2017年に発売された台湾の同名大ヒットホラー・ゲームを映画化したダークミステリー『返校』(原題)の日本公開が2021年7月に決定。また、映画で描かれている時代の30年後を舞台としたドラマ「返校-DETENTION-」が12月5日(土)よりNetflixで全世界独占配信されることになった。台湾人が忘れてはならない40年にも及ぶ負の歴史を描く1962年、蒋介石率いる国民党の独裁政権下の台湾では、市民に相互監視と密告が強制されていた。翠華高校に通う女子高生のファン・レイシンが放課後の教室で眠りから目を覚ますと、なぜか学校には誰もいなくなっていた。校内をひとり彷徨うファンは、政府から禁じられた本を読む読書会メンバーで、秘かに彼女を慕う男子学生のウェイ・ジョンティンと出会い、協力して学校からの脱出を試みるが、どうしても外に出ることができない。消えた同級生や先生を探す2人は、悪夢のような恐怖が迫るなか、学校で起こった政府による暴力的な迫害事件とその原因を作った密告者の哀しい真相に近づいていく――。本作は、2017年に発売された台湾の同名大ヒットホラー・ゲームの映画化で、政治による弾圧「白色テロ時代」という40年にも及んだ負の歴史を正面から描き、第56回金馬奨で主要12部門にノミネート、最優秀新人監督賞(ジョン・スー)を含む最多5部門を受賞した。その深いメッセージ性は台湾の多くの人の胸をうち、2019年の台湾映画No.1の大ヒットを記録。今年1月に行われた台湾総統選挙にも影響を及ぼしたと言われるほど社会現象化。日本では2020年10月に劇場公開が予定されていたが、コロナの影響で延期となっていた。また、映画から30年後の台湾を舞台としたドラマ「返校-DETENTION-」がNetflixで全世界独占配信される。SNS上では「またゲームをやり直したい」「楽しみすぎる!」「映画も観たい」との声があがり、ゲームファンだけではなく映画ファン、ドラマファンの期待も高まっている様子。台湾の名匠ホウ・シャオシェン監督の『悲情城市』、エドワード・ヤン監督の『牯嶺街少年殺人事件』に続く白色テロ時代を描いた衝撃作が日本に上陸する。『返校』(原題)は2021年7月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。ドラマ「返校-DETENTION-」は12月5日(土)よりNetflixで全世界独占配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2020年12月05日日本ではここ数年、空前の台湾ブーム。タピオカや雪花冰(かき氷)はお馴染みだし、誠品書店が日本に進出するなど経済交流も盛んだ。でも台湾の歴史や政治、教育やエスニシティ(少数民族のアイデンティティ)に関しては無関心かも?本作『幸福路(こうふくろ)のチー』は、観る人が台湾をもっと深く知りたくなる可能性大の傑作アニメだ。主人公は、アメリカで暮らす台湾人のチー。祖母の訃報を受けて帰国した彼女は、久しぶりに見る故郷の風景が記憶とは違うことに戸惑う。しかも選挙活動中の幼馴染みは彼女のことを忘れた様子。そんなに変わってしまったのかと自身を見つめ直すチーの脳裏に、台北郊外にある幸福路168号に越してきた日の記憶がよぎる。小型トラックの荷台に乗って舗装されていない道を進むチーは、川に落ちて金髪碧眼の王子さまに助けられる妄想をする。空想好きの少女はやがて、親友になった金髪のハーフ少女ベティやいたずらっ子シェン・エンと屋上に上って、アニメ『ガッチャマン』のように羽ばたきたいと望むのだった。チーが回想するのは、彼女の人格形成に影響を及ぼした社会事情やアミ族である祖母との思い出。彼女の誕生日が4月5日で、中華民国(台湾)初代総統の蒋介石が死去した日というのも物語のポイントのひとつ。当時の台湾には戒厳令が敷かれていて、学校では台湾語使用が禁止され、少数民族差別も当たり前!?そんな暗い時代と、輝かしい未来を夢見る無邪気な子どもの対比が切ない。また「将来は医師に!」という両親の希望に背いたチーが大学で学生デモに夢中になったり、いとこの色覚障害などで白色テロで行われた拷問を匂わせたり。921大地震の悲劇も体験したチーの半生は、激動の台湾史と重なってとてもドラマティック。そして「どこで間違ったんだろう」と過去を振り返るチーの現在の悩みがとても普遍的だ。移住したアメリカで白人青年トニーと結婚した彼女は、アイデンティティ喪失を恐れながら、「私は幸せなの?」と自省する。葬儀に集まった親族に「子供はまだ?」と尋ねられてうんざりする一方で、再会したベティの前向きさに勇気づけられもする。両親の想像以上の老いに気づき愕然とするチーに自身を重ねる観客も少なくはないだろう。ソン・シンイン監督が自身の人生を投影させたチーの物語は、どこにでもいる女性の平凡な人生といってもいい。ただ凡人であっても、その来し方を振り返ることで、“幸せ”を求める人間の本質や人生はリセット可能という事実が見えてくることもあるのだと実感する。宮崎アニメや新海アニメを見慣れた人は、絵柄が素朴すぎると感じるかもしれない。が、物語が進むうちにその純朴さが逆に台湾らしく思えてくるはず。パステル調で描かれる街並みに見覚えのある看板や風景を探すこともでき、台湾を訪れたことがある人ならきっとにっこりするに違いない。チーの声を英語も流暢な人気女優グイ・ルンメイが演じ、主題歌は大物歌手ジョリン・ツァイが担当。新人監督のアニメ作品としては超異例なキャスティングだけど、二人とも脚本を読んだだけで参加を決意したそう。全ては観終わって知った製作裏話だけど、映画を観れば大物が魅了されたのも納得でしょう。『幸福路(こうふくろ)のチー』監督・脚本/ソン・シンイン声/グイ・ルンメイ、チェン・ボージョン、リャオ・ホェイジェン、ジワス・ジゴウほか主題歌/ジョリン・ツァイ11月29日より新宿シネマカリテほか全国順次公開。©Happiness Road Productions Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.※『anan』2019年11月27日号より。文・山縣みどり(by anan編集部)
2019年11月23日『レッドクリフ』のジョン・ウー監督が放つ渾身の大河ロマン『The Crossing -ザ・クロッシング- PartI, II』。この度、長澤まさみが金城武をバックハグする写真がシネマカフェに到着した。3組の男女の出会いと別れ、移りゆく愛の物語を、国民党(蒋介石)と共産党(毛沢東)との対立が最も激化した1945年国共内戦を舞台に描いた本作。日中韓の豪華キャストで贈る本作の前編は、戦争と時代に翻弄されながらも、命を燃やし、愛を貫いた3組の男女を描き、後編は1,000人近い乗員乗客が犠牲になった大型客船「太平輪号沈没事故」を軸に、客船に乗り合わせた男女それぞれの運命が交差していく。今回到着した写真は、そんな3組の男女のうちの一組、金城さん演じる台湾籍の日本軍軍医イェン・ザークンと、長澤さん演じる彼の幼なじみ・雅子の2ショット。ザークンが軍医として徴兵されることになり、家を出る場面で、雅子が出征兵の腹に巻くと弾丸避けになるとされたお守り、愛する人の無事を祈り、赤い糸で1針ずつ縫って1,000個の結び目をつくった“千人針”をザークンの腰に巻き、戦地に向かう想い人を優しく抱きしめる…切ないシーンとなっている。さらに、併せてピアノを弾く雅子と絵を描くザークンが見つめ合うシーンを切り取った写真も到着した。2人の運命は一体どうなってしまうのか――その結末は劇場で見届けて。『The Crossing -ザ・クロッシング- PartI, II』は6月7日(金)よりPartI、14日(金)よりPartII、シネマート新宿・心斎橋ほかにて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:The Crossing -ザ・クロッシング- PartⅠ 2019年6月7日よりシネマート新宿・心斎橋ほかにて順次公開©Beijing Galloping Horse ・ All Rights Reserved.The Crossing -ザ・クロッシング- PartⅡ 2019年6月14日よりシネマート新宿・心斎橋ほかにて順次公開©Beijing Galloping Horse ・ All Rights Reserved.
2019年05月10日金城武、チャン・ツィイー、ソン・ヘギョ、長澤まさみら日中韓の豪華キャストが集結した映画『The Crossing -ザ・クロッシング- PartI, II』(6月7日PartI、6月14日PartII公開)の予告編が15日、公開され、金城の学ラン姿と長澤の着物姿がお披露目された。本作は、3組の男女の出会いと別れ、移りゆく愛の物語を、国民党(蒋介石)と共産党(毛沢東)との対立が最も激化した1945年国共内戦を舞台に描いた大河ロマン。『男たちの挽歌』『レッドクリフ』『ミッション:インポッシブル2』などのジョン・ウー監督がメガホンをとった。前編は、戦争と時代に翻弄されながらも、命を燃やし、愛を貫いた3組の男女を描き、後編は1,000人近い乗員乗客が犠牲になった大型客船「太平輪号沈没事故」を軸に、客船に乗り合わせた男女それぞれの運命が交差していく。3組の男女を演じる俳優には、中国・日本・韓国を代表する豪華キャストが集結。金城武が台湾籍の日本軍軍医イェン・ザークンを、長澤まさみがザークンの幼馴染・雅子を演じ、他キャストに、中国を代表する女優チャン・ツィイー(『LOVERS』)、ホアン・シャオミン(『イップ・マン 葉問』)、トン・ダーウェイ(『レッドクリフ』)、韓国の人気女優ソン・ヘギョ(「太陽の末裔」)らが名を連ねる。このたび公開された予告編では、日中韓の豪華キャストが演じた3組の男女が、北京・上海・台湾を舞台に、混沌とした内戦下の中でも必死に生き、愛し合う姿が印象的に捉えられている。特に、学ラン姿の金城武と着物姿の長澤まさみとが雨のなか和傘をさす石階段のシーンは、観る者の胸を躍らせる。さらに戦地での砲撃、爆発、そして銃撃シーンは、『男たちの挽歌』シリーズからジョン・ウー作品のアクション監督を務めるブルース・ロウが担当。驚愕の迫力映像を見ることができる。(C)Beijing Galloping Horse ・ All Rights Reserved.
2019年04月15日現地の情緒が感じられる、本格的な台湾料理専門店大阪・心斎橋の「台湾料理 紅爐餐廳(ほんるーさんてん)」は、本格的な台湾料理をいただけるお店です。ビルの1Fにお店があり、入り口は少し奥まっています。ビルの入り口に置かれた、白を基調とした看板が目印です。店内はテーブルと椅子がずらりと並ぶ空間が広がっており、明るい雰囲気。席はところどころボックス席のように仕切られており、壁には著名人のサインが飾られています。どことなく、台湾現地の情緒が感じられます。「石鍋」が看板メニュー!南界隈で高い人気を誇る店「台湾料理 紅爐餐廳」は、大阪の南界隈では歴史が比較的古いお店です。創業して30年以上経ちますが、今なお高い人気を誇っています。こちらのお店の看板メニューは「石鍋」。そのため、各テーブルにコンロが付いています。「紅爐」という店名は、紅い火が灯るコンロを石鍋料理に使うことに由来しているそう。なお、店名の「餐廳」は、中国語でレストランという意味です。お客さんの目の前で調理を行う「炭石頭火鍋」が人気「炭石頭火鍋」はお店を代表する、台湾の伝統的な鍋。お客さんの目の前で石鍋を熱し、ゴマ油でニンニクやタマネギを炒めて香りを引き出すところから調理はスタート。ここに豚肉やあさり、白菜やしいたけなどの野菜、豚肉の餃子や魚の餃子、イカ団子などさまざまな食材を投入して作っていきます。スープは、鶏ガラと身体に良い自家製の漢方のブレンド。さらにはお客さんが見て驚くほどの量のトマトが入ります。スープにさまざまな具材のうま味が溶けこみ、奥深い味わいの火鍋は、お店を訪れたら味わいたい逸品です。「密汁火腿」や「春巻」で台湾の味を堪能しよう「密汁火腿」はハチミツに漬け込んだ中華ハムを揚げ、湯葉パンで包んでいただく一品。シャキシャキのレタスとトマトのスライスも一緒にはさんでいただきます。かつて台湾を率いた蒋介石が、西洋からの大切な賓客をおもてなしする際に、総料理長に命じて作らせたという歴史のある料理です。「春巻」もこのお店の人気メニューです。台湾の古くからの調理法でつくる春巻きにはカキのエキスが入っており、日本で口にできる機会は少ないそう。一度食べればやみつきになる逸品です。特別な日にいただきたい、ライブ感が自慢の「石鍋」他の店ではなかなか味わえないおいしさと、ライブ感が味わえる「石鍋」は、接待や家族でのお祝いの席でオーダーするお客さんも多いといいます。鍋が看板メニューのお店であることから、冬場は大変混みあいます。夏場であれば比較的空いているので狙い目です。「台湾料理 紅爐餐廳」はOsakaMtro御堂筋線「心斎橋駅」および「なんば駅」の間に位置しています。各駅からは、徒歩10分ほどで着くでしょう。あなたも「台湾料理 紅爐餐廳」で、本場台湾の味に舌鼓をうちませんか。スポット情報スポット名:台湾料理 紅爐餐廳住所:大阪府大阪市中央区東心斎橋2-7-121F電話番号:06-6212-7207
2018年07月02日井上ひさしの中期の名作『シャンハイムーン』が、栗山民也演出、野村萬斎主演で上演される。本作にかける思いを萬斎に聞いた。「シャンハイムーン」チケット情報1991年に発表された本作は、『阿Q正伝』『狂人日記』などで知られる中国の文学者・魯迅の物語。1934年の上海を舞台に、蒋介石率いる国民党政府より逮捕令が出された魯迅と、彼を匿う日本人たちのある1か月を描いたせりふ劇だ。「2012年と2015年に栗山さんと一緒に井上さんの『藪原検校』を上演して、いい手応えがあった。前回が若い血流みなぎる人物を描いていたのに対して、今回はコンパクトで充実感のある、しっとりとした大人の作品をやろうということと、オリンピックを前に、日本国というものを考えるいい機会になるのではと、この作品をやることになりました」。日本を憎みながらも、日本人を愛した魯迅。国単位では火花を散らしながらも、人間同士は分かち合える。現代にも通じるテーマを、井上作品ならではの笑いを交えて描いている。「非常に現代的な問題を映し出しているとはいえ、国家のことやアイデンティティの問題ばかりではなく、抱腹絶倒なところもある。歯医者の奥田が使った笑気ガスによって失語症にかかり、全部濁音になっちゃうとか(笑)。いろんな仕掛けがあって、そこから段々と本心があぶり出されてしまう。重味と軽味のバランスが非常によくとれているお芝居だと思います」。登場人物は6人。5年ぶりの舞台出演となる広末涼子が魯迅の妻・広平を演じるほか、友人の内山夫妻を鷲尾真知子と辻萬長が、医者の須藤五百三を山崎一が、歯医者の奥田愛三を土屋佑壱が演じる。「ほとんど本屋の一室を舞台に繰り広げるワンシチュエーションの話。魯迅は医学部出身なのに医者嫌いで、心肺機能も悪いし虫歯だらけなのに診察を受けようとしない。そんな彼に周りが翻弄される姿が可笑しく映るんじゃないかなと思います。また、それぞれのキャラクターにも裏話や生き様が見えてくる、非常に緻密にできた作品です」。激動の時代だからこそ、鮮明に浮かび上がる国を越えた人と人とのつながり。そこに「愛情の原点がある」と萬斎は語る。「恩と感謝みたいなものが、全体的に貫かれている気がします。愛ゆえに何かしてあげたいと思い、それに対して非常なる感謝を思う。その愛情は、国の思想や何かを超越するんだと思います。愛情が愛として巡りめぐって返ってくる感動もある。そんなことも描かれた気持ちのいい話だと思います」。公演は、2018年2月18日(日)から3月11日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、3月14日(水)・15日(木)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、3月18日(日)新潟市民芸術文化会館 劇場、3月23日(金)・24日(土)愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて上演。東京・兵庫公演はチケット先行受付中、順次一般発売開始。
2017年11月17日