貯めておきます。2年後、保険料貯金から2年払い保険料を払うと、手元に1万5,650円が残る計算です。夫婦2人とも2年払いにすると3万1,300円残りますから、これを老後貯金に回しましょう。今40歳の国民年金夫婦が、これから20年間2年払いにすると、割引総額は1人分で15万6,500円、2人分なら31万3,000円です。まとめ払いの申し込みは、毎年2月末までです。国民年金の方は、今が切り替えのチャンスです。■付加年金国民年金には、保険料に月額400円を上乗せして払う「付加年金」という制度があります。これを利用すると、将来年金をもらうときに、200円×付加年金を払った月数分がプラスして支給されます。たとえば、40歳の方が60歳まで、付加年金を払ったとします。付加年金分の保険料総額は、400円×12カ月×20年間=9万6,000円です。年金をもらうときには、200円×12カ月×20年間=4万8,000円が毎年、国民年金に加算されます。毎月の年金額にするとわずか月4,000円ですが、月400円の付加年金保険料からすると10倍です。付加年金でもらえる年金額は、保険料を払う月数に比例しますから、できるだけ早く手続きすることをお勧めします。さらに、付加年金の上乗せは一生続きます。先の40歳で付加年金を始めた方は、年金をもらい始めて2年たつと、付加年金分として4万8,000円×2年間=9万6,000円受け取れ、支払った保険料の元が取れます。3年目以降はずっと“もらい得”が続くことになります。女性の平均寿命は87.26歳です(’17年・厚生労働省)。88歳まで生きた方がもらえる付加年金は、23年間で約110万円。払った保険料を差し引くと約100万円お得です。これは1人分ですから、国民年金夫婦の方は、ぜひ夫婦2人そろって早めに手続きしてください。■年金の繰下げ受給年金は、国民年金も厚生年金も、65歳からの支給が原則です。ですが希望すれば、60~70歳の間の好きなタイミングでもらい始めることができます。65歳より早くもらい始めることを「繰上げ受給」、65歳より遅くもらい始めることを「繰下げ受給」といいます。65歳より早くもらい始めると、0.5%×早くもらった月数分が減額されます。たとえば60歳からもらい始めると、0.5%×12カ月×5年=30%の減額です。国民年金満額の方の年金額は月約6万5,000円ですが、5年繰り上げて60歳からもらい始めると30%減額され、月約4万5,000円になります。早くからもらえるのはメリットですが、76歳以上長生きすると、一生に受け取る年金総額で損になります。反対に、65歳より遅くもらい始めると、0.7%×受給を遅らせた月数分が増額されます。たとえば70歳からもらい始めると、0.7%×12カ月×5年=42%アップです。今40歳の厚生年金モデル夫婦は、65歳からの年金額が月約18万円でした。2人とも70歳からもらう5年繰り下げを行うと、月18万円×42%=約7万6,000円増額され、月約25万6,000円になります。国民年金夫婦も2人とも70歳からの受給に繰り下げると、月約9万円の年金が42%アップで月約12万8,000円になります。どちらの夫婦も81歳以上長生きすると、年金総額でお得になります。特に自営業の方は定年がありませんから元気で長く働いて、年金を遅くもらい始める繰り下げを活用するといいと思います。
2019年01月25日ちょっとの工夫で少しの得でも、積もり積もれば、結果は全然違う。年金は当てにできないと思う人は必読。経済ジャーナリストの荻原博子さんが、年金受給額をふやすための裏ワザを教えてくれた――。「老後が心配だ」と多くの方が口にします。しかも高齢の方より、40代、50代の現役世代のほうが、不安感が大きいように思います。ですが私は「老後は年金だけで暮らせる」と考えています。40代、50代の方が老後を迎えるころも、大丈夫だと思います。ただし、年金制度をきちんと知って、十分に活用することが大前提です。私はこのほど、『年金だけでも暮らせます決定版・老後資産の守り方』(PHP新書)を出版しました。そこには、年金だけで暮らすための極意を詰め込んでいます。今回はその中から、特に40代、50代の『女性自身』読者の皆さんに今知ってほしい、年金を増やす裏ワザをお伝えしたいと思います。公的年金には大きく分けて、国民年金と厚生年金がありますが、今回は2組の夫婦を例に考えます。1組目は、夫が40年間会社勤めで厚生年金、妻はその間ずっと専業主婦だった「厚生年金モデル夫婦」です。2組目は、自営業などで2人とも40年間国民年金の保険料を払い続け、満額を受給できる「国民年金夫婦」です。まず、それぞれの今の年金額を知っておきましょう。厚生年金モデル夫婦は月約22万1,000円で、国民年金夫婦は月約13万円です(’18年度・厚生労働省・夫婦2人分)。では、今40歳の方が年金をもらい始めるころの年金額はどうなっているのでしょうか。将来の年金額は、厚生労働省が5年に1度「財政検証」を行い、試算します。前回’14年の財政検証でもっとも標準的な経済状況では、今から約25年後、’43年度の年金月額は、厚生年金モデル夫婦が約24万4,000円、国民年金夫婦が約12万5,000円となっています。現状より少しよいか現状並みに見えますが、実は、現役世代の給料が今より1.39倍に増え、物価も上がっていることを前提にしています。これを基に今の価値に換算すると、厚生年金モデル夫婦で月約18万円、国民年金夫婦で約9万円相当になります。つまり、今40歳の方が年金をもらい始める25年後は、今より2~3割程度、年金が減るということです。「老後がますます不安だ」と嘆く前に、今から紹介する年金アップの裏ワザをぜひ試してください。■厚生年金の加給年金厚生年金に20年以上加入している夫が年金をもらい始めるとき、年下の妻を扶養していたら、妻が65歳になるまで「加給年金」がもらえます。加給年金は18歳未満の子がいる場合などにも支給されますが、妻の場合は、年22万4,300円。妻の年齢による特別加算も付きます。先の厚生年金モデル夫婦の妻が夫より年下だった場合は、特別加算も合わせて年約39万円もらえます。月約3万3,000円ですから、忘れずに年金事務所にお届けを。1つ注意点があります。加給年金をもらえる方が、年金を65歳より遅くもらい始める「繰下げ受給」を行い、実際に年金をもらおうというときに、妻が65歳を過ぎていたら加給年金は一切もらえません。そういう方は、厚生年金部分と国民年金に当たる基礎年金部分とを分けて、基礎年金だけ繰り下げる手もあります。夫と妻との年齢差などで、加給年金を何年もらえるか、厚生年金を繰り下げたほうが得かが変わります。よく比べて考えてみてください。■企業年金などもらい忘れをチェック読者の皆さんには、若いころは会社勤めをしていた方もいるでしょう。そのとき働いていた会社で企業年金や厚生年金基金に加入していれば、たとえ1カ月だけの加入でも企業年金が一生もらえます。ただ企業が独自に行う企業年金は、結婚して名字や住所が変わってしまうと、本人が申し出ない限り支給するのがむずかしく、もらい忘れている方が130万人もいるそうです(’12年度末・厚生労働省)。心当たりのある方は勤めていた会社か、企業年金の加入期間が10年未満と短い方などは、企業年金連合会に問い合わせてください。
2019年01月25日確定申告や年末調整は、個人の方が1月1日から12月31日までの1年間で得た収入(所得)を基に所得税を計算して精算する手続きを言います。この時、所得税を計算する流れの中で、所得控除と呼ばれる控除を差し引いて所得税を計算する仕組みになっているのですが、実のところ、確定申告と年末調整では、適用することができる所得控除に違いがあります。そこで本記事では、確定申告で適用可能な所得控除の紹介をはじめ、節税対策に使える大切なポイントをわかりやすくまとめて紹介していきます。所得控除とは?所得控除のイメージをざっくり知ろう所得税は、1月1日から12月31日までの1年間に得た収入(所得)を基に計算される税金ですが、すべての方が公平な税負担をするための措置として、14種類の所得控除が設けられており、これらの所得控除を差し引いて所得税を計算することによって、税負担の公平性を保っています。所得控除の具体的なイメージとして、たとえば、本人も含め障害を抱えている家族や親族を扶養している場合は、他の方に比べて多くのお金がかかる場合や生活する上での負担が大きいと考えられるため、このような方々には、障害者控除を適用できるようにすることで、税負担を軽くします。また、高校生や大学生などの子供を扶養している場合は、教育費にお金が多くかかることが考えられるため、このような方々には、扶養控除を適用できるようにすることで、税負担を軽くします。このように、所得控除はその方が置かれている状況や置かれていた状況を加味された上で税負担が軽減される控除のことを言い、所得控除の種類は次項の通りです。確定申告で適用可能な所得控除は14種類所得税法で定められている所得控除は、全部で14種類あり、所得控除を適用することができる条件に合致している場合は、確定申告をすることで、14種類すべての所得控除を適用することができます。所得控除の種類所得控除が受けられる場合雑損控除災害や盗難、横領により住宅や家財などに損害を受けた場合医療費控除1年間を通じて、医療費負担の合計金額が一定額以上となった場合寄附金控除ふるさと納税(都道府県・市区町村に対する寄附金)をはじめ、国や政党などに対して寄附をした場合社会保険料控除健康保険料や国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、介護保険料、国民年金保険料などの支払いがある場合小規模企業共済等掛金控除iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金や自営業者などが加入している小規模企業共済の掛金がある場合生命保険料控除終身保険や医療保険、個人年金保険など各種生命保険や共済へ加入している場合地震保険料控除地震保険料や旧長期損害保険料の支払いがある場合寡婦・寡夫控除申告する方が、寡婦または寡夫である場合勤労学生控除申告する方が勤労学生である場合障害者控除申告する方や配偶者、扶養親族が障害者である場合配偶者控除配偶者が専業主婦(主夫)などの場合や配偶者の収入が低い場合配偶者特別控除申告する方の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が38万円を超え、76万円未満である場合扶養控除12月31日時点で16歳以上の扶養している親族などがいる場合基礎控除すべての方に適用される所得控除上記14種類の所得控除は、毎年1月1日から12月31日までの1年間において、所得控除が受けられる条件にあてはまっていることで適用を受けることができます。ただし、実務上、それぞれの所得控除を適用するための条件は、さらに細かくなっているため、上記表は大まかな目安とした上で、適用になりそうな所得控除がある場合は、国税庁のWEBサイトで詳しく調べたり、税務署や税理士へ尋ねてみることをおすすめします。確定申告のみで適用可能な所得控除は3種類本記事の冒頭でもお伝えしましたように、実のところ、確定申告と年末調整で適用することができる所得控除には違いがあるのですが、具体的に、雑損控除、医療費控除、寄附金控除といった3種類の所得控除は、確定申告のみで適用可能な所得控除になります。そのため、年末調整でこれら3つの所得控除の適用はできないため、1年間において、雑損控除、医療費控除、寄附金控除のいずれかの適用を受けるためには、原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をしなければなりません。ちなみに、会社員や公務員で、基本的に年末調整のみで1年間の税金精算を終了した方がふるさと納税をした場合、寄附金控除の適用を受けられますが、確定申告をする手間を省くことができるワンストップ特例制度がありますので、そちらの制度も合わせて確認されておくのも良いでしょう。なお、年末調整で適用できる所得控除と確定申告で適用できる所得控除の内容や条件は、手続きによる違いはありません。確定申告のみで適用可能な医療費控除とは?医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間において、本人や配偶者をはじめ生計を同一にしている家族の医療費を支払った場合で、支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる税金の軽減制度です。ここで言う、支払った医療費の一定額というのは、確定申告をする方の収入(所得)によって異なる特徴があり、それによって、医療費控除が適用できる、できないといった判定も異なります。加えて、医療費控除の適用を受けるためには、作成した確定申告書のほかにも医療費控除の明細書などが必要であり、さらに、医療費控除の対象となる金額を計算する必要もあります。ここだけ見ますと、とても難しそうな感じを受ける方もおられるのかもしれませんが、以下、同サイト内で公開している記事では、確定申告で医療費控除を適用する方法や医療費控除の計算方法をはじめ、対象となる医療費などポイントを幅広く紹介しておりますので、合わせて確認されてみることをおすすめします。住宅ローン控除の適用を受ける場合も確定申告が必要住宅購入は、一生に一度の大きな買い物と言われますが、夢のマイホームを金融機関から住宅ローンを借入して購入された場合は、こちらも一定の条件を満たしていることで、住宅ローン控除の適用を受けることができます。住宅ローン控除の重要なポイントの1つとして、住宅ローン控除の適用を受けるためには、初年度のみ必要書類を添えて確定申告をしなければならないことも適用条件に含まれています。なお、住宅ローン控除は、本記事で紹介している所得控除ではなく、税額控除にあてはまるため、節税効果はかなり大きいメリットがあり、さらに、会社員や公務員など給与所得者の方であれば、2年目からは勤務先が行う年末調整で適用が可能です。住宅ローン控除は、購入した住宅が新築なのか中古なのかといった種類のほか、リフォームをした場合など、それぞれによって適用条件が異なるのですが、こちらも、以下、同サイト内で公開されている記事を合わせて読み進めてもらうことで、住宅ローン控除の適用方法から必要書類をはじめ、多くの方が抱えている疑問まで解決することができると思います。確定申告で節税対策に使える大切なポイントとは確定申告は、年末調整で1年間の税金精算が終える方々にとってみますと、馴染みがないため難しいイメージや面倒なイメージをお持ちの方も多いと思いますが、確定申告のメリットは、適用し忘れた所得控除を追加できるところにあります。たとえば、給与所得者であれば、年末調整後に新たに適用できる所得控除がわかった場合や適用できる所得控除を適用するのを忘れていた場合など、いわば、税金の精算をやり直すことで、所得税の還付を受けられ、翌年納める住民税も軽減できるのが、確定申告のメリットと言えます。そのため、必ず節税効果が得られるといったわけではありませんが、これまで紹介した14種類の所得控除がどのような場合に適用されるのか、そして、それぞれの所得控除の適用忘れがないかを再確認することで節税対策につながる可能性があると考えることができます。確定申告で適用可能な所得控除まとめ確定申告で適用可能な所得控除の紹介をはじめ、節税対策に使える大切なポイントを紹介させていただきましたが、特に、確定申告をしなければ適用されない雑損控除、医療費控除、寄附金控除については、いま一度、適用できるのか確認されてみることをおすすめします。また、住宅ローン控除の適用を受けるために初年度は確定申告が必要であることや、そもそも確定申告とはどのような手続きなのか大まかな概要やポイントも押さえておく必要があるでしょう。
2019年01月24日マイナンバーは、1人につき1つ付与される12桁の番号のことをいい、確定申告などの税金の申告手続きにおきましては、平成28年1月からマイナンバーの利用が始まっています。そのため、個人の方を対象にした毎年の税金精算手続きにあたる年末調整や確定申告におきましても、必要書類へ本人や扶養している親族などのマイナンバーの記載が求められることになっています。確定申告の時期が近づいてきていることも踏まえまして本記事では、改めて申告前に確認しておきたい確定申告とマイナンバーのポイントを紹介していきます。確定申告をする場合におけるマイナンバーの取り扱いについて国税庁平成30年分確定申告特集(1)申告書第一表のマイナンバーの記載箇所確定申告書をe-Taxを利用して作成した場合は、マイナンバーの入力を作成する際にしっかりと行われていることによって、記入漏れが生じることはありませんが、確定申告書を手書きで作成する場合には、上記イメージ図を基にマイナンバーの記入漏れをしないように注意が必要です。なお、確定申告書には、確定申告書Aと確定申告書Bという2種類の様式があるのですが、いずれの確定申告書を作成する場合におきましても、ご自身のマイナンバーを記入する箇所に違いはありません。ちなみに、確定申告書を作成する上で、配偶者、扶養親族、事業専従者がおられる場合は、これらの方のマイナンバーも記入する必要があり、具体的な記載例は以下の通りです。国税庁平成30年分確定申告特集(2)申告書第二表のマイナンバーの記載箇所こちらにつきましても、確定申告書をe-Taxを利用して作成した場合は、マイナンバーの入力を作成する際にしっかりと行われていることによって、記入漏れが生じることはありませんが、確定申告書を手書きで作成する場合には、上記イメージ図を基にマイナンバーの記入漏れをしないように注意が必要です。特に、手書きで確定申告書を作成する場合におきましては、配偶者控除の適用の有無や扶養控除の適用の有無によって、記入する欄が異なっている点に注意が必要と言えます。確定申告書へ添付する番号確認書類および身元確認書類について税務署に対して、確定申告書を手書きで作成して提出する場合やe-Taxを利用して作成した確定申告書を書面で提出する場合の番号確認書類および身元確認書類の添付方法は、以下の通りです。国税庁平成30年分確定申告特集(3)本人確認書類の提示又は写しの添付確定申告書を手書きで作成する場合は、あらかじめ税務署から貰ってきた確定申告書に記入することが予測されますが、この貰ってきた確定申告書には、上記添付書類台紙もセットで付いてきますので、そちらに、番号確認書類および身元確認書類を貼付します。なお、添付書類台紙に貼付する書類が多く、1枚に収まりきれない場合などで、番号確認書類および身元確認書類を貼付できない場合につきましては、別途、コピー用紙へ貼付したものを添えて確定申告書と共に提出しても差し支えありません。ちなみに、e-Taxを利用して作成した確定申告書を書面で提出する場合は、確定申告書の作成がすべて完了した後に、作成した確定申告書と添付台紙のいずれも印刷をすることができますので、忘れずに行うようにしましょう。確定申告書へマイナンバーを記載しないペナルティーはある?本記事を作成している平成31年1月現在において、確定申告書へマイナンバーを記載しなかったことや誤ってマイナンバーを記載してしまったことによるペナルティーは、法律上、設けられておりません。そのため、中には、本業で働いて収入を得ているほかに、勤務先に内緒で副業をしていることを知られたくないという理由から、マイナンバーの記入を避けたい方もおられると思いますが、マイナンバーの記入は法律で定められた義務になっています。仮に、確定申告書へ意図的にマイナンバーの記入をしなかったとしても、後日、税務署から書面などで連絡が来ることが十分に考えられ、結果として手間や時間が取られることになりますので、マイナンバーの記入は正確、かつ、確実に行うようにしましょう。また、確定申告書へマイナンバーを記載しなかったことや誤ってマイナンバーを記載してしまったことによる確定申告書の不受理といったことも基本的にはありませんが、こちらも同様に、後日、税務署から書面などで連絡が来ることが十分に考えられることから、やはり、マイナンバーの記入は正確、かつ、確実に行うようにすることが望ましいと言えます。確定申告でのマイナンバーに関するまとめ確定申告をする上で、マイナンバーの記入やそれにかかる番号確認書類や身元確認書類の提示や添付が必要であることが、本記事を通じておわかりになっていただけたと思います。マイナンバー制度が確定申告などの税金の申告に利用されるようになった背景には、1年間の税金の申告を正しく行うための理由もあり、いわゆる無申告や過少申告をすることによる租税回避を確実に避けるための防止策であることも確かです。そのため、たとえば、副業で得た収入を隠ぺいするなど、大きなリスクを犯すことや意図的にマイナンバーの記入をしないといったことは考えずに、正しく確定申告を行い、その中でご自身の収入や今後の将来について真剣に考えてみることの方が得策であると思われます。
2019年01月19日iDeCo(イデコ)とは、長寿化・少子高齢化に伴い、不足する可能性のある「老後の資産」形成のための制度です。原則として20歳から60歳までの方が加入できます(一部要件あり)。本記事では、iDeCo(イデコ)加入者が、加入途中で死亡した場合に一時金や相続はどのようになるのかなどにスポットを当てて記します。※本記事内の数値や要件などは、記事執筆時点のものです。iDeCo(イデコ)加入者本人が死亡した時どうなるの?先ほど記しましたように、iDeCo(イデコ)は老後の資産形成のための制度で60歳まで原則としてお金を途中で引き出すことができません。しかし、(あまり想像したくないことではありますが)人生では60歳途中までに加入者が死亡してしまうこともあるでしょう。このような場合は、どうなるのでしょうか。見てみましょう。iDeCo(イデコ)加入者が途中で死亡した場合は?iDeCo(イデコ)に加入している方が引き出し可能年齢(60歳)までに死亡した場合は、死亡一時金が遺族に支払われます。一時金とは、まとめて受け取るお金のことです。ポイントとしては、年金形式で受け取ることができない、というところです。iDeCo(イデコ)加入者が途中で死亡した場合は、死亡一時金が受け取れるiDeCo(イデコ)における死亡一時金とは?死亡一時金の金額については後述しますが、死亡一時金は次のような概要です。確定拠出年金制度において、加入者又は運用指図者の方が死亡された場合、ご遺族の方が請求により受け取ることのできる一時金のことをいいます。年金受給中に死亡された場合、ご遺族の方が残額を受け取ることができます。死亡一時金の請求先は、記録関連運営管理機関となります。出典:イデコ公式サイトここで言う加入者とは、お金を現在出している人です。運用指図者とは、掛け金を出すのを中止していて、資産の運用だけをしている人を指しています。一般的には、加入者のiDeCo(イデコ)口座を開いている機関(銀行や証券会社など)に連絡を取り、手続き方法を教えてもらうとスムーズです。iDeCo(イデコ)加入者が60歳以降に死亡したらどうなるの?iDeCo(イデコ)加入者は原則として60歳以降、お金を引き出すことができますが、お金を引き出す前に亡くなった場合も、遺族が一時金を受け取ることができます。年金として受け取り中であった場合も、残りの金額を一時金として受け取れます。iDeCo(イデコ) 60歳以降の引き出し:生存時のお金の受け取り方法は基本的に①一時金としてまとめて受け取る②年金として受け取るがあります。70歳までに手続きをしないと、自動的に①の一時金として支払われます。iDeCo(イデコ)に未加入の配偶者が死亡した場合はどうなるの?iDeCo(イデコ)はあくまでも個人の資産形成の制度ですので、公的年金とは異なり、iDeCo(イデコ)に未加入の配偶者が死亡をしても一時金などはありません。iDeCo(イデコ)に加入するかどうかは、あくまでも個人の意思です。主婦・主夫はiDeCo(イデコ)に加入すべき?あくまでも個人的な意見ではありますが、iDeCo(イデコ)はあくまでも個人の老後の資産形成のための制度ですので、夫婦であってもそれぞれで加入をすることも検討すべきかと思います。もちろん、節税面を考えますと、iDeCo(イデコ)への加入は収入のある方にとって所得税控除のメリットが多く発生します。一般的に収入のない主婦・主夫にとっては「所得税の控除が私にはないから、働き手だけがiDeCo(イデコ)に加入していればそれでいいでしょう。それが税制面で一番お得でしょう」と思われるかもしれません。それは確かにその通りの一面があります。しかし、iDeCo(イデコ)は公的年金ではありません。自分の意思で加入する(税制面で優遇されている)「個人の私有財産」です。離婚という問題が発生する可能性もありますので、夫婦でも別々に加入するという選択肢も入れておくと良いかもしれません。もちろん、離婚をしても財産分与で話し合いの上に分け合うということもあるようです。iDeCo(イデコ)死亡一時金はいくら?相続はどうなる?それでは、iDeCo(イデコ)加入者が死亡した場合の一時金と相続はどうなるのか見てみましょう。iDeCo(イデコ)の死亡一時金はいくら?まず、iDeCo(イデコ)の死亡一時金は、加入者により異なります。大変乱暴に言いますと、亡くなられた方の運用していた金融商品(預金タイプ・投資信託)を一度清算して現金に戻します。そして、そのお金を死亡一時金として受け取れる、という形です。そのため、加入者の以下3つの状況によって受け取れる金額が異なります。毎月の拠出額拠出した期間投資信託(※1)の場合、その清算時の運用成績※1 投資信託とは、様々な金融商品がパッケージ化されている金融商品。値下がりするリスクあり。経済環境などにより値動きがある。分散投資に適している。iDeCo(イデコ)の死亡一時金は、人それぞれで異なる身近な人のためにできることをしておくのも重要かもしれませんただ、現実にはiDeCo(イデコ)に加入している配偶者の方が亡くなられた場合、遺族にとっては「iDeCo(イデコ)のことなど気にしている余裕はない」のが現実だと思います。また、余裕が生まれても「iDeCo(イデコ)のことを知らなかった・窓口となる金融機関名が分からない」という事態も起こり得ます。親族が亡くなった場合、手続きの一つ一つが、残された遺族にとっては大変な重労働となります。書類一枚を書くにしても、その都度、いろいろな思い出が浮かび、大変に「重い・苦しい・つらい」こともあります。たとえば銀行の預金を下ろすだけでも、場合によっては親族のハンコがいくつも必要になったりと、肉体的にも精神的にも大変につらいことがあります。場合によっては何カ月も何も手につかないこともあるでしょう。現在、iDeCo(イデコ)に加入している方はのこされる方のために、最低限iDeCo(イデコ)に加入しているここの金融機関でiDeCo(イデコ)口座を開いているという旨は書面で残しておくのも愛情かと思います。口頭で伝えると忘れやすいものです。もちろん、受取人(後述)についても記しておくとさらにスムーズだと思います。iDeCo(イデコ)加入者死亡後、相続はどうなるの?誰が受け取れる?相続は遺された遺族にとっては大変にエネルギーを使う手続きです。先ほど少し触れましたが、iDeCo(イデコ)の死亡一時金受取人を指定することができます。あらかじめ指定したい人がいる場合は、生前に運営管理機関に対して、受取人を指定しておくことが可能です。銀行や証券会社などの運営管理機関に問い合わせ、手続きをしておきましょう。指定受取人は、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の中から選びます。生前に誰にも死亡一時金受取人の指定をしていなかった場合は、決められた相続順位となります。iDeCo(イデコ)の死亡一時金受取人は生前に指定が可能iDeCo(イデコ)加入者が死亡した場合まとめiDeCo(イデコ)加入者が亡くなった場合は死亡一時金が受け取れるiDeCo(イデコ)の死亡一時金は掛け金・期間・運用成績などにより異なるiDeCo(イデコ)の死亡一時金の受取人はあらかじめ指定できるiDeCo(イデコ)は基本的に自分の老後に備える「自分のための年金」ですが、受け取り前に本人が亡くなった後も、のこされた遺族の力になれます。ムダになりません。また「長生きをするリスク」もあります。どちらにも備えられる制度です。税制面でも優遇されていますので、人生100年時代においては重要な制度かもしれません。
2019年01月15日医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間において、本人や配偶者をはじめ生計を同一にしている家族の医療費を支払った場合で、支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる税金の軽減制度です。ただし、実際に、医療費控除で税金の軽減を受けるためには、年末調整では受けられず、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に確定申告をしなければならないほか、確定申告をする方の収入(所得)によって、医療費控除が適用できる、できないといった判定も異なる特徴があります。このようなことを踏まえまして本記事では、確定申告で医療費控除を受けるための方法や医療費控除で押さえておくべきポイントをわかりやすく紹介していきます。確定申告で医療費控除が適用になる金額医療費控除が適用になる金額の計算式確定申告で医療費控除の適用になる金額は、確定申告をする方の収入(所得)によって、金額が異なりますが、実務上、医療費控除が適用になる金額は、以下の計算式によって求めることになります。(実際に支払った1年間の医療費合計額-保険金などで補填される金額)-10万円たとえば、1月1日から12月31日までの1年間で、実際に支払った1年間の医療費合計額が30万円、医療保険から保険金を15万円受け取ったと仮定した場合、上記の計算式にあてはめますと、医療費控除の金額は5万円(※)となります。※(30万円-15万円)-10万円=5万円なお、保険金などで補填される金額には、医療保険から支給される入院給付金や手術給付金といった受取保険金のほか、健康保険などから支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などがあてはまります。ちなみに、1年間の総所得金額などが200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を超えた場合に医療費控除が適用できることとされていることから、先に紹介したように、一概に、1年間に支払った医療費が10万円を越えなければ医療費控除が適用できないといったわけではありませんので注意が必要です。総所得金額ってどのように判断する?1年間の総所得金額などが200万円未満と言われても、そもそも総所得金額って何?と感じられている方も多いと思いますので、ここでは、1年間の収入が給料のみである会社員や公務員を想定して、総所得金額の確認方法について、源泉徴収票を例に紹介しておきます。国税庁No.2260 所得税の税率納めるべき復興特別所得税:355円(16,950円×2.1%)納めるべき所得税および復興特別所得税の合計金額:17,305円→17,300円(100円未満切り捨て)還付される所得税:2,800円(17,300円-20,100円(源泉徴収票の源泉徴収税額)=▲2,800円)医療費控除の適用によって、本来納めるべき所得税および復興特別所得税は、17,300円で良いのですが、20,100円が源泉徴収されているため、結果として2,800円、多く税金を納めていることがわかります。そのため、差し引きした2,800円の所得税の還付が受けられるほか、翌年から納めるべき住民税も少なくなる効果が得られます。確定申告で医療費控除の対象となる医療費を知ろう先に紹介した医療費控除の計算式において、実際に支払った1年間の医療費には、医療費控除の対象となるものと医療費控除の対象にならないものがあり、医療費控除の対象になる医療費が計算式の結果よりも多くなければ医療費控除を受けることができません。医療費控除の対象となる医療費と対象にならない医療費国税庁のWEBサイトでは、医療費控除の対象となる医療費や対象にならない医療費は、以下の通りとしていますが、治療のための医療費は、医療費控除の対象、予防のための医療費は、医療費控除の対象外と考えながら読み進めてみるとわかりやすいでしょう。1 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。)2 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。)3 病院、診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価4 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)5 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価(この中には、家政婦さんに病人の付添いを頼んだ場合の療養上の世話に対する対価も含まれますが、所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、家族や親類縁者に付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象となる医療費になりません。)6 助産師による分べんの介助の対価7 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価8 介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額9 次のような費用で、医師等による診療、治療、施術又は分べんの介助を受けるために直接必要なもの(1) 医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの(ただし、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等は含まれません。)(2) 医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用(3) 傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代(この場合には、医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要です。)(3-1)医療費の中には、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などの規定により都道府県や市町村に納付する費用のうち、医師等の診療等の費用に相当するものや前記(1)・(2)の費用に相当するものも含まれます。(3-2)おむつ代についての医療費控除を受けることが2年目以降である場合において、介護保険法の要介護認定を受けている一定の人は、市町村長等が交付する「おむつ使用の確認書」等を「おむつ使用証明書」に代えることができます。10 骨髄移植推進財団に支払う骨髄移植のあっせんに係る患者負担金11 日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植のあっせんに係る患者負担金12 高齢者の医療の確保に関する法律に規定する特定保健指導(一定の積極的支援によるものに限ります。)のうち一定の基準に該当する者が支払う自己負担金(平成20年4月1日から適用されます。)出典:国税庁No.1122 医療費控除の対象となる医療費確定申告で医療費控除を受けるために必要なことこれまでの解説より、確定申告で医療費控除を受けるために必要なことをまとめますと、以下のようになります。医療費控除の適用を受ける方の1年間の総所得金額が200万円未満なのか、200万円超なのかを確認しておく医療費控除の対象となる医療費が、計算式で計算した結果よりも多くなっているのかを確認しておく確定申告で医療費控除を受けるための必要書類確定申告で医療費控除を受けるためには、原則として、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に作成した確定申告書に医療費控除の明細書を一緒に提出する必要があります。なお、医療費控除の明細書を作成するための基となった医療費の領収書は、5年間に渡って自宅などで保管する必要があるのですが、所定の事項が記載された医療費通知(医療費のお知らせなど)を医療費控除の適用を受ける際に提出する場合は、医療費控除の明細書や領収書の保管を省略することもできるようになっています。ちなみに、平成29年分の確定申告より、医療費控除を受けるために、医療費通知(医療費のお知らせなど)を添付することで、医療費控除が簡単に受けられるようになりましたが、1年間の支払った医療費が、すべて網羅されているわけではありません。たとえば、薬局で購入した市販の風邪薬や公共交通機関を利用して通院した場合の交通費も医療費控除の対象になるわけでありますから、このようなことを踏まえますと、少しでも多くの医療費控除を適用するためにも、やはり、医療費控除の明細書を作成することが望ましいのではないかと筆者は感じています。確定申告で添付が必要な医療費控除の明細書とは国税庁平成30年分確定申告特集(準備編)医療費控除の明細書は、医療費の領収書を見ながら必要事項を明細書へ記入していく流れとなりますが、すべてを個別に記入する必要はなく、医療を受けた方の氏名や病院・薬局などといった支払先の名称ごとにまとめて記載しても良いことになっています。国税庁医療費控除に関する手続について(Q&A)上記イメージ図のように、まとめて記入し、明細書を作成することで、手間や時間が省けることにつながります。医療費控除を受ける際に領収書の添付をしても差し支えないこれまでは、医療費控除の適用を受けるためには、医療費控除にかかる領収書の添付が求められておりましたが、平成29年分の確定申告からは、領収書の添付が省略できるようになっています。一方で、これまで通りのやり方で医療費控除の適用を受けたい方や多くの領収書を自宅で保管することに対して煩わしさを感じている方は、経過措置として、平成31年分まで引き続き領収書の添付をすることで医療費控除の適用を受けることが認められています。仮に、5年間に渡って保管しなければならない医療費控除にかかる領収書を紛失したり破棄する恐れがあると感じている方は、これまで通りの方法で確定申告の際に領収書を添付してしまう方が確実、かつ、安心と言えるでしょう。医療費控除で交通費がある場合は、忘れずに領収書などの添付を病院へ治療に行かれる際に、電車やバスなどの公共交通機関やタクシーを利用される方もおられると思いますが、これらは、医療費控除の対象になるため、忘れずに領収書の添付をするように心掛けておきたいものです。中には、領収書が発行されないものもあると思いますが、メモに残しておくことやエクセルなどの表計算ソフトへ入力して保存しておくなどの方法も認められているため、何かしらの証拠として残しておくことがとても大切になります。なお、ご自身が自ら自動車などを運転して通院するためのガソリン代や駐車場の代金は、医療費控除の対象とはなりませんので、こちらも合わせて注意しておくことが大切です。確定申告で医療費控除を受けるための方法まとめ医療費控除は、医療費通知(医療費のお知らせなど)を確定申告書に提出することで簡単に受けられるようになったため、医療費控除の適用を受ける方にとって手間や負担が前よりもかからなくなったことは確かです。ただし、医療費控除の対象となる医療費の範囲はとても広いことから、普段から家族にかかった医療費の領収書を1つの場所にしっかりと保管しておき、年末になりましたら一通り合計金額を算出される習慣を身に付けておくことをおすすめします。これは、長い人生の中で、病院へ入院したり、高額な医療費がかかる場合が将来的に十分考えられることから、いつかは必ず役に立つ内容のものであると考えられるからです。日常生活を振り返ってみて、普段と違った特殊な事情が生じた場合は、医療費控除が受けられる可能性も高くなるとも考えられますので、ケース・バイ・ケースではありますが、本記事で紹介した医療費控除のポイントを、ぜひ、今後に役立てていただければと思います。
2019年01月13日20歳になると生じる義務のひとつが国民年金への加入。わが子が学生で収入がなくても保険料は納めなければいけません。決して安いとはいえないその保険料、みなさんはどうしてるんでしょうか?■ 国民年金は誰が加入するの?保険料は?akiyoko / PIXTA(ピクスタ)日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入することが法律で義務付けられています。会社員や公務員など「第2号被保険者」は、お給料からひかれる厚生年金保険料に国民年金保険料が含まれています。第2号被保険者に扶養(社会保険上の)されている専業主婦など「第3号被保険者」は保険料の負担がありません。収入のない大学生や専門学校生は、20歳になったら国民年金の第1号被保険者として保険料を納めなければいけません。第1号被保険者の保険料は月額16,410円(平成31年度)年間で約20万弱、家計への負担を考えると親が払うべきなのか悩みますよね。■ 学生の66%が「学生納付特例制度」を利用Graphs / PIXTA(ピクスタ)学生納付特例制度は、学生本人の所得が一定以下の場合に、申請により在学中の保険料の納付が猶予される制度です。厚生労働省の「国民年金被保険者実態調査」によると、学生のうち66%が学生納付特例制度を利用しています。国民年金からは老後の年金だけでなく、病気やケガで障害が残ったときに障害基礎年金が受け取れます。未納のままでは受け取れない場合がありますが、この制度を利用して納付を猶予されている間は、保険料を納めていなくても未納扱いとはなりません。■ 将来の年金額への影響は?Mugimaki / PIXTA(ピクスタ)学生納付特例制度で猶予された期間は、10年以内であれば遡って保険料を納めることが可能です(追納)。筆者は普段、ファイナンシャル・プランナーとしてご相談者の年金加入状況も確認していますが、実際に追納している方は少ない印象です。老齢基礎年金は、保険料の納付期間によってもらえる年金額が変わります。20歳から60歳まで40年間フルに納めてもらえる年金は年間約78万円(平成30年度)。kuro3 / PIXTA(ピクスタ)例えば、大学2年生の4月で20歳を迎え、卒業まで猶予を受ければ3年間。さらに大学院へ進学して2年間、計5年間猶予を受ければ、老齢基礎年金の年金額は満額で受けとるより12.5%(5年÷40年)少なくなります。学生納付特例を利用する場合は、年金額への影響や追納についても知っておきましょう。■ 親が払うと税金が安くなる!Graphs / PIXTA(ピクスタ)親が子どもの国民年金保険料を支払ったら、税金を計算するときに社会保険料控除として親の所得から控除できます。仮に所得税率が10%だとすると、住民税と合わせて、支払った保険料の20%が節税になります。また、国民年金保険料は、毎月納付する以外に6か月・1年・2年の前納制度があります。2年前納の場合、毎月納めるよりも保険料は2年間で約15,000円ほど割引になります。平成30年度の2年前納の保険料(口座振替の場合)は377,350円でした。所得税+住民税が20%だとすると、75,470円の節税になります。(注)節税効果や前納による割引があれば、親の負担感も少しは軽くなりますね。2年前納の申込期限は毎年2月末です。子どもの国民年金保険料を払ってあげようと思っているなら検討してみてはいかがですか?(こころFP事務所)※注節税効果はその他の所得控除や税額控除の状況によって変わります。【参考】※国民年金被保険者実態調査(平成26年度)- 厚生労働省※学生納付特例制度・前納について – 日本年金機構
2019年01月12日iDeCo(イデコ)とつみたてNISAという言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ただ、つみたてNISAは2018年から始まったばかりで、その内容が広まっていないのも事実です。本記事では、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの違いについて、分かりやすく解説します。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの違いを分かりやすく解説!共通しているところは「積み立て投資」まず、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAに共通しているところから見ていきます。それは「積み立て投資」です。積み立て投資とは:一般的に毎月、一定の日に一定の金額で、あらかじめ決めておいた金融商品を購入すること積み立て投資のメリット売買タイミングを読まないので、自然に資産形成ができやすい一般的に積み立て投資をした方が、売買タイミングを読むよりも良い成績になることがデータとして出ている金融危機時など、本来の安い時期にも恐怖心に負けることなく合理的な投資ができるあまり知られていませんが、多くの人にとっての投資で一番上手な運用方法は「ほぼ何もしないで、積み立て投資に徹すること」です。データとして、頻繁に売買をすればするほど、運用成績が悪化することが出ています。ちなみに、男性の方が女性よりも頻繁に売買をする傾向にあり、数値としてはっきりと(統計的に)「女性の方が、男性より投資が上手い」と出ています。これは、男性は自信過剰気味なので売買を頻繁に行い、女性は何もしない人が多いからです。自信過剰(オーバーコンフィデンス):行動経済学の用語・本来、株価などの値動きはランダム・ウォーカー(法則がない)なので誰も値動き予想・売買については自信がないのが自然なのに、不思議と自信がある不自然な状態。しかし誰もが陥りがち。積み立て投資のデメリット高い時期にも買ってしまう(しかし、それでも売買タイミングを読むよりは良い成績になりやすい)金融商品選びで「マシでないもの(一例:コストが異常に高い)」を買った場合、そのまま放置してしまいがちというものがあります。特に後者の「マシでないモノ」を選んでしまうと、資産形成に大きなブレーキがかかりますので、要注意です。金融商品の選び方が分からない方はこちらの関連記事をご覧ください。iDeCo(イデコ)とは?まず、iDeCo(イデコ)とは、原則として20歳から60歳までのおよそすべての人が加入できる、老後のための資産形成・運用の制度です。通常の証券会社で積み立て投資を行うよりも、税制面で優遇されています。運用益が非課税で自動再投資掛金が全額所得控除受け取り時にも各種控除出せるお金(掛け金・拠出金)は、その人の働き方によって変わります。※原則として60歳になるまで、解約できません。つみたてNISAとは?一方のつみたてNISAも、やはり税制面で優遇されています。特徴は以下となります。運用益が非課税非課税期間は最長20年間非課税投資枠は毎年40万円(非課税枠は最大800万円)口座開設する年の1月1日時点で20歳以上の国内居住者は利用できる(※60歳以上でも利用可能)解約はいつでもできます。金融庁つみたてNISAちなみに、iDeCo(イデコ)厚生労働省管轄、つみたてNISAは金融庁管轄と管轄が違います。iDeCo(イデコ)とつみたてNISA 両方したい!併用できる?気になるのが、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAが併用できるのか?というところですが、基本的に併用できます。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAは併用できる専業主婦・主夫でもiDeCo(イデコ)とつみたてNISAを併用できる?併用できるのはこんな人基本的につみたてNISAは20歳以上の方なら加入できます。つまり、専業主婦・主夫でも加入できます。iDeCo(イデコ)もおよそすべての人が加入できますが、条件がありますので、ご自分が加入できるかどうかはイデコ公式HPの「カンタン加入診断」で確認できます。上記の診断結果で加入可能であれば、基本的にiDeCo(イデコ)とつみたてNISAを併用できます。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAどっちが有利?使い分ける?それでは、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAはどちらが有利なのでしょうか?よくある誤解として、iDeCo(イデコ)・つみたてNISA・普通の証券会社など、どこで投資をしても、投資対象が同じであれば、運用成績は変わりません。基本的にコストの高い・低い、税金のかかる・かからないによって、押し下げられる幅(率)が異なるだけです。当然ながら、コストが低く、税金がかからない(優遇されている)方で行うのが得策です。その点を考えますと、普通の証券会社よりは、つみたてNISAの方がお得であり、さらにそれよりもiDeCo(イデコ)の方が税制面でより優遇されていますので、より有利と考えられます。【税制面上】普通の証券会社 < つみたてNISA < iDeCo(イデコ)なぜiDeCo(イデコ)の方が優れているかと言いますと、理由の一つに所得税の控除があるからです。人によっては、一生で数百万円もお得(払った税金が帰ってくる)になることがあります。所得控除やシミュレーションについての記事はこちらをご覧ください。ただ、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAのどちらも普通の証券会社の課税口座で行うよりは税制上有利なので、できるだけ利用したいところです。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAだけでなく、普通の証券会社の口座(課税口座)でも積立投資すべき?先ほども触れましたが、ロボアドでもラップファンドでも、投資対象が同じなら、運用成績は変わりません。極端な話を言えば、道を歩いている「誰か」に任せても、投資対象が同じなら、基本的な運用成績は変わらないのです。任せたコスト分や課税される分だけ、運用成績が押し下げられるのが現実です。コストをかければ良い結果が出るのであれば、とっくに年金問題などは解決しています。そのため、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAには、ロボアドやファンドラップは基本的にありません。ただ、iDeCo(イデコ)の方は基準が甘く、コストが明らかに高いものがありますので、注意しましょう。コストが高くても、理論上良いことは起こりません。実に多い誤解として「誰かに任せたら、平均よりも良い成績になる」気がするものですが、現実は、私たち一人一人が賢い投資家として、積み立て投資に徹して、自分で管理し、変なこと(一例:安い時に慌てて売る)をしないことです。まあ、変なことをしてしまうのが人間なのですが。コスト・税金の分だけ、運用成績が下がるのが現実コストをかければ、平均より高いリターンが得られる、というのは理論上間違い実質運用成績=運用成績 - コストや税金iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの中身(運用商品)の違いiDeCo(イデコ)とつみたてNISAでは、中身である運用商品が少し異なっています。結論から言いますと、理論上、合理的なモノが多いのは、iDeCo(イデコ)よりもつみたてNISAであると考えられます。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAは同じ商品じゃない?iDeCo(イデコ)とつみたてNISA、両方とも、投資信託と呼ばれる運用商品がメインです。もちろん、iDeCo(イデコ)の方は、元本保証タイプの預貯金に相当するものがあります。投資信託とは、大きな風呂敷袋の中にたくさんの金融商品が入ったような投資商品。分散投資に優れている。誰でも容易に世界に分散投資を行うことが可能。ただし、世の中の9割以上の投資信託は理論上「マシではない」のが現実。iDeCo(イデコ)の場合は、金融機関によって品ぞろえが違いますので、先にもご紹介した見極め方法の記事を参考にして選ぶことが理論上は、合理的です。興味のある方はご覧ください。一方、つみたてNISAには、厳しい基準が設けられており、いわゆる「マシでない」投資信託が少ないと考えられます。一言で言うと、コストが安いインデックス型投資信託が多いのです。インデックス型投資信託:いわゆる「平均」に連動することだけを目標とする投資信託。実は投資の世界では「平均」こそがもっとも効率的な存在であると考えられる。そのためつみたてNISAのラインナップの9割はインデックス型投資信託に設定されている(2018年1月時点)また、つみたてNISAには以下のものがありません。つみたてNISAは株式が主体の投資信託つみたてNISAにないものは、これらです。元本保証の預貯金タイプがない債券主体の投資信託がない(債券が一部入ったバランス型はある)投資初心者の人からすると「元本保証タイプもないし、リスクの低いと言われる債券主体の投資信託もないし、ナニこれ?こんなの全然合理的じゃない!」と思われるかもしれません。そう、つみたてNISAはハイリスク・ハイリターンの株式主体のインデックス型投資信託が基本なのです。これはそのまま長期分散投資の肝です。iDeCo(イデコ)では、株式主体以外の投資信託も「買えてしまう」筆者は、金融庁がこのつみたてNISAにハイリスク・ハイリターンの株式主体のインデックス型投資信託を基本にしたことに、大いに尊敬・称賛・賛同いたします。じつは、投資ではリスクとリターンがおおむね比例する、と理論上考えられますので、コストを考慮するとある程度のリスクとリターンを背負わないと効率が悪いとみることもできます(大変口の悪い言い方をしますと、高いコストで期待リターンの低いものを選んでいるとカモの状態です)。投資のリスクとリターンはおおむね比例すると考えられる(いつもそうなるわけではなく、理論上のお話)ところが、iDeCo(イデコ)では、預貯金も債券も選べるようになっているので(必要な人ももちろんいますが)多くの人は、無意識にも預貯金・債券をメインにしてしまっています。これでは、多くの人の資産はローリスク・ローリターンなので、老後に必要なだけお金が大きくならない可能性があるのです。もちろん、投資は自己責任で自己判断の世界ですので、誰にも強制できません。何かしら「合理的な投資を促す仕組み」が必要だと筆者は常々感じています。そこで、かどうかは筆者の推測ですが、金融庁のつみたてNISAでは、預貯金と債券をばっさりと切り捨てました。個人的に、実に理論上素晴らしい仕組みだと思います。ただ、値動きは激しいので、急落時などに慌てて安い時に売らないようにするという、金融知識が必要です。急落時は長期で見ると「安くたくさん買えて、儲かる」時期ですので、積み立て投資を継続することが大切です。要約すると「何もしないで積み立てるのが正解」となり、冒頭の積み立て投資の説明につながります。株式主体の投資信託:金融危機時には半分以上価格が下がる可能性があり、ハイリスク。しかし、それゆえにリターンが付いてくると考えられ、長期分散投資においては重要な存在iDeCo(イデコ)とつみたてNISAのポートフォリオ(アセットアロケーション)は異なる?このように、品ぞろえが異なるため、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAではポートフォリオ(またはアセットアロケーション)が異なることがあります。ポートフォリオ:金融商品の組み合わせを指すことが一般的アセットアロケーション:資産クラスの組み合わせを指すことが一般的ここで重要なのはシンプルさです。大切なのは、投資家自身が、自分のポートフォリオ(毎月積み立てている金融商品の割合)が全体として、どのくらいの期待リターンとリスクを表しているのか・目指しているのかが、スッと分かるかどうかです。ここのポイントに関しましては、また別記事で詳しくご紹介できれば、と思います。まとめ:iDeCo(イデコ)もつみたてNISAも老後の資産形成を念頭に基本的にiDeCo(イデコ)とつみたてNISAは両方使える、併用できるiDeCo(イデコ)とつみたてNISAでは、税制上はiDeCo(イデコ)の方がつみたてNISAより有利iDeCo(イデコ)とつみたてNISAでは同じタイプの金融商品も買えるが、買えないものもある(後者は株式主体の投資信託)iDeCo(イデコ)とつみたてNISAのどちらも、税制上優遇されています。また、老後の資産形成・運用にとても適しています。毎月の掛け金に余裕のある方は、併用を考慮してみるのも良いかもしれません。
2019年01月11日iDeCo(イデコ)とは、老後のための資産形成の制度です。以前は自営業者と会社員(企業型確定拠出年金・企業年金などがない場合)だけしか加入できませんでした。しかし、2017年1月の改正により、会社員・公務員・主婦・主夫も加入できるようになりました。つまり、現在ではほぼすべての20歳以上、60歳未満の人が原則として加入できます。本記事は、iDeCo(イデコ)の始め方について、分かりやすく4ステップで記しています。iDeCo(イデコ)始め方4ステップ 会社員・公務員にも分かりやすい!iDeCo(イデコ)始め方①加入できるか診断するまずは「加入できるか、いくらまで掛け金を出すことができるのか」をチェックしてみましょう。iDeCo(イデコ)始め方② 運営管理機関を選ぼう!さて、上記チェックで無事に加入できることが分かった方は、運営管理機関を選びましょう。運営管理機関とは:iDeCo(イデコ)は様々な金融機関で扱っています。金融機関ごとに、選べる金融商品・各種コストが異なりますので、比較検討をしてみることも必要です。運営管理機関について「どこが良いのか分からない」という方は、楽天証券・SBI証券・ろうきんなどの大きいところ数社を比較してみるのも一つの方法です。規模が大きいところでは、金融機関同士の競争が働きますので、品ぞろえが豊富でコストが安い傾向にあります。ただ、品ぞろえが豊富だから運用がうまく行く、という相関性(関連性)はありません。運用結果は、経済や社会情勢などに左右されます。一方で各種コストは、単純に運用成績を押し下げるだけのものですので、低い方が「マシ」な運用成績になります。インターネット上で検索をすると、各社のコストや運用商品が公開されていることが一般的です。もちろん、各運営管理機関から直接資料を取り寄せて比較検討することもできます。不明な点等は、各運営管理機関に問い合わせもできます。筆者の個人的な見解ですが、楽天証券やSBI証券は、品ぞろえが豊富ですが、それゆえに初心者の方には迷いやすい気がします。まったくの投資の初心者の場合は、ろうきんのようなシンプルな品ぞろえの方が向いているかと思います。もちろん、選択は個人の自由で、自己責任ですので、自分の意思で行いましょう。iDeCo(イデコ)始め方③金融機関を選んだら、掛け金・運用商品・配分を選ぼう運営管理機関が決まったら、その運営管理機関へと連絡をして、加入・申し込みに必要な資料を請求します。この段階で、毎月の掛け金・運用商品・配分を選択します。iDeCo(イデコ)の掛金はいくらが適正?所得控除でお得になる掛金とは、毎月、あるいはまとめて出すお金のことです。ちなみに、掛け金は最低5,000円からです。iDeCo(イデコ)は通常の証券会社や銀行で投資信託や預貯金を行うのと異なり、税制面で大きく優遇されています。そのため、掛け金が全額所得控除になります。ザックリ言いますと、払い過ぎていた税金が戻ってくることがあります。人によっては、節税メリットだけでも一生で数百万円もお得になることがありますので、いくら出すのか、じっくりと考えたいところです。iDeCo(イデコ)のおすすめ運用商品・配分はどれ?iDeCo(イデコ)での運用では、大きく次の2種類から運用商品を選びます。預貯金タイプ(元本確保タイプ)投資信託(価格変動タイプ)1の預貯金タイプは、文字通り貯金スタイルです。基本的に価格は変動せず、コツコツと貯蓄できます。まもなく定年を迎え、近々資産を取り崩す予定の人にはこちらの配分を多くすることがより安定した資産運用になりやすいでしょう。ただし、現在のような低金利では、預貯金ではほとんど増えません。また、経済成長がひと段落した「先進国日本」においては、20年30年前のような預貯金で金利4%や6%というのも期待があまりできません。というのも、先進国諸国の金利は高くても2%程度を目標に設定することが多いからです。この背景には「チーム先進国の金利を同程度に設定しておけば、大きな為替変動を避けられるだろう」という各国の作戦があるのが一つの要因だと考えられます。そのため、現在においては「貯蓄から投資へ」という流れがあります。そして、その投資の合理的な投資対象として考えられるのが、2の投資信託タイプです。投資信託とは、大きな袋の中に、たくさんの金融商品が入ったものです。入れられる金融商品は、株式・債券・不動産など、多岐にわたります。分散投資が容易にできる金融商品です。乱暴に言いますと、投資信託にはリスク(値動きの不確実性)があります。ですから損をすることもあります。ただ、投資の世界ではリスク(値動きの不確実性)を背負うことでリターン(見返り)を得ることができると、理論上考えられます(経済が成長するから、という見方もありますが、より正確にはリスク(不確実性があり、それを市場が効率的に評価するから、と考えられます)。より分かりやすく言いますと(正確な表現ではありませんが)不確実性が高いことにチャレンジすると、大きく褒められる、ということです。一例を挙げます。筆者が近所の低い山に登る→不確実性が低い(安全)ので、みんなから褒められない(ローリスク・ローリターン)筆者がエベレスト登頂を達成する→不確実性が高い(うまく行くか分からない)ので、みんなから褒められる(ハイリスク・ハイリターン)これと同じように、投資の世界では不確実性=リスクを背負うことで、それ相応のリターンを得られるようになっています。そうでなければ、誰も投資をしませんし、「貯蓄から投資へ」とも言えません。また、逆に言えば、ローリスク・ハイリターンもあり得ません。筆者が近所の低い山に登ったくらいでは誰にも褒められないのと同じです。すなわち、大きなリターンを期待したいのであれば、大きなリスクを背負わなければならないのです。ちなみに筆者は、基本的に株式(ハイリスク・ハイリターン)の配分比率高めの組み合わせにしています。これは「iDeCo(イデコ)のお金は60歳まで出せない。そして60歳から70歳までの間に引き出すのだから、それまでにいくら短期的に価格が変動しても、別に動じない。だから株式重視で、より高いリターンを期待している」という考え方があるからです。そして、それが筆者のリスク許容度です(正確にはリスク許容度は%で示しますが)。もちろん、リスク許容度はその方の年齢・働き方・資産規模、そして考え方によって、十人十色です。一概に「これがベスト」というものはありません。iDeCo(イデコ)始め方④ 加入・申し込みに必要な資料に記入して、送付する内容を確認したのち、申込書類に記入し、本人確認書類とともに送付します。以下の点は基本的に提出後に変更可能です。ただ、手続きが面倒な場合もありますので、できれば事前にしっかりと考えてから行いたいところです。掛金の増額や減額掛金の拠出の中止運用商品の変更運用商品の配分割合特に1と2は面倒です。3と4に関してはweb上で簡単に行うことができます。不明な点等は運営管理機関に問い合わせをしましょう。iDeCo(イデコ)始め方会社員・公務員の場合会社に手続きする?ちなみに、会社員・公務員の場合は、運営管理機関に提出する書類に事業所の証明が必要なものがあります。担当者に確認をしましょう。iDeCo(イデコ)始め方のまとめiDeCo(イデコ)の始め方①加入できるか自己診断するiDeCo(イデコ)の始め方②金融機関を決めるiDeCo(イデコ)の始め方③掛け金・運用商品・配分を決めるiDeCo(イデコ)の始め方④加入申込書に記入して送付する本記事ではiDeCo(イデコ)の始め方について記しました。iDeCo(イデコ)を始める前には、慣れないことばかりで大変に感じることもあるかと思いますが、これは全て「未来の自分」のためです。そして、それができるのは「自分だけ」です。また、基本的にiDeCo(イデコ)を開始した後には、基本的にすることはありません。また、現実におよそ9割以上の人がiDeCo(イデコ)開始後に何もしていません。そして、実は資産運用においては「何もしない方が成績が良くなりがち」というデータも出ています。これは、人が非合理的な存在なので認知的なエラーにより「高く買って、安く売ってしまう」というおかしなことをしやすい性質を持っているのが一因と考えられます。iDeCo(イデコ)で行うことで、それを防ぎやすくなるのです。iDeCo(イデコ)は節税面でも通常の証券会社・銀行などで資産運用・貯蓄をするよりもお得ですので、長く付き合っていきたい存在です。
2019年01月04日老後の資金としてまず確保しておきたいのが年金です。サラリーマン家庭で夫の方が妻よりも収入が多い場合、妻は離婚時に年金分割を受けることにより、将来の年金受取額を増やせます。本記事では、年金分割のしくみについてわかりやすく説明します。年金分割の手続きの大まかな流れについても知っておきましょう。離婚時年金分割制度って何?離婚時年金分割とは、婚姻期間中の夫婦の厚生年金保険料納付記録(納付実績)を離婚時に分け合う制度です。年金分割では、年金そのものを分けるのではなく、分けるのはあくまで保険料の納付実績になります。公的年金(国民年金・厚生年金)は、保険料の納付実績に応じて給付額が決まります。たとえば、夫が会社員(国民年金第2号被保険者)、妻が専業主婦(国民年金第3号被保険者)の場合、妻は保険料を負担していないため、婚姻期間中の納付実績がありません。このようなケースでは、妻は離婚すると、将来の年金受取額が少なくなってしまいます。離婚時に年金分割により夫の保険料納付実績を分割してもらえば、専業主婦の妻も、将来の年金受取額を増やすことが可能です。離婚時の年金分割の対象となる年金は?離婚時年金分割は、国が運営・管理している公的年金に関する制度です。「年金」と名の付くものがすべて対象になるわけではありません。公的年金でも国民年金は対象外離婚時年金分割制度の対象となるのは、公的年金のうち、厚生年金(旧共済年金含む)のみです。自営業などで婚姻期間中夫婦共ずっと国民年金の第1号被保険者だった場合には、年金分割はできません。私的年金は年金分割ではなく財産分与をする私的年金(公的年金に上乗せする目的で加入する年金)も、年金分割の対象外です。企業年金(確定給付年金、企業型確定拠出年金、厚生年金基金など)、個人型確定拠出年金(iDeCo)、国民年金基金、民間の保険会社の個人年金などは私的年金なので、年金分割はできません。私的年金のうち、結婚している間に夫婦で保険料を払った部分については、財産分与ができる可能性があります。私的年金を財産分与する場合には、将来私的年金を受け取った時点で受け渡しするか、受取見込額を計算して離婚時に清算する方法などを検討しましょう。離婚時の年金分割の種類とは?年金分割には、「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。手続きする前に、どちらに該当するのかを把握しておきましょう。①合意分割夫婦が合意することにより、婚姻期間中の納付実績を多い側から少ない側へ分割する方法が「合意分割」です。合意分割は、婚姻期間全体が対象になります。共働き夫婦の場合でも、夫の方が収入が多いなら、合意分割をして妻の年金受取額を増やすことが可能です。②3号分割平成20年4月1日以降に国民年金の第3号被保険者だった人(専業主婦)は、平成20年4月1日以降の納付実績については、相手との合意なしに分割が受けられます。これを「3号分割」といいます。3号分割ができる人も、平成20年3月31日以前の納付実績については、合意分割によらなければ分割が受けられません。なお、合意分割の対象期間に3号分割の対象となる期間が含まれているときには、合意分割を請求した時点で、3号分割の請求があったものとみなされます。離婚の際の年金分割に相場はある?年金分割では、年金そのものを分けるのではありませんから、分割してもらう金額の相場というのはありません。年金分割で分けるのは保険料の納付実績で、割合を指定して分けることになります。※以下、夫婦のうち夫の方が収入が多いと仮定して説明します。年金分割の按分割合とは?年金分割で保険料の納付実績を分けるときには、「按分割合」を指定します。按分割合とは、夫と妻の納付実績の合計を100%と仮定した場合の、年金分割後の妻の持分です。「夫の納付実績の○%をもらえる」という意味ではありません。婚姻期間中、妻に保険料の納付実績がない場合(専業主婦の場合)、按分割合50%とすると、夫の納付実績の半分をもらうことになります。一方、妻にも保険料納付実績がある場合(共働きの場合)、按分割合50%は、妻が元々持っている持分と夫から受け取る分を合わせて50%ということです。合意分割の按分割合年金分割では、妻の持分が夫の持分を超える指定はできません。そのため、合意分割で定めることができる按分割合の上限は、どの夫婦でも50%(2分の1)となります。按分割合の下限については、妻が元々持っている持分によって変わります。年金分割をしても、妻は元々持っている持分を奪われることはないからです。按分割合の範囲妻が婚姻期間中ずっと専業主婦だった場合には、妻が元々持っている持分は0%なので、0~50%の範囲内で按分割合を指定します。共働きで妻が元々25%の持分を持っている場合には、妻の25%は確保されるので、指定できる按分割合の範囲は25~50%です。合意分割の按分割合に相場はある?合意分割では、当事者同士で按分割合を決められますから、50%以外の割合にすることも可能です。しかし、当事者間の話し合いで合意できず、裁判所の審判や調停になった場合には、通常は50%の割合に指定されます。相手が按分割合50%の合意分割に応じてくれない場合には、裁判所に申し立てをした方がよいでしょう。3号分割の按分割合3号分割の場合には、按分割合は50%と決まっています。3号分割の対象期間については、年金事務所で年金分割の請求をすれば、妻は自動的に50%の持分の分割を受けられます。別居期間のある場合の年金分割婚姻期間中に別居期間があっても、年金分割は原則どおり上限50%の按分割合でできます。年金分割では、特別な事情がない限り、按分割合の上限50%が減らされることはありません。長期間別居していても、特別な事情には該当しないとされるのが通常です。離婚時の年金分割はどうやって手続きする?年金分割をするときには、事前に準備をした上で、離婚後に年金事務所で請求手続きをする必要があります。年金分割の手続きの流れ1. 「年金分割のための情報提供請求書」の提出年金事務所に行き、「年金分割のための情報提供請求書」を書いて提出します。2. 「年金分割のための情報通知書」の受け取り日本年金機構から「年金分割のための情報通知書」が自宅に郵送されてきます。3. 夫婦間の合意または調停・審判申立て(合意分割の場合)合意分割をする場合には、夫婦間の合意が必要です。話し合いで合意できない場合には、家庭裁判所に審判または調停を申し立てて、按分割合を決めます。4. 「標準報酬改定請求書」の提出(年金分割の請求)年金事務所で「標準報酬改定請求書」を提出し、年金分割の請求手続きを行います。合意分割の場合には原則として当事者2人で年金事務所に行かなければなりませんが、年金分割の合意について記載された公正証書や公証人の認証を受けた年金分割合意書、裁判所の調停調書や審判書を持参すれば、分割を受ける側だけで手続きできます。5. 「標準報酬改定通知書」の受け取り年金機構から「標準報酬改定通知書」が届いたら、年金分割の手続きは完了です。年金の受給時には、分割された納付実績にもとづき年金が支払われます。年金分割の期限は?年金分割で最も気を付けておかなければならないのが請求期限です。たとえ夫婦間で年金分割の合意をしても、期限までに年金事務所で請求手続きをしなければ、年金分割は受けられません。離婚後2年以内に年金事務所での手続きが必要年金分割の手続きは、離婚した日の翌日から2年を経過すると、それ以降はできません。離婚後に年金分割の合意をすることも可能ですが、離婚後2年以内に必ず年金事務所に行って、標準報酬改定請求書を提出する必要があります。なお、離婚届を出す前に年金分割の請求をすることはできません。相手の死亡後1か月を経過すれば請求できない離婚から2年経っていなくても、相手が死亡して1か月を経過すると、年金分割の請求はできなくなります。離婚すれば、相手が亡くなっても連絡が来ないこともあるでしょう。年金分割の手続きを先延ばしにしていると、相手が知らない間に亡くなっていて、年金分割が受けられないこともあります。年金分割の手続きは、離婚後速やかにすませておきましょう。まとめ年金分割で年金を増やせるのは、専業主婦だけではありません。共働きでも、年金分割をしておけば、年金受給額が増えることがあります。熟年離婚でなくても、多少は年金が増えるメリットがありますから、離婚の際には年金分割を検討しましょう。
2019年01月03日年末調整で、1月1日から12月31日までの1年間に支払った国民年金保険料は、社会保険料控除として所得控除の対象になります。そのため、勤務先から年末調整の時期になると渡される、給与所得者の保険料控除申告書へ記入し、控除証明書などを添付することで、1年間に支払った国民年金の全額を所得控除することができます。一般に、会社員や公務員などのように、厚生年金保険へ加入している方であれば、直接、国民年金保険料を支払うことはありませんが、実のところ、子供をはじめとした生計を同一にしている方の国民年金を代わりに支払ったとしても、控除の対象になります。そこで本記事では、年末調整と国民年金の関係性を中心に、絶対に押さえておきたいポイントをまとめて紹介します。そもそも社会保険料控除とは何か社会保険料控除について、国税庁のWEBサイトでは、以下のように記述しています。納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。これを社会保険料控除といいます。控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。出典:国税庁No.1130 社会保険料控除ざっくりポイントをまとめますと、自分や配偶者、子供、両親など、生計を同一にしている方が負担しなければならない社会保険料を支払った場合は、支払った金額の全額を所得控除できるとしています。なお、社会保険料控除の対象となるものには、雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料といった給料から天引きされる社会保険料をはじめ、国民年金、国民健康保険料(税)、国民年金基金や厚生年金基金の掛金などがあります。大切なポイントは、社会保険料控除の適用を受けられる方は、社会保険料を納めなければならない本人のみに限定されていない部分です。そのため、たとえば、20歳以上の大学生や短大生などといった学生が納めなければならない国民年金を親が代わりに支払った場合、その支払った国民年金について、親が年末調整で社会保険料控除を受けられることを意味します。年末調整で支払った国民年金の控除を受けるためには国税庁平成30年分給与所得者の保険料控除申告書年末調整で支払った国民年金の控除を受けるためには、給与所得者の保険料控除申告書(上記イメージ図の赤枠部分)に必要事項を記入し、併せて、毎年秋ごろになりますと、日本年金機構より郵送される社会保険料(国民年金保険料)控除証明書を添付することで適用が受けられます。具体的な書き方の一例として、以下の前提条件で国民年金を支払った場合をイメージ図と共に紹介しておきます。平成30年の1月1日から12月31日までの1年間において、国税太郎さんは、国税一郎さん(20歳以上の大学生)の国民年金を代わりに納付した平成30年1月から3月までの1ヶ月あたりの国民年金は、月額16,490円平成30年4月から12月までの1ヶ月あたりの国民年金は、月額16,340円これだけ記入すれば完了となりますので、とても簡単に手続きが行えます。もしも、国民年金の控除証明書が年末調整に間に合わない場合は国民年金を支払ったのにも関わらず、時として、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書を紛失してしまった場合や破棄してしまったなどの理由で年末調整の際に、控除証明書の添付が間に合わない場合があるかもしれません。このような場合は、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書でなくても、実際に国民年金を納めた時の控えなど、支払ったことを証明する書類を添付しても差し支えありません。(この方法を活用する場合は、控えの写しを手元に残しておきましょう)国民年金の保険料及び国民年金基金の掛金に係る社会保険料控除の適用については、その保険料又は掛金の金額を証する書類を、確定申告書又は年末調整の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に添付するか、これらの申告書を提出する際に提示する必要があります。出典:国税庁No.1130 社会保険料控除1年間に支払った国民年金について、社会保険料控除の適用を受けるためには、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書が必要とは書かれておらず、保険料又は掛金の金額を証する書類と書かれています。なお、筆者自身も過去に社会保険料(国民年金保険料)控除証明書に代えて、国民年金を支払った際に受け取った控えを添付して控除の適用を受けたことがありますが、何ら問題はありませんでしたので、極度の心配をする必要はないでしょう。確定申告でも社会保険料控除は適用できる国民年金の控除証明書が、年末調整に間に合わない場合のほか、すでに年末調整が終わった後に社会保険料控除の適用ができることに気が付いた場合は、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に確定申告をすることで控除の適用も可能です。会社員や公務員といった普段から確定申告をしない方にとってみますと、確定申告をすることは、時間と手間がかかってしまい面倒だと思われるかもしれませんが、社会保険料控除は、支払った全額が所得控除の対象となるため、節税効果は高めです。ちなみに、確定申告で社会保険料控除の適用を受けますと、所得税の還付に加え、翌年、給料から天引きされる住民税の金額にも好影響を及ぼすことになるため、控除が適用できる場合は、率先して忘れずに手続きされることをおすすめします。国民年金は、あくまでも納めた年の控除対象になる国民年金を納めることによって、社会保険料控除の対象になることがわかりましたが、これは、あくまでも、実際に国民年金を納めた年の控除対象になるため、未納や免除期間分の国民年金は、社会保険料控除の対象外となります。たとえば、先の例で、国税太郎さんは、国税一郎さんが納めるべき平成30年の国民年金を実際に納めたからこそ、社会保険料控除の対象となっていることを意味しており、これが未納である場合や学生納付の特例を活用した免除申請を受けた場合は、社会保険料控除の対象外となるわけです。逆に言えば、平成29年分の国民年金が未納の状態であったものの、平成30年中に未納の国民年金を納めた場合は、平成30年中に支払った国民年金の全額について社会保険料控除の対象となることになります。同じく、免除申請を受けていた国民年金を実際に納めた場合も同様の取り扱いとなります。Q1生計を一にしている子供の国民年金保険料を過去3年分まとめて支払いましたが、その支払った全額を私の本年分の社会保険料控除の対象としてよいでしょうか。A1本年中に支払ったものであれば、過去の年分のものであっても本年分の社会保険料控除の対象になります。出典:国税庁No.1130 社会保険料控除国民年金は、未納や免除分も含めて、支払った年の社会保険料控除になるため、年末調整や確定申告で控除の適用を忘れないように心掛けておきたいものです。夫婦のいずれかが自営業者で、事業所得が少ない場合は節税になることも夫婦共働き世帯が多い現在において、夫婦のいずれかが自営業者で、もう一方は会社員や公務員といったケースも考えられます。仮に、このような場合で事業の所得(儲け)が少ない場合や赤字の場合は、会社員や公務員である方へ国民年金を支払った社会保険料控除を適用した方が、世帯にとって有利になる場合も十分に予測できます。仮に、このような特殊な事情がある場合は、一度、専門家を通じて再確認されてみるのをおすすめします。まとめ年末調整と国民年金の関係性を中心に解説を進めてきましたが、絶対に押さえておきたいポイントは、以下の通りです。1月1日から12月31日までの1年間に支払った国民年金は、社会保険料控除の対象支払った国民年金は、本人だけではなく、配偶者や子供など生計同一の方が負担するべきものであれば、年末調整や確定申告で控除が可能国民年金は、あくまでも納めた年の控除対象になるため、過去に未納や免除を受けたものを納めることで控除金額が増加し、納めるべき税金が少なくなる夫婦のいずれかが自営業者で、事業所得が少ない場合は節税になることもあるため、社会保険料控除の適用が適切か再確認する押さえておきたいポイントは、決して難しいものではありませんので、いま一度確認していただきまして、今後に活かしてもらえればと思います。
2018年12月28日個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)に加入していた方が転職や離職をした場合、どのような手続きが必要なのかを解説します。※本記事では、すでにiDeCo(イデコ)に加入していた人の場合に焦点を当てて記しています。iDeCo(イデコ)加入者の転職・離職の際の手続き方法iDeCo(イデコ)加入者の転職・離職の際の手続きは転職先・離職により異なる?転職や離職の時には、iDeCo(イデコ)加入者がみんな同じ手続きをすればOKとはいきません。iDeCo(イデコ)加入者の働き方(会社員や自営業者などの加入者区分)や企業の年金制度(ある・なしなど)によって手続きが異なります。iDeCo(イデコ)に加入している私の場合はどうなるの?一覧早見表転退職をした場合は、次のどちらかの状況により、手続きが変わります。転職先企業の年金制度離職後の状態ここでは、先に全体の大まかな流れを見てみましょう。下記表が全体の流れです。表を見ると、面倒な印象を抱くと思いますが、個人において(状況により違いますが)手続き自体は単純なことですので、これから順番に抑えていきましょう。iDeCo(イデコ)加入者が転職の際に手続きするケース5つをご紹介それでは、具体的なケースを見ていきましょう。前提条件は次の状態です。すでにiDeCo(イデコ)に加入している転職・離職をするこの状態で、次の大きな5つのケースで見てみます。転職先で企業型確定拠出年金に加入する人転職先で企業型確定拠出年金に加入しない人転職先に確定給付企業年金がある人自営業者・フリーランスなどになった人専業主婦などになった人1. いままでiDeCo(イデコ)加入者で、転職先の企業型確定拠出年金に加入する人転職先で企業型確定拠出年金に加入する人には、次の2通りが考えられます。iDeCo(イデコ)への同時加入が認められている場合の手続き方法と必要な書類この場合は、引き続きiDeCo(イデコ)へ掛け金を出すことができます。手続きとしては国民年金の被保険者種別(または登録事業所の変更)の手続きが必要です。記入後に運営管理機関に提出をします。運営管理機関とは「楽天証券やマネックス証券、ろうきん、○各種銀行」などの、iDeCo(イデコ)口座を開いている金融機関を指します。企業型確定拠出年金に移管する場合の手続き方法と必要な書類この場合は、iDeCo(イデコ)への加入者資格を失います。手続きとしては加入者資格喪失届の運営管理機関への提出が必要です。そして、iDeCo(イデコ)の資産を転職先の企業型確定拠出年金に移します。詳細な手続き方法・書類は転職先の担当者に確認をします。2. 転職先で企業型確定拠出年金に加入しない人の場合の手続き方法と必要な書類この場合は、引き続きiDeCo(イデコ)へ掛け金を出すことができます。手続きとしては国民年金の被保険者種別(または登録事業所の変更)の手続きが必要です。3. 転職先に確定給付企業年金がある人iDeCo(イデコ)に引き続き掛け金を出すことができるかどうかは、転職先(の規約)により異なります。できるかどうか、転職先の担当者に確認をしましょう。4. 自営業者・フリーランスなどになった人国民年金第1号被保険者、いわゆる自営業者・フリーランスになった人の場合は、引き続きiDeCo(イデコ)へ掛け金を出すことができます。手続きとしては国民年金の被保険者種別の変更の手続きが必要です。5. 専業主婦などになった人国民年金第3号被保険者、いわゆる専業主婦・主夫になった場合は、引き続きiDeCo(イデコ)へ掛け金を出すことができます。手続きとしては国民年金の被保険者種別の変更の手続きが必要です。まとめiDeCo(イデコ)加入者が転職・離職をしたら、手続きをしましょう手続き方法は一見、面倒なようだけど、意外と簡単具体的な5つのケース別の手続きと必要な書類を理解してスッキリ!長い人生の途中では、転職・離職をすることがあると思います。そして、老後のための資産形成は長期で継続性を持って行うことが重要です。意外かもしれませんが、資産形成において、もっとも重要かつ簡単に効果があるのは「時間をかける(長期)」「積み立てる」(そして「分散投資」)ということです。これは特別な能力は必要でなく、誰にでもできます。上記でみてきましたように、iDeCo(イデコ)加入者の資産は転職・離職をしても(移管などが必要なケースもありますが)資産としては基本的に継続して残せますし、(就職先などをまたいで)持ち運べます。転職・離職に際しては、ついつい忙しくて手続きを忘れがちになりそうですが、「老後」は生きている限りやってきます。長寿化する可能性(長生きをしてお金が不足するリスクが)があるからこそ、できることを、長期で積み立てて(できれば分散投資も)行うことが重要だと考えられます。
2018年12月22日医療費控除や住宅ローン控除等で確定申告を経験している人も多いのではないでしょうか。実は投資で利益が発生した場合も基本的には確定申告が必要になります。ただし、例外的に手続きが不要になる場合もあり、それぞれの状況に応じて判断することが重要です。また、万が一、確定申告が必要にもかかわらず申告を怠ってしまうと加算税や延滞税のペナルティが発生する可能性もあり、投資を行う上で確定申告に関する知識は必要不可欠と言えるでしょう。そこで今回は、投資に関わる確定申告の基本的な内容について解説します。確定申告の基礎知識確定申告とは、未払い分の税金がある場合には追加の支払いを行い、過払い分の税金がある場合には還付金を受け取るための手続きです。確定申告を行うことで税金が少なくなることもあり、上手に利用すれば効果的に節税することもできます。まずは、確定申告の基本的な内容を紹介します。確定申告を行ったことがある人にとっては当たり前の内容かもしれませんが、重要な内容ばかりなのでこの機会に再確認しておきましょう。対象期間確定申告の対象となる期間は、前年の1月1日〜12月31日までです。手続きできる場所と期間原則として、住民票のある自治体の税務署で行うことになっています。また、e-Taxを利用して申告することもできます。申告期間は基本的に2月16日から3月15日となっていますが、2018年分の場合は2019年の2月18日(月)から3月15日(金)までです。期日直前は混み合うこともあり、できるだけ早めに申告すると良いでしょう。確定申告が必要にも関わらず怠るとペナルティが発生する?確定申告が必要にもかかわらず怠ってしまうと、加算税や延滞税のペナルティが発生する可能性があります。ただし、自主的に申告すればペナルティが軽減される場合もあり、申告漏れが発覚した場合はできるだけ早く税務署に問い合わせることが重要です。ペナルティの具体的な内容としては、決められた期日までに確定申告を行わずに税務署から指摘を受けた場合には無申告加算税が加算されます。さらに、納めるべき期日を超えた分の利息として延滞税が加算されます。投資で確定申告が不要な場合ここからは、投資において確定申告が不要な場合を紹介します。これから投資を始める人には、聞き慣れない用語が多いですが、重要度の高い内容なのでできるだけ正しく理解しておきましょう。①「特定口座」の「源泉徴収あり」で取引した場合株式や投資信託を購入するためには金融機関の口座が必要ですが、実はこの口座には一般口座と特定口座があります。さらに、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2つがあり、「源泉徴収あり」の特定口座を利用した場合は、金融機関が税金の計算・納税を代行してくれるので確定申告が不要になります。②年間の給与所得が2,000万円以下で投資等の利益が20万円以下の場合1年間の給与所得が2,000万円以下で給与以外の所得が20万円以下だった場合は、確定申告が不要になります。給与以外の所得が対象なので、投資が20万円以下でも副業等の収入を合算すると20万を超える場合には注意が必要です。③NISA口座で取引した場合NISA口座の利益は制度上のメリットで非課税となっているので、利益が発生しても確定申告は不要です。④損益が確定していない場合損益が確定するまでは確定申告は不要です。例えば、100万円で購入した株式が120万円になっていても売却して利益を確定するまでは確定申告は不要です。投資で確定申告が必要な場合次に、投資において確定申告が必要な場合を紹介します。ここでは最低限知っておきたい内容をピックアップして紹介します。結論からお伝えすると以下2点の場合、確定申告が必要です。特定口座の源泉徴収なしを利用している一般口座を利用している①「特定口座」の「源泉徴収なし」で利益が出た場合「源泉徴収あり」の特定口座の場合とは異なり、「源泉徴収なし」の特定口座の場合は確定申告が必要です。「源泉徴収なし」の特定口座の場合には、金融機関から「年間取引報告書」が郵送されるので、それを使って確定申告することになります。具体的には、年間損益がプラスの場合は税金を支払い、マイナスの場合は株式の配当金や投資信託の分配金等と損益通算して税金の還付を受けます。②「一般口座」で利益が出た場合一般口座で取引したものは確定申告をする必要があります。多くの場合、株式や投資信託の取引は特定口座を利用しますが、例外的に一般口座で取引している場合には注意が必要です。また、FX投資等は一般口座での取引となっているので確定申告が必要となります。具体的な手続きについては、一般口座の場合には特定口座のように年間報告書は送られてこないので、自分自身で損益を計算する必要があります。取引履歴の詳細については、ホームページの取引履歴や取引の都度送られてくる売買報告書で確認すると良いでしょう。ただし、取引数が多くなると手続きも煩雑になるため、投資初心者や忙しい人はできるだけ特定口座を利用した方が良いでしょう。確定申告した方が良い場合次に、確定申告した方が良い場合を紹介します。知らないと損する場合もあるのでしっかりと確認しておきましょう。①損失を翌年以降に繰り越す場合投資で損失が発生してしまった場合は確定申告の必要はありませんが、確定申告することで損失を翌年以降3年間繰り越すことができます。損失を繰り越せば、翌年以降に利益が発生した時に損益通算することができ、税金を抑えることができるため長期的な投資を考えている人には非常に有効な制度と言えるでしょう。例えば、100万円で購入した株式を50万円で売却した場合、この時点では50万円の損失が確定しますが、翌年に株式投資等で30万円の利益が発生すれば前年の50万円と損益通算できるため税金はかかりません。さらに残りの20万円分を翌年に繰り越すこともでき、税制面で非常に優れた制度です。ただし、損失の繰り越しは毎年手続きが必要になる点には注意が必要です。②複数の金融機関の「源泉徴収あり」の特定口座で取引している場合複数の金融機関に「源泉徴収あり」の特定口座がある場合で、「利益の発生した口座」と「損失が発生した口座」がある場合は確定申告することでそれぞれの利益と損失を合算することができます。例えば、A社で50万円の利益・B社で30万円の損失があった場合、本来であれば差額の20万円に対して課税されるべきです。しかし、実際にはA社の特定口座では50万円に対して課税されます。A社にはB社で発生した30万円の損失が通知されないためです。そこで、確定申告することでA社とB社の損益を合算して正しい税金を計算することができます。つまり、この場合であればA社の特定口座で支払っていた税金の一部が還付されます。まとめ:これから投資する人は「源泉徴収あり」の特定口座がベター金融機関の口座には一般口座と特定口座があり、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」があります。これから投資を始める人は、特段の事情がない限り、「源泉徴収あり」の特定口座を選択すると良いでしょう。「源泉徴収あり」の特定口座であれば、金融機関が税金の計算・納税を代行してくれるため、非常に便利です。ただし、年間損益がマイナスになる場合や複数の金融機関で取引する場合等は確定申告を行った方が良い場合もあります。確定申告の必要性について、判断に迷う場合は取引先の金融機関や税務署に確認すると良いでしょう。また、知らず知らずの間にペナルティの対象になってしまうことがないよう細心の注意を払うようにしましょう。
2018年12月20日近年、何かと話題に上ることの多い言葉の一つがiDeCo(イデコ)とふるさと納税です。どちらも「なんとなくいいことがありそう」な気がしますが、実際には、どのようなものなのでしょうか。そして、気になるのが「iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できる?」という疑問ですが「併用できます」。そしてさらに「併用したらどうなる?」という点にも、一例を交えつつ迫ってみたいと思います。iDeCo(イデコ)とふるさと納税の特徴を比較まず最初に、iDeCo(イデコ)とふるさと納税のそれぞれの特徴を比較してみましょう。iDeCo(イデコ)の特徴iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のことです。現在では、原則として日本に住むほぼすべての人(原則として20歳から60歳まで)が加入できます。このiDeCo(イデコ)の目的は、老後の資産形成です。もう一つの(自分で行う)年金というところです。最低5,000円から、毎月(または決まった月などに)資金を出す(拠出)することができます。毎月出すお金は、大きく次の2種類に分けられます。(基本的に)元本の確保されている預貯金タイプでコツコツ貯める価格変動リスク(元本割れもあり得ます)のある投資信託という金融商品に積み立て投資をするこの上記2つを組み合わせることもできます。一例:毎月1万円の掛け金のうち5千円は預貯金タイプ、5千円は投資信託にそれぞれ積み立てるこのようにすることができるのですね。もちろん、投資信託を選択した場合は、経済情勢などによって、元本割れを起こす可能性があります。ただ、これだけですと、通常の銀行や証券会社で預金や投資をするのと変わりません。大事なポイントとしては「iDeCo(イデコ)の口座で行うと、税制で優遇されている」というところです。ポイントは、大きく3つです。掛金が全額所得控除になる(課税所得がある人の場合は、税金が小さくなるので、実質的にお得になる)運用益が非課税で再投資される受け取り時にも各種控除がある(原則として受け取りは60歳以降)一見すると、地味な3ポイントですが、人によってはトータルで数百万円もお得になることがあります。iDeCo(イデコ)とは、老後のための資金形成制度で、税制面で優遇されているので、お得!ふるさと納税の特徴ふるさと納税の概要は、総務省のHPによると、次のようになっています。都道府県・市区町村に対する寄附金のうち、2,000円を超える部分について、一定限度額まで、原則として所得税と合わせて全額が控除されます。なお、所得税・住民税から寄附金控除の適用を受けるためには、確定申告を行う必要があります。出典:総務省HPふるさと納税の特徴を3つにまとめます。税金が控除される(戻ってくる)お礼の品がもらえることがあるふるさと(生まれ故郷)に限らず寄附できる大変乱暴に要約をしますと、ふるさと納税をすると、自治体に寄附をすることでお礼の品がもらえることがあり、さらに税金が戻ってくる、というものです。下記イラストは、子どもの時はふるさと(地方)で生活をしていたけれど、大人になると就職先(都会)に納税をするので、ふるさと(地方)に納税ができないことを意味しています。これでは、ふるさと(地方)は財政が厳しくなります。そこで、大人になったら、任意でふるさと(地方)の自治体に寄附をする、というのがふるさと納税の基本的な考え方です。総務省ふるさと納税ポータルサイトふるさと納税は、住んでいる自治体以外に寄附できる制度。ふるさと納税を行うと、返礼品がもらえたり、税金が戻ってくることがある。ふるさと納税は節税になる?ならない?ただ、注意点というか、誤解しやすいポイントがあります。それは「ふるさと納税は、厳密には節税にはならない」という点です。どういうことでしょうか。簡素化した一例を見てみましょう。まずは通常の税金の流れです。X市に住んでいるAさんは、○万円の税金をX市に支払うこれが普通の流れですね。ふるさと納税では、この○万円を任意の自治体(仮にY市)に自己負担分の2,000円を支払って寄附します。すると、こうなります。X市に住んでいるAさんは、○万円の税金をふるさと納税を使ってY市に支払うこれは、寄附という形で税金を前払いしていることになるそのため、税金は還付されるが、実際には、自己負担の2,000円分だけ、損をしていることになるこのようになっています。ザックリ言いますと、税金をX市に普通に払うか、自己負担の2,000円を出しつつ税金をY市に支払うか、の違いでしかありません。つまり、厳密には節税メリットは発生していないのですね。ただ、それでも自治体によってはお礼の品を用意しており、それが高額化しているケースもあります。一般的には「還元率が高い」などと呼ばれることもあります。そのため、節税ではなく、単純に2,000円の自己負担分を上回り、かつ高額の返礼品をもらえた場合には「お得である」と言えるケースもあります。ふるさと納税は「寄附」なので、厳密には節税にはなっていないただ、一部返礼品が高額化(還元率が高い)しているモノがあるので、お得だと考えられる一面もあるiDeCo(イデコ)とふるさと納税の控除額の計算・シミュレーションの方法それでは、控除額の計算方法を見てみましょう。iDeCo(イデコ)の控除額の計算方法・限度額(上限)はいくら?iDeCo(イデコ)では、加入者の働き方によって、控除額の限度額(上限)が異なります。控除額の計算方法や限度額(上限)は「節税メリットシミュレーション」で確認できます。ふるさと納税の限度額・上限はいくら?個人の年収や家族構成によって、ふるさと納税の限度額(上限)は異なります。ふるさと納税に関する、寄付金控除額のシミュレーションは総務省HP内にある「寄付金控除額の計算シミュレーション」で確認ができます。寄付金控除額の計算シミュレーション気になるポイント!iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できる?このように、iDeCo(イデコ)とふるさと納税にはそれぞれの特徴があります。そして、iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用することができます。それでは、ここで併用をした場合の一例を見てみましょう。iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できるiDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用した場合のシミュレーション一例ふるさと納税を「自己負担額の2,000円でできる限度額」が、iDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用した場合、どのくらい減るのか、を見てみましょう。「自己負担額の2,000円でできる限度額」を超えてもふるさと納税をすることはできますが、一般的には「より多くの税金を支払っていて、損だ」と考えられることがあります。もちろん、寄附ですから、より多くのお金を寄附しても構いません。ここでは「ふるさとチョイス」のシミュレーションデータを引用しています。また、シミュレーション結果は一例であり、数値を保証するものではありません。正確な計算は、市区町村にお尋ねください。年収500万円でiDeCo(イデコ)に未加入の場合(詳細条件:年収500万円・配偶者あり(収入なし)・15歳以下の子ども一人の場合)上記条件では、71,557円までなら、自己負担2,000円で済むことになりました。もちろん、これ以上の金額を寄附することもできますが、その部分は還付されず文字通り寄附したことになります(一般的には損だと捉えられることの多い状況です)。年収500万円でiDeCo(イデコ)に年144,000円出した場合今度は、先ほどと同じ条件に追加でiDeCo(イデコ)に年間144,000円(毎月12,000円)出した場合です。この場合は、67,948円までなら、自己負担2,000円で済むことになりました。年収500万円でiDeCo(イデコ)に年276,000円出した場合今度は、iDeCo(イデコ)に年間276,000円(毎月23,000円)出した場合です。この場合は、64,639円までなら、自己負担2,000円で済むことになりました。シミュレーション結果を比較iDeCo(イデコ)ふるさと納税(自己負担額2,000円までの限度額(上限))年収500万円未加入71,557円年収500万円年/144,000円67,948円年収500万円年/276,000円64,639円上記の数字の変化を「大きい」と見るか「小さい」と見るかは、個人の主観によるところですが、人生設計をトータルで考える場合には、ふるさと納税の金額の上限に固執しすぎるよりも、iDeCo(イデコ)の所得控除などの税制優遇制度とバランスよく考えていくことも重要かもしれません。今後は、医療の発展などに伴い、女性の場合は4人に一人が100歳を超えて生きる可能性があります。そして、今後、仮に少子高齢化が加速するなら、従来の公的年金だけでは老後の資産が不十分になる可能性が多くの人にあるかもしれません。iDeCo(イデコ)はその不足分を補うための一つの制度ですので、積極的に利用を考えた方が良い人が実は多いのかもしれません。まとめiDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できる人によっては、iDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用すると、ふるさと納税の限度額(損にならない上限)が下がることがある節税面だけで見ると、ふるさと納税は厳密には節税にならない課税所得のある人は、節税になるiDeCo(イデコ)をどうするか、考慮するおさらいですが、ふるさと納税は厳密には節税になりません。ただ、返礼品などを楽しみにしつつ、地元などへの応援として納税を楽しむには一向にかまいません。そして、課税所得のある人にとっては、iDeCo(イデコ)で掛け金を出すと、老後の資産形成もしつつ、節税になります。どちらを優先するか、また、優先したほうがメリットが多いかは、個人の考え方よる部分も大きいですが、いまを楽しむふるさと納税と、老後に備えるiDeCo(イデコ)では、根本的にお金を使う時期が異なります。いまの「お得感」を追求するあまり、老後のお金に困るようでは、本当にお得とは言えない一面があります。人生トータルで考えて、iDeCo(イデコ)も行いつつ、ふるさと納税の限度額(損にならない上限)でふるさと納税を行うのも良いかもしれません。
2018年12月14日平成29年1月から、公務員などの共済加入者もiDeCo (イデコ)に加入できるようになりました。iDeCo(イデコ)とは、老後に向けた「自分のための自分で行う年金」です。別名、個人型確定拠出年金と言いますが、愛称をiDeCo(イデコ)と呼びます。本記事では、公務員におけるiDeCo(イデコ)のメリットなどの知っておきたいポイントについて見てみましょう。公務員でもiDeCo (イデコ)加入のメリットはあるの?iDeCo(イデコ)では、老後のための資産形成を行うことができます。そして、iDeCo(イデコ)に加入すると大きく3つのメリットが受け取れます。これは、会社員でも公務員でも、自営業者でも同じように発生するメリットです。掛金(出すお金)が全額所得控除になる運用益が非課税で再投資されるのでお金が大きくなる可能性がある原則、60歳以降の受け取り時にも控除制度があるこの3つです。詳しく見てみましょう。①掛け金が全額所得控除になる毎月(またはまとめて)出すお金を掛け金と言います。通常の証券会社や銀行などの口座で、投資信託を買ったり預貯金をしても、所得控除になりません。ですが、iDeCo(イデコ)口座に出したお金は全額所得控除になります。ものすごく乱暴に言いますと「iDeCo(イデコ)で投資信託や貯蓄をすると、公務員であっても、払いすぎた税金が戻ってきて、お得になる」ということです。②運用益が非課税で再投資されるこれは投資初心者の方にはピンときませんね。投資で利益を出すと、基本的に2割も税金として納めないといけません。でも、iDeCo(イデコ)口座内で投資の利益が生じても、非課税なんです。つまりお得です。さらに自動的に利益が再投資されます。これは、雪だるま式にお金が増える(複利効果)可能性が高まることを意味しています。ただ、投資信託を購入した場合には、当然ながら元本割れ(損をする)のリスクも常に存在します。③受け取る時も控除がある原則としてiDeCo(イデコ)では60歳以降からしかお金を受け取ることができません。受け取り方法には年金(分割でもらう)一時金(まとめてもらう)があります。どちらか(または金融機関によっては併用可)を選びます。年金として受け取る場合は「公的年金等控除」一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。やはりお得です。公務員でもiDeCo (イデコ)をしていれば、節税になる。控除額の恩恵は115万円にも?公務員でもiDeCo(イデコ)のメリットがあることが分かりました。それでは、現実的には、どれくらいの節税メリットがあるのでしょうか。一例を見てみましょう。※あくまでもシミュレーション上の一例であり、未来を保証するものではありません。節税メリットシミュレーション前提条件公務員20歳毎月12,000円拠出平均年収500万円運用利率5%シミュレーションはあくまでも一例ですが、この数字を見る限りでは、税制面においては公務員でもiDeCo(イデコ)に加入するメリットがありそうです。この場合のシミュレーションでは、合計で366万円ほど税制面で有利ですね。※その他のシミュレーション一例に関しては関連記事をご覧ください。iDeCo (イデコ)を公務員がやったらデメリットある?どんなもの?iDeCo(イデコ)には、前述のような税制上のメリットがあります。では、デメリットもあるのでしょうか。公務員のiDeCo(イデコ)におけるデメリットは2つ?結論から言いますと、これから記す2ポイントは正確にはデメリットとは言えません。ただ、パッと見はデメリットとして感じやすい、というものです。それはこちら公務員の場合は、iDeCo(イデコ)掛金の限度額が低い公務員の場合は、iDeCo(イデコ)での所得控除の限度額が低いというものです。順に見てみましょう。iDeCo (イデコ)公務員のデメリット① 掛け金の限度額が低い?すでに述べましたが、現在では公務員もiDeCo(イデコ)に加入できます。そして、iDeCo(イデコ)では働き方によって、掛け金(出せるお金)の限度(範囲)が異なっています。※基本的に60歳まで拠出(お金を出すこと)が可能。公務員の場合は、次のようになっています。公務員の掛け金の範囲月額では1.2万円年額では14.4万円※以前はiDeCo(イデコ)に出すお金は毎月積み立て方式でした。しかし、平成30年1月より、加入者が年1回以上、自分で決めた月(例えばボーナスのある月など)にまとめて掛け金を出すことができるようになりました。公務員の場合は、上記の範囲内でiDeCo(イデコ)にお金を出すことができます。ちなみに、自営業者・フリーランスの方などは自営業者・フリーランスの方など月額では6.8万円年額では81.6万円これだけ見ると「公務員はiDeCo(イデコ)に出せるお金が低くって、デメリットだわ」と思われるかもしれません。上記の範囲内でiDeCo(イデコ)にお金を出せます。ただ、公務員の場合は、厚生年金という手厚い年金がすでについていますので、それらを考慮して、iDeCo(イデコ)の掛け金限度額が小さくなっている、という一面も考えられます。※自営業者・フリーランスは厚生年金に加入できません。そのため、むしろ考え方としては自営業者の方こそ、iDeCo(イデコ)の所得控除や資産形成・運用を最大限に使わないと、会社員や公務員の方と比べた場合に不利であり、デメリットである、と考えることもできます。iDeCo (イデコ)公務員のデメリット② 控除の限度額が?もう一つ、デメリットとして感じやすいのが所得控除の限度額が低い、ということです。公務員の場合は、年額14.4万円まで掛け金を出すことができます。そして掛け金は全額所得控除できます。つまり、公務員はiDeCo(イデコ)での所得控除は限度額が14.4万円ということです。これも、自営業者の所得控除額81.6万円と比べると、低く感じます。しかし、それでも節税になる(お得になる)のは間違いありませんので、デメリットとは言い難いものがあります。iDeCo (イデコ)公務員の注意点これも、デメリットではありませんが、原則として、60歳まで引き出せませんので、いつでも使える資金を銀行などにある程度(例えば半年分の生活費)を準備しておくのは公務員においても重要だと考えられます。公務員のiDeCo (イデコ)確定申告や年末調整のやり方は?給与から天引きされてる人も必要なの?公務員がiDeCo (イデコ)に掛け金を出しても、年末調整や確定申告などで掛け金を申告しなければ、節税になりません。つまり、お金が返ってきません。所得税控除には、手続きが必要な人と、そうでない人がいます。公務員の場合、どのような人にどのような手続きが必要なのか見てみましょう。※ここでは公務員の場合の、iDeCo (イデコ)の掛け金に関する記述です。その他の各種控除など、人によって異なりますので、個別具体的な相談は、税務署などで確認して下さい。iDeCo (イデコ)の掛け金が給与天引きされている人の場合職場でのお給料からiDeCo (イデコ)の掛け金が天引きされている場合は、iDeCo (イデコ)の掛け金に関しては年末調整も確定申告も不要です。上記以外の場合上記以外の場合の年末調整・確定申告の方法については、以下の関連ページをご覧ください。まとめ平成29年1月から公務員もiDeCo (イデコ)に加入可能に公務員にもiDeCo (イデコ)に入ることで掛け金の所得控除・運用益の非課税・受け取り時の控除のメリットがある公務員がiDeCo (イデコ)をしたい時に知っておきたい注意点とデメリット(掛け金・所得控除額の上限)について公務員でもiDeCo (イデコ)に加入できます。また、各種の節税のメリットもあります。iDeCo (イデコ)は老後のために自分で備える仕組みですので、公務員の場合でも、きちんと考えて取り組みたいものです。
2018年12月10日複雑すぎる年金制度。知らなきゃ損をすることはたくさんあるけれど、誰も教えてくれる人がいない。そんなあなたのために、年金をもっともお得にもらうための疑問に答えます。解説してくれたのは、社労士でWEB情報サイト「All About」でガイドを務める拝野洋子さんと、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんだ。【Q】老後に働くと年金は減らされるの?60歳以降に、会社員として厚生年金に加入して、年金をもらいながら働いていると、受け取れるはずの年金が一部減額されることがある。「60歳から65歳未満までは、給料と厚生年金を足した金額が月28万円以上、65歳以降は月46万円以上となる人が対象です」(山中さん)たとえば60歳で給料20万円、厚生年金の受給額が10万円で合計額が30万円の人の場合、28万円を超えた2万円の半分の1万円がカットされる。つまり厚生年金の受給額が、9万円に減額されてしまうのだ。働き損を防ぐには、月収を28万円以下に抑える必要がある。【Q】将来、物価が上がっても、年金だけで足りる?年金受給が一定の場合、物価が上がれば実質的な収入が減ってしまう。それを防ぐため、物価などの上昇に合わせ、本来は年金支給額を増加させるのだが……。「ところが、マクロ経済スライドというものがあります。年金制度を維持するため、物価が上昇しても、年金額の上昇を抑制するという制度です」(山中さん)’15年、過去に一度だけ発動されたとき、本来2.3%の予定だった年金の上昇が0.9%に抑制された。’19年にも発動される見通しだ。【Q】年金が破たんして、丸損にならない?「少なくとも年金制度がなくなることはないでしょう。ただし、現在検討されているように、受給開始年齢の70歳への引き上げや、支給額の減額ということはありえます。60歳から65歳に受給開始年齢を引き上げるのに約20年時間がかかっているので、現在50代くらいの人は、現行のシステムが適用されると思います」(拝野さん)もっと視野を広げるべきと言うのは、山中さんだ。「年金保険料を払えば、老後の年金の受給だけではなく、病気を負った場合の障害年金や死亡したときの遺族年金などの保障を受けることができます。つまり、保険の機能があるのです。“どうせ減額されるから、払わない”と考えるのは、大きな間違いです」
2018年12月07日複雑すぎる年金制度。知らなきゃ損をすることはたくさんあるけれど、誰も教えてくれる人がいない。そんなあなたのために、年金をもっともお得にもらうための疑問に答えます。解説してくれたのは、社労士でWEB情報サイト「All About」でガイドを務める拝野洋子さんと、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんだ。【Q】夫と離婚しても、厚生年金はもらえるの?離婚の際、夫の年金を半分もらえると誤解している人は多い。「分割できるのは、国民年金に上乗せされる厚生年金だけ。しかも、請求できるのは婚姻期間分のみです」(山中さん)実際に、離婚後の女性がもらっている年金の平均額は月約8万円にすぎない。「しかも、離婚が成立して2年以内に分割の請求をしなければ、権利を失ってしまうので注意が必要です」(山中さん)【Q】夫と死別したら、年金は減ってしまうの?死別した夫が厚生年金を受給していれば、妻は遺族厚生年金として、受給額の75%を生涯もらえる。夫が在職中に亡くなっても、18歳以下の子どもがいる場合、高校卒業までは支給が。「年額77万9,300円と子1人あたり22万4,300円(3人目から7万4,800円)の遺族基礎年金に加え、夫が会社員などであれば、収入から推計した厚生年金の75%が支給されます」(拝野さん)
2018年12月07日複雑すぎる年金制度。知らなきゃ損をすることはたくさんあるけれど、誰も教えてくれる人がいない。そんなあなたのために、年金をもっともお得にもらうための疑問に答えます。解説してくれたのは、社労士でWEB情報サイト「All About」でガイドを務める拝野洋子さんと、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんだ。【Q】もっともお得な繰下げ受給の方法は?年金受給開始年齢は原則65歳からだが、5年以内の範囲で、繰り上げ、繰り下げができる。「1カ月早めると、0.5%支給額が減額されます。60歳で受給開始すると65歳の場合と比べ、3割減となります。一方、繰り下げは1カ月遅らせると、0.7%の増額。最長の70歳まで待つと、本来の支給額より42%増に」(拝野さん)年金は個人のものなので、妻だけ年金の受給時期を変えることも可能。だが、早く小遣いが欲しいからと“繰り上げ”すると、長い目で見ると損となる。一方、必ずしも繰下げ受給=得ではない。「妻が年下の専業主婦で、夫が厚生年金を受給しているなどの場合、年間約39万円の加給年金が支給されます。妻が65歳になるまでもらえますが、夫の厚生年金受給が条件なので、繰り下げるともらえる期間が減ります。それを避けるため、厚生年金は65歳で、夫の基礎年金の部分だけを繰り下げるという方法も」(山中さん)【Q】夫は退職と就職を繰り返しているけど、年金はどうなるの?会社員として、厚生年金に入っていた期間が無駄になることはない。受給年齢になれば、基礎年金に、厚生年金を上乗せして受給することができる。ただし受給には手続きが必要なので、忘れずに。掛金を積み立て、社員がそれを運用して老後に受け取る「企業型確定拠出年金」に加入していた場合は、注意が必要だ。「退職後、それを忘れて手続きをしない人がいます。積み立てていたお金は国民年金基金連合会に預けられますが、そこに放置されたままのお金は1,500億円にもなるといわれています。年金事務所などで、年金支払い状況を確認しましょう」(拝野さん)
2018年12月06日複雑すぎる年金制度。知らなきゃ損をすることはたくさんあるけれど、誰も教えてくれる人がいない。そんなあなたのために、年金をもっともお得にもらうための疑問に答えます。解説してくれたのは、社労士でWEB情報サイト「All About」でガイドを務める拝野洋子さんと、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんだ。【Q】専業主婦は何の年金に入っているの?「自営業や無職の人は第1号被保険者で、国民年金(基礎年金)に加入します。会社員は第2号被保険者。掛金の半分を企業が負担してくれるうえ、収入に応じて厚生年金が、国民年金に上乗せされます。会社員の夫をもつ専業主婦は、第3号被保険者です。掛金の負担がなく、国民年金をもらえます。主婦の方でも、パートなどで年収130万円以上となると、国民年金などの社会保険料を支払う義務が出てくるので、注意しましょう」(拝野さん)【Q】どうやったらもらえる年金が増えるの?「国民年金、厚生年金だけでは老後が心配という人は、公的年金に加入しながら、証券会社など金融機関で加入できるiDeCo(個人型確定拠出年金)で“上乗せ”をすることができます」(山中さん)拝野さんがiDeCoの利点を解説してくれた。「毎月、一定額の掛金(専業主婦の場合、月5000~2万3,000円の範囲内)を支払います。元本割れのない定期預金や国内株式の投資信託商品などの中から、あらかじめ決めておいた割合で、積み立てた掛金を運用することになります」積み立てた年金は60歳以降に受け取ることができるが、その際、退職所得控除や公的年金等控除を利用することができる。「さらに、通常、投資などの運用利益の20%が課税されますが、iDeCoでは非課税です。税制面でも、大きなメリットがあるといえます」(拝野さん)【Q】未納期間が長いけど、どれくらい減額される?国民年金は、加入期間は最大40年間。個人で支払うため、未納期間ができている人も多いはず。「1年間の未納があれば、将来もらえる基礎年金が、1カ月あたり1,620円、年間1万9,440円の減額。これが生涯続くことになります」(拝野さん)未納で減る年金の計算法は、1万9,440円/年(1,620円/月)×未納年数。だが、60歳から65歳も年金を払い続けることで、年金を増やせる「任意加入制度」がある。未納期間が長い人は検討しよう。【Q】掛金が払えなくなったら?「経済的に年金の支払いが困難な場合、“免除”が認められることがあります。所得や家族の有無で基準が変わりますが、全額免除が認められれば、保険料を払わなくても、全額払った場合の半分の年金を将来受給できます。半額免除の場合は75%です」(山中さん)滞納だけは避けたい。「老齢年金が減るばかりか、大病しても障害年金が下りなかったりする弊害も」(山中さん)
2018年12月06日前回の記事では、「ボーナスから始める資産運用」としてその中で「iDeCo(イデコ)」の活用もふれました。せっかくのボーナスをもらって気分も新たに見直ししたい今こそ、資産運用デビューにもベストなタイミング!でも、どうやってはじめたら良いの?と思うあなたへ。「iDeCo」のはじめ方、金融機関選びや商品選びののポイントについて今回はご紹介したいと思います。まずは「iDeCo」のはじめ方4ステップ【はぴマネレッスン】vol. 49まず、「iDeCo」のメリット、デメリットを含めた特徴はこちらの記事をお読みください。資産運用をはじめるだけでなく、税制面でのメリットもある「iDeCo」は原則として60歳までは引き下ろし不可という特徴があるため、将来に向けての長期間の資産形成にオススメです。そんな「iDeCo」のはじめ方を4ステップでまとめてみました。1.はじめる金融機関を選ぶ!&口座を開設するまず重要なポイントである、「金融機関選び」からスタート。「iDeCo」では、自分の選んだ金融機関1つを選んで加入ができるため、安易に誘われたところではじめて、後から変えたい!と思うと手数料がかかったり手続きが面倒だったりと意外と大変なので最初の金融機関選びは重要なポイントです。でも、金融機関によって何が違うの?と疑問に思う方も多いはず。金融機関によって異なる点としては、「取り扱っている商品の数」や「手数料の額」などが挙げられます。そのため、はじめた金融機関で「思っていた商品が取り扱っていなかった!」「手数料が高い商品しかなかった!」など、同じように見えても長期で積立てるようなiDeCoを活用する際には大きな違いが出てきます。まず、金融機関を選ぶ際にチェックしたいのは「口座管理手数料」と「信託報酬」の2つ。「iDeCo」に加入するうえで、加入する際に掛かる手数料としてはじめの1度だけかかる手数料、その他の手数料として国民基金連合会に103円+信託銀行への手数料が64円、計毎月167円がかかるほか、重視したい点の1つ、「毎月掛かるコスト」が発生する可能性があります。そのひとつである「口座管理手数料」とは、金融機関によって異なる口座を持っている限り「毎月」発生するコスト。そのため、1年単位ではなく長期の積立ての際には大きなコストとなってしまいます。できるなら安い金融機関を選びたいところですよね。また、「信託報酬」については投資信託で運用する際に毎月掛かるコストなので、こちらは後ほど「商品選び」のところでお伝えします。そして「金融機関」を選んだら運用するための口座開設が必要です。重要な「金融機関選びのポイント」もまた改めてご紹介しますね。2.積立てる額を決める金融機関を選んだら、お次は「積立てる額」を決めていきます。「iDeco」では一般的に5000円〜と2万3000円の間で少額からはじめられます。例えば企業にお勤めのOLさんでしたら、60歳までの長い間無理のない金額で始めることをおススメ。ちなみに、金額の変更は可能ですが「1年に1回のみ!」です。ボーナスの3分の1を貯蓄、投資分と考えてそのうちのさらに1部の金額を「積立て」に回してみてはいかがでしょう?3.投資配分を決める額を決めたら、「投資配分」を決めましょう。投資配分は「ポートフォリオ」とも呼ばれます。例えば、月2万円で「iDeCo」を始めるとして、「iDeCo」は現在元本保証のある「預金、保険商品」タイプと、リスクを伴う「投資信託、MMF」のタイプのがあり、ご自身で組み合わせて商品を選びます。「iDeCo分は1万円全て投資信託で運用」などもOK、「半分の5000円は預金で元本保証をしながら、残り半分の5000円は投資信託へ」などの配分も決められます。安全型、リスクを求めてもOKなど、ご自身の投資タイプで配分を決めておくことで商品選びがしやすくなります。ただ、預金は手元に置いておく資金としてiDeCoを活用しなくてもできるため、「iDeCo分は全て定期預金へ!」というのも少し考えもの。なぜなら「iDeCo」を活用するうえでは増えた分に対して税金が掛からないメリットもあり、十分に恩恵を受けられない可能性のほか、毎月掛かるコスト分のほうが運用益よりも大きく、結果的に目減りしてしまう可能性もあるためです。投資信託等の運用商品も組み合わせて、「どの程度のリスクなら許容できる?」という点や、手元に置いておく現金分もしっかりと確保しておくことは必要です。ご自身の運用タイプなどは、ロボットがアドバイザーとしてオススメのポートフォリオを提案してくれるような無料のサービスなどもあるため、一度参考にご自身のタイプに合った投資配分を決めるとiDeCoを活用するメリットはより大きくなる可能性があります。4.運用する商品選びさて、金額を決めたら商品を選びましょう! 投資する商品は「預金」と「投資信託」にわかれ、かつ投資信託のなかでも金融機関ごとに取り扱っている商品のラインナップも変わってきます。1万円の中で「3000円を日本株に連動する投資信託、3000円を世界株に連動する投資信託、残りを日本国債に連動する投資信託」など少ない金額でも組み合わせて商品を選ぶことができます。投資信託は元本保証がない商品ですが、タイプもさまざま。例えば日経平均や国内外の株価指数や債券の指数等と連動する「インデックス型」、運用会社の専門家が運用してくれる「アクティブ型」、そのときの情勢に合わせて投資配分を変更してくれ、1種類の中でも「国内株・海外株・国内債券・海外債券」の4つ(またはその他商品)にバランス良く投資してくれる「バランス型」などがあります。一般的に、ステップ1で紹介した「信託報酬」は投資信託を選んで運用する際に毎月掛かるコストですが、「インデックス型」はこの信託報酬が低いことが多く、「アクティブ型」はプロが運用するコストが掛かるため、一般的に「インデックス型」よりも信託報酬が高めな場合が多いです。「バランス型」は、「自分での組み立て方がわからない!始めたら放っておきたい」などの方には1つのファンドで世界中の商品に投資してくれるため、信託報酬の割安な商品を選べば初めての方でも安心な商品の1つです。ただ、同じような投資配分を選べるならばご自身で「インデックス型」などを組み合わせて投資するほうが信託報酬も安く済むなどメリット・デメリットがありますのでご自身のタイプにあった商品選びをしてみてくださいね。以上4つが「iDeCo」に加入する際に必要な4ステップです。最後に口座開設手続きをする際に、「金融機関選びのポイント」をチェックしてみて下さいね。金融機関の選び方のチェックポイントは?何度もご紹介したように、「手数料が安いか?」「商品が豊富か?」の2点が長く積立てる「iDeCo」を始める金融機関選びでは重要なポイント。はじめることができる金融機関は、銀行、保険会社、証券会社などがありますが、今のところ「ネット証券・ネット銀行」が手数料などに関して優れている金融機関が多いです。口座管理手数料、そして取り扱う商品の手数料の安さから考えると「SBI証券」、「楽天証券」などが今のところラインナップ的にも手数料的にも優れています。SBI証券では加入時に掛かる手数料を含めた運営管理手数料も6月より無料、楽天証券でも運用管理手数料は無料のため、毎月掛かるコストは国民基金連合会への手数料、信託銀行への手数料で月167円+「信託報酬分」のみで済みます。以下のサイトではさまざまな金融機関を加入時、運用期間にかかる手数料、口座を変える際にかかる手数料、各金融機関の揃える商品ラインナップ、信託報酬も一覧でチェックできますのでぜひチェックしてみることをオススメします。iDeCo(確定拠出年金)ナビ今回は「金融機関選び&商品選びのチェックポイント」として選び方のポイントや始め方のポイントをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?投資運用は自分次第となる「iDeCo」の制度ですが、将来に向けた資産形成をしながら税金も安くなるメリットがあるので、はじめての資産形成デビューとしても恩恵を受けることができる方も多い制度です。もちろん運用次第で元金保証が無いデメリットもありますが、早くから資産形成に慣れ親しんでいくことはこれからの時代にとても必要なスキルの1つでもあります。ボーナス分から、ぜひ資産運用デビューをしてみてはいかがでしょうか?以上、はぴマネレッスンvol. 49でした。©Melpomenem/Gettyimages©monkeybusinessimages/Gettyaimages※2017年8月7日作成
2018年11月26日年金の支給開始は65歳が原則だが、現在は70歳まで先延ばしする「繰り下げ」受給が可能に。この繰り下げを70歳以降も選択できるようにする案が、今の国会で検討中だという。そのメリット、デメリットとは?経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。10月23日、自民党の小泉進次郎議員が、「生産年齢人口」の見直しについて発言しました。生産年齢人口とは、生産活動ができる現役世代のことで、今は15~64歳とされています。小泉氏は「18~74歳にしたほうが現状とマッチする」と述べました。ですが、生産年齢はさまざまな統計に使われる指標です。むやみに変えると、以前のデータと比較できなくなります。私は、軽々しく変えるものではないと思います。こうした年齢に関する定義の変更が持ち出される背景には、年金問題があるからでしょう。ひっ迫する年金財政をなんとか改善したい国は、今の国会で、次の2点を検討したいようです。1点目は、年金の支給開始は65歳が原則ですが、今は70歳まで先延ばしする「繰り下げ」受給が可能です。この繰り下げを70歳以降も選択できるようにすることです。年金を繰り下げるためには、高齢者も収入が必要です。そこで2点目。今は、60歳以降も働きたい会社員は、全員65歳まで働くことができます。これを70歳まで延長することです。1点目の年金繰り下げは、老後資金を増やすための選択肢として、メリットのある制度だと思います。受給を1カ月先延ばしするごとに0.7%ずつ年金額が増えますから、1年先延ばしすれば8.4%、現状では最高の70歳からの受給にすれば、42%アップです。たとえば、国民年金の満額を受給するAさんだと、65歳からの年金額は年約78万円(’18年度)ですが、70歳まで先延ばしすると、年約111万円に増えます。今後、この制度が70歳以降に広がり、仮に75歳まで10年間の繰り下げが可能になったとすると、Aさんは75歳から、84%アップで年約144万円受給できることになるかもしれません。ただし、75歳までは年金がもらえないので、87歳より長生きしないと損になります。年金の繰り下げには、デメリットもあります。まずは、健康寿命との関係です。介護を受けず自立した生活ができる健康寿命は、女性が74.79歳、男性は72.14歳です(’16年・厚生労働省)。年金を元気なうちにもらって、有意義に使いたいという方が多いのではないでしょうか。また、厚生年金などで年金額が多い方が繰り下げると、課税対象になることがあります。せっかく増額されても、税金のほか、社会保険料などの負担も増えるので、課税ラインには注意しましょう。さらに、70歳まで働けたとしても、給与は定年前の半額以下になる方がほとんどです。自分の収入と年金額、健康状態などを考えて、選択してください。私は、70歳以降の年金繰り下げを選べる方は、それほど多くないと思います。それでも国が検討するのは、その先に、年金受給そのものを、現行の65歳から68歳などへと引き上げたいもくろみがあるからでしょう。人生100年時代などの言葉にまどわされず、政府の動きを注視しておきたいものです。
2018年11月09日「iDeCoは、もともと’01年にスタートした制度ですが、’17年1月から公務員や専業主婦まで加入対象者が広がり、誰でも入れる個人年金に。加入者は毎月、コンスタントに約3万人ずつ増え、’18年6月時点では94万人ですので、現在では100万人を突破しているでしょう」こう語るのは、確定拠出年金アナリストの大江加代さん。自営業ばかりでなく会社員であっても、かつてのような十分な企業年金は期待できないいま。老後資金のため、個人型確定拠出年金iDeCoを始めている人が増えてきているという。そこで大江さん、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにiDeCoについて解説してもらった。「iDeCoは、扱う金融機関が用意する投資信託などを、毎月定額で購入し、運用するかたち。最終的に積み立てたお金を、60歳以降に年金や一時金として受け取るしくみです」(風呂内さん)証券会社で投資信託を購入するケースとは違い、iDeCoの場合は「拠出金は全額所得控除の対象」「利益も非課税」という大きなメリットがある。始めてみようという人は次のステップにのっとって検討してみよう。【ステップ1】取引金融機関確定拠出年金教育協会が運営するサイト「iDeCoナビ」などを利用して、各社の手数料や取扱い商品を比較したい。「加入者が増え、各社、競争原理が働き、手数料はだいぶ安くなりました。さらに昼間働いている人は、コールセンターの受付け時間、土、日に対応しているかなども判断材料になります」(大江さん)【ステップ2】初期費用を忘れずに「開始の手続きは、WEB上だけでは完了できません。必ず送付される必要書類に記入しなければならないのですが、印鑑の押し忘れなど不備があって、途中で加入を諦める人もいます」(大江さん)通常、資料取り寄せから積立を開始するまで、2カ月ほどかかる。どこの金融機関でも口座開設時には最低2,777円、毎月積み立てている期間は最低年間約2,000円の費用がかかることは覚えておこう。【ステップ3】購入商品の選択投資信託の商品を選択すれば、元本割れのリスクがある。「日本の投資信託は7,000本近くあるといわれます。中には手数料が高く、価格変動リスクによって、資産運用に不利な商品も。しかしiDeCoの場合、金融機関が長期の資産運用に向く商品をあらかじめ厳選してくれています。コストも低く、初心者でも選びやすいです」(大江さん)商品選びでもう1つ知っておきたいのは、運用スタイル。「インデックス型(パッシブ型)は日経平均株価など指数に連動した、手数料も安く無難な商品。アクティブ型は、アナリストが目利きした商品で、ハイリターンを目指します。これは手数料が高く、結果的にインデックス型より増えないことも」(風呂内さん)商品は大まかに、元本確保型の定期預金、投資信託は国内株式と国内債券、外国株式と外国債券、それらを組み合わせたバランス型に分けられる。風呂内さんがオススメする配分の例は次のとおり。■毎日のチェックは面倒だけど、とりあえず資産は増やしたいという人国内・外国株式(ともにインデックス型などを組み合わせたバランス型ファンド)50%:定期預金50%■貯蓄に余裕があって、多少のリスクは負ってもいいと考えている人外国株式25%:国内株式75%(ともにインデックス型)「50代は最低限残す金額を決める時期。元本確保される定期預金だけでも、減税のメリットはあります」(風呂内さん)もちろん、すべてのケースで、1年に1回、必ず資産状況のチェックは必要だ。人生100年時代、ローリスクで資産を確保することができるので、iDeCoは選択肢の1つとして検討しよう。
2018年09月05日「親が定年退職したとき、銀行に『人生これから長いです。退職金を運用してみませんか』と勧められるまま、1,000万円もつぎ込んだのに、任せきりにしてしまった結果、資産は3割減に。私は“こんな失敗はしたくない”と、投資の勉強の手始めとしてiDeCoを始めました」(47歳専業主婦)自営業ばかりでなく会社員であっても、かつてのような十分な企業年金は期待できないいま……。老後資金のため、個人型確定拠出年金iDeCoを始めている人は増えてきた、と確定拠出年金アナリストの大江加代さんは語る。「もともと’01年にスタートした制度ですが、’17年1月から公務員や専業主婦まで加入対象者が広がり、誰でも入れる個人年金に。加入者は毎月、コンスタントに約3万人ずつ増え、’18年6月時点では94万人ですので、現在では100万人を突破しているでしょう」50代にさしかかり、“年金をいまから作るなんて、無理かも”……と諦めている人も多いだろう。それでも、いまからiDeCoをはじめることにメリットはあるのだろうか。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに解説してもらった。「iDeCoは、扱う金融機関が用意する投資信託などを、毎月定額で購入し、運用するかたち。最終的に積み立てたお金を、60歳以降に年金や一時金として受け取るしくみです」(風呂内さん・以下同)証券会社で投資信託を購入するケースとは違い、iDeCoの場合は大きなメリットがある。【メリット1】拠出金は全額所得控除の対象!「まず、拠出金の全額が所得控除されることが、いちばんわかりやすいメリットです」毎月2万円を拠出する場合、1年間の控除対象額は24万円だ。「所得によって税率が変わりますが、年収300万円の人は、所得税は24万円に対して5%の1万2,000円、住民税は10%の2万4,000円、合わせて3万6,000円の減税に。扶養家族になっている専業主婦は、所得控除について考えにくいですが、夫の税金を少しでも安くしたい人は一考の価値があります」ちなみに、少額投資非課税制度のつみたてNISAは、控除の対象にはならない。【メリット2】利益も非課税!「株などの資産運用で得た利益は、約20%が課税対象。たとえば100万円の投資額が110万円に増えて、10万円の利益が出た場合、約2万円は税金となるのです。ところがiDeCoの場合、運用中の利益はすべて非課税になります」その減税効果はどのくらいあるのだろうか。毎月2万円の拠出額で、30年間、年利3%で運用できた場合で計算してみると……。「積立額は合計720万円ですが、30年で約1,162万円に増えます。半年ごとに約20%の課税があると増えにくく、約1,049万円。つまり、課税されないことで約113万円も“得する”わけです」
2018年09月05日「iDeCoは、もともと’01年にスタートした制度ですが、’17年1月から公務員や専業主婦まで加入対象者が広がり、誰でも入れる個人年金に。加入者は毎月、コンスタントに約3万人ずつ増え、’18年6月時点では94万人ですので、現在では100万人を突破しているでしょう」そう語るのは、確定拠出年金アナリストの大江加代さん。自営業ばかりでなく会社員であっても、かつてのような十分な企業年金は期待できないいま。老後資金のため、個人型確定拠出年金iDeCoを始めている人が増えてきているという。50代にさしかかり、“年金をいまから作るなんて、無理かも”……と諦めている人も多いだろう。それでも、いまからiDeCoをはじめることにメリットはあるのだろうか。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに解説してもらった。「iDeCoは、扱う金融機関が用意する投資信託などを、毎月定額で購入し、運用するかたち。最終的に積み立てたお金を、60歳以降に年金や一時金として受け取るしくみです」(風呂内さん)証券会社で投資信託を購入するケースとは違い、iDeCoの場合は「拠出金は全額所得控除の対象」「利益も非課税」という大きなメリットがある。こうしたメリットを踏まえ、iDeCoを始めるのにいちばんお得な年齢や職業を見ていこう。■開始目安の分岐点は45歳だが、50代以降でも意味はある!60歳以降に給付となるiDeCo。“開始目安の分岐点”となる年齢は45歳だと風呂内さんは語る。「45歳を超えると、いよいよ老後の資金作りが大事になってきます。残っている教育費などのめどをつけ、iDeCoを積極的に検討したいところ。減税効果を得るためにも、可能な限り積み立てることを目指しましょう」(風呂内さん)では、加入期間10年を満たせない50代以降は始めてもメリットはないのだろうか。「そんなことはありません。支払った分の年金が作れますし、減税効果も得られます。ただし、受給開始年齢が遅れますので、慎重な判断が必要です。たとえば加入期間が4年以上6年未満の場合は63歳、1カ月以上2年未満の場合は65歳からとなり、60歳以降も各金融機関によって定められている手数料が差し引かれるので、注意してください」(風呂内さん)■収入に合わせた無理のない「拠出金」設定を!「拠出金の最低額は月5,000円で、1,000円単位で上乗せできますが、会社員や専業主婦など立場によって上限額が変わります。もっともメリットを期待できるのは自営業・フリーランスの人で、上限額は6万8,000円です」(風呂内さん)実際にiDeCoを始めた50代の女性自営業者はこう語る。「将来、自分のやりたい仕事の資格を得るために、30代後半で留学したり専門学校に通っていたら、貯金がゼロになって。株の運用に関してはまったくの素人ですが、iDeCoだと、毎月定額で積み立てられるのでありがたいです。利益も出ている状態ですが、自営業者として確定申告の際、減税効果を非常に感じています」拠出額は、年に1度変更することができるが、原則、加入期間は10年以上、さらに60歳になるまで受給できないので、計画的に拠出額を算出することが大事だ。
2018年09月05日きちんと払っていれば、誰もがもらえるはずの年金。老後の生活には欠かせないが、場合によっては「もっともらえるはずだった」なんてことも。受け取り漏れのないよう、賢い受給方法を知ろう。「9月の総裁選では、“安倍首相の3選”が有力視されています。今年4月には、財務省『財政制度等審議会財政制度分科会』で『厚生年金の支給開始年齢を65歳から68歳に引き上げる』という案が議論されました。すでに年金財政はカツカツですが、安倍首相が再選した場合、世論への影響を考えて、支給開始年齢の引き上げは“今年中”には実行しないでしょうね。しかし、こうした年金財政のなか、いつなにが起こるかわかりません。自分が受け取れる年金額は、自分の知識で守っていく必要があるんです」こう語るのは、年金制度に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。年金についての制度は把握できても、実際自分を取り巻く環境は大きく変わる可能性がある。夫との離婚や、死別、さらには親の介護による“家計難”を不安に感じている人も多いだろう。そこで加谷さんに、夫との死別における、主婦の賢い年金受給法を教えてもらった。【ケース:死別】受け取れるはずだった未受給の年金は必ず請求を!夫が70歳に繰り下げて年金を受け取るつもりだったのに、待機中の69歳で死亡してしまったとする。この場合、「65歳からもらえるはずだったぶんの年金を請求できる」と加谷さんは話す。「4年間分の夫の年金は『未支給年金』となりますので、妻が年金機構に申請すれば、さかのぼって受給することが可能です。さかのぼれるのは、年金受給日の翌月初日から起算して5年間。たとえば69歳10カ月で夫が亡くなった場合、あと2カ月で時効になってしまうケースも出てきますので、急がなければなりません。また、未支給年金を妻が受け取る場合は相続財産ではなく、一時所得となりますので、50万円を超える場合は確定申告が必要です。50万円を超える部分の2分の1の金額が、課税対象となります」
2018年08月23日きちんと払っていれば、誰もがもらえるはずの年金。老後の生活には欠かせないが、場合によっては「もっともらえるはずだった」なんてことも。受け取り漏れのないよう、賢い受給方法を知ろう。「9月の総裁選では、“安倍首相の3選”が有力視されています。今年4月には、財務省『財政制度等審議会財政制度分科会』で『厚生年金の支給開始年齢を65歳から68歳に引き上げる』という案が議論されました。すでに年金財政はカツカツですが、安倍首相が再選した場合、世論への影響を考えて、支給開始年齢の引き上げは“今年中”には実行しないでしょうね。しかし、こうした年金財政のなか、いつなにが起こるかわかりません。自分が受け取れる年金額は、自分の知識で守っていく必要があるんです」こう語るのは、年金制度に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。年金についての制度は把握できても、実際自分を取り巻く環境は大きく変わる可能性がある。夫の定年や、死別、さらには親の介護による“家計難”を不安に感じている人も多いだろう。そこで加谷さんとファイナンシャルプランナーの中村薫さんに、そのような「老後の不安ケース」ごとに、主婦の賢い年金受給法を教えてもらった。【ケース:夫の定年、再就職】“在職中の年金”、その減額のボーダーラインを把握しておこう!「年金の支給開始年齢に達していれば、再就職をしても年金は受け取ることができますが、一定以上の収入があった場合、年金受給額は減額されます」(加谷さん)夫が定年後の65歳でも、家計のために再雇用や再就職を選択する家庭も多いだろう。その場合、年金月額と給料を合わせて46万円を超えると、年金が減額されることに。「超えた分の2分の1が、年金支給額から減額されることになります。年金月額が25万円+再就職先からの給料が25万円だとすると計50万円ですので、4万円が超過分となり、2分の1の2万円が減額されることになります」(加谷さん)年金とは別に夫の収入を確保するためには、「46万円の壁」があるといってもいいだろう。【ケース:親の介護】介護費用を「前倒し受給」でまかなうのは×。数々の年金を失う場合も!「夫が定年、夫婦とも無職だが、老いた両親の介護により家計が苦しくなってくる人もいます。しかし、生活が苦しいとしても、『前倒し受給』はデメリットが大きいのであまりおススメしません。繰り上げると実際より前に65歳になったと仮定されますので、もしも65歳までのあいだに事故や病気などで障害を負っても、障害年金の請求もできなくなるんです」(中村さん)妻が前倒しで年金を受給していた場合、夫が死んだときに給付される遺族年金等も不利になることがある。ライフイベントごとで、「受け取れるはずだった年金」が受け取れなくなってしまうのはあまりにもったいない。賢く制度を利用して、“人生の危機”に備えよう。
2018年08月23日きちんと払っていれば、誰もがもらえるはずの年金。老後の生活には欠かせないが、場合によっては「もっともらえるはずだった」なんてことも。受け取り漏れのないよう、賢い受給方法を知ろう。「9月の総裁選では、“安倍首相の3選”が有力視されています。今年4月には、財務省『財政制度等審議会財政制度分科会』で『厚生年金の支給開始年齢を65歳から68歳に引き上げる』という案が議論されました。すでに年金財政はカツカツですが、安倍首相が再選した場合、世論への影響を考えて、支給開始年齢の引き上げは“今年中”には実行しないでしょうね。しかし、こうした年金財政のなか、いつなにが起こるかわかりません。自分が受け取れる年金額は、自分の知識で守っていく必要があるんです」こう話すのは、年金制度に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。年金についての制度は把握できても、実際自分を取り巻く環境は大きく変わる可能性がある。夫との離婚や、死別、さらには親の介護による“家計難”を不安に感じている人も多いだろう。そこでファイナンシャルプランナーの中村薫さんに、夫との離婚における、主婦の賢い年金受給法を教えてもらった。【ケース:離婚】「年金分割」はマスト!できれば自分の「厚生年金」を確保しよう25歳で結婚し、婚姻期間は25年間、その間の夫の平均年収が400万円だった場合について、中村さんが解説する。「貯蓄も、離婚時に折半する共有財産も多くないかもしれませんので、『年金分割』を考えるはずです。年金分割とは、婚姻期間の夫の全報酬から割り出される年金額の『最大2分の1』を妻が65歳から受け取れる制度です。このケースで試算しますと、年額27万円ほどが受け取れる額です。これに国民年金の年額約77万円を足しても、100万円ちょっとですので、これだけで暮らしていくのは難しいでしょうね」では、60歳になるまで待って離婚した場合、分割の額はどれだけ増えるのだろう?「夫の60歳までの10年間の平均年収が600万円だったとすると、年額約43万円になりますので、10年我慢して増えるのは年額15.6万円ほどです」まだまだ老後のための額としては心もとない……。そこで中村さんが提案するのが50歳で離婚してからの就職だ。「月収20万円、手取り14万円の会社に就職して60歳で退職した場合は、年額168万円以上の収入があります。さらに自身でも厚生年金を10年間納めることになりますから、65歳からの厚生年金受給額は年額約12万円。こちらのほうが前向きとも言えますね」就職によって得た厚生年金年額は12万円。10年間働いた年収の総額は約1,700万円になる。
2018年08月22日