たいして体を動かしていないのに、なんだか疲れる。最近、疲れが取れにくい…その原因は“脳の疲れ”にあるかもしれません。脳が疲れないように心がけつつ、すでに疲れてしまっている人は、朝昼夜のTipsで回復を。ここでは、内科医・工藤孝文さんが“昼のTips”を教えてくれました。疲れを回復する“昼のTips”日中は、仕事などで気を張る場面が多く、自ずと交感神経優位に。夜の副交感神経への切り替えをスムーズにするためにも、より集中力を高めるTipなどで交感神経優位に保つのが。また、適度なリフレッシュやセロトニンの分泌も昼間に行おう。昼食1、ランチは低GI値フードで気分スッキリ!血糖値が上がりやすい朝に引き続き、昼食後、眠くなりやすい人はランチも低GI食がベター。「白米やパンなどといったGI値の高いものをたくさん食べると、血糖値が急激に上がり、脳に十分な血液が行き渡らなくなるため、眠くなってしまいます。午後もシャキッと仕事をするなら、GI値の低い食べ物の代表格、蕎麦がおすすめ。パスタや大豆食品も、血糖値の急上昇を抑えます」2、スマホは触らず“マインドフルネスイーティング”日中は交感神経優位にするのが大切とはいえ、お昼くらいは脳を休ませてあげたいところ。「スマホやPCは、交感神経を優位にする最たるツール。脳を休ませるために、食事中はこれらをオフ。“マインドフルネスイーティング”にトライしてみて。食べ物の一つひとつの食感やにおい、食道を通る感覚などに意識を集中させることで、副交感神経が優位になり、リラックスモードに」リフレッシュ3、左手歯磨きで右脳を活性化。昼食後にも、疲労から脱するひと工夫を。「それは左手で歯磨きをすること。とくに脳が疲れて思考が堂々巡りになっている時に有効で、左手を動かすと右脳が活性化。考えがクリアになり、アイデアや打開策が見つかりやすくなります。左手を繊細に動かす動作なら何でもOKですが、右利きの人が左手でお箸を使ったり、文字を書いたりするのは難しいと思うので、歯磨きがおすすめ」4、マスクの下でニコッと口角上げ!黙々と作業をしている時に実践したいのがコレ。「口角を上げて笑顔を作ると、たとえ単調な仕事中でも、脳が『楽しい』と勘違いしてセロトニンや、多幸感をもたらす脳内ホルモンのエンドルフィンが分泌されます。多幸感をおぼえると、腸内環境が整い、免疫力が上がるというメリットも。マスクをしていれば一人でニコニコしていても周りに悟られないので、気兼ねなくできるはず」5、デスクまわりは青色で集中力UP。セロトニンの分泌には色の効果も活用して。「色は人間の思考や心理、行動に多大な影響を及ぼしていて、青色はセロトニンの分泌を促す色とされています。また、セロトニンが分泌されることで集中力がアップするので、文房具などデスクまわりには青色のものを置いておきたいところ。さらに青色は食欲を抑制するため、おやつの食べすぎ防止にも一役買ってくれるのです」6、背筋伸ばしでストレス撃退。デスクワーク中、できれば1時間に1回は立ち上がってやるようにしたいのが、背筋伸ばし。「これは顔を上向きにして胸を張っている姿勢を指します。すると背中や腰、お尻などにある、重力に抗う筋肉『抗重力筋』が活躍。それにより脳内にたくさんのセロトニンが分泌されて、ストレスを感じにくい状態が作り出せるのです。PC作業による前かがみ姿勢の改善も期待できます」疲労回復7、15時以降の水分補給はレモン水にチェンジ!「レモンに含まれるクエン酸には疲労回復作用があります。疲れている時は1日レモン約2個分のクエン酸(2700mg)を摂ると回復へ。レモン水にして複数回に分けて飲むと取り入れやすいかと」ただし、飲む時間には注意が必要。「レモンには日に当たるとシミが生成される成分が含まれるため、朝からレモン水を飲んで外出するのは心配。15時以降に飲むようにしましょう」工藤孝文さん内科医。福岡県みやま市の「工藤内科」で診療を行う。糖尿病、ダイエット治療、漢方治療を専門とし、女性を対象に疲労回復の診察も行う。著書は『疲れない大百科 ‐女性専門の疲労外来ドクターが教える‐』(ワニブックス)など50冊以上。メディア出演も多数。※『anan』2021年5月5日-12日合併号より。イラスト・山口 歩取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2021年05月02日脳科学者・中野信子さんが指南する、“嫌い!”を味方に変える運用法。“嫌い”という感情と、具体的にどう向き合い、どう運用していったらいい?ここでは、“嫌いな人”に対するアプローチを伝授!嫌いな人のどこが嫌いなのか、何が苦手なのかを分析すると、知らなかった自分のコンプレックスや得意なことを発見できるかも。CASE1:自分を攻撃してくる上司が怖い。ANSWER:どうすればよくなるか、直接アドバイスを求めるのが。職場の関係は適切な距離を取りにくいので、せめて自分への攻撃が減るように動くのが得策。といっても、あなたのしていることは間違っていると上司に指摘するのではなく、どうすればよくなるか具体的なアドバイスを求めるのです。人は「自分は正しい」と思いたい欲求を持っています。自分のアドバイスが相手の役に立ち、感謝や称賛という「社会的報酬」が得られると、脳がドーパミンを大量に分泌して強い快感を覚えます。「自分のアドバイスが役立った、自分は正しいことをした」という快感により、攻撃する目的がなくなるでしょう。CASE2:怠けグセのある後輩にイライラする。ANSWER:ひょっとしてあなたも後輩と同じ欠点があるのでは?嫌いな人の嫌な部分が、自分にもないかと考えてみるのは、“嫌い”をうまく活かす方法のひとつです。このケースもまずはその線を分析してみてください。誰でも自分の欠点を指摘されるのは嫌なもの。同じ欠点を持つ人と会うたびに自分の欠点を見せつけられるようで、嫌悪を感じてしまうんですね。自分の怠けグセを許せないから、後輩の怠けグセも許せないわけですが、まずはその自己嫌悪、同族嫌悪のメカニズムに気づきましょう。そして、自分に似た人が嫌いだと思ったときこそ、自分をいい方向に変えていくチャンスでもあるのです。CASE3:成績はイマイチなのに、世渡り上手で出世する同僚が妬ましい。ANSWER:妬みから、自分の本当の望みを知って成長へのモチベーションに。自分と近い条件の相手との間に不公平を感じると、妬みの感情が起こり、そのことに嫌悪感や罪悪感を覚える人も少なくありません。でも、この感情を解消しようと、相手の足を引っ張って引きずり下ろそうとするのはNG。妬みの理由を冷静に分析してみると、自分が本当に望むものが見えてくるはず。妬ましく思うポイントをリストアップして、「自分がその人よりどうなれば満足できるのか」を整理しましょう。たとえば成績でも対人関係でも、ここでは絶対勝ってみせる、という「妬みを晴らすゴール」が決まれば、あとは努力あるのみです。CASE4:男に媚びる友人がウザい。ANSWER:なぜ嫌なのかを見極めて。割り切ることも時には必要。男に媚びる女友達の、どこが嫌なのかを考えてみましょう。自分もモテたいのに媚びるのが苦手だからなのか、媚びが仕事で有利に働きイラッとするのか、自分のパートナーを取られそうで不安なのか…。まずはそこをクリアにして、もし自分の身に危険を感じるなら離れるべきです。ただ、生きる上でその戦略をとっているのには、その人なりの事情があるものです。自分とは考え方、生き方の違う人間だと割り切ることも時には大切なこと。彼女のその部分は直るわけではないと思うので、あえて友達でい続けなくてもいいかもしれませんよ?中野信子さんなかの・のぶこ脳科学者、東日本国際大学特任教授、医学博士。TV番組など様々なメディアで活躍している。『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『ペルソナ 脳に潜む闇』(講談社)など著書多数。最新刊は『「嫌いっ!」の運用』(小学館)。※『anan』2021年2月24日号より。イラスト・SANDER STUDIO取材、文・山本淑子(by anan編集部)
2021年02月20日緊急搬送された患者のデータなどから医学統計の専門家が分析。その結果わかった「血液型によってかかりやすい危険な病気」を知り、日常生活から予防の意識を高めようーー。日本では、血液型占いが盛んなため、身近な「ABO式血液型」だが、世界の医学者が血液型と病気の関係性について注目したのはつい最近のこと。「血液型というのは、医学的にはRh(+)(−)のほか、100種類以上の分類があります。そのなかでABO式は歴史が古く1900年にウィーンで発見されました」こう話すのは、世界中の血液型と病気に関わる文献を収集、研究している永田宏先生(長浜バイオ大学教授・以下、コメントはすべて永田先生)。じつは、それまで、人の血液はすべて同じだと考えられてきた。それが医学の進歩で輸血が試みられるようになり、混ぜると固まってしまう血液と、固まらずに輸血に使える血液があることがわかってきたという。「血液が固まるのは赤血球が凝集するせいです。人には、すべての血液と凝集しないO型。AとOとが凝集しないA型。BとOとは凝集しないB型。AとB両方と凝集してしまうAB型の4パターンがあることがわかったのです」永田先生が血液型と病気リスクの関連性について研究を始めたのは、あるメディアから「医療保険に加入する際に、血液型の告知は必要か?」という質問を受けたことがきっかけだという。「調べてみると、現在、保険の告知に血液型は必要ありませんでしたが、2000年代になってから、世界各国で大規模調査が行われ、血液型と特定の病気のリスクの関係性が次第に明らかになってきたのです。近年、病気のカルテの電子化が進み、データ分析しやすくなったことも、多くのデータ収集が行われるようになった一因でしょう」すべて統計的なデータの裏付けはあるが、理由までは解明されていないものも多いとか。永田先生の解説で、血液型別なりやすい病気を解説してもらった。■A型がなりやすい病気「胃がん、心筋梗塞」「’10年、スウェーデンの研究チームが100万人を対象に35年間のデータを集め、A型はO型に比べ、1.2倍、胃がんになるリスクが高いと報告しました」そのデータの表を見ると、じつはAB型のほうが1.26倍で、A型よりリスクが高いことになっているが、スウェーデンではAB型が極端に少ないため、リスク評価基準を満たしていないという見地から、A型のリスクが重要視されているという。「’11年に、日本の研究チームも703人の胃がん患者を調べたところ、やはりA型がもっとも罹患しやすいと結果が出ています」もうひとつ、気がかりなのが、心筋梗塞など、血栓(血液の固まり)が、心臓や脳の血管に詰まりやすいリスクだ。「O型に比べ、ほかの血液型は血が固まりやすい分、血栓ができやすい傾向があります。とくにA型の場合は、’12年に台湾で行われた研究で、ほかの血液型に比べ、心筋梗塞になりやすいとのデータが示されています」■B型がなりやすい病気「すい臓がん、糖尿病」「’09年、米国の国立がん研究所の調査では、すい臓がんにもっともなりやすいのはB型でした」その理由はまだ明らかになっていないが、人の遺伝子配列で、血液型を決める遺伝子と、がんのリスクを左右するDNAが隣り合っていることが、なんらかの影響を与えているのではないかとする研究が進められているとか。また糖尿病に関しては、’14年にフランスで8万人の女性を対象にしたデータで、O型に比べ、B型で1.21倍かかりやすいというリスクが示されている。■O型がなりやすい病気「胃・十二指腸潰瘍、重大事故による死亡率」ほかの血液型に比べ、血が固まりにくい傾向があるO型。このため、重大事故の際の死に至るリスクが高い。「ほかには、胃・十二指腸潰瘍などのリスクをO型を1とすると、A型0.81、B型0.74、AB型0.64と、圧倒的にO型がなりやすい(’10年。スウェーデン調査)」’04年に、O型の血液を好むピロリ菌が発見されており、ピロリ菌は胃潰瘍の原因のひとつとされるため、その関係性が注目されているという。■AB型がなりやすい病気「脳卒中、認知障害、エコノミー症候群」「世界的に少ない血液型なので、統計的なデータが不足していることはいなめませんが、4つの血液型の中で、もっとも血液が固まりやすいことが指摘されています。このため、エコノミー症候群(肺塞栓症)については、もっともリスクが低いO型に比べ、リスクが2倍。また’14年の米国で3万人を対象とした脳梗塞の患者の調査では、O型の1.83倍、リスクが高かったという報告がされていますから要注意です」同じ米国の認知障害の調査では、O型を1とした場合、A型もB型もO型と変わらなかったが、AB型だけが1.82倍リスクも高くなったとの報告もされている。こうした血液型別の傾向について、永田先生は、こう語る。「現段階では、治療現場で応用できるほどの差異ではありませんが、自分の血液型がなりやすい病気の傾向を知ることで、意識的に検診を受けるなど、早期発見、早期治療につなげてほしいですね」あなたも血液型の病気のリスクをよく理解して、自分の健康維持に役立ててほしい。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2021年01月11日吉沢亮主演の映画『AWAKE』から、脳科学者・茂木健一郎と山田篤宏監督が対談した特別映像が解禁となった。本作を見た茂木氏は、Facebookの創成期を描き、3部門でオスカーを受賞した『ソーシャル・ネットワーク』(2010)と感触が似ていたと話す。Facebook創設者マーク・ザッカーバーグの半生をデヴィッド・フィンチャーが描いた作品だ。一見接点のなさそうなこの作品と本作が重なったという理由は、「人工知能に取り組んで、スタートアップ(起業)する若者たちの熱気」と将棋のプロを養成する機関・奨励会とも似ているからだという。そして「奨励会って若き天才たちが集い、切磋琢磨する場で、そこでみんなどんどん新手を開発する。イノベーションの競争みたいになっている」と指摘し「そういう感触のある日本映画がなかなかなかったので、これはイイ!と思った」と語る。それを受けて山田監督は「実は撮影にあたって『ソーシャル・ネットワーク』を参考にした」という。理由の一つとして主人公・英一(吉沢亮)もザッカーバーグも同じプログラマーであったからと。さらに茂木氏は、英一役を演じた吉沢さんについて「いい演技をしていましたね」と言うと、山田監督は「撮影中の(イケてない役)のイメージが強すぎていまだにカッコイイ吉沢さんを見ると“あれ?”って思っちゃいますね」と苦笑。棋士の陸役を演じた若葉竜也についても「すごい存在感がある」と称賛する茂木氏。山田監督は「彼は指し手の練習のために四六時中駒を触っていましたから。最終的にはプロが見ても、完璧でまったく違和感がない(と太鼓判をもらった)」ほどに上達したことを伝えた。その後も2人の話題はAI将棋と現在の将棋界へ。AI将棋の進歩が、棋士の思考にある変化を生じさせたことを、具体的に茂木氏と共著のある羽生善治九段や藤井聡太二冠の名前を挙げながら2人は語り合う。将棋を巡り人工知能と棋士の関係性について強い関心を持つ2人。この対談の模様は劇場パンフレットに収録予定となっている。『AWAKE』は12月25日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:AWAKE 2020年12月25日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開©2019『AWAKE』フィルムパートナーズ
2020年12月19日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「爪の割れ」です。欠け爪は、夜更かしや食の偏りが原因。ときどき「爪がよく割れるので、ジェルネイルが欠かせません」という方がいます。この場合、漢方家としてまず疑うのは、血の不足、「血虚(けっきょ)」です。中医学では爪は肌の一部であり、肌と同じように血で養われているもの。血には全身に潤いと栄養を運ぶ働きがあり、不足すると全身の乾燥や顔色の悪さ、月経量の減少や便秘といったトラブルが起こります。さらに不眠や強い不安感も、血虚が原因。血には精神を安定させる作用もあるからです。よく貧血と間違われるのですが、血虚は物理的に血が足りないだけでなく、「血がきちんと働いていない」状態も含む概念です。一見、血とは関係ないように思えるこうした不調も、中医学の世界では、実は血の不足が関わっていると捉えるのです。爪のもろさに加えてこうした症状があれば、血を補う養生を早めに始めましょう。毎日の心がけで、血を少しずつ増やして。血を十分に巡らせるために必要なのはまず、補血(ほけつ)の食材。きくらげやしめじ、肉類のほか、たらやぶりなど冬が旬の魚もおすすめです。血はすぐには作られないので、普段からこうした食材を摂るように心がけつつ、とくに血が失われやすい生理中はしっかりと。魚介やきのこたっぷりの鍋ものなら、体も温まって一石二鳥です。さらに、血が作られるのは夜中、23時から3時頃の間。この時間にきちんと体を休めることが、血を増やすことにつながります。また、目は血を消耗する器官なので、夜はできるだけ目を休めることも大切です。理想は22時就寝ですが、それが難しくても、目の刺激となるスマホやTVは控えめに。極度の乾燥やストレス。こんなサインも要注意。爪からはほかにもさまざまなことが読み取れます。縦じわはとりわけ乾燥がひどいときに生じます。補血食材に加え、豆腐やれんこんなど潤いを補う白い食べ物を増やしましょう。でこぼこしているときは肝のトラブルの可能性大。ストレスを溜めていませんか?爪は10日で約1mm伸びるので、とくに凹凸がある部分が根元から何mmかを見ることによって、ストレスが強かった時期が分かります。気付かぬうちに抱えていることも多いのがストレスです。爪からのサインを、日々の生活を見直すきっかけにしてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年12月23日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年12月17日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「二日酔い」です。12月も2週目。例年ほどではないとはいえ、お酒を口にする機会が増えてくる時期ではないでしょうか?以前もお伝えしましたが、中医学ではお酒は、体に不要なものとされています。けれど、必ずしも毒とは言い切れない。なぜなら、どんなお酒にも効果効能が少しずつ備わっているからです。例えばビールには、水分代謝を整えながら過剰な食欲を抑える働きがあります。日本酒には、気血(きけつ)を巡らせ、冷えからくる痛みを和らげる作用が。ウイスキーや焼酎は冷えの改善に使われることがありますし、ワインは不安や不眠に良いと考えられています。そしていずれのお酒にも共通するのが「解鬱(げうつ)」という働き。ストレスや気持ちの落ち込みを取り除き、リラックスした気分に導きます。そういう意味でお酒は薬であるといえますが、精神作用が高いだけに気をつけたいのが飲みすぎです。あくまで適量にとどめることが前提です。「適量」とは、それぞれのお酒に適した器で1杯、が目安。グラスに1杯程度と心得ましょう。また、お酒は総じて冷たくして飲むことが多い上、一緒に食べるものが塩気の強いものや脂っこいものに偏りがち。胃にダメージを与えないように、湯豆腐など温かくてさっぱりした料理と一緒に、そして適量を守って楽しむことをぜひ忘れないでください。翌日は解酒毒(げしゅどく)食材で養生をしっかりと。それでもうっかり飲みすぎて二日酔いになってしまった…というときは、翌日の養生をしっかりと。前の日に食べすぎたから、と、間違っても朝から生野菜のサラダを口にしてはいけません。水分と冷たいもので弱った脾(ひ)を、ますます弱らせてしまいます。味噌汁やスープなど、消化に良くて温かいものをゆっくり摂ります。その上で、体を癒す「解酒毒食材」を。おなじみのしじみのほか、コーヒー、フルーツがおすすめです。とくにグレープフルーツや梨、柿、りんごは、お酒によって生じた熱を抑え、潤いを補給してくれる食べ物。常温か、梨や柿、りんごは、温かくして食べても良いでしょう。飲み会も、家で親しい人と少人数で、という形が多くなっていると聞きます。お酒の量をコントロールしながら、体に良いおいしい食べ物と一緒にゆっくりと楽しむ。今年は、そんな忘年会はいかがでしょうか?さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年12月16日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年12月11日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「耳鳴り」です。疲れたときや寝不足時にキーン、ジージー、などと外には存在しない音が聞こえてくる、耳鳴り。一過性の場合がほとんどですが、頻繁に起きると気になりますよね。耳鼻科などで検査をしても異常が見つからないことが多く、医学的にも謎の多い不調です。この耳鳴り、中医学では体内に余分な熱が溜まっていることによって起きると考えます。熱はさまざまな影響を及ぼしますが、耳に不調が出るケースの多くは、「腎(じん)」が関係しています。以前も解説しましたが、腎や「肝(かん)」「心(しん)」などの体の5つの基本システム「五行」にはそれぞれ呼応する器官があって、腎と対応しているのが耳だからです。腎は、水分と熱、両方のバランスを保つところ。腎が、潤い=陰が足りない「腎陰虚(じんいんきょ)」になると熱が余って暴走し、耳にも影響するのです。熱は、本来澄み渡っているべき頭を曇らせ、音の聞こえを阻害します。すると耳は外からの音をキャッチしようと、感度を上げる。その過剰な反応の表れが、耳鳴りというわけです。ストレスも熱を生む一因。小さな気晴らしを大切に。熱をこもらせず、腎を健やかに保つことが耳鳴り予防の秘訣ですが、そのためには、過剰な熱を生む原因を避けることが先決です。まずは暴飲暴食、とくに脂っこいものの食べすぎに注意を。「脾(ひ)」や肝に熱が溜まり、それが腎の乾燥も招きます。こってりとしたものを食べたくなる季候ですが、過剰にならないよう気をつけましょう。そしてもうひとつ、おなじみのストレスにも要注意。イライラや不安感は体の中に熱を生み出すだけでなく、気のスムーズな循環を妨げます。気が滞ると、熱はさらにひとところに溜まりやすくなります。とりわけ細身で舌が赤く、お腹にガスが溜まりやすい人は、気滞になりやすいタイプ。耳鳴りの原因にストレスが関わっていると考えられる場合は、まずはそのケアから始めることが肝要です。僕の最近のおすすめは、お気に入りの曲を5曲ほど用意して、いつでも聴けるようにしておくこと。好きな曲は脳をダイレクトにリラックスさせ、耳鳴りをカバーする利点もあります。曲が思いつかなければ、写真集や香りなど何でもいい。小さな「気晴らし」で、嫌なことを考えない時間を増やしましょう。イライラして耳鳴りが…というとき、ぜひ試してみてください。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年11月18日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年11月13日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「腰痛」です。人類の二足歩行が始まったときから運命づけられていたとさえいわれる腰痛。とくにデスクワークが多い人には、肩こりに次いで多い悩みですね。腰痛にはさまざまな原因がありますが、多いのが、生命力を司る「腎(じん)」が弱っている状態。腎は「腰の器」といわれるほど腰と密接に関係していて、歩くことで刺激を受けて活性化するところ。長い間座ったままでいるとエネルギーが蓄えられず、その不調が痛みとなって表れます。こうした、エネルギーや栄養が足りずに起きる痛みを、中医学では「不栄則痛(ふえいそくつう)」といいます。鈍痛が慢性的に続くのが特徴で、マッサージをしても良くならないことが多い。高齢者に多いのはこのタイプです。一方で時々強く痛む場合は、「不通則痛」であると捉えます。「通(つう)」は血の流れを意味し、血流の滞りで生じる痛みをこう表現します。マッサージによって多少改善することもありますが、滞りを解決しない限り繰り返す場合がほとんど。女性は男性に比べて「血(けつ)」に関するトラブルが多く、腰痛も血流障害による不通則痛型が多いようです。温かな血を巡らせて、腰を冷やさないことが大事。血流が悪くなる原因はいろいろですが、まず挙げられるのが血自体の少なさです。ちょろちょろとしか流れなければ、当然滞りが生まれますね。また、血が汚れて粘り気があることも、詰まりの原因になります。さらに大事なのが、温度。漢方では血には油のような特性があるとし、温めるとよく流れ、冷やすと固まって循環が悪くなると考えます。先ほど腎の機能低下も腰痛の一因とお伝えしましたが、腎には体を温めるストーブのような役割もあり、同じく冷えに弱い場所。ぎっくり腰のように急性のトラブルを除き、冷やすことは腰には大敵です。以上のことから、腰痛の養生としてまず心がけたいのは保温と補血です。とりわけ下半身を冷やさない心がけを。腰まわりを温かくして、デスクワーク中も時々歩き回るようにして血を巡らせることは、腎を元気に保つのにも有効です。その上で、血を補う食べ物を日々の食卓に。レバーやにんじんのほか、今ならほうれん草もおすすめです。血液をどろどろにする、脂っこいものや甘いものは控えましょう。もう11月。とくに冬に痛むという方は、どうぞ早めの養生を。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年11月4日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年10月28日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「眠り」です。10月も半ばを過ぎ、過ごしやすい季候になりました。「秋の夜長」といわれる通り、夜更かししたくなる時期でもあります。ごくたまにならいいのですが、たびたびとなると、それがもとで睡眠リズムが狂ってしまう心配も。今回は、中医学の視点で「睡眠」について考えてみたいと思います。私たちの体は気(き)・血(けつ)・水(すい)という3つの要素で成り立っているのですが、このうち睡眠ととくに大きく関わっているのが「血」です。血は体のすみずみを巡って、栄養や水分を届ける存在。精神を安定させる作用もあります。この血をコントロールする役割を担っているのが、五臓のうちの「肝(かん)」です。中医学では臓器はそれぞれに活発になる時間帯があると考えるのですが、肝と、付随して働く「胆(たん)」がもっとも力を発揮するのは、23時から3時の間。つまり眠っている間なのです。一日じゅう体を巡っていた血はこの間に肝に戻って蓄えられ、浄化されたのちに、また体を巡り始めます。ところがこの時間に起きていると、肝が働くためのエネルギーを他の臓器が消耗してしまう。その結果、きれいな血が作られず、さらには血が不足する「血虚(けっきょ)」を招いてしまいます。23時以降は目を休め、肝を健やかに保って。血が足りなかったり汚れたままだと、何が起きるのでしょうか。まず挙げられるのは冷えや肌の乾燥、貧血など、水分や熱、栄養が行き届かないことで起きる不調。血は目を使うときに必要なものなので、かすみ目や疲れ目といった目の症状も引き起こします。また、イライラしたり集中力が低下するなどのメンタルトラブルも、血虚が一因。血はこのように、心身の状態に深く関わっているのです。肝の働きをスムーズにし、活き活きとした血で体を満たすには、遅くとも23時には眠りにつきたいもの。寝付けないなら、横になって目を閉じるだけでもOKです。目を休め、血をムダに消耗しないようにしましょう。同時に、血を補う作用のあるレバーやごま、黒豆、しいたけなど赤や黒の食材を意識して摂ることをおすすめします。冬至に向かって日照時間が短くなっていくという自然のリズムに則れば、秋は本来、徐々に睡眠時間が伸びていく季節。気候も良く、深い眠りを得やすいときです。この機会にぜひ、ご自身の眠りを見直してみてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年10月28日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年10月23日美容家・脳腸セラピストの桜華純子氏の新刊9月24日、脳のストレス軽減、腸の活性化などにより人生を幸せに導く「脳腸セラピー」が紹介されている新刊『幸せになりたかったら、腸を整えなさい』が発売された。著者は美容家で脳腸セラピスト、ライフスタイルアドバイザー、マインドフルネスカウンセラー、ヨガ講師の桜華純子(おうかじゅんこ)氏であり、1,500円(税別)の価格にてフォレスト出版より発売中となっている。「幸せホルモン」を活性化して幸せに神経細胞と神経細胞の間で情報を運ぶ役割を担っているのが神経伝達物質である。神経伝達物質のうち、セロトニンはリラックス、安心感、幸福感などをもたらすとされ、「幸せホルモン」と呼ばれることもある。体内のセロトニンのうち、9割が腸内でつくられる。桜華純子氏は「河田純子」の名前で歌手として活躍。20歳の時に引退し、さまざまな美容の分野の修業に励み、東京・銀座にトータルサロン「サロン・ド・エンジェル・エンジェル」をオープン。これまで約1万人のボディをケアしている。新刊では心と体の両面から「幸せホルモン」を活性化し、自律神経を整えるメソッドが公開されている。「脳腸セラピー」によりポジティブ思考になり、睡眠の質の改善、便秘、肌質、冷え、むくみを改善し、疲労回復、集中力アップ、免疫力向上などの効果が得られるという。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※幸せになりたかったら、腸を整えなさい - フォレスト出版
2020年10月02日6歳までに脳の神経系統が大人の90%に発達すると知り、脳を発達させるメニューを知りたいコーチ。ですが、未就学児に集中させるのは難しいですよね。飽きて一人でほかの事をしだす子もいるし、この年代に教えるにはどうすればいい?というご相談です。今回のご相談に池上さんが提案する、子どもたちが楽しんで取り組める「遊び」の要素を取り入れたメニューとは。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが送るアドバイスを参考にしてみてください。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<技術はあるのに「1対1を組み合わせた」単騎攻撃ばかり。連携のイメージをつけさせる指導法を教えて<お父さんコーチからの質問>スクールで未就学児を指導しています。6歳頃までに脳の神経系統は大人の90%にも達すると聞いたので、脳を発達させるためにいろんなことにチャレンジさせたいのですが、いかんせん集中が続かない年代なので、練習にあきたり、一人で違う事を始めることもあります。まだ始めたばかりの子たちで、中にはゲームでの接触を怖がったりして積極的にボールを追えない子もいるのですが、この年代におすすめの練習はありますか?<池上さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。おっしゃる通り、脳の神経系統は6歳頃までにぐんと発達します。このあたりの概論は日本サッカー協会のB級ライセンスを取得する際に学びますね。では、6歳までに発達する90%とはどんなことでしょうか?■遊びの中で身体の動きをスムーズにすることもできる例えば、手の指が一本ずつ折れる。グー・チョキ・パーができる。そのような基本的な動きが該当します。そこから、例えば「右手がグーで左がパーをやってごらん」と言われると、ちょっと難しく感じる子どもが出てきます。さらに、その右手グー、左手パーと違うものを出している状態から「グー・チョキ・パーの順番で変えていこう」となったら、ひとつずつずれていくわけです。(大人でも難しかったりします)そうなると、左右違う動きがなかなかできません。そんな基本的な動きを、遊びのなかで行うだけで、身体の動きはスムーズになります。例えば、鬼ごっこ。鬼ごっこには、本当にいろんな動きが含まれています。鬼が来た。鬼が右に行こうとしたのを見定めて、左に動いてタッチを避ける。もしくはかわすためにしゃがむ。動いている場所に、石とか、椅子とか、何らかの障害物があればそれをよけたり、飛び越えて動く。そんなふうにたくさんの遊びの要素をもったものをメニューに取り入れると、スムーズな動きが自然に身についていきます。■サッカーボールを使った左右バランスの取れた発達を図る方法もまた、幼児期にできるものとしては、サッカーボールを手で使うメニューがあります。右手と左手、両方で交互に投げさせます。右で投げるときは右で投げる姿勢と動きに、左は左のそれになります。6歳くらいで始めると、利き手で投げる動作をたくさんやっていないので、左右どちらも簡単にできるようになります。利き手と逆の手で投げる不自由さを感じないので、子どもは抵抗なく交互に試るからでしょう。ずっと利き手ばかりで投げていると、利き手のほうがスムーズなので逆の手で投げたがらなくなります。これは大人もそうですね。これは、足でも同じことが起きます。6歳以下の幼児の頃から両方の足で蹴ることを遊びの中でたくさんやってみてください。そうすると、左右バランスのとれた発達が図れます。■あまり気負わないこと、大人が義務感をもってしまうと「遊び」が楽しめない少年サッカーでは、小学3年生くらいからコーディネーションのようなトレーニングをしていますね。そんなふうに考えてやってみてください。そして、気をつけたいのは「6歳になるまで90%成長してしまうから、今のうちにいろんなことをやろう」と大人が気負わないことです。あくまでも楽しく遊ばせてあげてください。何かの本に書かれている通りにやらせなくてはと大人が考えてしまうと、遊びでやっているはずが遊びでなくなってしまいます。もっと簡単に考えると、幼児期はスキップくらいで十分です。それより上、小学3年生くらいであれば、スキップしながら手を回す。手を叩きながらスキップする。身体全体をスムーズに動かすメニューですね。ほかにも、サイドステップをしながら手を回したり、道具を使う「ラダー」などさまざまあります。ネットで検索すればたくさん出てくるでしょう。ただし、そういった運動を長い時間やる必要はありません。ちょっと経験するくらいの程度でいいのです。足がクロスするような動きの入ったものも3年生くらいからやるといいでしょう。■遊びの要素はとても重要、「我慢」ではなく楽しくて続けられることを意識して「遊びの要素」はとても重要です。大阪教育大学の先生で「子どもの遊び」の研究をされていた方が、子どもが本当に楽しいと感じたものはいつまででもやると言われていました。ノコギリで丸太を切ることにハマってしまった子どもは、30分くらい一心不乱で切り続けます。幼児の集中力は、興味関心と関連があります。楽しくなれば、ずっとやります。大人は、小さい子はすぐ飽きてしまうと思いがちですが、彼らは集中力がないわけではありません。日本人の「集中力をあげる」というイメージですぐに浮かぶのは「我慢・忍耐力・根性」です。ここを改めなくてはいけません。子どもは楽しいものを提供すれば喜んで取り組みます。サッカーも、最初に一番楽しいはずの「試合」から入らないから、そんなことが起きるのだと思います。多少気が弱いとか、相手とぶつかりそうになったらやめるといった傾向があっても、試合はこんなことなんだよ、ボールの取りあいがあって、点が入るとうれしいよね、ということが伝えられたら子どもは変わっていきます。その点で、年齢が下がれば下がるほど、すべてが楽しいものになっている必要があります。指導者も同様の対象です。「あのコーチとやるのは楽しい」という評価が、コーチのありかたにつながってほしいと思います。ところが実際は「楽しい」よりも「勝たせてくれるかどうか」みたいなことがコーチの評価になりがちです。「積極的にやれ」「逃げるな!」と叱ったりする場面を見ることはまだ多いです。しかしながら、子どもにはそういう面があることを理解しておいてほしいのです。「いま、逃げなかったらどうなると思う?」と問いかけて、解決の方法を子どもと一緒に見つけ出すことが求められます。■「無理しなくていいよ」と言ってあげることが大事(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)じゃあ、どんな練習だったら、怖くないかな?こんなふうに一度やってみる?と、少し強度を下げたり、違う形でやるメニューを提供してみることで、子どもたちは克服できる。3年生、4年生になって、子どもがぐっと変わったりしませんか?そこまで待ってあげましょう。この子は弱気だと決めつけたり、無理やりやらせる必要はありません。サッカーが嫌いになってしまいます。「ぼく、できない」と言ったときに「無理しなくていいよ」と言ってあげること。何回かでできなからといって、その子の一生が決まるわけではありません。長い目で見てあげてください。6歳の子が何かができなければ「じゃあ、来年1年生になったらまたやるか」と言ってあげてください。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年08月28日男脳と女脳の違いを学ぼうとしても、恋愛本や脳科学本はたくさんあって、どの本にしようかと迷ってしまいますよね。数ある恋愛指南本の中から、男脳と女脳の違いがわかる3冊を紹介します。1.「話を聞かない男、地図が読めない女」片想い中は自分と相手との些細なズレに戸惑ってしまうこと、たくさんありますよね。「どうしてこんなことを言うのだろう…」「どうしてこんな行動をとるのだろう…」など男性の意味不明な言動をあげたらキリがないかも。そんな戸惑いを解消する手助けをしてくれるのがアラン・ピーズ、バーバラ・ピーズの『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)です。この本では、同じ状況でも男脳と女脳とでは使われる場所が異なり、それによって男女間に戸惑いが生じることをわかりやすく解説してくれています。恋の成功率を高めるきっかけとして、長年にわたって世界中で愛されているベストセラー本です。2.「男と女の怒らない技術」 この投稿をInstagramで見る フォレスト出版(@forest_pub_gallery)がシェアした投稿 - 2018年 5月月9日午後11時57分PDT恋を成就させるために大事なのは、相手に対するちょっとしたストレスを上手くコントロールすること。ただし相手に対してストレスを感じてしまう自分を、あまり卑下しないでくださいね。どんな恋にも多少のストレスはつきものなのです。そんな恋愛で感じるストレスの心理を明確にしてくれるのが島津良智の『男と女の怒らない技術』(フォレスト出版)です。恋におけるストレスは、実は自分自身を過大評価していることが原因となっている可能性が記載されていて、恋愛に新しい発見をもたらしてくれます。男女の脳の違いを理解したうえで、恋への向き合い方を教えてくれる恋愛ストレスフリー本です!3.「察しない男説明しない女」 この投稿をInstagramで見る 五百田 達成(いおた たつなり)(@iotatatsunari)がシェアした投稿 - 2019年 9月月12日午前3時24分PDTお付き合いする前は、男女関係を適度な距離で保つことが大切になります。そんな適度な距離を保つために重要となるのが、コミュニケーション。デート中に「どうしてこんなことも察してくれないの?」って男性に思うときってありますよね。そんな疑問をわかりやすく解説してくれているのが五百田達成の『察しない男説明しない女』(Discover)です。理屈っぽい男性脳と感情的な女性脳との溝を綺麗に埋めてくれる本ですよ。また、男女間で本音を言わなければならない場面では、ちょっとしたユーモアを織り交ぜることで、コミュニケーションの質が大きく変わることも具体例と一緒に載っているので、彼との関係に試してみることができるでしょう。恋の成功率をあげるためには、相手を観察し、その観察からわかったことを分析することが必要になります。とっても簡単にいうと、それが「理解」ですね。男脳の仕組みをよく理解すれば、彼氏や気になる彼との関係はうまくいきやすくなります。相手を理解できれば、自然と向こう側からも歩みよってきてくれるので、まずは自分が男性を受け入れる姿勢をとってみてくださいね。
2020年08月22日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「疲れ目」です。長時間パソコン作業をしたあと、ひと休みしようと手に取るのがスマホ。そんなふうに、一日じゅう目を酷使している現代の私たちにとって、目のかすみや疲れ、乾きなどのトラブルは、つきものといえます。目の疲れからくる頭痛や肩こり、不眠などに悩む人も少なくありません。中医学では、目をたくさん使うことは体を構成する「気血水(きけつすい)」のうちの「血」の消耗を招くと考えます。血は体に栄養を巡らせて潤し、また精神を安定させる働きもある大切な要素。足りなくなると皮膚や髪などの乾燥だけでなく、イライラなどメンタル面にも影響を及ぼします。さらに、目は五臓のうちの「肝(かん)」とつながっている器官。肝は、血を一時的に溜めて浄化すると同時に、血によって養われている場所でもあります。したがって、目の酷使によって血を消耗すると肝も弱り、それに関連したトラブルが起きやすくなる。お腹にガスが溜まる、生理前に胸が張る、などは代表的な肝の不調のサイン。目の疲れとともにこうしたトラブルがあるようなら、肝からのSOSと考えましょう。菊花茶とクコの実をデスクに常備して。血の消耗を防ぎ、肝を養うためにも、目の疲れを感じたら放っておいてはいけません。少しでも目を休めるのが先決です。無意識にスマホを手にするクセのある人は、食事の間や夜のリラックス時には電源をオフにする、といったことから行動を。シンプルなことですが、画面を見る時間を減らすことが、何よりの目の養生になります。そして、パソコン作業中の疲れ目におすすめなのが菊花茶とクコの実。どちらも目に栄養を巡らせて養う力があり、「飲む目薬」といわれる漢方薬、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」にも使われています。菊花茶は、最近は通販などでも手に入るよう。飲みにくく感じたらウーロン茶などと混ぜてもいいでしょう。クコの実も、コンビニで売っているドライフルーツミックスに入っていたりと、身近になりつつある食材。デスクワーク中のおやつにいかがでしょう?また、ホットタオルで目を温めたり、目頭にある「晴明(せいめい)」やこめかみの「太陽」というツボを刺激したりするのも、血を巡らせて目を休めるのに有効。日頃、気づかないうちに負担をかけているのが目です。こまめな養生を心がけてくださいね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年8月5日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年08月04日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「低気圧」です。低気圧が近づくとだるい、眠い、頭が痛いといった不調を訴える人が時々います。こうしたトラブルは「気象病」とも呼ばれ、最近注目されているようですが、中医学的にも気圧の変化は外界からの刺激のひとつ。体調を左右する要因と考えられます。気圧が高いときは体にも圧がかかるため、体はタイトに保たれます。反対に、低気圧が来ると圧が弱くなって、体はゆるむ傾向に。このとき、健康であれば体表にあるエネルギー=気が圧着タイツのように体を守ってくれるので不調は起こりませんが、気が足りないと体が外へと膨らみ、むくみや疲れなどのトラブルを生じます。この体表にある気、「衛気(えき)」が少ない人は、その他の外界の変化にも敏感です。風邪をひきやすい、アレルギー気味である、汗をかくといつまでもダラダラと止まらない。普段からそうした傾向があるようなら、衛気が低下している可能性大です。また、水分を過剰に摂っている人も低気圧の影響を受けやすいようです。体に余分な湿気=湿邪(しつじゃ)が溜まると、体は当然むくみやすくなり、それが重さやだるさなどの不調に。水分の摂りすぎは胃腸にも負担をかけるため、エネルギーを作り出す力が弱くなり、さらなる気虚(ききょ)につながります。餅やおこわ、えのきで、体のバリア力を高める。気圧の変化によって調子が悪くなるという人は、衛気が不足していないか、体の水はけが悪くなっていないか、その2点をチェックしてみてください。その上で、衛気が足りないと感じたらまずはエネルギーを取り込む生活にシフトチェンジ。疲労を払拭するために、少しでも長く眠りましょう。とくに夏は明るくなるのが早いので、睡眠時間を確保するためには早めにベッドへ。そして、餅やおこわ、えのきなどで気を補います。とくに餅は、胃腸に問題がなければ、気を補強する効果が高いのでおすすめです。水分コントロールは、水を飲みすぎないことも大切ですが、水分を発散できているかどうかにも注目を。一日中エアコンが効いた室内にいた日は、お風呂で発汗するようにします。むくみによる冷え解消にももちろん有効です。夏は台風の季節です。最近は大型台風も頻発していますし、油断大敵。気候によるトラブルを抱えている人は、どうぞ体調も早めの備えを。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年7月22日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年07月15日中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「スポーツ」です。筋肉を整えるなら、胃腸=脾(ひ)の養生を。薄着の季節になりました。体を引き締めるべく、運動を始めたいと思っている人も多いのではないでしょうか?今回は、筋肉を整えるための養生について考えてみましょう。以前、中医学では体の働きを「肝」や「心」などの「五臓」に分けて考えるとお伝えしました。それぞれ西洋医学の概念とは少し異なる働きがあって、体の各器官も五臓のいずれかに属すると考えられています。中医学では筋肉を「肌肉(きにく)」という言葉で表しますが、この肌肉が属しているのは「脾」。何度か出てきましたが、脾は消化・吸収を司る場所です。つまり、筋肉の健康には、胃や腸が重要な役割を果たすというわけです。胃腸と筋肉がつながっているとするところがユニークですが、思えば当然のことかもしれません。例えば筋肉を作るにはタンパク質が必要ですが、いくらいい食材を摂っても消化・吸収ができなければ、ただの不要物。かえって体の負担になってしまいます。筋肉をつけて体を引き締め、肌も整えたいというなら、胃腸がしっかり働ける食べ方が大切なのです。いつもお伝えしているように、脂っこいものや味の濃いもの、辛いもの、甘いものの食べすぎに気をつけて、火を通した野菜を多めに摂る。その基本を、ぜひ思い出してください。消耗を避けることも、大切な養生のひとつ。気や血の巡りが良くなり、汗をかくことで邪気を追い出す効果もあったりと、中医学でも、適度に運動することは日常的に取り入れたい健康法です。しかも、秋や冬が体の内側にエネルギーを溜め込むべき季節であるのに対し、春と夏は発散のシーズン。今は運動に向いている時期といえます。一方で何ごともニュートラル、中庸であることが望ましいとするのが漢方です。激しい運動はかえって気や潤いを消耗し、健康を損ねると考えます。とくに暑さ、「暑邪(しょじゃ)」に狙われやすい夏場に運動する際は、事前の備えを忘れずに。芋や豆、牛肉など気を補う食材を摂るように心がけ、すいかやきゅうり、豆腐など陰=潤いを生む補陰(ほいん)食材を運動前に摂りましょう。テレワークの浸透などで運動不足気味の人が増えつつある昨今です。胃腸を整え、暑さに気をつけながら、無理のない範囲で。この3つを念頭に、気持ちよく体を動かしたいですね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年7月15日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年07月09日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「辛いもの」です。暑いときほど、なぜかカレーやタイ料理など辛いものが無性に食べたくなる。そんな声をよく聞きます。これはある意味、理に適った行動なのですが、ちょっとした注意点もあります。今回は、夏の気候と辛い食べ物のお話を。中医学では、味わいは「酸(さん)・苦(く)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん)」の、五味(ごみ)と呼ばれる5つのカテゴリーに分けられ、それぞれに働きが異なると考えられています。例えば甘には緊張をゆるめたり痛みを和らげる作用があり、酸とともに摂ると潤いを生んでくれるものでもあります。また、苦みは熱を冷ます効果を持っています。辛の働きはおもに、「発散させる」こと。温度も湿度も高いときは体に水分が停滞しやすく、だるさや下痢などの原因になりますが、その余分な水分を発汗で追い出してくれるのが唐辛子などの香辛料です。ピリ辛料理は、夏の体が自然と求めるものといえます。ただし、だからといって辛いものをむやみに摂るのは考えもの。中国には激辛で有名な四川料理がありますが、四川省は亜熱帯地域に属する盆地で、高温多湿な土地です。夏の過酷な気候を乗り切るために、昔から唐辛子をたっぷり使った料理が欠かせなかったのです。日本、とりわけ都市部で同じように食べるのは、少々ゆきすぎ。辛は過剰になると体に熱をこもらせ、ほてりを生じたり、潤いを消耗して乾燥体質を招いてしまいます。五味は本来、バランスを考えながら摂ることが大切です。顔の上気がなかなかおさまらない、肌がかさつく…。辛いもの好きでそんな不調がある人は、頻繁に食べすぎていないか見直しを。香辛料+補陰(ほいん)食材が。麻婆豆腐は理想の一品。辛い料理を上手に楽しむには量の加減ともうひとつ、熱を冷ましつつ陰(いん)=潤いを補給する食材を組み合わせることがコツです。代表的なのがトマトや、きゅうりなどの瓜類。豆腐などの白いものにも、補陰効果があります。そう考えると四川料理の代表格である麻婆豆腐は、実は理想的な料理。唐辛子に豆腐を合わせているうえ、豚肉も陰を補う食材です。麻婆茄子に使われる茄子も、同じく体を冷まして潤いをもたらすので、おすすめです。水分を発散させる利点を生かしつつ、ブレーキをかけてくれる食材も上手に取り入れる。そんな食べ方が、夏の辛い料理のポイントです。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年7月8日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年07月04日「えっ……、きよたん、どうなっちゃうの!?」共演者の清原翔(27)が救急搬送された原因が“脳出血”だったと知り、石原さとみ(33)は悲痛な声を上げたという。石原の主演ドラマ『アンサング・シンデレラ病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)にキャスティングされていた清原。ドラマは3月初旬からクランクインしたものの、コロナ禍で撮影は中断。緊急事態宣言が解除されたことで、6月8日に撮影が再開された。救急搬送された12日も、清原は撮影に参加しており、現場では変わった様子はなかったという。「その日、撮影を終えた清原さんは、夕方にプライベートの外出先で知人と会っていた際、体調不良を訴え、都内の病院に搬送されました。そして、脳出血の症状が見られたため、緊急手術を受けたといいます」(スポーツ紙記者)倒れたとだけ聞かされていた当初、石原やドラマスタッフは「熱中症かな……」などと話していた。「搬送の数時間前まで元気に過ごしていた様子を見ているわけですからね。すぐに回復するのだろう、と思っていました」(ドラマ関係者)しかし18日になって、所属事務所により“命に別状はないが脳出血で予断を許さない状態が続いている”と発表された。発症から6日がたったこの時点でも、集中治療室(ICU)で治療を受けている緊迫した状態だった。「知らせを聞いた石原さんはショックを受け、動揺していました。清原さんのことをとても心配していましたね」(前出・ドラマ関係者)脳出血に詳しいパークサイド脳神経外科クリニックの近藤新院長はこう語る。「20代の脳出血はパーセントで表せないぐらい少ないと思います。普通、脳出血の原因は血圧が上がったりするなどの生活習慣病による不摂生で、血管が劣化して起きるものです。しかし若い年代だと、もともと出血しやすい脳動静脈奇形や海綿状血管腫という血管奇形による脳出血の可能性がありますね。出血した場所などにもよりますが、後遺症が残る場合もあります」清原は、『メンズノンノ』の専属モデルとしてキャリアをスタートさせ、’16年に俳優デビュー。「昨年の朝ドラ『なつぞら』で、広瀬すず演じるヒロインの義理の“お兄ちゃん”役で認知度を高めた。今年に入ってからも連ドラ『恋は続くよどこまでも』(TBS系)や、リメークドラマ『東京ラブストーリー』(FOD配信)など話題作に立て続けに出演しています」(前出・スポーツ紙記者)2月のスポーツ紙のインタビューでは仕事の現状を、《最初に比べれば自信がだいぶつきました。ようやくスタートラインです》と話し、《大河ドラマへの出演を目指したい》という夢も語るなど、俳優として脂が乗り始めた矢先に襲った“病魔”だった。今回、『アンサング~』で石原と初共演することも、本人はとても楽しみにしていたという。出演発表時に清原はこうコメントを。《とてもうれしいです。これまで一般視聴者としてテレビで拝見していた方なので、緊張するかもしれないです…。二人だけのシーンもありますし、『がんばらないと!』って思っています》清原の役柄は、石原演じる病院薬剤師のヒロイン・みどりが出会う“なぞの青年”小野塚綾。小野塚はみどりの職業を知ってなぜか興味を示し、たびたびみどりの前に現れるミステリアスな役どころ。「小野塚は、最初こそ謎めいた男ですが、苦悩を抱えていることが次第にわかってくる。“最終的には視聴者に共感してもらえるキャラクターになるのではないか”と清原さんは意気込んでいました」(テレビ局関係者)真摯に向き合っていた役柄だが、現場復帰は叶わなかった――。「手術は成功したと聞いていますが、いまは治療・回復に努めており、すぐのドラマ復帰は難しいと判断せざるをえない病状だそうです。清原さんは“降板”となり、親友の成田凌さん(26)が代役を務めることが発表されました」(前出・ドラマ関係者)主演の石原も、初共演にもかかわらず“きよたん”と呼ぶほど清原と親しくなっていただけに……。「石原さんは、清原さんの降板を聞いて、とても残念がっていました。が、石原さんもキャストやスタッフ一同も、まずは早く元気になってくれることを祈っています」ドラマ関係者は続ける。「役自体をなくすという選択肢も検討されたようですが、最終的に代役を探すことになったそうです。清原さんが出演していたシーンを頭から撮り直すことになるだろうと聞いています」そもそもコロナ禍で撮影も放送開始も遅れているところに、撮り直しが必要となる危機的状況だ。「コロナの影響でロケ地の病院を借りられなくなって、スタッフは撮影場所探しでも苦労し、その点でも通常より時間がかかっています。7月16日からやっと放送がスタートすることが決まり、ここからはハードスケジュール。ですが石原さんは、懸命に前を向いて演技に取り組んでいます」そう教えてくれたのは、現場の制作スタッフ。「いろいろあるからこそ、主演の自分が引っ張っていかなきゃという思いがあるのでしょう。清原さんのことをもちろん心配していますが、しっかりやり遂げることこそが彼を安心させてあげられることだと思っているのだと思います」石原は、闘病中の“大切な仲間”のためにも、最高のドラマをつくりあげようと奮闘している――。「女性自身」2020年7月14日号 掲載
2020年07月02日「トイレットペーパーはマスクと同じ原料だから、これから製造できなくなる。製造元も多くが中国なので、輸入がストップする」新型コロナウイルスの感染者が日に日に増え、不安感と連動するように、ちまたでは不確実な情報が拡散されている。冒頭のような“デマ”がネットでは出回り、ドラッグストアから一斉にトイレットペーパーが消えたのも、記憶に新しいだろう。しかしいま出回っているのは、必需品についてのデマだけではない。ともすれば“命の危険”にもつながるような、医療についての誤情報が出回っている。「ネット上では『○○をすれば新型コロナウイルスには感染しない』という“ニセ医学”が出回っています。この騒動に乗じて注目を集めたいのか、医師免許所持者でさえ、首をかしげたくなることを言いだしているんです」こう話すのは、『“意識高い系”がハマる「ニセ医学」が危ない!』(扶桑社)の著書をもつ、五本木クリニック院長の桑満おさむ先生。ちまたでささやかれる“医療のウワサ”を集め、論文をもとに真偽を確かめる“ニセ医学バスター”としてブログを投稿している。そんな、桑満先生がコロナ禍での“ニセ医学”を見抜く「NGワード」を教えてくれた。【1】除菌効果がある「まず、ウイルスは細菌ではありませんから“除菌”ではウイルスを取り除くことになりません。また除菌という言葉もよく耳にしますが、医学用語ではないのです」(桑満先生・以下同)【2】ウイルスを「死滅」させる「ウイルスは生き物ではなく、物質に近いもの。わかりやすく『退治する』『やっつける』などと表現することはありますが、正しくは『不活性化』といいます。ウイルスを生き物と捉えて、もっともらしく説明するのが“ニセ医学”の特徴です」【3】医師の奥さんが言っていた話だけど/○○さんから聞いた話だけど「不確かな情報に惑わされる古典的なパターンですね。人づてに聞いたという情報は、出どころがあいまいなことが多く、ニセ情報の可能性大。誰が言ったかではなく、どういう根拠に基づいているかが大事なのです」【4】ちゃんとしたデータがある「その反対意見のデータもたくさんあるのが、医学の世界。数カ月前に出たばかりの新型コロナウイルスに対して、100%正しいと判断できるデータはまだ出ていません」【5】医療関係者が実践している「もっともらしく聞こえますが、命に関わる情報です。臨床的証拠がない限り、“間違いない”と無条件に信頼するのはやめたほうがいいでしょう」ネットで拡散される感染予防法については、これからも常に疑ってかかろう。「女性自身」2020年4月21日号 掲載
2020年04月10日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「シミ・シワ」です。日差しが強くなり、紫外線が気になる季節です。シミやシワを作らないためにはUV対策ももちろん大切ですが、同時に重視したいのが、体の中のケア。中医学では、シワは、肌の中身=水分が足りずにしぼむことで起こると考えます。水分、つまり潤いは「陰」のカテゴリーに分類されますが、この陰が不足する「陰虚(いんきょ)」が続くと肌の乾燥のほか、喉の渇きやほてり、便秘などさまざまなトラブルが。爪の縦皺も、体が陰虚に傾いているサインです。陰が足りないときは、体内の水分を守ることが一番。発汗は肌にいいと考える人もいますが、中医学で汗をかくのを勧めるのはカゼの初期で寒気や悪寒があり、汗をかいていない状態のときと、体内に不要な水分が溜まっているときだけ。乾燥するときは、岩盤浴やホットヨガは控えるのがベター。また、陰は夜、眠っている間に蓄えられるものなので、睡眠時間を確保することも重要。なるべく早く眠ることが、肌に潤いをもたらします。さらに、白い食材には陰を補う力があることも知っておきましょう。いかや豆乳、白キクラゲなどがおすすめです。気の流れをスムーズにして同時に血も押し流す。一方、シミを引き起こすのは「血」のトラブル。血の巡りが滞った状態、お血(※)が原因です。お血は痛みのもととなるだけでなく黒ずみも引き起こすのですが、これが肌に現れることでシミに。肌がくすむ、歯ぐきや唇の色が悪くなる、などもお血の典型的な症状です。冷えて固まる「寒凝(かんぎょう)お血」に陥っている、あるいは食べすぎによって病理副産物が溜まり、ドロドロとした状態になっている。お血の原因はいくつかあるのですが、いずれにも効果的なのが、ストレッチによって物理的に押し流すケアです。手足を気持ちよく伸ばすことで体を流れるエネルギー「気」の巡りが良くなり、それにつられる形で血も循環を始めます。夜に行えば入眠がスムーズになり、陰を補うのにも役立って一石二鳥です。ぜひ眠る前の習慣に。血の巡りを良くする食材として挙げておきたいのは、うなぎや鮭、さばなどの魚類のほか、酒粕や黒砂糖など。夜のリラックスタイムの飲み物は、肌のことを考えるなら甘酒がよいかもしれませんね。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。(※)「お」はやまいだれに於※『anan』2020年4月15日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年04月08日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「肩こり」です。日々デスクワークをこなす人にとって、肩こりは切っても切れない悩み。首の痛みや頭痛などに発展してしまう前に、しっかり養生しましょう。中医学では肩こりは、血(けつ)の巡りが悪くなった状態、「お血(※)」によって起こると考えられています。血は体に潤いや栄養を運ぶ物質ですが、食事の偏りや疲労、寝不足、血自体の不足によって流れが滞ると一部に溜まり、それが筋肉を圧迫して凝りの原因に。血と血液は本来は少し違う概念ですが、この場合はほぼ同じと捉えると分かりやすいでしょう。そもそも人間の肩の筋肉は、腕の重量に対してかなり小さめ。かつて四足歩行だった時の名残と考えられていますが、その少ない筋肉で重い腕を支えているために血流が滞りやすく、もともと凝りやすい場所なのです。お血を流して肩こりを解消するには、肩から上に腕を上げて、腕の重さから肩を解放する時間を増やすことが第一。この動きは意識しないとなかなかできないものなので、デスクワーク中も気づいたら伸びをするなど、まめに動かすように心がけてくださいね。僕もセミナーを始める時は、参加者のみなさんにまず伸びをしてもらっています。肩甲骨の間を温めて、血の巡りをスムーズに。その上で、お血対策には体を温めるのも有効です。背中のやや上部・肩甲骨の間は肩の筋肉の働きに関係するだけでなく、体を元気にするエネルギー「気」の取り入れ口がある大事なところ。首筋からここまでを冷やさないように心がけ、家なら熱めのシャワーを当てるという方法も。もちろん、余裕があれば湯船に浸かって全身を温めるのが一番です。また、血を巡らせるための「活血食材」もしっかり摂りましょう。あずきや黒豆、黒砂糖などの黒っぽいものやプルーン、クランベリーなど赤みのあるものには血を押し流す力があります。うなぎや鮭、さば、酒粕や甘酒にも同じ効果があり、おすすめです。肩こりに限らないことですが、多くの不調はちょっとした不摂生の積み重なりが原因。つまりそれは、好転させるカギは常に身近にあるということでもあります。肩が凝る前に、腕を高く上げてリラックス。調子が悪かったら少しだけ早く寝て、血をゆったりと巡らせる。小さな心がけで、長年の肩こりを解消しましょう。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。中医学の心得や養生法をゆるくつぶやくツイッターが人気。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書・著書多数。※「お血」の「お」は病垂れに於※『anan』2020年4月1日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年03月25日「どうすればいいんだ!」――。舞台は、市原隼人演じる脳内議長・吉田の悲痛な叫びから始まる。吉田が存在するのは、櫻井いちこ(蓮佛美沙子)の脳内の中。いちこが決断を迫られる場面で、彼女の脳内は様々な思考が駆け巡っていた。【チケット情報はこちら】市原隼人が主演を務める舞台『脳内ポイズンベリー』が、3月21日(土)から新国立劇場中劇場にて開幕した。原作は『失恋ショコラティエ』、『窮鼠はチーズの夢を見る』など、登場人物たちの恋に揺れ動く繊細な心情描写に定評があるマンガ家・水城せとなの同名マンガ。ふたりの男性の中でぐらつくいちこの脳内で、擬人化した5つの思考たちが「ああでもない、こうでもない」と脳内会議を繰り広げる。思考たちが会議をするのは舞台中央に佇む円卓のセット。物語冒頭から、いちこが気になる男性と再会し、混乱を極める脳内の姿が描かれた。脳内会議を仕切る議長の吉田を始め、ネガティブ思考の池田(早霧せいな)、記憶の岸(グァンス/SUPERNOVA)、ポジティブ思考の石橋(本髙克樹/7 MEN 侍/ジャニーズJr.)、瞬間の感情であるハトコ(斉藤優里)という5つの思考たちが、様々な意見を出し合うドタバタっぷり。思考が擬人化するという現実にはありえない設定だが、様々な結果を想定して、ポジティブ、ネガティブに考えたり、過去の経験を思い出したり、感情が瞬間的に動いてしまったりする場面は誰しもある。思考たちの個性が見える会話劇は、ファンタジーながら“あるある”と共感してしまう。脳内といちこが生きる現実世界とが同じ舞台上で描かれ、最初でこそ思考たちは円卓の中で会話劇を繰り広げるものの、物語が進みいちこが追い込まれていくと、脳内たちは円卓を飛び出しいちこのそばへ。脳内がより切羽詰まる状況下を現していく様子も印象的だ。ラストには舞台オリジナル要素も組み込まれ、より登場人物たちに感情移入できるだろう。誰しも失敗をしながら、その経験を糧に生きていく。いちこは、私たちの“等身大”。私たちが何か決断を迫られる場面でも、脳内の思考たちが「ああでもない、こうでもない」とワーワー脳内会議を繰り広げているのかもしれない。舞台『脳内ポイズンベリー』は、3月29日(日)まで、新国立劇場中劇場にて上演。出演者によるアフタートークイベント上演日も。詳しくは公式サイトまたは公式Twitterをチェックしてほしい。取材・文:渡邉千智
2020年03月23日子どもはたくさんの可能性を秘めています。親が期待していたほど勉強や習い事の成果が出なかったり、一方で、親の期待以上の結果を出したりと、たとえわが子でもどんな得意不得意があるかわかりません。今回は、子どもが「これが好き!」と気づいたときに親がサポートできることや、秘められた能力を最大限に活かす環境づくりについて考えていきましょう。これからの時代、求められるのはどんなスキル?めまぐるしく時代が変化するなか、学校や社会で評価される基準も大きく変わってきています。これまでは、勉強やスポーツができて、コミュニケーション能力に長けているような万能型が評価されてきました。しかしこれからの時代は、「自分はこれが好き!」「これなら誰にも負けない!」といった、夢中になれるものを知っている子が可能性を広げて周囲からの評価を得られるケースが増えてくるでしょう。一般社団法人キッズコンサルタント協会代表理事の野上美希さんは、「大学入試に関しても、これからは認知能力を問うテストだけではなく、その子が生きてきた人生をプレゼンテーションして推薦で入学を勝ち取る、といったことも出てくるでしょう」と述べています。そうであるならば、親ができることは、子どもが好きなことに対して熱中できる環境づくりや、やる気をサポートする声かけなどが中心になるでしょう。ただし、子どもの能力を見出すために親が熱心になりすぎるのは少々問題があるようです。教育ジャーナリストのおおたとしまささんは、“子どもにどんな才能があるかわからないから”と、たくさんの習い事をさせようとする多くの保護者に対して、警鐘を鳴らしています。おおたとしまささんは、「本当に才能があることに対してなら、子ども自身が自分で反応し、『これをやってみたい!』と目を輝かせるはず」といいます。親はただ、その目の輝きを見逃さないように心がければいいのです。また、おおたとしまささんは、親が勝手に未来を予測し、子どもに対して「この力はつけておいたほうがいい」と押しつけることにも疑問を呈しています。今ならば、「グローバル化に向けて英語力は必須」「プログラミングを習わせないと時代に乗り遅れる」というようなケースですね。ここ10年でも、世の中はものすごいスピードで変化し続けているのだから、たった数年先の未来であっても正確に予測することなど誰にもできません。おおたとしまささんは、これからは「どんなに世の中が変化しても、周りの状況を観察し、どういったスキルが必要とされるかを判断する力。そして必要なものを自分で手に入れる力」が求められるといいます。脳に刺激を与えて子どもの可能性を伸ばす「ハマり体験」「後伸びする子どもとそうでない子どもの違いは、幼いときに“なにかに熱中した経験”があるかどうかです」そう述べるのは、中学受験のプロ・小川大介先生です。小川先生は、「後伸びする子どもはエネルギーにあふれていて、体力だけでなく、好奇心や自分の世界を深めていく心のエネルギーも強い」と指摘します。そのエネルギーを生み出すのが、“幼いときに好きなことを好きなだけやった経験”だというのです。ここで注意すべきは、「なにをするか」ではないということ。スポーツ、音楽、芸術など特定のジャンルで結果を出すことにこだわるのではなく、あくまでも「なにかに熱中する」という経験こそが、後伸びするエネルギーの源になるのです。東大生は「親から勉強しろと言われたことが一度もない」という人が多いといわれますが、彼らの脳を磨いたのは“子どものころのハマり体験”であることが徐々に明らかになっています。そして、共通するのは、子どもの“ハマり体験”を親が全力でサポートしていたということ。子どもがやりたいことを否定したり、「こっちのほうがいいんじゃない?」と誘導したりせず、子どもの意思を尊重して受け入れてあげることで、好奇心とやる気がぐんぐん伸びていったというわけです。東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之先生によると、好きなことにのめり込むと、「もっと知りたい」「もっとできるようになりたい」と、脳が新たな情報を求めるとのこと。つまり、なにかにじっくり取り組むのは、思考力を伸ばすなど脳にとっても非常に効果的なのです。そうはいっても、「子どもって飽きっぽいから、ハマってもすぐにやめちゃう」「最初はやる気を出すけど、結局長続きしないから意味ないのでは?」そう実感している親御さんも多いのではないでしょうか。瀧先生は、「もし途中で挫折したり、飽きてしまったりしても、ハマった経験は人生のどこかで必ず生きる」といいます。なぜなら、途中まで覚えた手順や失敗への反省も脳に記憶されるから。「これは自分には向いていない」と早い段階で気づくことができれば、次の可能性に向けて歩き出せます。子どもの「好き!」を伸ばすために親ができること全盲でありながらピアニストとして世界で活躍している辻井伸行さん。その母であるいつ子さんは、伸行さんが子どものころ、プロのピアニストにしようとは少しも考えたことがなかったといいます。しかし、生まれつき目が見えなくても「あれができない、これができない」と制限するのではなく、息子なりの感覚や世界観を豊かに広げることを心がけた結果、すばらしい才能を引き出すことができたのです。そのきっかけとなったのは、日常のささいな出来事でした。親子のコミュニケーションの一環として、家の中でいつも音楽を流していたといういつ子さん。伸行さんが生後8ヶ月を迎えたころ、ショパンの「英雄ポロネーズ」を聴かせたところ、腹ばいになりながら全身でリズムをとってバタバタと動き出す姿を目にします。息子の喜ぶ顔が見たくて毎日同じ曲を聴かせていると、次第にCDが傷つき音が出なくなりました。そこで、同じ曲が入ったCDを購入して聴かせたところ、伸行さんはまったく反応しなくなったのです。不思議に思ったいつ子さんは、以前のCDと見比べて、あることに気づきました。それは、最初に聴かせていたCDとは演奏者が違うこと。すぐに以前と同じ演奏者が演奏したものを買い直して聴かせると、伸行さんは再び足をバタバタさせて喜んだといいます。この瞬間に、いつ子さんの「まさか」は「確信」に変わりました。伸行さんの耳は、演奏者の違いを聴き分けていたのです。ここで「赤ちゃんだから飽きたのだろう」と諦めていたら、伸行さんの音楽の才能は埋もれたままだったかもしれません。もともと、伸行さんはほかの赤ちゃんに比べて、掃除機や洗濯機の音といった生活雑音に敏感だったことからも、優れた耳と音感の持ち主であることは明確でした。観察する際に気をつけたいのは、一見すると短所に見えてしまう特徴を、短所と決めつけて切り捨てないことです。それも含めて「我が子らしさ」ではないでしょうか。伸行の場合、生活雑音に対する反応が、まさにそれでした。「生活雑音に泣き止まない我が子の反応」こそが、将来のプロピアニスト・辻井伸行の原点だったのですから。(引用元:DIAMOND online|辻井伸行の母はどう息子の才能を見抜いたか)わが子をよく観察して、どんなものに反応するのか、何をしているときに目を輝かせるのか、楽しそうにしているのか、それらを見極めることができたら、子どもの能力を伸ばすきっかけになるかもしれません。■親の価値観を押しつけない!私たち親はつい「子どものため」と思って、最初から安全な道を用意してしまいます。しかしそれは、逆に子どもの可能性を狭め、潜んでいる才能や優れた能力を引き出すことを阻んでいるのです。親の人生と子どもの人生はまったく別のものであり、子ども自身がなにを好きになるか、どんなことに興味を持つかは、いくら親でも予測できません。これからの時代は、ますます多様な価値観を持つ人たちと関わる機会が増えます。前出の野上美希さんは、「自分とは違う価値観に出会って『これは違うんじゃないか』と思っても、自分の核となるもの(=自己肯定感)がないと、いい関係を築くことが難しい」といいます。「自分は自分であっていい」という自己肯定感は、自分のやりたいことを親が認めてくれている安心感なくして育まれないのです。■まずは子どもと一緒に楽しむことから前出の瀧靖之先生は、子どもの好奇心を「ハマり」に導くには、親が一緒に楽しむのが効果的だと述べています。子どもが宿題をしている横で、親も資格試験の勉強や仕事をすると子どもの宿題がはかどったり、親の影響でスポーツや音楽などに興味を抱いて、いずれそれが仕事になったりと、そのような例はいくらでもあります。たとえば、野球好きの父親に連れられて野球観戦するうちに「自分もやりたい!」と思ったり、母親と一緒におかし作りするのが習慣だったことからパティシエを目指したりする子は、身近にたくさんいるはず。まずは、親として最初のきっかけをつくってあげましょう。そして、より高度なレベルを求めてきたら、レッスンに通わせるなどのステップアップの支援をしてあげることをおすすめします。***どんな親でも、一度くらいは「うちの子、天才かも!」「将来プロになれるんじゃない!?」と心の中で感じたことがあるのではないでしょうか。ここで期待しすぎて、子ども以上に親が熱心になって無理をさせてしまうと、せっかくの「好き」が「大嫌い!」になってしまうことも。わが子に “キラリと光る才能” を見つけたとしても、親はあくまでもサポート役であることを忘れずに。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|自己肯定感も勉強への姿勢も“熱中体験”の先で生まれるStudyHackerこどもまなび☆ラボ|才能さがしのための「たくさんの習い事」より、もっと大事にすべきことStudyHackerこどもまなび☆ラボ|“後伸び”する子としない子の違い。成長後に学力が急伸する幼少期の過ごし方洋泉社MOOK(2017),『子どもの脳を伸ばす 最高の勉強法』, 洋泉社.DIAMOND online|辻井伸行の母はどう息子の才能を見抜いたか
2020年02月22日東洋医学の知恵でカラダと心をセルフケア!NHK総合で放送されたテレビ番組「東洋医学 ホントのチカラ」の書籍『東洋医学でカラダと心をセルフケア!』が2月6日に発売された。A4判で価格は1,000円(税別)。主婦と生活社から生活シリーズとして発売中である。ほうれい線や顔のたるみにもツボ押し長い歴史の中で培われてきた東洋医学ではあるが、伝統医学であるため、これまでわからなかった点が多かった。しかし、近年、東洋医学の効果やメカニズムなどが科学的に解明されつつあり、東洋のみならず、欧米などでも研究が進み、日本でも西洋医学とともに東洋医学を取り入れている医療機関もある。テレビ番組「東洋医学 ホントのチカラ」では、その理論と効果についてデータを交えて専門家が出演して解説。多くの反響が寄せられたが、新刊『東洋医学でカラダと心をセルフケア!』では、それら専門家協力のもと、東洋医学の中でも特にセルフケアを中心に紹介している。タイプ別の冷え症や頻尿などに効果が期待できるツボ押し術や、アーユルヴェーダの「舌掃除」。また、ほうれい線のシワ、たるみ、目のまわりのむくみ、更年期トラブル、便秘、腰痛、肩こり、緊張型頭痛、うつ、ストレス対策のツボ押しが紹介され、免疫力アップのお灸、脳活性化の簡単ヨガなども紹介している。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※東洋医学でカラダと心をセルフケア! - 主婦と生活社
2020年02月16日「音楽で優れた実績を残した鬼才たち、ベートーベンもビートルズもスティービー・ワンダーも特別に優れた “音楽的脳” を持っているわけではない――」元ロック音楽プロデューサーにして現・認知心理学者で神経科学者、カナダ・モントリオール、マギル大学名誉教授のダニエル・J・レヴィティン氏は、こう言っています。つまり、生まれた時の “脳力” は皆ほぼ同じ……?環境や行動が脳を育てていくということ、そのためのすばらしい方法として「音楽」がよりよく作用することが、さまざまな研究からわかってきました。今回は、特に効果的だとされる幼少期の「音楽による脳活」について、詳しくご紹介します。子どものうちに音楽を知る大切さノースカロライナ州立大学のドナルド・C・ホッジズ教授は生前、以下のように主張しています。音楽ほど脳の多くの領域を活性化するものはありません。これは後のすべての学習の基盤を築くのに役立ち、子どもが学校で、そして後年に成功するかどうかを決定します。(引用元:Wellard School Of Music|The Benefits Music Has On Your Child’s Development)なんと、「音楽」はIQなどの認知能力もアップさせてくれるというのです。また南カリフォルニア大学の研究においても、音楽は情操教育にいいだけでなく、「頭脳形成や決断力強化に有効」であることも示唆されています。特に演奏を伴う活動は有効で、「脳が筋肉であるとすれば、楽譜を読んだり楽器を演奏したりすることは、脳にとって究極のエクササイズ」なのだそう。そして大切なのは、音楽に触れ始める時期です。人の感覚の中でいちばん早く成長するのは聴覚で、2歳頃から発達し始め、幼児後期の4~5歳の頃に臨界期(最も大事な時期)を迎えるのだそう。その大切な期間に、できるだけ多様な音楽に、できるだけ多く接する機会を作ることが、音感だけでなく、人として必要な能力を伸ばすチャンスと言えそうです。音楽が脳に与える大きなメリットでは、具体的に音楽はどのような好影響を脳にもたらしてくれるのでしょうか。3大メリットを詳しく見てみましょう。■メリット1:HQ(人間性知能)が育つ音楽を学ぶことは、HQ(人間性知能)の発達にとてもいいのだそう。「HQとは、社会の中で夢や目標に向かって協調的に生きるための能力」と言っているのは、HQ提唱者である脳科学者の澤口俊之氏。脳内の、思考や創造性を担う最高中枢である前頭前野の主要神経システムが、音楽から刺激を受けて鍛えられることで、HQが発達するという仕組みです。そして音楽の中でも、ピアノを弾くことが特にいいとのこと。両手で違う動きをすること、譜面を先読みして覚えて弾くことが、脳のトレーニングにとても効果的だと考えられているのです。■メリット2:言語習得などの学習効果がある幼児期には言語能力もどんどん発達しますが、音楽も言葉も「聞く」という行為において共通しており、実際、「言語の音に関する知識と音楽能力の間には関連性がある」という研究結果で出ています。つまり、音楽で耳を育てることで、言語習得においてもいい影響が得られるということです。また、ワシントン大学の研究では、9ヶ月の赤ちゃんに1週間音楽体験をしてもらい、彼らの脳を分析したところ、情報処理と認知機能(記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断などの知的な能力)を司る部分が活性化していることが認められました。加えて、トロント大学の調査でも、「音楽教育を受けている子どものほうが、知能テストや記憶力テストでいい成績を残しており、その影響は長期にわたって持続する」という研究結果が報告されています。ノースカロライナ大学の調査では、学習の中でも特に数学に効果的という結果が。これは、リズムを身につける際に自然と分数や比率などを学んでいるからだと言います。さまざまな研究で、音楽の学習効果は証明されているのです。■メリット3:運動能力が発達する音楽を聴くだけでなく、演奏することで、運動能力を高められることがわかっています。楽譜を見て、周りの音に合わせるために耳を澄まし、楽器を操るために指を細かに動かす――これらの複雑な行為が脳の刺激となって、運動機能を司る小脳を発達させて、運動能力の向上につながるというわけです。さらに、小さい頃から音楽を習っている子どもは、右脳と左脳をつなぐ部分が発達し、双方のコミュニケーションが強化されることで、さらなる能力アップが期待できるそう。音楽を聴く、演奏することは、さまざまな感覚や機能を駆使するため、脳のたくさんの部分を刺激するのですね。音楽には癒しの効果があり、情操教育にもいいことも周知の事実となっています。いいことづくめの音楽教育。堅苦しく考えずに、まずは「親子で楽しむ」という気軽さで、生活に音楽を取り入れたいですね。***ハーバード大学で2018年、少数民族を含めた世界のさまざまな国のさまざまな音楽をランダムに聴いてもらい、「子守唄」「鎮魂歌」「舞踊曲」など各テーマにマッチングしてもらうという調査が実施されました。すると、その文化に無知であっても、曲のテーマを正しくとらえることができるという結果が出たのです。言葉や文化を超えた普遍性が音楽には備わっていることが明らかに。言葉がわからなくても、音楽でつながることができる、共感できるーー音楽が、グローバル化が進む世界において、子どもたちにとって貴重なコミュニケーションツールになりうるなんて、とてもすてきなことですね。(参考)FRIENDS OF EL SISTEMA JAPAN|音楽教育は子どもの脳発達に好影響ON-KEN SCOPE|幼児〜児童期の音楽体験が与えるものとはWIRED|元ロックプロデューサーの神経科学者に聞く、音楽と脳の関係(1)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|絶対音感はどう養う?子どもに身につけさせたい、絶対音感と相対音感のトレーニング法FRIENDS OF EL SISTEMA JAPAN|音楽教育は子どもの脳発達に好影響Wellard School Of Music|The Benefits Music Has On Your Child’s DevelopmentGYMBOREE|幼児期の子どもに音楽に触れさせると、能力が高くなる︎Pianoseed.com|音楽がもつさまざまな効能を子どもたちへ音楽教育の重要性とはPTNA|今こそ音楽を!第3章 脳科学観点から〜澤口俊之先生インタビュー(1)
2020年02月12日内臓脂肪が落ちる! Dr.白澤の食事術1月14日、長年にわたり体重が変わらないという白澤卓二医学博士の太らない理由について解説されている新刊『内臓脂肪が落ちる! 「30年間、体重が変わらない」Dr.白澤の食事術』が発売された。白澤氏は白澤抗加齢医学研究所所長であり、お茶の水健康長寿クリニック院長でもある。同氏はこの新刊の監修を務め、価格は900円(税別)、A4判、「TJ MOOK」として宝島社から発売中である。白澤卓二院長の太らない裏技千葉大学医学部卒業の白澤卓二氏は1958年生まれ。ドイツ・ケルン大学への留学経験があり、2007年には順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座の教授となり、現在は東京・御茶ノ水駅前のお茶の水健康長寿クリニック院長を務めている。一般的にいわれる「年をとったらやせにくい」は嘘だと白澤氏は語る。61歳の現在でも、腹囲83.5cmがキープされており、身長は173cm、体重68kg、体脂肪率14%だという。新刊では食生活を見直せば落としやすいという内臓脂肪の落とし方について解説。脂肪燃焼体質にするにはオリーブオイルよりココナッツオイル、体のサビを止めて体脂肪を減らすパプリカ、やせホルモンを分泌する大豆、血糖値上昇を防ぐ玄米など、著者の太らない裏技が紹介されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※内臓脂肪が落ちる! 「30年間、体重が変わらない」Dr.白澤の食事術 - 宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル
2020年01月22日「医学の進歩で、これまで難治性といわれていた病気も、改善されるケースが出てきています。認知症に関しては未知の部分がいまだ多くありますが、生活習慣の改善によって予防できることがわかっています」こう話すのは、アンチエイジング医療の第一人者で、お茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二先生だ。認知症は大きく分けて、脳梗塞など血管障害によって脳細胞神経が死滅することで起こる脳血管性認知症と、脳に蓄積したアミロイドβが脳神経細胞を壊すアルツハイマー型認知症の2つがある。このうち約8割はアルツハイマー型認知症。このアルツハイマー型こそ、生活習慣の改善が予防につながる部分が大きいという。「認知症の原因となるアミロイドβは、発症の20〜30年前から蓄積し始めるとされています。予防対策は早ければ早いほどよいと思いますが、40歳を過ぎたくらいから意識をし始めるとよいでしょう。そういう意味でも、年末年始はそれまでの生活習慣を見直すのによい機会ですね」そこで白澤先生が、認知症にまつわる2択クイズを出題。健康寿命を目指すための知識を取り入れて、2020年をもっとイキイキ過ごそう!【Q1】階段使用時、脳を活性化させるのは?上るとき or 下りるとき正解は、下りるとき。「階段の上り下りは脳の活性化によいことですが、加齢と共に難しくなる下りのほうがより効果的です。下りで転倒が多いのは下りのときに使う白筋が衰えているため。転倒は骨折→寝たきりにつながり、認知症の進行も早めてしまいます。下るときこそ階段を」【Q2】年末年始の家事、脳をより働かせるのは?掃除 or 料理正解は、料理。「全身を使う掃除もよいのですが、料理ほど頭を使う家事はありません。特に年末年始は料理の品目が増えます。材料の配分、同時進行で異なる料理を複数品目作る手順、味付けや盛り付けなどさまざまなことを考えるため、脳もフル回転します」【Q3】集まりの多いこの時期。腹が立つことがあったら?遠慮せずグチる or 仕方ないけどガマン正解は、遠慮せずグチる。「ストレスをためると脳の神経細胞が壊れて記憶力が低下します。認知症予防にはストレスをためないことが大切です。そのためにも、ムカッとしたときはその場で話してしまってもいいかもしれません。もちろん、きちんとフォローすることも忘れずに」【Q4】認知症になりにくいのは?昔のことを忘れない人 or 忘れっぽい人正解は、忘れっぽい人。「記憶力がよいからボケないというわけでもありません。明るくポジティブな人のほうが、結果的に認知症になりにくいようです。つらい記憶はときとしてストレスとなり、脳細胞を傷つけ認知機能を低下させます」【Q5】昼食後、脳にやさしいリフレッシュ法は?ウトウト昼寝 or 近所をぶらりと散歩正解は、近所をぶらりと散歩。「『昼寝に効果アリ』というデータもありますが、それが1時間以上になるとかえって逆効果になるという研究結果も。認知症予防には散歩がベター。体を動かすことで血流が促進され、脳の血流も増えますし、五感を使って脳に刺激を与えることもできます」【Q6】就寝時間が不規則で眠れないときは?無理せず、眠くなるまで待つ or 早めに布団に入りなんとか眠る正解は、無理せず、眠くなるまで待つ。「睡眠の質は脳の疲労回復にも関係しますが、認知症予防には特に重要です。ただ、眠くないのに無理に寝ようとすると、逆にストレスが増し、目がさえて眠れないことも。『眠気がきたら寝よう』くらいに考えたほうが入眠しやすく、睡眠の質も上がります」また、生活習慣の改善で白澤先生が特におすすめするのが運動と食事だ。運動によって筋肉を動かすことで血流を促し、脳の活動を活発にする。さらにバランスのとれた筋肉をつくることが、認知症予防にも関係するという。「脳の活性化によい食べ物というのもわかってきています。野菜には抗酸化物質が含まれているものが多く、全般的におすすめしますが、あまり火を通さず、栄養素を壊さないで食べるのが理想的です。さらに、味付けは薄め、糖分は控えめを心がけましょう」「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2020年01月07日歌手の加山雄三(82)が、右の脳に軽い脳梗塞を発症したことが11月12日に公表された。公式サイトによると8日に体調不良を訴え、病院で検査したところ脳梗塞が発覚したという加山。現在も入院中で快方に向かっているというが、大事を取って16日と28日に予定していた公演は中止に。この予期せぬ出来事にTwitterでは加山を心配する声が溢れている。《加山雄三さん、 無事、回復して欲しい!》《え、加山雄三さん 脳梗塞…… 若大将シリーズからの 大ファンなんだけど…… ほんとに無理せずに 早く治って欲しいな……》《加山雄三が軽度の脳梗塞かぁ… まだ82歳!元気でいてくれ!バイオハザードが好きな若大将だけにな》公式サイトでコメントを発表した加山は、《皆さん、ご心配をおかけしてます。今のところ病気による症状は何もなく、自分としてはいたって元気にしていますが、自宅で気づいた時、ただちに病院へ向かった行動が大きな救いだったように思います》と発覚にいたる経緯を明かした。そして、《自分のような年齢で同じような経験をしている方がたくさんいると思いますが、早期に発見することがいかに大事かを、より多くの人が知ってもらえる機会になれれば幸いです。いち早く回復してみなさんの前に元気な姿をお見せできますよう治療して参りたいと思います。しばらく時間をくださいね》とファンに呼びかけた。「テレビゲームが趣味としても知られている加山さんですが、もともと反射神経を鍛える目的でやっていたようです。さらに80歳を超えてもバーベルで筋トレをしていたこともありました。ですが今年4月に反射神経に鈍りを感じ、運転が怖くなったとして運転免許証を自主返納しました。元気に歌い続けるために、健康維持には余念のない加山さん。そんな日頃の心構えが脳梗塞の早期発見につながったのでしょう」(芸能関係者)“若大将”の元気な姿を心待ちにしているファンのためにも回復を祈るばかりだ――。
2019年11月12日やってはいけないダイエット・おすすめのダイエット10月25日、科学的根拠(エビデンス)に基づき数あるダイエット法を判定し、評価している新刊『医学的に正しいダイエット』が発売された。著者は愛知県名古屋市西区にある大樹会宮田医院の理事長・院長で、ダイエット外来を行っている宮田充樹医学博士である。新刊は1,300円(税別)の価格にて、現代書林から発売中である。同書で採り上げられているのは、糖質制限ダイエット、低GIダイエット、マジンドール、大豆プロテイン、脂肪吸引などとなっている。30kgのダイエットに成功した医師食生活に気をつけようとはしていても、なかなかやせない。運動をしているはずなのになかなか体重が減らない。そんな人たちのために宮田医院ではダイエット外来を開設している。この新刊の副題には「-30kgの減量に成功した医師が教える」とあり、著者自身も30kgのダイエットに成功。新刊では論文のエビンデスレベルで、38のダイエット法を5段階評価し、「grade A」から「grade D」までに分類している。「grade A」は高いレベルのエビデンスがあり、強くすすめられるもの。「grade B1」はエビデンスレベルとしては低いもののやってみてもよいもの。「grade C」は有効なエビデンスがなくすすめられないもの。有効性が認められず健康を害する避けるべき方法は「grade D」となっている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※医学的に正しいダイエット - 現代書林 【ありがとうございます!現代書林のホームページです】
2019年10月31日「血管の老化は心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重篤な疾患を招きますが、実は最近、高齢者とともに、血管年齢が高い若い人が増えているのです。30~40代で心臓の病気になり、手術を受ける人の血管年齢はだいたい60~70代で、実年齢よりも30歳ぐらい年をとっていました。運動不足で、偏食がちで食生活が乱れている、肥満傾向で、若いうちから生活習慣病にかかっている、といった共通点があります。特に、女性は閉経後に血管の機能が衰えてくるので、40代後半ぐらいから血管年齢を気にしたほうがいいでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、年間300超もの手術を手がける、東京女子医科大学病院心臓血管外科の新浪博士主任教授。心臓から押し出されて、動脈を流れる血液は酸素や栄養素を細胞へと運び、静脈を通り老廃物を回収する役割を果たしている。健康な動脈は内側にある血管内皮細胞がなめらかで血液が滞りなく流れるが、生活習慣病などで血管が傷つき、しなやかさが失われると、血液の流れが悪くなり、高血圧や動脈硬化を招く。こうして血管年齢は年をとっていく。自分の血管がどのくらい年をとっているのか目安になるのが、8つの項目からなる次の「血管年齢チェックリスト」。4つ以上のチェックがつくと、血管年齢が高い可能性大という。□おなかいっぱいになるまで食べてしまう□味の濃い料理が好き□就寝前2時間以内に食事をしたりお酒を飲んだりする□以前と比べかなり太った□休日は家でゴロゴロして運動はあまりしない□せっかちでイライラしやすい□親やきょうだいに心臓病や脳卒中になった人がいる□喫煙者である「もうひとつチェックしておきたいのは、ふだんの血圧です。血圧を測り、最高血圧の値から最低血圧の値を引き、60以上の差が開くと血管が硬くなっているということになります。弾力を失った血管は柔軟性がないため、血管にむりやり血液を押し込まなければならず、負荷がかかります。そのため、収縮期血圧(最高血圧)と、拡張期血圧(最低血圧)の幅に差が生じてくるのです」(新浪教授)
2019年10月02日「血管の老化は心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重篤な疾患を招きますが、実は最近、高齢者とともに、血管年齢が高い若い人が増えているのです。30~40代で心臓の病気になり、手術を受ける人の血管年齢はだいたい60~70代で、実年齢よりも30歳ぐらい年をとっていました。運動不足で、偏食がちで食生活が乱れている、肥満傾向で、若いうちから生活習慣病にかかっている、といった共通点があります。特に、女性は閉経後に血管の機能が衰えてくるので、40代後半ぐらいから血管年齢を気にしたほうがいいでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、年間300超もの手術を手がける、東京女子医科大学病院心臓血管外科の新浪博士主任教授。心臓から押し出されて、動脈を流れる血液は酸素や栄養素を細胞へと運び、静脈を通り老廃物を回収する役割を果たしている。健康な動脈は内側にある血管内皮細胞がなめらかで血液が滞りなく流れるが、生活習慣病などで血管が傷つき、しなやかさが失われると、血液の流れが悪くなり、高血圧や動脈硬化を招く。こうして血管年齢は年をとっていく。血管年齢を若返らせるためには、生活習慣病を治して、動脈硬化を防ぐことが求められるが、もうひとつ、世界が注目している物質があるという。「禁煙、減塩など正しい食生活を心がけて、太りすぎにならないように運動をするなどがこれまでの血管ケアの常識でしたが、近年の研究で、血液中の“一酸化窒素”の量が増えると血管がしなやかになり、血圧を正常にすることがわかりました。生活習慣病の改善とともに、血管の老化を防ぐ物質として今、世界から注目されているのが血液中の一酸化窒素なのです」一酸化窒素といえば、’70年代に光化学スモッグや酸性雨の原因となる有害物質として認識されていたのが、’98年「一酸化窒素の生体内機能について」の研究が、ノーベル生理学・医学賞を受賞したことから、血管の若返り物質として知られるようになった。「しかも、体に張り巡らされているたくさんの血管のなかで、一酸化窒素がたくさん作られるのは動脈の内皮細胞だということもわかりました。一酸化窒素を増やすには血流量を増やすことです。運動や入浴など血流がアップしたときのほか、動脈が走る皮膚の上から、“もみほぐす”などの刺激を与えて、血流をアップさせるだけで、一酸化窒素の量を増やせます。皮膚の下を通る動脈が体のなかにいくつかあり、その部分を重点的にほぐして刺激を与えれば、一酸化窒素がたくさん産出できると考えたのが新浪式“血管ほぐし”です」■「デコルテほぐし」目安時間各1分鎖骨の下には太い血管の「鎖骨下動脈」が走っているので、その部分をもむようにマッサージして刺激を与えよう。(1)左手を右の鎖骨下に当てる。(2)指先で鎖骨の下の骨を感じながら、胸の筋肉を上下左右にもみほぐす。(3)次に右手を左の鎖骨下に当て、(2)の手順で鎖骨下をもみほぐす。■「わきの下ほぐし」目安時間各1分血流をアップさせる太い血管のひとつ「腋窩動脈」に刺激を与える。(1)左手を右のわきの下に入れ、くぼみに4本の指の腹を当てる。(2)くぼみを軽く押したり、さすったりして刺激を与える。(3)次に右手を左のわきの下に入れ、(2)の手順でわきの下を刺激する。■「そけい部ほぐし」目安時間各5秒×5回(1)椅子に座って、左右4本の指で左右の太ももの付け根部分に手を添える。(2)4本の指で、そけい部をグッと押す。強さは痛気持ちいい程度で。どの順番からやってもかまわないが、血管年齢を若返らせるためにも、毎日続けることが大切。健康寿命を延ばすためにも、まずは血管年齢を若返らせよう!
2019年10月02日