娘がまだ乳離れもしていなかった生後3カ月のとき、職場に復帰しなければならなかった私は、認可・無認可とも保育園を落選し、実家の母に娘を預けることにしました。それが恐ろしい結果を生むとは知らずに……。 「あなたも水なんて飲まなかったわよ」離乳食が始まってコップで水分をとるようになったころ、普通であれば麦茶やお水を飲ませますが、娘は甘い乳酸菌飲料やりんごジュースを飲んでいました。1日に甘い乳酸菌飲料3本、りんごジュースは100%のものを80%くらいに薄めて500mlくらい。これが普通でした。 「そんなにジュースばかり飲ませて大丈夫なの?」という私の疑問をよそに、母は「あなたも水や麦茶なんて飲まず、ジュースを飲んでたわよ」と言います。新米ママだった私は、娘は甘いお菓子は食べないし、そんなものなのか……と不安に思いながらも納得したのでした。 1歳6カ月の歯科健診で衝撃の予告そんな折、1歳6カ月の歯科健診の日がやってきました。先生に、1日のジュースの量などを聞かれ、正直に答えていると……。「それは、糖分の取りすぎです。間違いなく3歳までにすべての歯が虫歯になり、将来は糖尿病になります」と断言されてしまったのです。糖尿病は医療関係者がなりたくない病気の1つとも言われるつらい病気。幸い、この日の歯科健診では、虫歯になりそうな歯はあったものの、虫歯なしの判定。虫歯なしを保つため、さらには娘を将来、糖尿病にしないため、ジュース削減の日々が始まりました。 6カ月後、無事に虫歯ゼロをキープその衝撃の予告から、母にもきつく言い、甘い乳酸菌飲料は購入しないことにしました。ジュースは極力飲ませず、のどが渇いたと言われれば牛乳に。どうしてもジュースを飲ませる場合も1日に125mlのパック1本までと決めました。6カ月後、フッ素を塗ってもらうため、再度歯科健診に行った際には、虫歯ゼロをキープ! 「お母さん、頑張ってますね。きれいに磨けていますよ」と褒められました。 3歳になった今でも、娘は麦茶を飲みません。水もまったくといっていいほど飲みません。水分は主に牛乳です。歯科健診でジュースよりは牛乳のほうがいいとは言われましたが、牛乳も糖分があるので、たくさん飲ませるとしたらやはり水や麦茶に越したことはありません。飲ませなければ子どもはその味を知りません。できるだけ大きくなるまで、ジュースの味を覚えさせず、水や麦茶を飲ませてあげるべきだったと感じています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO作画/和田フミ江著者:ヒロコ ラメッシェ4歳女児の母。旅行雑誌編集デスク、アルバイト情報サイト編集長を経て、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。現在、モロッコ在住。自身の経験からママたちと共有したい情報を発信中。
2020年11月11日現在、やんちゃな5歳と2歳の男の子を育てています。長男がまだ1歳のとき虫歯になったのですが、歯科でエナメル形成不全と診断されました。結果、長男は3歳まで治療により前歯が真っ黒の状態で過ごすことになってしまったのです。一生懸命歯磨きをしていたのに低年齢で虫歯にしてしまい、後悔したエピソードや治療の様子もお伝えします。 長男が1歳で虫歯と診断長男が1歳のとき、市役所でおこなっている任意の歯科検診に行きました。前歯が以前よりも若干、短くなったような気がして心配だったのです。ただ、歯磨きは念入りにおこなっていたので「まさか、虫歯じゃないよね」と楽観的に考えていました。しかし、歯医者さんに診てもらった直後、「これはちょっと……」とつぶやかれ、前歯が虫歯になっていると伝えられたのです。短くなったように見えたのは、虫歯が原因で先端が溶けてしまっていたのが原因でした。早急に歯医者に通ってくださいと言われました。歯磨きだけでなく、お菓子やジュースも与えずに気を付けていた私は、ショックで頭が真っ白に……。 歯医者で「エナメル形成不全」と診断その後、すぐに歯医者に行きました。そこでもう一度診察を受けると、「エナメル形成不全ですね」と診断されたのです。エナメル形成不全の子どもは生まれつき歯のエナメル質が弱く、そのため虫歯になりやすいとのこと。私がもっと気を付けて歯の生え始めに歯医者に連れて行っていれば、虫歯を防げたのかもしれない……と、とても後悔しました。また、前歯がちょっと短くなったような……と違和感を覚えていたにも関わらず、診察が遅れてしまったことも反省するしかありませんでした。 進行を止める薬を塗って前歯が真っ黒に長男はまだ1歳できちんとした治療ができず、歯医者さんと相談してサホライドという虫歯の進行を止める薬を塗ることになりました。結果、長男の前歯は虫歯の箇所が黒くなってしまうことに……。口を閉じているとわからないのですが、笑うと黒い前歯が見えるため、最初はとても気になってしまいました。初対面のママさんにも、聞かれてもいないのに「この子は歯が弱くて虫歯になって~」と説明していたほどです。しかし歯医者さんは診察のたびに落ち込む私に、「母親がどんなに気を付けていても歯の弱い子は仕方ないよ」と慰めてくれました。一番心強かったのは、「幸いまだ乳歯だから、いくらでも取り返しがきくからね」と励ましてもらったことです。 その後、長男は3歳になって歯を削る治療をおこないました。歯は見た目も白くなり、幸いにも他の歯は虫歯になりませんでした。今回のことを機に、子どもの体に少しでも気になることがあれば、すぐにお医者さんに相談するべきだと痛感しました。その後生まれた次男も一緒に3カ月ごとに定期検診を受け、歯の状態を診てもらっています。1歳での虫歯はショックでしたが、歯の健康を考える良い機会だったと思えるようになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/マメ美監修/助産師REIKO著者:竹内優実5歳と2歳の男児を育児中。時短と節約が大好きなアラフォー母。簿記2級・MOSマスター・初級シスアド取得。パソコンを活かした育児グッズの作成が得意。夫は激務の為、ほぼ一人育児中。
2020年10月26日乳歯から永久歯への生え変わりは、5歳前後から始まり14歳ごろに完了します。それまでの乳歯も、健康な状態をキープしておきたいものです。でも、多くの子どもは歯磨きが大嫌い! しっかり磨けないと虫歯に!? なんてことも。 そこで今回は、小児歯科医の川越じゅん奈先生に乳幼児期の虫歯予防や治療についてお話を伺いました。大切な子どもの歯が虫歯にならないための注意点や治療について紹介していきます。 虫歯の原因は、糖分とミュータント菌 乳歯が生え始めると、虫歯の原因となるミュータンス連鎖球菌が常在菌として成育し始めます。ミュータンス連鎖球菌は糖分を利用して酸を作り、歯の表面にあるエナメル質を溶かしていきます。これが虫歯です。特に乳歯はエナメル質が薄く、歯が軟らかいため虫歯になりやすく、生え始めの時期にも虫歯になりやすいという特徴があります。 大切なのは、口の中に糖分を残さないこと。まだ、砂糖の入ったお菓子を与えていないから大丈夫と、安心はできません。糖というのは砂糖だけではなく、炭水化物(お米やパンなど)やミルク、イオン飲料や果物にも入っています。砂糖が含まれたお菓子を食べ始める時期はもちろん、乳児のうちから口の中に食べカスやミルクが残らないようしっかり歯磨きをしてあげることが大切です。 虫歯の進行状況によって変わる歯の治療方法 1歳半や2歳の乳児歯科検診で虫歯が見つかったり、子どもが痛みを訴えてきたときは、すぐに受診が必要です。その治療は、虫歯の進行状態によって変わってきます。※下記の状態は、虫歯の進行順に記載しています。 ●歯の表面が白濁したり、噛む面の溝が茶色になっている歯の表面が白濁している状態は、通常の歯より白く表面がザラザラした感じで、光沢がないのが特徴。虫歯になった原因(歯磨きの仕方、お菓子や食事内容など)を改善することで自然回復するケースが多く、フッ素の塗布などの予防処置も効果的になります。 ●表面のエナメル質の虫歯、その奥の象牙質まで達する虫歯表面のエナメル質の虫歯、その奥の象牙質まで達する虫歯は穴が開いた部分を詰める治療をおこないます。また、象牙質まで到達している場合、乳歯が近いのでその後も安心はできません。生活習慣の改善が必要となります。 ●歯髄まで進んだ虫歯神経の根の治療をして、穴の大きさにより、穴を埋めたり、銀の冠をかぶせたりします。 ●歯が欠けていき根だけになってしまった虫歯神経を取るなど根の治療をして銀の冠をかぶせるか、保存できない場合は歯を抜きます。 大人の虫歯治療と少し異なる点虫歯の治療は、ほぼ大人と変わりませんが、子どもの虫歯治療で少し異なる面があります。虫歯は自然に治らないので、虫歯部分や根っこまで治療して完治させます。1~2歳ごろの子どもの場合は、徹底した治療が難しいので虫歯の進行を止める薬を塗るだけにとどめておくケースが多々あります。虫歯は完治しませんが、進行を防ぎ、隣り合う歯に虫歯が広がるのを防ぐのにも役立ちます。 0歳から歯科医院に通っていると、クリニックで場慣れをしているため、例えハードルの高い治療でも、ママの心構えも準備できています。そのため、子どもも治療を受けやすくなります。極力麻酔は使わない治療を当院ではおこなっておりますが、どうしても必要な場合、抑制治療をおこなうこともありますので、前後のコミュニケーションが大切になってきます。うっかり大きな虫歯を作る前の、何もトラブルのないときからの歯の磨き方や、クリーニングをするための通院をおすすめします。 また、乳歯と永久歯とでは虫歯治療の方法が異なりますので、治療の際は小児歯科治療に長けた歯医者さんを受診するのが安心です。 虫歯予防に欠かせない歯磨き習慣 虫歯予防の第一は歯磨き! それと同時に食生活や生活習慣の改善の大切なポイントを紹介します。 ●おやつの時間を決める食べ物を口に入れることで口内は酸性へと傾きますが、唾液の働きにより中和され、食後30分ほどで元の状態へと戻ります。また、唾液には酸で溶けた歯を修復する働きも備わっています。この唾液の機能を十分に発揮させるために、食事と食事の間隔を十分に空け、決められた時間以外にはダラダラと食べないこと。 ●歯に詰まりにくい食品を選ぶ歯にとどまる時間が長いほど、虫歯になる可能性が高くなります。歯に詰まりにくく、短時間で食べられる食品を選ぶ。 ●虫歯菌の餌となる砂糖菓子は避ける砂糖が含まれている食品は避ける。砂糖の代わりにキシリトールを使用した食品を選ぶ。おせんべい、果物、きのこなどが比較的虫歯になりにくい食品だと言われています。 ●食後にお茶を飲ませるお茶の中には、フッ化物やカテキン(抗菌作用)が含まれ、虫歯予防におすすめ。ただ、緑茶にはカフェインも含まれるので、水分補給は水や麦茶で、食後にだけお茶を飲む習慣をつけると良いでしょう。※緑茶はカフェインを含んでいます。1歳未満の子どもにはカフェインの入っていない麦茶を与えるようにしましょう。 下の前歯が生えたら受診しましょうエナメル質の薄い子どもの虫歯は進行が早く、痛みを訴えたときには、すでに虫歯がかなり進行しているケースがかなりあります。歯の治療は、大人だって痛くて苦手なものです。まして、子どもはもっと苦手。そのためにも定期的な歯科健診によって虫歯の予防や早期発見が不可欠です。 多くの自治体では、子どもが1歳半と3歳ごろに歯科健診がおこなわれますが、子どもの口の中を見て下の前歯が生えてきたと思ったら、歯科医院を受診すると良いでしょう。虫歯になるリスクは歯が生えたときから発生します。歯が生えそろっていないときの歯磨きは、歯が全部そろっているときと磨き方が異なるため、正しい磨き方を身につけることが大切です。 また、1歳半ごろからを目安に、歯医者さんで歯質を強化させるフッ素の塗布を4、5カ月に1回ほどの頻度でしてもらうのがおすすめです。虫歯でいきなり怖い治療を始めるより、虫歯のない状態で受診して雰囲気や環境に慣れておくことがとても重要です。 虫歯の治療は、子どもにとって大きな負担となります。1歳半ごろから健診へ行き、虫歯の早期治療やフッ素の塗布による予防処置を。また、同時に食生活や生活習慣を整えて、虫歯のない健康な歯を守りましょう。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~5歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように! 著者:井上 裕紀子監修者:医師 原宿こども歯科院長 川越じゅん奈 先生平成16年岩手医科大学卒業後、赤ちゃん子供歯科、こばやし歯科クリニック、あーす歯科勤務の後、平成27年に原宿こども歯科を開業。怖くない、また来たくなるような場所となることをモットーに、日々治療を行っている。院内は赤ちゃんの時からご家族で心の負担なく通えるよう幸せ感たっぷりな空間や仕掛け用意するなど、楽しめる歯医者を目指している。
2020年09月29日「成人の口の中には約500種類の細菌が存在し、よく歯をみがけている人で1,000億〜2,000億個、多い人では1兆個といわれています。この細菌が虫歯や歯周病だけでなく、感染症の原因にもなるので、自分の口腔内の状態を科学的に知る手段として、唾液を調べることは非常に有効なんです」こう話すのは、歯科医師の前島美佳先生。前島先生のクリニックでは、4年前から「唾液検査」を本格導入。すべての患者を対象に実施している。「実際に検査を受けたことで、唾液の量が極端に少ないとか、虫歯ができやすい唾液の状態になっていることが判明し、その後の治療に役立っている人が多くいます」(前島先生・以下同)前島先生のクリニックで実施している基本の検査を紹介。【唾液量検査】「最初に分泌量を見ます。唾液は20代がピークで、1日に約1.5リットルもの量が分泌されますが、70代ではその3分の1くらいに。唾液が減少すると、口腔内が乾燥して細菌が繁殖し、虫歯や歯周病になりやすくなるのです」用意されたシュガーレスガムを3分間かみ、その間に出る唾液の量を測定する。「基準は5ミリリットル。多ければ多いほど口の中は無意識に洗い流され、虫歯リスクが低くなっています。基準値未満だと、口腔内の環境が悪化している可能性がありますね」【唾液緩衝能検査】「次に、その唾液を使って、酸性度を調べます。酸性度を示すpH値は、6.8〜7が中性、それ以上がアルカリ性です。食事をすることで口内は酸性になりますが、そのまま酸性の状態でいると虫歯になりやすい。そこで、唾液に試薬を混ぜてpH値を色で判定し、赤くなれば安全。黄色くなるほど虫歯のリスクが高いことがわかります」【潜血検査】「続いて、試薬を用いてヘモグロビンを検出し、唾液に血液が混じっていないかをチェックします。口腔内に出血がある人は、その体内に細菌を取り込む口が開いているということ。歯みがき時に出血している人はもちろん、目に見えない微量な出血も見つけられます」潜血検査で陽性の場合には、歯周病治療および予防処置が必要となる。唾液検査は、予防歯科に力を入れているクリニックで導入されている。その数は全国で増えつつあるので、ネット検索などで、地元の実施クリニックを見つけることが可能だ。費用は健康保険対象外で、今回紹介した検査の場合は、数千円程度(検査項目やクリニックによって異なる。精密検査の場合は1万〜3万円程度)。新型コロナウイルスによる外出制限が解除されたあかつきには、一度、唾液検査で自分の口の中の状態をチェックしてみてはいかが?「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載
2020年05月08日こんにちは、かたくりこです。わが家の姉妹・長女こむぎ(3歳)と次女きなこ(1歳)の日常をお届けする「こむぎときなこ」の第13回です。虫歯菌は生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には存在しておらず、親や周りの人からの唾液で感染する…といいますよね。そのため、わが子を虫歯にしないために、食器や箸をわけて使ったり、熱いものをさます時に「ふーふー」を控えるお母さんもいらっしゃったると聞きます。わが家でも長女がイヤイヤ期に入るまでかなり気をつかっていたのですが、今はもう諦めの境地に達しました。というのも…どこからどう防いだらいいの!? もはやわたし一人の力ではどうにもなりません…!それに保育園に通っていたら、お友達のよだれと接触することもあると思うので、虫歯菌を100%防ぐのなんてムリなのでは…と思うようになりました。今は歯みがきと子ども用マウスウォッシュで毎日虫歯予防をしています。
2020年02月10日私が新米ママだったころ、子どもの歯に関して無知だったため、虫歯は「黒色」で、それが広がっていくのだと思っていました。そのせいもあって、4人の子どものうち、上の子どもたちにはたくさんの虫歯が……。今回は、私が子どもの虫歯予防に奮闘し、小児歯科でほめられるようになるまでの体験談を紹介します。 おやつばかり与えていた…私は20代前半で長男と次男を年子で産み、毎日の子育てにいっぱいいっぱいでした。そんななか、電車で8時間ほどの距離にある実家に里帰りをして、3人目を出産。 自宅になかなか帰れない環境がストレスのようで、子どもたちは毎日泣いてばかりいました。そのような状況もあって、私は子どもが泣くと甘いおやつやジュースを与えてしまっていました。それでも自分なりに毎日仕上げ磨きをしていたので、虫歯とは無縁だと思っていたのです。 虫歯は黒いだけではなかった!自宅に戻り落ち着いたときに、ふと子どもの歯を見るとポツンと黒い点が。何かはさまっているのかな?と思うほど小さなものでしたが、気になったので初めて息子2人を小児歯科に連れていきました。 小児歯科での診断は虫歯。しかも、あちこち歯が白濁しており「白いところは全部初期虫歯だよ」と言われてショックを受けました。虫歯は白→黄→茶→黒と色が変化していくようです。小さな黒い点と思っていた虫歯も、削ってみたら奥のほうまで広がっていました。 「虫歯になったのは、お母さんの責任」小児歯科医からは、「虫歯になったのは、お母さんの責任」とはっきり言われ、落ち込みました。同時に「あめ・ガム・チョコ・ジュースの禁止」を言い渡され、以降は禁止事項を守りつつ、仕上げ磨きとフロス、フッ素塗布でしっかり虫歯予防をしました。 現在、息子2人は小学生になり、ほとんど永久歯に生え変わりましたが虫歯はなく、「永久歯でこの状態なら完璧」と小児歯科でほめられるほどに! 今後も、虫歯にならないように、きちんとした仕上げ磨きを心がけていこうと思っています。 小児歯科医には、小学校3年生までは親の仕上げ磨きが必要だと言われました。外出中などの歯磨きができない状況のときは、何か食べたあとにお茶やお水を飲ませるようにもしています。毎日の習慣が虫歯予防に効果的だと実感しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:武山あゆみ三男一女の母。ワンオペ育児に奮闘するかたわら、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2020年01月12日娘がまだ乳離れもしていなかった生後3カ月のとき、職場に復帰しなければならなかった私は、例にもれず、認可・無認可とも保育園を落選し、実家の母に娘を預けることにしました。それが恐ろしい結果を生むとは知らずに……。 「あなたも水なんて飲まなかったわよ」離乳食が始まってコップで水分を摂るようになったころ、普通であれば麦茶やお水を飲ませますが、娘は甘い乳酸菌飲料やりんごジュースを飲んでいました。1日に甘い乳酸菌飲料3本、りんごジュースは100%のものを80%くらいに薄めて500mlくらい。これが普通でした。 「そんなにジュースばかり飲ませて大丈夫なの?」という私の疑問をよそに、母は「あなたも水や麦茶なんて飲まず、ジュースを飲んでたわよ」と言います。新米ママだった私は、娘は甘いお菓子は食べないし、そんなものなのか……と不安に思いながらも納得したのでした。 1歳6カ月の歯科健診で衝撃の予告そんな折、1歳6カ月の歯科健診の日がやってきました。先生に、1日のジュースの量などを聞かれ、正直に答えていると……。「それは、糖分の取りすぎです。間違いなく3歳までにすべての歯が虫歯になり、将来は糖尿病になります」と断言されてしまったのです。糖尿病は医療関係者がなりたくない病気の1つとも言われるつらい病気。幸い、この日の歯科健診では、虫歯になりそうな歯はあったものの、虫歯なしの判定。虫歯なしを保つため、さらには娘を将来、糖尿病にしないため、ジュース削減の日々が始まりました。 6カ月後、無事に虫歯ゼロをキープその衝撃の予告から、母にもきつく言い、甘い乳酸菌飲料は購入しないことにしました。ジュースは極力飲ませず、のどが渇いたと言われれば牛乳に。どうしてもジュースを飲ませる場合も1日に125mlのパック1本までと決めました。6カ月後、フッ素を塗ってもらうため、再度歯科健診に行った際には、虫歯ゼロをキープ! 「お母さん、頑張ってますね。キレイに磨けていますよ」と褒められました。 3歳になった今でも、娘は麦茶を飲みません。水もまったくといっていいほど飲みません。水分は主に牛乳です。歯科健診でジュースよりは牛乳のほうがいいとは言われましたが、牛乳も糖分があるので、たくさん飲ませるとしたらやはり水や麦茶に越したことはありません。飲ませなければ子どもはその味を知りません。できるだけ大きくなるまで、ジュースの味を覚えさせず、水や麦茶を飲ませてあげるべきだったと感じています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年11月15日現在、やんちゃな5歳と2歳の男の子を育てています。長男がまだ1歳のとき虫歯になったのですが、歯科でエナメル形成不全と診断されました。結果、長男は3歳まで治療により前歯が真っ黒の状態で過ごすことになってしまったのです。一生懸命歯磨きをしていたのに低年齢で虫歯にしてしまい、後悔したエピソードや治療の様子もお伝えします。 長男が1歳で虫歯と診断長男が1歳のとき、市役所でおこなっている任意の歯科健診に行きました。前歯が以前よりも若干、短くなったような気がして心配だったのです。ただ、歯磨きは念入りにおこなっていたので「まさか、虫歯じゃないよね」と楽観的に考えていました。しかし、歯医者さんに診てもらった直後、「これはちょっと……」とつぶやかれ、前歯が虫歯になっていると伝えられたのです。短くなったように見えたのは、虫歯が原因で先端が溶けてしまっていたのが原因でした。早急に歯医者に通ってください、と言われました。歯磨きだけでなく、お菓子やジュースも与えずに気を付けていた私は、ショックで頭が真っ白に……。 歯医者で「エナメル形成不全」と診断その後、すぐに歯医者に行きました。そこでもう1度診察を受けると、「エナメル形成不全ですね」と診断されたのです。エナメル形成不全の子どもは生まれつき歯のエナメル質が弱く、そのため虫歯になりやすいとのこと。私がもっと気を付けて歯の生え始めに歯医者に連れて行っていれば、虫歯を防げたのかもしれない……と、とても後悔しました。また、前歯がちょっと短くなったような……と違和感を覚えていたにも関わらず、診察が遅れてしまったことも反省するしかありませんでした。 進行を止める薬を塗って前歯が真っ黒に長男はまだ1歳できちんとした治療ができず、歯医者さんと相談してサホライドという虫歯の進行を止める薬を塗ることになりました。結果、長男の前歯は虫歯の箇所が黒くなってしまうことに……。口を閉じているとわからないのですが、笑うと黒い前歯が見えるため、最初はとても気になってしまいました。初対面のママさんにも、聞かれてもいないのに「この子は歯が弱くて虫歯になって~」と説明していたほどです。しかし歯医者さんは診察のたびに落ち込む私に、「母親がどんなに気を付けていても歯の弱い子は仕方ないよ」と慰めてくれました。一番心強かったのは、「幸いまだ乳歯だから、いくらでも取り返しがきくからね」と励ましてもらったことです。 その後、長男は3歳になって歯を削る治療をおこないました。歯は見た目も白くなり、幸いにも他の歯は虫歯になりませんでした。今回のことを機に、子どもの体に少しでも気になることがあれば、すぐにお医者さんに相談するべきだと痛感しました。その後生まれた次男も一緒に3カ月ごとに定期健診を受け、歯の状態を診てもらっています。1歳での虫歯はショックでしたが、歯の健康を考える良い機会だったと思えるようになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:竹内優実5歳と2歳の男児を育児中。時短と節約が大好きなアラフォー母。簿記2級・MOSマスター・初級シスアド取得。パソコンを活かした育児グッズの作成が得意。夫は激務の為、ほぼ一人育児中。
2019年10月28日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、歯磨き後のごほうびでカンタンに虫歯予防ができる商品の紹介です! 子どもの歯が生えてくると気になるのが虫歯予防。歯磨きはもちろん大事ですが、それにプラスαでママがラクに取り入れられる虫歯予防があるのを知っていますか? 今回は、子どもも喜んでごほうび感覚で始められる「テテオ おいしく、たのしく、続けられる! 口内バランスタブレット キシリトール×オボプロンDC」をご紹介します! オボプロンDCとキシリトールが配合されたタブレット「テテオ おいしく、たのしく、続けられる! 口内バランスタブレット キシリトール×オボプロンDC」は、虫歯の原因となるミュータンス菌にアプローチするオボプロンDCとキシリトールが配合されたタブレット。 食後のおやつや歯磨き後のごほうびにもいいですね。 オボプロンDCは、プラーク(歯垢)にアプローチし、健康な口内環境づくりをサポートする成分。安心安全に食べられる卵由来成分なので、口内ケアに理想的な食品素材だといいます。また、よく知られているキシリトールには「むし歯の発生や進行を防ぐ」という特徴的な効果があります。 虫歯になりやすい時期に要注意!乳歯期で虫歯になりやすい時期を「感染の窓(※2)」と言い、 奥歯がはえ始めるころから始まります。この時期は、ミュータンスレンサ球菌の歯への定着が集中する時期であり、平均して約2歳でミュータンスレンサ球菌の定着が集中することがわかっているそうです。 この時期は特にイヤイヤ期と重なって、多くのママが「歯磨きを嫌がる」ということで悩んでいると思います。だからと言って、歯磨きをおろそかにすることもできず、毎日つらい思いをしているママも多いはず。そんなときに、歯磨き習慣のサポートとして「テテオ おいしく、たのしく、続けられる! 口内バランスタブレット キシリトール×オボプロンDC」を取り入れてみてもいいですね。 (※2)出典:ヘルスケア歯科研究会誌 「ミュータンスレンサ球菌の感染の窓」より 8種類の味から選べて楽しい!すでに発売している6つの味もパッケージをリニューアル! さらに、かんじゅくピーチ味とさわやかレモン味の2つが新製品として登場しました。タブレットは気管をふさぎにくい穴あき型になっていますが、まだ上手に食べられないときは小さく割ってあげてくださいね。 赤ちゃん時期の歯磨きは、まずは楽しい雰囲気づくりが大切。「歯磨き上手にできたよ!」のごほうびとして、虫歯を作らない甘味料であるキシリトール配合のタブレットでホメホメ育児を始めてみるのもいいですね。 著者:ライター サトウヨシコ大学卒業後、大手食品会社に勤務。未経験から編集者を目指し転職。その後、結婚と出産を経て妊娠・育児雑誌のディレクターに。WEBメディアの新規事業立ち上げをし、2017年に株式会社フラミンゴミンゴを設立し、現在は数々のメディアに携わっている。
2019年08月27日よく「親に虫歯があると、子どもにうつる。だから同じスプーンやフォークを使ってはいけない」という話を耳にしますが、これって本当なのでしょうか。何を隠そう、虫歯の多い私。虫歯のせいで奥歯まわりがほとんど銀歯なので、大きく口を開けて笑うのが恥ずかしかったリします。大人になってからメンテナンスにいくようになりましたが、こんな苦労や恥ずかしい思いを子どもにさせたくないもの…。私と同じように感じているママやパパも少なくないのではないでしょうか?小児科医であり、お茶の水女子大学名誉教授の榊原先生に、今回は「子どもの口まわり」にまつわる不思議について教えてもらいました!お話をうかがったのは…医師・お茶の水女子大学名誉教授榊原洋一先生お茶の水女子大学人間発達教育研究センター教授。東京大学医学部卒業。専門は小児科学、小児神経学、発達神経学など。小児科医として発達障害児の治療にかかわる。著書は『大人が知らない子どもの体の不思議』(講談社)など多数。■親が虫歯…子どもにも感染するって本当?――先生、今日は子どもの「口まわり」の疑問について教えてください。私は自分のスプーンを子どもの口に「あ~ん」したり、熱い料理を冷ますためにふ~ふ~してあげたりしていました。でも「親に虫歯があると、子どもにうつる」と聞いて反省…。でもこれって本当なんでしょうか?榊原洋一先生(以下、榊原先生):正確にいうと「虫歯になる」のではなく、虫歯の元になるミュータンス菌という細菌が子どもに移動してしまう、ということになりますね。――ミュータンス菌…?榊原先生:はい。口の中には普段から数多くの細菌が存在しています。数百種類はいますね。その細菌のひとつがミュータンス菌です。虫歯の元になる菌といわれていますが、口の中が健康であれば“悪さ”をすることはありません。口の中の環境が悪化することで、病原菌となって虫歯を発生させるんです。――うわあ…、そうなんですね…。もし自分が虫歯じゃないとしても、虫歯の元になる菌は移動させたくないですね…。あれ、でもミュータンス菌はそもそもどこからきてるんでしょう? 大人になると自然と発生する菌なんでしょうか?榊原先生:ミュータンス菌は自然発生するものではありません。人を介してうつるものです。――え…! じゃあ今、私の口の中にいるであろうミュータンス菌も親や誰かの口からうつった菌だということですか?榊原先生:そうなります。同じ食器を使うだけではなく、同じ歯ブラシで歯を磨いてもうつります。お母さんのつばが赤ちゃんに飛んだり、口元をふれた手で赤ちゃんの口元をさわったりすることでもうつりますよ。――そんなささいなことでもうつるんですか…!榊原先生:はい。だから、どんなに気をつけても「いつかはうつってしまうもの」といえるでしょう。でもなるべく菌がうつる時期を遅らせること。それが子どもを虫歯にさせないためには大事です。――同じ食器を使わない、同じ歯ブラシを使わないといったこと以外にできることはありますか?榊原先生:子どもの歯をきちんと磨いてあげることですね。もちろん自分でできるようになっても、しっかり磨かせることです。それから当たり前ですが、接する人が虫歯にならないようにしましょう。うつした人がすでに虫歯の状態だと、病原菌がそのまま子どもの口にうつってしまうからです。――で、ですね…。私もこれ以上、虫歯を増やさないために気をつけなければ…!榊原先生:それから子どもと接するときにはできるだけ手洗いをする、というのも効果的です。できることはたくさんあるので、意識していきましょう。■赤ちゃんの口「どうしてくさくないの?」――先生、口まわりに関することでいうと、前から不思議だったことがあります。それは「赤ちゃんの口はくさくない」ということです。大人って朝起きたときとか、すごいくさいじゃないですか…(焦)。でも寝起きの赤ちゃんは口がくさくない…! そもそも、くさいときがない、というか。歯がないからかな~と思っていたんですが、どうしてなんでしょう。榊原先生:そうですね。これは先ほどもお話した、口の中の細菌が関係しています。――細菌ですか?榊原先生:赤ちゃんは、無菌の状態で生まれてきます。生まれてからもしばらくは、口にするものが母乳やミルクだけなので、菌が増えてもほんの少し。数百種類の菌が常に口の中にいる大人と比べれば、まだまだ少ない状態なんですね。菌が増えると、においも増えます。ですから、まだ菌の少ない赤ちゃんからは「くさい」と感じられるようなにおいがしないのではないでしょうか。――つまり、菌の種類が増えていくことでにおいが発生していく…?榊原先生:そうです。もちろんにんにくを食べると口臭がきつくなるなど、食べものそのものの影響もあります。でも赤ちゃんの口がくさくないのは、そもそもにおいを発生させる菌が少ないから、といえるでしょう。――では、離乳食などいろいろなものを食べるようになるとどうなるのでしょう?榊原先生:少しずつ、においが出てくると思いますよ。食べ物を食べることでもそうですし、その食べ物を分解するために新たな菌も増えていきますからね。――口がくさくないのは、赤ちゃんのうちだけなんですね。■赤ちゃんのよだれ「どうしてたくさんよだれが出るの?」――先生、もうひとつお聞きしたいのが「よだれかけ」というものがあるくらい、赤ちゃんはたくさんよだれを出しますよね。どうしてあんなにたくさんよだれが出るのでしょうか?榊原先生:これは、子どもだけがたくさん出ているわけではないんです。体格に差はありますが、基本的には大人も子どもも唾液腺の働きに差はないので、同じように出ているんです。――え! 大人も赤ちゃんのように、たくさん唾液を出しているんですか?榊原先生:出しています。例えば体重50kgの大人が1日に出している唾液量は1~1.5Lといわれています。――1~1.5L! 1日に飲んだほうがいいといわれる水分量とほぼ同じですね…!榊原先生:どうして赤ちゃんは、たくさんよだれを出しているように見えるのか。それは大人はよだれが出ていると恥ずかしくて、飲み込むからです。 ――飲み込む…(ごくり)。榊原先生:大人はよだれが出ていると「恥ずかしい」という感覚がありますよね。だから出そうと思ったら無意識に飲み込んでいます。もし口から出てしまったときも急いで拭き取りますよね。でも、赤ちゃんはよだれが出ていることを気にしません。口元もゆるみやすいので、だらだらと出てしまう。ただそれだけのことなんです。これは汗についても同じことがいえます。大人は拭き取るけれど、子どもは汗をかきっぱなしですよね。――なるほど。気にしているか、気にしてないかの違いなんですね。 榊原先生: たまに電車の中で寝ていて、口からよだれがだら~っと出ている人をみかけますね。寝ているから、出ていることに気付いていない。唾液は自動的に出てくるものなので、たれてしまうのは自然なことです。大人も子どもも同じなんですね。「親に虫歯がなくても、虫歯の元になる菌はうつる」と考えると、食器を分けたり、手を洗うといった日々の管理がすごく大切だと感じました。また赤ちゃんの口がくさくないのは菌が少ないから…という事実にも納得。口臭がほとんどないのは赤ちゃん時代のほんのひとときと考えると、生後数カ月の期間が貴重に思えてくるかもしれませんね。次回は 「男の子、女の子にまつわる不思議」 についてお話をうかがいます。お楽しみに!参考図書: 『大人が知らない子どもの体の不思議』 (講談社)榊原洋一著子どもと大人はどう違うのか。それは単に大きさだけの違いではありません。どうして夜泣きをするの? どうして寝相が悪いの? どうして落ち着きがないの? 子育て中に親が抱く「答えが見つかりにくい質問」にエビデンスの精神で解答することを試みました。子どもの心と体の不思議を理解する、手助けとなる一冊。
2019年06月04日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。 母乳をあげていると、虫歯になりやすいといわれていますが、本当でしょうか?歯が生えてきても、安心して母乳育児が続けられるように、ラクに虫歯予防できる方法をお話しします。 母乳は虫歯の原因になる?母乳相談の中に、お子さんに虫歯ができて、母乳のせいだからと歯科医に断乳をすすめられたというお話がありました。母乳が虫歯の原因なのでしょうか? 実は、母乳に含まれている乳糖からは、虫歯の原因となる酸は生成しないといわれています。 しかし、離乳食が始まり、食物の残りカスなどに母乳の乳糖が混じると、急に虫歯のリスクが上がってきます。母乳だけでは、0.01%だった虫歯のリスクが、食物の糖分(しょ糖)が加わると、1.3%になったという研究データがあります。特に睡眠中に、口腔内は虫歯になりやすい環境になるため、寝る前はしっかり食物のカスを残さないようにしてから授乳することが大切です。 虫歯になりにくいお口の環境をつくろう・普段からの甘いものに気をつけよう 市販のお菓子やジュースなどは、赤ちゃん用であっても砂糖の入っているものが多くあります。しかし、おやつ(間食)はお子さんの楽しみだったり、栄養の補足のためには必要なことも。市販のお菓子やジュースを与える場合は、砂糖不使用のものや、できるだけ糖分の少ないものを選ぶようにしましょう。 ・歯に食べカスを残さないように食事やおやつ(間食)の最後にお茶や白湯を飲んで洗い流すようにしましょう ・ずっと食べ続けない口の中のPHは、食事が始まると食べ物に含まれるしょ糖によって酸性に傾き、虫歯になりやすい環境になります。そして、食事の時間の合間に修復されます。食事やおやつ(間食)は時間を決めてダラダラと食べないようにすることが大切です。 効率的な歯みがきで時短テクニック寝ている時間は唾液の分泌が減るため、口腔内が虫歯になりやすい環境になってしまいます。寝る前の歯みがきが1番重要で、1日1回、この時間の歯みがきだけでも十分とされています。 歯みがきを嫌がる赤ちゃんの場合、お互いに憂鬱な時間になってしまうこともあるかもしれませんが、虫歯のリスクが高い部位を知って効率的に歯磨きをしてあげましょう。 【虫歯のリスクの高い部位ランキング】1位…上の前歯 (上唇を持ち上げて表裏を横磨きしましょう)2位…上の奥歯のほっぺた側(指を入れて広げて横磨きしましょう)3位…下の奥歯の舌側 下の歯は最初に生えてくるので、ついつい先に磨きがちですが、唾液などで虫歯になりにくいので、最後にするようにしましょう。 歯医者さんにいって虫歯予防歯が一本でも生えてきたら、小児歯科のあるところで健診を受けてみましょう。お子さんの対応に慣れている医師や歯科衛生士が子どもの歯の健康をサポートしてくれます。 最初は泣いてしまう子も多いですが、お母さんと一緒だから大丈夫。口をあーんとあけることに慣れることも大切です。 歯医者さんを身近に感じることが虫歯予防のひとつになります。また、お子さんの個性や歯の生え方に合わせた歯みがきのアドバイスを受けたり、定期的にフッ素を塗ってもらうことで、歯も虫歯に強くなります。 母乳育児は、顎の発達を良好にし、歯並びを良くするといわれています。歯が生え始めても、離乳食が完了するまでは出来るだけ長く母乳育児は続けていくことが大切です。今回は、母乳育児の視点から虫歯予防のお話をしましたが、ミルクで育っているお子さんでも共通することです。お母さんやお父さんも一緒に虫歯予防をして、小さいころから習慣をつけるようにしましょう。※引用・参考文献母乳育児支援を学ぶ北関東教室2016 資料集青葉達夫「長期授乳のための歯・口腔の衛生について」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年06月03日わが家の長子の乳歯が初めて生えたのは、生後6カ月のとき。順調に生えてきていたのですが、母になって初めてのことでもあり、小さなことがとても気になっていました。そんなときに頼りになったのが、かかりつけの歯科医師です。歯が生え始めてから定期的に健診してもらうことで、安心につながりました。 よだれが少ないと虫歯になりやすい?わが子はよだれが少ない子で、スタイを1日に1回とりかえれば十分なくらいの量でした。 あるとき母との会話で、「よだれが多い子は虫歯になりにくい」という話題に。つまりよだれが少ないと虫歯になりやすいのかもしれないと心配になり、歯が生えてからすぐに歯科医院へ通うようになりました。そちらの歯科医師によると、よだれの量は関係なく、きちんとケアしてあげれば問題ないとのことで、安堵しました。 歯並びが悪い気がするだんだん歯が生えそろってくると、今度は歯並びが気になり始めました。どうも歯と歯の間が開きすぎているような気がしたのです。時々指しゃぶりをしていることも、出っ歯になってしまうのではないかとハラハラしました。 そこで定期健診の際、歯科医師に相談すると、「乳歯は小さいからこのくらいなら通常の範囲内」とのことでホッとしました。指しゃぶりに関しても、「時々」程度ならそこまで気にしなくても大丈夫と言われました。 歯が黄色い気がする次に気になったのは、前歯が黄色すぎるということです。ほかの歯に比べて前歯の2本の色が際立って黄色いのです。歯磨きはちゃんとしているのに……もしかして虫歯の兆候? と心配になり、やはりこのときも相談へ行きました。 すると、「着色は虫歯とは関係ない」とはっきり言ってもらえて安心しました。食べ物によっては、色が残ってしまうことがあるのだそう。わが子の前歯も、そのうちにほかの歯と同じくらいの色に戻りました。 初めての子どものことでもあり、また自分に虫歯が多くてつらい思いをしたので、わが子にはそんな思いをしてほしくないという気持ちから、細かいことが気になってしまっていました。早いうちから相談できるかかりつけ医がいたことで、小学生になった今も虫歯ゼロで過ごせています。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 銀鏡あゆみ二児の母。生まれ育った町で、自身の父母・祖母・夫・子ども2人との大家族で暮らす。地元を中心に取材・撮影・執筆を行うライター。
2019年04月22日去年の今頃、定期健診気分で行った歯医者さんで娘の虫歯が発見されました。そのときの話は 「子どもの虫歯にショック! 歯医者さんに聞いた『虫歯になりにくい食べ方』 をお読みください。奥歯とその前の歯の間が虫歯になっていたので処置、フッ素塗布をしてもらい、その後は定期健診にも一度行きました。前回先生に教えてもらったように、飲食の時間も考えるようにし、上手な仕上げ磨きも教えてもらい、さらに定期的に診ていただいているので、「まぁ、めったなことでは虫歯にならないだろう…」そうたかをくくっていたときのことです。■いや、まさか!? 奥歯にあやしい小さな点を発見…そう、この日は連休明けで、連休中は3日間とも夫が仕上げ磨きを担当していたのです。ショックのあまり、せっかく仕上げ磨きをしてくれたのも忘れて、夫を疑う方向に向かっていく2人…■怒りフツフツ…夫への恨みモード全開にこのときは、完全に夫を恨んでいました。「歯は一生もんやから大事にせんとな!」そう子どもに言っていたのに…。夫自身も虫歯で苦労していたから、「虫歯になったらパパみたいにキャラメル食べたら詰め物とれたり、いろいろ大変なんやで。だから、娘も息子もそうならんように、しっかり歯磨きしような!」そう爽やかに子どもを諭す夫の顔を想像して、イライラしてきました。そして、おなかの底からフツフツと怒りが湧いてくるのを感じたのです。■まさかの気泡!? 意外な診断結果に拍子抜け翌日、歯医者の予約をとり、数日後に歯を見てもらいに行きました。「先生…ここ、もしかして…」そう言ってみてもらうと…拍子抜けしてしまいました。ホッとしたと同時に、「夫よ、疑ってごめんよ…」と申し訳ない気持ちになりました。よかったよかった、虫歯じゃなくて本当に良かった。問題だった点の部分は、一度詰め物を削り、再度詰めなおしてもらうことで一件落着。一度削ると、こういう問題も出てくることを考えると、やっぱり虫歯にならないに越したことはないとあらためて思いました。■先生がすすめてくれた虫歯予防「シーラント」先生によると、シーラントは、虫歯予防であって、もうできている虫歯には処置できないとのことでした。また、乳歯にも永久歯にも有効で、娘は次の手順でシーラントを行ってもらいました。1. まずは溝の空間を感知する機械で、隠れ虫歯がないかを確認2. 問題がなければ、歯の表面をきれいにし、菌を除去する薬を塗る3. 最後にフッ素入りの樹脂で、溝を覆うことで処置完了シーラントの見た目は歯よりも少し白いくらいの樹脂製で、虫歯治療で使う詰め物と似ています。ただ、詰め物と同じで、自然に取れてしまうことがあるため、「定期的に歯医者に通ってほしい」と言われました。「悪くなってもいない部分を処置するの!?」と、正直少し抵抗がありましたが、元の歯を削るわけではないということと、実体験からも溝から虫歯ができやすいのはわかっていたため、今回シーラントをお願いすることに。一緒に来ていた息子も、定期健診がてらシーラントをしてもらいました。ただ、一度に全部しようとすると時間がかかってしまい機嫌がもたなくなるので2回(右・左)に分けて処置することに…。処置をして1ヶ月…やってよかったとあらためて思っています。これまで奥歯の溝が深く細かく、仕上げ磨きが大変でしたが、ある程度平坦(へいたん)になるのですごく磨きやすくなりました。私が子どもの頃はこういったものはなかったのですが、もしその当時にあったなら、やりたかったなぁ…と、奥歯の溝に虫歯のある私はつくづく思いました。ただ、シーラントはあくまで溝を覆うだけであって過信しすぎは禁物です。また、シーラントは歯の間は処置できませんし、歯と歯の間や奥歯は相変わらず虫歯になりやすい場所なので、これからも気を抜かず仕上げ磨きに励もうと思います。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2019年01月18日歯の健康は、全身の健康に影響を与えるものとされています。最近では予防歯科に対しても意識の高い親が増えてきています。そこで、子どもの虫歯について調査してみました。自分は虫歯で苦労したからこそ、子どもには同じ思いをさせたくないという親が多くいました。Q.お子さんが初めて虫歯になったのは何歳の時でしたか?1.3歳になる前 13.6%2.3〜7歳頃 39.9%3.7〜12歳 13.3%4.12歳以降 1.7%5.なったことがない 30.8%6.その他 0.7%初めて虫歯になったのは3~7歳頃という回答が最も多く、次に多いのが虫歯になったことがないという回答でした。なったことがないという親はやはり虫歯予防ケアをしていたようです。どんなことをしていたのか、体験談を聞いてみましょう。■虫歯を見つけてしまったときの後悔や反省親なら誰でも自分の子どもの歯を虫歯にさせたくないと思っています。それでも虫歯ができてしまうと、まずは自分を責めたり後悔することが多いみたい。やはり、毎日の仕上げ磨きは基本ですね。小学生になったからといって、子ども任せにするのは禁物!「ある日なんか歯に穴が空いていると子どもが一言。毎日仕上げ磨きしていたけど、穴なんかあったっけと思いながら見てみると大きな穴が…。慌てて歯医者さんへ行くと、子どもの歯は柔らかいからあっという間に大きな穴になるとのこと。無事治療できましたが、驚きました」(滋賀県 30代女性)「小2で虫歯。仕上げ磨きの手を抜き出したら発生しました。私のせいだ〜とショック」(神奈川県 40代女性)「小学校1年生のときには虫歯になっていました。仕上げ磨きをしてあげていなかったことと、定期的なケアができていなかったことが原因だと反省しています」(茨城県 30代女性)「離乳食が終わって、甘いものを食べるようになってから、歯が茶色っぽくなっていると気づき、すぐに歯医者へ。虫歯が見つかりました! フッ素も定期的に塗っていなかったから後悔しました。今はフッ素だけでなく、歯磨き粉も歯医者さん推薦のものに変えました」(宮城県 20代女性)「小学1年生です。歯磨きも仕上げ磨きも頑張ってやっていますが、学校から検診結果で虫歯がありますとプリントをもらってきたので、初めて歯医者に行きました。歯磨きが適当な兄は今まで虫歯ゼロ。不思議です」(千葉県 30代女性)■虫歯ゼロの親たちは小さな頃から歯科検診を受けていた!仕上げ磨きも大事ですが、それと同じくらい大事なことが定期的に歯科検診に行くことかもしれません。小さいころから、虫歯になっていなくても歯医者さんへ行く習慣のある子どもは虫歯が少ないようです。虫歯にさせたくなかったら、まずはかかりつけの歯医者さんを見つけることから始めましょう。「3人子どもがいますが、虫歯になったことはありません。食生活は気にしたことはありませんが、1日1回寝る前の仕上げ磨きだけは、永久歯が生えそろうまでフロスなども併用して続けました。あとは、半年に1回の歯科検診。真っ白な歯が羨ましいくらいです」(神奈川県 40代女性)「小1ですが虫歯はありません。給食の後に歯磨きもあるし、夜は歯の汚れを染めるものを使って徹底的に磨きます。このまま頑張りたいな」(神奈川県 40代女性)「小6、小4、小2、年長の4人がいますが、虫歯はありません。チョコも大好きですが、毎晩の仕上げ磨きと年3回の定期検診がよかったみたい。6年生の子どもは先日、市のよい歯コンクールで学校代表に選ばれました」(三重県 40代女性)「虫歯ゼロです。小さい頃から定期検診とフッ素塗布をしてもらっているからかな。小5になったいまでも、年3回は診てもらっています。自分自身が虫歯体質でなんとかしたくて!」(滋賀県 30代女性)「うちの娘は歯が生え始めたときにフッ素をつけ始めたので、今13歳ですが、虫歯は1本もありません」(静岡県 40代男性)■夜中の授乳や親とのチューに要注意!?あとは、大人からの口移しや同じ箸で食べさせたり、キスをすることで虫歯菌が子どもにうつるというのはよく言われていること。一生の虫歯リスクが幼児期に決まるそうなので、できるだけ、虫歯菌が感染しないように気を付けてあげたいですね。「3歳まで母乳を飲んでいた娘。寝ながらおしゃぶりがわりにおっぱいをくわえていたせいか、3歳前に虫歯ができてしましました。歯磨きは頑張っていましたが、磨いたあとにおっぱい飲んでいたら意味がなかったです」(福島県 40代女性)「子どもが生まれたときに、看護士さんから、赤ちゃんの口の中は無菌なので、大人とは箸やコップを一緒にしないことと、チューしないようにしたら虫歯になりにくくなるよと教わり、その通りに実行! 二人ともまったく虫歯ないです! やっぱり初めが肝心ですね」(神奈川県 40代女性)Q.お子さんが初めて虫歯になったのは何歳の時でしたか?アンケート回答数:5213件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年08月02日市の歯科検診や、幼稚園の歯科検査では、毎回「問題なし」のハンコをもらってくる娘。まぁまだ5歳だし、ちゃんと毎日念入りに歯磨きしているから大丈夫よね、とたかをくくっていました。そんな時、幼稚園のお友達が歯の痛みを訴えたので歯医者デビューするというお話をききました。結果虫歯ではなく、歯磨き指導と家庭ではできない高濃度のフッ素を塗布してもらったという話をきき、歯は一生ものだし、うちもしてほしいなと思い、この度はじめての歯医者さんに行ってきたのですが…。自信満々で行った歯医者さん…結果はクロでした…(衝撃の事実)。健診などで問題なしと言われているからといって余裕をかましていましたが、一度歯医者さんに診てもらうと安心です。虫歯がなければ問題なしですし、もしあれば治療するのは少しでも早いに越したことはありません。また、さまざまな媒体によって子どもたちには「歯医者さんは怖いもの」というイメージが植え付けられていることもあると思います。うちの場合もそうで、はじめは行くのをすごくためらっていました。が、小児歯科だったということもあり、あちらも「歯医者さんを嫌がる子ども」の扱いにも慣れており、最初に検査や治療に使う道具をひとつひとつ手に触らせたりして、どのように動いてどのような働きをするのかをくわしく教えてくださったおかげで、恐怖感を抱かずに治療することができました。治療が最後まで終わった後には、家庭用のジェルなどよりも高濃度のフッ素を電気で歯に染み込ませる処置を行い(こちらは実費ですが、行った院では、1,000円でしていただけました)、次は3か月ごとの定期健診に来てくださいね、ということになりました。そして、もう虫歯にならないように、メリハリをつけた飲食を心がけようと思いました。
2018年02月02日小学校入学前後に子どもの歯は生え替わり始めます。歯が抜けた後は永久歯が生えますが、永久歯が育っているか、また生えた永久歯が虫歯になっていないかの確認をすることが、大事な永久歯の虫歯予防となります。生え替わり時期に気を付けるべきことについてまとめました。生え替わり期の受診が必要な理由乳歯は20本、親知らずを除く永久歯は28本あります。生え替わりは小学校入学前後から始まりますが、全てが替わるまでにはおおむね12歳くらいまでかかります。永久歯の数が生まれつき少ない「先天性欠如」や、あごの中で十分に育たずに生えてくる「形成不全」が、どちらも子どもの10%前後に見られます。さらに、通常より歯の多い「過剰歯」のケースもあり、歯並びや歯の育成に関わってきます。発生する原因は分かっていませんが、こういったことは見た目では分かりません。発育状況を確認するために、生え替わり時期には歯科を受診することが大切になります。生え替わり期の手入れのポイント生えたばかりの永久歯は未成熟で抵抗力が弱く、虫歯になりやすいです。永久歯が成熟するまでには3年程度かかると言われます。成熟するまでの期間は、大人が仕上げ磨きをしっかり行うことがとても重要です。仕上げ磨きをの方法は、膝の上に子どもの頭を乗せ、仰向けに寝かせます。鉛筆のように歯ブラシを持ち、シャッシャッと音がなる程度の軽い力で磨きましょう。虫歯になりやすい前歯の横の第1臼歯は特に念入りに行います。口の横から歯ブラシを入れて小刻みに動かすのがコツです。奥歯は生えたことに気付かないことも多いですが、下の前歯が向けたら奥歯も生え始めるサインと考え意識して見てみましょう。仕上げ磨きをのポイントは、・リビングなどの明るい場所で行う・磨いている間は呼吸しづらいので、短い休憩を何度か挟む・歯間の歯垢はデンタルフロスを使って取る間食は虫歯の最大の要因ですので、食べさせる場合は回数を決めだらだら食べさせないことです。乳歯の虫歯は放置せず、治療した上で歯磨き習慣をつけましょう。歯ブラシと歯磨き粉について生え替わり期の歯の高さは異なり歯並びがデコボコしているため、磨き残しが増えます。奥歯まで届く長さで、ヘッドの小さい子ども用歯ブラシを選びましょう。表示は「6~12歳」「生え替わり期用」などと書いてあるものが目安です。毛先が開いたり毛のコシがなくなったりした歯ブラシで磨いても効果がありません。使用して1ヶ月程度を目安に交換しましょう。歯磨き粉はフッ素配合のものが虫歯予防に有効です。歯磨き後に口をすすぎ過ぎるとフッ素の効果が薄れてしまうため、多めの水で1回程度で済ませるようにしましょう。今は歯科医がコンビニより多いと言われるほど、街のあちこちにありますね。昔は歯科医には歯が痛くなったら、虫歯になったら行くというイメージでしたが、今は予防や矯正などで定期的に通う方がほとんどです。歯の健康はとても大切です。子どもの内から歯を磨く習慣と歯科医に通う習慣をつけ、きれいな歯を保ちたいですね。
2017年10月05日赤ちゃんの乳歯が生えてきたら、考えたいのが虫歯のこと。体の健康のためにも歯はとても大切です。できるだけ虫歯ができないように気をつけてあげたいですよね。■家族から虫歯菌をうつさない唾液から虫歯の原因菌がうつる、ということは、現在では広く知られています。生まれたての赤ちゃんの口の中には、もともと虫歯菌は存在しません。感染ルートはほとんどの場合、パパやママなどの家族からです。そのため、スプーンや箸の共用は避ける、赤ちゃんの口にキスはしない、など、虫歯の感染リスクをおさえる努力をしているママも多いはず。そのほか、食事のときにフーフー息を吹いて冷ますのも、赤ちゃんの食事や口の中に唾液が飛んでしまう恐れがあります。とくに乳歯が生えてから2歳半くらいまでは虫歯の原因菌がうつりやすいといわれているので、気をつけるようにしたいですね。■赤ちゃんを歯磨きに慣れさせるには赤ちゃんに乳歯が生えてきたら、歯のお手入れをスタート。はじめのうちはガーゼで歯の表面を拭いたり、授乳後に湯冷ましを飲ませたりすればOKです。この頃から赤ちゃん用のゴム素材の歯ブラシを持たせて、口の中にものが入ることに慣れさせるのもおすすめです。上下の前歯が2本ずつ生えてくる頃からは、ママが仕上げ磨きをしてあげましょう。口元を触られることに慣れていると、子どもも歯磨きを嫌がりにくくなります。普段から子どもの口元を優しく触るように心がけるとよいですね。 ■夜中の授乳が虫歯の原因に!?ママのなかには「夜は授乳しながら寝かしつけている」という人も多いはず。また、夜泣きをしたときも、授乳をすればグズらずに寝てくれるケースがよくあります。でも、離乳食が進む1歳頃からは、夜中の授乳が虫歯リスクを高めてしまう可能性も。眠っている間は唾液の分泌が少なくなるため、とくに上の前歯に、母乳やミルクが残ってしまうことが多いのです。母乳やミルクの糖分は、それだけでは虫歯の原因になりにくいものです。ただし、口の中に食べかすなどが残った状態では、虫歯の危険がぐんとアップ。夜寝る前には、食べかすを残さないように、きちんと歯磨きをしてあげることが大切です。虫歯が気になる場合は、授乳の後に水やお茶を飲ませたり、ガーゼで歯を拭いたりしてあげるとベスト。子どもの成長とともに、できれば夜中は授乳ではなく、水やお茶にシフトしていけるとよいですね。■歯並びも虫歯の原因になる!?歯並びが凸凹だと磨き残しの原因になり、食べかすが詰まりやすくなってしまうこともあります。乳歯が生えそろって、出っ歯や受け口、歯並びの凸凹が気になったら、矯正治療を検討してもよいかもしれません。また、永久歯は乳歯より大きいため、乳歯の段階ですきまなくキレイに生えそろっている場合、将来的に永久歯が顎に入りきらず凸凹になってしまう可能性も。噛み合わせの悪さは、見た目や顎の成長に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。小児矯正は顎の成長を利用して治療が行えることも多いので、子どもの歯並びが気になったら、まずは矯正歯科医に相談してみてくださいね。
2016年12月06日【ママからのご相談】わが子は虫歯が多いです。甘いおやつばかりだと心配なので、たまには甘くないおやつも手作りしてあげたいのですが、手軽に作れる甘くないおやつのアイデアがあれば教えていただけますでしょうか。●A. 信州の健康おやつ、「おやき」の魅力をご紹介します。こんにちは、歯科衛生士の鈴木ハナコです。虫歯の原因はさまざまですが、実は味の好みも虫歯を増やす原因の一つになりえます。子どものおやつを甘いものばかりにならないように工夫するのも立派な虫歯対策です。「でも、甘くないおやつのレパートリーはあまり多くないな」と思うママにもオススメなのが、簡単に作れる“甘くないおやつ”、長野県のソウルフード『おやき』です。●不思議なお茶のみ文化信州には農作業の合間を縫って、お茶を飲みながら休憩する習慣があります。1日に2回、だいたい10時と3時に緑茶を入れて、みんなでひと休みします。ここで注目したいのはそのお茶うけ!お茶うけというと普通は和菓子など少し甘めのものを想像される方がほとんどだと思いますが、信州では漬け物を中心とした甘くないお茶うけがずらりと並びます 。漬け物や煮豆、自家製果物のシロップ付け、そして、おやき!その様子はさながら軽食のよう。どれもおいしくて、体にもいいものがずらり。このお茶の習慣は近年、健康習慣としても注目されはじめています。●信州のお茶うけの定番、おやき数々のお茶うけの中でも特に注目したいのはおやき。おやきとは野菜を中心とした具を小麦粉の皮で包んだおまんじゅうのようなもの。中の具は野沢菜だったり、カボチャだったりきんぴらだったり、切り干し大根だったりと本当にさまざま。余ったおかずを手軽におやつに変身させることができます 。強力粉と薄力粉を1:1で混ぜたものに熱湯を加えてまぜ、まとまるようになったら耳たぶくらいの固さに手でこねます。1時間ほど寝かせたあと具を包んでフライパンで焼き付け、最後は水を入れて蒸し焼きに、水分が飛んだら完成という本当に簡単なレシピ。各家庭や地域でも作り方が全然違うので、特にこれと言った決まりもありません。ただ、中に入れる具は少し濃いめの味付けのほうが皮に良く合うので、余ったおかずに火を入れ直して少し水分をとばしてから包むのがオススメです。冷蔵庫の常備菜としても活躍するきんぴらやカボチャの煮物なども、おやきにすれば簡単におやつに変身します!ぜひお試しくださいね。【参考文献】・『おばあちゃんのお茶うけ―信州の漬物・おやつ・郷土料理240品』吉田文子・著・『信州おばあちゃんのおいしいお茶うけ:漬け物から干し菓子まで、信州全土の保存食110品』大平一枝・著●ライター/鈴木ハナコ(歯科衛生士)
2016年06月03日歯が少し痛くても、子育てや仕事に忙しくて歯科医院に行く時間がない。そんなママたちも多いのではないでしょうか。虫歯を放置しておくと、どんどん悪化して死に至ることも。最悪の事態を未然に防ぐために、歯科医院でおこなう、虫歯を根本から治療する根管治療について紹介します。放置した虫歯が大変なことに虫歯は何も治療しなければ歯の深部まで進行し、歯髄(しずい)という神経に到達します。こうなると鎮静剤も効かず、歩くだけで鈍痛を感じるなど、日常生活に支障が出るほどの痛みに苦しむことになるのです。さらに虫歯が進行すると歯髄が腐って死に、歯茎が腫れて白いできものができます。これは歯根嚢胞(しこんのうほう)という、歯の根っこの先にできる膿の袋です。歯茎だけでなく首や顔全体が腫れあがって、激しい痛みのため食事や睡眠がとれなくなることがあります。蜂窩織炎(ほうかしきえん)という命にかかわる病気になることもあるので、たかが虫歯と思っては危険です。 歯科医院で、根本的に虫歯を治療歯科医院では、歯髄に達した虫歯や、細菌に感染して腫れた歯の治療をおこなっています。これを根管治療(こんかんちりょう)といいます。根管とは、歯の根っこにある管のことです。この治療によって炎症の原因をすべて取り除き、全身に影響が出るのを防ぎます。虫歯になった歯の寿命を守ることも可能です。根管治療の方法とは? 麻酔をして虫歯になった歯を削って、細菌によって変質、腐った歯髄や血管を、やすりのような道具で削りながら取り除きます。侵された組織が少しでも残っていると、何度も炎症が再発してしまいます。すべてを除去するために、熟練した医師の技術とマイクロスコープなどの精密機器が医院にあることが望ましいです。除去作業が終わったら洗浄をします。歯の空いた穴に隙間なく薬剤を詰めて、医療用の金属などでフタをして処置は終了。費用は治療法によりますが、1本1,500~3,000円ほどです。保険診療でできますが、無菌室を作るためのラバーダムという道具やマイクロスコープなどの精密機器の使用料は、保険の適用外で自費となります。歯に激しい痛みを感じたら、近所に根管治療に力を入れている歯科医院があるか調べてみましょう。ただし、根管治療が必要になる前に虫歯の治療を受けるのがベストです。虫歯で命を落とすことにならないように、歯に痛みを感じたら早めに歯医者に行くように時間をつくりましょう。
2016年05月03日【ママからのご相談】妊娠3か月のプレママです。最近つわりがひどくて、きちんと歯磨きができていません。虫歯以外にも、きちんと歯を磨かないと何かトラブルが起きますか?●A. 虫歯以外にも口臭や口内炎、歯周病のリスクも高まりますし、早産の危険性もあります。ご相談ありがとうございます。健康・美容ライターのMAKIです。つわりでつらい時期は食べたくても食べられませんし、歯ブラシを口に入れただけでも吐き気がしてしまう場合もありますからおつらいですよね。しかし、妊娠中でつわりのつらい時期とはいえ、やはりきちんと歯を磨かないとさまざまなトラブルが起こります。特に妊婦さんは、お腹の赤ちゃんに影響する場合もある のです。そこで今回は、妊娠中に起こる口腔内のトラブルについてご紹介します。●どんなものがある? 妊娠中に起こる口腔トラブルとは?妊娠中に起こる代表的な口腔トラブルには次のようなものがあります。・歯周病・虫歯・ドライマウス・口臭・歯肉炎・口内炎●なぜ? 妊娠中に口腔トラブルが増える理由妊婦さんは出産までに一度は歯科検診を受けるように推奨されており、各自治体から妊婦歯科検診が無料で受けられる受診券が配布されます。これは、妊娠中には口腔トラブルが起こりやすいと言われているためです。では、妊娠中に口腔トラブルが起こりやすいのはどうしてなのでしょうか。日本口腔保健協会によると、妊娠により増加する女性ホルモンにより、女性ホルモンを好む歯周病菌が繁殖しやすい状態 になるためとのことです。また、つわりで何度も吐くと、歯磨きをするタイミングを逃してしまいますし、食事が思うように取れないと唾液の分泌が低下し虫歯や口臭などの口腔トラブルが増えてしまうのです。ご紹介した虫歯や口臭といったトラブルは、妊婦さんでなくても歯磨きをきちんとしていない方にはよく起こるトラブルですが、特に妊婦さんが注意したいのが歯周病です。妊娠中に歯周病にかかっていると、早産や低出生体重児を出産する可能性が高くなる ことがすでに明らかにされています。日本の疫学調査では、歯周病でない妊婦と比べると約5倍も早産のリスクが高かったというデータもあります。●妊娠中の口腔トラブルを予防するには?妊娠中の口腔トラブルを予防するためのポイントは次の通りです。●(1)一日一回でもいいので時間をかけて丁寧に歯磨きをするつわりがひどく毎食後に歯磨きができない場合には、一日一回でいいので、体調のいいときにゆっくり丁寧に歯磨きしましょう。大きなヘッドの歯ブラシは避け、なるべく小さめのものを選ぶと吐き気を防ぐことができます 。●(2)一日三回歯磨きできないときは洗口液を利用する一日一回は歯ブラシでの歯磨きをしたら、他の二回は洗口液(マウスウォッシュ)を使ってうがいをするだけでも口の中の汚れを落としたり、細菌の繁殖をある程度抑えたりすることができます。●(3)妊娠中に一度は妊婦歯科検診を受ける歯科医師や歯科衛生士が、虫歯や歯の磨き残しのチェック・アドバイスをしてくれますので、つわりがつらい場合は、少し落ち着いた妊娠中期ごろ に妊婦歯科検診を受診ましょう。----------いかがでしたか。今回は、妊娠中に起こるさまざまな口腔トラブルについてご紹介しました。ママに虫歯があるとお子さんも虫歯になる確率が高くなるというデータもありますので、妊娠中も出産後も適切な口腔ケアを毎日行うことが大切です。【参考リンク】・女性のお口の健康 | 一般財団法人日本口腔保健協会()●ライター/MAKI(健康・美容ライター)
2016年04月08日【ママからのご相談】私も主人も虫歯が多くて困ったので、子どもは虫歯だらけにならないよう気をつけて育てたいと思っています。甘いものをあげないこと以外に気をつけることはありますか?●A. わが子を虫歯だらけにしないための4つのポイントをご紹介します。こんにちは、ご相談ありがとうございます。歯科衛生士の鈴木ハナコです。今回は現役の歯科医師や歯科衛生士へのインタビューを交えながら、「子どもだけは虫歯にならないようにしたい」というお気持ちに精一杯お応えしていきます!●知っておくべき、虫歯が増える4つの要素虫歯の原因は甘いものだけだと思っていませんか?もちろん甘い食べ物も虫歯の原因の1つではありますが、知っておくべき原因は、実は全部で4つあるんです!『虫歯の原因は歯科医療界においては糖・歯質・時間・菌の4つの輪 として提唱されています。これらの輪が重なり合う人ほど虫歯のリスクが上がります』(東京都/30代歯科医師)●(1)第一の輪『糖』虫歯の原因菌である『ミュータンス菌』 はお砂糖が大好き。特に白砂糖などの「ショ糖」と呼ばれる糖類には要注意 です。虫歯を増やさないためにはまず“お砂糖”を口にする頻度を減らすことが大切。チョコやクッキーなどの甘いお菓子をおやつにするよりは、お煎餅や焼き芋など昔ながらの素朴なおやつの方が圧倒的に虫歯リスクを減らすことができます。乳幼児期から与えるお菓子に気をつけることで、後々、虫歯リスクが上がるような甘いものを食べる習慣を防ぐことができるのです。『普段の診療では、「飴・チョコ・ガムは絶対にダメ!」 と診療に来た親子に言い聞かせています。これは虫歯菌が好む糖が長く口の中に留まり虫歯リスクを高めてしまうお菓子類だからです』(千葉県/40代歯科医師)●(2)第二の輪『時間』次に注目したいのは時間。これは糖が作用する時間のことです。つまり、お口の中に甘いものが残り続ける時間が長いほど虫歯菌にとっては好環境、虫歯リスクが上がるというわけです。食後一休みしたら歯磨きをする、というのはこの“時間”を管理するのにとても良い習慣です。『たとえば、飴よりはアイスの方がお口の中に残る時間は短いですし、歯に張り付く感じのする乳酸菌飲料よりは100%フルーツジュースの方がまだ歯に与える影響は少ないです。自分の子どもに甘いものをあげるときも、常に甘いものが口の中に残り続けないようなもの を選んで与えるようにしています』(神奈川県/30代歯科衛生士)●(3)第三の輪『菌』言わずと知れた虫歯の原因菌、『ミュータンス菌』。どんな人のお口の中にも存在しますが、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはまだこの菌はいません。主にママやパパなどと食器を共有したり、キスなどの接触によってだんだんと赤ちゃんに菌がうつっていきます。お口の中の常在菌のバランスはだいたい3歳くらいまでに決まる と言われているので、この時期まで食器の共有やちゅーに気をつけましょう!『コップやフォーク、スプーンといった食器類の共有には特に気をつけています。ミュータンス菌だけでなく、歯周病菌もうつってしまいますよ』(愛知県/歯科医師)●(4)第四の輪『歯質』家系的に虫歯が多い、という場合は歯質といって歯の強さが遺伝的に若干弱い場合もあります。しかし、上記の3つに気をつけるだけでなく歯磨きをしっかりしたり定期的に歯医者へ通ってフッ素を塗ったりすることで随分と虫歯リスクが下がります。----------私も実際に歯科医師として活躍していらっしゃる先生方のお子さんには虫歯が少ない!というのを何回も目の当たりにしてきました。4つの輪を意識しながら地道に気をつけていくことでお子さんの虫歯リスクは格段に減らせますよ!【参考リンク】・しまだ歯科こども歯科クリニック()・歯とお口のことなら何でも分かるテーマパーク8020()●ライター/鈴木ハナコ(歯科衛生士)
2016年03月28日虫歯の原因となる菌の中で、最も虫歯への影響力が大きいのは「ミュ―タンス菌」だと考えられている。この感染を防ぐ一番のチャンスが、生後すぐに訪れることをご存知だろうか。そこで今回、子どもの歯の健康・歯並びのために生後すぐに気をつけておきたいことを、歯科医師の倉治ななえ先生にうかがった。○乳歯が生えそろうまでの期間が大事生まれたばかりの赤ちゃんはミュ―タンス菌をもっていないにも関わらず、日本人の約9割はミュ―タンス菌に感染しているという。この感染は、母親から子どもにうつる「母子伝播(でんぱ)」の割合が高い。つまり、これを防げるかどうかで、子どもの歯の環境が変わってくると言っても過言ではない。ミュ―タンス菌はどのようにして虫歯をつくるのか。まず、ミュ―タンス菌は口腔内でグルカンというネバネバした物質を生成し、歯の表面に張り付いて歯垢(プラーク)を形成する。このミュ―タンス菌由来のプラークは非水溶性のため、歯ブラシでブラッシングをしても落ちにくいという特徴がある。プラークの中でミュータンス菌は糖分をエサとして「酸」を発生、その「酸」によって歯のエナメル質が溶け、表面から深部へと侵食し、虫歯になる。ミュ―タンス菌に一度感染すると、根絶させることは難しい。だが、ミュ―タンス菌の感染年齢が遅いほど、虫歯リスクは低くなると倉治先生は言う。「成長とともに感染率は減り、大人になればほぼ感染しません。目安としては子どもが4歳になるまで。その中でも特に、乳歯が生えそろうまでの1歳6カ月~2歳7カ月は感染を防ぐ大切な時だと思ってください」(倉治先生)。特に子どもと一番接する機会が多いのはお母さんなので、お母さん自身のミュータンス菌レベルを減らすことも大切になる。ミュータンス菌を減らすため、「フッ素が配合された歯磨き粉を使う」「キシリトールをかむ」「歯をクリーニングする」等は有効だ。なお、ミュ―タンス菌の感染率が高いのは、日本のほかにタイやベトナムなどアジア圏などでみられる傾向だという。これは、ミュ―タンス菌が周囲の大人の唾液を通じて感染するからであり、子どもが食べやすいように食べ物をかみ砕いて与えるなどの習慣が、アジア圏に共通して言えるからではないか、と倉治先生は考えている。そのほか、子どもと同じ箸やスプーンを使って食べることも感染のリスクとなりうる。○あごを鍛えて歯並びを整える出産後すぐにできる歯の対策として、授乳は子どもの歯にとって大切、と倉治先生は指摘している。母乳がいい、という意味ではなく、乳房から自分の力で飲み込む行為が、子どもの歯並びに影響を与えるからだ。「母親のおっぱいから母乳を飲むために、赤ちゃんはかむ・ベロを引き込む・筋肉を働かせることを自然と行います。そうすることであごの発育が促されます。あごの発育が悪いと歯並びが悪くなるだけではなく、かみ合わせが悪くなり、虫歯や歯周病等の歯のトラブルにもつながります。離乳食を食べる時に『しっかりあごを使って』と言っても、まだ言葉を理解できない内はなかなかコミュニケーションができないでしょう。ですが、母乳で育っていると自然とあごの使い方を身につけられるものです」(倉治先生)。実際、さまざまな理由で授乳ができないこともあるだろう。その場合は、母乳に近いタイプの人工乳首を使うことを推奨している。近年の人工乳首には、形状や硬さ、大きさなどが異なるさまざまなタイプがある。飲みやすさだけではなく、より授乳と近い環境でミルクが飲める人工乳首を選ぶことが大切になる。※写真はイメージで本文とは関係ありません○記事監修: 倉治ななえ歯学博士。日本歯科大学附属病院臨床教授、日本フィンランドむし歯予防研究会副会長、日本アンチエイジング歯科学会理事(認定医)、東京都大田区学校保健会副会長。「クラジ歯科」(現在院長)と「テクノポートデンタルクリニック」を開設。著書として『魔法の口もと美人スティック』(学研パブリッシング)、『むし歯・歯周病の最新知識と予防法』(日東書院)など。また、「Drななえの予防歯科」を通じて、はじめての歯磨きから予防歯科まで、歯のケア情報を発信している。
2016年03月23日妊婦中に高まる歯のトラブルのひとつとして、虫歯菌を介した酸によって歯の表面にあるエナメル質が溶け出してしまう「う触」と呼ばれるものがある。また、妊娠時にすっぱいものが欲しくなる人もいるが、飲食物に含まれる酸でも「酸触歯」になるリスクがある。このう蝕や酸蝕歯になるとどうなるのか、また、妊娠中にどう対策すればいいのか、歯科医師の倉治ななえ先生にうかがった。○口腔内の酸性化が引き起こすリスクそもそもなぜ、妊娠中はう蝕や酸蝕歯になりやすいのか。妊娠初期につわりになる人が多いが、これも原因のひとつだ。度重なる嘔吐で歯磨きができない状態だと、口腔内の細菌が繁殖し活動が活発化してしまう。また、妊娠中は「女性ホルモン」と称されるエストロゲンやプロゲステロンなどが高まるが、このプロゲステロンの作用で胃の中のものが逆流しやすくなり、口腔内が酸性化することも理由に挙げられる。それ以外の要素として、妊娠中に食べ物の好みが変わることも関係する。人によって個人差はあるが、妊娠中はレモンや酢の物などのすっぱいものを通常より多く摂取してしまう人もいるだろう。そうなると、口腔内も酸性化されてしまう。加えて、妊娠中はホルモンバランスが崩れることで唾液の分泌量が減るほか、唾液が持つ中和力も削がれてしまうという。では実際、う触や酸蝕歯になるとどうなるのか。まず、歯を被っているエナメル質からカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出す脱灰(だっかい)が起きる。脱灰が進むと、エナメル質が白っぽく変化して白濁状となりさらに進むと穴があいて虫歯となる。虫歯がさらに進行すると神経まで達して激しい痛みを感じる。酸蝕歯ではしばしば知覚過敏の原因にもなり、その結果、歯磨きや食生活が疎かになり、歯ぐきにも影響を与える歯周病にもなりうる。なお、歯周病に関しては「歯周病で早産のリスクが約7倍に! 妊娠する前に知っておきたいこと」でも紹介したが、歯周病になると早産のリスクが高まるため、妊娠前から対策をしておくことが大切になる。○安定期になれば治療もOKでは、実際に妊婦はう触や酸蝕歯に対してどうすればいいのか。一般的な対策としては、「エナメル質を強化・保護するフッ素を配合した歯の歯磨き剤を用いる」「エナメル質を傷つけないように優しく歯ブラシでブラッシングをする」「唾液の分泌を促すためにガムをかむ」「酸性度の高い飲食物を控える」などが挙げられる。しかし、妊娠中のつわりで物理的に歯磨きができない人もいるし、酸性度の高い飲食物がほしくなることもあるだろう。倉治先生ご自身もつわりがひどかったようで、つわりの苦しさを忘れられたのは仕事をしている時だけだったと話す。「そんな時は無理をせず、できる時にブラッシングをするようにしましょう。食後に水で口をすすぐだけでもいいので、口腔内を清潔に保つ心がけが必要です。歯科医院でクリーニングしてもらうのも手ですね」(倉治先生)。また、妊娠中は歯の治療ができないと認識している人もいるかもしれないが、実際は治療ができると倉治先生は言う。歯の治療は安定期(妊娠5~9カ月頃)を推奨しているが、麻酔やレントゲンの影響は全くないに等しいと考えられている。妊娠が分かった段階で早めに歯科検診を受け、治療が必要な場合は安定期に治療を行うことで、妊娠中・出産後の歯のトラブルを回避するようにしよう。※写真はイメージで本文とは関係ありません○記事監修: 倉治ななえ歯学博士。日本歯科大学附属病院臨床教授、日本フィンランドむし歯予防研究会副会長、日本アンチエイジング歯科学会理事(認定医)、東京都大田区学校保健会副会長。「クラジ歯科」(現在院長)と「テクノポートデンタルクリニック」を開設。著書として『魔法の口もと美人スティック』(学研パブリッシング)、『むし歯・歯周病の最新知識と予防法』(日東書院)など。また、「Drななえの予防歯科」を通じて、はじめての歯磨きから予防歯科まで、歯のケア情報を発信している。
2016年03月08日歯の代表的な疾患・虫歯。誰もが、一度はその痛みに悩まされたことだろう。大人から子どもまで、年代を問わずに虫歯リスクはあるわけだが、なりやすい人や職業はあるのだろうか。今回は、M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長の今村美穂医師に、虫歯のメカニズム予防方法、なりやすい職業などについて伺った。○虫歯はこうしてできるまずは虫歯ができるまでの過程をきちんと理解しておこう。私たちが食事をする際、細かな食べかすなどが歯に付着していく。このかすを歯垢(プラーク)と呼ぶが、1mgの歯垢の中には10億個の細菌が住みついていると言われている。これらの細菌が、食事のたびに糖などの栄養を取り込み、酸を産生。この歯垢から産生された酸によって、歯の表面からミネラル成分が溶け出すことを「脱灰(だっかい)」と呼ぶ。この状態が虫歯の始まりとなる。だが、食後しばらくすると自浄作用がある唾液などによって、歯垢は酸性から中性方向へと向かう。すると、カルシウムなどのミネラル成分が歯に戻っていき、虫歯ができにくい状態へと戻る。この状態を「再石灰化」と呼ぶ。「歯の表面で脱灰と再石灰化が行われますが、そのバランスが崩れて脱灰が進み、再石灰化が追いつかないと虫歯になります。摂取した糖度が高かったり、唾液量が少なかったりすると、再石灰化への時間が長くかかりそれだけ虫歯になりやすくなります」。「歯と歯の間」「溝などのへこみのある場所」「歯の詰め物と歯の境界」などの歯垢がつきやすい場所が、虫歯になりやすいと言われている。○虫歯予防を一挙紹介虫歯で痛い目に遭わないようにするには、予防が肝要。予防には自宅・オフィスでも簡単にできる方法と歯科医などのプロにやってもらう方法があるので、まとめて紹介しよう。自宅・オフィス編■就寝前の歯磨き……睡眠中は虫歯菌が活発になる一方で、歯を浄化する作用がある唾液の量も減るため虫歯になりやすい。理想は一日3回の歯磨きだが、忙しくてできない場合は就寝前に必ずしっかりと歯磨きをするようにしよう。■デンタルフロス……歯ブラシでは60%、デンタルフロスでは20%の歯の汚れを落とすことができると言われている。「見えない場所や、ブラシが届かないところあるため、歯ブラシだけで歯の汚れを100%取りきることは難しいと覚えておいてください」。2つの併用でも80%ほどの計算となり、歯のすべての汚れは取り除けないが、この20%の差は大きい。歯並びの悪い人は特に除去することが難しくなるので、普段から意識しておこう。■歯磨きできないときのガム……仕事が忙しかったり、会社のトイレで歯を磨くのが恥ずかしかったりして毎日3回の歯磨きをできないケースも多々あるだろう。そういう際は、歯磨き代わりに唾液を促すためのガムを1粒でもいいのでかむようにしよう。歯科編■3DS……デンタル・ドラッグ・デリバリー・システムの略称。歯科で型どりをしてマウスピースを作ってもらい、フッ素などの薬を歯の表面や歯周ポケットの隅々まで浸透させる。唾液に洗い流されずに長時間の薬の効果が期待でき、ホームホワイトニングを実践している人もそのマウスピースを活用できる。■歯科用サプリメント……高濃度のビタミンCや、インプラント前後においてミネラルなどの微量栄養素を効率よく摂取できる製品など、歯科専用のサプリメントがクリニックで販売されている。「定期的に飲んでいただくことで、クリニックへの訪問間隔を徐々にあけていければと思っています」。■唾液検査……国をあげて虫歯予防に努めているスウェーデンでは、虫歯リスクを患者に説明するための専用ソフトなども開発されている。各種唾液検査も、唾液量や細菌の数・種類などを知るため、歯科医院でできる簡易検査から培養発注する精密検査まで行われている。唾液量や虫歯菌の数、食事の頻度、虫歯の経験、汚れのつき具合などを分析することで、自分の虫歯のなりやすさがわかる。「今は、虫歯もソフトを使って管理する時代です。3DSのマウスピース自体は歯科で作ってもらう必要がありますが、あとは自宅でのケアとなります。日本における虫歯予防は、この『この歯科医院での予防&管理』と『ホームケア』が主流となります」。○医師やSEは虫歯になりやすい?虫歯の主たる原因は食事に伴う糖の摂取のため、食事を含めた生活習慣が大きく虫歯リスクへと影響を与えていると考えられる。そこで、今村医師に「虫歯になりやすそうな職業」について伺ってみたところ、「デスクワークが多い人」「医師・看護師」「介護士」「長距離ドライバー」「SE」などが該当する可能性が高いと回答してくれた。「一日中デスクワークの方は、手軽に飲み物やおやつを摂取できる環境がありますし、仕事のストレスから甘い糖分摂取が進む傾向にあります。医師、看護師や介護士などの勤務時間が不規則な職業の方や、不規則な時間に食事を摂(と)る長距離ドライバーの方などは、缶コーヒーなどの嗜好品(しこうひん)の頻度が高いです。結果として生活や食事のバランスも崩れやすいので、口腔(こうくう)内の環境が悪い方が多いようです」。また、SEなどのように休みの取りにくい人も該当するようで、特にSEは極端に対照的な2グループに分類できるという。「SEの方は、虫歯がすごく悪くなっても放置している『極端に無関心なグループ』と、やや神経質気味で問題意識が非常に高い『毎月定期的に来院するグループ』に分けることができます」。そのほか、「ストレスを受けやすい」「喫煙して唾液量が減少している」「ドライマウスになりやすい」「末梢(まっしょう)血管が収縮している」などの特徴がある人も虫歯になりやすいため、注意が必要だ。○将来の「おいしい食事」に備え、きちんとしたケアを日本歯科医師会は、平成元年から現在の厚生労働省と共に「8020運動」を提唱してきた。この運動には、「80歳になっても自分の歯を20本以上持とう」という意味がこめられている。抜歯のリスクもある虫歯は、この運動の"大敵"と言える。20本という数字の基準は、「少なくとも自分の歯が20本以上あれば、 ほとんどの食物をかみ砕け、おいしく食べられる」という考えに由来している。将来、自分が年齢を重ねても好きな食べ物をおいしく食べられるよう、今からきちんと歯のケアをしておこう。※写真と本文は関係ありません○記事監修: 今村美穂(いまむら みほ)M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長、MIHO歯科予防研究所 代表。日本歯科大学卒業、日本大学矯正科研修、DMACC大学(米アイオワ州)にて予防歯科プログラム作成のため渡米、研究を行う。1996年にDMACC大学卒業。日本矯正歯科学会認定医、日本成人矯正歯科学会認定医・専門医。研究内容は歯科予防・口腔機能と形態及び顎関節を含む口腔顔面の機能障害。MOSセミナー(歯科矯正セミナー、MFT口腔筋機能療法セミナー)主宰。
2015年09月25日スマホやSNSの普及で、自撮りをする機会が増えた今、若い女性たちはかわいく映るための研究を怠りません。少し前までは、あひる口、虫歯ポーズ、ハムハムポーズなどが流行っていましたが、この秋は「サムポーズ」が大流行の予感。Twitterでは早くも「#サムポーズ」というハッシュタグとともに、自撮り写メを投稿するJKが続出しています。いったいどんなポーズなのでしょうか。可愛く撮る方法をチェックしておきましょう。■盛れること間違いなし?「サムポーズ」とはサムポーズとは、親指を唇に当てるポーズのこと。親指を意味する英語の「Thumb」から名付けられたようです。サムポーズの生みの親は、人気モデル・小梛準子(おなぎじゅんこ)さん。10代女子向け総合メディア『マイナビティーンズ』が、3か月後に流行るものとして「サムポーズ」を予測しているほど、今注目のトレンド。親指を唇に当てたまま、ウィンクをしたり、上目遣いにしたり、自己流のアレンジを加えるのがかわいく撮るコツ。プリクラやSNSにアップする自撮り写メでも、“盛れる”と好評です。■サムポーズの魅力3つここでは、流行のサムポーズに隠された魅力に迫ってみましょう。小顔になれるせめて写真だけでもなるべく小顔に映りたいのが乙女心。口元に手をあてると、気になるフェイスラインや二重あごが隠すことができます。手が大きく映るので、自然と顔が小さく見える効果があります。色っぽくなれるサムポーズはアヒル口とあわせて行うと、可愛さ倍増。ぷっくりとした唇が強調されるので、キスをおねだりしているかのような甘え顔になれちゃいます。口をぽかーんと開けたままにすれば、流行の抜け感も演出できちゃいます。ネイルも自慢できるせっかくおしゃれにネイルをしたなら、写真にも残しておきたいですよね。そんなときも、サムポーズがおすすめ。さりげなく親指の爪をカメラのほうに向けて撮ると、一瞬にしておしゃれ女子に変身できるはず。アレンジ次第でいろんな表情を作れるのが、サムポーズの魅力。いつもより“盛りたい”気分のときに、ぜひ試してみてくださいね。
2015年08月19日歯は、虫歯菌などの働きにより歯の成分であるリンやカルシウムが溶け出す「脱灰」と、唾液中に含まれるリンやカルシウムが結晶化して再び歯に戻る「再石灰化」を繰り返しています。この再石灰化の力が弱くなると次第に虫歯に進行してしまいます。日々の歯磨きでこの再石灰化を助けて虫歯を予防する歯磨き粉が登場しました。歯の再石灰化のための最先端技術を取り入れた歯磨きペースト「クリンプロ」(90g・参考価格1,180円)がスリーエム ジャパンから発売。6月2日から歯科専用のケア製品として販売が開始されます。歯磨きペースト「クリンプロ」(90g・参考価格1,180円)クリンプロには、再石灰化の成分となるリンとカルシウムの結晶体「fTCP」を配合。さらに、これらを歯に戻す働きをするフッ素も同時配合。両者の働きによって、歯の石灰化を強力に進めます。これまで、フッ化物のみを配合した歯磨きペーストは多く出ていますが、分子の性質上、フッ化物とリン、カルシウムを同時配合して効果を発揮することはできませんでした。同社は独自の技術により、これらを同時配合して再石灰化を高めることに成功。実験では、フッ化物のみ配合したペースト、fTCPのみ配合したペーストと比べて、両者を配合したクリンプロは最も高い再石灰化率となりました。製品担当のスリーエム ジャパン ヘルスケアカンパニーの相川光広さん歯を守るために重要な唾液は通常、1日に1~1.5リットル分泌されていると言われていますが、ストレスなどで唾液が出にくく、再石灰化の働きが悪くなって虫歯ができやすい状態になってしまっている人も多くいます。再石灰化を促すクリンプロのケアで、少しでも虫歯予防をしませんか?※クリンプロ取り扱い歯科医は、6月下旬から下記ウェブサイトでご紹介します。Tooth! Navi 歯と健康を考えるサイトクリンプロについてのお問い合わせ(フリーダイヤルマーク)0120-332-329(平日9:00~17:00/スリーエムジャパン歯科用製品事業部)Photo by ND Strupler
2015年06月15日多くの人が悩まされる「虫歯」。実は、虫歯になりにくい、なりやすいを決めるポイントがあるのです!虫歯のメカニズムと虫歯を防ぐために気を付けるべきことを日本大学歯学部教授・宮崎真至先生にお聞きしました。知られざる“唾液のパワー”とは――虫歯と唾液の関係について教えてください。加齢や花粉症の薬などの影響で、唾液が出にくくなると、虫歯のリスクが高くなります。また、唾液が少なくなると、食べ物が飲み込みにくいなどの弊害も出てきます。唾液は重要なのです。歯を守ってくれる一番の存在が唾液ですので、きちんとケアして虫歯予防につとめることが大事です。私たち専門家の間でも「唾液の力」と呼んで、その機能や効果にとても注目しています。唾液が歯のミネラルを補給する――唾液はどのように虫歯を防ぐのでしょうか食事をすると、歯の表面に歯垢がつきます。歯にはもともと虫歯をつくるばい菌(主にミュータンス菌)が住んでいて、歯垢の中で酸をつくり、歯を溶かしてミネラル成分などを流出させてしまいます。これを「脱灰(だっかい)」といいます。ただ、脱灰したとしても、唾液に含まれているミネラル分が再び歯の中に入り、歯は補修されます。これを再石灰化といいます。通常、口の中では脱灰と再石灰化が繰り返されていますが、バランスがくずれて酸の力が強くなると、脱灰が進行し虫歯になってしまいます。――唾液が歯を守る役割をしているのですね。唾液の役割は非常に重要で、ミネラルを補給する以外にも、さまざまな機能があります。唾液は主に口の両奥にある耳下腺から出ていて、口の中の汚れを洗い流す働きを持っています。殺菌成分も含まれているので、ばい菌の増殖も防ぎます。また、歯を磨いた後に数分経つと、唾液の中のたんぱく質が静電気のように歯の表面に吸着して保護層をつくります。これも歯を守る役割をしています。“だらだら食い”が虫歯をつくる――唾液が少ないと虫歯ができやすいのでしょうか。唾液が少ないと虫歯のリスクが高くなってしまいます。さらに、虫歯のできやすさを左右するのは、実は、食生活の習慣です。食生活を見直すことで、「歯」、「ばい菌」、「食べ物」の三者をよくコントロールすることが重要です。――どのような食生活が虫歯を招いているのでしょうか。最もよくないのは、だらだら食いや多すぎる間食です。ばい菌は、食べ物が口の中に入るとプラーク(歯垢)という粘着性の膜(バイオフィルム)を形成し、その中で酸を出して歯を溶かします。プラークの膜はとても強力で酸性に傾きやすく、ばい菌にとっては絶好の活躍の場。食べ物が入るたびにプラークの中で酸をつくり、これを繰り返すたびに酸の影響が強くなり虫歯のリスクが高くなってしまいます。お酢の一気飲みが、虫歯を招く?!――注意したほうがよい食べ物はありますか。ばい菌によるものではありませんが、口の中が酸性に傾くと、歯の表面のエナメル質が溶けてしまうので、酸っぱい食べ物や炭酸飲料など酸性の食品を摂るときにも気をつけた方がよいですね。通常は唾液が口の中のpH(酸性度)を一定に保つ働きをしています。しかし、例えばスポーツの後など、発汗により唾液の分泌量も減ってしまっているときにレモンやオレンジなど酸性のジュースや炭酸水を飲むなどの行為は歯の健康にはよくないことです。最近女性でされる方が多いのですが、お酢の一気飲みも危険です。食べ物では、歯にくっつきやすいヌガーやキャラメルが要注意です。なぜ、虫歯になるのか?――そもそも、なぜ、虫歯ができてしまうのでしょうか。虫歯の条件が整うためには、3つの要素が必要となります。ばい菌があること、そしてばい菌の栄養となる食べ物があること、そして歯があることです。歯の表面についているばい菌(主にミュータンス菌)は、食べかすなどをエサにして酸を出します。この酸によって歯が溶けてしまうのです。ただ、ばい菌が一方的に酸を出し続け歯がどんどん溶けていくのかというと、そうではありません。――虫歯のメカニズムを正しく知って、予防することが大事なのですね。そうですね。歯のケアは皆さん疎かにしがちですが、目に見えるところだけではなく、目に見えないところのケアも頑張ってほしいですね。関連ウェブサイト:<ドクタープロフィール>日本大学歯学部 教授宮崎 真至 先生【出身】秋田県秋田市【経歴】1987年日本大学歯学部卒業1991年日本大学大学院修了博士(歯学)1991年日本大学歯学部保存学教室修復学講座助手1994年~1996年米国インディアナ州立大学歯学部留学2003年日本大学歯学部保存学教室修復学講座講師2005年同上教授
2015年05月25日エストコーポレーションの連結子会社であるエストドックはこのほど、虫歯に関する調査結果を発表した。同調査は2014年12月16日~30日、全国の男性100名を対象にインターネットで実施したもの。「虫歯の症状が出たらすぐ歯医者に行くか」を聞いたところ、「すぐに行く」と回答した人が35%で最も多かった。「余裕があれば行く」(29%)と合わせると、歯医者に行く人が約6割を占めている。一方で、約3割の男性は「痛まなければ行かない」ことがわかった。
2015年01月30日先日、 「断乳」「卒乳」を成功させるためのやり方! ベストなタイミングと方法 という記事を書きました。実際、自治体の1歳半検診等で「虫歯の原因にもなるので」と卒乳を勧められました。たしかに、夜おっぱいを何度も飲んでいるとなると乳歯に歯垢が付着するので、虫歯になる可能性がないとはいえません。とはいえ、本当のところはどうなのでしょうか?■子どもの虫歯の原因は?小児の予防歯科に積極的に取り組んでいる歯医者さんに聞いてみました!「お口の中に住み着いている虫歯菌は、さまざまな糖類を栄養分にして有機酸を作ります。この酸によって歯が溶けることで、徐々に虫歯は進行していきます。たしかに母乳には乳糖が含まれていますので、虫歯になる可能性があることを完全には否定できません。しかし、砂糖が入っている食品に比べればリスクは低いのです。当院に通っている多くのお子さんを見てみても、長く母乳を飲んでいるかどうかと虫歯の多い少ないはあまり関係がないといえるでしょう。では、なぜそのような差が出るのでしょうか? それは、一人ひとりの虫歯のリスクが大きく異なるからです。虫歯のリスクとは、虫歯菌数、唾液量、唾液の質、飲食回数など、複数の要素がいくつも組み合わさって決まります。また、生活習慣によっても違ってくるので、かなり複雑な条件により、虫歯のなりやすさが決まってくるといえるでしょう。」( 足立区・前田歯科医院 三浦先生 )おっぱいを長く飲んでいることと虫歯になりやすいことには、あまり関係のないことがわかりました。では、虫歯にならないためには何をすればよいでしょうか?■慌てて卒乳しなくてもできる、虫歯予防とは1.親子でしっかり歯磨きする習慣づくりを私たちのところにも「仕上げ磨きを一切させてくれない」というママたちの悩みが多く寄せられます。大人が思っている以上に子どもは、お口の中に触れられることに抵抗を感じるようです。ですから、最初からしっかり歯磨きできなくても構いません。まずは、上の歯の食べかすを取ることを目標にしてみましょう。特に上の歯の歯垢が虫歯の原因になりやすいようです。歯ブラシではなくママの手にガーゼ等を巻きつけてふき取ることから始めてみるのもおすすめです。お子さんが楽しんで、歯磨きをさせてくれるように歌を歌ったり、インターネットで「歯磨きのお歌」を検索して流したりしてもよいかもしれませんね。2.虫歯になりやすい・なりにくいはママの体質?興味深いことに、ママの口の中に虫歯菌が少ない場合、お子さんも虫歯になりにくいのだとか。このことは予防歯科業界では当たり前の話なのだそうです。そのため、妊娠中からママの虫歯菌を減らしていくことが虫歯ゼロのお子さんを増やすことに繋がる、といわれています(前出の歯医者さん談)。妊娠期、カルシウムが奪われて歯が弱ったり、虫歯になりやすかったりする妊婦さんも多くみられますが、きちんと治療し、できるだけ虫歯菌を減らしていくことがとても重要なのですね。皆さんも、卒乳時期を検討しながら、まずはお子さんの歯のケアをしっかり実践し、安心して母乳育児を続けてくださいね。
2014年08月28日虫歯と言えば、「黒く変色した痛みのある歯」と認識している人も多いかもしれない。しかし、一見虫歯には見えない白い歯も、最新の歯科診断基準「ICDAS」(アイシーダス)では虫歯と診断されることもある。そんな「隠れ虫歯」対策を、東京医科歯科大学大学院の田上順次先生に伺った。「隠れ虫歯」の主な特徴は、通常の歯の色よりも白い「ホワイトスポット」があることで、これは歯からミネラルが溶け出してしまっている状態だ。そのまま放置していると、やがて穴の開いた虫歯へと進行する。「隠れ虫歯」の段階であれば、きちんとケアをすることで健康な歯に戻すこともできるが、一度穴が開いてしまうと、歯を削るなどの治療が必要となる。どうすればこの「隠れ虫歯」を発見できるのか、その対策も含めて田上先生に教えていただいた。まず、以下の項目で当てはまるものがあるかチェックしてみよう。(1)歯の根元にほかよりも白いスポットがある(2)1年以上歯医者に行っていない(3)歯を磨くと歯茎から血が出る(4)仕事をしながらおやつを食べることが多い(5)早食いだと言われる(6)スイーツや柔らかいパンなど、優しい食感の食べ物が好き(7)仕事によるストレスを感じやすい(8)睡眠時間が少ない、又は睡眠不足だと感じることがよくある(1)(2)に該当した人は、既に隠れ虫歯がある可能性が高い。初期虫歯のケアについて歯科医に相談するか、定期的に歯科医院で検診を受けて歯石除去などのケアを検討したい。(3)に該当した人は、毎日のブラッシングが正しくできていない可能性がある。力の加減も含めて、正しいブラッシング方法を歯科医に相談してみるのもいいかもしれない。(4)に該当した人は、常に歯からミネラルが溶け出している状態になっているので注意が必要。おやつに含まれる糖類は歯の中にあるミネラルを溶かしてしまうが、通常は唾液中のミネラルによって再石灰化が促される。しかし、常に口の中に糖がある状態だと再石灰化が損なわれてしまい、結果、虫歯を招いてしまう。対策として、食習慣・おやつを見直すことが挙げられる。また、口さみしい時はシュガーレスガムを噛(か)むことで唾液量を増やし、ミネラルを口の中に補給するのもおすすめだ。ガムは「CPP-ACP」などのように、再石灰化成分を配合したタイプを選ぶようにしよう。(5)~(8)に該当した人は、唾液量が少なくなっている可能性がある。咀嚼(そしゃく)量が少ないことや交感神経の過度な緊張は、唾液の分泌を損ねさせてしまう。(4)と同じようにミネラルが取り込めず、虫歯のリスクが高くなる。対策として、噛み応えのある食材を多く取り入れてよく噛むようにする、「CPP-ACP」など再石灰化成分を配合したシュガーレスガムを噛むことを習慣付けるなどが挙げられる。また、ストレスをためないように、リラックスできる時間を積極的にもつことも心がけたい。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月06日