全国的に暑い日々が続く中、川遊びや海水浴、など水に触れ合う遊びがめじろ押しの夏休みが始まりました。しかし、毎年水の事故で死亡したり、行方不明になったりする子どもは後を絶ちません。また西日本豪雨など、大雨によって起こされる災害では、普段安全な場所も危険なエリアとなってしまう可能性があります。なぜこのような重大な事故が起きてしまうのでしょうか。水の事故でこれ以上悲しいニュースが起きないようにするために、今回は、水の事故が起きる理由やどういった場所で事故が多いのかなど、水難学会会長で長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授に話を聞きました。水難学会とは「ういてまて」を中心とする水難救助を推進し、また「誰もが水難から生還するにはどうしたらよいか」の答えを出すために学問として普及することで、水に親しむ社会の発展に寄与することを目的として設立。■水の事故は、「通学路」でも起きている――とくに子どもが遭いやすい水の事故はどのようなものですか。まず、子どもだけで行動して水の事故に遭う場合と、大人がいる場合と、2パターンあります。そして、それぞれに遭いやすい事故というのは変わってきます。・子どもだけなら、近くの川や側溝で起きる事故が多い・大人がいると行動範囲が広がり、海で起きる事故が多いという傾向にありますね。じつはプールでは、近頃事故はめっきり少なくなりました。――子どもだけで事故に遭ってしまう理由について聞かせてください。最近よく起きているのは、用水路や側溝で流されてしまうという事故です。その多くが通学路で発生しています。普段は水が流れていない用水路や側溝が、雨水がたくさんたまっていると、その中に子どもが足を入れて遊んでしまうんですよね。それが平らなところであれば、水の流れも強くないので、とくに何も起きません。しかし、坂道にある場合には流れが強くなり、足をとられてしまいます。こうしたところでは、秒速1メートル程度の速さとなることが多くあります。これはウォータースライダーよりも速いのですから、予想以上に流れは速いと思っていただきたいです。――子どもたちだけで川に行って起きる事故はどのようなものが多いですか。川の構造として、浅いところが続いていても、急に深くなることがあります。プールに慣れている子どもたちは、一般的に徐々に深くなっていくと思っているので、そういった川の構造が理解できにくく、また上から見てもわかりにくいんです。そうするといきなり深みにはまってドボンと沈んでしまいます。そのとき沈みやすい垂直の姿勢だと、そのまま上がってくるのは至難の業です。さらに、「助けて!」と叫んで手を挙げてしまうと、ますます深く沈んでしまうのです。その後1人目が沈むと、2人目が「どうしたの」と言って近づいてきて沈み、3人目も同様に沈んでしまうことがあります。川で子どもたちだけで事故に遭ってしまうと、3人くらいが同時に亡くなってしまうことが多いのです。■大人が溺れると、子どもも一緒に溺れてしまう――大人が一緒にいても、被害に遭うのはやはり子どもが多いのでしょうか?けっして子どもの方が水の事故に遭いやすいというわけではありません。大人がいると行動範囲が広がるので、川やため池、海など、いろいろな場所で事故が起きますが、大人が流されてしまう危険性もじつは高いのです。もしも親が溺れてしまって姿が見えなくなったら、子どもも後を追って一緒に溺れてしまうことがあります。親は、自分が溺れる危険性をしっかりと認識する必要があります。――大人と子どもが一緒の場合、どういった事故が起きやすいのでしょうか。川や海では水に沈んでしまう事故が多く、海では転落事故もよく起きます。防波堤から転落してしまうと、護岸は多くがコンクリートで固められているので、上がる場所がないんですね。そして助けを呼ぶうちに、力尽きてしまうのです。また、最近クローズアップされている、「ため池」での事故もあります。ため池は護岸が斜めに切ってあって、水の中に入ってしまうと、なかなか上がってこられないのです。見た目ではそれほどきつい傾斜に見えないのですが、水中では陸上よりも摩擦力が小さくなってしまうため、非常に上がりにくい。慌ててパニック状態になって一生懸命上がろうとすると、反動でもっと深いところに落ちて行ってしまうということがあります。■安全と思える場所にも危険がある!――海の事故で「離岸流(りがんりゅう)」という言葉をよく聞きますが、実際に離岸流による事故は多いのですか。離岸流とは、海岸の近くで岸から沖に向かって一方的な速い流れのことですが、じつは水難事故を直接引き起こしたと科学的に証明された例はあまりないんです。怖いのは、子どもが浮き輪やボートに乗っているときに流されて、親がそれを追いかけて沈んでしまうことです。それは、風によって海が流れる「吹送流(すいそうりゅう)」が影響していることもあります。この「吹送流」は、「離岸流」よりもよほどスピードが速くて危険です。――砂浜で遊んでいても、波にさらわれることがあるそうですね。2014年に新潟県上越市の波打ち際で遊んでいた子どもを含む5人が亡くなる事故が起きました。その調査をした結果、「戻り流れ」が発生したということがわかりました。戻り流れは、汀線(ていせん)(海面と陸地が接する線)に対して、砂浜が垂直に波打っているような海岸で発生します。波が戻ってくるときに、低いところに全部集まってしまうので、水の勢いがとても速くなってしまうんですね。その流れに巻き込まれると、波打ち際にいてもあっという間に波に飲み込まれてしまうのです。――事故に遭うはずがないと思っていても、水辺ではどんな状況でも油断はできませんね。そうですね、まず事故が起きるはずはないと軽く見ている、怖さがわかっていないという前提が大きいですね。そして、実際に溺れたり転落したりしてしまうと、焦ってパニック状態になり、大きな事故になってしまうことが多いのです。急流や高波がある場所ではみんな怖がって近づきませんから、水の事故はほとんど起きませんが、安全そうに見える場所に落とし穴があるのです。危険だということに気づいた瞬間にはもう遅いということもありますから、けっして軽く見ないということが重要です。次回は、水の事故から子どもたちを守る予防策について引き続き斎藤教授にお話をお伺いします。あらかじめどのような準備をして行けばいいのか、声掛けの方法についても、ご紹介します。斎藤秀俊さんプロフィール米国ペンシルベニア州立大学材料研究所博士研究員や茨城大学工学部助手を務めたのち、2003年から長岡技術科学大学教授。2009年から2015年まで同大学の副学長を務め2016年から現職。2011年から同時に水難学会会長として多角的に活動している。
2018年07月23日ジョージ・クルーニーが運転していた「ヤマハ」の「TMAX」(スクーターの一種)が、「メルセデス・ベンツ」の車にはねられるという事故がイタリア・サルディーニャ島で起きた。ジョージは自身が製作総指揮、監督、主演を務めるHuluのオリジナルドラマ「Catch-22」(原題)の撮影で、同島に滞在していたという。地元紙「Corriere dello Sport」によれば、事故後、ジョージは病院に救急搬送された。骨盤付近に外傷、膝と腕に打撲が見られたが、幸い大事に至らず数時間後に病院を後にしたとのこと。地元警察も「シリアスなケガは負っていない。骨折を含めてだ」と語っているが、念のため、MRI検査が行われ、今後20日間ほど経過観察が続けられるもようだ。事故当時、ジョージはヘルメットを着用していた。ジョージが事故に巻き込まれたことを知った妻のアマルは、すぐさま病院に駆け付けた。病院から治療と検査を終えたジョージに帰宅の許可が出ると、ジョージに付き添って帰っていったそうだ。ジョージの代理人は「People」誌に「ジョージはオルビア病院で手当てを受け、退院しました。自宅で療養中で、元気になるでしょう」とコメントしている。(Hiromi Kaku)
2018年07月11日普段、何気なく使っているものがときに大きな事故を生み出すことがある。私にとって “自転車” がまさにそれでした。普段から気をつけていても、ふとしたタイミングで事故は起こるもの。今日、自分が加害者・被害者になってしまう恐怖を目の当たりにして、今回学んだこと・実は知らなかった事故に関する知識をご紹介します。前を見てたのに事故って起こるんだ…。事故が起こったその日、私は早めに家を出てゆっくりカフェでくつろいでから用事へ向かう予定でいました。そのため、特段急いでいたワケではなく普通のスピードでいつも通り、駅までの道を自転車でせっせと漕いでいたところ…。突然目の前から、同じように自転車に乗っている女性が私の方に向かって現れました。お互いスピードを出していなかったものの、ちょうど曲がり角で死角になっていたのか、至近距離で相手の存在に気づいたので、避けきれず自転車もろとも転倒。曲がり角で死角になっていたといえど、そこまで道が狭い場所でもないし、何より前をまっすぐ見て走っていたのに、相手を気づかなかったうえに避けられなかったという事実に自分でもびっくりしました。気をつけているようで気をつけていないのか、気をつけていてもそうなってしまうのか……。こんなふうに事故って簡単に起こるものなんですね。「あ、ヤバい。やっちゃった。」うぅ…めちゃくちゃ痛い。と、重くなる体をムクリと起こして「大丈夫ですか?」と相手に声をかけると…、相手の女性はうなだれるように倒れながら顔をおさえていました。しかも女性の手もとは血だらけで、ポタポタと大きな血の塊がコンクリートに凄まじい勢いで落ちているではありませんか…!「あっ。ヤバいやつだコレ。どうしよ、ヤバいよヤバいよ、マジで」と、私の脳内はもはや出川哲郎状態に。トラブルが起こると人は、思考がシャットダウンされ「ヤバいよ」という単語しか出てこない状況になるようです。怪我をした女性も錯乱状態になっていて、話しかけても「…はい」という反応だけ。正直、「一応意識はあるようだし、このまま去ってしまおうか……」なんていう悪い考えもよぎりました。余裕を持って出かけていたとはいえこの後の用事のことを考えると早く脱出したいという気持ちが先行していました……。でも、血を流している人をこのままにしておくのはさすがにダメだわ。とりあえず消毒と絆創膏を……と近くのコンビニに駆け寄って何もできないなりの手当をして、相手の回復を待ってみました。血が止まる頃にはお相手の方の意識もはっきりしてきたので、連絡先を交換して一度その場を去ることになりました。一連の出来事が落ち着いて自分の状態を見返すと、スカートがビリビリに破れまくりの、服が乱れまくりで、当然髪の毛も乱れ髪。もはや全く別の事件が起こってしまったのではないかという状態で、とても電車には乗れないため一時帰宅をしました。保険に入っていないと、訴訟問題に発展する?家について、着替えると冷静になってきたせいか、怪我をした部分の痛みを強く感じるように。ここで今日の予定を断念し、病院へ行くことを決意。その間、自転車事故について調べるとこんな事案が出るわ、出るわ…。「自転車保険に入っていなかったので相手と訴訟問題でもめた」「事故現場で警察を呼ばないとひき逃げ扱いにされる」「慰謝料問題で示談が成立しない」今、まさに自分が起こした事故が後々に、民事裁判レベルのトラブルに発展している事実を、このとき初めて知りました。自転車事故は軽く見られがちですが自動車事故と同じ扱いになるとのことで、本来はその場で110番か最寄りの交番に行って現場確認を取らなくてはいけないそうです。さらに、自分もしくは相手の自転車が破損していた場合、修理代の負担はどちらがするのか、怪我をしていた場合の治療費はどこまで出すのか、事故の大きさによっては数百万以上の損害がかかってくる可能性があるので、保険に入っていないとその示談交渉は全て自分で執り行う必要があります。また、自分が入っていても相手が自転車保険に入っていない可能性もあります。そうなると慰謝料を請求しても払ってもらえない可能性があるので、自転車を使う方は必ず自転車保険に入っておくことをオススメします。私は当時、自転車保険はおろか、自転車保険の代わりになる保険(火災保険・個人賠償責任保険)も何ひとつ入っていませんでした。状況と相手が悪ければ、かなりの大事になったはずなので、もうしばらくは恐くて自転車に乗れません……。もし自分が加害者になったら?・相手も自転車を乗っていたこと。・お互い結果的に軽い怪我で済んだ。・自転車の破損もなかった。・お互いに大事にしたくない意志があった。幸いにもこの4点がお互いに合致していたため、今回の事故は警察に事故証明届を提出するだけで済みました。例えば、これが自転車と歩行者だった場合、過失割合は自転車側のほうが圧倒的に不利です。もちろん、事故の状況にもよって過失割合に変動はありますが、事故当時を検証する証拠もなければお互いの記憶に頼ることが多いので、どちらに非があるかということで揉めるケースがほとんどなのだとか。どんなに気をつけていても、自分に非がないと思っていても事故が起こって、相手に怪我をさせてしまった以上、自分が加害者になることがあります。そうなってしまった場合、絶対にやってはいけないのが「自分は悪くない」と横柄な態度をとったり、責任を負いたくないあまり逃げようとする行為。逃げずに真摯的な対応で被害にあった人の気持ちのケアを忘れないことが大切です。そのうえで自分の身を守るためにも、しっかり主張するべきところはする。全ての非が自分にあるわけではない場合は、それを裏づける材料をしっかり残しておくと良いでしょう。事故が起こった時の現場を写真に撮っておくなどできるだけ当時の状況が詳しく残る材料があるほうが後々揉めごとに繋がりません。事故は意外と身近に潜んでる私の場合、今回は本当にお相手の方が良い人で、軽い事故で話が済みました。でもそのほうが実は稀だという事実を知って、改めて自分の身の回りに起こる出来事の怖さに、そして自分の危機管理能力の低さに情けなさを感じています。もちろん、保険も加入しましたよ!最近では、出会う人、出会う人に「保険、入ったほうが良いよ…!」など、どこの保険会社の回し者かと思われるくらいのうっとうしさが板についてきました。ぜひ、みなさんも身近なトラブル・事故には気をつけてくださいね!
2018年07月08日新年度が始まって、早いもので3ヶ月が過ぎてしまいましたね。お子さんたちは通園・通学にもすっかり慣れてきたことでしょう。そして気づけば、夏休みももう目前。子どもの行動範囲の広がりとともに、気になってくるのが「子どもの安全」のこと。子どもが犠牲になる痛ましい事件のニュースなどは、子どもを持つ親として他人事として見ることはできません。「マチコミ」ユーザーを対象に行った「子どもの安全に関するアンケート調査結果」(※)によると、「実際に子どもが不審者に遭遇したことがある」と回答したのは10人に1人、「子どもの居場所を把握したいと思う」と回答したのは、「常に思う」(43%)「たまに思う」(44%)を合わせて全体の87%という結果が出ています。まずは防犯ブザーを持たせるという保護者の方は多いと思いますが、いざというときに本当に鳴らせるのか、鳴らせたとしても誰かに気づいてもらえるのか…など不安は残りますよね。また、転落や水難事故といった防犯ブザーでは防げない災難も考えられます。かといって、行動範囲を制限しすぎるのも考えもの。そこで、こんなサービスをご存知でしょうか?■子どもと共に成長する、児童見守りサービス「みもり」ドリームエリア株式会社が提供する不審者情報配信ツール「マチコミ」の12年間にわたる膨大なデータと、利用者の声を分析して独自開発された児童見守り専用サービスです。子どもに持たせるのは、一見すると普通の防犯ブザーのような形状の「みもりGPS」。保護者がスマホにインストールする「みまもりアプリ」との連動によって、いろいろな機能で子どもを見守ることができます。なかでも、危険な場所に近づいた時に、代わりに注意してくれる音声機能は優れもの。保護者は「みもり」のスマホアプリで「危険な場所」を設定することができ、その場所に子どもが近づいてしまったら「みもり」が音声で警告を発してくれます。また、地域の方々が作成する独自の「危険データベース」も活用してくれるため、親が気づかない危険も「みもり」なら、地域の目をもって教えてくれるのです。お母さんが見守りたい行動範囲も設定できるので、そこから子どもが出てしまった時にも一声かけてくれます。旺盛な好奇心を満たすことと、危険から遠ざけること。どちらも両立できるのは嬉しいですね。しかし行動範囲内だからといって油断は禁物。子どもが普段と違う行動パターンを取った時にも「みもり」の出番。子どもに注意を促してくれます。なぜこんなことができるのでしょう? その仕組みは、AIとGPS。人工知能(AI)が子どもの行動を学習し、GPSからの位置情報をもとに、危険を判断してくれます。とはいえ、何か難しい設定をする必要はありません。ほかにも、・みまもりアプリからすぐ確認できる避難所マップ・通知エリアの設定による居場所通知・現在地や行動履歴の確認・ワンタッチで親への通知など、全部で9つもの機能を備えています。アプリとの連動によってわが子に特化した見守りをできる点が、今までの防犯アイテムとは一味違います。「あれ?いつもと違う」そんな親の勘の代わりをしてくれる、専属のボディガードのようですね。子どもの自立と安全のために、行動を制限せずに見守る親になる。そのために、最新テクノロジーの力を借りてみてはいかがでしょうか。 見守りサービス「みもり」 不審者情報配信ツール「マチコミ」の12年間のデータベースと、全国の施設や保護者の要望・意見を集約し開発された、児童見守りサービス「みもり」。AIが子どもの行動を学習し、危険を未然に防ぎます。(※)参考/子どもの安全に関するアンケート
2018年07月04日チャイルドシート付き自転車の事故が急増中で、消費者庁が注意を呼びかける異例の事態になっています。特に新生活が始まる4-7月に増える傾向があり、なんと「自転車事故全体の半数を占める」というデータも。この春から初めてチャイルドシートにお子さんを乗せて自転車を運転し始めた親御さんも多いでしょうから、本日は「事故を防ぐために絶対に守ってほしい事」のお話です。1.「シートベルトは必ず止める」残念ながら意外と守ってない方が多いんです。いざというときにお子さんが投げ出されてしまい、頭部を保護するヘッドレストも役に立ちません。必ずシートベルトはしてあげてくださいね。壊れたりした場合は、絶対にそのままにせずに、簡単ですので必ず修理してください。メーカーに問い合わせするほか、ネットで交換用のシートベルを購入することも出来ます。☆OGK技研チャイルドシート交換用シートベルト各種送料無料1480円(税込)~2.「お子さんを乗せたまま駐輪しない」お子さんを乗せたままで駐輪している際に少し目を離している間の、自転車が倒れてしまっての事故が本当に多いんです。ほんの少しの間だから大丈夫だろうと思いがちですが、停車中もお子さんを乗せたまま自転車を離れたり、目を離したりしないようにしてあげてくださいね。また、お子さんを2人乗せる時には、前から乗せちゃうとバランスを崩しやすくなるので「必ず後ろの座席から」先に乗せてあげてください。逆に降ろすときには「必ず前の座席から」です。子供乗せ自転車の多くは、ハンドルロック機能が付いているので、ぜひ活用してください。電動アシスト自転車の場合は、一旦電源を切ってから乗せ降ろしをしてあげると安心。子ども乗せ専用ではない、いわゆる普通のママチャリや電動アシスト自転車、特に26インチや27インチなどの車高の高い自転車に後付けでチャイルドシートを付けている場合は要注意。重心が高く転倒の危険が高まります。安定性の高い両立タイプの駐輪スタンドに交換すると安心です。☆昭和インダストリ自動ロック・アシスト機能付き両立スタンド W-13SW CP 正爪モデル20~27インチ各サイズ 2654円(税込)3.「ヘルメットは必ず着用する」自転車での事故や転倒によって、お子さんがケガあるいは死亡した際、そのダメージの「6割」が頭部のケガ。子どもは大人に比べて頭部が重く、転倒した際に頭にケガをしやすい傾向があります。ヘルメットをちゃんと被せる。それだけで「万にひとつかもしれない」「でも絶対に起きて欲しくない」痛ましい事故はほぼ防げます。また、使用中に一度でも、大きな衝撃を受けたり2-3年使用したヘルメットは、衝撃を吸収しなくなる場合がありますので、見た目に亀裂などが無くても絶対に使用してはいけません。ヘルメットは、あくまで消耗品。ネットなどでとても安価なヘルメットも見かけますが、必ずSG安全規格をクリアしたものを購入しましょう。SG基準とは、いわば「消費生活製品安全法」のもと「必要とされる安全基準」をクリアした証拠。被せようとしても「子どもが嫌がって被ってくれない」というお話も良くお聞きしますね。特に小さなお子さんはまだ首が強くなくて、ヘルメット程の重さの物でも嫌がったりすることも。そこでオススメするのが超軽量の子ども用ヘルメット。もちろんSG安全規格をクリアした安全なお品物です。☆OGKカブトキッズヘルメットPINE 1歳~3歳(頭囲47~51cm)向け送料無料3999円(税込)☆OGKカブトキッズヘルメットPAL 4歳~8歳(頭囲49~54cm未満)向け送料無料3999円(税込)好きなキャラクターのシールを貼ったりするのも嫌がらずにかぶってくれるのでオススメです。4.「上手に転びましょう。」特にあまり力の強くない女性にとって、今どきの電動アシスト自転車+お子さん2人での60kg前後の重さってとんでもない負荷ですよね。乗らずに押していても、ふとした拍子にバランスを崩してしまうと立て直すことが出来ないぐらい。歩道などを押して歩くときには、車道ではなくて歩道側に少し傾けておくと、万が一のときにも重大な事故につながりにくいですよ。どれもこれも基本的で簡単な事ばかりですが、きちんと守ることで絶大な事故予防効果があります。それでは本日もご安全にいってらっしゃい!自転車グッズのキアーロコラム担当ヨナーイ
2018年05月21日よちよち歩きの子どもから小学生まで、幅広い子どもが遊ぶ公園。でも小さい子にとっては危険な遊具も多いため、思わぬ事故やけがの原因となることが多い場所でもあります。公園遊びで親が注意すべきポイントとは?春は公園の事故が多い季節消費者庁の調査によると、公園での事故が報告された件数は5月が最も多く、次いで10月、4月、6月の順で、圧倒的に春から初夏にかけての事故が多くなっています。事故の多い遊具はとくに滑り台が多く、滑り台の一番上からの転落や、滑り台を逆走しようとしたところ、滑ってきた子どもと衝突するといった事故が発生しているそうです。滑り台以外では、ブランコや鉄棒、ジャングルジムなどの事故が多く報告されているようで、どれも遊具から落下してけがをするというケースが多いのだとか。事故を防ぐためのポイント公園での事故を防ぐためには、まず第一に小学生未満の子どもが公園に行くときには、必ず保護者が付き添うこと。これは公園の事故で6歳以下の比率が7割を超えているため。一緒にいるだけで無く、極力目を離さないようにすることも大事です。また、遊具には対象年齢が設定されているものも多いので、しっかり把握して年齢にあった遊具で遊ばせるようにしましょう。服装や持ち物にも注意が必要です。フード付きの服や紐のついたもの、カバンやリュックは公園で遊ぶ際には避けましょう。これらは遊具に引っかかると首を絞めてしまうことになり、実際に死亡事故も起きています。遊具で遊ぶマナーもしっかり教えておきましょう。滑り台の逆走や、ブランコの柵を乗り越える、順番待ちで前の子を突き飛ばすといった行為は多くの事故の原因となっているんです。特に子どもたちだけで遊ぶようになったら、しっかりと遊び方の注意を言い聞かせておく必要があります。ほかにも、天候に注意し、滑りやすい雨の日や、金属が暑くなる炎天下には注意をし、壊れそうな遊具などを見かけたら、使用を避け早めに管理者に連絡をするのも大事です。日頃何気なく遊んでいる公園も、使い方次第では危険な凶器となり得ます。危険性を理解した上で、しっかりと対策をとり、不慮の事故に遭わないように注意してあげたいですね。(文・姉崎マリオ)
2018年04月29日「家庭内で起きる不慮の事故で亡くなる方は、交通事故で亡くなる方の3倍近くもいるんです」 こう話すのは、家庭内で起きる事故の事例に詳しい一級建築士の井上恵子さん。厚生労働省の人口動態統計によれば、「家庭における主な不慮の事故」の死亡者数は、最新の2016年のデータで、年間1万4,175人だった。 そして同年の交通事故死者数は5,278人であるため、じつに3倍近い人が、最も安全と思われる“家庭内”で命を落としてしまっていることになるのだ。 「種類別で最も多いのが溺死で5,491人。次に、誤嚥などによる窒息が3,817人。部屋での転倒や階段からの転落などが2,748人と続いていきます。死亡者数の約85%が65歳以上の高齢者です。住みなれたマイホームの中に、多くの危険が潜んでいるということを意識して、対策を立てておくのは、とても重要なのです」(井上さん) そこで、家庭内事故を起こしやすい家の構造と生活習慣を紹介。 ■一人暮らしだ。または家族の帰りが遅く、一人で行動する時間が長い注意点:浴槽で溺れたり、窒息した場合でも発見されにくい。 ■自宅内に段差が多く、片付けがしっかりできていない注意点:高齢になると5センチの段差でもつまずくことが。 ■手すりのない急な階段がある注意点:今までは問題なくても、高齢になるにつれて事故の原因に。 ■浴室の脱衣所に暖房がなく、冬は寒くなる注意点:寒暖差がヒートショックの原因になる。 ■飲酒後に、入浴する習慣がある注意点:飲酒した状態での入浴で心臓発作のリスクが高まる。 ■歯ごたえのある食品を好んで食べる注意点:こんにゃくやタコなど、歯ごたえのある食品は窒息の要因に。 ■食事のスピードが速い注意点:年をとるごとに飲み込む力が弱くなるので、よくかむ必要がある。 その対策として、今日からできるちょっとした次の工夫を。 【絨毯を床に固定する】 年を取ると、めくれた絨毯に足をとられてしまうことも。ホームセンターなどで買える絨毯用の両面テープを使えば、床に固定できる。 【脱衣所にストーブを置く】 寒暖差が原因となるヒートショック。脱衣所に備え付けの暖房がない場合、冬場はストーブを置こう。入浴の10分前にスイッチを押すだけで段違い。 【食事は細かく切る】 餅などの窒息事故は啓発が進んでいるが、じつはこんにゃくやタコでも窒息を起こすことがある。食べるときは細かく切ったほうが安全だ。 ちょっとした安全対策に、さっそく取り組んでみては?
2018年03月14日*画像はイメージです:高知県で、自転車に乗っていた47歳の女性が歩道を歩いていた77歳の女性と衝突。77歳の女性は転倒し、骨折をする事故が発生しました。事故を起こした47歳の女性は、救護活動などを一切せず、立ち去るという暴挙に。警察は必死の捜査を行い、犯人を特定。当該女性は道路交通法違反で書類送検され、罰金刑が確定しています。 ■自転車事故で自動車運転免許が停止にさらに警察は「骨折させておきながら逃げた」ことを重く見て、女性の持っていた自動車運転免許について、180日の免許停止処分とすると発表。“自転車”で事故を起こし、“自動車”の運転免許停止になるという珍しい現象が発生し、話題となりました。ちなみに、高知県では初めてのことだったそう。一方で他県を見ると、「自転車事故で自動車運転免許停止」という事態がちらほらと発生しているようです。なぜこのようなことになるのでしょうか?桜丘法律事務所の大窪和久弁護士に真相を聞いてみました。 ■なぜ自動車運転免許が停止になった?「道路交通法103条では免許の取消及び停止がなされる場合について規定していますが、同条1項8号では免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるときにおいて、免許の取消及び6ヶ月を超えない範囲内での免許の停止を認めています」(大窪弁護士)道路交通法103条の1項8条に、しっかりと規定があるのですね。 ■今後増加する可能性さらに大窪和久弁護士は、今後このようなケースが増加するのではないかと指摘します。「自転車での飲酒運転や危険運転についても、それを行った運転者が自動車を運転する場合に危険が生じる可能性が高いとして上記条文を根拠に免許停止がなされる事例は数は多くありませんがこれまでもあります。自転車運転の安全についても厳しい見方がされるようになってきていますので今後処分件数は増えるのではないでしょうか」(大窪弁護士) 自転車の危険運転は社会問題化しており、死亡事故も発生しています。そのようなことを防ぐ意味でも、大窪弁護士の指摘するように、処分件数が増えそうですね。 *取材協力弁護士:大窪和久(桜丘法律事務所所属。2003年に弁護士登録を行い、桜丘法律事務所で研鑽をした後、11年間、いわゆる弁護士過疎地域とよばれる場所で仕事を継続。地方では特に離婚、婚約破棄、不倫等の案件を多く取り扱ってきた。これまでの経験を活かし、スムーズで有利な解決を目指す。*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*Graphs / PIXTA(ピクスタ)
2017年08月22日今の時期、ベランダで子どもと水遊びや家庭菜園を楽しむママも多いのではないでしょうか。でも、マンションの高層階になるほど怖いのが、ベランダからの子どもの転落事故です。気をつけているつもりでも、一瞬目を離したすきに子どもが1人でベランダに出てしまうことがあるかもしれません。万が一のことを考えて、事故を招く恐れのあるベランダの危険ポイントをチェックしておきましょう。■意外なものが子どもの「足場」に自宅のベランダを見渡してみると、意外とものが多いことに気づく人もいるのでは。転落防止のためにまず心がけたいのが、子どもが登れるような「足場」になるものを、ベランダに置かないことです。エアコンの室外機や踏み台、いす、ゴミ箱、自転車などは、すべて子どもの「足場」になりえます。高さが20~30cm程度のものでも、子どもが登って柵を乗り越えてしまう危険があるため、子どもが小さいうちはできるだけベランダにはものを置かないようにしましょう。ゴミ出しまでの“とりあえず置き”や、ゴミをまとめた袋なども要注意です。■子どもの頭がすり抜ける!? ベランダの柵に注意!一般的に、乳幼児の頭がすり抜ける幅の目安は約11cmといわれています。ベランダの柵の隙間が10cm以上あったら、子どもがすり抜ける危険があると考えて。また、ベランダの柵が横格子タイプの場合は、子どもが足をかけてよじ登ってしまう危険があります。3歳児の平均的な足の親指の厚みは1.2cmといわれており、たとえ小さな隙間でも足をかけて登ることができます。「隙間がないから大丈夫だろう」と過信せず、少しでも不安材料がある場合は、市販の落下防止シェードなどで対策をとりましょう。■ベランダ設置の室外機には、こんな対処法を子どもの転落事故を防ぐには、ベランダにものを置かないことが鉄則です。とはいえ、エアコンの室外機など、どうしてもベランダに設置しなければいけないものもあるでしょう。その場合は、柵からなるべく離した配置にしましょう。もし、ベランダが狭くて十分なスペースが取れない場合は、子どもが登りにくくするなどの対策を。例えば、室外機などの上へ斜めに板を置いたり、動物の侵入防止などに使われるトゲトゲのついたマットを敷くなどして、子どもを遠ざけるようにするのもいいでしょう。そのうえで、子どもが1人でベランダに出ることがないよう、ふだんからしっかりと気を配りましょう。ベランダの出入り口には、子どもの手が届かない高さに補助カギをかけておくと安心です。小さい子どもは、時に大人の想像以上の行動をとることがあります。事故防止対策に「やりすぎ」はありません。子どもには落下の危険がわからないので、保護者がしっかりと対策をとっておきたいですね。
2017年07月07日*画像はイメージです:交通事故を起こした、または、起こされた場合、一般的には警察・救急車を呼ぶと思います。では、仮に、警察を呼ばなかった場合に交通事故訴訟でどのような影響があるのでしょうか。また、交通事故で怪我をしたけれども軽微であると思い、交通事故で怪我をした旨の診断書を警察に届け出なかった場合、交通事故訴訟でどのような影響があるのでしょうか。ご紹介していきたいと思います。 ■交通事故が発生したのに、警察に届けなかったら?まず、交通事故が発生した際に、警察に届け出なかった場合、交通事故証明書が発行されません。交通事故証明書は、警察が発行するわけではありませんが、警察に交通事故を届け出なかった場合、発行されません。交通事故証明書は、その名のとおり、交通事故がいつ、どこで、誰と誰の間で発生したのかを証明する書面ですので、交通事故証明書がないと、交通事故の発生から証明しなければならなくなります。私も、過去、交通事故証明書の存在しない交通事故の訴訟を担当したことがありましたが、そもそも、双方の主張する交通事故の場所も異なっていたため、非常に苦労しました。また、そもそも交通事故を起こした(起こされた)場合、警察への通報義務がありますので、必ず届け出るようにしましょう。 ■軽い怪我だったから診断書を警察に届け出なかったら?次に、交通事故での怪我を軽微だと思い、診断書を警察に届け出なかった場合、警察は、交通事故を物件(物損)事故として扱うため、実況見分が実施されません(交通事故証明書には、物件(物損)事故か人身事故のいずれかの記載があります)。他方で、交通事故で怪我をしたという診断書が警察に届け出られた場合、警察は、当該事故を自動車運転過失致傷事件として扱います。そして、交通事故が自動車運転過失致傷事件として扱われた場合、警察官は、被害者・加害者立会いの下(場合によっては、一方当事者のみの立会いの下)、実況見分を実施し、実況見分調書を作成します。実況見分調書は、端的にいえば、交通事故の状況を記載した書面です。警察官が刑事事件のために作成した交通事故の状況を記載した書面である実況見分調書は、交通事故訴訟において過失割合に争いがある場合、非常に有用です。ちなみに、警察が交通事故を物件(物損)事故として扱った場合、物件事故報告書を作成しますが、実況見分調書に比べると、非常に簡易なものが多く、事故状況を確定するには情報が足りないことがあります。 実際のところ、交通事故を起こさない、起こされないというのが一番いいのですが、万が一、交通事故を起こしたり起こされた場合、将来的に争いになることを見据えましょう。ですので、交通事故の発生を警察に届け出る、交通事故で怪我をした場合にはその旨の診断書を警察に届け出て、実況見分を実施してもらうのがいいと思います。依頼される弁護士の立場でも、交通事故証明書がない交通事故よりもある交通事故、実況見分調書のない交通事故よりもある交通事故のほうが、進行しやすいです。最後に、交通事故でお悩みの人も多いかと思います。当事務所では、弁護士一同、様々なトラブルに関する相談を行っておりますので、お気軽にご相談にいらっしゃって下さい。 *著者:弁護士 阿部栄一郎(丸の内ソレイユ法律事務所の弁護士。交通事故から、不動産、離婚まで幅広い分野に精通。「不安定になることや感情的になることもあると思います。そんなときは、まず当事務所にご連絡下さい」)【画像】イメージです*タカチン / PIXTA(ピクスタ)
2017年06月26日*画像はイメージです:電車内での痴漢行為を疑われた男性が逃走し、線路に降りたりビルから転落したりして死亡するという事故が続きました。この数カ月、嫌疑をかけられた男性が同様に逃走してトラブルになるケースが相次いでいます。痴漢行為を疑われた際に「逃げる」ことが得策でないことは当サイトでも複数の弁護士が指摘していますが、ネット上では「痴漢冤罪を回避するためにはその場から逃げろ」というアドバイスが未だに多く見られます。一度逮捕されてしまったら疑いを晴らすことが難しいというイメージは根強いようです。疑いを晴らすためには証拠が必要となります。この時、重要になるのが周囲の目撃証言です。そこで今回は、痴漢行為を目撃した際側の振る舞いについて、エジソン法律事務所の大達 一賢弁護士にお聞きしました。 ■捕まえる前に証拠保全を痴漢行為を目撃した際に望ましい行動や、目撃者としてできることなどがあれば教えてください。「逮捕した際に言い訳を許さないように、また冤罪の疑いがある場合にはそれを晴らすための証拠保全をしておきたいところです。携帯電話の写真や動画の撮影、周囲にいる他の方々との事実認識の共通化などです。その上で、痴漢をしている人物のうち、実際に痴漢行為に及んでいる手などを掴み、痴漢行為に及んでいるのが誰なのかを、改めて写真や動画などを撮影しておくことが望ましいです。刑事訴訟法は現行犯逮捕については何人たりともできると規定していることから(213条)、逮捕の正当性を後に証明できるようにしておきたいところです」(大達弁護士)映像などの証拠があれば、犯行を立証しやすくなります。被害者や目撃者の記憶による証言以外の重要な証拠となることでしょう。痴漢を捕まえる際は、目撃者としてどのようなことに注意すればいいですか?被害者の助けになるためにはどのようなことが必要でしょうか?「一度痴漢の犯人だと思い込んでしまうと、思考が狭くなってしまい、重要な事実を見落としてしまうことがあります。まずは、何かの拍子に手や足などが当たっているだけなのではないか、他に犯人と思しき人物がいないか、などをよく観察してください。この時に必要なのは、“痴漢がするであろう言い訳を封じることができるのか否か”、また逆に、“この人が本当に痴漢行為をしていたといえるのか、事実認識に誤りはないか”という観点だと考えます。慎重になりながらも、かつ犯罪行為を見逃さぬよう冷静な目線で観察し、その上で先に述べたとおり証拠保全を行うよう注意してください」(大達弁護士)被害者の苦痛を思えば痴漢を取り押さえることが最優先に思えるかもしれませんが、取り違えによる冤罪を防ぎ犯行を確実に立証するために、落ち着いて観察し証拠を残しましょう。 ■決めつけは絶対ダメ!それでは、目撃者としてしてはいけないことは何でしょう?「何らの証拠も確証もないにもかかわらず、一方的な決めつけで痴漢呼ばわりをするということは、してはいけません。いたずらに冤罪を招くことにつながりかねないばかりか、実際に犯人であったとしても、証拠不足であることから逃げ得を許すことにもなりかねません。また、被害者を辱めることにもつながる恐れがあります。目撃者の不確実な証言により痴漢の冤罪が生まれた過去事例も少なくありませんので、常に冷静に物事を観察することが肝要です」(大達弁護士)取り違えによる痴漢冤罪は、被害者だけが起こしているわけではありません。決めつけや不確実な証言は、被害者にとっても痴漢行為を疑われている人にとっても迷惑なものです。大切なのは正しい状況把握、そして証拠です。痴漢冤罪という悲劇をこの社会から減らすには、自分が疑われないようにするだけでなく、誰もが痴漢に対して冷静に適切に対応することが大切なのではないでしょうか。 *取材協力弁護士: 大達 一賢(エジソン法律事務所。第一東京弁護士会所属。「強い、やさしさ。」、「守る≒攻める」、「戦略&リーガル」の3つの思いを胸に、依頼者のために全力を尽くします)*取材・文:フリーライター 岡本まーこ(大学卒業後、様々なアルバイトを経てフリーライターに。裁判傍聴にハマり裁判所に通っていた経験がある。「法廷ライターまーこと裁判所へ行こう!」(エンターブレイン)、「法廷ライターまーこは見た!漫画裁判傍聴記」(かもがわ出版)。)【画像】イメージです* Matej Kastelic / Shutterstock
2017年05月18日いつ、どんなときに事故に巻き込まれるかは誰にも分かりませんよね。そして、事故が起こった際には、大抵パニックになって何をすれば良いのか分からなくなってしまう方も多いと思います。そこで、今回は、被害者・加害者を問わず、交通事故を起こしてしまった際にするべき4つのことをご紹介したいと思います。*画像はイメージです:■1.警察への届出交通事故を起こした場合、物損か人損(人身)かを問わず、警察への届出義務があります(道路交通法72条1項)。したがって、救急車等を手配すると同時に、可能な限り、速やかに警察に通報するなどして事故を届出することが必要です。 ■2.証拠等の確保現場の状況は、後で裁判で争われることがあります。事故後の車両の位置や損傷状況、現場の状況、自己の状況等について、できる範囲で保全をしましょう。事故の目撃者なども、いったん現場を離れてしまうと後日証人として探し出すことは困難となります。重く負傷している場合は同乗者などが代わりに目撃者に後日証人となってくれるよう連絡先交換などをお願いして下さい。相手方の情報も必要となりますので、当事者双方で交換するようにしてください。現場の状況は、全体が分かるように携帯のカメラで撮影するくらいでも構いません。 ■3.保険会社への連絡加入している保険会社にも連絡を入れましょう。示談交渉の代行や保険金支払などについても相談できます。治療費は、相手方保険会社から直接支払われることもありますので、相談してください。また、民事裁判等をする場合は、自動車保険に附帯した弁護士特約を使用し、保険金から弁護士費用を充当して弁護士に相談したり、裁判を依頼したりできます。弁護士特約を利用して弁護士費用を保険金から充填するだけであれば、保険料の等級が下がらないこともあります。なお、弁護士特約を使用する場合、保険会社と弁護士会から弁護士を紹介してもらうこともできますし、知り合いなど自分で相談したい弁護士を決めて、弁護士特約を利用することも可能です。 ■4.損害に関する資料の保全交通事故による損害は、治療費など事故後に発生するものも多いです。損害額を後で立証できるように治療費や通院交通費などはしっかり領収書を残してください。休業損害については、職場から休業損害に関する証明書を発行してもらうよう依頼してください。事故後に事故に起因する出費をした場合は、後で認められるかどうかはともかく、念のため、支出した領収書などは残しておきましょう。 *著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)【画像】イメージです*Dmitry Kalinovsky / Shutterstock
2017年04月01日子どもの事故は未然にふせぎたいもの。外出中は危ない場所に近づかないよう、走って飛び出さないようわが子の行動に注意している人も、家の中では気がゆるんでしまうこともあります。小さな子どもをもつ保護者向けに行われたアンケートから、意外な結果がみえてきました。そこで明らかになった転落・転倒の多い事例と対策についてご紹介します。■1~2歳児の転落・転倒事例でダントツ多いのは?東京都の情報サイト「東京くらしWEB」がおこなった乳幼児を持つ保護者3,000人を対象にしたアンケート調査「 乳幼児の転落・転倒による危険 」で、乳幼児の転落・転倒の多い事例が明らかとなりました。実際に転落・転倒した、しそうになった年齢で最も多かったのは1~2歳のとき。なんと、全体の6割を記録しています。●製品等別 転落・転倒経験の有無 転落・転倒した製品としては、「乳幼児用でない椅子」「ソファ」が1位、2位にランクイン。椅子は「立ち上がる」動作で、ソファーは「遊んでいて」転落、転倒する事例が目立っているようです。■事故はこうして起きていた!具体的には日常のどんなシーンで転落、転倒の危険があるのでしょうか。体験者からの投稿によると、次のような事例が寄せられています。●椅子(乳幼児用でないもの)の主な事例・上の兄弟 2 人が椅子に座って、パソコンラックで YouTube を見て いたとき、2 歳の男の子も一緒に見たくて椅子の座面に立っていた。そ れでバランスを崩して腕から落下し骨折した。・ダイニングテーブルセットの回転する椅子が楽しく、ぐるぐる回っていたら椅子がぐらっと傾いた。・ハイチェアを買っていなかったので、椅子の上に子供用ローチェアを 置いて、その上に座らせていた。固定していなかったので目を離してい たら椅子の上のローチェアの上で飛び跳ねていて、ローチェアがだんだんずれていった様で、そこから落下した。出典:東京くらしWEB「 乳幼児の転落・転倒による危険(報告書) 」(PDF:1.06MB)また、ソファでは、ソファ自体で遊んでいるときに事故が起こったものが最多でした。●ソファの主な事例・娘が5歳の時、ソファに後ろ向きに座って遊んでいた。振り返ったときにバランスを崩し、前のリビングテーブルで口を打った。上と下の歯 で下唇を挟み、下唇の下を6針、口の中を2針縫った。 ・友人の子供(男の子・2 歳)を自宅で預かったとき、娘(5 歳)と一緒にソ ファの背もたれの部分に乗っては降りるという遊びをしていたとき、バキッという音とともに突然ソファの背もたれが後ろに倒れてケガをし そうになった。出典:東京くらしWEB「 乳幼児の転落・転倒による危険(報告書) 」(PDF:1.06MB) 椅子やソファでの事故は、不注意によるものが多くみられます。そこで次のような対策を検討してみましょう。<椅子やソファで事故が起こらないために実施したい対策>・椅子やソファでは遊ばせない・遊びだしたら注意する、・ソファの背もたれは、壁につける、・ソファーでは寝かせない・可能なら低いソファに買い替え、もしくはソファの下にコルクマットを敷く■知っておきたい意外な転落・転倒スポット●転落・転倒により医療機関の受診が多い製品等アンケートでは0~6歳までの転倒・転落経験、しそうになった経験について調査がおこなわれました。そのなかで、1歳児以降すべての回答に含まれていたのが「家の階段」です。調査によると家の階段から転落、転倒した際に医療機関を受診している人が多く、保護者自身も家の階段を「危ない場所」と認識している人が多くいました。じつは、私の息子も4歳のときに家の階段からすべりおちた経験があります。たった3段でしたが、大人の半分にも満たない小さな体には大きな衝撃があったようです。ケガこそありませんでしたが、横倒しになって全身で落ちてきたので、本当にヒヤッとした記憶があります。家の階段でおこる事故の状況としては「踏み外す」場合が最も多く、ついで「滑る」となっています。小さいなうちは子どもが1人で階段を使わないよう、ゲートをつける、子どもを抱っこしたまま階段を使用しない、などの対処が事故を未然に防いでくれるのではないかと思います。大人にとってはなんてことのない場所・場面も、小さな子どもにとっては大きなケガにつながる危険がひそんでいるかもしれません。転落・転倒は普段の日常のなかにあることを、意識しておきたいですね。<参考サイト>・東京くらしWEB ヒヤリ・ハット調査 「 乳幼児の転落・転倒による危険 」・東京くらしWEB ヒヤリ・ハットレポートNo.11「 乳幼児の転落・転倒 事故防止ガイド 」(PDF:4,825KB) ・東京くらしWEB 「 乳幼児の転落・転倒による危険(報告書) 」(PDF:1.06MB)
2017年03月24日最近は、いくつになっても元気でハツラツとしているじいじ・ばあばが多いですが、それでも歳を重ねるにつれて、体力・身体能力は少なからず衰えていくものです。とくに家庭内での転倒・転落には注意が必要。ちょっとしたケガが引き金となって、あっという間に老け込んでしまう…なんてケースも珍しくないようです。親の家のリスク管理も早めに行いましょう。■階段事故の注意点階段での事故は大きなケガにつながりやすいため、とくに注意が必要です。「うちの両親はまだ若いから、階段から落ちるなんて…」という人もいると思いますが、少しずつ筋肉が衰えはじめる中高年にも階段事故は多いそう。慣れているはずの自宅・マンションにある階段でも、ちょっと油断した瞬間に足を踏みはずす…というケースは珍しくありません。家に階段があれば、事故のリスクをできるだけ軽減できるよう対策を講じておきましょう。まずは、手すりの有無・強度をチェック。いざというときにしっかり両親を支えてくれる、十分な強度を持った手すりを取りつけておくと安心です。また、照明が不十分で足元が見えにくい場合は、転倒・転落リスクが高くなります。照明があるにも関わらず、点灯させずに階段を上り下りしてしまう人も多いため、人感センサーつきの照明を取りつけておくと安心です。家庭内の階段にはよく滑り止めが取りつけられていますが、じつはこれも要注意。滑り止めの凸凹が大きすぎると、つまずく原因にもなり得ます。凹凸はできるだけ小さく、かつ十分な効果が得られる滑り止めを選びましょう。■床の注意点とくに危険なポイントがなさそうなリビング・ダイニングでも、転倒事故は起こります。その原因のひとつとなるのが、フローリングの床。滑りやすいと感じたら、滑り止めワックスを塗るなどの対策を講じておきましょう。また、絨毯(じゅうたん)、カーペットやラグマットの端の部分は、つまずきやすいポイントです。フローリング・畳の上にラグマットなどを敷いている家庭は要注意。端の部分が頻繁に通る場所にないか、チェックしておきましょう。■コード類の注意点夏場は扇風機、冬はストーブや加湿器、テレビ、携帯電話の充電器、パソコンなどなど…。生活スペースの中にいろいろな家電が登場する現代の暮らしでは、その「コード」にも注意が必要です。頻繁に通る場所の足元にコード類があると、転倒事故のリスクが高まります。コード類はできるだけ部屋の端の方にまとめられるよう工夫しましょう。どうしても配置しなくてはならない場合は、床に固定するなどの対策をしておくと安心です。■段差の注意点浴室・玄関などの段差がある場所も、転倒事故が多いスポットです。段差をなくしてフラットにしたい…ということになれば、リフォームが必要かもしれません。ただ、そのためには時間もお金もかかってしまいますので、まずはできる対策から考えてみましょう。たとえば、玄関を上がったところにマットを敷いていると、それにつまずいて転倒するケースもあるようです。どうしても必要な理由がなければ、玄関マットの使用は控えた方がいい場合も。また、マットが滑ると危険ですので、滑り止めがついているマットを使用するなども検討しましょう。■転倒を防ぐためには親が自宅で安心して過ごせるように、子どもが家に訪れたときは、気にかけたいですね。<家庭内での事故防止のポイント>(1)階段や廊下に手すりを付けることなどを検討しましょう。(2)自分の足に合ったルームシューズなどを使うようにしましょう。また、敷居にはミニスロープを設置するなど、足元に十分気を配りましょう。(3)脚立・踏み台を使わないと取れないような高い場所に物を置かないようにしましょう。(4)夜中にトイレにいくときなど、足元が暗いと危険です。人感センサー付きの足元灯などを利用し、段差がよく見えるようにすると良いでしょう。出典: 「あしもとに注意!~高齢者の事故防止マニュアル~」 (PDF:2,954KB)「うちの両親は、まだ元気だから大丈夫」と思う人もいるでしょう。しかし、両親が元気に動けている今、しっかりチェックしておくことが大切。こうした対策をしておけば、子どもが遊びに行ったときの安全対策にもつながるはずです。<参考サイト>・東京くらしWEB「 シニア世代の身の回りの事故防止ガイド 」(PDF:3,070KB)・東京くらしWEB「 あしもとに注意!~高齢者の事故防止マニュアル~ 」
2017年02月17日5~6時間の睡眠しか取らなかった運転者は交通事故のリスクが約2倍に、睡眠時間4~5時間の運転者は交通事故リスクが4倍以上にも上ることが、米自動車協会交通安全財団(本部・米ワシントンD.C.)の研究で明らかになりました。同財団が2016年12月6日、研究レポート「睡眠不足と交通事故の関係」として発表しました。 睡眠不足は飲酒運転による事故リスクと同程度研究は、2005~2007年に発生した交通事故4,571件に関与した運転者7,234人と睡眠時間の関係を分析。睡眠時間が過去24時間で6~7時間だと、睡眠時間7時間以上の運転者と比べて事故リスクは1.3倍、5~6時間だと1.9倍、4~5時間だと4.3倍、4時間以下だと11.5倍にもなりました。このリスクのレベルは、米幹線道路交通安全局(NHTSA)が公表している飲酒運転が引き起こす交通事故のリスクと同程度だということです。 死亡交通事故の21%は眠気運転が関係睡眠不足は、刺激に対する反応を遅らせ、反応の正確さも減少させる結果、運転すれば交通事故の危険をもたらします。同財団によるこれまでの研究で、死亡交通事故の21%が運転者の眠気と関係していることが分かっていましたが、睡眠時間と交通事故リスクの数量的な関係を突き止めたのは今回が初めてです。 7時間以上の睡眠を取らずに運転するのは危険米疾病対策センター(CDC)の調査によると、米国の自動車ドライバーの35%が、7時間の睡眠を取れていませんでした。同財団によれば、運転者の97%が、眠気のある状態で運転する人はほかのドライバーの安全を脅かしており、許せないと考えている一方、運転者3人のうち1人は、過去1か月以内に非常に疲れて目を開けているのがつらい状態でも運転したことがあると答えたそうです。同財団では、7時間以上の睡眠を取らずに運転すれば、死亡事故に結びつく危険があると、ドライバーたちに警告しています。 出典:米自動車協会交通安全財団プレスリリース米自動車協会交通安全財団研究報告書 by Gary Knight
2016年12月18日道交法72条では、人身事故・物損事故問わず、交通事故全般について、速やかな警察への報告義務が課されています。したがって、軽微な事故や当事者双方にケガがなく、話し合いで解決したり、そもそもお互いに賠償請求するつもりがない場合であっても、道交法上は、必ず警察への報告をしなければなりません。*画像はイメージです:■警察への報告義務を怠ると罰則がこれは、交通事故直後には、お互い怪我がなく、車両損害もたいしたことがないと思って、そのままにしておいても、後日、当事者の一方が予期していなかった後遺症を発症したり、車両の損害が判明した場合に、警察に捜査を求める可能性があり、事後的な現場検証が難しいことと、軽微な事故も含めて警察で把握することで、交通事故の予防政策にも活用する必要があるためです。また、人身事故の場合には、自動車運転過失致傷罪等に問われる可能性がありますが、当事者の判断だけで、報告がなされないと、適切な治安維持、交通取り締まりも実現できません。そのため、道交法では、交通事故全般について、報告義務が課されており、交通事故の報告義務に違反した場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となります。 ■「ひき逃げ」により刑が加重される道交法72条では、交通事故時の報告義務とともに、救護義務定めています。したがって、交通事故を起こした運転者は、負傷者(被害者)の救護をする義務があります。交通事故を起こしたにもかかわらず、負傷者の救護もせずに、現場から逃亡する(ひき逃げ)行為は、救護義務違反として、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。 ■「殺人罪」が適用されるケースもさらに、交通事故によって被害者に重傷を負わせたにもかかわらず、救護もせずに被害者の身体を匿うなどして救護を困難にし、結果、すぐに救護すれば助かったのに被害者が死亡まで至った場合には、(不作為の)殺人罪が適用されるケースもあるとされています。交通事故の直後は、気が動転し、会社や家族のことが頭をよぎって逃亡する誘惑にかられるかもしれませんが、ひき逃げや報告義務違反は、さらに悪い結果しかもたらしません。不幸にも交通事故を起こした場合は、速やかな警察への報告と救護をしましょう。 *この記事は2015年11月に掲載されたものを再編集しています*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)【画像】イメージです*photoman / PIXTA(ピクスタ)
2016年12月05日休日や大型連休になると、交通事故の件数がぐっと増えるといわれています。やはり、普段運転し慣れていない方が運転すると事故につながりやすいようです。休日は、車の量自体も増えますし、お休みで気分が浮かれていますので、ちょっとした油断が、交通事故につながりやすいともいえるでしょう。とくに、高速道路での交通事故は重大事故に発展しますし、何台もの車が巻き込まれる可能性が高いです。どんなに気をつけて運転していても、もらい事故に遭ってしまう可能性は常にありますので、交通事故に関する知識は知っていて損はありません。■万が一、事故に遭ってしまったら?交通事故に遭った場合、必ず、警察に連絡をしましょう。怪我をしている場合は、「人身事故」として届け出ることが大事です。仮に、相手から懇願されて「物損事故」扱いにしてしまった場合、過失割合の判断に必要な「実況見分調書(警察立会いの下事故の状況を記録した調書)」がもらえなくなってしまうなど、リスクが生じてしまいます。また、「物損事故だから」ということで、治療費や慰謝料などの面で不利益になる可能性もあります。必ず「人身事故」として届け出をするようにしましょう。事故の現場で、「示談金を受け取っておしまいにしてしまう」ケースがまれにあるようですが、その後の治療費や慰謝料が受け取れなくなる可能性もあるので、その場で示談してしまうことはお勧めしません。■保険会社に示談をすすめられたら従うべき?通院や治療が終わって、最終の段階となると、保険会社から「示談金として●●円支払います」と口頭や書面で提示があると思いますが、その示談は「ちょっと待った!」です。保険会社から「弊社で提示できる最大の金額です」といわれても、示談書にすぐにサインするのはお勧めしません。交通事故の示談金については、「休業損害」や「慰謝料」など、様々な項目がありますが、法的には「●●円が妥当」といういわゆる「裁判所基準」が存在します。しかし、保険会社の提示する金額は、この裁判所基準と比べて、圧倒的に低いのが現状です。まずは、その示談金額が法的に妥当なのか(妥当でないことがほとんどなので)吟味する必要があります。■弁護士はお金がかかりそう…誰に相談すればいいの?交通事故被害について、「弁護士に相談する」となると、「おおげさな(裁判はしたくない)」とか「お金がかかる」というイメージの方が多いようです。そもそも、「保険会社に任せておけば安心」という方がいまだほとんどなのではないでしょうか。しかし結論として、交通事故被害に遭った場合には、なるべく早い段階で、弁護士に相談することをお勧めします。最近は、相談料無料で法律相談を行っている事務所も増えましたし、弁護士費用特約(保険会社が弁護士費用を負担してくれる特約)に加入している方は、通常、費用の負担なく弁護士に依頼することができます。仮に弁護士に相談しても、ほとんどの場合が話し合いで決着するので、通常は、長期間かけて裁判まではしなくてもいいのが現状です。「治療に際して必要な検査が何か」や「示談金としてどのような主張をすべきなのか」は、やはり、その道に精通した弁護士のアドバイスを得ていただきたいと思います。■事故に遭っても泣き寝入りしないために交通事故の被害者は、まだまだ「泣き寝入りさせられている」現状があります。交通事故で怪我をしただけでも辛いのに、しっかり補償も受けられないのであれば、二次被害といっても過言ではありません。交通事故に遭った場合に、経済的にも労力的にも、精神的にもお役にたてるのが「弁護士」の存在です。「近寄りがたい」などといわず、気軽に頼っていただきたいですね。 監修協力:弁護士法人アディーレ法律事務所 (東京弁護士会所属)
2016年09月21日俳優のスコット・イーストウッド(30)が、元恋人を交通事故で亡くした過去により、別の人とデートすることがつらいと明かした。スコットは、豪版GQ誌のインタビューの中で、そのつらい経験についてこう語っている。「2、3年前に付き合っていた女の子を交通事故で亡くしたんだ。一番やるせないのは、フェンダーがへこむ程度の衝突事故だったのに、エアバッグがリコール対象だったんだ。彼女のエアバッグは破裂したんだよ。それで飛び出したものが彼女の体を突き破り、脊髄を分裂させたんだ。この話は誰にもしたことがなかったんだけどね」「その前にも良い友達を何人か失ったことはあったんだ。でもここまで近い人を失ったことはなかったね。だから余計に誰かとデートするのを難しくしているのかもしれないな」そんなスコットは恋の難しさについても語っており、「若い時は恋に落ちやすいもんだろ?」「それで愛とか情熱、強い欲望っていう気持ちは生まれやすいと同時になくなりやすいものでもあると気づくんだ」と続けた。しかしスコットは以前、運命の相手のためなら俳優人生をあきらめることさえすると発言していた。愛のために仕事をあきらめることがあるかと尋ねられた際、「そうするだろうね。究極の代償になるけど、その女性なしでの人生が考えられないなら、もちろんそうするさ。でもまさに『運命の相手』じゃないとだめだけどね」と答えていた。(C)BANG Media International
2016年08月29日レオナルド・ディカプリオ(41)と恋人ニーナ・アグダル(24)が米ハンプトンズで20日、追突事故に巻き込まれたようだ。2人の乗った車にミニ・クーパーが追突する事故が起きたものの、2人にケガはないという。ある関係者はニューヨーク・ポスト紙ページ・シックス欄に対し「レオとニーナは追突事故にあいましたが、みんな無事です。レオの友人の車だったようです」とコメントしている。ディカプリオはみんなの安全を確認し、事故現場へは念のため救急車が呼ばれたようだ。一方で先月、ニーナの祖母ローナさんがディカプリオとニーナさんの交際を認める発言をしたことが話題になっていた。祖母のローナさんは、「私たちはまだレオナルドと挨拶はしてないの。だけど、レオナルドがニーナによくしてくれることを願うわ。さもなければ、私が出てくるわよ」「2人が初めて出会ってから6年が経っているってことはお伝えできるわ。明らかに関係は発展していってるわね」と話していた。(C)BANG Media International
2016年08月23日大阪府では今年7月から、自転車に乗るすべての人に対して事故の損害賠償をする保険への加入を義務づけるようになりました。2015年、大阪府内で起きた自転車事故件数は1万2,222件で全国ワースト1位、死者は前年から16人増え50人になったからです。以前なら、「手軽に安く誰でも乗れる自転車に保険なんて不要」という考えが当たり前だったかもしれません。しかし2000年を境に、自転車に乗る人が一気に増加……。それに伴い事故も多発しています。最悪の場合、自転車事故で自己破産ということにもなりかねません。なぜそんな時代になってしまったのか?実例をもとにご説明していきましょう。■自転車事故に「私だけは大丈夫」は通用しない従来、移動の際の保険は「自動車にかかるもの」であって、「自転車にかかるもの」ではありませんでした。しかし自転車人気が高まっていくにつれ、近年は自転車に関する事故も多発するようになりました。『ガベージニュース』の「交通事故発生件数と自転車交通事故件数、およびその比率」データとこれからの時代背景を考えると、今後もさらに増加していくものと思われます。この15~16年間、交通死亡事故における自転車死亡事故の占める割合が増加しています。「えっ?でも、自転車の死亡事故の絶対数は減っているじゃない!」死者数だけを見れば、そう感じても仕方ないでしょう。しかしこの背景には、少子高齢化や車に乗る人が減少してきたことなどがあるのです。次に同サイトの「2005年-2015年における自転車乗用中の年齢層別死者数比率」データの年齢構成を見てみると、圧倒的に高齢者が多いことがわかります。40~50代を含めれば、中高年世代が死者の8割を占めているのです。少子高齢化が進むにつれ、今後もこの比率は続くものと思われます。それどころか、最近は元気な高齢者がロードサイクルを運転している姿もよく見かけますから、さらに事故は増加するのかもしれません。■なんと自転車事故で自己破産しているケースも自転車人気がピークを迎えた2008年9月、神戸である自転車事故が発生しました。当時11歳の少年がマウンテンバイクで走行中、散歩をしていた60代女性に正面衝突してしまったのです。これにより、女性は頭を強く打って意識不明に陥り、以後、寝たきりの生活を余儀なくされました。2013年、神戸地裁は、少年の母親の監督不行き届きを理由に、加害者側に9,500万円の損害賠償金の支払いを命じました。しかし加害者少年の母親は、事故による損害賠償を補てんする保険に未加入だったため、賠償金を負担しきれず、判決翌年には自己破産。結果、被害者側は慰謝料などの支払いを受けることができないまま、家族全員が苦しみ続ける結果となりました。さらにこの判決を受け、全国のあちこちで自転車事故に関連する損害賠償金の請求訴訟が行われるようになりました。結果、前述の加害者側と同じく、自転車事故の保険に入っていなかったばかりに、自己破産を申請する人も増加したのです。「手軽で安価な自転車」は、もはやそのリスクを考えると手軽でも安価でもない移動手段となっているといえるかもしれません。■自己破産をすれば損害賠償は免れられるのか?では、多額の損害賠償金を請求され、返済しきれない場合でも、自己破産の申し立てをすれば損害賠償は免れられるのでしょうか?実は、可能な場合とそうでない場合があります。また仮に、損害賠償の支払い義務が免除されたとしても、それでも免除されないものもあります。自己破産を申し立てても損害賠償などの債務が帳消しにならないケースは、「財産隠し」や「破産申し立ての直前にクレジットカードで目いっぱい買い物して換金する」など、悪意があるとみられる場合です。また、自己破産の申し立てが通っても、税金や社会保険料などは払い続けなくてはなりません。さらに、事故そのものが破産者の故意または重過失によって行われた場合、損害賠償は免責になりません。故意とは、破産者がわざと被害者を傷つける目的で事故を起こした場合、重過失とは「危険運転致死傷」などのように、わざとではなくても、危険と知りながら飲酒運転をし、結果事故になってしまった場合などを指します。つまり、「自己破産をすれば必ず責任から逃れられる」わけではないのです。■自転車運転もリスキーなので保険に加入しよう自己破産すればある程度は損害賠償責任から免れられますが、それでもすべてというわけにはいきません。なにより「破産者」という事実は、本人の以後の生活の自由をかなり奪うことになります。いろいろチャレンジしてみたい、あるいはアクティブに活動したい20~30代にとって、大きな痛手となることは間違いありません。では、どうしたらよいのでしょうか。いちばんの対策は、「自転車保険に入ること」。大阪府では加入義務が条例で定められましたが、やはり一般的には自転車保険はあくまでも任意であり、クルマのように強制加入ではありません。つまり、自転車に乗る人自らが、保険を意識しなければいざというときに備えられないのです。最近では、自転車事故多発の現状を視野に入れ、あちこちの保険会社が自転車事故保険を金融商品として扱うようになりました。保険の掛け金も安価で、年間3,000円から高くて7,000円の商品があります。賠償額の上限は1億円が一般的ですが、なかには3億円の保険商品もあります。年間の保険料は月に換算したら300円未満から500円台です。これで日常的に発生するリスクの高い自転車事故に備えられるなら、安いものだといえるでしょう。手軽で安価で身近な自転車ですが、道路交通法上は「軽車両」として取り扱われます。つまり、自転車であってもクルマやバイクと同じく、交通ルールを守らなくてはならないのです。さらに、ルールを守らず事故を起こせば自動車事故と同じように罰せられますし、損害賠償も免れることはできません。場合によっては、自己破産に追い込まれてしまいます。*些細な事故で明るい将来を台なしにしてしまうことのないよう、「手軽で安価」という自転車へのイメージを払拭して、クルマと同じように対策をとっておくことが望ましいでしょう。(文/税理士・鈴木まゆ子) 【参考】※自転車事故の交通事故全体比は2割を切りさらに減少中(2016年)(最新)-ガベージニュース
2016年07月18日自転車はエコで安全な乗り物、運動にもいい……そんなイメージをもっている人も多いことでしょう。一方で、意外とこわいのが事故。自動車との接触事故など「被害者」としての側面もありますが、対歩行者となると「加害者」側になってしまう危険性があるのです。昨年6月には改正道路交通法が施行され、自転車に対する規制が高まっています。施行された前後はニュースなどでも取り上げられ関心が高まりましたが、1年経ってやや意識が薄れてきているのが現状です。そこで今回は「自転車が加害者となる事故」の傾向と対策について、公益財団法人 ・交通事故総合分析センターの主任研究員、柴崎宏武さんにお話をおうかがいしました。■中学生・高校生の加害者が多い平成26年のデータによると、自転車事故は年間約11万件起きています。10年前と比較すると40%ほど減少していますが、そのうち対歩行者事故の減少率は2.5%。つまり、自転車が加害者となる事故はあまり減っていません。では、どのような年齢層が事故を起こしやすいのでしょうか?対歩行者事故・自転車相互事故を起こした運転者(人口10万人当たり)で見ると、16~18歳がもっとも多くなっています。理由としては、通学等で自転車を利用する頻度が高くなることと、それ以上の年齢になるとバイクや自動車へ移行していくからだろう、と考えられます。つまり、事故を起こすのは中高生が圧倒的に多いのです。■通勤・通学の時間帯が要注意!つぎに、対歩行者事故の発生時間帯を見てみましょう。おおむね朝と夕方にピークがあり、通勤・通学時間帯に多く発生していることがわかります。12歳以下は下校時間後、65歳以上では10~11時台に多くなっており、各年齢層の生活パターンを反映した結果となっています。■考えごとしながら運転が事故に違反内容はどのような傾向があるのか見てみましょう。第一当事者(事故の過失が重いほう)の安全運転義務違反の内訳をみると、安全不確認(前、左右)がもっとも多く、ついで動静不注視となっています。動静不注視とは、たとえば「相手が譲ってくれるだろうと思い、歩行者などの危険対象を注視しなかった」といったケースです。13~18歳に限定してみると、ほかの年齢にくらべ漫然運転・脇見運転が多くなっています。漫然運転とは、なにか考えごとをしながらなんとなく運転している状態。最近はヘッドホンで音楽を聞きながら走っている人もよく見かけますが、「まわりの音が聞こえないという状況はとても危険ですね」と柴崎さんは言います。■ヘルメットで死亡率が1/4に自転車事故を防ぐために、どういった対策が必要なのでしょうか?柴崎さんによると、「ヨーロッパでは、小学校から自転車に対する教育を徹底している国も多い」とのこと。それにより事故率も少ないそうです。日本でも警察の交通関係や各種交通安全に関わる団体関係者が学校へ来て講習会をおこなっていますが、せいぜい年1回程度。教育として身についていないのが現状でしょう。乗る側としては安全運転が第一ですが「個人の防御策でいえば、ヘルメットを着用することが、万が一事故に遭ったときに傷害を軽減できる有効な手段ですね」と柴崎さん。わざわざ自転車にヘルメット?と思うかもしれませんが、自転車による死者の割合はヘルメット着用により1/4に低減する、というデータも出ています。また、これもあまり知られていませんが、13歳未満の幼児・児童期は「ヘルメット着用の努力義務化」が施行されています。お子さんを乗せて二人乗りをしている主婦もよく見かけますが、大人も含めてヘルメットの着用を習慣化することが被害を軽減するために極めて有効な手段です。*自転車とぶつかりそうになってヒヤリとした、なんてことは日常歩いていてもよくある話です。一歩間違えれば、重大な事故につながる可能性もあります。特に小さいお子さんがいる主婦の方はヘルメット着用を習慣化させ、事故を防ぎましょう。(文/村中貴士) 【取材協力】※柴崎宏武・・・ 公益財団法人 交通事故総合分析センター/研究部主任研究員 【参考】※公益財団法人 交通事故総合分析センター※交通事故総合分析センター Facebookページ
2016年06月13日こんにちは。NANARUKAです。新緑の季節を迎え、自然を楽しむナチュラル志向のライフスタイルやグリーンを取り入れたインテリアを特集する雑誌が増えています。ベランダ菜園やガーデニングが若者の趣味として定着しつつあることもあり、若年層、ファミリー層の“ボタニスト”たちが増加しています。一方で、マンションのベランダから子どもが転落する事故が頻発しているというニュースを先日耳にしました。このふたつの事象を安易に結びつけることは避けたいのですが、小さなお子さんと一緒にベランダライフ、ガーデニングを楽しんでいるご家庭では、今一度、安全性についても考えるきっかけになれば良いと思い、このコラムを執筆することにしました。●危ないのはエアコンの室外機だけじゃない! 植物の飾り棚も要注意子どものベランダからの転落事故の原因としてすぐに思い浮かぶのが“エアコンの室外機”ではないでしょうか。しかし、近年はそれだけではないようです。子どもは思いがけない行動に出るもの。大人にそのつもりがなくとも、子どものやること、考えることは時に大人の想像を絶するもの だと肝に銘じておくのがいいでしょう。『使っていない植木鉢を運んできて逆さまにして踏み台にし、柵の向こうを覗こうとしていた』(2歳男の子のママ)『植木を飾っていた3段の棚を階段のようにして登ろうとしていた。植木は丁寧に床に下ろされていた』(3歳女の子のママ)『壁側なら大丈夫だろうと思い室内寄りにグリーンをディスプレイしていましたが、そのディスプレイ用の木箱を外側に移動させて登ろうとしていた。つい最近まで気に掛ける様子もなかったのに、力がついたこともあってか植物と一緒に軽々と持ち上げていて本当に驚きました』(2歳男の子のママ)など、ガーデニングを楽しんでいたママさんがヒヤッとさせられるシーンも多発しているようです。●子どもが自由に出入りできるなら監視は徹底的に!最近では、ベランダをリビングやダイニングの延長とする捉え方も増え、テーブルやチェアを置いて家族の行き来を自由にしたり、子どもの遊び場や庭代わりとして活用するご家庭も多いようです。ステキな活用方法だと思いますが、子どもをベランダで遊ばせる際は大人の監視は必須 。子どもは外の空気に触れた開放感も手伝って、死角にいる場合や目を離した隙にも、あれやこれやと行動しています。『珍しくおとなしいと思って覗きに行くと、ベランダの手すりにつかまり、靴下を脱いだ湿った足でガラス材の柵を上がっていた。スルスルと慣れた足取りだったので、それまでも何度かはやっていたのだろう と思うとゾッとした』(4歳男の子のママ)『兄弟でおとなしく遊んでいると思っていたけれど、見に行くと手すりに縄とびを巻き付けてそれにしがみつき、「ファイトー!」「一発!!」と叫んでいた。じきにコツを掴んで縄を上ってしまいそうだったので焦った』(3歳男の子・4歳男の子のママ)大人も想像力を大いに働かせ、悪ふざけの道具になりそうなものは決して置きっぱなしにしないようにその都度確認しましょう。●踏み台になるものがないからといって安心してはダメ!「うちはガーデニングなんて興味がないし、ベランダもたいして活用していないので」というご家庭も安心していてはいけません。子どもにとってはありとあらゆるモノが遊びの道具となりうるのです。考えもしなかっあんなモノ、こんなモノまで……。『ゴミの収集日までベランダで保管していた生ゴミを積み上げてベランダの手すりにつかまろうとしていた。遠くの高速道路を走っている車を見たかったようです』(2歳男の子のママ)『ベランダの隅に一時保管していた資源ゴミの雑誌や新聞紙を積み上げていた 。椅子にして遊んでいただけだったが、踏み台にするには十分な高さが積み上げられていたので、それに上っていたらと想像したら怖くなった』(5歳女の子のママ)『物干しの位置が低いので物干し竿に手が届いてしまい、鉄棒のようにぶら下がってしまいます』(4歳女の子のママ)子どもの発想、行動力はしばしば親のそれを超えてしまいます。ベランダへ出たその瞬間から転落の可能性を秘めている、というくらいの考えを持っておくことが事故防止に繋がるのではないでしょうか。----------いかがでしたか?足場になるものは置かず、ベランダへの扉には二重に鍵をかけるなどの事故防止対策はもちろんそうですが、快適なベランダライフも重視したいなら、まずは子どもの監視を徹底することが絶対といえますね。子どもも年齢を重ねれば危険を理解できるようになりますし、分別もついてきます。幼い時期の不慮の事故を防ぐのは大人の役目。快適な暮らしが“大人のエゴ”となってしまわないよう、子どもの安全にも気をつかってあげたいものですね。【参考リンク】・STOP! 子どもの「転落」 | 東京消防庁(PDF)()●ライター/NANARUKA(フリーライター)
2016年05月03日8歳の少年が交通事故で死んだ。事故加害者の夫と不倫中の派遣社員・千恵子、パン工場で働きながら少年を育てていたシングルマザーの吉乃、加害者の夫で編集者の健二、加害者で人気スタイリストの美里。事故によって、それぞれが抱えることになった喪失とかすかな光を描いた連作短編集『一瞬の雲の切れ間に』。ドキュメンタリー映画の俊英、砂田麻美さんが初めて挑戦した完全なるフィクションだ。「最初に決めたのはタイトルでした。たまたま仕事で長崎の原爆資料館に行ったとき、原爆投下の状況を説明した文章の中に<一瞬の雲の切れ間に>という言葉があって、それがすごく印象に残ったんです。ほんの一瞬の出来事で、一生背負わなければいけない罪を犯してしまったり、運命がまるきり変わってしまうような事柄に遭遇したりするんだ、と。それを軸に据えたら、語り手としてどんな人を据えたらいいのかのイメージが一気に湧いてきました」事故から数えて2年ほどの年月。その間に起きたことや、それ以前の過去を、語り手それぞれが回想する形で物語が進む。そのときに浮かび上がるのは、人間というものの善悪入り交じる複雑な多面性だ。「映像は人物に確たるキャラクターを持たせないと伝わりにくいので、多くを語らせずに観客にゆだねる表現をします。だからよけいに、“書く”ことでしかできない表現を意識しました。できるだけ裏の裏までえぐって、その人のいいところも悪いところも余すところなく書こうと」執筆は主にスタバで。1日10枚とノルマを決めてコツコツ書いた。「5枚しか書けなかったら、翌日巻き返して15枚書く。スイッチが入れば周りが見えないほど集中できる方なので、そこまでいくと、脳裏に浮かんでいるイメージを文章に変換させることができるのですが」ちなみに本作には、5人の語り手がいるのだが、そのラストに登場するのは、意外な人物だ。「事件をめぐる人間関係の枠から、少し距離がある人物を1人出そうというのは最初に決めていて、その人物が、この物語を束ねる存在になるだろうという予感はありました」サスペンスフルに展開するエンディングと、その先に見える一条の光。その完成度を、ぜひご覧あれ。◇少年の死亡事故に直接的、間接的に関わった人々の胸の内が語られる連作短編形式。後悔、懺悔、赦し、希望など千々に心乱れる人々を描く。ポプラ社1400円◇すなだ・まみ映画監督。1978年生まれ。是枝裕和監督らの監督助手を務め、初監督作品『エンディングノート』で日本映画監督協会新人賞等を受賞。それをもとに小説『音のない花火』を発表。※『anan』2016年3月23日号より。写真・岡本あゆみ(砂田さん)森山祐子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2016年03月22日正社員で働いているから自分を「中流」だと思っている方も、安心はしていられません。いま「中流」でも、やがて「下流」に転落してしまう恐れがあると、『「偽装中流」中間層からこぼれ落ちる人たち』(KKベストセラーズ)の著者・須田慎一朗氏が主張しているのです。須田氏は、数々のTV出演でおなじみの経済ジャーナリストですが、「人並みにがんばっていれば、誰もが報われた時代」はこの先やってこないと断言し、さらに「来る2020年はバラ色の未来ではない。むしろ2020年問題ともいうべき問題が山積している」といいます。2020年問題とはなんなのでしょうか?また、「中流」が「下流」に転落するとは、どういうことなのでしょうか?■銀行に相手にされない人は中流以下!かつて高度経済成長によって、日本には「一億総中流社会」が到来しました。マイホーム、そしてカラーテレビ、クーラー、カーの「3C」を所有することで中流意識を高めていったのです。そしてバブルが崩壊し、終身雇用や年功型賃金など日本型雇用システムが崩れ、格差が拡大して二極化が加速している現在も、中流意識の高さは変わっていないといいます。そこで著者は、どのような人が中流なのか検証しようとしますが、具体的な中流モデルは見つけられなかったといいます。銀行も「富裕層」というカテゴリーは設定しているものの、「中流層」はないというのです。銀行における富裕層とは、地主や企業のオーナー、医師などの資産家。それ以外は中間層でも、貧困層をも含めた「マス(大衆)」としか位置づけていないということ。住宅ローンを貸しつけした人を中流としていたのも過去の話で、90年代以降の超低金利時代になると、小口の顧客は銀行お荷物に。いわゆる中流相手に商売をしても、それでは儲からないというわけです。事実、メガバンクの行員はこういい放ったといいます。「いま、メガバンク各行に中流層だけを意識した商品はない。そういう意味では、われわれが相手にしない先というのが、中流、下流なんでしょうね」つまり「最近、銀行からなんの案内も来ないなぁ」と感じている方は、銀行からは相手にされず、中流以下と見られているということなのです。■年収400万~500万円が「中流」本書によれば、厚生労働省「国民生活基礎調査」に見られる2013年度の1世帯当たりの平均所得金額は528万9,000円で、中央値は415万円。年収400万~500万円が中流と考えられるわけですが、その数はわずか。大多数の世帯が中流に届かない所得水準で暮らし、いまや6人に1人が貧困だというのです。また、高齢者世帯の平均所得金額は300万5,000円と年々下がり、加えて生活保護受給世帯数は15年9月時点で162万9,598世帯と過去最多を更新しています。アベノミクスで景気回復の兆しが見えはじめたといわれますが、その裏では自治体の援助なしでは暮らしが立ち行かない貧困層が年々増加しています。それを押し上げているのが高齢者で、高齢者が下流へと転落する流れは加速しているといいます。さらに、最近の若者は「お金持ちなんかには絶対なれない」とはなから諦めている人も少なくないとか。「物を持つこと=豊か」という図式は価値観が多様化し、まったく成り立たなくなっています。とくに外食、車、国内旅行など、かつては中流ビジネスとして発展した産業は、消費の中核を担う若者の貧困化が原因で疲弊しているのが実状です。いまやひと握りの「上流」と、その他大勢の「下流」しかイメージできなくなっているというのです■「一億総活躍社会」のカラクリとは?下流化した「中流」層が増えている状況下で、安倍首相は2015年9月に経済政策「アベノミクス第2幕」を打ち出し、「新3本の矢」として3つの政策目標を掲げました。「GDP(国内総生産)600兆円の達成」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」の3本です。これらを実現し、2020年に向けて「一億総活躍社会」を目指そうというのですが、著者はこの経済政策が問題であり、ゆくゆく2020年問題に発展すると予想します。いちばんの問題が、「GDP600兆円の達成」。現在、日本の名目GDPは約490兆円(2014年度)。2020年までの5年間にあと110兆円も増やすのは、毎年3%成長が続かない限り無理でしょう。しかし安倍政権は2020年の東京五輪に照準を合わせ、雇用を増やしてGDPを増やそうと躍起になっているというのです。「一人ひとりの日本人が活躍できる社会」と安倍首相がいう「一億総活躍社会」は、実は「これまで働いてこなかった女性、高齢者、障害者も含めて家族総動員で働かせることによって、世帯全体の収入を上げようしている」のだとか。つまり、いま働いている一人ひとりの賃上げはあきらめ、世帯で収入を上げるという方向に方針転換を図ったということ。子育てと仕事を両立できるようにし、介護離職ゼロを目指すというのです。家族ぐるみで働き「中流」の座を維持できたとしても、それは「偽装中流」でしかないでしょう。2020年問題が、「偽装中流」の人たちをも「下流」に落としかねないというのです。■五輪後の景気悪化が2020年問題に2020年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される年。現在は開催に向けてインフラ整備がはじまり、あらゆる場面で盛り上がっていますが、著者は東京五輪が終わったとたんに、日本は坂道を転がり落ちるような事態に陥る可能性が高いといいます。それが2020年問題だというわけで、人口減少、団塊世代の高齢化による介護関連費用と医療費の財政圧迫、介護離職ゼロを実現するため企業の人件費の増大、空き家問題、また一時的に大量雇用したツケが戻ってくるなど、さまざまな問題が山積。加えて五輪後は、それまでの巨額の財政負担が重石となり、反動による景気悪化が訪れるとも。「いつか景気がよくなるはず」などとお上の政策に期待して待っているだけでは、間違いなく期待外れに終わってしまうと著者。政策の中身を検証し、それが自分や家族にとってプラスなのかどうかを考え、生き方を導き出すことが大事だそうです。*とにもかくにも、政治も経済も無関心ではいけません。よく中身を検証し、自分なりに考え、どう暮らしていくかが大切なのです。「上流」と「下流」に大きく二極化しているのであれば、私たちはすでに「下流」に属しているのかもしれません。そのなかでどう生きていくのか、この4年で考えないといけないなと考えさせられる内容です。ぜひ、手に取ってみてください。(文/森美奈)【参考】※須田慎一朗(2015)『「偽装中流」中間層からこぼれ落ちる人たち』KKベストセラーズ
2016年02月02日ジェイアイ傷害火災保険はこのたび、2014年度の海外旅行保険契約者の事故発生状況についてまとめた調査結果を発表した。それによると、補償項目別の事故件数は、ケガや疾病の治療費用や医療搬送費用等を補償する「治療・救援費用」が最も多く、次いで手荷物を補償する「携行品損害」、偶然な事故を補償する「旅行事故緊急費用」が続いた。また、ヨーロッパやアフリカでは「携行品損害」、アジアやオセアニアでは「治療・救援費用」の割合が多くなっているなど、地域により事故の状況が大きく異なっていることがわかった。○日本人はスリなどに狙われやすい地域別に補償項目別事故件数を集計した結果、前年度に引き続き、地域による特徴が顕著となった。ヨーロッパは、行き先により乗り換えによる荷物の積み替えが増えることから、スーツケースの破損が相次いでいるという。また、多額の現金を持ち歩き、周囲に対する警戒心が乏しい傾向のある日本人は、外国の犯罪者の目には「容易な標的」としてスリなどに狙われやすいといわれているという。このような理由から、盗難被害も多数発生し、「携行品損害」の割合が多くなっているとしている。アジアは、地域により衛生環境が良好とはいえず、気候も日本とは異なる。このため、腹痛・風邪等の疾病が発生しやすく、「治療・救援費用」の割合が多くなっているという。グアム・サイパンは、航空機の遅延や欠航時の費用を補償する「旅行事故緊急費用」の割合が多い結果となった。○2014年度の海外旅行中、28人に1人が何らかの事故に遭っている2014年度の海外旅行中の事故発生率は3.53%。これは28人に1人が何らかの事故に遭っている計算だという。海外では、気温や衛生環境、食事や水質などが異なること、また長時間の移動や時差などにより体調を崩しやすく、併せて犯罪率が日本と比較して全般的に高いことから事故に遭いやすい状況にあるといえるという。また、航空便の欠航や遅延時の食事代やホテル代など、旅行行程上の偶然な事故を補償する「旅行事故緊急費用」に代表されるように、海外旅行保険の役割が重大事故だけでなく、海外旅行中によく発生するトラブルを包括的に補償する傾向になっていること、併せて従来対象外であった慢性疾患(持病)の治療費用等も所定の条件のもとで補償の対象とする等、カバーの範囲が広がっている傾向にあるとしている。
2015年07月22日警視庁によると、2014年における自転車乗車時の事故で24時間以内に死亡した人は全国で540人だったという。また、自転車乗車時の事故で64%が頭部に損傷を受けており、ヘルメットを着用すれば死亡率は4分の1に減るというデータもある(※)。しかし、実際にヘルメットを着用して自転車に乗っている人は1割もいないのが現状だ。そんな中、自転車乗車時のヘルメット着用を推進すべく、6月10日に「自転車ヘルメット委員会」が発足された。○頭部の損傷で60%超が死亡自転車死亡事故による損傷部位の割合を見ると最も多いのが頭部の64%で、続く胸部の13%を引き離し、圧倒的多数を占めている。これは、転倒の際に路面や縁石で強打する、あるいは自動車などとの衝突で車輪に巻き込まれたり、車体に強打したりする場合が多いことが原因と言われている。さらに、頭部に損傷を負うと60%超が死亡に至る重大事故につながるとされている(※)。車やバイクに比べると、自転車は子どもの頃から親しんだ"手軽な乗り物"と認識している人も多いだろうが、その一方で、死亡に至る重大事故を起こしうるというところまで理解している人は少ないかもしれない。道路交通法では基本的に車道を通行することが定められているが、現状、日本の道路は自転車が安心して走行できる環境が十分に整っていないこともあり、一人ひとりが安全に対して十分に備えることが必要と言えるだろう。○「同じ笑顔で帰ってきてくれるとは限らない」こうした現状を受けて発足された「自転車ヘルメット委員会」は、自転車愛好家として知られている著名人7人が発足メンバーとなっている。メンバーのリサ・ステッグマイヤーさん(タレント)、鶴見辰吾さん(俳優)、疋田智さん(テレビプロデューサー)、まことさん(ミュージシャン)と富永美樹さん(フリーアナウンサー)夫妻、増田寛也さん(元総務大臣)、三浦雄一郎さん(プロスキーヤー)の7人は、自転車乗車時は常にヘルメットを着用しているという。そうした姿を示すことでヘルメット無関心層に気づきを与え、意識改善につなげていければと語っている。都内で行われた発足記者発表会にはメンバーのまことさんと富永さん夫妻も登壇し、自身の体験を語った。まことさんはマウンテンバイクに乗車中にバランスを崩して落車した際、「パキン」と割れる音を聞いたという。「その瞬間、自分の頭蓋骨が割れたと思い、『ここで死んでしまうのか』と思ったんですが、それはヘルメットが割れる音だったんです。かすり傷程度で済んだのはヘルメットのおかげでした」(まことさん)。そんなまことさんと一緒に自転車に乗り、今年で10年目になる富永さんはというと、現在の日本の道路事情を考えると、バスやトラックなどと同じ車道を走ることに今でも不安を感じるという。「自転車での痛ましい事故が報道される度に、主婦という立場からすると、元気に出掛けていった人が同じ笑顔で帰ってきてくれるとは限らないと実感させられます。私にとってはヘルメットはお守りのようなもの。自分の大切な人にヘルメットを、同じように自分が大切にされていると思うならその人のためにも自分にヘルメットを、そうした心がけが必要だと思います」(富永さん)。○ヘルメットをかぶりたくなる方法ヘルメットをかぶらない理由のひとつとして、ファッションを理由にする人も多いだろう。しかし、まことさんはヘルメットにひっくり返したサングラスをかけることで、「プロのサイクリストのようにカッコつけることができる」と話しており、富永さんも一見するとオシャレな帽子に見えるヘルメットで「トータルコーディネイトを楽しむことができる」などと言うように、ヘルメットをオシャレのポイントにすることも可能だ。また、同委員会は現在、ヘルメットをかぶる人を増やすアイデアコンテストを実施している。このコンテストでは、自転車ヘルメットをかぶる人をもっと増やすにはどうしたらいいのか幅広いアイデアを募集し、採用された人には最優秀賞としてスポーツサイクル専門店Y’s Road(ワイズロード)の取扱商品30万円分(税別)や、優秀賞7万円分(税別)などの特典を用意している。このコンテストを通じて、ヘルメットを自然とかぶりたくなる方法を一人ひとりが考えてみるのもいいだろう。コンテストは7月10日23時まで実施している。詳細はホームページを参照。同委員会はコンテスト以外にも啓発冊子の路上配布などを予定しており、今後開催していく委員会を経て、順次活動を追加し実施していくという。※出典: 交通事故総合分析センター「交通事故分析レポートVol.97」(2012年11月)、オージーケーカブト「OGK KABUTO Fact Book」(2014年4月)
2015年06月10日NTT東日本関東病院とUBICは3月16日、医療における予測困難な有害事象の防止を目指して、人工知能を用いた転倒・転落の事前防止システムを共同で開発していることを明らかにした。同システムは、UBICが開発した人工知能が電子カルテを解析することで、入院患者の転倒・転落の予兆を察知し、未然にそうした事故を防ぐことを目的としたもの。NTT東日本関東病院では、一般病床の平均在院日数は10.6日で、そのおよそ半数が6日以内ということで、短期間の間でケアをする必要がありながらも、看護師が多忙なため状況の把握が難しいなどの課題があり、個々の患者の転倒・転落リスクを迅速に察知することに優れたソリューションが求められていたという。すでに2015年2月、同病院において共同研究を実施。転倒・転落の前兆行動が記載された患者の電子カルテを教師テータとして用い、1万6749件という患者が特定される個人情報を含まない大量のカルテに対して、患者ごとのリスクをスコア表示できることを確認し、実際に転倒・転落のリスクが高いと思われる患者のカルテを短時間でリスクが高い順に確認できることを示したという。同研究に用いられた人工知能「バーチャルデータサイエンティスト(VDS)」は、専門家の判断(暗黙知)を、暗黙知のまま学び、ビッグデータ解析を可能にするもので、今回の研究では、医療スタッフの知見を学び、電子カルテから院内の有害事象を予見することで、より質の高い患者ケア実現を支援することを可能にするという。今後は、NTT東日本関東病院としては、さらに効率よく重要な情報を選択することができるよう、院内での取り組みを行っていくとするほか、UBICとしては、医療分野の人工知能の活用に向け、専門家の暗黙知を用いて、さまざまな医療分野での利用を促進していきたいとしており、2015年度中に他要因も含めた大規模データに対する検証と予測ロジックの確定を行い、プロトタイプの開発・導入による実現場での運用を開始したいとしている。
2015年03月16日日本損害保険協会発表の「2014年度版 自動車保険データにみる交通事故の経済的損失の状況(2012年4月~2013年3月)」によると、交通事故による経済的損失額は3兆2,406億円とのこと。3兆円といわれても実感がわきませんが、これは横浜市の年間予算とほぼ同額です。交通事故により、大都市の1年間の予算と同じ金額が失われているということに驚きます。それでは、自動車事故による経済的損失の内容を詳しくみていきましょう。そもそも自動車事故による経済的損失ってなに?2012年4月~2013年3月の自動車事故による経済的損失額3兆2,406億円の内訳を詳しくみてみると、「物的損失額」は1兆7,958億円で全体の55.4%、「人身損失額」は1兆4,448億円で全体の44.6%となっています。そもそも、経済的損失とはどういうものなのでしょうか。経済的損失とは、一般的には「そのことが起こったことにより発生した費用」と「そのことが起こらなければ得られたであろう利益」の合計額のことです。今回参考にした日本損害保険協会の資料では、自動車事故による経済的損失を下記のように定義しており、救急搬送費、警察の事故処理費用、交通渋滞による損失額などは含まれていません。・自動車事故による経済的損失の定義 人身損失額…自賠責保険および対人賠償保険に係るデータによる被害者の治療関係費、慰謝料、休業損害、逸失利益等の合計です。 物的損失額…車両保険および対物賠償保険に係るデータによる車両(自車両、相手車両)、家屋、ガードレール等の損傷復旧費用等の合計で、物損事故のみで済んだケースのほか、人身事故に至ったケースにおける物損部分のデータも含みます。※人身損失額、物的損失額ともに、過失等による減額を考慮する前の損害認定実額で、保険金の支払額とは必ずしも一致しません。自動車事故による後遺障害の経済的損失は、人身損失の約36%!2012年4月~2013年3月に発生した自動車事故により死亡された方の人数は4,385人で被害者全体の0.4%、後遺障害を負った方の人数は59,797人で被害者全体の4.9%です。一方、死亡された方の人身損失額は1,208億円で全体の10.0%、後遺障害を負った方の人身損害額は4,387億円となり、全体の36.2%です(図1)。死亡した方と後遺障害を負った方を合わせると、人数的には約5%ですが、人身損失額では約46%を占めます。このことから、死亡と後遺障害は、人数に比して損失額が大きいことがわかります。図1 被害者数と人身損失額の割合資料:日本損害保険協会「2014年度版 自動車保険データにみる交通事故の経済的損失の状況(2012年4月~2013年3月)」をもとに執筆者作成意外な年齢層の被害が大きい!2012年度から過去10年分の自動車事故データを年齢別でみてみると、後遺障害を負った方の人数は、29歳以下と50~69歳は減少傾向にあるものの、30~49歳は増加傾向に、70歳以上は微増傾向にあります(図2)。人身損失額では、同じく29歳以下と50~69歳は減少傾向にありますが、30~49歳と70歳以上は減少傾向とはいえない状態が続いています(図3)。図2 被害者年齢別の後遺障害人数資料:日本損害保険協会「自動車保険データ(支払保険金関連)」をもとに執筆者作成図3 被害者年齢別の後遺障害による人身損失額資料:日本損害保険協会「自動車保険データ(支払保険金関連)」をもとに執筆者作成高齢者については、アクセルとブレーキの踏み間違いで建物に衝突したり、高速道路を逆走したりといったニュースを耳にすることも多くあります。運転技術に少しでも不安を感じたら、運転免許の返納手続きを考えましょう。しかし、中には自動車がないと生活に支障をきたす方がいらっしゃることも事実です。高齢者が運転をしなくても生活できる仕組みが、早急にできることを願います。今回は、自動車事故による経済的損失を数字でみてきました。後遺障害を負わせてしまうことは、経済社会に多大な影響があることがわかりました。しかし、実際に被害に遭われた方とそのご家族の「心」や「気持ち」は数字で計ることはできません。後遺障害はご本人やご家族の、その後の生活を大きく変えてしまいます。金額では表せないご苦労も多いことと思います。ほんの一瞬の歯車の狂いで、いつ自分が、家族が、自動車事故に巻き込まれるかわかりません。自動車を運転するということは、そのような危険を伴うということを、常に意識したいものですね。コラム執筆者プロフィール 中垣 香代子(なかがき かよこ)CFP(R)/2級ファイナンシャルプランニング技能士損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。老後のお金を一緒に考える事務所 所長。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年03月10日いまや赤ちゃんとのお出かけに欠かせない存在の抱っこひも。しかし今、抱っこひも着用時の赤ちゃんの転落事故が問題になっています。東京都が保護者向けに実施したアンケートによると、抱っこひもを使っている時、「実際に転落した」「ヒヤリ・ハットを経験した」と答えたのは34.9%。実に3人に1人以上のママが、抱っこひもによる事故や危険を経験しています。こうした事故は、誰にでも起こりうるもの。事故を防ぐには、母親として何ができるのでしょうか?■抱っこひもの転落事故の9割が、1歳未満の赤ちゃんに起きている東京都によると、2009年から5年間に発生した抱っこひもからの転落事故のうち、都が把握している事故件数は116件。転落した子どもの9割が1歳未満の乳児で、死亡事故はないものの、頭がい骨の骨折といった頭部のケガで入院したケースが26件ありました。日本小児科学会のInjury Alert(傷害速報)では、70~80cm程度の高さの台に置いた鞄から財布を出そうと前かがみになったときに、抱っこひもの右脇から赤ちゃんがすり抜けて、コンクリートの地面に落ちてしまった重症事故事例が紹介されています。■実際に試着をしてから購入を! 体型に合った抱っこひもを選ぼう最近は機能性、デザイン性に優れた抱っこひもが多数販売されています。しかし、「デザインが気に入ったから」とインターネットで試着もせずに購入してしまうと、実は安全性の確保されていない偽造品だったというケースもあります。そのため、購入する時はお店で実際に試着し、赤ちゃんを抱っこしてみることをおすすめします。試着することで、自分の体型に合っているかどうか、前かがみになったときの赤ちゃんの様子はどうかなどを実際に確認することができ、店員さんから正しい使い方を教えてもらえます。■赤ちゃんの成長や衣服に合わせて抱っこひものベルト調節を! 赤ちゃんは日々成長します。赤ちゃんの体の成長に合わせて、抱っこひものベルトを調節しましょう。寒い季節には外出時、上着を着せて抱っこをすることも多いでしょう。着ている服に合わせてその都度、ママと赤ちゃんが密着できるようにベルトの長さを確認したほうが安心ですね。■抱っこ、おんぶ共に立ったままの抱っこひもの着脱は避けよう! ママが立ちあがった状態での抱っこひもの着脱はとても危険です。特に抱っこからおんぶに変える場合は、布団や座布団など、柔らかいものを下に敷き、そこに赤ちゃんを一旦下ろしてから行うようにしましょう。不慣れな場合は、家で何度か練習してみるのもよいですね。「私は大丈夫」と思っていても油断は禁物です。東京都商品等安全対策協議会はメーカーに製品の改善を求めていますが、消費者である私たちも今一度、抱っこひもの正しい使用方法を確認してみてはいかがでしょうか。
2014年12月13日アンジェリーナ・ジョリーが乗っていた車がスリップ、タイヤ2つがパンクする事故を起こしたことが明らかになった。事故は先月30日(現地時間)午後6時45分頃、ビヴァリーヒルズで発生。アンジェリーナの最新監督作『Unbroken』(原題)のロサンゼルス・プレミアが行なわれた後のことだ。アンジェリーナが乗っていたのは運転手付きの黒のSUV車。道が濡れていてスリップして縁石に激突、タイヤ2つがパンクした。アンジェリーナは急いでいたのか、車はかなりのスピードを出していたようで、目撃者はゴシップサイト「X17」の取材に「アンジェリーナはほかの車と衝突したと思ったんじゃないでしょうか」「(アンジェリーナの乗った車が)大事に至らなかったなんて奇跡的です。彼女がムチウチ症になってもおかしくないくらいでした」と事故の様子を生々しく語った。アンジェリーナは、事故が起きた車と同じカー・サービスの会社が差配した別の車で無事に帰宅したそうだ。(text:Yuki Tominaga)
2014年12月03日