ディー・エヌ・エーの子会社、DeNAライフサイエンスはこのほど、「遺伝子検査」に関する調査の結果を公表した。同調査は、同社と東京大学医科学研究所との共同研究で、8月より遺伝子検査サービスの提供を開始し約3カ月が経過したことに伴い行った。調査は、全国の20代から70代の一般の男女を対象に10月、ディー・エヌ・エーが主体となり実施。1,200人の有効回答を得た。○知りたいことは三大疾病のリスク遺伝子検査の認知率は、6月実施の調査から12.7%アップして、100%に到達した。「遺伝子検査を受けてみたい」(32.5%)が、「受けてみたいと思わない」(23.8%)を上回る結果となった。一方で「今はわからない」(43.7%)が最も多い回答だった。「受けてみたい」と回答した世代別ランキングでは、1位が「20代」で50.5%となった。以下、2位が「30代」(49.0%)、3位は「50代」(30.5%)となった。遺伝子検査商品を選択する際に重視する上位項目は、「公的な研究機関が行っている」(63.5%)、「有名な検査機関が行っている」(56.7%)、「アフターケアが充実している」(52.6%)と、6月実施の調査と変わらない結果となった。遺伝子検査で知りたいことは、「病気のリスク」という回答が、「体質」関連の項目を大きく上回った。また、遺伝子検査で三大疾病のリスクを知りたくないと感じているのは、6.3%という回答になった。一般消費者は遺伝子検査で病気のリスクを「知りたい」という意識が、「知りたくない」を大きく上回っていることがわかったという。女優のアンジェリーナ・ジョリーが、遺伝子検査を受けて乳房を予防切除したことを知っている人は79.1%。遺伝子検査に関する知識のレベルに関する質問では、「ない」(21.7%)、「あまりない」(60.2%)という結果となった。多くの人が遺伝子検査に関する知識は自信がない、ということが浮き彫りになったという。
2014年11月25日慢性炎症と長寿遺伝子サーチュイン(SIRT1)の関係が明らかに2014年11月12日、東京医科歯科大学の研究グループは、ハーバード大学マサチューセッツ総合病院との共同研究で、老化に伴って起こる病気が発症する原因が、SIRT1の S-ニトロソ化による活性低下によることを発見したと発表した。研究成果は、Science Signalingに、2014年11月11日からオンライン版で公開されています。老化と高齢に従って増加する疾患の原因糖尿病やアルツハイマ-型認知症やパーキンソン病といった神経変性疾患、筋肉量の減少(サルコペニア)および老化過程そのものに慢性炎症が関与している。慢性炎症がなぜ病気を引き起こすかあるいは年齢により慢性炎症が起こる仕組みは不明。今回の研究研究グループはS-ニトロソ化が老化に伴って起こる生体変化の共通の仕組みであることを明らかにした。研究はモデル動物と培養細胞を用いて、急性炎症や慢性炎症によりSIRT1の働きが弱くなり、炎症や細胞死が起こりやすくなることを観察。炎症によって増加したSIRT1のS-ニトロソ化を、薬剤あるいは遺伝子操作によって減少させることにより、SRIT1の活性が復活し、炎症を部分的に抑制することを明らかにした。本研究の意義SIRT1の活性がS-ニトロソ化によって低下することが老化や老化に伴う病気の原因である可能性を見いだした。SIRT1のS-ニトロソ化は可逆的であることから、レスベラトロールを摂取したり、カロリー制限をしたりするSIRT1量を増やす方法では効果を示すことができないと研究グループは述べている。SIRT1のS-ニトロソ化を特異的に阻害する方法が、老化に伴う新規治療薬あるいは治療方法となる可能性があり、老化に対しても効果を発揮する可能性があるとのこと。(画像はプレスリリースより)【参考】・東京医科歯科大学プレスリリース・発表文献
2014年11月16日農業生物資源研究所(生物研)、九州大学および名古屋大学は10月30日、イネにとって害虫であるトビイロウンカに対するイネの抵抗遺伝子を特定することに成功したと発表した。同成果は英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。トビイロウンカはイネの害虫の一つで、梅雨期に中国南東部などから日本に飛来して増殖し、甚大な被害をもたらしている。近年、殺虫剤が効きにくいトビイロウンカが出現したため、被害が深刻化しており、新たな薬剤、またはトビイロウンカに抵抗性を示すイネの品種開発が必要となっている。また、国内で栽培されている一般的な日本型イネ品種は、トビイロウンカ抵抗性を持たず、抵抗性遺伝子をもつインドやスリランカなどの品種と交配して単一の抵抗性遺伝子を導入した栽培イネが育成され、東南アジアで利用されている。しかし、このイネにも害を与えるトビイロウンカが出現したため、さまざまな加害性を示すトビイロウンカに対応した抵抗遺伝子を持つイネ品種の開発が望まれている。これまでの研究で、インドのイネ品種が持つ「BPH25」と「BPH26」という2つの遺伝子が同時に存在すると、現在問題となっている加害性バイオタイプのトビイロウンカにも抵抗性を示すことがわかっている。今回の研究で、「BPH26」遺伝子を導入したイネでは、トビイロウンカが針のような口をイネの師管(栄養分を輸送する組織)まで挿入するものの、師管液を吸汁できず、餓死することが判明した。研究チームは「BPH26」の染色体上の位置を特定し、育種に有用なDNAマーカーの開発にも成功。「BPH25」のDNAマーカーも作成されつつあり、これら2つの遺伝子の DNA マーカーを用いて、日本に飛来するトビイロウンカに対して幅広い抵抗性を示すイネの開発が、今後2~3年中に開始できる見込みだという。
2014年10月30日凸版印刷は10月23日、組織標本から全自動でがん遺伝子の変異型の検出を行う小型全自動遺伝子解析システムを開発したと発表した。現在、抗がん剤の効果予測などのために、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルからがんの遺伝子変異の検出が行われているが、DNAを分離し取り出す操作が、非常に煩雑であるとともに、劇物薬品の取り扱いも必要となるため、熟練した技術が要求され、検査センターや一部の病院検査室で行われている。今回、同社は、理化学研究所、理研ジェネシスと共同開発してきた全自動小型遺伝子型解析システムを応用し、FFPEサンプルから、がん組織細胞の遺伝子変異を全自動で検出するシステムを開発した。これにより、検査工程の大幅な簡易化を実現し、検査時間を従来方法の約4分の1となる、約2時間に短縮することができるという。また、10月下旬からがん研究会有明病院と共同で、臨床検体を用いた本解析システムの実証試験を実施する予定だ。同社は「今後も臨床現場でのニーズが高まっている解析困難な遺伝子検査、たとえば、血清中に存在する極微量のがん遺伝子の変異を検出できる全自動解析システムの研究開発にも着手していく」とコメントしている。
2014年10月23日ファンケルは10月21日、同社のグループ会社であるファンケルヘルスサイエンスが、新たな予防医療事業として「グッドエイジングプログラム」を、11 月1 日からスタートすると発表した。同事業は、生活習慣病の発症リスクが増加する 50 歳以上の中高年の方をターゲットに、遺伝子検査によって将来の生活習慣病リスクを解析し、専用サプリメントや生活習慣改善の提案をするというもの。同プログラムの遺伝子検査では、口腔内の粘膜から綿棒で遺伝子を採取する。「肥満」「インスリン抵抗性」「体内老化(酸化・糖化)」の3つの基本項目に加え、「高血圧症」や「2型糖尿病」の発症リスクを知ることができる6つの単品メニューと、これらの単品メニューを組み合わせて総合的に検査するセットメニューが用意されている。遺伝子採取後、およそ1カ月で、医師からの「遺伝子検査結果報告書&運動・栄養アドバイス」と、健康カウンセラーからの、食事、運動など生活習慣の改善アドバイスや、専門のサプリメント「生活習慣サプリメント」シリーズから最適なものを提案する「パーソナル・アドバイスシート」が届くという。また、「生活習慣サプリメント」シリーズの製品を定期購入すると、「グッドエイジング倶楽部」会員として、「健康カウンセラー」による継続的な健康サポートや同シリーズの特別割引、提携医療機関での検査やサービスの優待など、様々な特典、サービスが付与されるとのこと。同社は、「同プログラムの提供を通じて、『一生涯、心身ともに健康で生きること=グッドエイジング』を実現することにより、日本の、そして国民の医療費削減に貢献してまいります」とコメントしている。
2014年10月22日理化学研究所(理研)は10月21日、無汗症患者の原因遺伝子を発見したと発表した。同研究成果は理研脳科学総合研究センター 発生神経生物研究チームの御子柴 克彦チームリーダー、久恒智博 研究員とスウェーデンのウプサラ大学との共同研究グループによるもの。10月21日付け(現地時間)の米科学雑誌「The Journal of Clinical Investigation」オンライン版に掲載される予定。人間は汗をかいて体温を調節するが、汗をかくことができないと熱中症やめまいを発症しやすく、重症化すると意識障害やけいれんなどを起こすことがある。このような無汗症の原因として、これまでに汗腺の形成不全や交感神経の異常などが報告されているが、その他の原因は明らかになっていなかった。同研究チームは、パキスタンで先天性無汗症を発症する家系を発見。この先天性無汗症患者は、汗腺の形成不全や交感神経の異常が見られず、発汗の異常以外は健常者と変わらなかった。また、家族全員には症状が出ていないことから、この先天性無汗症の原因遺伝子は常染色体劣性遺伝子であると推測された。そこで近親婚家系のDNAサンプルを用いてさらに詳しく解析を行ったところ、細胞内のカルシウム濃度に関わる「2型IP3受容体」の発現する遺伝子のDNA配列に変異があることが判明。その患者においては細胞外の刺激に応じてカルシウムイオンを放出する機能が完全に欠落していたという。また、マウスを使った実験を行い、「2型IP3受容体」を欠損したマウスでは、汗腺の細胞内カルシウム量が低下し、汗の分泌量が減少することが確認された。これらの発見から、ヒトやマウスで「2型IP3受容体」が発汗に重要な機能を果たしていると結論付けられた。同研究チームによると、今回の研究成果は無汗症だけでなく、多汗症の治療法確立にもつながることが期待されるという。
2014年10月21日エバージーンは、がんや生活習慣病、体質などに関係する遺伝子を解析してスマートフォンやPCなどで結果を知らせる遺伝子解析サービス「ディアジーン」の「がん遺伝子解析サービス」に、7種類の体質に関する解析項目を追加した。「ディアジーン」は自宅で手軽に実施できる、がん遺伝子解析サービス。Webサイト上で解析キットを購入し、採取容器に少量の唾液を入れて返送するだけで解析結果が閲覧できる。がんのほかに生活習慣病、体質などの遺伝子を解析することも可能。価格は9,800円(税込)。今年4月に提供が開始されたディアジーンのがん遺伝子解析サービスに、新たに7種類の体質に関する解析を追加された。これにより価格は据え置きのまま、がん8種類と合わせ計15項目の解析が可能になる。また、11種類の生活習慣病をプラスし計26項目の解析ができる「がん+生活習慣病 遺伝子解析サービス」も用意。こちらの価格は19,800円(税込)となる。なお同社では、すでに解析キットを購入済のユーザーで、今回の追加項目の解析を希望するユーザーを対象に、追加料金および検体の発送なしで結果を通知するとしている。同サービスの詳細は、「ディアジーン」のWebサイトで確認可能。同社は、今後も解析項目の追加など価値向上を図り、「多くの人々の生活習慣の見直しや、健康意識を高めるきっかけに役立つサービスの提供を目指す」としている。
2014年10月14日(画像はプレスリリースより)顔のたるみのケアをしている?『遺伝子と肌の老化』に関連する役立つ調査結果!株式会社ドクターシーラボは『遺伝子と肌の老化』の関連性について調査を実施した。調査の方法はウェブアンケート方式で、360名の女性が調査の対象になった。最初に『自身のフェイスのたるみを感じているか?』の質問について、8割以上の人が【感じている】と答えた。次いで【感じている】と回答した人を対象として、『積極的に、フェイスのたるみケアを実施しているか?』の問いでは【実施している】を選んだ人はおよそ7%で、【まあまあ実施している】が約29%である。一方で【実施していない】は6割以上だった。シッカリとフェイスのたるみケアを実施しているのに、効果を感じられない理由は?さらに『キチンとフェイスのたるみケアを実施しているのに、効果が見られないと感じたことはあるか?』の質問では、88%以上の人が【ある】と答えている。そして“効果を感じられない”理由について、【ケアの努力不足】【スキンケアが自分に適していない】【キチンとケアは実施しているが、ストレスを感じている】【上質のスキンケアを用いていない】などがランクインされた。さらに『自身の肌質は、遺伝子に関係している部分があると思うか?』と質問したところ、全体の約9割の人が関係していると思っているようだ。また85%以上の人が、肌老化に関連する遺伝子を調べる“検査キット”があることを知らないことが判明した。シワやたるみなどの、肌老化の原因は?ドクターシーラボは調査結果とともに、シワやたるみの要因は素肌ケアによる環境的および日々の生活環境のほかに、「肌老化遺伝子」(肌質)も要因の一つだと述べている。そして“遺伝子レベルでの、たるみケア”を考慮する場合に実施すべきことについて【美容成分を見直す】【外的および内的原因の解決】【プロビタミンC】など、あわせて4つをあげている。肌のたるみを気にしている人は、このような調査結果を参考にして、肌のたるみの原因を研究してみては。【参考】・株式会社ドクターシーラボ プレスリリース
2014年10月04日オリンパスは、航空機体などに使われる複合材料内部の接着不良や剥離を非破壊で検査する複合材検査用探傷器「BondMaster(ボンドマスター) 600シリーズ」を、20140年10月1日より海外での発売を開始したほか、同年11月初旬から国内で発売すると発表した。複合材検査用探傷器は、専用センサ(プローブ)を用いて検査対象物に超音波または可聴領域の音波を入射させ、対象物内部への伝わり方を解析することで、内部の接着不良や剥離を検査する検査機器。同シリーズは、多機能のハイクラスモデル「B600M」と、基本機能に絞ったエントリモデル「B600」の2機種を用意。いずれも従来比で、厚さを約24%減(236mm×70mm×167mm)、質量を約15%減(1.7kg、バッテリ含む)と薄型軽量化が図られたほか、約9時間の長時間駆動を実現したとする。また、大型カラーモニタを搭載することで、屋内外での視認性の向上も図られたとしている。なお同社では、航空機のメンテナンス現場では、検査対象物に応じたさまざまな検査を一貫して行いたいとのニーズがあり、既存の製品と今回の2機種を組み合わせて提供することで、そうしたニーズに応えていきたいとしている。
2014年10月03日(画像はプレスリリースより)dーBEAUTY Next Wellness2014冬号10月1日発売ディノス・セシールは、通販カタログ「dーBEAUTY Next Wellness(ディービューティー ネクスト ウエルネス)2014冬号」を10月1日(水)に発行し、美容健康ジャンルのアイテムを発売することを明らかにしました。今回のカタログには、GeneLife ZERO リスク遺伝子検査キット、GeneLife 肥満遺伝子検査キット、ReFa 4 CARAT、電位・温熱組合せ家庭用医療機器 ドクターセラ スリーエスなどの最新のアイテムを掲載している。肥満遺伝子検査キットキットを購入、口腔内の細胞を採取して返送すると、検査結果報告書と遺伝子のタイプ別にダイエットのアドバイスとレシピブックが届く仕組み。ダイエット(肥満)に関連する遺伝子は3種類あります。内臓脂肪でお腹がぽっこり出るタイプはリンゴ型肥満といわれ、β3AR遺伝子に変異があります。日本人では21.8%にこの変異があるといわれています。筋肉がつかない隠れ肥満はバナナ型肥満と呼ばれます。日本人の16.8%にこの変異があるとされ、バナナ型と呼ばれます。変異のある遺伝子はβ2AR遺伝子です。皮下脂肪がつきやすく、下半身が太るタイプは洋なし型と呼ばれます。日本人の半分以上(56.8%)がこの遺伝子に異常を持っています。UCP1遺伝子に異常があります。上記の3つの変異がない人は日本人では4.5%です。価格は5,537円、利用ガイド、検査同意書、採取棒、返信用封筒が付属しています。【参考】・ディノスプレスリリース
2014年10月01日理化学研究所(理研)は9月12日、ヒトの頭皮から採取した毛根の細胞に、ヒトの脳の細胞と共通する遺伝子が発現していることを発見し、これらの遺伝子の発現量の変化が、統合失調症や自閉症などの精神疾患の早期診断を補助する指標となる可能性を示したと発表した。この成果は理研脳科学総合研究センター 分子精神科学研究チームの前川素子 研究員、同 吉川武男 チームリーダー、東京都医学総合研究所、浜松医科大学、山口大学、慶応義塾大学からなる共同研究グループによるもので、米科学雑誌「Biological Psychiatry」のオンライン版に掲載された。統合失調症や自閉症などの精神疾患では、遺伝子の発現状態を含めて脳に何らかの変調が生じることが原因と考えられている。しかし、脳の一部を採取することはできないため、現在の診断は患者の行動や体験、家族の情報などに基づくところが大きく、客観的な「生物学的診断ツール」がないため、精神疾患の早期診断を補助する「バイオマーカー」の開発が待たれていた。同研究グループは、脳の細胞と同じ外胚葉由来であり、サンプルの採取が容易な頭皮の毛根細胞に着目。解析の結果、脳だけで発現していると考えられていた遺伝子の多くが、毛根細胞でも発現していることを見いだし、毛根細胞が脳内の遺伝子発現の状態を反映している可能性を突き止めた。さらに詳しく調査した結果、統合失調症の人では脂肪酸結合タンパク質(FABP)の1つであるFABP4をつくる「FABP4遺伝子」の発現量が対照群に比べ約40%低下し、自閉症の方の毛根細胞では神経系の細胞同士の結合に関与する「CNTNAP2遺伝子」の発現が低下していることが判明した。毛根細胞は血液と比べて外部からの刺激や体の状態に影響されにくく、採取も簡単なため、生きた脳の状態を反映している可能性のある、簡便なバイオマーカー診断法の基盤となる可能性が高い。同研究グループは、今後この方法で疾患の発症をどこまでさかのぼれるかを検証することにより、精神疾患の予防法開発や早期治療導入の判定、さらに新しい角度からの創薬のヒントを提供できる可能性があると考えているという。
2014年09月16日「遺伝子組み換えではない」の表記。スーパーで加工品を買う時によく見かけます。でも「遺伝子組み換え」という表記は見かけませんよね。実際私達の食卓に、遺伝子組み換え食品は、届いているのでしょうか。■え? 実はもう食べている?遺伝子組み換え作物とは、生物の細胞から有用な遺伝子をとりだし、他の生物の細胞に導入する、遺伝子組換え技術によってできた作物のことで、これらを使用した食品のことを遺伝子組換え食品といいます。国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の報告によると、2013年時点で、遺伝子組み換え作物を商業栽培している国は、19カ国の開発途上国、8カ国の先進工業国の、合計27カ国だとのこと。日本は栽培こそしていませんが、実はなんと遺伝子組み換え作物の輸入大国なのです。食品添加物とは違い、目にはみえないからこそ、自覚なく体に入れてしまっているであろう、遺伝子組み換え食品。今の時代、目に見えない脅威が増えすぎて、かえって麻痺をしてしまっているかもしれません。■そもそも私達は、遺伝子組み換え食品を食べているの?実は思っている以上に生活に浸透しているのが現状です。アメリカでは、スーパーマーケットに陳列された加工食品のうち、約70~80%が遺伝子組み換え食品といわれています。特に、豆やトウモロコシを使用した食品の約90%は、遺伝子組み換えなのだそう。そして、そんなアメリカを超えるレベルで家庭に浸透している国がなんと日本なのです。■トウモロコシが危ない現在日本に輸入が許可されている遺伝子組換え作物は、まず代表的なものとして、大豆・トウモロコシ・菜種、そしてさらに、綿実・ジャガイモ・アルファルファ・テンサイと、計7種類。日本では遺伝子組み換え品使用の表示が義務付けられてる食品はわずか30種類ほどだけで、他の食品には一切表示されることがないのです。例えば油や醤油などもそう。表示だけでは、使われていることさえ知ることができないのです。また、豆腐・納豆などに「遺伝子組み換えでない」と表示されているものも、実際には5%までの混入が認められています。また私達が口にする遺伝子組み換え作物として圧倒的に多いのは、トウモロコシ。そのルートの1つは、牛肉、豚肉、鶏肉、そして牛乳などの乳製品です。なぜなら、家畜の餌はほとんどを輸入に頼っており、海外産の遺伝子組み換えのトウモロコシを食べて育った家畜から作られたものが非常に多いからです。しかし、「この牛は遺伝子組み換え農作物を食べて育ちました」とは残念ながら書いておらず、それに気づくこともない人の方が圧倒的に多いでしょう。またジュースなどに含まれている、ブドウ糖果糖液糖などの異性化糖の材料であるトウモロコシは90%以上がアメリカ産のトウモロコシからできたコーンスターチが原料です。そうなると、お菓子やジュースなど子供が食すものにも意識を高くもつ必要があります。■原子力と遺伝子組み換えの共通点とは…動物実験によって、発がん性やホルモン異常など、有害だと結論づける研究結果も発表されています。フランスのカーン大学教授であるジル・エリック・セラリーニさんは、遺伝子組み換えトウモロコシのラットに対する毒性を発表した教授なのですが、彼は次のように述べています。原子力と遺伝子組み換えという2つのテクノロジーには、3つの共通点がある。その一つとは、二度と後戻りができないこと。その二つは世界中に拡散してしまったこと、その三つは、体内に蓄積されやすいこと。すでにここまで世界中に広まってしまった2つのテクノロジー。自然に背いたこの技術が私達の未来にどう影響を与えるのでしょうか。まずは現状を知り、今起きている問題について興味をもつということから始めてみてはいかがでしょうか。
2014年08月31日農業・食品産業技術総合研究機構・花き研究所と鹿児島大学は7月2日、アサガオの花の寿命を調節する遺伝子を発見したことを発表した。植物には、エチレンが花弁の老化を早める働きを持っている種類とエチレンが花弁の老化の調節に関係しない種類がある。そのため、エチレンによる調節とは別に、開花後の時間経過に伴って花弁の老化を制御する仕組みがあると考えられていた。そこで両者は、短命の花として代表的であるとともに、エチレンの影響を受けにくいアサガオ品種「紫」を用いて、時間経過に伴う花弁の老化を制御する遺伝子とその機能を明らかにした。研究の結果、EPHEMERAL1遺伝子がNAC転写因子をコードしており、細胞の死に関わると考えられている遺伝子の発現を調節していることがわかった。EPHEMERAL1遺伝子の発現を抑制した組換え体では、花弁がしおれ始めるまでの時間が約2倍に延長し、組換え体では、栽培室内で2日目の朝(開花後約24時間目)まで花が咲いていた。実験に用いたアサガオの品種「紫」の花は、開花後時間が経つにつれて赤色に変化するため、2日目の朝には前日に咲いた花(赤色)と当日に咲いた花(紫色)が同時に観察された。今後、花の老化を調節する仕組みの解明が加速し、現在流通に困難を伴う切り花の品質を保持する新技術の開発に繋がることが期待される。
2014年07月03日北海道大学(北大)は2月6日、クワガタムシのオス/メスの性別を決定するために必要な遺伝子の同定に成功したと発表した。同成果は、同大の後藤寛貴氏、宮川一志氏、三浦徹 准教授、石川麻乃氏、石川由希氏、杉目康広氏、ワシントン州立大学のLaura C. Lavine氏、モンタナ大学のDouglas J. Emlen氏らによるもの。詳細は「PLoS Genetics」に掲載された。生物の中にはオスとメスで大きく異なった姿をしている種類が多く存在しているが、なぜそうした差が発生しているのかはよくわかっていなかった。そこで今回研究グループは、オスは大きな「ハサミ」と呼ばれる一対の大顎を持つが、メスではそうした大顎の発達が見られないクワガタムシに着目。その性決定遺伝子の1つである「doublesex (dsx)遺伝子」に注目し研究を行ったという。具体的には、これまでの研究からクワガタムシでは幼若ホルモン(juvenile hormone:JH)がオスの大顎発達を引き起こすことが報告されていたことを受け、性決定遺伝子が大顎のJH応答性制御を通して、雌雄の大顎発達の違いを生じさせているという仮説を立て、材料として用いた「メタリフェルホソアクワガタ(Cyclommatus metallifer)」より、dsx遺伝子を単離し、配列の同定を実行。その後、RNA干渉(RNAi)法を用いてdsxの機能阻害を行い、その機能を解析したほか、dsxの機能阻害とJH処理を組みあわせた実験を行い、dsxの機能阻害で大顎のJH応答性が変化するかの調査を行ったという。配列同定と発現解析の結果、同クワガタではdsxは少なくとも4種類の異なるタンパク質へと翻訳されることが判明し、そのうち2つは主にオスで作られ、残りの2つは主にメスで作られることも確認されたとのことで、これにより、性特異的に作られるオス型とメス型のdsxタンパクは、それぞれオスへの分化とメスへの分化を促進することが示されたとする。また、幼虫の期間中(成虫の形態が形成される前)にRNAiによりdsxの機能阻害を行ったところ、dsxの機能を抑制した個体では、オスでもメスでも、雌雄の中間的な特徴を持つ成虫になることも確認された。さらに、dsxの機能阻害とJH処理を組み合わせた実験として、dsxの機能阻害を行っていない場合では、オスではJH処理により大顎の過剰発達が引き起こされたが、メスでは大顎サイズに変化はないことを確認したほか、dsxを機能阻害した場合では、オスでもメスでもJH処理により大顎の発達が引き起こされることも確認。この結果から、dsxが働かない状態ではオスでもメスでも大顎はJHに応答して発達を起こすことが示され、メスで発現するメス型dsxに大顎のJH応答性を抑制する働きがあることが示唆された。今回の成果について研究グループでは、「性決定遺伝子が大顎のJH応答性制御を通して、雌雄の大顎発達の違いを生じさせている」という仮説を支持するものであり、性決定遺伝子とホルモン経路の関係についてのこの新たな知見により、さまざまな昆虫で雌雄間の形態差を生じさせる発生メカニズムに関する研究が進むことが期待されるようになるとコメントしている。
2014年02月07日※画像は、本田朋子オフィシャルブログよりアスリートの食事の参考にもフリーアナウンサーの本田朋子さんが、オフィシャルブログで体質遺伝子検査をした事を報告している。自分の体質を知る事で、食事や栄養の摂り方の注意するポイントがわかり、さらに管理栄養士のアドバイスも貰う事が出来たと言う。本田朋子さんは、フジテレビのアナウンサーとして人気を得ていたが、男子プロバスケットボールの五十嵐圭さんとの結婚を機に退社。現在はフリーで仕事をしながら、五十嵐さんの拠点である名古屋で生活をしている。今回の体質遺伝子検査を受けたのも、プロのアスリートであるご主人のサポートの為の意味合いもあったようだ。太りやすい、太りづらい、筋肉がつきづらい、脂質の代謝が苦手な為脂っこい食べ物の食べ過ぎに注意、など、それぞれの人の体質を遺伝子レベルで解説してくれる。体質に合ったダイエット法を知る事も可能遺伝子検査、と聞くと抵抗を感じる人もいるだろう。しかし、自宅にいながら綿棒で口腔内の細胞をとり、郵送するだけで結果が届くと言う簡単さもあり、最近は利用する人が増えた。かかるリスクが高い病気を調べたり、自分のルーツを調べたりと、項目は多岐に亘る。本田さんが受けた体質遺伝子検査では、食事のとり方や体質に合った食材を教えてくれているようだ。自分の思っている体質と実際の体質が違う事もある。身体に合った食事を知る為に、検査を受けてみるのも面白いだろう。【参考リンク】▼本田朋子オフィシャルブログ
2014年02月06日誰しもが避けて通ることのできない老化現象。でも、実際の年齢より若く見える人や、老けて見える人がいるのは事実です。見た目に違いが現れてしまうのは、“長寿遺伝子”によるものかもしれないという研究がすすめられ、今、注目を集めています。■若々しさの鍵を握るのは長寿遺伝子!? 長寿遺伝子は、サーチュイン遺伝子とも呼び、さまざまな実験データーから、体の代謝や老化、寿命などに関わるメカニズムに作用すると考えられています。老化以外にも、アルツハイマーなどの神経疾患や、動脈硬化、心不全、肥満などの研究結果も判明しています。長寿遺伝子は、年齢や性別に関係なく、誰の体にも存在しますが、遺伝子にはスイッチがあり、オン(活性化された状態)にしていないと効果が発揮されません。■長寿遺伝子のスイッチをオンにする方法! 長寿遺伝子のスイッチをオンにするには、いくつかの方法がありますが、一番手っ取り早い方法は、朝から夕方まで何も食べないこと。6時間以上何も食べない状態であれば、長寿遺伝子はオンになると考えられています。ただ、ずっとそんな生活を続けるのは難しいので、毎日継続するためには、日々のカロリーを制限することが効果的です。その他には、適度な運動や、抗酸化物質を含む食材を毎日の食事に取り入れることも重要だと考えられています。ただし、一番大切なのは、一時的にスイッチをオンにすることは誰にでも簡単にできるのですが、コンスタントにオンの状態を保つことが出来るかどうかがということ。長寿遺伝子をオンにする生活習慣を心掛けて、若々しさと美しさを手に入れてみませんか?
2013年10月08日ゼビオは自分の体質に合ったスポーツ・トレーニングを見つけられる、「スポーツ関連遺伝子検査」の運用を開始する。検査は同社が全国に展開しているスポーツショップ「スーパースポーツゼビオ」内、スポーツドラッグストア「Xiasis」にて行う。同社によると、遺伝の影響を受けると考えられている筋繊維は2タイプに分かれているという。1つは持久力はないが大きな力が出せる「速筋」で、もう1つは大きな力は出せないが持久力のある「遅筋」だ。その速筋の発達と遅筋の形成に関連するのが「ACTN3遺伝子」といわれている。同検査ではこの遺伝子が作り出す“アクチニン3タンパク質”が、遺伝的にどう作り出されているかを検査した。この検査によって、「速筋の発達と遅筋の形成に関わる遺伝子のタイプ」「どんなスポーツが自分に向いているか」「スポーツでより高いパフォーマンスを出すための、トレーニング方法」が分かる。適性からスポーツを限定するのではなく、その中でもより適したポジション・役割を見極めることができる。そのため、より有効なトレーニング方法を見つけることができるのが特徴とのこと。同検査は店頭で検査の申し込み受付し、その場で綿棒を使って簡単に口腔(こうくう)粘膜を採取。口腔粘膜を検査機関に送り検査を行う。検査は約2~3週間かかり、検査結果を基に作成された報告書が依頼者に渡される。サービス開始は9月1日から。実施店舗は長岡千秋店(新潟県・2012年9月中旬オープン)、キャナルシティ博多店(福岡県・2012年9月中旬オープン)、あすと長町店(宮城県)、横浜みなとみらいクイーンズイースト店(神奈川県)など全国11店舗。料金は5,800円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月27日