人気漫画「リエゾンーこどものこころ診療所ー」がドラマ化!1月20日(金)より放送スタート!Upload By 発達ナビニュース人気漫画「リエゾン―こどものこころ診療所―」が全国テレビ朝日系の金曜ナイトドラマとして、1月20日(金)23時15分より放送されます(※一部地域で放送時間が異なります)。このドラマでは、児童精神科クリニックを舞台に、自らも発達障害がある院長と研修医が、様々な生きづらさを抱える子どもとその家族に向き合い、寄り添っていく姿が描かれています。原作は、「週刊モーニング」(講談社)で連載中の同名漫画であり、今や累計120万部を突破している大人気作です。発達ナビでも監修いただいている児童精神科医の三木崇弘先生が原作、ドラマともに医療監修を務めています。ドラマでは、自閉スペクトラム症(ASD)がある院長の「佐山卓」役を山崎育三郎さんが、注意欠如・多動症(ADHD)がある研修医の「遠野志保」役を松本穂香さんが演じます。児童精神科の現場、子どもたちやその家族が抱えるさまざまな苦悩や思い、そこに向き合う医師の姿を繊細に描く「リエゾン―こどものこころ診療所―」をこの機会にぜひご覧になってみてください。<放送予定>第1話1月20日(金)23時15分~0時15分(全国テレビ朝日系・一部地域で放送時間が異なります)多様な人が働く「久遠チョコレート」のドキュメンタリー映画「チョコレートな人々」が1月2日(月)より全国順次公開Upload By 発達ナビニュース障害、年齢にかかわらずさまざまな人が働く「久遠チョコレート」のドキュメンタリー映画「チョコレートな人々」が2023年1月2日(月)より全国順次公開されます。愛知県豊橋市にある「久遠チョコレート」は、余計な油を一切加えないピュアチョコレートを使用した、こだわりのフレーバーと鮮やかなデザインで人気を博しているチョコレート店です。いまではショップやラボなど全国に52の拠点を持っています。「久遠チョコレート」の特徴は、障害がある人やシングルペアレント、不登校経験者など多様な人が働き、稼ぐことができる職場環境であること。その始まりは、代表の夏目浩次さんが障害者雇用の促進と低工賃からの脱却を目的としてパン工房を開業したことでした。その後、トップショコラティエの野口和男さんとの出会いが大きな転機となり、現在の「久遠チョコレート」へと至りました。「チョコレートは失敗しても温めれば、作り直すことができる」という言葉が映画の中で、キーワードとして使われています。働く人たちがそれぞれの得意不得意の凸凹を補いあいながら生み出すチョコレート。さまざまなハンディキャップがある人と共に働くよろこびと、その難しさなど、「久遠チョコレート」がたどってきた山あり谷ありの19年間を描くドキュメンタリー映画をこの機会にぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。<劇場公開>2023年1月2日 (月)~ポレポレ東中野、第七藝術劇場、名古屋シネマテーク、 ユナイテッド・シネマ豊橋18、KBCシネマほか全国順次公開第34回日本ダウン症療育研究会「ダウン症の生涯を知る、未来にそなえる」が2月4日(土)に大阪大学医学部銀杏会館で開催Upload By 発達ナビニュース第34回日本ダウン症療育研究会「ダウン症の生涯を知る、未来にそなえる」が2023年2月4日(土)13:30-16:40に開催されます。会場は大阪大学医学部銀杏会館ですが、オンラインでもライブ配信およびアーカイブ配信が行われます。ダウン症がある人の平均寿命が60歳を越え、成人期における過ごし方の重要性が注目されつつある中で、ライフステージを広く見渡し、これから何が起きるのか、どのような点に注意すればよいのか、ダウン症がある人の生涯、未来についてさまざまな視点から考えられるプログラムが予定されています。<プログラム>●13:30-13:40大会長挨拶●13:40-15:10教育講演①一人ひとりに合わせた学びでどの子も伸びる~多くの事例から見えてきたこと~②ダウン症の人が社会の一員として参加できるように~内科医からのメッセージ~③成人後の暮らしとお金について〜福祉サービスの視点から〜●15:20-16:00ミニレクチャー①美味しく食べるお口を育てるために知っておきたいこと②ダウン症児の整容に関する発達評価表の作成●16:00-16:30基調講演「ダウン症のライフステージを知る~乳児期から老年期まで~」●16:30-16:40第35回大会の紹介、閉会の辞<詳細>【日時】2023年2月4日(土)13:30-16:40【場所】大阪大学医学部銀杏会館(大阪府吹田市山田丘2−2)/オンライン【料金】●会場参加(ライブ配信+アーカイブ視聴情報つき)(定員150名)日本ダウン症療育研究会会員:無料/非会員:¥2,000/同伴のお子様:高校生以下無料●ライブ配信+アーカイブ視聴日本ダウン症療育研究会会員:無料/非会員:¥2,000【アーカイブ視聴期間】2023年2月5日(日)10:00 ~ 2月19日(日)19:00まで※ライブ配信+アーカイブ視聴一括の申込みとなります。申し込みはこちらから子ども向けパラスポーツ体験プログラム「KIDS学べて 遊べる パラスポーツ体験会」1月28日(土)開催Upload By 発達ナビニュース子ども向けパラスポーツ体験プログラム「KIDS学べて 遊べる パラスポーツ体験会」が2023年1月28日(土)に保谷こもれびホール「小ホール」にて開催されます。当日は、パラアスリートである円尾敦子選手を講師に迎え、「夢をかなえるためにみんなができること」についてのお話を聞いたり、アイマスクを着用したリレーゲームを体験したりすることができます。また、1階カフェラウンジ・はなみずきにて「こども食堂もぐもぐ」も開催されており、プログラムに参加したお子さんと保護者の方全員に、こども食堂で利用できるランチチケットが用意されています。そのほか、特別プログラムとして、パラアスリートである小池岳太選手により「片手でできる生活クイズ」が上映されます。このイベントは、JTBコミュニケーションデザインが、パラアスリート・指導者の講師紹介プログラム「あすチャレ!メッセンジャー」を招いて開催されます。 パラアスリートの方々のお話や、パラスポーツ体験を通して、障害理解を深めるとともに、「夢をかなえるためにできること」を考えることができるのではないでしょうか。<プログラム>第一部:トークセッション「夢をかなえるためにみんなができること」第二部:アクティビティセッション「アイマスクdeリレー体験」●プログラム終了後、1階カフェラウンジ・はなみずき「こども食堂」にてお食事提供●特別プログラム:「片手でできる生活クイズ」をロビーにて上映(小池岳太選手あすチャレ!メッセンジャー認定講師 )<詳細>【日時】2023年1月28日(土)10:00‐12:00【場所】西東京市立保谷こもれびホール「小ホール」(東京都西東京市中町1‐5‐1)【料金】無料/ランチチケット:こども(高校生以下)無料、大人(保護者)300円【定員】先着80名(3歳~15歳までのこどもと保護者)(事前登録制)【講師】円尾敦子選手あすチャレ!メッセンジャー 認定講師 (パラトライアスロン)申し込みはこちらから社会課題の解決を目指すimperfect、パッケージデザインに障害のあるアーティストの作品を使用した「アート&カカオ」第2弾を12月1日(木)より発売Upload By 発達ナビニュースウェルフードマーケット&カフェ「imperfect(インパーフェクト)」は、障害があるアーティストの所得支援を目指す「アートビリティ」と協業し、2022年12月1日(木)より、パッケージデザインに障害があるアーティストの作品を使用した「アート&カカオ」第2弾を表参道店とECサイトにて販売しています。アートビリティとのコラボレーション第1弾として2022年9月1日から発売された「アート&カカオ」が完売となり、今回新たにリニューアル発売されました。imperfectでは、世界の食と農を取り巻く社会課題の解決に取り組む「Do well by doing good.」(=いいことをして、世界と社会をよくしていこう)活動が展開されています。「実業を通じた社会課題の解決」を掲げ、社会や生産地・生産者にもよい、Well Food(ウェルフード)の提供が目指されており、「アート&カカオ」でも、森の保全に取り組みながら生産されたカカオが使用されています。第2弾のパッケージデザインに使用されているのは、石附若菜さんの「めでたい」という作品。線は全て手書きで、色はパソコンで塗られているそうです。「絵を見た方々が明るく元気な気持ちになって欲しい」という石附さんの思いから、鯛が泳いでいるところではなく元気に飛び跳ねているところが表現されているそうです。「私のように障害があって苦手なことが多くても好きなことで生きていっていいと、誰かの希望になれたら幸いです。」という石附さん。石附さんの描く元気な鯛の姿からパワーがもらえるのではないでしょうか。<詳細>【発売日】2022年12月1日(木)~【場所】imperfect表参道店/公式ECサイト( 東京都渋谷区神宮前四丁目12-10 表参道ヒルズ同潤館1 F)<商品詳細>【商品名】アート&カカオ【内容】クランチチョコレート3種類×3粒 計9粒 入り【販売価格】1,800円(税込)詳しくは公式サイトをご確認ください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2023年01月10日こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では3人の子どもを子育て中の母です。今回は「野菜ジュース」について。離乳食が果汁からだった時代もありますが、今はなるべく子どもに果汁(ジュース)をあげないほうが良い、という時代になってきています。実は、野菜不足が心配でついつい飲ませてしまう(!?)野菜ジュースも同じです。なるべく飲ませないほうが良いと言われるようになってきています。なぜでしょうか?ジュースがダメな理由世界保健機構(WHO)などでは「幼児までの子どもには100%ジュースも糖分のとり過ぎになるとして飲ませないほうが良い」としています。糖分のとり過ぎは虫歯のリスクが高まったり、肥満のリスクが高くなるためです。 一方、フルーツそのものに関しては、食べないほうが良いということはありません。フルーツそのものであれば、食物繊維など糖分以外の物も含まれるため、栄養素の吸収も変わってくるからです(もちろん摂取目安量はありますが、そこまで厳しくしなくても良いと私は考えています)。 そのため、現在、小児科では「そもそもジュースは子どもに与えるものではない」という指導をしています。 糖分の摂取目安WHOでは、「1日の遊離糖類摂取量を総エネルギー量の10%未満に抑えましょう、5%未満だとさらに良い」と言われています。 厚生労働省健康局から出ている「標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】 」によると、「遊離糖類とは、グルコースやフルクトース等の単糖類、スクロースや砂糖等の二糖類等食品や飲料の加工調理で加えられるもの、並びに蜂蜜、シロップ、果汁、濃縮果汁等に自然に存在する糖類のこと」を指します。※はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため、満1歳までは絶対に与えないようにしてください。 例えば、1〜2歳の推定エネルギー必要量は1,000kcal程度(厚生労働省資料より)なので、5%未満とすると遊離糖類摂取量は12.5g程度が望ましいということです。 スポーツドリンク500mLだと約30g、100%ジュースでも200mLで20g、野菜ジュース720mLで約50gの炭水化物(糖質+食物繊維)が含まれています。ジュースに食物繊維はほとんど含まれていないことを考えると、このうちの“ほとんどが糖質”ということになります。 糖質はジュースにだけ含まれているわけではないので、ジュースだけで糖質の必要量をとってしまうと、明らかに糖質のとり過ぎになってしまうのです。 野菜不足を野菜ジュースで補わないで野菜をあまり食べないことが多い子どもたち。ついつい野菜不足が心配で野菜ジュースを飲ませてしまうこともあると思います。もちろん、野菜はたくさん食べてほしいものですが、野菜の栄養素よりも余計なものをとってしまっては本末転倒です。 子どもが好きな味つけにしてみたり、食感に変えてみたりなど、子どもが食べやすいようひと工夫することで、食べてくれるようになることもあります。野菜不足はしっかり野菜で補い、水分は水や麦茶を飲ませるようにしたほうがいいと思います。 とはいえ、子どもが野菜を食べてくれないというご家庭も多いと思います。わが家では子どもたちが嫌いな野菜もありますが、好きな野菜を重点的に出すようにしています。 さまざまな野菜を食べてほしいので、いろいろ出すようにしますが、食べてくれないこともよくあります。それでもめげずに出し続けることと、ビタミンは他の食べ物からもとれるので、焦らず無理して食べさせないようにしています。好きな野菜も出してあげて「おいしいね」と食事を楽しむことが大切かなと考えています。 ジュースなどの甘くおいしい飲み物の味を一度覚えると、頻繁にジュースを欲しがるようになってしまいます。小さいうちから毎日ジュースを与えてしまい、水や麦茶を一切とらなくなってしまったというケースもあります。 子どもに野菜ジュースなどのジュースを与えないという選択は、子どもに水分をとらせることに苦労したり、虫歯治療に通うことになったりと、将来的に後悔しないために今できる「ラクになる育児」の1つです。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年01月07日こんにちは、3児のママで小児科医の保田典子です。生後半年をすぎると、赤ちゃんも活発に動くようになってきます。寝返り、ずりばい、ハイハイ、つたい歩き……じょうずに遊んで、赤ちゃんの発達を助けてあげられるといいですよね。今回は、ハイハイ時期のポイントをお伝えできたらと思います。ハイハイの良いところ一般的な発達の順番としては、首すわり→寝返り→ずりばい→ハイハイの順番で発達していきます。ずりばい、ハイハイの時期になると、手足を同時に使って動く、自分の体重を手足で支えるようになるなど運動能力や筋力が向上している必要があります。 ハイハイには①手で体重を支えて腕の筋力がアップする②手で地面をとらえるので手の感覚や握力の発達にも良い③両足を交互に動かすので、歩くための準備にもなる などいろいろな良いところがあります。また、ハイハイすることを含め、さまざまな運動をすることでケガの予防にもつながります。ずりばいやハイハイをするようになったら、ぜひたくさん運動をさせてあげたいですよね。 おすすめの遊びずりばいやハイハイをするようになったら、ぜひ広いところで遊ばせてどんどん動くようにしたいものです。公園で草の感覚を味あわせてあげるのもいいですし(晴れていて地面が乾いている場合)、児童館などで自由に動きつつ、他のお友だちを見せてあげるのもいいでしょう。 まだお友だちに興味を持つ、お友だちと遊ぶという時期ではありませんが、歩いているお友だちを見ると、歩きへの刺激にもなると思いますよ。 家でも、親が見ている間はケージを取りはらって、家の中を自由に探検させてあげるといいでしょう。赤ちゃんの後ろから声をかけてあげたり、ママやパパがいるところまで障害物(クッションなど)を置いてあげて、平地だけではない場所をハイハイさせてあげるのもいいでしょう。 気をつけるべき遊びは?ハイハイをし始める時期に使用を考えるのが、歩行器やベビージャンパーなどの育児グッズです。歩行器やベビージャンパーは喜ぶ赤ちゃんも多いため、ちょっと親の用事をしたいときなどすごく重宝するグッズです。 ただ、ハイハイの時期の赤ちゃんは、腰を曲げているのが自然な姿勢なのですが、歩行器などは赤ちゃんが立つ形になり、自然な体位よりは背骨がまっすぐになって、腰が反る形になります。そのため、この時期に無理に立った姿勢を長く続けることは、赤ちゃんの腰にも発達にも好ましくありません。「使ってはいけない」のではなく、長時間の使用は気をつけたほうがいいと思います。 ハイハイしなくても焦らないでハイハイをたくさんして、今後の運動能力向上につなげたいところですが、ハイハイをしない赤ちゃんもいます(私もハイハイをしなかったそうです!)。 ハイハイをしないで歩き始めてしまった赤ちゃんは、足腰がきちんと歩ける準備が整ったから歩けるようになったということなので、「歩くようになったけど、ハイハイをさせなければいけない」と思う必要はありません。 また、寝返りで動いちゃうのでハイハイしない、寝転んでばかりでハイハイしないという子も焦らなくて大丈夫です。心配であれば健診で発達の具合をみてもらいつつ、焦らずに楽しく動ける遊びをしていけたらいいのではないかと思います。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年01月04日美容皮膚科にて株式会社Neautechは12月23日、KYOURITSU HADA LOUNGE池袋院にドクターズコスメがそろうブティックストアをオープンしたと発表した。KYOURITSU HADA LOUNGE池袋院は同社がプロデュースする定額制の美容皮膚科「HADA LOUNGE クリニック」と共立美容外科グループがコラボ。「ドクターズコスメを使いたいけど、まずは試してから購入したい」「自分に合うアイテムを専門家に相談して見つけたい」といった悩みをもつスキンケア迷子の人にこそ来店してほしいショップである。店舗では美容皮膚科医がセレクトした50品以上ものドクターズコスメを取りそろえており、今後も増やしていく予定。また、美容クリニック併設のため、肌解析機を使用した肌チェックなど、専門家によるカウンセリングを受けながらドクターズコスメを試していくことが可能である。充実したドクターズコスメ株式会社Neautechがプロデュースする「HADA LOUNGEクリニック」は、気軽に安心して受診できる美容医療を届ける定額制の美容皮膚科である。顧客ひとりひとりの肌と向き合い、適正な価格で高品質な技術とサービスを提供しているのが特徴であり、「KYOURITSU HADA LOUNGE」にも併設しているので自身の肌悩みや状態にぴったりのドクターズコスメを紹介可能である。また、「KYOURITSU HADA LOUNGE」にはドクターズコスメのサンプルも多数用意されている。そのため、話題のドクターズコスメが自身の肌に合うかを試すこともできる。同社では、ひとりひとりが自分の個性や姿、肌を愛し、大切に想うことができる世の中のために、今後も医療やテクノロジーと力をあわせていきたいとのこと。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社共立ドクターズラボ公式ホームページ※KYOURITSU HADA LOUNGE池袋院ホームページ
2022年12月27日チョン・ウヒ主演『死を告げる女』より、精神科医を演じたシン・ハギュンが登場する場面の本編映像が到着した。本作は、『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』『サニー 永遠の仲間たち』『哭声/コクソン』のチョン・ウヒが報道キャスターを演じるサスペンス・スリラー。死を予告する情報提供電話を受けたことから日常が揺らぎ始める主人公の、心理的な混乱や恐怖を繊細な演技で描き出す。この度到着した本編映像は、ベテラン俳優シン・ハギュン演じる、主人公を大きな混乱の中へと導く精神科医イノが登場するシーン。チョン・ウヒ演じる人気キャスターのチョン・セラが自身の死を予告する電話を受け、情報提供者ミソの自宅に向かうとミソと娘の遺体を発見する。数日が経過し、事件のことが忘れられず取材を続けるセラは再びミソの自宅を訪れる。ところが無人のはずの家内で不審な物音を耳にする。何者かがミソの自宅に居ると悟った彼女は、咄嗟に事件を追う刑事に「ミソの家に人が…」とメッセージを送る。何かを物色する男に気づかないよう息をひそめ、静かに脱出を試みるミソだったが、彼女がたてた足音に男が反応し、「誰だ」と声をかける。男はシン・ハギュン扮する精神科医だった…。果たして、怪しすぎる彼の行動の真意は?緊迫感あるチョン・ウヒの演技に、思わず息をのむ本編映像となっている。『死を告げる女』は12月23日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:死を告げる女 2022年12月23日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2020 ACEMAKER MOVIEWORKS & INSIGHT FILM All Rights Reserved.
2022年12月25日AI・ロボットの開発、提供を手掛けるタケロボ株式会社(所在地:東京都品川区)は、京都大学医学研究科医学教育・国際化推進センター(所在地:京都府京都市)のノウハウをもとに「医療面接AIチャットボット」を開発し、京都大学医学部の学生向けに提供を開始しましたので、お知らせいたします。1. 医療面接AIチャットボット開発の背景医学部の学生は、臨床医に向けたトレーニングとして、模擬患者役(※1)の方と実際に医療面接練習を行います。昨今のコロナの影響により、医療面接練習をすることが難しい場合がでてきています。その一方、AI・デジタル技術の進化により、人のように対話するAI技術も製品化されつつあります。医療面接練習に関し、「コロナの影響」と「AI・デジタル技術の進化」の両面を踏まえまして、医療面接練習ができるAIシステムを開発することで、医学部学生は(模擬患者役に頼ることなく)、好きなときに、AIと医療面接練習を行うことが可能になります。タケロボのコミュニケーション型AIシステムは、オリジナル対話データを簡単に登録でき、高性能な受答えを利用者に提供することが可能です。当該AIシステムに京都大学医学研究科が培った医療面接ノウハウ、データを登録、学習することで、医療面接AIチャットボットを開発しました。また、医療面接AIチャットボットが開発、利用されても、人の模擬患者との練習も行います。本医療面接AIチャットボットは、医学部の学生向けだけでなく、模擬患者役を希望される方の練習用に活用することも可能となっています。(※1)模擬患者役を希望する方が、各種病状のシナリオを覚え、模擬患者役を演じます。2. 医療面接AIチャットボットの概要・機能・特徴医療面接AIチャットボットは、クラウド上に構築されており、スマホやパソコンなどネットワークでクラウドに接続できるデバイスがあれば、いつでも、どこでも好きなときに利用することができます。また、便利な機能や特徴を備えており、医学部の学生や模擬患者を希望される方々の役に立つ、医療面接練習のためのクラウドサービスを提供します。(1)AIクラウドサービス・全体構成簡単にオリジナルAIシナリオが登録でき、高性能なAIチャットボットが提供できるタケロボのAIクラウドを利用しています。当該AIクラウドに京都大学医学研究科が有する患者シナリオを登録、学習することで、今回の医療面接AIチャットボットを構築しています。<図1>(2)患者シナリオ医学部学生、模擬患者希望者は、つぎの症状のシナリオで練習することができます。動悸(58歳)、不眠(63歳)、頭痛(40歳)、発熱(45歳)、発熱(68歳)、めまい(41歳)、腰痛(63歳)、胸痛(52歳)、胸部痛(52歳)、腹痛・便秘(75歳)(3)各種ユーザインタフェースパソコン、スマホ、タブレット、等のネットに接続できる好きなデバイスで使用でき、入出力も音声対話、キーボード、画面表示があり、利用シーンに合わせて選択することができます。(4)利用者における評価結果確認医学部学生用、模擬患者希望者用とも、評価ロジック(※2)を組み込んでおり、終了時に評価結果が提示され、利用者自身で習得度の確認が可能です。(※2)医学部学生用は、問診事項毎に必須、重要度、共感、等を設定し、評価を実施。模擬患者希望者用は、問診事項毎に正誤確認(誤った場合は模範解答を表示)を実施。(5)管理者用確認機能利用状況をリアルタイムで閲覧、Excelダウンロード機能を管理者向けに提供しており、管理者は、医学部学生、模擬患者希望者の利用状況を確認することができます。<図1>医療面接AI全体図・京都大学医学研究科 医学教育・国際化推進センター ・タケロボ株式会社 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月13日SAKURA(以下、――):娘は、学校でパニックを起こすことが、まだあるのですが…先生から「パニックを起こした」「泣いた」などの報告があったとき、家で娘に「泣いたの?何があった?」と聞いても、『覚えていない』ということがよくあります。娘は、学校でパニックを起こしても、さほど気にしていない感じがします。娘の学校は、1学年1クラスなので、1年生からずっと同じクラスメイトで、担任の先生曰く、「あーさんのパニックのことは、同級生がもう慣れてしまっている」という感じらしくて、そこまで大騒ぎにはならないそうです。でも、授業を止めてしまうこともたまにあるので、そういうとき、周りを困らせてしまっているということは、認識してほしいんです。「私がパニックを起こしても、みんなが許してくれる」と思ってほしくなくて…。Upload By SAKURA三木先生:来年から中学生ですよね?中学生活の3年間で、もっと視野が広くなるのでは?――たしかに小学校生活でもすごく成長はありました。小学1年生のころは、上履きが脱げただけで泣いていたらしく、最初は、よく学校から電話がありました。それから考えると、あと3年でまた成長していくだろうとは思うのですが…最近は停滞期なので、「3年で間に合うか?」って、ちょっと心配になっちゃって。三木先生:こういうところは、結局、脳の発達待ちな部分がありますからね~。完璧を目指さなくても、中学生のうちに「このくらいできたら、まあまあかなー」ってぐらいなレベルでいいのでは?――そうですかね…なんか、学校で居眠りすることがよくあるそうなんですが、そのとき起こしてくれた子に、逆ギレしちゃうこともあるらしいんです。そういうのを聞いちゃうと、え?大丈夫?って心配になっちゃって。元々、周りの空気とか読めない子なので、逆ギレ後の周りの反応とかも見てないらしくて…。Upload By SAKURA三木先生:「空気を読めてないんじゃないか不安」というのは、今の若者は全体的に傾向として強くありますよね。アニメとか見てても、やたら説明が多かったりしませんか?テレビもテロップが多いですし、「きっちり共通理解できてないとダメだ」みたいな風潮は強いですよね。その結果、説明が過多になることでそもそも「空気を読んでいい感じかどうかを自分で判断する能力」が育ってない人は多いのではと感じます。昔はそういうのあまりなかったんじゃないかなと思っていて。みんな、ストーリーから背景を想像したり、画面の中から状況を読み取ったりしてましたよね。――確かに!昔のアニメとかお笑いとかって、説明がほとんどなかったですね!アニメを見てて、なんでこの人はこんなこと言ったのかな?って思ったら、こうだからかな~ああだからかな~って、勝手に考えてました!Upload By SAKURA三木先生:そういった状況の分析とか、空気が読めるようになるには、土台とトレーニングが必要なんです。土台が弱いうちは、言葉で気持ちを説明していくことが大事になってきます。Upload By SAKURA――そうか~…土台づくり…三木先生:嫌味とか、冗談とか、裏の気持ちが読み取れないんですよね。でも、空気って読まないほうがいいとき、あえて読まないときもありますからねw――あぁ…あります(笑)三木先生:その子のキャラによって、周りに受け入れられることもありますよね。天然寄りの子だね~みたいな感じに捉えられたり。周りとの関係性も影響してきます。Upload By SAKURA――そうか…。私が思うよりも、クラスの子にも、もっとふわっとした感じで捉えられている可能性もある…かもしれませんね。最近、(今のご時世もあって)以前より娘の学校生活とか、友達関係が見えないせいか、実際に見ていないことで、ついやきもきしちゃって…。夫にも神経質って思われてるかも…。思いが強すぎて、暴走してる気がしてます。Upload By SAKURA三木先生:どこまですると、お母さんとあーさんがしんどいかっていうのを、客観視するのが重要です。今の自分の状態を冷静に把握して、自分の感情を除いた観点で見るといいかも。――客観視…結構苦手ですが、頑張ります!執筆/SAKURA
2022年12月07日多くのママが「育児が大変! つらい!」と思うことについて、3児の母である小児科医がラクになる方法をアドバイス! ママ目線で「ここまでならラクしてOK」というポイントをお伝えします。今回は【お風呂・スキンケア編】です。服を脱がせて、風邪をひかせないように手早く洗って、服を着せて……。赤ちゃんのお世話でも特に大変なのがお風呂です。特にママひとりで入れるとなると負担も大きくなりますよね。毎日の育児を笑顔で楽しく続けられるように、ほんの少し肩の力を抜いて、ラクをしてみませんか? 多くのママたちが大変と感じているお世話のなかで「この育児はしなくて大丈夫」「ここまでならラクをしてOK」というポイントを、小児科医であり、3児の母でもあるさくらんぼこどもクリニックの三日市薫先生が紹介します。今回はお風呂・スキンケア編です! ここが大変① 毎日お風呂に入れるのがひと苦労 赤ちゃんが眠ってしまった! 起こして入れるべき?ママの体調がすぐれないときや、赤ちゃんが眠ってしまったときなどお風呂に入れるのが大変な日もありますね。よほど汗や汚れが気にならなければ、毎日お風呂に入れなくても大丈夫です。ぬるま湯でしぼったタオルやガーゼで体を拭いてあげれば、さっぱりします。あせもやかぶれなど肌トラブルがある赤ちゃんは、できればサッとシャワーで流してあげるほうが良いですね。 洗浄料で洗わない日があってもOKお風呂に入ったときも、毎回洗浄料で全身を洗う必要はありません。首、わきの下、おしり、股、太ももなど汚れが溜まりやすい部位を洗えば、その他はお湯で流すだけでもある程度の汚れは落とせます。赤ちゃんの肌の状態やご機嫌に合わせて適度にラクをしましょう。 ここが大変② こまめに保湿をするのが大変 肌が乾燥していなければお休みしてもOK特にお肌が乾燥していなくて湿疹などのトラブルも起きていない赤ちゃんには、お休みする日があっても大丈夫です。冬は乾燥しやすいので、外気にさらされる顔部分はしておいたほうが良いでしょう。保湿とは、基本的に皮脂の足りない部分を補うものなので、やりすぎに注意しましょう。逆に夏に保湿をしすぎて、あせもができることもあります。特に生後3カ月までの赤ちゃんは皮脂の分泌が多く脂っぽいので、カサカサしている部位のみで大丈夫です。 お風呂での洗い過ぎが乾燥肌を招く!?赤ちゃんの肌が乾燥してしまう原因の1つが、お風呂での洗い過ぎです。汚れを落とそうとゴシゴシしすぎると、必要な皮脂まで流れてしまいます。洗浄料はたっぷりの泡で素手でやさしく洗うのが基本。冬など乾燥しやすい時期は、週に数回は洗浄料を使わない日をつくるのもおすすめです。 ここが大変③ 赤ちゃんの衣類を分けて洗うのが面倒大人の衣類と一緒に洗濯してOK肌がデリケートな赤ちゃんでない限り、生後0カ月から大人と同じ洗剤で洗っても問題ありません。大切なのは、洗剤が残らないように洗剤の適正量を守り、すすぎをしっかりすることです。 柔軟剤の選び方に注意むしろ気をつけてほしいのは、柔軟剤の選び方です。最近は香りが強く、持続しやすいタイプがトレンドですが、赤ちゃんへは刺激が強すぎる恐れもあります。使用を控えるか、無香・微香タイプを選ぶようにしましょう。 まとめお風呂やスキンケアは、お手入れをしすぎることで赤ちゃんのお肌に刺激を与えてしまう場合もあります。赤ちゃんの肌の状態が良さそうならば、1日くらいお休みしても大丈夫です。ママがゆったりした気持ちで毎日を送ることを大切にしてくださいね。 監修者:医師 さくらんぼこどもクリニック院長 三日市 薫 先生東京女子医科大学卒業、東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センター、川崎市の保健所勤務などを経て、東京・府中市にさくらんぼこどもクリニックを開院。3人のお子さんをもつ母親でもあり、地域の方々と一緒に病気を考え、子育てができる環境づくりに励んでいる。著者:ライター 大浦綾子2015年8月生まれの男児の母。出版社勤務を経てフリーの編集・ライターに。「夜の寝かしつけ後に仕事を残さない!」を目標に日々奮闘中。
2022年12月06日学習のつまずきは小学校低学年から私は児童精神科医として、これまでさまざまな自治体で、教育相談や学校コンサルテーション(教育現場での問題を解決する支援)を行ってきました。小・中学校で出会うお子さんたちの相談内容は、「文章が読めない」「漢字が覚えられない」「計算が苦手」「集中力が続かない」など、発達や学習の遅れに関するものが多く、話をうかがうと、だいたい小学校の低学年から、学習面でのつまずきが始まっています。認知機能の働きが弱いという可能性そういうお子さんは、認知機能の働きのどこかに弱さをもっている可能性もあります。学力を向上させたいからといって、いくら計算ドリルや漢字ドリルをやらせても、なかなか効果が出ないことも少なくありません。学習の土台がしっかりしていないところに、教科学習を積み上げていっても定着はしづらい可能性があるのです。認知機能とは、注意、記憶、言語理解、知覚、推論・判断といったいくつかの要素が含まれた「知的機能」を指します。いわば、下の図のように「学習の土台」なのです。Upload By 宮口幸治「点つなぎ」の課題と漢字を覚えることの困難さここでは、認知機能の弱さをもっていることによる困り事例や、認知機能は強化できるという事例を挙げていきます。下の図は、小学1年生後半のお子さんが書いた「点つなぎ」の課題です。点つなぎは、視覚認知の基礎力をトレーニングするもので、見本のように、点を結んで同じ絵を再現してもらいます。Upload By 宮口幸治このお子さんは、ひらがなの読み書きが不十分で、文章が読めない、漢字もほとんど読み書きできないと、担任の先生から報告されていました。点つなぎの段階で形を模写できていないと、漢字などは点々のガイドがなく、複雑な形をしているので、覚えるのも苦労しそうだと推察できます。Upload By 宮口幸治次に、認知機能を強化するトレーニング「コグトレ」を行った前後の変化を示す例を紹介します。コグトレとは、「認知○○トレーニング(Cognitive 〇〇 Training)」の略称です。学校の勉強についていくのがしんどいと訴える中学生が、下の絵のような自画像を描きました。そのお子さんは、小学生のころから黒板をノートに書き写すことや漢字を覚えることに苦手意識をもっていました。コグトレ後は、形を覚えて模写する力が身についたのでしょう。4ヶ月のコグトレの成果で、立体図はかなり正確に写せるようになり、自画像の表現力も増し、学習面では漢字の読み書きが上達しました。Upload By 宮口幸治Upload By 宮口幸治図形の模写から知る、発達の目安ここでは、図形の模写から、お子さんの発達の程度に目安をつける簡単な方法をお伝えします。立体図や蜂の巣は、8~9歳くらい、ひし形は7~8歳くらい、三角形は5~6歳くらい、正方形は4~5歳くらいまでに描けることが、ひとつの目安です。これらの図形が、該当する年齢を超えても描けないことが明らかであれば、そのときは念のため、発達専門外来や教育センターなどでご相談されることをお勧めします。Upload By 宮口幸治トレーニングで認知機能を強化する仮に今は、立体図の模写がうまくできなくても、認知機能を強化するトレーニング次第では、かなり正確に写せるようになる可能性はあります。「写す」力が弱いなら写す練習をしたほうがいいですし、「数える」力が弱いなら注意して数える練習をしたほうがいい…。その結果、黒板を書き写せるようになる、漢字を書けるようになる、数え間違いや計算ミスが少なくなる、という効果に結びつく可能性があるなら、今、できることを少しでもしてあげたいのでないでしょうか。Upload By 宮口幸治「学習の土台」をサポートする『コグトレ』漢字が覚えられない、計算が苦手というお子さんに必要なのは、学力以前の「学習の土台」づくりです。体育の跳び箱やさか上がりにたとえるなら、それ以前に、まずは体力づくりが大事ということです。体育でいう基礎体力に相当する「学習の土台」をサポートするために考案したのが『コグトレ』です。これは、注意して見る力・聞く力、想像する力(認知機能)を鍛えていくトレーニングです。『コグトレ』は、鉛筆と消しゴムがあれば、すぐに始められるトレーニングなので、「学習の土台」のサポートとして、よかったらお試しください。
2022年12月01日スタジオドラゴン制作、朝鮮王朝時代の精神科医という新しいテーマを描いたメディカルラブコメディ時代劇「朝鮮精神科医ユ・セプン」(原題)が、2023年1月14日よりMnetにて初放送、Mnet Smart+にて初配信されることが決定した。時は朝鮮時代。北の国境を強化するべきだと主張する王と、その意見に反対する家臣とで対立が起きていた。そんな時、王の顔に原因不明の腫瘍ができ始める。容態が悪化するも主治医の到着が遅れ、一刻を争うと判断したユ・セヨプ(キム・ミンジェ)は鍼で腫瘍の治療を行う。しかし、腫瘍からの出血が止まらずそのまま王は死去、この一件によりユ・セヨプはトラウマを抱え、鍼治療ができなくなってしまう…。同名の小説を原作にした朝鮮時代の精神科医という新鮮なテーマで描かれる本作は、3人の精神科医が現代も多くの人が抱えるような悩みに共感し、癒しと感動を与えていく、時代劇、医学、ラブロマンス、コメディなど、様々な要素が詰まった作品となっている。優れた実力を持った内医院(宮中の医療施設)のユ・セプンを演じるのは、「浪漫ドクター キム・サブ」をはじめ数々の話題作で個性的なキャラクターを演じてきた俳優キム・ミンジェ。鋭い推理力で病人の心を癒していくソ・ウヌを演じるのは、『神と共に』シリーズや『無垢なる証人』で知られ、初めての時代劇出演となるキム・ヒャンギ。さらに、大ヒットドラマ「王になった男」出演のベテラン俳優キム・サンギョンが、お金好きのツンデレ医師ケ・ジハンを演じる。鍼が打てない天才医師と未亡人のお嬢様が、変わり者の医師と共に心を痛めた人たちを癒していく物語がついに日本に上陸する。「朝鮮精神科医ユ・セプン」(原題)は2023年1月14日より毎週(土)22時~CS放送「Mnet」にて放送開始、1月1日(日)8時~第1話無料放送。※Mnet Smart+では本放送&7日間見逃し配信で視聴可能。(text:cinemacafe.net)
2022年11月28日産業医紹介サービス『産業医コンシェルジュ』を展開する株式会社Dr.健康経営(本社:東京都渋谷区、代表取締役:鈴木 健太、以下 Dr.健康経営)は、企業向けサービス「スポット産業医」を強化し、【医師面談】のほか、要望の多かった【健康診断後の就業判定】についてもスポット提供を開始しました。オンライン面談も対応可能です■「スポット産業医」サービスDr.健康経営では、以下2つのスポットメニューを提供しています。<スポット産業医面談>主に産業医が選任されていない小規模事業場に対し、以下のような医師面談についてスポットで対応します。・長時間労働面談・健康診断後の保健指導(事後措置)・ストレスチェックにおける高ストレス者面談・復職(休職)面談・メンタル不調など体調不良者との面談また、すでに産業医を選任している事業所についても、急な復職面談など臨機応変に対応しています。サービスには、事前ヒアリング、面談、面談後の意見書提出までが含まれます。※産業医コンシェルジュ「スポットプラン」 企業ニーズに合わせて柔軟に対応します<スポット健診判定>主に産業医が選任されていない小規模事業場に対し、健康診断後の医師による就業判定をスポットで対応します。健康診断において「所見あり」とされた従業員について「通常業務」「就業制限」「要休業」の3つの区分で就業判定を行い、必要に応じてコメントを記入します。健康診断結果票についてはデータ、紙どちらにも対応しています。急なスポット対応のご依頼もお気軽にお問い合わせください■株式会社Dr.健康経営についてDr.健康経営は、「働く人に元気を与え、活力ある社会をつくる」というミッションを掲げ、産業医紹介サービス事業を中心に、企業における健康管理の支援をしています。会社名 : 株式会社Dr.健康経営所在地 : 東京都渋谷区恵比寿1-32-15 メゾン・ド・ヴィレ恵比寿102代表者 : 代表取締役 鈴木 健太設立 : 2019年2月22日主要事業: 産業保健支援、ストレスチェックサービスURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月22日兄弟で児童精神科受診。今回の目的は…今回の目的は・ミミ:特別支援教室に通うことが1年ごとの判断になったので、来年度も通った方が良いかどうかの判断をしてほしい・ふー:昨年度末に療育を勧められたふーの特性を判断してもらい、来年の就学相談の必要性を相談したいの2点。ミミは前回の受診のころから今までの学校での出来事や放課後等デイサービスや自宅での様子を1枚のプリントにまとめたもの、ふーは今までの健診や児童発達支援のこと、療育を受けるために保育園の先生に記入してもらった園での様子や困りごとについてのプリント、福祉保健センターで受けた発達検査の結果、書いてもらった紹介状などを小児科の受付に提出しました。Upload By taeko診察内容は…?まずは長男ミミからいざ診察!まずはミミから。ミミのASDの診断書を書いてくれた先生はミミにいくつか質問をしました。先生「学校は楽しい?」ミミ「あんまり楽しくない」先生「勉強は楽しい?」ミミ「楽しいのと楽しくないのがある」先生「何が楽しい?」ミミ「理科」先生「楽しくないのは?」ミミ「国語」先生「お友達と一緒にいるのは大丈夫?」ミミ「一人の方が好き」先生「特別支援教室は楽しい?」ミミ「楽しい」など、先生は分かりやすい言葉でミミの様子を観察しながら聞き取りをしてくれました。そして「特別支援教室がなくなり、通常学級のみになることについてどう思う?」と聞かれると…ミミの答えは「どっちでもいい」私はつい「自分の意思はないのかな…?」と思ってしまいましたが、先生いわく「本当にどちらでも良いんだと思いますよ」とのこと。丁寧な問診のあと、先生は「来年度の特別支援教室は『卒業』しても良いかもしれないね」とおっしゃいました。しっかりと先生の質問に受け答えできていた姿を見て、私はミミの成長を感じました。Upload By taeko次男ふーの初診は…?その後、ミミには待合室でテレビを見ていてもらい、次は次男ふーの初診。療育や今回の受診の経緯、普段のふーの生活の様子などを話しました。問診を進める中で先生はミミくんと比べるという訳ではないけど…と前置きをしてこのようなことをおっしゃいました。「ミミくん程ではないけど、軽いASD傾向なのかもしれませんね。もしかしたら感覚の過敏さや感受性の強さなどがあるかもしれません。」どうやらふーは繊細で敏感なタイプのようです。普段接している私としても確かにそうかも…と感じることが多いです。例えば濡れている地面を靴で踏むことを嫌がったり、運動会や発表会など、練習はばっちりできているのに普段と違う環境だからか緊張からなのか本番では見学している、から揚げなども少しでも焦げていると食べない、中途半端に足に当たるのが嫌なのか半ズボンは履かない…などなど普段の生活を少し思い返すだけでかなりのエピソードがあります。1ヶ月後の次回の診察のときに先生がまた詳しくふーのことを診てくれることになりました。久しぶりの児童精神科の受診。ミミの成長や、ふーの困りごとを知ることができ、受診して良かったです。改めて、子どもからいろいろなことを教えてもらっているな、としみじみ感じました。Upload By taeko執筆/taeko(監修:鈴木先生より)一昔前の児童精神科や神経外来では、てんかんの患者さんが多かったのですが、時代の変化と診断できる専門医が増えたことから最近は神経発達症(発達障害)の患者さんが増えています。相談内容に関しては今回の症例のように、診断や投薬以外では教育に関する相談が多くみられます。ときには、教育相談所のような雰囲気を醸し出しています。小中学校は学区域の学校に進学することが多いのですが、高校は選べるので、今の時期になるとどこの高校は理解があっていいかなどをよく尋ねられます。児童精神科や神経外来の専門医・認定医は高校の特徴についても知っておくことが必要になるシーンも増えていると感じています。
2022年11月03日小学6年生の娘、将来のことを考え始めたけど…SAKURA(以下、――)うちの子…あーさんは、2歳のときに母子相談で発育遅れで引っかかり…。そこから療育を始め、4歳のときに「自閉スペクトラム症(広汎性発達障害)」の診断を受けました。今は小学6年生で、地元の小学校の特別支援学級に在籍しています。最近、年齢的なこともあり、将来の具体的な話をする機会が増えました。本人は「絵の仕事をしたい!」と言ってます。親としては、全力で応援はしたいのですが・・・発達障害があることで、やめたほうがいい職種とかあるんですか?そういうときは、親がやめさせてもいいんですか?三木先生:子どものタイプによりますね。なにが苦手でなにが得意かは、発達障害のある子どもでも、それぞれ違いますし…親から見て、明らかに無理なこと、危ないことはやめさせてもいいと思います。――なるほど!正直、小学6年生にしては、ちょっと世の中をピュアな感じで見過ぎている気がするんです…。最初、勉強ができる(テストの成績がいい)今の自分を過信していて、「大学に行く!」って言ってたんですが…毎日の宿題で、パニックを起こしたりしてまして…。「勉強が好きなの?」と聞いたら「好きじゃない」というので、助言として、「勉強ができるから大学に行かないといけないわけじゃないよ。好きなことを仕事にしていいんだから。」って話して…それなら絵がいいみたいな話に…。Upload By SAKURAUpload By SAKURA三木先生:絵が好きなんですね。――はい。ただ…その絵でも、パニックとか、こだわりとかの困りごとが発生してますし、「おいおい、そんなことで大丈夫なのか!?」って、思っちゃって…。Upload By SAKURAどこに行っても何かは大変!?やっぱり覚悟は必要で。三木先生:「仕事にすると大変な思いをするよ」というのは、本人がやってみないと分からないですからね。どの仕事についても、トラブルは発生します。どこに行っても何かは大変、一定の覚悟は必要ですよ。――たしかに…発達障害の有無に関わらず、仕事にトラブルはつきものですよね。つらいことがない仕事なんてないし。新入社員時代を思い出す…(笑)でもなぁ~!自分が経験した、あのひぃーひぃー言ってた研修とか…胃をきりきりさせた人間関係とか…わが子は経験してほしくないなぁ~(苦笑)三木先生:やるならくじけても、ある程度はやらせるほうがいいですよ。一度やると言ったことは、「やるって言ったよね?」って感じで…それでダメなら仕事にはできないですから。Upload By SAKURA――なるほど!ちょっと厳しくても、経験させないと…ですね!子どもが真剣なら親もそれに向き合うことが大切三木先生:トラウマになるようならやめたほうがいいですが、真剣にやるんだったらちゃんと向き合ったほうがいいですね。本当にダメになったときのために、プランBとかまで、決めておくのがいいのではないでしょうか。「ダメだったから、こっちの道もあるよ」という感じで。そうすると本人的にも気持ちが楽かもしれません。Upload By SAKURA――親としては、そこまで考えておいたほうがいいんですね!なんか最近、親として空回りしてるんですよね。娘は反抗期だし…なんか変な気を使い過ぎてて…これ言いすぎかな~とか、言わない方がいいかな~とか…。娘のやることに、あまり「こうしなさい!」って言い過ぎるのも良くないと思って。将来のことも、パニックを起こす娘を見て、私はどうしていったらいいのかなって。Upload By SAKURA三木先生:「パニックをおこすから、この職種はやめておこう」っていうのは、なしがいいです。親の対応としては、苦しいときも変わらないように、子どもに対して全力でアドバイスする。大人が逃げないことが大事です。Upload By SAKURA――子どもが選んだ道は、尊重して、いざというときのために、構えておく…。わかりました。そのときになったら、できるか分からないですが、心の準備はしておきます!ありがとうございました。執筆/SAKURA
2022年11月02日児童精神科医として少年院に勤務、そこでの気づきとは今回は、困っている子どもたちを教育・医療・心理・福祉の観点で支援する「日本COG-TR学会」を主宰し、全国で支援者向けに研修を行っている児童精神科医・宮口幸治先生のコラムをまとめてご紹介します。宮口幸治先生は、2009年より児童精神科医として少年院に勤務したご経験から、認知能力の大切さに気づき、子どもたちが遊び感覚で認知機能を鍛えられるトレーニング『コグトレ』を考案。「勉強ができない」「黒板を写せない」「漢字が苦手」…そんな子どもの困りに向き合う先生の思いや保護者の方へのメッセージをご一読ください。発達障害の認知度が高まる今、宮口先生は保護者や支援者の方に見逃さないでほしいと思うポイントを2つ挙げています。それは、「知的障害の有無」と「認知機能の弱さ」です。特に「境界知能」に当てはまる子どもたちは、適切な支援を受けられていない可能性があるといいます。児童精神科医として10年以上、少年院に勤務し多くの子どもたちに出会ってきた宮口先生。今、「困っている」子どもたちの今後の人生が少しでも生きやすくなるように、「学力以前の力」を身に付ける必要性を強く感じたと言います。そのために必要な適切なサポートとはなんでしょうか。「ワーキングメモリ」という言葉をご存じでしょうか。宮口先生は、別名「心のメモ帳」といい、短い時間に心のなかで情報を保持し、同時に処理する能力のことを指すと解説します。このワーキングメモリには「見る」「聞く」の2種類があり、人は、聞いて覚えるよりも、見て覚えるほうが得意な人が多いものであると続けます。それでは、「聞く力」を身につけるトレーニングにはどのようなものがあるのでしょうか。「認知の力」とは、どのような力を指すのでしょうか。宮口先生は、学習はもちろん、相手の表情を読んだり、人の気持ちを想像したり、次に何をしたらいいのかを考えるには、すべて「認知の力」が土台になっていると言います。だからこそ、「数える」「覚える」「写す」「見つける」「想像する」力を伸ばす必要があり、「できないこと」をひたすらやらせるのではなく遊び感覚でできるトレーニング法を提唱しています。教育相談の場を通じて子どもの知能検査などを行った際、「見る・聞く」といった認知機能の弱さが見つかれば、それが学業不信につながっている可能性を保護者の方に説明してきた宮口先生は、「認知機能に弱さがあるのは、どうしたらいいですか?」という質問をよく受けてきたと言います。なかなかいいトレーニングを紹介できずにもどかしさを感じていた宮口先生が、生みだしたのは。
2022年10月31日毎月、月経痛が辛い…!ピルを婦人科で処方してもらうという選択肢を知りながら、なんとなくためらっていて日々をやりすごしている人もいるでしょう。ピルの基礎知識や婦人科受診の目安などを婦人科医にうかがいます。ピル認知率は約9割!でも服用経験ありの割合は…?ピルのオンライン診療プラットフォーム「ルナトモ」を運営するLunatomoが、2022年8月に全国18歳~39歳の855人の女性に対して、ピルの利用実態調査を実施したところ、全体の91.7%の女性がピルについて聞いたことがあると回答しました。ピルについて知っている女性に対して「ピルを生理トラブル軽減のために検討したことはありますか?」と聞いたところ、59.2%が一度でも検討したことがあると回答。そのうち「実際に服用している・したことがある」人は34.2%という結果になりました。ピルの服用を検討した理由の上位は「生理痛を軽減したいから(59.5%)」、「生理不順を改善したいから(33.0%)」、「PMSを軽減したいから(26.9%)」となり、避妊よりも体調不良からピルの服用を考える女性が多いことがわかりました。この調査結果からは、多くの女性はピルの存在を知っていて検討はするものの、なかなか婦人科受診にまで踏み切っていない実態がわかります。ピルについての知識や受診の目安がわからないことも、原因かもしれません。ピルってどんなもの?そこでルナトモの提携院であり、ピルの処方を行っている「グレイス杉山クリニックSHIBUYA」院長で産婦人科医の岡田有香さんにピルについてお話をうかがいました。岡田さんピルは、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)という2種類の女性ホルモンを合わせてできた錠剤です。排卵を抑えてホルモンバランスを一定にすることで、月経痛の緩和や子宮内膜症予防のほか、さまざまな効果があるといわれています。ピルの服用により期待される効果避妊、経血量の減少、月経痛の緩和、月経不順やPMS(月経前症候群)の改善、子宮内膜症の発症予防、肌荒れ(大人ニキビなど)の軽減など。岡田さんピルは医師の処方せんが必要な「医療用医薬品」です。医師の診察を受け、医師や薬剤師から薬の説明を受けたうえで購入する必要があります。ピルを選択する目安とは?ーー先述したアンケートでは、ピルの検討理由で1番多かったのは「月経痛の軽減」でした。自分でできる月経痛への対処法としては、市販の痛み止めを服用したり、お腹を温めたり、ストレッチなどを行ったりする方法があるといわれています。ピルを婦人科で処方してもらう目安には、どんなことがあるのでしょうか。岡田さん月経中に痛み止めを1錠でも飲んだり、日常生活に支障をきたすほどの強い月経痛がある方は「月経困難症」という病気に当てはまります。月経困難症がある人の約70%は子宮内膜症になるといわれており、それを放置すると不妊のリスクが高まる恐れがあります。月経困難症を自覚する方は一度婦人科を受診してみてください。婦人科の待ち時間と予約への不満の対策ーーピルの処方をはじめ、月経痛改善のために婦人科を受診しても、「待ち時間が長い」「予約が取れない」などの不満があるのが実態です。Lunatomoの調査でピルを服用していると答えた女性のうち、77.7%が通院を通してピルを入手していると回答。そのうちの95.2%が病院に通ってピルを受け取ることに何らかの不便を感じた経験があると回答し、「待ち時間が長い(58.1%)」、「定期的な通院が面倒(55.1%)」という不便さを感じている人が多い結果となりました。こうした声を受けて、婦人科のなかには、待ち時間が長いことや予約の取りにくさに対して工夫をしているところもあります。例えば岡田さんが院長を務める「グレイス杉山クリニックSHIBUYA」では、待ち時間を短縮するための工夫をいくつか行っているのだそうです。岡田さん24時間、WebサイトとLINEでの予約受付を行っているほか、問診などは事前にオンラインで行えるようしています。またクリニックでの受診時には、検査結果や会計が出たらLINEで連絡するという方式を取っており、待ち時間の合間に外出もできるようにしています。また待合室には仕事できるスペースを設置しており、必要に応じて利用いただけるようにしています。ーーピルを希望して婦人科を受診する際には、このような工夫をしている婦人科を探すのも良さそうですね。オンライン診療という選択肢もーー婦人科の待ち時間や予約の取りにくさなどの対策の一つに、オンライン診療の利用があります。ピルの処方はオンライン診療でも行われています。岡田さんにオンライン診療への取り組みについてうかがいました。岡田さん自分のカラダや健康について知り、向き合うことは女性にとってとても大切なことです。残念なことに、日本では婦人科受診そのものにハードルを感じる女性も少なくありませんが、欧米では産婦人科のかかりつけ医を持つことが一般的。日本でもそうなったらいいなと思っています。その点、オンライン診療は自宅や職場にいながら、忙しい時間の合間にも診療を受けられるのがメリットです。今後も女性が安心して月経痛やPMS、月経異常などの不調を婦人科医に相談し、適切に自身のメンテナンスできる機会を支援していきたいと思います。ーーちなみに、ピルの処方をオンライン診療で受ける場合の費用は現状、ほとんどが保険が適用されない自由診療といわれています。病院やオンライン診療サービスによっても異なりますので、費用面が気になる場合は、医師に相談しましょう。月経痛に悩んでいる人は、程度に応じてピルの利用を考えてみるのも良いのでは。またピルを処方してもらうのに必要な婦人科受診方法の選択肢も広がっています。ぜひ自分に合ったものを見つけて、改善していきましょう。Information教えてくれた人…岡田 有香(おかだ・ゆか)さんグレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 産婦人科医日本産科婦人科学会専門医。2022年グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長に就任。生理の知識や妊活、卵子凍結についてInstagramでも発信中。(C)Vertigo3d/Getty Images文・椎原茜
2022年10月30日発達障害のある人への対応で重視したい2つのことこれまで私は児童精神科医として少年院に勤めながら、自治体の教育相談、学校コンサルテーションなども行ってきました。最近では「発達障害」への認知度が高まり、発達障害があることの生きづらさについても理解が深まりつつあります。今回は保護者や支援者の方が発達障害のある人に対応するときに、見逃さないでほしい2つのポイントについて、お話ししていきます。それは、「知的障害の有無」と「認知機能の弱さ」です。1つ目は、知的障害の有無です。社会生活を送る上での困りごとは、実は、知的な障害から生じるケースがほとんどです。逆にいえば、発達障害のある人でもIQ(知能指数)が高ければ、今の社会を生き抜いていく方法はあるでしょう。例えば、自閉傾向が強くても勉強ができたら、好きな分野での研究職に就くといった選択肢が考えられます。知的障害の認定基準は「IQ70未満」知的障害の認定基準は、都道府県によって多少の違いはありますが、おおむね「IQ70未満」です(一部では「IQ75未満」のところもあります)。さらに日常生活での援助が必要だと認められると「知的障害」と判断されます。そのうち、「IQ50~70」が「軽度知的障害」です。ただし、「IQ70未満」という知的障害の定義は1970年代以降のもので、それ以前には「IQ85未満」とされていた時期もあります。みなさん、「境界知能」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。IQ70と85の境となる「IQ70~84」が境界知能です。意外に思うかもしれませんが、境界知能は日本人の7人に1人が該当(IQ100を平均とした場合、境界知能には約14%が該当)します。勉強が苦手な子どもの中には、知的障害には該当しないものの、この境界知能に当たる子どもたちがいます。また、はっきりと発達障害と診断はされないものの、何かしらの課題を抱える「グレーゾーン」の子どもたちもいます。こうした子どもたちにも、本当はなんらかの支援があってしかるべきだと思うのですが、家庭や学校で見過ごされてしまうことが多々あります。むしろ、「軽度知的障害」と診断を受けていたほうが特別支援学級に在籍するなど、支援の手が届きやすくなります。でも、障害の診断はされていないのに、「授業についていけない」「周囲の子となじめない」という子どもの場合は、「本人のがんばりが足りない」「努力不足」「やる気がない」などととらえられてしまいがちです。先にお伝えしたように、境界知能とはIQ70~84です。IQ80あればIQ100の8割なので、同じ年齢の子と比べて8割程度の知能ということです。平均の8割あれば、そんなに心配する必要はないように思いますか?でも、考えてみてください。8割の知能ということは、10歳の子どもたちの中に8歳の子どもが混ざっているイメージです。小2の子どもが小4のクラスの授業についていくのは、しんどいことだと想像できるのではないでしょうか。認知機能の弱さが学習のつまずきにさらに、境界知能の子どもたちがしんどいのには、もう1つ理由があります。「認知機能」の弱さです。発達障害に対応するときに、重視してほしい2つ目のポイントです。認知機能とは、注意、記憶、言語理解、知覚、推論・判断といった「知的機能」を指します。見る、覚える、写すといった社会生活を営むのに必要な能力で、「学習の土台」でもあります。境界知能の子どもたちの多くは、この認知機能に弱さを抱えていることが多いといわれています(知的障害や発達障害のある子どもにも、その弱さは見られます)。例えば、「見る力」が弱いと文章を目で追いづらかったり読み飛ばしてしまったり、「覚える力」が弱いと九九や漢字を覚えられなかったり、「写す力」が弱いと板書が書き写せなかったり…学習面でのつまずきにつながります。このような認知機能の弱さを抱えながら、教科学習の知識を積み上げていくのは大変なことです。学年が上がるにつれて、学習内容は複雑になり、抽象度も増していきます。学習の土台がしっかりしていないところに、知識を積み上げても、子どもたちのつまずきが増すばかりです。子どものつまずきに気づき、手を貸してあげられる大人といえば、親御さんや学校の先生方です。とくに親御さんは、子どもが「自立」するまで、共に寄り添っていく存在です。いわば、子どもの「伴走者」です。子どもが自発的に何かをやり始めて、つまずきながらも、目的に近づいていく。それでもくじけそうになったときに、「大丈夫だよ。いつでも手伝うよ」と安心させるのが、伴走者の役割です。ポイントは、つかず離れずの距離感です。子どもにくっつきすぎて、やることを先回りして手伝ってばかりいると、自立を妨げかねません。一方で、親の子どもへの関心が薄かったり、困っているときに手伝えなかったりすると、子どもは不安になってしまいます。最後に、学習面でのつまずきを解消するには、学習の土台である認知機能をトレーニングすることが大切です。『コグトレ・パズル』は、親御さんに専門的な知識がなくても、パズルやゲーム感覚で楽しみながら、お子さんの認知機能の向上が期待できるトレーニングです。子どもの学習の「伴走者」として、保護者の方も一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか。
2022年10月26日月経痛や月経不順などで悩んでいませんか?「この症状で婦人科に行ってもいいの?」と迷っている人もいるかもしれません。産婦人科専門医に月経のトラブルで婦人科に行くべき目安をうかがいました。この月経トラブル、婦人科に行くべき?月経痛が酷い、経血量が多い、月経期間が長い、月経がきちんと来ないなどで悩んでいませんか?気になる症状があるけれど、行くほどのレベルではないかもと、婦人科を受診するのをためらっているかもしれません。忙しさや婦人科の予約の取りにくさなどから、悩みを放置している人も多いのでは?でも万が一、重大な病気が隠れていたらと思うと不安ですよね。そこで今回は、産婦人科専門医の大島乃里子さんに、月経のよくあるトラブルについて「こうなったら婦人科に行くべき」という目安をうかがいました。ぜひ参考にしてください。知っておきたい婦人科受診のめやす1. 月経痛が酷い大島さん日常生活に支障のあるような痛みがある場合には、受診をおすすめします。時々、市販の痛み止めを使う程度で問題なければ経過をみてもよいのですが、毎周期、痛み止めを使用している方や、以前より月経痛が強くなっている場合には、特に注意が必要です。30代は子宮内膜症などの病気による月経痛が増えてくる時期なので、そのような方はぜひ受診してください。2.月経の量が多い大島さん昼用のナプキンが1時間もたない場合は、月経量が多いと考えられますので、受診をおすすめします。また月経血が塊になってゴロゴロ出てくるような場合にも受診しましょう。3.月経期間が長い大島さん月経が8日間以上続くようなら受診してください。月経期間は3〜7日間が正常の範囲です。4.月経がなかなか来ない大島さん妊娠の可能性があれば、市販の検査薬で検査をしてください。妊娠ではない場合、3か月間、月経が来ないときには受診してください。また、正常の月経周期は25〜38日の間なので、毎周期、この範囲を超えているようなら受診をおすすめします。月経トラブルで婦人科を受診したらどんな検査をするの?ーー月経トラブルがあって婦人科を受診した場合、どんな婦人科検査を受けるのでしょうか。不安になるのですが。大島さん婦人科ではすぐに検査を行うのではなく、症状について詳しくお話をうかがったうえで、その方に必要な検査を行います。受けるべき検査は症状によって異なりますが、血液検査では月経に関連するホルモンを調べることができますし、内診や経腟超音波検査では子宮や卵巣に腫瘍がないかをみることができます。婦人科外来を受診するほどの症状はないという方は、人間ドックで経腟超音波検査をオプションに加えるのも一案です。また20〜30代で将来、妊娠・出産を考えている方は、プレコンセプションケアとして検診を受けておくのもおすすめです。ーープレコンセプションケアとは、「コンセプション=妊娠」の「プレ=前」のケアという意味から、妊娠前のケアを指します。世界的に普及しつつある概念で、世界保健機関(WHO)の定義(※)では「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」とされています。プレコンセプションケアのレディースドックを受ける選択肢もーー大島さんが婦人科顧問を務める「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」では、プレコンセプションケアのレディースドック「プレコンドック」がありますが、どんな検査をするのでしょうか?大島さんプレコンドックには、妊娠の妨げになる可能性がある婦人科疾患のチェック、卵子の残数 (卵巣予備能)を推定するAMH検査、感染症検査などが含まれます。今すぐの妊娠は考えていないという方は、プレコンドックで今の自分のからだの状態を確認し、健康増進のためにできることを知り、将来妊娠したいときにスムーズに妊娠するための準備をしていただくためにご活用いただけたらと思います。ーー毎月の月経で何らかのトラブルに悩まされており、不安がある人は、今回紹介された目安を元に判断しつつ、迷ったらひとまず婦人科を受診するのが安心と言えそうです。痛みを我慢するなどの無理はせず、改善を目指しましょう。Information教えてくれた人…大島 乃里子(おおしま・のりこ)さん「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」婦人科顧問。日本産科婦人科学会専門医、医学博士。 婦人科腫瘍のほか女性医学の専門医・指導医でもあり、思春期から老年期までの女性の生涯におけるヘルスケアを担っている。(C)Milos Dimic/Getty Images文・椎原茜
2022年10月23日30年以上、発達障害のある子どもたちをみてきた精神科医の言葉今回は、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授を務める本田秀夫先生のコラムをまとめてご紹介します。これまで執筆いただいたコラムでは、発達が気になるお子さんの進路選びや、発達障害子育てのポイント、インクルーシブ教育の実現に向けた考えなど、保護者の方に向けた力強い言葉をつづっていただいています。30年以上の臨床経験がある本田先生の言葉は、私たちの心に深く届くものばかりです。ぜひ、この機会にまとめてご一読ください。障害のある子どもと障害のない子どもに別々の教育を行うのではなく、全員が共に学べるような形で教育を行うことを意味する、インクルーシブ教育。本田先生は、合理的な考え方であり、そのような環境設定をすることに対して全面的に同意しているものの、現在の学校教育にはまだ課題を感じると言います。共生社会をつくるために必要な姿勢とは…。本田先生は、発達に特性のあるお子さんの進路について話していると「通常学級で大勢の中に入ったほうが、いい刺激を受けるんじゃないですか」と言われることがあるそうです。この記事では、保護者の方に向けて通常学級に在籍することで受けるプラスとマイナスの刺激について解説いただいています。発達に特性のあるお子さんの就学や進路選びでは、通常学級、通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校など、さまざまな選択肢の中から検討されるかもしれません。特に、小学校入学前に受ける就学相談で「通級指導教室や特別支援学級が適当」という判断が出た場合に悩む保護者の方が多いと本田先生は言います。発達障害子育てで感じる、さまざまなお悩み。どのように対応すればいいのか迷われている保護者の方に向けて、子育てを考えるきっかけになるクイズを本田先生にご用意いただきました。ぜひ、お子さんをイメージしながら答えを選んでみてください。発達障害のあるお子さんには、さまざまな特性があります。本田先生は、「得意なこと」「苦手なこと」「好きなこと」「嫌いなこと」などを一般常識にあてはめないで、ありのままに理解していくことが大切だと言います。この記事では、発達障害のある子どもの育て方のポイントを解説いただいています。発達が気になるお子さんの子育てをする中で、「できないこと」に目が行きがちだと感じている保護者の方も多いかもしれません。本田先生は、「平均値に届く・届かない能力が必ず存在する」「苦手の克服を最優先課題にするのは、発達障害のある人たちにとってはしばしば逆効果となり、特訓すればするほど嫌いになってしまうことがある」と言います。発達障害の当事者やそのご家族の方から、「発達障害と個性はどう違うの?」と質問をよく受けてきた本田先生は、「発達障害の特性と個性の間に境界線はない」「発達障害の人が向き合う困難はマイノリティ問題と共通している」と考えているそうです。それはなぜでしょうか。本田先生は30年以上の臨床経験から、発達障害と診断された人たちのなかで、割合が大きいけれど十分に理解されず困っている人がいると感じているそうです。それは、発達障害が「重複」するタイプの人であり、発達障害のある人の悩みを理解し支援するためには、その人たちのことをぜひ知っておいてほしいと言います。
2022年10月21日ご自身や家族が精神疾患かな?と思ったらUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン診察はどのように行われるの?精神疾患とは、なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。もしご自身や家族が精神疾患の症状が出ていたら専門機関の受診をおすすめします。診察では、医師はまず患者本人およびその家族から、主訴(何に困っているのか)、現病歴(いつからどのような症状があり今に至っているのか)、既往歴(以前かかっていた病気のこと)、家族歴(家族の精神疾患、ないし同じ症状の人がいるか)、生活史、家庭環境や職場環境などを聞き出します。次に、集めた情報や診察室で観察される症状、さらには病院によっては検査結果などから、総合的に診断を決めていきます。おおむね以上のような流れで進みますが、医師により異なる手順をとる場合もあります。各診療科の特徴精神疾患をみる診療科は精神科や精神神経科、心療内科や神経内科など、かなり名称にばらつきがあります。精神科と心療内科の診察の対象となる病気は、現時点では明確な区別はありません。ただ、心療内科には「内科」とついていることからも分かるように「身体症状」に対する対症療法などの経験が豊富な医師が多いようです。精神科、精神神経科、神経科は、名前が異なりますが診ているのは精神科医です。精神症状なら精神科医の方が経験豊富ですが、医師の資質・経験の差が大きい場合もあるので、自身にあった医師を見つけることが重要です。心療内科は、心理的な問題が原因で、頭痛、倦怠感、不眠、胃潰瘍などの身体的な症状が出ている場合(いわゆる心身症)を対象としています。神経内科(脳神経内科)は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を主な対象としています。認知症やてんかんなどは精神科だけでなく神経内科(脳神経内科)でも診ています。一般的には看板ごとに以上のような住み分けがされていますが、診療科名からどのような病気を対象としているのか確かめにくいこともあるので、あらかじめ電話やホームページで確認するとよいでしょう。どの科においても薬の「飲み心地」などについて話し合えるのが、「良医」であることの1つの指針となります。不安なことや、悩みがある場合、気軽に相談できる病院を選べるとよいでしょう。精神疾患の治療法精神疾患の治療法は、大きく分けて身体的治療と心理的治療の2つに分かれます。以下、それぞれについて紹介いたします。代表的なものが、薬物を用いた薬物療法です。他に、高照度光刺激療法、修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう)などの身体に物理的に働きかける療法もあります。身体療法とは対照的に、心理的な手段を用いて患者の心身に働きかけるもので、さまざまな理論・アプローチがあります。たとえば、認知に働きかけて気持ちを楽にする「認知行動療法」、精神分析を基本として、患者の問題や時間、場所などの条件にあわせて行う「精神分析的心理療法」、重要な他者との関係を見つめ、その対処法を見つけていく「対人関係療法」などが代表的です。医療機関で精神科医が行う面接や心理的治療を「精神療法」、心理士が行うセラピーを「心理療法」と呼ぶことが一般的です。まとめ精神疾患の経過は人によってさまざまです。今はネットなどでいろいろな情報を調べることは出来ますが、悲観的になりすぎないことが必要です。ご自身が精神的な不調に長らく苦しまれているのなら、少し勇気をだして一度医療機関を受診することをおすすめします。自分だけでは分からなかった解決策が見えてくるかもしれません。また、家族がこころの不調で悩んでいると、周りの人、とりわけご家族は責任感を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、精神疾患の原因は複合的なもので、決して一つではありません。たとえ家庭内に少し問題があったとしても、それだけが唯一の原因ではないのです。ご自身を責め過ぎず、疲れを感じた場合は休むことも必要です。一人で抱え込まないためにも、医療機関や福祉サービス、家族会などに救いの手を求めましょう。
2022年10月16日夫は単身赴任、小5娘からは性別への違和感を告げられ12歳のときにASDグレーゾーンと医師から言われた娘。性別の違和感や不登校、友達とのコミュニケーションが上手く取れないなどの課題もあります。娘の特性が気になりはじめたのは小5のころでした。誕生日にクラスメイトの女子からプレゼントを渡されたのですが、「プレゼント交換の意味が分からない」と突き返してしまい、友達に不快な思いをさせてしまいました。それからは友達との関係を「面倒くさい」と言って、自分から関係を切ってしまいました。その出来事をきっかけに、私は、娘は相手の気持ちが読み取れなかったり、空気が読めないといった特性があるのではないかと考えるようになりました。また、小6のころには「水着になりたくない」という理由からプールの授業を拒否しました。そのときに娘から「身体の性は女だと思うが、心は違うようだ」と打ち明けられました。Upload By ユーザー体験談これまでの育児の中で性同一性障害かもしれないと考えたことはなかったので、母としては娘は”身体の成長に心がついていってない”状態なのではないか、そして友達付き合いがうまくいかない理由に性への違和感があると考えるようになったのではないか、と思いました。※もちろん、これはあくまでも現在の私の意見なので今後の娘の意見は尊重はしたいと思っています。自分を曲げない。周囲に合わせるのが苦手。でも、本人なりに合わせようとする(過剰適応)。その結果、疲れてしまい何もかもが嫌になってしまう。こだわりが強く、聴覚、視覚、触覚、嗅覚過敏がある娘。さらに夫はその当時単身赴任中だったこともあり、相談する相手もいなく、私は娘にどう接するのが正解なのか分からなくなっていました。夫が単身赴任から帰ってきて小6になるころに、学校からは「娘さんは精神的にとても混乱している」と指摘され、精神科の受診を勧められていました。そんなとき、娘が8~11歳の間単身赴任をしていた夫が、自宅に帰ってきました。私は娘のことについて相談をしました。学校からの指摘もあり、私も精神科を受診をした方がよいと思っていたので、そのことを夫に話すと「いいんじゃない」と一言だけ…。夫があまりにも他人事のようなので、児童精神科のある病院をネットで探してほしいと頼んでみたり、当日同席して欲しいと伝えました。わが子の問題に父親として向き合ってもらいたい、情報を共有することでいつでも相談できるようにしておきたかったのです。児童精神科受診日、夫の行動に失望児童精神科受診当日、夫は待合室で居眠りしたり、院内をウロウロ歩き回ったりしていました。夫は買物や行事などでも一緒に行動せずウロウロと何処かに行ってしまうし、普段からいろいろなところで居眠りをするのですが、まさか娘の病院で?とショックを受けました。診察のときも話すのは母親の私だけ。夫は単身赴任だったからと子どもの事は分からないという態度でした。Upload By ユーザー体験談診察の結果、娘はASDグレーゾーンだと医師から言われました。そして娘は私達両親の前で「性別の違和感のため性転換したい。名前も変えたい」と医師に言いました。以前にも娘はそのようなことは言っていましたが…娘は本気なのだと思いました。医師に詳しく話を聞いたところ、実際に性転換を行うなら東京の専門医を紹介してもらう必要があるとのこと。娘はまだ小学生、決断するのは早すぎないだろうか。あとで後悔することにはならないだろうか。また、地方に住んでいて専門医の受診も簡単にはできないし、下の子のことや、費用のことまで…さまざまなことが頭の中で渦を巻き、胃が締め付けられるようでした。受診後、私は不安な気持ちでいっぱいでした。しかし夫は、病院をでるなり「焼肉でも食べて帰るか!」と何故かハイテンションでした。私はついに爆発。相談に乗ってくれない夫に「あなたは傍観者なの!子どもが心配じゃないの!」と切れてしまいました。Upload By ユーザー体験談怒った私を見た夫の反応は怒っている私をみた夫は急にぶっきらぼうな態度になりました。私の気持ちが理解できず戸惑ったり、面倒くさいと感じている様子で「子どもの問題をオレに振るな」「子どもの問題なのになぜ自分が責められなければならないのか」「病気だから仕方ないだろう。放っておくしかない」「病院にも連れて行ったし、やることはやった」「何かやらせようとするのは親(母親)のエゴだ」と言われました。その後、夫は食事やお風呂以外は自室にこもってしまいました。夫が自室にこもる状態は、最初の通院で言い争ってから5ヶ月ほど続きました。私は我慢ができなくなって、娘のこと、そして私の気持ちを伝えようと泣きながら話しました。その日は戸惑い、反応もなかった夫でしたが、次の日に「今まで言ったことは本心じゃない。うまく伝わらない。」とLINEが。夫なりに状況を変えたいのだと私は感じました。そこで、私は子どもの日々の生活について伝え、子どもの現状を共有するようにしました。しかし、やはり返ってくる反応はいつも同じ。「了解。引き続きよろしく」だけです。私の心には澱が溜まるだけでした。ある日、ASDグレーゾーンの娘への対応方法などを調べているときのことです。ASDのある大人の日常での様子について書かれた記事にたどり着き、読んでみると「もしかして夫もそうなのかもしれない」と気づきました。ネガティブな話になると突き放される、給与の詳細を教えてくれない、一方通行な話し方…記事に書いてあるさまざまな場面が夫の様子と重なったからです。Upload By ユーザー体験談夫のこと、子どものこと、現在も悩みは続き…行き渋りのある娘は登校へのプレッシャーがあるようで、精神的に不安定。親としては登校を強いることなく見守っています。とにかく話を聞いてあげることを意識的に行い、娘の心の安全基地になれるように努めています。そして夫は…現在も自室にこもりがちです。家族とのコミュニケーションが面倒のようで、エアコンの効いたリビングではなく暑かったり寒かったりする(電気代が勿体無いらしくエアコンをつけません)自室で一人で過ごしています。私も、家族で過ごすことが夫にとってストレスになるなら、夫が一人で過ごすことを受け入れようと思う…というか諦めるようになりました。娘と同様、夫に対しても、強いることはせず見守るようにしています。夫は娘の登校渋りや発達の問題には触れてこないので、私も話を振らないようになりました。しかし、私の中に溜まるイライラや不満、寂しさは消えないしなくなることはありません。子どもたちも私の状況を薄々感じているので、子どもたちへの悪影響が心配です。特にきょうだい児である下の娘(小3)はいろいろと我慢させがちなので、私と二人だけの時間を意識的に作り、アクティブリスニングをするようにしています。家族の問題を解く鍵になりそうな書籍を読んでみたり、心理学も学び始めました。また、自助会に参加してみたり、スクールカウンセラーを利用したり、SNSで同じ悩みを持つ方々と交流してみたり…。夫に相談できない分、学校や精神科の先生も含め助けてくれる外部との繋がりを大切にしています。今後どうなっていくのかはまだ分かりませんが、母として子どもたちを守り、どうにか乗り切っていければと思っています。イラスト/SAKURAエピソード参考/たろう(監修:井上先生)思春期になり子どもさんの発達や性に関する違和感、登校渋りと心配なことが続く中でパートナーである夫との間での理解や共有ができないのはとてもつらいと思います。その分、外部の専門機関や学校との連携を密にしたり気持ち的な悩みを共有できる仲間や友人を作ったり自分自身だけで問題を抱えないようしていくことが大切かと思います。そうした支えを持つことでパートナーの状態を理解しコミュニケーションの取り方を考えていく余裕が生まれるのではと思います。
2022年10月16日精神疾患とは?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン精神疾患とは、なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。この意味合いで、一般に「心の病」や「精神病」「精神障害」などと呼ばれるものを、より医学的に言い表すときに使われることが多い用語です。ですが、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は、普遍的かつ確立された定義がありません。使われる場面や診断基準、医師によっても定義や概念にばらつきがあり、いまもなお見解の違いで議論が行われることもあります。精神疾患の症状は?精神疾患の症状にはさまざまな種類がありますが、そのほとんどは精神疾患でない一般の人でも経験するよくあるものです。ちょっとした気分の落ち込みや漠然とした不安感を経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?疾患であるかどうか医師の診断によって決まるのは、症状の組み合わせと症状の程度、そして症状が続いている期間です。また疾患名ごとにそれぞれの度合いや組み合わせは異なります。以下において、精神疾患の代表的な症状の一部を紹介します。症状それ自体は健康な人にも生じうるものであって、これがあるから精神疾患だ、ということではありません。あくまでも参考程度にとどめていただき、もし少しでも不安になった場合は専門機関に相談するようにしましょう。・抑うつ気分:憂鬱・むなしい・もの悲しいなどの気持ちになり、気力がでない状態。・幻覚:実際には刺激や対象が無いのに、それについて生じている知覚のこと。幻聴が代表的だが、幻視、体感幻覚などもあり、幻聴にもさまざまな種類がある。・妄想:根拠が無い非合理で訂正不能な思いこみ。本人は妄想とは認識しにくい。・離人:自分が自分であるという実感がしない、あるいは外界と自分との間に奇妙な隔たりを感じてしまう状態。・強迫:止めたい気持ちがありながらも、一方でそれをやらなければ気が済まないようにも感じ、同じ思考や行為を繰り返してしまうこと。精神疾患の原因は?遺伝との関係はあるの?原因の一つとして挙げられるのが「本人の特性と環境のミスマッチ」です。精神疾患の成り立ちを説明するモデルとして、ほとんどの精神疾患にあてはまるといわれているのが、ストレス脆弱(ぜいじゃく)性モデルです。すなわち「その人が元来もっている病気へのなりやすさ(脆弱性)と、病気の発症を促す要因(ストレス)の組み合わせにより、精神疾患は発症する」という仮説です。ここでいう脆弱性とは、遺伝などの先天的な要素と、どのような環境でどのように対応してきたかという後天的な要素により決まるといわれています。一方、ストレスには家庭や職場、学校における人間関係といった日常的なものだけでなく、戦争、災害、家族の死などがありますが、個人により何にどの程度ストレスを感じるかは異なります。思春期という、身体が急激に変化する時期は思春期であること自体がストレスの要因にもなりえます。同じストレスを受けた場合でも、精神疾患を発症する人としない人がいるのは、その人がもつストレスへの脆弱性が低いか高いかによると考えられます。・遺伝のしくみ遺伝には、親から病気の遺伝子を受け継ぐ場合と、親から正常な遺伝子を受け継ぎながら子どもの代で遺伝子に変異が起こる場合(突然変異)があり大きく3つに分かれます。・メンデルの遺伝法則に従って遺伝する単一の遺伝子の異常・複数の遺伝子が作用した上に環境要因も加わり発症する多因子遺伝・突然変異によるもの精神疾患のなかでも遺伝が関与するもののほとんどは、多因子遺伝によるものと考えられています。言い換えれば、特定の病気を引き起こす遺伝子というものはなく、誰もが持っている複数の遺伝子の組み合わせにより、脆弱性が左右されるということです。・遺伝だけが発症を左右するわけではない脆弱性(病気のなりやすさ)には遺伝も関係しますが、環境も大きな要因の一つです。精神疾患のなかでも遺伝の影響が強いとされる統合失調症でさえ、遺伝だけが発症の原因というわけではありません。実際、双生児を対象にして、「一方が統合失調症を発症した場合にもう一方が発症する確率」を調べた研究では、遺伝子が完全に一致する一卵性双生児でも48%、遺伝子が通常のきょうだいと同じ程度に異なる二卵性双生児の場合は17%という結果が出ています。この結果は、遺伝の影響だけが発症原因ではないことを意味すると同時に、その人を取り囲む環境が発症に関係する場合もあることを示しています。参考:6.社会と精神医学|日本医学会 100 周年記念シンポジウム原因探しは必ずしも解決につながらない自分の病気の原因を探し求めても、解決につながるとは限りません。仮に、遺伝や、親の育て方などの環境が関与していることが分かったとしても、そもそも一つないし少数の要因だけで病気が発症するわけではありません。目立つ要因があったとしても、必ずそれ以外にもいくつもの要因が病気の発症には関与しているものです。まして、その要因が今更変えられないものであるなら、そこにとらわれていても解決にはつながらないのです。過去ではなく未来に向かい、今何ができるのかを考えることが必要なのではないでしょうか。
2022年10月15日発達障害があるお子さんの保護者や支援者へのメッセージ集今回は、「こころとそだちのクリニックむすびめ」院長を務める精神科医の田中康雄先生のコラムをまとめてご紹介します。これまで執筆いただいたコラムでは、田中先生が考える精神科医の仕事の役割や、お子さんに発達障害の診断名をつけることより大事にしていること、思春期のお子さんとの関わりのポイント、登園・登校渋りへの対応など、幅広いテーマで保護者や支援者のみなさんへの思いを綴っていただいています。発達障害の特性があるお子さんとその家族、関係者と、つながり合い、支え合い、認め合うことを大切にした治療・支援を実践されている田中先生の言葉は力強く、そして温かい眼差しが感じられます。ぜひ、ご一読ください。日々、発達障害のあるお子さんと保護者の方の言葉や思いを受け止めている田中先生。保護者の方には、「よく、ここまでそだてましたね」「この子に上手に寄り添っていますね」「この子も安心していることでしょうね」「お疲れさまです。ちょっと休んでよいかと思います」…いくら言葉にしても足りないくらいであると言います。田中先生は、診察室で「子どもの発達の診立て」を行いながら、同時にわが子の育ちを心配する親や家族の思いも診立てていくと言います。それは、向き合っているのが「発達障害」ではなく、多彩な個性の持ち主である一人ひとりの子どもであり、家族であるからです。思春期のお子さんがSNSやオンラインゲームにはまったり、部屋にこもりがちになって口をきいてくれない…そんなお悩みのある保護者の方も多いかもしれません。田中先生は、思春期は親子の関係が、「上下の関係」から「水平の関係」に近くなると言います。発達が気になるお子さんについて、精神科に相談に行きたいけれど、様子がよく分からないから躊躇してしまうという声がよく聞かれます。この記事では、田中先生に、「そもそも精神科ではなにをしてくれるの?」という疑問に答えていただいています。発達の気になるお子さんが、「発達障害である」と診断されると、少なからずショックを受ける保護者の方も多いかもしれません。そのような場合、田中先生はどのように保護者の方に寄り添い、多職種の専門家の方との連携を大切にしているのでしょうか。長期休暇明けは、お子さんの心身に影響が出やすい時期であると言われています。田中先生のご経験から、お子さんが園や学校へ行きたくないときによくあるSOSの例や、保護者の方へのメッセージをお届けします。発達が気になるお子さんの保護者の方にとって大きな悩みの一つが、お子さんの将来のことかもしれません。「親が先に死にます。その後、誰がこの子を守ってくれるというのですか」という親の言葉を受け止め、孤立無縁な状態から抜け出してほしいと願う田中先生の言葉をお届けします。
2022年10月12日現在6歳になる息子が2歳のときのことです。息子は内服が極端に苦手で、いろいろと試しても克服できずにいました。ある日、生まれたときからお世話になっている小児科医にそのことを説明したのですが、まさかの返答。今までの努力や本当につらい状況を理解してもらえず、悲しくなってしまった体験談です。内服がとにかく苦手な息子味覚がとても敏感な息子。大人にはわからないような変化にも反応します。完熟を少し過ぎたバナナや加熱しすぎたお肉などは口にしません。好き嫌いが多いというより、苦手な味付けがあるようです。 一番大変なのは内服。粉を練って小さくしても、アイスに混ぜてもだめです。「うぇっ」となってしまい、ひどいときには吐いてしまいます。風邪で薬を処方されたときは何とか飲ませようと必死に努力しましたが、どれも失敗。風邪の症状に加えて内服の苦痛が強く、息子がかわいそうでした。 小児科医のひと言が……ある日発熱があり、かかりつけの小児科を受診。風邪とのことでした。「解熱剤は坐薬でいただけないでしょうか? 薬を飲むのがどうしても苦手で……吐いてしまうこともあるので」とお願いすると、「アイスに混ぜたりしていますか? 2歳で飲めないというのは問題ですよ。ちゃんと練習しないと。お母さんがしっかりしないと、もっと重い病気になったときにお子さんが苦労することになりますよ」と先生。 今までさまざまな努力をしてきたこと、どうしてもうまく飲めないことを説明しましたが、理解してもらえませんでした。 息子や私が悪い? できないものはできない結局、粉薬が処方されました。先生の言うことは理解できますが、薬が飲めないのは甘えだと言われたようで、とても悲しい気持ちになりました。風邪で熱があって食欲もないなか、どうしても薬を飲んでくれない息子に飲ませる大変さを少しでもわかってほしかったです。 泣いて嫌がる息子の口を無理やり開けて薬を入れても、「うぇっ」と出してしまいます。ひどいときには食べ物も吐いてしまい、むしろ体力を奪っているのではないかとすら思う状態。練習しろと言われてもその方法がわかりませんでした。ただ途方に暮れながら家路につきました。 その後も息子が4歳になるまで、内服はとにかく大変でした。効果的な方法が見つからず、風邪を引くたびにとてもつらい日々を過ごしました。何とか乗り越えられたのは、年に2回ほどしか風邪を引かなかったからです。4歳を過ぎると少しずつ飲めるようになり、6歳の今では問題なく飲めるようになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~5歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:更田未央子6歳と2歳の子を持つ母。看護師・保健師・養護教諭1種・FP3級の免許を取得。現在、高校生を対象とした学習塾の講師をしながら、FP2級を目指す。育児・教育・医療・金融・不動産について執筆中。
2022年10月02日上原氏開発のドクターズコスメ2点付き11月20日(日)、NHKカルチャー青山教室が主催する講座『美容外科医 上原恵理の知っているようで知らない!本当の冬のスキンケア』が開催される。会場となるのは、東京都千代田区一ツ橋にある一橋大学一橋講堂。講師を務める上原恵理氏は、日本形成外科学会認定専門医、美容外科医、美容皮膚科医、美容医療評論家で、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などの出演でもおなじみである。受講料は4,510円(税込)で、参加者全員に上原氏開発のドクターズコスメから化粧水「Lov me Touch URUOI」と、乳液「Lov me Touch スキンバリアナノミルク」がプレゼントされることになっている。医療メソッドを交えながら冬のスキンケアを解説上原恵理氏はYouTubeチャンネル「えりりんチャンネル」にて、スキンケアなどの美容情報や、美容医療などの情報を発信しているが、NHKカルチャーでは、夏にもNHKカルチャーで講演会が開催されており、今回はさらに充実した内容となる。冬は乾燥などにより、肌トラブルが多発しやすいシーズンである。冬には冬ならではのスキンケアが必要であるが、正しいスキンケアとなると、なかなか自信を持てないものである。当日は知っているようで知らない本当の冬のスキンケアを解説。上原氏のサイン入りグッズの「お渡し&撮影会」に参加できるお楽しみ抽選会なども予定されている。日時: 11月20日(日) 14:30~16:00場所: 一橋講堂東京メトロ半蔵門線、都営三田線、都営新宿線神保町駅(A8・A9 出口)徒歩4分東京メトロ東西線 竹橋駅(1b 出口)徒歩4分(プレスリリースより引用)(画像はプレスリリースより)【参考】※NHK文化センター青山教室:【外部会場】美容外科医 上原恵理の知っているようで知らない!本当の冬のスキンケア - 好奇心の、その先へ NHKカルチャー
2022年09月29日「インクルーシブ教育システム」のよいところインクルーシブ教育とは、障害のある子どもと障害のない子どもに別々の教育を行うのではなく、全員が共に学べるような形で教育を行うことを意味しています。文部科学省では、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学べる環境と、障害のある子どもが個別に学べる環境をどちらも整備し、すべての子どもがどちらの環境も活用できるようにしていこうと提唱しています。これは合理的な考え方で、そのような環境設定をすることに対して、私は全面的に同意しています。学校に多様な学習環境が用意されていて、子どもたちが自分の状態に合わせて環境を選べるようになれば、誰もが学びやすくなるでしょう。「一度しか言わないから」は多様性を否定する指導方法文部科学省はインクルーシブ教育システムの確立に向けてさまざまな取り組みを実施していますが、現在の学校教育にはまだ課題もあります。例えば、学校で先生が子どもたちに「いいですか、一度しか言わないからよく聞いてくださいね」と呼びかけることがあります。これは、インクルーシブ教育システムの定義にある「人間の多様性の尊重」を否定する指導方法です。このような指導では、「口頭の指示を一度で完全に理解できる」という子どもしか学習できません。それ以外の子どもは、学習する機会を失います。現在の学校教育にはまだ課題がある人間には、口頭の指示を理解するのが得意な子どももいれば、聞くことよりも視覚的な文字などの指示を理解するのが得意な子どももいます。それ以外の方法が得意な子どももいるでしょう。どのようなタイプの子どもも学習できるように指導方法を工夫するのが、先生の仕事であるはずです。指導が上手な先生は、口頭で一度指示するだけではなく、黒板に同じことを書いて示したり、指示を繰り返したり、手本を見せたりして、子どもたち全員が学習できるように工夫しています。そのようなちょっとした工夫で、学習環境を整えていくことは大切なことです。「学校の標準」をゆるやかにして、みんなが学びやすい環境をつくっていくのです。出典 : 「学校の標準」が狭すぎるのではないか?発達の特性がある子どもは学校生活において、何かと困りごとに直面しがちです。ほかの大多数の子どもよりも、困難が多いように感じます。それはなぜでしょうか。私はその要因の一つに「学校の標準が狭すぎること」があると考えています。いまの日本の学校には、子どもが「標準的にやるべきこと」が多すぎます。私は、いまの学校では子どものやるべきこと、守るべきことが多すぎて、「標準」が狭くなっているように感じます。その「標準」をこなせる子どもはよいのですが、発達の特性がある子どもは、すべての活動を「標準」に合わせるのは難しい場合もあります。ローカルルールは少ないほうがいい学校には多くの子どもたちが集まっています。集団で活動するためには、一人ひとりが一定のルールを守ることが欠かせません。ですからなんらかの「標準」は必要です。子どもたちが学校で集団行動のルールを学ぶことには、意味があると思います。しかし、ルールが細かくなりすぎると、それがいじめの温床になることもあります。例えば「校舎内の廊下は左側を歩きましょう」という決まりをつくることは、衝突を避け、人の流れをスムーズにするためには有効です。しかし、それを破ったら罰を与えるような厳しいルールにしてしまうと、ある子どもが右側を歩いたときに、ほかの子どもがそれを強く注意したり、先生に言いつけたりすることが出てきます。ルールから少しはずれただけで、非難するような風潮ができていくわけです。私は、学校内のローカルルールは、少なければ少ないほどよいと思っています。「学校の標準」に苦しむ子どもたち「学校で、みんなと同じようにできない」ということに悩み、登校できなくなった子どもたちを、私は大勢みてきました。私は「学校の標準」が狭いこと、大人たちが学校をきっちりとつくりすぎてしまったことが、一部の子どもたちを苦しめているのではないかと思っています。また、学校のように大勢で集まって活動する場所では、「一緒に遊ぶと楽しいよ」「全員一丸となってやれば、必ずうまくいく」というふうに、「みんなで一緒にやるのがいいこと」という価値観を強く押し出し、しかもそれを目標にしてしまうことがあります。出典 : 学校で「みんなで一緒に」を目標にしないグループをつくってお互いに協力し、それぞれの長所を生かして一人ではできないことをするというのは、よいことだと思います。しかし、そこで大事なのは「なんらかの成果を上げる」ということであって、「みんなで一緒に」「全員一丸となって」行動することではないはずです。集団に対して「みんなで一緒に」という目標を立てると、その集団に「標準」が生まれ、そこから外れることをよしとしない風潮ができていきます。学校のように、子どもたちが一人ひとりのびのびと学習していく場には、そぐわないものだと思います。学校を小さな「共生社会」にするために私は社会全体が、多種多様な人たちが共存できる「共生社会」になっていくことを願っています。学校も一つの小さな共生社会になっていってほしいと思います。ただし、私が共生社会としてイメージするのは、先ほど述べたような「みんなで一緒に」を目標とする社会ではありません。世の中には「みんなで仲良くできるように努力しよう」「立場が違っても分かり合える」と考える人もいますが、私は現代の社会をそんなに甘いものではないと思っています。「相性が最悪の人とも共存できる社会」に私が思う共生社会とは、「相性が最悪の人とも共存できる社会」です。そのくらいのことができないと、本当の意味での共生社会はつくれないと思います。人間誰しも、「この人とは合わないな」という相手がいます。見るのも嫌だという相手もいるわけです。共生社会をつくるためには、きれいごとではなく、そういう相手とどうやって共存できるかを考えていくことが必要です。自分とは違う人への恐怖心や攻撃心を認めたうえで、その人とも共存できる仕組みを、理性的な社会の枠組みとしてつくっていく。それが、共生社会をつくる道です。「理解しきれない相手もいる」という現実多くの場合、人は他人のことを理解しようとするとき、過去のさまざまな経験から相手の立場や考えなどを想像します。しかし、人のあり方は多様です。自分が「ふつう」だと考えていることが、相手にとっては「ふつう」ではないこともあります。だからこそ、人が分かり合うのは難しいわけです。「世の中には、自分には理解しきれない相手もいる」という現実をきちんと認識し、そういう相手がいることを認めたうえで、その人とどうやって共存するのかを考えること。それが共生社会をつくるということだと思います。「みんなで一緒」よりも「お互いにリスペクト」私は、共生社会をつくるために必要なのは「みんなで一緒に」ではなく、「お互いにリスペクト」という姿勢だと考えています。相手の考えをすべて理解できるわけではないけれど、認めてはいる。けっして無視をしない。そのような関係性をつくっていけば、どのような相手とも共存していけるのではないでしょうか。学校のように大勢が集まる場でも、発達障害のある子どものような少数派の論理を認め、けっして軽視しないこと。その姿勢が共生社会や真のインクルーシブ教育の実現へとつながっていくはずです。
2022年09月28日うつ病や身体醜形障害などのメンタルヘルスについてオープンに語ってきたリリ・ラインハートが、アメリカの精神科医ダニエル・エイメンと対談。「リバーデイル」最新シーズンの撮影中に経験した身体醜形障害について、詳しく語った。「ここ数か月間は、本当に大変でした。私の人生でかつてないほどの明らかな体重増化に対応しながら、撮影も行っていたので。『リバーデイル』を撮影している間に、体重が増える…つまり私の人生と体重変動が、エピソードごとにカメラに記録されてしまうということなんです」と説明。「大問題でした。この問題が脳のキャパ90%を占めていると感じたくらい。他のことはほぼ考えられなかった」とふり返る。リリの思考は全てが自分の身体がどう見えるかに結びついていて、体重や何を食べるべきか、どうしたら痩せられるのかといったことばかり考えていたという。「本当に打ちのめされましたし、ものすごくネガティブな思考にとらわれていましたね」。俳優という仕事柄、身体の変化というとても個人的なことでも、公に見せざるを得ないのがつらいところ。ありのままの自分を愛し、受け入れる「ボディポジティブ」を掲げているリリだが、「特に俳優としては難しいものです」「私自身ボディポジティブを学んでいる最中だから、これをファンや私をお手本としてくれる人たちに説くというのは、だましていたり自分にうそをついているような気分に時々なります」と吐露。「(ボディポジティブを)実現したいし、完全に信じたいです。でも、日々もがいているのも確かです」と率直に打ち明けた。(賀来比呂美)
2022年09月27日北海道・むかわ町穂別。道の南西部、苫小牧市や室蘭市と同じ胆振地方に属するむかわ町の北部にあり、人口2千300人ほどの地区だ。この山あいの集落の一角にある、打ちっぱなしのモダンな施設が、穂別診療所。同地区で唯一の医療機関で、地域の人はなにかあるとまず、ここに診察に訪れる。入院患者を受け入れることもでき、保有ベッド数は19床ある。中の処置室で、高齢の女性が診療用のベッドに横たわっていた。「痛いよね~」白衣にマスク、メガネをかけた女性医師が、この高齢の女性患者の耳に顔を近づけて、ささやくように話しかける。「はい」とやや遅れて患者が声を絞り出した。女性は近接するグループホームの入居者で、転倒して眉のあたりに少し裂傷を負ったため、同スタッフに連れてこられたという。CTスキャンで頭蓋内の出血などがないことを確認した後、医師は、患部ににじんだ血をぬぐい、ハサミを用いて慣れた手つきで、皮膚接合用のステリテープを使って処置した。胸に「中塚」と名札がある彼女は同診療所の副所長。「中塚尚子」は本名だが、世間では「精神科医・香山リカ(62)」のほうで通っている。■“有名文化人”が「中塚尚子」の本名で、過疎の町で僻地医療に取り組んで’80年代後期にマスコミに登場し、丸メガネとリボンの精神科医というユニークなキャラクターで話題となった。’08年からは立教大学現代心理学部教授として教壇に立ち、’09年に発売した『しがみつかない生き方「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』(幻冬舎)は48万部超のベストセラーに。情報ワイド『スッキリ!!』のコメンテーターを長年務め、『徹子の部屋』に出演したこともある。そのように世間の関心を集める“有名文化人”が、今年4月から本名で、北海道の過疎の町で総合診療を担っているのである。高齢化で地域の過疎化は進み、医師不足で診療に深刻な影響が生じている市区町村は多々ある。同診療所も不在だった副所長職の公募をかけていたところ、’21年6月に香山さんが応募したのだ。だがこれまでの精神科の専門性とは異なり、僻地の診療所では、虫刺されに打撲・外傷の救急搬送、ときに入院患者の臨終まで、あらゆる医療への対処が求められる。「8月のお盆明けは、新型コロナ第7波の発熱外来が大変でした。1日で30人もいらして、抗原検査で陽性が出なければPCR検査。医師もそのつどフルPPEという防護服に着替えました。裏口の検査場と、一般外来での診察の往復だけで、1日10回近くにもなったんです」慌ただしく日課をこなす香山さんに、その決断と転身の真意を語ってもらうために、北海道むかわ町穂別をたずねた。■中村哲さんが凶弾に倒れて。「私のような人間がのうのうと生きていていいのか」と「精神科医・香山リカ」として、多メディアでの活躍を続けてきた香山さんだったが、ここ10年、つらい経験に続けて見舞われた。両親との死別である。’10年に父が82歳で他界すると、母は小樽で独居を望んだという。「私は、母を東京に呼び寄せようと何回も説得したのですが、母は『絶対にいやだ。迷惑かけたくない』と。私と弟の自主的な生き方を尊重する両親でしたから」そして父が亡くなった2年ほどあとに、母の肺がん闘病が始まる。「私は月1、2度、小樽に帰って母の様子を見ていました。そこでも、母は『ひとりで頑張る』と」そんな最中の’17年、香山さんは立教大のサバティカル休暇で1年間、授業のない期間を得た。大学の同級生の依頼で、四国に講演に出向いたときのこと。「その彼が四国の山あいの診療所を父親から継いだことを知りました。学生時代は遊んでいるイメージでしたが、地域医療に根差しているのを見て感心したんです」また、北海道の空港で別の同級生に声を掛けられたこともあった。「彼は公衆衛生学の研究者でしたが、やめてオホーツク海のそばで地域医療をしていると聞かされました。1年間研修を積み、医療過疎地域で頑張っていると知り、ビックリしましたね」香山さんは、医者として、どれだけ医療分野に貢献できてきたのかと自問自答した。「ぜんぜん。せっかく医師免許を持っているのに、私はちっとも生かしていないじゃないかって」まず同級生に倣うように、専門外の知識や総合診療の修得のため、母校・東京医大病院で研修を。「血圧測定や聴診器で心音を聴くことから始め、ほとんどしていなかったことを、20代の若い先生に教わりながら、1年間、研修しました」しかし病床の母は、教授を辞めることに大反対だったそうだ。「母にとっては、立教大学は憧れでしたし、そこで教授職を得たことを誇りに思ってくれていました。私のキャリアに、母は満足していたんです」だから当初は医療貢献への転身時期を、定年後と想定していた。ところが、大きな出来事が立て続けに起きるのだ。「’19年7月、母が87歳で亡くなりました。晩年には『あなたのやりたいことをやるのがいちばんよ。楽しみなさい』と言っていたのが印象的でした……」その年末には、アフガニスタンで30年以上、医療、治水などの総合的な支援に尽力した中村哲さん(享年73)が凶弾に倒れるという悲報に衝撃を受けた。「医師の偉大な先輩として尊敬していました。こんな方が非業の死を遂げ、私のような人間が、のうのうと生きていていいのかと」■「一隅を照らす」――僻地医療こそ自分が手伝える場所と肝に銘じてそれまでの香山さんは、教授や執筆、講演など、医師以外の顔を多く持つことで「逃げ場にしていた」と自身で振り返っていた。「頑張りすぎない」ことで精神的なバランスが保てるという持説は、自ら実践してきたものだ。でも、香山さんは今回、自分の使命と真正面から向き合うことに決めた。それは、「医療が行き届かない場所で、医師としてのキャリアやスキルを生かすこと」だったのだ。’20年、60歳になる年の香山さんを妨げるものは何もなかった。まず海外赴任の道を描き、緊急医療のNGO「国境なき医師団」応募を考えたが、英語力や救急スキルなどのハードルが高く断念。次に発展途上国への医療ボランティア「ジャパンハート」参加を志願したが、コロナ禍で渡航フライトがキャンセルとなり頓挫してしまった。海外への道が閉ざされた後に、残ったのが「僻地医療」の医師への公募。それが’21年6月、むかわ町穂別診療所で空いていた、副所長職の求人だったのである。「ある講演会で中村さんは、国際貢献したいという学生に『いまいるところにあなたを必要としている人はいます』と『一隅を照らす』という言葉で答えられました。私は『深刻な医師不足に困っている僻地医療こそ、私が手伝える場所だ』と肝に銘じたんです」(取材・文:鈴木利宗)【後編】精神科医・香山リカさん 北海道で僻地医療に取り組む新たな生き方選んだ理由に続く
2022年09月25日【前編】精神科医・香山リカさん北海道で僻地医療を「自分をだますのはやめました」より続くマスコミで活躍している有名文化人は、母、そして尊敬する医師の死に直面。60代を迎え、新たな生き方を選んだ理由ーーメガネがトレードマーク。テレビや雑誌でも顔を見たことがある人が多いはずの女性が、いま僻地医療に取り組んでいる。生い茂る林のあいだを伝う車道はカーブが多い。あいにくの荒天のこの日は日中から薄暗く、ヘッドライトの常時点灯が必要だ。林の中からシカが顔を出して道路を横断しようと進んできた。2頭、3頭……計4頭も続く。シカを振り切って少し進むと、前方に今度は……2羽のカモ。「空港から車を走らせていると、時折、シカやタヌキ、キツネに出くわします。まだ『慣れた』っていうことはないですね」そう香山さんが言っていたのを、取材班も実体験として味わう。新千歳空港から車で、約60km。1時間ちょっとの林道を抜けると、眼前に平地が現れ、視界が開けた。北に夕張山地、東に日高山脈を望むこの、むかわ町穂別は、鵡川沿いに集落が形成され、炭鉱の最盛期には人口約1万人とにぎわったという。しかし高度成長期に炭鉱は衰退し、町から若い人材が札幌や本州に流出していった。65歳以上人口の割合を示す高齢化率の最新データでは、国全体でも約29%あるが、穂別は約44%と格段に高いのである。《ようこそ、むかわ町穂別へ》と、’03年に化石が発掘されたむかわ竜の看板が出迎え、区画は整備されて道路も舗装されている。だが人通りは、ほぼない。「穂別の人口は最盛期の約4分の1まで減ってしまっています。コンビニも、『セイコーマート』が1軒あるだけなんです」町唯一の医療機関、穂別診療所の西幸宏事務長(53)が話す。「昨年4月以後、職員の医師は所長一人、“ワンオペ状態”でした。もし、所長に体調不良やコロナ感染などがあれば、職員の医師がゼロになってしまいますので、副所長募集は急務だったんです」そこで求人登録すると、東京の女性医師から手が挙がった。「それが中塚尚子さんという医師でした。論文などを検索してみるとビックリで……。どう調べても、あの『香山リカ先生』なんです」■月~金は診療所の副所長、週末は東京へと慌ただしくも充実した日々一方、香山さんが応募の段階で心配していたのは、東京で続けなければいけない業務を、どこまで認めてもらえるかだった。「立教大学は定年まであと3年で途中退職し、非常勤講師になったので、残るゼミ生などへの指導はオンラインでも対応できます。でも精神科の診察は、長い患者さんなどを放ってやめるわけにはいきませんでしたから」同診療所の夏目寿彦所長(58)は、採用時のことをこう振り返る。「僕はむしろ、それまでの東京での業務を『継続してほしい』と思っていました。僕も週末には札幌(自宅)で休養しますし(両医師不在の土日は出張医が対応)、リフレッシュのために、東京の空気も吸ってほしかったんです」4月から始まった「副所長」の勤務は、月~金が診療所での診察。香山さんが説明する。「9時から所長と私で外来を診察し、午後は一人が外来対応、一人が介護施設や学校などの健診にまわります。狭い町の特徴を逆に生かし、地域包括ケアの一環としての医療を目指しているんです」週2度、朝7時半から地域医療の医師約300人のオンライン会議に出席。当直は週2回、金曜の夕刻には業務終了とともに、東京へ。東京では精神科の診察に雑務もこなして日曜夕刻に北海道に戻るという慌ただしいサイクルだ。■中村哲氏の死に衝撃を受けて。「僻地医療こそ私が手伝える場所」と肝に銘じて数年前、香山さんには大きな転機があった。「’19年7月、母が87歳で亡くなりました。晩年には『あなたのやりたいことをやるのがいちばんよ。楽しみなさい』と言っていたのが印象的でした……」その年末には、アフガニスタンで30年以上、医療、治水などの総合的な支援に尽力した中村哲さん(享年73)が凶弾に倒れるという悲報に衝撃を受けた。「医師の偉大な先輩として尊敬していました。こんな方が非業の死を遂げ、私のような人間が、のうのうと生きていていいのかと」「ある講演会で中村さんは、国際貢献したいという学生に『いまいるところにあなたを必要としている人はいます』と『一隅を照らす』という言葉で答えられました。私は『深刻な医師不足に困っている僻地医療こそ、私が手伝える場所だ』と肝に銘じたんです」《本日の担当医=中塚医師》入口にこう掲げられた診察室で、香山さんがカルテに入力しながら、女性患者の言葉に耳を傾けていた。「先日の人間ドックで、胃にすこし炎症があると言われまして」「う~ん、〇〇(薬名)の量が多いのかもしれないですね……めまいや立ちくらみはしないですか? 息切れもないですよね?」患者のほうをのぞき込み、細かく、ていねいに状況を聞き出す。「ひとつの考えとして一度、薬をやめてみましょうか。すこし様子をみてみましょうね……」■長いカウンセリングのキャリアが、僻地のお年寄りに寄り添う、ケアに役立って夏目所長は穂別での香山さんの診療ぶりをこう評する。「高齢者が多い穂別では『寄り添う治療』が大事です。中塚先生は精神科医の経験を生かし、患者さんが何に苦痛を感じて困っているのかを自然に聞き出している」香山さんの長いカウンセリングのキャリアは、僻地でのお年寄りのケアに役立っているのだ。そして彼女自身、穂別での人とのつながりを、楽しんでいる様子でもある。「東京との往復生活と聞いただけで、高齢の患者さんは『大変なところ、ありがとうございます』と言ってくれます。私は総合診療のキャリアはまだまだで、薬によっては調べ調べ、処方箋を書くんですが、なんにも文句を言わず、おだやかに待ってくださるんです。『地域医療に貢献するために』と穂別に来たのに、スタッフや住民の方に助けられてばかりです」目尻に皺を寄せ、はにかむように香山さんは言った。「いないよりはまし。そんな感覚もいいかな」。60代を迎えての挑戦は周りの人に支えられて「穂別には農家の方が多いので、野菜を持ってきてくれたり、塩蔵して冬越しする知恵を教えてくれたりもします。ここでは通販に頼ったりせず、住民の方がお互いにやりくりしたり、そんななかに私も入らせてもらっている気になってきますね」■町のシンボルとなったむかわ竜の全身復刻骨格が展示されている穂別博物館でほっと一息そんな香山さんがホッとできる空間が、穂別にはもうひとつある。いまや町のシンボルとなった、全長8mのむかわ竜(カムイサウルス・ジャポニクス)の全身復元骨格が展示されている穂別博物館である。「私はもともと、10代のころから考古学や生物学が大好きでした。’18年の胆振東部地震の被害で遅れている博物館の改修にも、ぜひ協力したいんですーー」50代の最後に母をみとり、「人生で一回くらいは、人の役に立ちたい」と一念発起しての“北帰行”のはずだった。それが「まだまだできないこと、知らないことがある」と気づかされ、診療所のスタッフや、町の人々に「理解され、助けられている」ことを思い知ったのだ。「まだ私自身は、穂別でぜんぜん役に立っている気はしないけれど、『いないよりはまし』。そんな感覚もいいかなと」午前診療を終えた香山さんは、白衣からスカイブルーのカーディガンに着替え、職員食堂へ。この昼の献立は、サバの塩焼きに、切干大根の炒め煮など。「昼食では、入院患者さんと同じメニューを毎日いただいています」こんなふうに週の大半を穂別で、本名「中塚尚子」で過ごし、週末は東京で精神科医としての診療や、「香山リカ」の業務をこなす。「いつ急患が入るかわからない」穂別では、お酒は飲めないという。だから、搭乗前の新千歳空港のラウンジでは、サッポロビールで、自分にささやかな「カンパイ!」。60歳を迎えての決意。香山さんの挑戦は周りの人々に支えられ、せわしなくも、ゆるりと進んでいる。(取材・文:鈴木利宗)
2022年09月25日脳の使い方次第でいくらでも、幸せを引き寄せることができる。そのヒントを精神科医・和田秀樹さんが提言!毎日少しずつ新しいチャレンジを。そうすれば脳の若さは保たれます。「頭が良い=学歴が高い、仕事ができる」と多くの人が勘違いしています。たしかに勉強法を工夫したり試験対策をして、偏差値の高い大学に入学したり、大企業に就職するのは素晴らしいことですが、ただそれだけで満足している人は、頭を良く見せるための肩書を得ただけにすぎず、頭が良いことにはなりません。私は東大出身ですが、今62歳なので卒業したのは約40年前になります。当時は学力的には頭が良かったのかもしれませんが、だからといってそれが今の私の頭の良さの保証にはまったくならないですよね。私自身、頭の良さとは、能力ではなく態度であると考えていて、心がけ次第で誰でもいくらでも身につけられるものだと思っています。頭が良くなりたいという思いや、いろいろなことを試してみようという態度が、ユニークな人間を作っていくんです。学歴や知能テストの点数が高くなくても、他の人が思いつかないようなアイデアをポンと生み出して、人の役に立つことができたりする。しかし自分はバカだからと卑下して生きていたら、何も生み出すことはできない。つまり、現在進行形でどれだけ勉強しているか、そしてどんな生き方をしているか、体験や経験の積み重ねで、頭の良し悪しは大きく変わってくるんです。“これからは女性の時代”とよくいわれるようになり、女性の経営者や管理職を増やす企業が多くなりました。しかし頭数だけ揃えたり、男性の代わりの女性ではなく、女性ならではの感性や発想を生かせないとまったく意味がないんです。たとえば消費の主役は女性ですし、「こういうものを作ったら売れる」というアイデアをたくさん持っていると思うんです。そういった柔軟な発想ができることこそが、本当の頭の良さです。いろいろなことに興味や関心を持ち続けていれば、仕事に限らず、長い人生の中で頭の良さを開花できるチャンスは巡ってくると思います。しかしやっかいなことに年齢を重ねると脳は老化していきます。それも物忘れがひどくなったり、頭の回転が鈍くなったりするより先に、思考や創造性を担う「前頭葉」の機能が衰えていくんです。前頭葉が萎縮すると、意欲がなくなったり、新しいことへの対応能力が落ちて、同じことを繰り返す「前例踏襲型」になっていきます。なじみの店にしか行かなくなったり、同じ著者の本しか読まなくなったりするのがいい例。チャレンジ精神がなくなるわけだから、どんどんつまらない人間になっていく。頭を使わなくなったり、体を動かさなくなったり、「若くいたい」とさえ思わなくなってしまうから、早く老けるわけです。だから前頭葉を使い続けていれば、脳の若さは保たれ、人生を楽しく生きていくことができる。前頭葉を鍛えるといっても、そんな大げさなことはしなくてもいい。毎日違う店でランチを食べたり、スーパーで見つけた新しい食材を使って料理してみたり、普段取り入れていないファッションを試してみたり…。人生は実験だと思っていろいろなことに挑戦してみれば、脳はそれに対して反応を起こし、自ずと前頭葉が鍛えられるんです。そういう意味では実行力が大事です。試してみるという経験ができたことが脳にとって大事になってくる。頭が良くなりたいという思いをずっと持ち続けて、毎日の生活のなかにちょっとずつ実験を取り入れてみてください。いくつになっても、周りから「面白い人だ」と思われるような人間でいられれば、それが人生の幸せにもつながると思います。わだ・ひでき「和田秀樹 こころと体のクリニック」院長。30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『80歳の壁』(幻冬舎)など専門の老年精神医学のほか、教育問題や人材開発の分野でも多数の著書を執筆。※『anan』2022年9月28日号より。イラスト・MASAMI取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2022年09月21日玉森裕太主演「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」に濱津隆之、堀未央奈、YUが出演することが分かった。本作は、玉森さん演じる研修医・諏訪野良太が毎話、異なった科を舞台に、そこで出会った患者の心に秘めた秘密と嘘を“カルテ”から見破るハートウォーミングミステリー。今回発表されたのは、諏訪野らの同期6人のうち、未発表となっていた3人。『カメラを止めるな!』の濱津さんが、40歳・子持ち、一度社会人を経験し医師を志した牧村康雄。「サレタガワのブルー」『ホットギミック ガールミーツボーイ』の堀さんが、地方の総合病院の院長令嬢で、仕事にも婚活にも全力な橘麻友。台湾で活動する俳優・ミュージシャンのYUが、意識高めのエリート・谷川聖人を演じ、日本のドラマ初出演。諏訪野、みどり(池田エライザ)、裕也(矢本悠馬)、そして今回発表された牧村、橘、谷川の6人は、医大時代からの同期。彼らが集まると、長年の付き合いだからこそ言えるぶっちゃけトークも飛び出す。それぞれに少しクセのある個性的な研修医たちが、どのように成長していくのか、注目だ。<新キャストコメント>・濱津隆之初めての医療ドラマ。若者達に混じっての一人おじさん研修医。色々と専門的で難しい場面も沢山やって来そうですが、一人おじさん、楽しんでやっていけたらと思います。・堀未央奈私が演じる研修医の橘麻友は、恋にも仕事にも貪欲な女の子です。ストーリーはもちろん、同期研修医たちとの賑やかなやり取りにも是非注目していただきたいです。・YU日本でお芝居することは、目標にしていたことの一つなので、素直に嬉しいのと、とてもワクワクしています。今回頂いた役どころが、高学歴で意識高め系。人にツンとした印象を与えるけど、どこか人間味があります。僕に通じる部分もあるので、色々な視点から役のイメージを膨らませています。些細な言葉から見える人間性など大事に演じたいと思います。初めての撮影現場に不安はありますが、スタッフ、キャストの皆様のお力をかりながら、楽しんで撮影に挑みたいと思います。「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」は10月期、土曜日22時~日本テレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2022年09月07日