杉咲花が痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも“生き抜くこと”を諦めなかった女性を演じる、主演最新映画『市子』。第28回釜山国際映画祭ではコンペティション部門であるジソク部門に正式出品されたことに続き、第36回東京国際映画祭でも正式出品され話題を呼んだ。全国公開を前にいち早く鑑賞した映画ファンからは、「観終わった後は市子のことばかり考えてしまう」「演ずることを超越したかのようなリアリティ」「市子と市子を取り巻く人間模様が胸に突き刺さる」といった声が上がり、国内外から高く評価され、今後の公開に期待が高まっている。さらに、この秋冬は本作同様、映画祭で世界を賑わせた日本映画が続々と公開される。実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフにしている『月』、さらに朝井リョウのベストセラーを映画化した『正欲』と、いずれも現代に生きる我々の心を大いに揺さぶり訴えかける作品たち。国内の映画賞レースの流れもこれから本格化していくが、監督、スタッフ、キャストらによる並々ならぬ覚悟で制作されたこれらの衝撃作が注目を集めるはず。これを観ずして今年は終われない、映画ファン必見の3作品を紹介する。2023年、世に問う大問題作が放たれるーー『月』全国公開中第28回釜山国際映画祭 正式出品実際の障がい者殺傷事件を題材にした辺見庸の小説「月」(角川文庫刊)を、『舟を編む』『茜色に焼かれる』『愛にイナズマ』などの石井裕也監督が映画化。『新聞記者』や『空白』『ヴィレッジ』などを手掛けてきた故・河村光庸が企画・エグゼクティブプロデューサーを務めた。社会が、そして個人が問題に対して“見て見ぬふり”をしてきた現実をつまびらかに描く。本作が世に放たれることは、「映画」という刃が自分たちに向くということを意味する。“書けなくなった”元・有名作家・堂島洋子(宮沢りえ)は、深い森の奥にある重度障がい者施設で働き始める。洋子は他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにするが、それを訴えても聞き入れてはもらえない。そんな世の理不尽に誰よりも憤っているのは、さとくん(磯村勇斗)だった。彼の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていくーー。傑作か、問題作か――観る前の自分には戻れない『正欲』全国公開中第36回東京国際映画祭 最優秀監督賞・観客賞W受賞第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウによる長編小説を、『あゝ、荒野』『前科者』の岸善幸監督が映画化。ある事件をきっかけに、まったく関わりがないかと思われた人物たちの人生が交錯していく様を描く。誰ともつながれない、だからこそ誰かとつながりたい、とつながり合うことを希求する彼らのストーリーは、この世界で生き延びるために大切なものを、強い衝撃や深い感動とともに提示する。いま、この時代にこそ必要とされる、心を激しく揺り動かす痛烈な衝撃作が誕生した。横浜に暮らす検事の寺井啓喜(稲垣吾郎)は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月(新垣結衣)は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返していたなか、中学のときに転校していった佐々木佳道(磯村勇斗)が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也(佐藤寛太)。学園祭のダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子(東野絢香)はそんな大也を気にしていた…。川辺市子の魂の叫びが、心に突き刺さる『市子』12月8日全国公開第28回釜山国際映画祭/第36回東京国際映画祭正式出品本作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団「チーズtheater」旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市子のために」が原作。観客から熱い支持を受け2度再演された人気の舞台が映画化された。過酷な宿命を背負った、ひとりの女性の切なくも壮絶な人生を描く唯一無二の衝撃作だ。市子は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。長谷川が行方を追い、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていくと、切なくも衝撃的な事実が次々と浮かび上がる…。市子の人生を狂わせた悲しき宿命。名前を変え、人を欺き、社会から逃れるように生きてきた。なぜ、彼女はこのような人生を歩まなければならなかったのか?市子が、幸せな暮らしを手放しても手に入れたかったものとは――。抗えない境遇に翻弄された市子の壮絶な半生を、主演の杉咲さんが凄まじい熱量で体現。これまでも演技力に定評があった杉咲さんだが、鑑賞したマスコミ関係者からは「女優としての本領発揮」「本作が代表作となるのは間違いない」と言わしめるほど圧巻の演技を披露、芝居を超えて役を生き抜く姿がスクリーンに映し出される。『市子』は12月8日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:正欲 2023年11月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2021 朝井リョウ/新潮社ⓒ 2023「正欲」製作委員会月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2023年11月11日映画『熱のあとに』(2024年2月公開)が第28回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門にてワールドプレミア上映され、橋本愛、山本英監督が上映後のQ&Aに登場した。同作は、愛した恋人を刺し殺そうとした過去を持つ沙苗(橋本愛)が、自分の愛し方を全うしようとするさまを鮮烈に描いた愛の物語。主人公・沙苗のキャラクターは、2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアを受けている。○第28回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門のワールドプレミアに登場した橋本愛来年2月の公開に先駆けて、釜山国際映画祭のコンペティション部門であるニューカレンツ部門でワールドプレミアを迎えた同作。釜山での3回の上映はすべてソールドアウトとなり、初回の8日の上映後には、山本英監督のサインを求める長蛇の列ができる人気ぶりとなった。主演の橋本と山本監督は、釜山での最後の上映となった11日のスクリーニング後に登壇。観客からの大きな拍手で迎えられ、橋本の韓国語による挨拶で始まったQ&Aは、若い観客から次々に手が挙がり、熱心な質問が飛び交った。『熱のあとに』というタイトルの意味を聞かれた山本監督は、「このタイトルは、企画の最初から映画の完成まで変わらなかった。自分が愛した男性への熱がこもったままで、治りきっていない感じが沙苗の状態に似ていると思い、このタイトルにした」と説明。橋本をキャスティングした理由を尋ねられると「脚本のイ・ナウォンさんとこの企画を立ち上げたときから橋本さんにお願いしていました。そういった意味では、僕とイ・ナウォンさんと橋本さんの3人が、一番長くこの作品に関わってくれています。橋本さんがこれまで出演された作品は拝見していて、素晴らしい俳優さんだということはもちろん思っていたのですが、橋本さん自身がSNSなどで発信しているのを見ていると、彼女は自分が信じているものを守っている人だと感じているので、沙苗役にふさわしいと思った」と答えた。役作りについて質問された橋本は「最初は、沙苗というキャラクターと自分自身の間に距離があった。沙苗自身が考える愛のかたちを、自分の中に少しずつ入れ込んでいくという作業をしていった。沙苗を演じることは、まるで夢のなかにいるような感覚だった」と回答。制限時間一杯まで観客の質問に丁寧に答えた2人は「釜山国際映画祭での『熱のあとに』の上映は今日で終わりですが、近いうちに是非、また韓国の方々に『熱のあとに』を観ていただける機会が持てればと思います」(山本監督)、「皆さんが本当に隅々まで映画を観てくれて、自分自身が撮影中には監督に尋ねることができなかったことをたくさん質問してくださって、あらためてこの作品を更に深く知ることができました」(橋本)と挨拶し、最後には観客と一緒に写真撮影をして、Q&Aを終えた。
2023年10月13日橋本愛主演、山本英監督最新作『熱のあとに』が来年2月の日本公開に先駆け、第28回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門にてワールドプレミア上映。橋本さんと山本監督が上映後のQ&Aに登壇し、役作りや作品についての思いを語った。本作は、愛した恋人を刺し殺そうとした過去を持つ主人公の女性、沙苗が自分の愛し方を全うしようとするさまを鮮烈に描いた愛の物語。沙苗のキャラクターは、2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアを受けている。釜山国際映画祭のコンペティション部門であるニューカレンツ部門でワールドプレミアを迎えた本作。釜山での3回の上映は全てソールドアウトとなり、初回の10月8日の上映後には山本英監督のサインを求める長蛇の列ができる人気ぶりとなった。そして釜山での最後の上映となった10月11日のスクリーニング後には、橋本さんと山本監督が登壇。観客からの大きな拍手で迎えられ、橋本さんの韓国語の挨拶からQ&Aが行われた。『熱のあとに』というタイトルの意味を聞かれた山本監督は、「このタイトルは、企画の最初から映画の完成まで変わらなかった。自分が愛した男性への熱がこもったままで、治りきっていない感じが沙苗の状態に似ていると思い、このタイトルにした」と説明。橋本さんをキャスティングした理由を尋ねられると、「脚本のイ・ナウォンさんとこの企画を立ち上げたときから橋本さんにお願いしていました。そういった意味では、僕とイ・ナウォンさんと橋本さんの3人が、一番長くこの作品に関わってくれています」と回答。「橋本さんがこれまで出演された作品は拝見していて、素晴らしい俳優さんだということはもちろん思っていたのですが、橋本さん自身がSNSなどで発信しているのを見ていると、彼女は自分が信じているものを守っている人だと感じているので、沙苗役にふさわしいと思った」と明かした。また、沙苗というキャラクターに対しての役作りを質問された橋本さんは、「最初は、沙苗というキャラクターと自分自身の間に距離があった。沙苗自身が考える愛のかたちを、自分の中に少しずつ入れ込んでいくという作業をしていった。沙苗を演じることは、まるで夢のなかにいるような感覚だった」と答えた。制限時間いっぱいまで観客の質問に丁寧に答えた2人。「釜山国際映画祭での『熱のあとに』の上映は今日で終わりですが、近いうちに是非、また韓国の方々に『熱のあとに』を観ていただける機会が持てればと思います」と山本監督。橋本さんは、「皆さんが本当に隅々まで映画を観てくれて、自分自身が撮影中には監督に尋ねることができなかったことをたくさん質問してくださって、あらためてこの作品を更に深く知ることができました」と感謝を込めて挨拶し、最後には観客と一緒に写真撮影をして、Q&Aを終えた。アジア最大級の映画祭として知られる釜山国際映画祭は、韓国のみならずアジアの映画産業を発展することにも貢献している。今回正式出品となったニューカレンツ部門は、アジアの新進気鋭の映画監督の1~2作目が対象となる部門。近年は韓国映画『はちどり』(18)、日本映画『由宇子の天秤』(20)、『さがす』(22)などが出品され、いずれも国内外で高い評価を受けている。『熱のあとに』は2024年2月、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:熱のあとに 2024年2月、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかにて公開予定©2024 Nekojarashi/BittersEnd/Hitsukisha
2023年10月12日先日開幕した「第28回釜山国際映画祭」に、映画『福田村事件』に出演する井浦新、田中麗奈、向里祐香、プロデューサーであり脚本の井上淳一が参加した。レッドカーペットとオープニングセレモニーに出席した4人は、シックで品のあるブラックコーデで統一感ある装いで登場。終始、笑顔でフォトコールに応じ、現地メディアと観客からの歓迎に笑顔で応えた。セレモニーの翌日は、井浦さん、田中さん、向里さんは釜山国際映画祭と世界的ファッション誌「マリ・クレール」が共同主催をする「マリ・クレール アジア・スター・アワード」(BIFF with Marie Claire Asia Star Awards)に参加。井浦さんはアジアで活躍するスターを表彰する「アジア・スター賞」を、向里さんは今後のアジアでの活躍が期待される俳優に送られる「フェイス・オブ・アジア賞」を受賞した。5年ぶり5回目の参加となった井浦さんは、「開催期間中は街が映画愛に溢れるこの映画祭が大好きです」と話し、「小さな小さな映画ですが、大切なテーマ性と大きな大きなひとりひとりの人間力で作り上げました。このような映画が、国境を超えて素直な目で観ていただき評価されることは、大変光栄です。個人賞ではありますが、この賞はクラウドファンディングで支えて下さった皆さん、いつもサポートしてくれている事務所の皆さん、そして勇気をくれる仲間たちと大切な家族の皆んなで頂くことができた受賞だと思っています」とコメント。田中さんは「今回、由緒ある釜山国際映画祭のレッドカーペットを歩くことができ、大変光栄でした。現地の方だけではなく世界中から映画を愛す皆さんが集まって映画祭の開幕を祝う姿はとてもエネルギッシュで印象的でした」と参加した感想を述べ、「韓国の方々にどのように感じていただけるのか不安もあるのですが、どんな意見でも伺えれば嬉しいですし、またそれを日本の皆さんとも共有出来たら、とても意義のある事になるのではないかと思います」と反応に期待。向里さんは「賞を頂くのは今回が初めてで、それも国内ではなく海外の韓国でアワードを頂けるなんて想像もしておりませんでした。FACE OF ASIAに相応しい役者でいられるように、これからもお芝居と誠実に付き合って行こうと思います」と今回の受賞について語っている。『福田村事件』はテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:福田村事件 2023年9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開(c)「福田村事件」プロジェクト2023
2023年10月06日杉咲花主演最新作『市子』が第28回釜山国際映画祭ジソク部門に出品されたことに合わせ、10月4日に開催されたオープニングセレモニーのレッドカーペットに杉咲さん、若葉竜也、戸田彬弘監督が参加した。第28回釜山国際映画祭のオープニングセレモニーには、邦画では『月』の宮沢りえ、石井裕也監督、『キリエのうた』のアイナ・ジ・エンド、松村北斗、岩井俊二監督などのキャストが華々しくレッドカーペットを飾った。コンペティション部門の1つであるジソク部門に選出されている本作を引っさげ、レッドカーペットを歩いた杉咲さんは「とても華やかでした。自分にとって特別な作品が、海を渡って韓国まで来れたのは、すごく嬉しいことですし、たくさんの方に届けられたら」と、笑顔を見せた。レッドカーペットではフォトコールや歓声に応じるなど、現地メディアや観客からの歓迎に笑顔で応えた3人。初めて主演作で釜山国際映画祭のレッドカーペットに登場した杉咲さんは、落ち着いた様子で、花をあしらった華やかなブラックのドレスに身を包み、颯爽とレッドカーペットを歩き、注目を浴びた。若葉竜也「海外の方にどう受け入れられるか興味があります」なお、10月5日の公式上映にも杉咲さん、若葉さん、戸田監督が、舞台挨拶と観客とのQ&Aにも登壇予定。明日に控えたワールドプレミア上映については、「これが一番緊張するかもしれません。初めての感触なので、海外の方にどう受け入れられるか興味があります」と若葉さん。杉咲さんも「(お客さんと)一緒に見るのも滅多にない経験ですし、終わった後Q&Aもあるので緊張しますが楽しめたらと思います」と話した。監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞、観客から熱い支持を受け再演された舞台「川辺市子のために」を映画化。痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも、「生きること」を諦めなかった川辺市子の、抗えない境遇に翻弄された壮絶な人生を描いた『市子』は、今回の釜山国際映画祭がワールドプレミア上映。ジソク部門は新人監督を対象としたニューカレンツ部門と並ぶコンペティション部門で、今年は本作を含む10本の作品がキム・ジソク賞を競う。なお、杉咲さんも出演した『楽園』(19/瀬々敬久監督)も以前、前身のキム・ジソク賞に出品されている。また、10月23日(月)より開幕する第36回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門への正式出品も決定している。『市子』は12月8日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2023年10月05日映画『月』の主演・宮沢りえと石井裕也監督が10月4日、第28回釜山国際映画祭のオープニングイベントに参加。アジア最大規模の会場は5,000人のキャパシティを埋め尽くし、大盛況のオープニングとなった。コロナ明けからは2回目の開催となる今年の釜山国際映画祭は、日本からのゲストも多く来韓しており、宮沢さん、杉咲花、田中麗奈ほか華やかな出で立ちの俳優たちが参加。映画祭のナビゲーターとして韓国のスター、『パラサイト 半地下の家族』『ベイビー・ブローカー』のソン・ガンホが登壇し、レッドカーペット上では石井監督、宮沢さんらと握手も。そのほか、ファン・ビンビンやチョウ・ユンファら中国のスターたちも参加し、映画祭がスタート。初めて釜山国際映画祭に参加した宮沢さんは、レッドカーペットを歩く前に「まだホテルの周りしか見れておりませんが、空港からホテルに着くまで文化的な伝統ある風景と、近代的なビルが混在していてとてもエネルギッシュな街だと思いました。あと、参鶏湯が美味しかったです(笑)」と初の映画祭への期待を覗かせた。さらに、釜山映画祭は10年ぶりという石井監督は「釜山に来るときはいつも気分が高揚するので、今回も楽しみにしています」とコメントした。石井裕也監督「どうしても自分がやらなければならない映画」また、主人公を演じる上で宮沢さんは、「(自身が演じた)洋子が持っている様々な葛藤から逃げ出さずに、向き合い続けるということにとてもエネルギーが必要でしたし、時々逃げ出したくなることもありましたが、精神力を保つことが一番大変でした。でも監督のエネルギー、スタッフの誠実さ、そして頼もしいキャストの皆さんに支えられて逃げ出さずに来れたと思います」と作品に対する険しい道のりを語った。さらに、石井監督はこの題材を映画化することについて「チャレンジングな題材だということはわかっていたので、怖いという思いが先行しましたが、同時にこれはどうしても自分がやらなければならない映画だということは確信しました」と覚悟を持って作品に挑んだことを明かした。出演した俳優に関しても監督は、「名実ともにトップの俳優の方々が覚悟を持って集まってくださいましたし、その上この映画をやり遂げるという強い思いと覚悟を持って挑んでくださった」と明かし、「現場では幸せな思いをずっと持っていました」とふり返った。同作が出品されているジソク部門(Jiseok部門)は、2017年から設定されていた本映画祭プログラミング・ディレクターの故キム・ジソク氏にちなんだ賞を独立させ昨年新設された部門で、新人をのぞけば唯一のコンペティション部門となる。本年は10本の作品の中から最大2作品にキム・ジソク賞が送られる。これまで『羊の木』(吉田大八監督)、『義足のボクサー』(ブリランテ・メンドーサ監督)がキム・ジソク賞を受賞。授賞式は10月13日を予定している。映画『月』は10月13日(金)より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開。第28回釜山国際映画祭は10月13日まで開催。(シネマカフェ編集部)■関連作品:月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会
2023年10月05日釜山広域市、釜山観光公社は2023年9月16日(土)から17日(日)の2日間、大阪コリアタウンにて釜山観光イベント「BUSAN ONLY DAY in 大阪 2023」を開催します。海雲台ブルーラインパークスカイカプセル(出典:VISIT BUSAN)海雲台ブルーラインパーク海辺列車(出典:VISIT BUSAN)■大阪コリアタウンにて釜山観光をPR新型コロナウイルスの流行後、激減していた日本人観光客を釜山へ誘致し、釜山観光パスである「VISIT BUSAN PASS」の利用促進や毎年10月に釜山にて開催しているK-POPコンサート「釜山ワンアジアフェスティバル」の認知度向上のため、大阪にて釜山観光広報イベントを開催します。当イベントでは、大阪コリアタウン内にてスタンプラリーを実施し、対象店舗にてスタンプを集めた参加者には先着で豪華な景品が当たるガチャガチャ抽選会を行います。K-EASTビル 韓テラス内のブースでは観光地図など釜山の最新情報が載っている広報物の配布や、釜山観光に関するアンケート回答者対象に釜山オリジナルグッズのプレゼントキャンペーンも実施します。■開催概要イベント名:BUSAN ONLY DAY in OSAKA 2023開催日時 :2023年9月16日(土)11:00~18:002023年9月17日(日)10:00~17:00会場 :大阪コリアタウン K-EASTビル 韓テラス193(大阪府大阪市生野区桃谷3-10-9 K-EASTビル1F)アクセス :JR大阪環状線「鶴橋」駅、近鉄「鶴橋」駅、大阪メトロ千日前線「鶴橋」駅徒歩15分参加費 :無料参加条件 :スタンプラリー参加またはアンケート回答定員 :景品なくなり次第終了主催 :釜山広域市主管 :釜山観光公社協賛 :有限会社徳山食品、株式会社チェジュ航空、エアプサン株式会社、株式会社サンスターライン(パンスタークルーズ)、株式会社ティーウェイ航空申込方法 :イベント当日にイベント会場にてスタンプラリーQRスキャンでスタンプラリー及びアンケート参加■釜山へのアクセス新型コロナウイルスの流行後、運休していた釜山への直行便が昨年より続々と運航再開となりました。現在、関西国際空港から金海国際空港(釜山)へはエアプサン、チェジュ航空、ティーウェイ航空が運航しており、南港から釜山港へはパンスタードリームが運航しています。釜山花火大会(出典:VISIT BUSAN)甘川文化村(出典:VISIT BUSAN)マリンシティ(出典:VISIT BUSAN)■大阪⇔釜山間運航スケジュール(大阪→釜山)エアプサン :BX123 11:00-12:30/BX125 14:00-15:30/BX121 18:50-20:207/28~10/27 金・日 BX1213 19:55-21:30チェジュ航空 :7C1351 10:35-12:10/7C1353 19:00-20:30ティーウェイ航空 :TW222 18:55-20:35パンスタードリーム:月・水 15:00-翌日10:00/金 17:00-翌日12:00(釜山→大阪)エアプサン :BX124 8:35-10:05/BX126 11:30-13:00/BX122 16:30-17:557/28~10/27 金・日 BX1223 17:30-19:00チェジュ航空 :7C1352 08:20-09:45/7C1354 16:45-18:10ティーウェイ航空 :TW221 9:00-10:35パンスタードリーム:日・火・木 15:00-翌日10:00※上記スケジュール・機材は予告なく変更される場合がございます。■主催者情報商号: 釜山観光公社URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月08日監督・岩井俊二×音楽・小林武史で奏でる音楽映画『キリエのうた』が、「第28回釜山国際映画祭」A Window on Asian Cinema部門にて、招待作品として上映が決定した。アイナ・ジ・エンド、松村北斗(SixTONES)、黒木華、広瀬すずらが出演する本作は、壮絶な運命と無二の歌声を宿したキリエの音楽がつなぐ、13年に及ぶ壮大な愛の物語。降りかかる苦難に翻弄される男女4人の人生が、切なくもドラマティックに交錯していく。アジア最大級の映画祭の一つとして注目を集めている「釜山国際映画」。過去の同部門招待作品として、『そして父になる』『永い言い訳』『湯を沸かすほどの熱い愛』、一昨年には瀬々敬久監督『護られなかった者たちへ』、昨年はカンヌ国際映画祭にてカメラドール特別賞を受賞した『PLAN 75』が上映された。アジア圏で絶大な人気を誇る岩井監督。今回の決定に「アイナ・ジ・エンドさん、松村北斗さん、黒木華さん、広瀬すずさんという素晴らしい才能と共に撮影をした日々は、とても瑞々しく、いつまでも続いてほしいと思えるような至福の時間でした。そんな最高の仲間たちと作りあげたひさしぶりの音楽映画を、まず最初に釜山で上映していただけることを大変嬉しく思っています。この作品が、そしてアイナさんの歌が、釜山の観客のみなさんにどう響くのか、今からとても楽しみです」とコメントしている。併せて、場面写真も到着。キリエ(路花)、夏彦、イッコ(真緒里)ら3人がギターを楽しむ様子や、キリエとイッコの出会い、教師のフミや、ギタリストの風琴、謎の少女イワンの姿が切り取られている。『キリエのうた』は10月13日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:キリエのうた 2023年10月13日より全国にて公開Ⓒ2023 Kyrie Film Band
2023年09月05日綾瀬はるか主演、行定勲監督の映画『リボルバー・リリー』が、第28回釜山国際映画祭オープンシネマ部門へ正式招待されることが決定。今年の同部門で、本作が邦画で唯一の上映作品となる。釜山国際映画祭は1996年に創設された、韓国・釜山で開催されるアジア最大規模の映画祭。中でもオープンシネマ部門は目玉となる部門で、人気、芸術性に富んだ新作や国際的に評価された作品が5作品選出され、メイン会場である「映画の殿堂」の野外スクリーンにて釜山最大の座席数(5,000席規模)で上映される釜山国際映画祭を代表する部門。昨年は、第95回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞など7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』も上映された権威ある部門で、今年は本作が邦画で唯一の上映作品。同映画祭の開催期間は10月4日(水)~10月13日(金)。本作は10月11日(水)20時~海外で初上映される。行定監督は、「『リボルバー・リリー』が、釜山国際映画祭で上映されることを大変光栄に思っております。23年前、世界の扉を開くきっかけを作ってくれた釜山映画祭が、初めて挑戦した私の新しい映画表現をどんな風に受け止めていただくのかを、胸を高鳴らせながら、楽しみにしております」とコメント、監督自身6年ぶりで思い入れの深い釜山国際映画への出品決定に喜びを語っている。『リボルバー・リリー』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:リボルバー・リリー 2023年8月11日より全国にて公開©2023「リボルバー・リリー」フィルムパートナーズ
2023年09月05日杉咲花が、生き抜くために真実を隠し続けた女性を演じる主演最新作『市子』から予告編とポスタービジュアルが解禁、第28回釜山国際映画祭コンペティション部門となるジソク部門に正式出品が決定した。本作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団「チーズtheater」旗揚げ公演作品である舞台「川辺市子のために」が原作。観客から熱い支持を受け2度再演された人気の舞台が、主演に杉咲さんを迎えて映画化。痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも「生き抜くこと」を諦めなかった川辺市子を演じた杉咲さん。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、凄まじい熱量で体現。「ものすごくシンパシーを抱いて、脚本を読み終えてすぐ『絶対にやりたい』と思いました」と出演を決めたという。今回解禁された最新映像となる予告編では、セーラー服を着た学生時代の市子(杉咲花)が、どしゃぶりの雨の中、天を仰ぎながら「全部流れてしまえ!」と大声で叫ぶ印象的なシーンで幕を開ける。泣いているようにも笑っているようにも見える、市子の表情から目が離せない。やがて、大人になった彼女は同棲している恋人の長谷川(若葉竜也)からプロポーズを受け涙するが、翌日に忽然と姿を消す。途方に暮れる長谷川は、訪ねてきた刑事・後藤(宇野祥平)から、市子に関して耳を疑う話を聞かされる。さらに、長谷川が市子の行方を追っていくと、彼女が名前や年齢を偽っていた過去が徐々に明るみになっていく。誰も想像しなかった市子の真実とは…?底知れず謎めく市子の表情に翻弄され、彼女が隠し続けてきた半生を目にせずにはいられなくなる映像となっている。また、ポスタービジュアルは、そんな彼女の顔を大きく切り取り、「すべては、生き抜くために。」というメッセージとともに強く注がれる視線は、何も語っていないようでもあり、何かを訴えかけているようでもあり、捉えどころがなく謎に包まれた市子のキャラクターをそのまま写し出している。これまでも演技力に定評があった杉咲さんだが、早くも鑑賞したマスコミ関係者からは「女優としての本領発揮」「本作が代表作となるのはまちがいない」と言わしめるほど圧巻の演技を披露。杉咲さん本人も「本番中に手が痺れたり、想像もつかなかった感情に到達してしまうような瞬間に何度か立ち会えたことが、演じ手として忘れられない時間でした。それがどんな風にお客さまのもとに届くかは怖くもあるのですが、すごい引力を持った作品だったと感じています」と語っており、作品に手応え充分。芝居を超えて役を生き抜く彼女の姿がスクリーンに映し出される。第28回釜山国際映画祭コンペティション ジソク部門に正式出品が決定また本日、第28回釜山国際映画祭の一部ラインアップが解禁となり、本作『市子』がコンペティション部門のひとつであるジソク部門に選出された。ジソク部門は新人監督を対象としたニューカレンツ部門と並ぶコンペティション部門で、今年は本作を含む10本の作品がキム・ジソク賞を競う。プログラム・ディレクターを務めるナム・ドンチョルは「この映画は、まさに主人公の『市子』という存在そのものに関する映画だ。私たちは市子の過去を辿ってゆくにつれ、その境遇を理解するだけでなく、同時に、彼女を心から抱きしめてあげたい気持ちに駆られる」とコメント。同映画祭での上映が、『市子』のワールドプレミア上映となる。作家性や個性の際立つ日本映画を発掘してきた釜山国際映画祭だが、中でもキム・ジソク賞は、2017年に設立され、昨年から正式なコンペティションとなった釜山国際映画祭を代表する部門の1つ。これまで同賞へ出品された日本映画には、杉咲さんも出演している『楽園』(19)や受賞を果たした『羊の木』(18)がある。そのほか、本映画祭では昨年、日本でも各映画賞を大いに賑わせた『ケイコ 目を澄ませて』が特別企画プログラム「Discovering New Japanese Cinema」で、また『岬の兄妹』で業界を激震させた片山慎三監督の商業デビュー作品『さがす』がニューカレンツ部門で出品されるなど、確かな品質を持った日本映画が高く評価されている。『市子』は12月8日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2023年09月01日実際の障害者殺傷事件をモチーフにした辺見庸原作の小説を宮沢りえ主演、石井裕也監督の映画『月』が、10月4日より開催予定の第28回釜山国際映画祭コンペティション部門に出品決定。映画祭プログラム・ディレクターから選出のコメントが到着した。本作がノミネートされたジソク部門(Jiseok部門)は、2017年から設定されていたキム・ジソク賞を独立させ昨年新設された部門で、新人をのぞけば唯一のコンペティション部門。本年は9本の作品の中から最大2作品にキム・ジソク賞が送られる。過去には『羊の木』(吉田大八監督)、『義足のボクサー』(フィリピン・日本合作/ブリランテ・メンドーサ監督)がキム・ジソク賞を受賞している。今回、本作からは石井監督の渡航が決定しており、授賞式は10月13日を予定している。この度、映画祭のプログラム・ディレクター、ナム・ドンチョルからも絶賛のコメントが到着、本作への期待値と評価の高さがうかがえる。<コメント>ナム・ドンチョル(釜山国際映画祭/プログラム・ディレクター)この映画は、私たちの"正常と異常の間の偏見"に疑問を投げかけている。それは強く勇敢な試みであり、特に宮沢りえの演技は私たちを見事に納得させた。『月』は10月13日(金)より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会
2023年08月30日韓国の新鋭女性監督キム・セインの長編デビュー作で、母と娘の関係を描き、釜山国際映画祭で女優賞など5冠に輝いた『同じ下着を着るふたりの女』が5月13日(土)より公開が決定した。中年シングルマザーの母親と20代の娘の、暴力と依存の悪循環に陥った親子関係を描いた本作。日本でも近年、過干渉や暴言・暴力などで子どもを思い通りに支配しようとする「毒親」や、子どもが親を選べない状況を指す「親ガチャ」といったキーワードが注目を集める一方で、2022年には“良い母親”になりきれない女性たちの葛藤を明らかにした書籍「母親になって後悔してる」(オルナ・ドーナト著、新潮社)がヒットするなど、いま、改めて親子関係に起因する様々な困難や苦悩を捉え直す動きは社会的なイシューとなっている。本作では、相手を完全に愛しきることも憎むこともできない「母と娘」の関係を、キム・セイン監督が同じ女性の視点から真摯に描き出す。母の愛を求める娘側の視点だけでなく、世間が求める良母になりきれない母側の葛藤にもレンズを向け、家庭内暴力や共依存といったテーマに収まりきらない、2人の複雑な感情を丁寧に捉える。そこにシリアス一辺倒でない悲哀や、観客の感情を受け止める大胆な余白も描き込むことで、本作は近年の韓国フェミニズムやシスターフッド映画の“次”をいく、新たなリアリズムを獲得。韓国での公開時には、幅広い世代の女性たちから切実な共感を集める作品となった。キム・セイン監督第26回釜山国際映画祭ではコンペ部門のニュー・カレンツ賞をはじめ、本作が長編デビューとなり娘役で主演したイム・ジホの女優賞など、計5部門での受賞を達成。以降もベルリン映画祭パノラマ部門や東京フィルメックスにも出品を重ね、世界の映画界から注目を集めている。キム・セイン監督は短編『Hamster』(2016)のチョンジュ国際映画祭出品を皮切りに、短編『Container』(2018)がソウル独立映画祭(SIFF)審査員賞を受賞するなど注目を集め、韓国映画アカデミーの卒業制作(KAFA)となる本作で長編デビューを果たした。『同じ下着を着るふたりの女』は5月13日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年03月02日井浦新、田中麗奈らが出演、ドキュメンタリー監督・森達也の初劇映画作品『福田村事件(仮)』が「釜山国際映画祭」に併設されている企画マーケット「Asian Project Market(アジアン・プロジェクト・マーケット)2022」(以下、APM)に出品され、NUTRILITE Awardを受賞したことが分かった。今年のAPMは、映画祭同様、3年ぶりのリアル開催となり、世界40か国288企画が集結。APMの審査員により厳選された企画は、14か国29企画となり、本作『福田村事件(仮)』もその1つとして選出。10月9日(日)~11日(火)の3日間、APM開催期間中に合計705の公式ビジネスミーティングが開催され、アジア最大の投資および共同制作市場として、その動向には世界中から熱い視線が注がれていた。森監督、小林三四郎統括プロデュ―サー、そして海外担当の比嘉世津子アソシエイト・プロデューサーの3名で参加、『福田村事件(仮)』チームは世界各国から招待された出資者、映画祭担当者、プロデューサー、配給会社などを相手に計19回のピッチングセッションを行った。そして、APM2022の最終日10月11日にパラダイスホテル釜山のグランドボールルームで受賞者が発表され、『福田村事件(仮)』は、今後の展開が最も期待される優秀な企画として「NUTRILITE Award(ニュートリライト賞)」を受賞した。受賞のほか、韓国、台湾の配給会社より共同製作、カンボジア、フランスのポストプロ会社からも共同製作のオファーがあり、さらに2023年度のアジアの2つの映画祭、ヨーロッパの映画祭からも出品の依頼が到着。各国の映画関係者から、これまでにない日本映画として反響を得ている様子だ。関東大震災時に各地で起きた「朝鮮人虐殺」、そして朝鮮人に限らず“善良な人々”が虐殺された日本の負の歴史をつまびらかにする本作。8月20日にクランクインをした撮影は9月19日に全ての撮影を終え、今後、編集作業を集中的に行うという。『福田村事件』(仮題)は2023年晩夏、公開予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:福田村事件(仮) 2023年公開予定
2022年10月18日映画『ある男』が第27回釜山国際映画祭のクロージング作品として上映され、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、石川慶監督が、クロージングセレモニー(閉幕式)に登壇した。10月14日(金)には夜のクロージング上映に先立ち、釜山市内で韓国メディアに向けた記者会見が実施。石川監督は「釜山(映画祭)は我々アジアのフィルムメーカーにとって夢のような場所。そのクロージングに選んでいただけて光栄」とコメント。今回で映画祭への参加が3回目となる妻夫木さんは、「釜山の人たちはいつも温かく迎えてくれ、そして映画をとても愛していると肌で感じます」と印象を語った。そして夕刻、映画祭のメイン会場である映画の殿堂にて行われたクロージング上映。10日間に及ぶ釜山国際映画祭の締めくくりとして約5,000名の観客が集まる中、妻夫木さん、安藤さん、窪田さん、石川監督の4名がレッドカーペットに登場すると会場は盛大な拍手に包まれた。各部門の表彰が続き会場が熱気に包まれる中、いよいよクロージング作品として本作が紹介され、キャストと監督が舞台上に登壇。妻夫木さんは、韓国語で「こんにちは、妻夫木聡です。お会いできて嬉しいです」と堂々と挨拶をすると、会場からは大きな拍手と歓声が上がった。安藤さんが「釜山のみなさんがどのように受け止めるのか、興味深く楽しみです」と期待を述べると、窪田さんも「少しでも沢山の人に、皆さんの胸に、届いてくれた嬉しいです」と語る。最後に監督が「本作は日本社会が抱える問題を描いていますが、同時に世界にも共通するテーマだと思うので、映画を楽しんでいただきたい」と締めくくり、会場からは再び大きな拍手が巻き起こっていた。『ある男』は11月18日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会
2022年10月15日田中裕子が主演する映画『千夜、一夜』が、「第27回釜山国際映画祭」にて国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)を受賞したことが分かった。日本映画としては22年ぶりの快挙となる。世界の映画関係者が注目するアジア最大級の映画祭「釜山国際映画祭」。正式出品となったニューカレンツ・コンペティション部門は、釜山国際映画祭唯一の国際コンペティション部門で、アジアの新進気鋭の映画監督による第1~2作目が対象。本作の監督・久保田直は『家路』(’14)に次ぎ、長編映画2本目となる。国際映画批評家連盟は、世界の職業的映画批評家および映画ジャーナリストの各国組織で構成され、「映画文化の推進と発展、および職業的利益の保護のために」存在する組織でカンヌ、ヴェネチア、ベルリンなどをはじめ世界各国の国際映画祭にて賞を発表。釜山国際映画祭においては、前進的な精神を反映した、上質な作品と評価された作品が選ばれる。海外の批評家からの高い評価を意味する同賞。日本映画が同賞を受賞するのは、行定勲監督の『ひまわり』(’00)以来、実に22年ぶりの快挙だ。日本では年間約8万人が人知れず消え、そしていまもどこかで誰かを待つ人がいる。本作は、「失踪者リスト」から着想を得て、その事象に興味を持ったドキュメンタリー出身の久保田監督が、青木研次のオリジナル脚本により映画化。受賞を受けて久保田監督は「この作品は、コロナ禍による中断もあり、企画を立ち上げてから完成まで8年という時間がかかってしまいました。途中何度か心が折れそうになりましたが、最後までやり遂げたことによってこのような栄えある賞をいただくことができました。心から感謝をするとともに、この賞に恥じない映画人としてこれからも頑張っていきたいと思います」と喜びのコメントを寄せている。『千夜、一夜』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:千夜、一夜 2022年10月7日よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開(C)2022 映画『千夜、一夜』製作委員会
2022年10月14日映画『キングダム2 遥かなる大地へ』が10月11日に「第27回釜山国際映画祭」で海外初上映され、上映前の舞台挨拶には佐藤信介監督が登壇し、主演・山崎賢人のコメント映像も上映された。10月5日より韓国・釜山で開催中の第27回釜山国際映画祭。本作はオープンシネマ部門に選出され、映画の殿堂(釜山シネマセンター)の屋外劇場にて上映された。寒空の下、大勢の観客が会場に訪れ歓迎ムードの中、佐藤監督は本作の見どころについて聞かれると、「今回ご覧頂く作品はパート2です。本編の冒頭に少し説明がありますが」と、パート1のストーリーや信と漂、信と嬴政の関係を丁寧に解説。「それから半年後を描くのが、これからご覧頂くパート2です。信は、大将軍になりたいという思いがあり、それを目指して、初めて本当の戦に挑んでいく姿を描いています」と作品への自信と意気込みを伝えた。また、信役の山崎さんからのコメントが上映。「アニョハセヨ!」と韓国語で挨拶し、本映画祭での上映に感謝。「“キングダム”の魅力の一つは熱量。僕が演じた信はまっすぐ物事を伝えたり、行動で示したり、僕自身も信と一緒に成長した部分がたくさんあります。この作品は監督、キャスト、スタッフ、みんなで熱量を込めて作り上げました」と思いを伝え、「海を越えて“キングダム”の熱量が海外の方たちにも伝わったら良いなと思っています」とメッセージ。会場には大きな拍手が響き渡った。そしてエンドロールの後、会場中に再び大きな拍手が響き渡り、日本同様、釜山の街にも熱量が溢れた記念すべき夜となった。上映直後、佐藤監督は「海外における初めての上映を釜山国際映画祭の大スクリーンで、たくさんの方々と一緒に迎えることができて、とても嬉しかったです。夜遅い上映にも関わらず多くの方々にお越しいただいたことや、終映後、二度にわたる大きな拍手には、とても感動しました」と感想を語っていた。『キングダム2 遥かなる大地へ』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:キングダム2 遥かなる大地へ 2022年7月15日より全国にて公開(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会
2022年10月12日聴覚障がいと向き合いながら実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルに、彼女の生き方に着想を得た物語『ケイコ 目を澄ませて』。第27回釜山国際映画祭 特別企画プログラム「Discovering New Japanese Cinema」に正式出品されている本作の公式上映が10月9日に行われ、主演の岸井ゆきのと三宅唱監督が上映後のトークショーに登壇した。いよいよアジアプレミアとなった今回。三宅監督は「この映画を作るまでボクシングについて全く知りませんでした。なぜ殴ったり殴られたりするのか分かりませんでした。でも多くの人がボクシングに夢中になってしまう。この謎について考えていくと、もしかしたら自分たちの人生についても考えていくことができるのではないかと思いました。この作品の主人公のモデルとなった小笠原恵子さんの生き方、純粋に自分のやりたいことをして、自分の人生を生きようとするエネルギーがこの映画の中心にあると思っています。岸井さんは映画の中でその全てを表現してくれています」と製作のきかっけを明かした。この日は、シム・ウンギョンが応援に駆け付け、本作に魅了され、岸井さんに圧倒されたことを語ると、岸井さんは「ボクシングのトレーニングを3か月行いました。その中でケイコを形作っていきましたが、トレーニング中からこれは二度とできない作品、役柄であるなという実感がありました。体づくりのために糖質制限をしていたので、すごく狭い世界しか見えなくなって、自分が見たいものしか見られない、聞きたい音しか聞こえないという状況でした。ある一点に集中力を注ぎ、その精神状態の中でケイコというキャラクターは作られていきました。この映画で身体が朽ちてもいいと思うほどに、このような経験は二度とできないだろうし、二度とできない瞬間をおさめてほしいと思いながら日々撮影に臨んでいました」と作品にかける並々ならぬ想いを打ち明ける。また、三宅監督は岸井さんとボクシング指導担当の松浦慎一郎との撮影前のトレーニングをふり返り、「僕が本気で殴るわけにはいかないので遠慮してガードばかりしていたら、岸井さんから『なぜ本気で殴ってこないのか、なぜ真剣に向かってこないのか』と真っすぐ言われました。強さ、弱さは関係なく、その真っすぐな姿勢というものが、元々岸井さんにあり、ケイコというキャラクターにもあったのだと思います。それが“共に生きる”という姿勢にも繋がると、僕は練習中に感じ続けていました」と印象的なエピソードを披露。岸井さんは「映画のためというよりか、自分自身がいかに強くなれるか、を考えてずっとやっていました。この映画をやり遂げられなかったら、俳優でいるのは難しいと思うくらい、必死で日々練習に臨んでいました」と付け足した。そして、映画が本当に好きだと話す岸井さんは「16mmフィルムで撮るということを知って、映画の撮影中にしか聞くことができないカラカラというフィルムの音を聞けるんだと思い、もう全てをここにかけるしかないんだという気持ちになりました。三宅監督と一緒に映画を撮るということ、16mmフィルムで撮るということ、そしてそのために集まってくれるスタッフの皆さんがいて、この映画を作ることができました。私はベルリン国際映画祭も他の映画祭も参加が叶わなかったので、この釜山が初めての映画祭となり、この映画を観た方とコミュニケーションとれる良い機会となりました。いま皆さんの表情を見て、この映画を観て何か感じて頂けたんだなということを思い、とても嬉しいです」と世界へ届けることができたことへの喜びを語っていた。『ケイコ 目を澄ませて』は12月16日(金)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ケイコ 目を澄ませて 2022年12月16日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS
2022年10月11日韓国・釜山で10月8日(土)に行われた第4回アジアコンテンツアワード(ACA)にて、TBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で主演を務めた鈴木亮平が主演男優賞、また、Netflixシリーズ「新聞記者」に出演した横浜流星がニューカマー賞を受賞した。アジアコンテンツアワードは、釜山国際映画祭に併設されたアジアンフィルムマーケットで2019年に新設。アジア全域で過去1年間に制作された独創的で優れたテレビ、OTT(動画配信サービス)、オンラインコンテンツや俳優に贈られる賞。アジアの優れたコンテンツを奨励し、アジアのコンテンツおよび映画市場の活性化を目的に、今年で4回目を迎えた。今年はコロナ禍以来3年ぶりに釜山でオフライン開催され、授賞式ではベストコンテンツ賞、ベストアジアアニメ賞、俳優賞、新人賞、作家賞に加え、今年新設されたベストアジアドキュメンタリー賞、助演賞など12部門の結果が発表。韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が作品賞にあたるベストコンテンツ賞および主演女優賞(パク・ウンビン)、「イカゲーム」が技術賞と助演男優賞(パク・ヘス)の2冠を達成した。「TOKYO MER」主演男優賞・鈴木亮平は韓国語と英語でスピーチ2021年7月期の日曜劇場として放送された「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で主演男優賞を受賞した鈴木さん。現地で授賞式に参加し、韓国語で挨拶と自己紹介をして会場を和ませたのち、英語で受賞の喜びと新型コロナ感染症と闘う医療従事者への尊敬の言葉をスピーチ。「このような素晴らしい賞をいただき、たいへん光栄です。私たちはこのドラマを、すべての医療従事者、そしてその家族への尊敬を込めて、特に2019年以降、現在に至るまで、最前線で新型コロナウイルスと闘い続ける方々の勇気を讃えたいという思いで作りました。この受賞の名誉は彼らのものです。東京、日本、韓国、そして世界中すべての医療従事者の方々にこの賞を捧げたいと思います」と語った。本作の“MER”とは、モバイル・エマージェンシー・ルームの略称で、東京都知事のもと結成された架空の医療チームであり、鈴木さんはチームを率いるリーダー・喜多見幸太役を演じた。救命救急のプロフェッショナルとして、最新の医療機器とオペ室を搭載した大型車両(ERカー)で危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、患者の命を救うために現場に飛び込み、熱いチームワークで負傷者を果敢に救命していく彼らのストーリーは多くの視聴者の心を熱くした。2023年に劇場版が公開される。同アワードではほかにも、助演女優賞に「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の中条あやみと、2022年1月期日曜劇場「DCU」の中村アン、また優れた撮影技術・美術・音楽・ビジュアルエフェクトなどに与えられる技術賞に「TOKYO MER~走る緊急救命室~」がノミネートされていた。なお、TBSドラマからは、「凪のお暇」で主演を務めた黒木華が第2回の主演女優賞を受賞し、「半沢直樹」が第3回審査員特別賞を受賞している。劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』は2023年公開予定。「新聞記者」主要3部門ノミネートから横浜流星が受賞Netflixシリーズ「新聞記者」はベストコンテンツ賞、主演女優賞(米倉涼子)、ニューカマー賞(横浜流星)の主要3部門にノミネートされており、見事、横浜さんが受賞。2019年6月に劇場公開された映画『新聞記者』は近年の政治事件やスキャンダルに切り込み、第43回アカデミー賞の最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得したほか、多くの映画賞を受賞した。その衝撃の問題作がさらにスケールアップし、全6話のドラマとしてキャストを一新、新たな物語として誕生したのが今作。“新聞業界の異端児”と呼ばれる主人公の東都新聞社会部記者・松田杏奈を米倉涼子、理想を抱きつつも組織の論理に翻弄される若手官僚・村上真一役に綾野剛、そして新聞配達をしながら大学に通う就活生・木下亮役に横浜流星と豪華キャストが集結。監督は映画版に引き続き、藤井道人が務めている。配信直後の週末から3日連続で、Netflixの日本における今日の総合TOP10にて1位となるなど大きな話題と関心を集めた。今回の横浜さんの受賞について、アジアコンテンツアワード組織委員長は「難しい演技が必要な社会派ドラマにおいて、存在感のある素晴らしい表現力を発揮されていました。正義のために葛藤するその姿に、今後アジアを代表するビッグスターになると確信しました」とコメントし、横浜さんの演技力を高く評価。知らせを受けた横浜さんは「本作では、藤井道人監督が一般市民目線を描きたいということで、僕に託してくださり、覚悟をもって、“亮”を生きました」とコメント。「キャスト、スタッフ一丸となって作った『新聞記者』が、国を越えたくさんの方に届き、嬉しく思います。これからも皆さんの心に残る作品をお届けできるよう、精進します」と喜びを語っている。Netflixシリーズ「新聞記者」はNetflixにて全世界独占配信中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~ 2023年公開予定©2023劇場版『TOKYO MER』製作委員会
2022年10月10日佐藤健主演の現在公開中の映画『護られなかった者たちへ』が、昨日10月14日、「第26回釜山国際映画祭」A Window on Asian Cinema部門にて上映された。その後、ティーチインイベントが開催され、監督の瀬々敬久がオンラインで参加し、大いに盛り上がった。チケットは完売し、多くの観客が集まったこの日。本作は、中山七里の同名小説の映像化ということで、まずタイトルに惹かれたと、原作を読んだときの印象を語った瀬々監督は、「この映画では二つの不条理を描こうとしました。ひとつは社会制度の不条理、そしてもうひとつは人間が立ち向かうことのできない天災・震災、この2つの不条理。最終的には、その不条理に立ち向かう人間が愛する人たちと一緒に暮らしていこうとする姿、そうして未来を信じようとする姿を描こうと思い、この作品を撮影しました。コロナで大変な状況ですが、そういう状況もこの映画と似ているところもあると思います」と思いを明かす。また現地の観客から、佐藤さん演じる利根がある人物に会うために公園を訪れるシーンにて、その一角で踊る女性の演出意図を尋ねられると、「佐藤さん(演じる利根)の『死んでいい人なんていないんだ』というセリフを、より記憶して頂けるように特徴的なシーンとしてを印象付ける意図がありました。また、大災害に対する祈りのようなイメージとして捉えてもらえないかなとも思いました」と答えつつ、「日本でも、あのシーンの意図を聞かれますが、映画というのは謎があった方が面白いと思います」と話していた。主演の佐藤さんが演じる利根は、とある不可解な殺人事件で容疑者にあがる男。今回、佐藤さんを起用した理由について瀬々監督は「以前『8年越しの花嫁 奇跡の実話』という作品で佐藤さんに出てもらったことがありますが、その時の役は好青年で、その時に佐藤さんが『良い人をやるのは、実は辛いんです』と言っていたことを覚えています。その後佐藤さんは『ひとよ』で少しだけ悪い役を演じていて、“彼はこういう役もできるのか”と思い、今回お願いしました」と過去作をふり返る。「僕が知っている日本の若手の俳優の中で一番クレバーだと思っています」と佐藤さんについて語った監督は、「映画の本質をキャッチして、その中で自分がどういう人物を演じればいいかを判断できます。脚本の段階から色々な話をして、一緒に映画を作ることができる素晴らしい俳優です。何より役を演じることにすごく熱心で、休憩中もこの利根という登場人物であろうとしていました」と今回の撮影での様子も伝えた。さらに、ラストシーンへの思いを尋ねられた瀬々監督。「あのラストシーンの場所の付近に住んでいる方は、高い防潮堤ができて、海を見ることができなくなりました。ある人たちにとっては、海は見たくないものかもしれません。ただ、映画の最後で“海を見る”ということで、劇中の事件を違った角度で見ることができたのではないかと思います。憎しみの海ではなくて、“海の向こうに愛する人がいる“そんな海に見えたかもしれません。そこでの『ありがとう』というセリフが重要な意味を持っていると思います。和解して、未来に向かって生きようとする姿だと思って、このラストシーンをつくりました」と語った。そして、作品に込めたメッセージについて質問されると、「ひとつは震災の避難所で利根、けいさん、カンちゃんという3人が出会って、疑似家族を築きます。どんな状況においても、人間は人間らしく生きようとする、前向きなメッセージを伝えようとしました。ただ、そういう人達を助けてあげることのできない社会制度、そういうものに対して声をあげることの大切さ、人と人がつながって生きていくことの大切さも訴えようと思って作った作品です」と丁寧に答えた。『護られなかった者たちへ』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:護られなかった者たちへ 2021年10月1日より全国にて公開©2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会
2021年10月15日犬童一心監督が、世界的なダンサーとして活躍する田中泯の踊りと生き様を追った映画『名付けようのない踊り』。この度、本作が「第26回釜山国際映画祭」ワイドアングル:ドキュメンタリー・コンペ部門に正式出品されることが決定した。1978年にパリデビューし、世界中のアーティストと数々のコラボレーションを実現させた田中さん。本作では、『メゾン・ド・ヒミコ』への出演オファーをきっかけに親交を重ねてきた犬童監督が、2017年8月から2019年11月まで、ポルトガル、パリ、東京、福島、広島、愛媛などを巡りながら田中さんを撮影。この間に、田中さんは72歳から74歳になり、5か国、48か所で90の踊りを披露。その一部を切り取り、一本の稀有なる映画が完成。同じ踊りはなく、ジャンルにも属さない唯一無二の“場踊り”を、息がかかるほど間近にいるかのように体感できる。さらに本作では、『頭山』で海外の名高い賞に輝いた山村浩二によるアニメーションを交えながら、情感豊かに田中さんの人物像を紐解いていく。今回本作が出品される“ワイドアングル:ドキュメンタリー・コンペ部門”では、世界中から寄せられた応募作の中から10作品のみが出品。本作が唯一の日本映画となる。なお、犬童監督の作品が釜山国際映画祭で上映されるのは、『メゾン・ド・ヒミコ』『グーグーだって猫である』に続き、本作が3度目だ。コメント田中泯初めての映画出演が57歳。『たそがれ清兵衛』という侍映画で、時代に翻弄された剣豪の侍を演じました。その後に『メゾン・ド・ヒミコ』という映画でトランスジェンダーのヒミコ役を僕に要求してきたのが犬童一心監督でした。以来、犬童監督は僕の踊りをとにかくたくさん見続けてくれた観客の一人でありました。さて…僕は一人のダンサーです。僕を知る人は映画の中の俳優の田中泯を知っている人が大多数かと思います。でも僕は踊りに心の底から惚れたダンサーです。戦後の日本が、いや世界中が変わろうとしていた60年代から僕なりに続けてきたわがままな表現が、カラダだけで存在を表わすダンスでした。こんな形で僕の人生の大事な一部分が映画になっていることを、今の僕にはどこか恥ずかしく嬉しい気持ちがしています。犬童監督の作品として多くの人にダンサーの生きる一例を見てもらえると嬉しいかな…と思います!犬童一心監督『名付けようのない踊り』が釜山国際映画祭で上映される日をずっと心に描いていたので、本当に嬉しいです。私の作品『ジョゼと虎と魚たち』を発見してくれて、それ以来ずっと支えてくれた韓国の皆さんが、この映画の最初の観客であることもとても自然に感じました。田中泯さんの胸騒ぎに満ちた日々、圧巻のダンスをスクリーンで是非堪能してください。この作品のじっくりゆっくり静かな時間の流れを思う存分味わってください。『名付けようのない踊り』は2022年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2021年09月15日闇くじで生業を立てる孤児の少年を描き、第24回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門最優秀作品賞受賞ほか多くの映画祭で高い評価を受けたベトナム映画『走れロム』から、予告編が解禁。新たに公開日が7月9日(金)に決定した。ハイリスク・ハイリターンの違法くじの予想を立て、賭け屋との橋渡し(走り屋)を生業としている孤児の少年ロム。予告編では、同じ境遇に立つ同業者のライバルフックと激しく競い合いながら、ホーチミンの寂れた狭い路地や大通りを縦横無尽に駆け巡る姿が活写。ベトナムでは庶民の生活の一部になっている“闇くじ”に翻弄される人々の様子も、容赦のない暴力とともに悲哀を滲ませながら描き出されている。検閲&修正の苦難を経て『TENET テネット』を超える大ヒット新鋭チャン・タン・フイ監督の長編デビュー作にして、世界で輝かしいデビューを飾った本作だが、社会主義国家のベトナムにおいて顕在化させたくない“闇くじ”を描いたことで、当局の検閲が入り、修正を余儀なくされる。そうした苦境を乗り越え迎えた本国での公開は、ロングランヒット中だったクリストファー・ノーラン監督の超大作『TENET テネット』を興行成績で上回る驚くべきヒットを記録。ミニシアター文化のないベトナムで、インディペンデント映画が商業的にも成功をおさめる一大センセーションを巻き起こした。新世代の寵児のもとに、才能豊かなメンバーが集結過酷な環境下、必死に生き抜く主人公ロムを監督の実弟でもあるチャン・アン・コアがエネルギッシュに体現。『青いパパイヤの香り』『ノルウェイの森』で知られる名匠トラン・アン・ユンがプロデューサーとして参加、編集にはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作品を手掛けるタイの名編集者リー・チャータメーティクン、音楽は河瀬直美監督『朝が来る』など国際的に活躍するトン・タット・アンが担当。臨場感あふれるカメラワークの立役者は、フイ監督が絶対の信頼を置く若手撮影監督グエン・ヴィン・フックが務めている。『走れロム』は7月9日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:走れロム 2021年7月9日よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開©2019 HK FILM All Rights Reserved.
2021年05月12日永作博美と井浦新が夫婦役を演じ、辻村深月のヒューマンミステリーを映画化した『朝が来る』。本作を手掛けた河瀬直美監督が、第25回釜山国際映画祭にてイ・チャンドン、ジャ・ジャンクー、黒沢清、是枝裕和など錚々たる面々と共にアジアンシネマのアンバサダーに選出された。釜山国際映画祭はアジアを代表する映画の祭典として常に注目を集め、国内外の約300作品(ワールドプレミア約100作品)が上映され、来場者数は約20万人を記録している。今年はコロナ禍により当初の予定より2週間延期され、10月21~30日に規模を縮小して開催される予定。今回、同映画祭の公式HPにてアジアンシネマのアンバサダーが発表されており、河瀬監督のほかには、イ・チャンドン監督、パク・チャヌク監督、黒沢清監督、是枝裕和監督、ジャ・ジャンクー監督、俳優のチャオ・タオ、ツァイ・ミンリャン監督、俳優のリー・カンションといった錚々たる面々が名を連ねている。選出を受け、河瀬監督は「私の映画キャリアは釜山映画祭の歴史とほぼ同時です。この25年の様々な変遷を経て今年のコロナ禍にあっても映画祭を開催される背景には大変な決断とスタッフの努力があってのことでしょう。ここに敬意を表すと共に、それらの活動を通して広く世界に釜山映画祭がこれまで以上の発展を遂げられますよう祈念いたします」と同映画祭に激励を送り、「アジアの多様性と底力を自身の監督作品を通して発信し届けてゆきたいと思います」と力強くコメント。また、「映画製作者は団結し、互いに勇気をシェアすべきである」(イ・チャンドン)、「私たちはどのような形でも繋がっていけることを信じている」(是枝裕和)、「このような難しい状況の下で作られたフィルムが傑作であると強く信じる」(黒沢清)とほかのアンバサダーもコメント。なお、河瀬監督最新作『朝が来る』は、10月22日(木)にガラプレゼンテーションにて上映され、当日に記者会見、上映後のQ&Aをリモートで行う予定となっている。『朝が来る』は10月23日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:朝が来る 2020年10月23日より全国にて公開©2020『朝が来る』Film Partners
2020年10月20日松重豊主演の人気ドラマ「孤独のグルメ」のスペシャルドラマのタイトルが「孤独のグルメ 2019大晦日スペシャル~緊急指令!成田~福岡~釜山 弾丸出張編!」に決定。今回の舞台が福岡県福岡市と韓国・釜山市になることが明らかになった。2017年、2018年と2年連続でスペシャルドラマを放送してきた本作。今年は日本と海外を舞台に、松重さん演じる井之頭五郎の忙しい年末2日間を描く。福岡&韓国、両方とも出張編で描かれるのは今回で2回目(「真夏の博多・出張スペシャル」「韓国出張編」)だが、国境を越えた2つの都市を舞台に1つの物語が展開するのは、シリーズ史上初だ。放送中の「シーズン8」最終話で登場するクリスタルアート店を営む広瀬(浅利陽介)の代わりに、大晦日に福岡へ出張することになってしまった五郎。12月30日、成田にいた五郎に福岡の商談相手から「今日中に来てほしい」と連絡があり福岡へ向かうが、あるトラブルが発生。五郎は、大晦日に高速船のビートルで韓国・釜山へ行くハメに。しかし、どんな緊急事態が発生しようと、腹は減る。五郎は福岡と釜山それぞれの街で絶品料理に出会う――。今回は「シーズン8」最終話から繋がるスペシャルドラマとなっている。なお、五郎が出張先で出会う豪華ゲストは後日発表となるようだ。「孤独のグルメ 2019大晦日スペシャル~緊急指令!成田~福岡~釜山 弾丸出張編!」は12月31日(火)22時~テレビ東京にて放送。(cinemacafe.net)
2019年12月19日第24回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門に正式出品された『楽園』。この度、綾野剛と杉咲花、そして瀬々敬久監督が、そのオープニングレッドカーペットイベントに参加。綾野さんは初めて、アジア最大規模の本国際映画祭参加となった。今回初めて釜山国際映画祭のレッドカーペットを歩いた綾野さんは「非常に興奮しています。初めての釜山ということもあるんですけど、映画は国境や国などを超える力を持っていると思います。その中で日本の映画を世界に届けられるということは心から素晴らしいことだと思います」とコメント、2016年のモントリオール国際映画祭以来となる国際映画祭の舞台に立つ喜びを表現した。そして、前回に続いて2度目の参加となる杉咲さんは、「昨年に来たときも感じましたが、会場の熱気が凄く、映画を愛している方が沢山いらっしゃって、本当に素敵な映画祭だなと感じていたので、またこうして来ることができて光栄です」と同じく喜びを語った。また、国際的な場で一般の観客へは初お披露目となることについて、「この作品は非常に慈愛と希望に満ちていますが、本当に苦しい貧困についても描いています。その中で皆さんに何を感じていただけるのかを釜山国際映画祭を通して多くの方に託したいと思います」と綾野さんが期待を語ると、続けて杉咲さんも「観て下さったお客様がこの映画をどのように感じるのかが気になりますね。とにかくみなさんの感想が楽しみです」とコメントした。そんな綾野さんと杉咲さん、瀬々監督が会場に姿を現すと大きな拍手と歓声が巻き起こり、レッドカーペットを歩く3人を捉えるために多くのフラッシュがたかれ、本作の期待値の高さを伺わせた。そしてレッドカーペットを歩き終えた感想を聞かれた杉咲さんは「凄く空気感が優しくて、歓迎してくれているのを感じることが出来て嬉しかったです」と嬉しそう。瀬々監督は「私にとってのスター、イ・ジャンホ監督、ぺ・チャンホ監督と一緒に歩くことが出来て感動しました」と自身の憧れの監督とレッドカーペットを歩けたことに喜びのコメント。最後に綾野さんが「これだけ日本の作品を歓迎していただけて、心から感謝の気持ちですし、今回釜山国際映画祭に参加できて本当に良かったです」と改めて感謝を述べていた。第24回釜山国際映画祭において本作は、2017年カンヌで急逝したキム・ジソク釜山国際映画祭副執行委員長を偲び、新たに設けられたキム・ジソク賞にノミネートされており、10月4日に行われる本作の公式上映後には瀬々監督がQ&Aに参加する予定となっている。『楽園』は10月18日(金)より全国にて公開。第24回釜山国際映画祭は10月12日(土)まで開催中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:楽園(2019) 2019年10月18日より全国にて公開© 2019「楽園」製作委員会
2019年10月04日アジアNo.1の韓流イベント『釜山ワンアジアフェスティバル(BOF)』が、10月19日(土)から25日(金)までの7日間、韓国・釜山で開催される。今年で4回目を迎える同イベントは、K-POPアイドルの公演やファンミーティングをはじめ、美容、ファッション、メディカルまで、韓国の今を体験できるフェスティバルだ。「2019釜山ワンアジアフェスティバルK-POPコンサート」チケット情報先日、追加アーティストとしてStray Kids、ATEEZ、(G)I-DLE、MAMAMOO、GFRIEND、SUPER JUNIORの出演が発表された。今年も釜山が熱くなるシーズンが到来。話題のK-POPスターがそろうBOFに注目だ。『釜山ワンアジアフェスティバル(BOF)』▼2019年10月19日(土)~25日(金)韓国・釜山華明生態公園、海雲台亀南路など釜山全域『釜山ワンアジアフェスティバルK-POPコンサート』チケット発売中Pコード:162-940▼10月19日(土) 19:00華明生態公園B(STANDING)-4000円(整理番号付)C(STANDING)-3000円(整理番号付)D(RESERVED SEAT)-1000円[出演]HA SUNG WOON/AB6IX/KIM JAE HWAN/ITZY/Stray Kids/ATEEZ/(G)I-DLE/MAMAMOO/GFRIEND/SUPER JUNIOR/他※A(STANDING)は取り扱いなし。※日本国外では本券の発券はできません。必ず日本国内にて発券をお済ませの上、本券を持ってご来場ください。※日本国在住の方・日本語が読める方・日本国内にて発券することが可能な方のみご購入下さい。※会場までの交通、宿泊手配は含まれません。ご自身でご手配下さい。※開演・開場日時は現地時間です。※本券を紛失・お忘れの場合、対応は一切できません。※入場者は全員(お子様も)本券が必要となります。※当日本人確認あり。要身分証明書。※転売チケットはご入場できません。/お問合せ先【ハナチケット:Mail:bof2019@hanatour.com】
2019年09月30日是枝裕和監督最新作『真実』が、10月に開催される「第24回釜山国際映画祭」のGala Presentation(ガラ プレゼンテーション)部門にて上映されることが決定した。昨年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し世界を席巻した『万引き家族』に続き、ヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭と、主要な映画祭にて出品が決定、世界中の映画祭からのオファーが絶えない最新作『真実』。今回上映が決定したのは、1996年に創設された韓国で開催される「釜山国際映画祭」。Gala Presentation(ガラ プレゼンテーション)部門は、その年の話題作や新作を上映する部門で、『君の名は。』なども上映された。24回を数える今年は、10月3日(木)~12日(土)の期間で行われる。また、是枝監督が「今年のアジア映画人賞(Asian Filmmaker of the Year)」に選定されたことも明らかに。「Asian Filmmaker of the Year」は、毎年アジア映画産業と文化発展に最も優れた業績を残したアジア映画関係者および団体に与える賞。昨年は音楽家の坂本龍一が受賞した。釜山映画祭は「是枝裕和監督は、アジア映画界で最も影響があり、インパクトがあり、支持されている映画監督である。アジア映画界全体の発展と促進に大きな貢献をしていると同時に、映画監督としての素晴らしい技術を評価したいと考え授与を決めた」と選定理由を明かしている。なお、是枝監督は同映画祭の上映イベントに登壇予定となっている。『真実』は10月11日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年09月04日双子の兄弟の哀しい秘密と運命を描いたアクションサスペンス『ヒョンジェ~釜山港の兄弟~』。この度、「じれったいロマンス」の“ツンデレ王子”で多くの女性ファンを魅了した映画初主演のソンフンが、本作で一瞬だけ、ツンデレぶりを覗かせるシーンの本編映像がシネマカフェに到着した。警官になった二卵性双生児の兄テジュ(チョ・ハンソン)とマフィアになった弟のテソン(ソンフン)、2人が想いを寄せるチャンミ(ユン・ソイ)の哀しい運命を描いた本作。ソンフンはこれまでの甘いイメージとは180度異なった、ワイルドでクールな男の新境地を開拓して話題となっているが、そんな本作でも一瞬だけソンフンの王子ぶりをとらえたシーンがある。今回解禁となるそのシーンでは、誕生日を祝うために手料理を作って待っていたチャンミの姿が。そこに花束を持ったテソンが階段を下りてくる。まるで少女のようにその時を待っていたチャンミはテソンが現れると笑顔を見せ、豪華なご馳走を前にしたテソンは「おめでとう」とチャンミに花束をプレゼント。チャンミは少女のような嬉しそうな表情を見せる。全編にわたりマフィアとして険しい表情、そして激しいアクションを見せるソンフンだが、このシーンだけはこれまでに女性ファンをとりこにしてきた“ツンデレ王子”ぶりを発揮した演技を見せている。その貴重な瞬間はこちらの映像から確認してみて。『ヒョンジェ~釜山港の兄弟~』は7月26日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ヒョンジェ〜釜山港の兄弟〜 2019年7月26日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開©️2018 CION Pictures All rights reserved
2019年07月10日大ヒットドラマ「じれったいロマンス」のツンデレ王子、ソンフンの初主演映画『ヒョンジェ~釜山港の兄弟~』。この度、ソンフンのシャワーシーンや苦悩する姿などをとらえた場面写真が解禁となった。本作は、二卵性双生児として生まれながら、刑事とマフィアとして再会した兄弟の哀しい秘密と運命を描いたアクションサスペンス。この度到着したのは、地元・釜山の不良からマフィア組織の後継者へとのし上がったソンフンの劇中場面写真4点!「じれったいロマンス」ではツンデレ王子を演じて話題を呼んだ俳優ソンフンが、本作では初の悪役に挑戦し、その人気の武器ともいえる笑顔を封印。シャワーシーンやバスローブを身にまとったシーンでは、薄暗いシーンながらも上半身裸のソンフンの鍛え上げられた肉体美を目にすることができ、うつむいて涙する姿など新境地を見せている。さらに本作の公開に寄せて、韓国映画通として知られるラジオDJ/テレビVJ/司会者の古家正亨からコメントも到着。「ノワール的ビジュアルイメージに惑わされてはならないこの映画の本質は“兄弟愛”であり、それぞれの運命に翻弄されながら生き方は違えど決して“離れられない”2人の男に兄弟を持つ者であれば共感せざるを得ないだろう。ドラマを中心に活躍してきたソンフンが“映画俳優”ソンフンとして時折、迷いながらも、新しい可能性を自身で開拓」と、映画俳優としてのソンフンに絶賛を贈っている。警察官、マフィアとそれぞれ違う道を歩んだ兄弟。宿命的な再会を果たした2人が迎える運命とは――。そんな衝撃のラストは是非劇場で見届けて。『ヒョンジェ~釜山港の兄弟~』は7月26日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ヒョンジェ〜釜山港の兄弟〜 2019年7月26日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開©️2018 CION Pictures All rights reserved
2019年07月05日大ヒットドラマ「じれったいロマンス」で人気を集めた“ツンデレ王子”ソンフンのスクリーンデビューにして映画初主演となる『ヒョンジェ~釜山港の兄弟~』から、予告映像と場面写真が一挙に解禁となった。本作は、二卵性双生児として生まれながら、刑事とマフィアとして再会した兄弟の哀しい秘密と運命を描いたアクションサスペンス。優等生の兄・テジュ(チョ・ハンソン)と不良の弟・テソン(ソンフン)。あるとき、2人が想いを寄せる娘・チャンミ(ユン・ソイ)が不幸な事件に襲われ、3人は悪夢のような記憶を抱えたまま、それぞれの道へ。時は流れ20年後、テジュはソウルの江南警察署の警官に、テソンは地元・釜山最大のマフィア組織「マリカーン」の後継者として、それぞれの人生を歩んでいた。釜山で起きた事件を捜査していたテジュは釜山に戻り、テソンやチャンミと再会。追う、追われるという関係になった双子の兄弟の運命は…!?主演のキム・テソン役をつとめるのは、人気韓流ドラマ「じれったいロマンス」でツンデレ王子を演じた人気急上昇中の俳優ソンフン。また、兄の刑事役・テジュ役を、映画『オオカミの誘惑』「3度結婚する女」などの実力派俳優チョ・ハンソンが演じる。今回解禁となった予告映像では「お前はいいヤツとして生きろ」「俺は最後まで悪者として生きてやる」など、これまでのロマンチックでソフトなイメージを覆す、ソンスン演じるマフィア・テソンのセリフから始まる。後継者争いや施設の移転問題で組織と衝突したテソンは、兄弟の仲を切り裂いた20年前の悲劇の真相が表沙汰になりそうになり窮地に。最後は降りしきる雨の中、ずぶ濡れで刑事の兄・テジュが切ない表情を浮かべながら、テソンに向かって銃を突きつけるシーンも…。刑事とマフィアで再会した兄弟の衝撃の結末を予感させる予告映像は、その甘いマスクで女性たちから圧倒的な人気を集めてきたソンフンの激しいアクションもたっぷり収められ、新境地を開拓した彼の新たな代表作となっている。さらに、マフィアとなったテソンのワイルドな表情や切ない表情を厳選した本作の場面写真も一挙解禁。スクリーンデビューにして映画初主演となるソンフンは、本作で新たにワイルドな一面をみせており、大きな注目を集めそうだ。『ヒョンジェ~釜山港の兄弟~』は7月26日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年05月28日第23回釜山国際映画祭(BIFF)が10月4日から13日まで、韓国・釜山市のリゾート地、海雲台で開催された。今年は、音楽家の坂本龍一がアジア映画人賞を受賞し、開幕式では『戦場のメリー・クリスマス』と、韓日中合作の新作アニメ『MY TYRANO:Together, Forever』のテーマ曲をピアノ演奏。坂本さんは感謝の言葉と共に「今、この朝鮮半島にとうとう平和が訪れようとしていますね。同じアジア人としてこの上ない喜びです。おめでとうございます」とスピーチし、大きな拍手を浴びた。釜山での出会いについて坂本さんに質問をしたところ、「ツァイ・ミンリャンや、(音楽を担当した)『天命の城』のチームと再会できて嬉しかったですが、大好きなキム・テリ(『お嬢さん』)さんが来なくて残念でした」と語った。また、開幕式で歩いたレッドカーペットはいままで参加したどの映画祭より長かったと驚いていた。■チャン・ドンゴンはじめスターが勢揃いそのレッドカーペットには、チャン・ドンゴンとヒョンビンをはじめ、司会を務めたキム・ナムギルとハン・ジミン、「EXO」のレイ、「少女時代」のスヨン、パク・ヘイル、ナム・ジュヒョク、開幕作『Beautiful Days』のイ・ナヨンとチャン・ドンユンら韓国のスター、香港のサミー・チェン、ジジ・リョンらに加え、日本からは『寝ても覚めても』の東出昌大と唐田えりか、『愛しのアイリーン』の安田顕、『止められるか俺たちを』の井浦新と白石和彌監督、『夜明け』の柳楽優弥、ニュー・カレント部門の審査員を務めた國村隼らが登場した。中でも初参加となる東出さんへの注目度は高く、その韓流スターばりのスタイルの良さと優雅な身のこなし、そして『寝ても覚めても』での演技を現地の記者たちは絶賛。5日に開催された「マリ・クレール・アジア・スター・アワード」では、唐田さんと共に、アジアの顔賞に選ばれた。■台風直撃も、映画祭は昨年以上の盛り上がり今年は10月6日に台風25号が釜山を直撃したため、多くの屋外イベントが中止となったり、飛行機が欠航のため『斬、』の池松壮亮、蒼井優が現地入り出来ず、塚本晋也監督が1人で舞台挨拶を行うなどアクシデントが多かったが、チュ・ジフン、ユ・アインらのイベントは会場を移して無事敢行された。2014年に、セウォル号沈没事故の政府対応を告発した『ダイビング・ベル/セウォル号の真実』の上映を巡り、映画祭側と釜山市長(当時)とが対立、イ・ヨングァン執行委員長が解任されたことから、ここ数年は映画監督らのボイコットなど混乱していたBIFF。だがムン・ジェイン大統領が映画祭の独立性を支持したことで、今年初めにイ・ヨングァン氏が理事長として復帰、多くの映画人が戻ってきた。まだ完全正常化とまでは言えなかったが、観客数は195,000人以上と、悪天候にもかかわらず昨年を上回った。2019年は名実ともにアジア最大の映画祭にふさわしいものになることを期待したい。なお最終日に発表されたニュー・カレント賞(新人監督賞)は、中国のチュウ・シーウェイ監督、チャン・チェン主演の『SAVAGE(雪暴)』と、韓国のクォン・マンギ監督の『Clean up』が受賞。また俳優賞は、イ・ジュヨン(『Maggie』)と、チェ・ヒソ(『Our Body』)の女優2人に贈られた。(text:Ayako Ishizu)
2018年10月15日