俳優の高倉健さんの訃報を受け、高倉さんが主演を務めた映画『鉄道員』(1999年)のキャスト陣らが、東映を通じて哀悼の意を表した。高倉さんの妻役を演じた女優・大竹しのぶは、「たった一度だけの共演でしたが、十本も二十本も映画を撮ったような、豊かで素晴らしいことを沢山教えて頂きました」と当時を振り返り、「映画人『高倉健』の魅力は、そのまま、人間『高倉健さん』の魅力です。美しく、気高く、そして何よりも優しい健さんを一生忘れません」とコメント。「神様みたいな人が、本当の神様になってしまったようです。淋しいです」と別れを惜しんだ。一方、娘役の女優・広末涼子は「今もまだ信じられません」とショックを表し、「ただただ、悲しくて、淋しいです。健さんに撮影現場で聞かせてもらった音楽、入れてもらった珈琲、かけていただい優しい言葉たち、背筋の伸びた大きな体で、力強く抱きしめてもらった思い出、、、全て全部、忘れません」と悲痛な思いをつづった。また、同作のほか、高倉さんの遺作となった『あなたへ』(2012年)でもメガホンを取った降旗康男監督は「残念の一語に尽きる」。高倉さん主演の『新幹線大爆破』(1975年)などを手掛けた佐藤純彌監督も「映画がまだ元気だった頃、時代を背負ったスターと共に仕事が出来たことは幸せでした」と思いを馳せ、「時の移り変わりは当然のことですが、高倉健さんは決して死なないような気がして、訃報を聞いた時は、ひとつの時代が終わったことを実感しました」とコメントした。
2014年11月18日今月2日に亡くなった俳優、大滝秀治の訃報を受け、公開中の映画『あなたへ』で大滝と共演した高倉健がコメントを発表した。その他の写真高倉は、訃報を受け「大滝さんが今年に入り体調を崩され、入院なさっている間、お手紙の遣り取りを続けておりました。大滝さんの最後のお仕事の相手を務めさせて戴き、感謝しております。今までご一緒させて頂いたいろいろな場面が思い浮かびます。本当に素晴らしい先輩でした。静かなお別れができました。心よりご冥福をお祈り申し上げます」とコメントした。大滝は、1925年生まれの俳優で、1948年に東京民衆芸術劇場附属俳優養成所に入所。1950年に民藝創設に参加。以降、舞台を中心に活動を続ける一方で、『不毛地帯』や『あにいもうと』などの映画や、CMでも活動を続けてきた。今年6月の民藝公演『「うしろ姿のしぐれてゆくか』を体調不良のために降板し、療養していたが、今月2日に都内の自宅で亡くなった。『あなたへ』は、亡き妻の遺した絵手紙をきっかけにその真意を知るため、妻の故郷・九州へと旅に出る夫(高倉)の姿を描いたロードムービーで、高倉、大滝のほか、ビートたけし、佐藤浩市、草なぎ剛、綾瀬はるか、田中裕子、浅野忠信らが出演している。『あなたへ』公開中
2012年10月05日高倉健が6年ぶりに主演した映画『あなたへ』が公開中だ。高倉健主演、 降旗康男監督といえば『鉄道員』が有名だけど、今年はオリンピックイヤーだから、元オリンピック選手の生きざまを描く『駅 STATION』(1981年・東宝)をおすすめしたい。主人公のプロフィールと生き方を淡々と描き、ラストに起きる出来事で強いメッセージを残す。そんな構成も『あなたへ』によく似ている。主人公の三上(高倉健)は北海道警の刑事であり、射撃のオリンピック選手でもある。彼は正義感が強く、妻(いしだあゆみ)のたった一度の過ちを許せずに離婚した。また、オリンピックよりも、犯人逮捕の現場を優先しようとする。その矢先に警官射殺事件が起きる。上司はオリンピックを優先しろと言うが、三上は仇(かたき)を討たせてほしいと懇願する……。時は流れ、三上はオリンピック射撃チームのコーチとなっていた。しかし選手たちと疎遠になりながら凶悪犯も追い続ける。そんなとき、連続殺人容疑者の妹、吉松すず子(烏丸せつこ)の存在をつかみ、留萠本線増毛駅近くの食堂を張り込む。三上は自分の妹(古手川祐子)の幸せを願っていた。その妹とすず子を重ねつつ、凶悪犯の兄が妹を思う気持ちに賭けた。銀行籠城事件を解決し、刑事としてさらに評価を高める三上。彼の心にはいつも、「競技で撃つことと、人を撃つことは違う」というコーチの言葉がある。しかし職務では冷徹。遠慮なく凶悪犯に銃を向ける。そんな三上の前に、第3の女、桐子(倍賞千恵子)が現れる。増毛の町で逢瀬を重ねる2人。ひとときの安らぎ。刑事を続けるか、老いた母が待つ故郷に戻るか。三上の心は揺れていく……。脚本は、『北の国から』をはじめ、北海道を舞台とした数々の名作を手がける倉本聰。三上のコーチであり、人生の師匠でもある相馬刑事に大滝秀治。三上の故郷の漁師に田中邦衛。サブキャストも根津甚八、永島敏行、小林稔侍、橋本功など豪華だ。武田鉄矢、塩沢ときのコミカルな場面も、2時間超の大作で良いアクセントになっている。音楽を担当した宇崎竜童も暴走族のリーダー役で出演する。北海道の風景を情緒的に盛り上げる音楽の作者と、その配役の意外性も興味深い。オープニングは銭函駅の俯瞰(ふかん)撮影で、DD51が引く黒い貨物列車が通り過ぎる。次の場面、三上の妻子はED76が引くオハ35系客車で旅立つ。こんな場面から始まれば、物語も、鉄道の場面も期待してしまう。その期待通りの美しい映像で、鉄道も描かれる。物語の主軸となる路線は留萠本線だ。旅客列車は新品でぴかぴかのキハ40形と、郵便荷物車のキユニ21形の2両編成。どの時間も車内は混んでいる。増毛~留萠間の気動車列車は短いが、貨物列車は長かった。留萠駅からは羽幌線(1987年廃止)が分岐し、羽幌炭鉱からの貨物列車が留萠駅に集積した。炭鉱といえば、劇中では函館本線上砂川支線(1994年廃止)も登場する。石炭輸送でにぎやかな上砂川駅の映像は、資料としての価値も高い。羽幌炭鉱が稼働していた頃の留萌はにぎわっていたようだ。映画館があり、車の往来も多い。炭鉱で景気が良いのか、2ドアクーペタイプも目立つ。本作撮影当時の留萌市の人口は約3万5,000人。現在は約2万4,000人という。増毛町も映画撮影当時は約8,000人の人口があり、繁華街もにぎわっている。同作品では、元旦未明の増毛神社の様子が描かれていて、留萠本線に初詣列車が走っている。現在の増毛町は約5,000人とのこと。その意味でも、この作品は国鉄時代のローカル線の活気も見せる映画といえそうだ。鉄道に対する人々の期待、ありがたみが、車内の混雑した情景に表れている。留萠駅の構内放送「るもいるもい、るもーい」も軽やかだ。増毛駅には駅員が常駐しており、台車にはチッキ便の荷物が山積みになっていた。筆者は最近、留萌本線を訪れた。留萌駅の構内放送は自動で控えめ。増毛駅は無人駅であった。タクシーの運転手に聞くと、炭鉱の閉鎖とニシンの不漁で人口が減り、かつてのにぎわいはないという。『駅 STATION』の撮影が行われた当時の北海道の国鉄は、客車列車が淘汰され、気動車や電車に置き換わっていく時期だった。劇中で約12年を描くため、序盤に旧型客車、中盤以降に気動車が登場する。札幌近郊の事件現場付近には711系電車が登場。この電車の存在だけで、そこが札幌だと示している。このように、鉄道を使って時系列や場所を示す手法は、高倉健主演、降旗康男監督の最新作『あなたへ』でも効果的に使われている。さて、本作のタイトルとなった『駅』はどこだろう? 銭函駅は序盤だけだし、留萠駅は主人公たちにとって通り過ぎるだけの存在といえる。ではやはり、濃厚なエピソードが起きる増毛駅だろうか? いや、物語のテーマである「駅」の意味は、劇中で三上に届く、ある手紙の中にあると筆者は考える。その手紙の中の「駅」は、三上の人生の道標ではないか。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月09日8月25日(土)の公開以来、82万人を超える動員数を記録している、高倉健6年ぶりの主演作『あなたへ』が現在開催中の第36回モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に正式出品され、高倉さんが18年ぶりに海外での映画祭で現地に赴いた。1994年の『四十七人の刺客』でヴェネチア映画祭に参加して以来の海外の映画祭への参加となる高倉さん。モントリオール映画祭では、盟友・降旗康男監督とタッグを組んだ傑作『鉄道員』で日本人俳優としては初の最優秀賞男優賞を受賞したが、実際に映画祭に参加するのは今回が初めてとなった。31日(現地時間)に現地入りした高倉さんは、「良い街ですね。一番良い季節に来ることができたので、とてもきれいで気持ちが良いですね。モントリオールに部屋を借りようという話もしていました」とリラックスした様子で、街を散策するなど、初めてのモントリオールを満喫してしていた。翌々日の2日に行われた公式会見には海外メディアなど約100人もの人々が集まり、「こんなに大勢の方がいらっしゃるとは思いませんでした。大変嬉しいです」と驚きを隠せない様子の高倉さん。前作『単騎、千里を走る』からなぜ6年も俳優業を休んでいたのか?という質問があがると、「Very difficult question.(難しい質問です)。いまはまだ分かりません。6年前に中国映画に出てから、自分の仕事の仕方を考え直していました。まだ結論は出ていません」と明かすや、今回の映画祭への出席の理由を「13年前に『鉄道員』で最優秀男優賞をいただいたので、どこかで御礼がしたかったことと、降旗監督が来れなくなったのでしぶしぶ来ました」と冗談を飛ばし、会場を沸かせた。また、同日に行われた公式上映では、エンドロール開始直後から拍手が沸き起こり、スタンディングオベーションが続いた。この光景を目にして涙を浮かべた高倉さんは、手を上げて観客に応え、自らも観客に声をかける姿に、さらに観客から盛大な拍手が送られた。会場を後にした高倉さんは、「泣いちゃったね。ふっと出てしまったよ。映画祭は良いものだね。何十年も役者をやってきても、こんな経験をするんですね。心に衝撃を受けました。映画にはそういう力があります」と感激しきりといった様子だった。海外プレスや一般観客からは「日本的な内面の感情表現がとても美しい」、「高倉健が81歳だなんて信じられません。これからも何本も作品に出てほしい」など作品や高倉さんの演技に対して高い評価を集めていた本作。受賞にも期待がかかる。『あなたへ』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年09月04日高倉健の6年ぶりの主演作となる『あなたへ』。メガホンを執ったのは、監督としてはこれが20本目の高倉とのコンビとなる降旗康男。「若い映画スタッフに日本映画界にはこういう監督さんがいるということを伝えたい」と高倉も語る名匠が映画について、高倉について語ってくれた。その他の写真本作は、妻に先立たれた刑務官の男が、妻が遺した言葉の真意を探るべく彼女の故郷を目指して旅をする姿を温かく描き出す。「高倉健は僕のアイドル」と語る一方で、助監督時代からの半世紀に及ぶ彼との関係を監督は「腐れ縁」と表現する。「最近よく聞かれます。『あなたにとって高倉健とは?』ってね。“アイドル”という言葉が一番しっくりくる気がするんですよ。アイドル映画を作ってきたわけだね(笑)。初めて会ったのは僕が大学を出たばかりの21で健さんは23かな。それからずっとでしょ。“友情”とか“信頼”というのは壊れるかもしれないから、壊れない僕らの関係はやっぱり腐れ縁だね」。『夜叉』『あ・うん』のプロデューサーだった故・市古聖智が遺した原案を基に作り上げた本作。これまで数々の印象深いドラマ、主人公を高倉と作り上げてきたが、本作に対してこれまでとは違った思いを抱いたという。「これまでの健さんとの映画では、主人公はいろんなしがらみをあえて自分から背負うようなところがあったんです。それが今回は奥さんの手紙に導かれて、しがらみから解放されていく男の姿が浮かんできました。『あぁ、年を取るというのはそういうことなんじゃないか』という思いがありました」と温和な笑みを浮かべて20作目にしての変化を明かす。高倉の妻を演じたのは、降旗監督の『ホタル』でも高倉と夫婦を演じた田中裕子。高倉の田中に対する口調が、本作ではどこか甘えるような響きなのが印象的だ。「2人が一緒になる時点で、英二(高倉)は奥さんに引きずらてるんですね。奥さんが先を歩き、夫がついていくという夫婦像を健さんが考えて表現してくれたんでしょうね」と嬉しそうに語る監督の目にはまさしくアイドルに対する憧憬が宿っている。「この年になると撮りながら1本1本、これが最後かもしれないという思いがある」と言いつつも、まだ炎は消えていない。「健さんはまだまだ自分は頑張れると思ってらっしゃるはずです。あれだけ真っ直ぐに立っている、後ろ姿のキリっとした81歳はいないでしょう。アイドルは不滅ですから(笑)、ぜひ機会があればまたアイドル映画を撮りたいです」。穏やかだがはっきりとした口調でそう言い、穏やかな笑みをたたえた。『あなたへ』公開中取材・文・写真:黒豆直樹
2012年08月28日「ぴあ」調査による8月24日、25日公開の映画・満足度ランキングは、高倉健、6年ぶりの映画主演となる『あなたへ』がトップに輝いた。2位に山田孝之主演の『闇金ウシジマくん』が、3位に佐藤健が伝説の剣客を演じた『るろうに剣心』が入った。その他、上位作品の写真1位の『あなたへ』は、亡き妻の願いを叶えるべく旅に出た男の姿を描いたロードムービー。出口調査では「言葉は少ないが、訴えかけてくるような高倉健の素晴らしい演技は健在。心の繋がりなどが伝わってくる感動的な話だった」「過去を振り返り、将来を見据えて自らの目的を達成していく登場人物たちに感動した」「観終わった直後で涙が止まらない。この映画はぜひ夫婦で観てほしい」「夫婦となり、男女が寄り添っていくことを決めた以上、互いのことを考え、自分を大切にすることが重要だと感じた」など、特に60代以上の観客を中心に支持された。2位の『闇金ウシジマくん』は、真鍋昌平の同名コミックを映画化した作品。観客からは「社会の闇を描いた傑作」「原作を上手く再現している。法律に興味のある学生に観てほしい」「ストーリー面はとても原作に忠実。日常では経験しないような闇金に関することが描かれていて、役者も豪華で観る価値あり」「自分が今まで経験したことのないような世界の話で、興味深く勉強になった」「闇金に手を出してはいけないという教訓になるので若い人に観てほしい」など、原作ファンからも好評を集め、10代、20代の若者から好評だった。(本ランキングは、2012年8月24日(金)、25日(土)に公開された新作映画7本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年08月27日名優・高倉健が、6年ぶりの主演映画として降旗康男監督と20作目のタッグを組んだ『あなたへ』が8月25日(土)、公開初日を迎え、翌日の26日(日)に高倉さんは映画の撮影に使用された富山刑務所に表敬訪問。刑務官と受刑者に向けて挨拶を行い、異例の試みである刑務所内での本作の上映を実施した。高倉さん演じる倉島英二の勤め先という設定で撮影が行われた同刑務所。興行中の映画を刑務所で上映するのは極めて異例で、映画配給元の東宝としても同刑務所としても初の試みであったが、高倉さんは撮影協力の感謝の気持ちを伝えるために訪問を決意。講堂に集まった約350名の受刑者に対して「昨年、富山刑務所には大変お世話になりました。これから観ていただく映画『あなたへ』は、人を想うことの大切さ、そして想うということは切なさにつながる(ということを描いています。)1日も早く、あなたの大切な人のところへ帰ってあげてください」と挨拶した。さらに、「自分は日本で1番多くみなさんのようなユニフォーム(舎房衣)を着た俳優です」と場を和ませる一幕もある中で、「なぜだか涙が出ました。不思議な映画のスタートとなりました」と感慨深い様子を見せた。その後、富山県内の劇場にて共演の田中裕子と降旗監督も合流し、計4回1,000人の観客に向けて、感謝の舞台挨拶を行った。映画のロケ地でもあり、物語のスタート地点でもある同地は魚がおいしい地としても知られるが、「実は魚がダメなので、おいしい肉とイタリアンを見つけて行っていました」と告白する高倉さん。「富山に来たことがなかったのですが、お世辞ではなく良い街でいた。またこの地で撮影できることを祈っています」と語った。一方、「富山のおいしいお魚とお酒を食べて撮影した成果がこの映画です」とご当地の味を満喫した様子の降旗監督。「山と海と街がひとつの画面に入る、とても“映画的な”街でした」と思い思いに感謝の言葉を口にすると、客席から温かい拍手が沸き起こった。土曜日の観客動員は50代以上の観客を中心に10万人を突破し、今後250万人以上の動員を見込める好スタート。『あなたへ』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年08月27日日本映画界を代表する名優、高倉健の主演作『あなたへ』が25日(土)から公開される。2006年公開の『単騎、千里を走る。』以来、6年ぶり、205本目の出演作について高倉が語った貴重なコメントがこのほど到着した。その他の写真本作は、15年連れ添った妻の遺骨を散骨するため、妻の故郷の長崎へと自家製のキャンピングカーで旅をする男の姿と、そこで男が知った“妻の本当の想い“を描き出すロードムービーだ。中国のチャン・イーモウ監督とタッグを組んだ前作から6年。もちろん、この期間には多くの企画や出演依頼が高倉のもとに寄せられたが、高倉は「やっぱりあの中国の、チャン・イーモウ率いる百何十人のスタッフから受けた影響というのは、間違いなく僕のなかでとても大きかった。映画を撮ってお金をもらう生活が、とてもむなしく感じたんですね。だから、映画だけじゃない。CMも何もかも、一切を断ったんです。もう何年か経ったらわかるんじゃないかな、その理由が。でも、今は答えられない」と振り返る。転機が来たのは、『夜叉』や『あ・うん』を手がけた故・市古聖智氏が遺した原案を、繰り返しタッグを組んできた降旗康男監督のメガホンで映画化するという企画が舞い込んだことだ。「今回強かったのは、僕と監督は、今後そんなにたくさんの映画を撮れないだろうなって感じたことと、「日本映画界にはこういう監督さんがいらっしゃるよ」ってことを新しいスタッフに知ってもらわなきゃいけない、そういう役目が俺にはあるんじゃないかなと思ったんです」。本作で高倉は、田中裕子、大滝秀治、ビートたけしら過去に共演歴のある俳優たちだけでなく、浅野忠信や綾瀬はるから若い俳優たちとも共演した。「やっぱり、仕事をするってことは新しい人と出会うってことだから。“出会う”ってことはいいよね」。デビューから半世紀以上、映画界の最前線で演じ続ける高倉にとって、演技とは“想いを伝える”こと。それは妻への想いを抱えて日本を横断する本作の主人公とも重なる。「俳優が作られた話を演じて、他の人と比べて高いお金をもらっているのは、やっぱり想いを伝えるってことだからだよね。だからそのとき、なにか夢中になってやれるもの、それは自分がもらった役なんだけど、そうだよなって共感して演じられる、そういう気分のときじゃなくては、いいものにはならないんだよね」。亡き妻の想いと、自身の妻への想いを抱えて、長い旅を続けた主人公・倉島は、旅路の果てに何を見つけたのか? 映画『あなたへ』は、6年ぶりに高倉が観客に伝えたい“想い”がつまった作品に仕上がっている。『あなたへ』8月25日(土)公開
2012年08月23日映画『あなたへ』の完成披露試写会が21日に東京国際フォーラムで開催され、6年ぶりの映画主演となる高倉健をはじめ、田中裕子、草なぎ剛、綾瀬はるか、長塚京三、ビートたけし、降旗康男監督が上映前に舞台あいさつを行なった。その他の写真本作は、亡くなった妻から届いた手紙に書かれた言葉の真意を確かめるべく、妻の故郷である長崎県・平戸へと旅立つ刑務官の男が、旅先での出会いを通じ、妻の思いを感じ取っていく様を静かに描いた物語。高倉らが客席脇の入り口から登場すると3千人の観客は総立ちで拍手。高倉は大歓声に感激した面持ちで壇上へ。マイクを握ると「お暑い中をこんなに大勢…感動しています」と短い言葉の中に喜びと感謝の思いを込めた。高倉にとっては6年ぶりの主演作。“最後の銀幕スター”のスクリーンへの帰還を待ちわびたファンへの披露を前に「緊張してます。一生懸命やりました。やっと最近、降旗監督がどういうメッセージを込めたのか分かった。情けない俳優です」と照れくさそうに言葉をつないだ。そんな高倉と『ホタル』に続いて夫婦を演じた田中は「緊張の連続でした。夫婦の何でもない感じを出すのが難しくて…でも、貴重な時間を過ごさせてもらいました」と穏やかな笑顔を浮かべた。一方、『夜叉』以来の共演を果たしたたけしは、高倉がオフの日に極寒の撮影現場を訪れてもストーブにあたらなかったというエピソードや、自身がラジオで暴露した高倉は撮影現場でイスに座らないといった“伝説”に触れ「おれがラジオで言っちゃったから、健さんに『あんたのおかげで座れなくなった』と怒られた(笑)」と告白。改めて高倉は「訂正します。全部タケちゃんの作り話です。迷惑してます」と抗議し会場は笑いに包まれた。草なぎは憧れの高倉と同じ舞台に並んで立つということで「人間、緊張しすぎると緊張しなくなるんですね」と妙なテンション。「健さんの隣にいるだけで役者にならせてもらいました。お芝居は全然してません(苦笑)」と撮影をふり返った。綾瀬も「気さくにいろんな話をしていただき、すごくおいしいコーヒーもごちそうになりました」と子供のように目を輝かせていた。降旗監督は「健さんは僕のアイドル」と独特の言葉で半世紀に及ぶふたりの関係性を表現。「ぜひまたもう1回、“アイドル映画”を撮る機会があれば」とさらなるコンビ作に意欲を燃やし、客席は期待を込めた温かい拍手に包まれた。『あなたへ』8月25日(土)全国ロードショー
2012年08月22日高倉健の6年ぶりの主演作『あなたへ』の完成披露試写会が8月21日(火)に都内で開催され、高倉さんを始め、田中裕子、草なぎ剛(SMAP)、綾瀬はるか、長塚京三、ビートたけし、降旗康男監督が舞台挨拶に登壇した。『単騎、千里を走る。』以来、久々にスクリーンに帰ってきた高倉さんを観客はスタンディングオベーションでお出迎え。高倉さんは穏やかな笑みを浮かべ、大歓声に応えながらレッドカーペットを歩いた。壇上に上がりマイクを握った高倉さんは「お暑い中をこんなに大勢…感動してます」と挨拶。そしてこれから初めて映画を観る観客を前に「とても緊張してます。一生懸命やりました。降旗監督がどういうメッセージを込めたのか?主演でありながら最近やっと分かってきました。情けない俳優です」とユーモアたっぷり告白。高倉さんの一挙手一投足に会場が反応し、笑いと拍手に会場が揺れ動いた。田中さんは高倉さんとの共演は3度目だが「緊張の連続でした」と述懐。「夫婦の何でもない感じを出すのが難しかったです。でも貴重な時間を過ごさせてもらったと思います」と静かに微笑んだ。たけしさんは本作と同じ降旗監督の『夜叉』以来、26年ぶりの高倉さんとの共演となったが、以前の共演の際に高倉さんがオフでも現場に現れ、寒い中をストーブに当たらずに見学していたというエピソードを披露。「健さんが『みなさん働いていらっしゃるのに、僕は当たれません』と言うから誰も当たれない(笑)。『お願いですから帰ってくれませんか?』と言ったことがある」と明かす。さらに「おれがラジオで『健さんは現場で座らない』って言ったので、『あんたのおかげで座れなくなった』と怒ってました。それくらい現場に気を遣うし温かい人です」と毒舌交じりに高倉さんとの思い出を語る。これに高倉さんが「訂正します。全部、たけちゃんの作り話で迷惑してます」と割り込み、会場は笑いに包まれた。長塚さんは意外にも今回が初共演だが、妻役の原田美枝子さんとの撮影最終日の思い出に触れ「高倉さんはオフで『ゆっくりされてるでしょう』という話をしてたら、西日をバックに懐かしいシルエットが現れて。オフの日にわざわざ僕と原田さんの最終日のために花束を届けてくださいました。そういう方です」と嬉しそうに語った。若い2人も高倉さんとの共演は忘れられない思い出になったよう。これまで幾度となく大観衆の前で歌や踊りを披露してきたはずの草なぎさんだが「人間、緊張しすぎると緊張しなくなるものなんですね」とぎこちない笑みを浮かべる。撮影についても「健さんの隣にいるだけで役者にならせていただいた感じで、お芝居は全然してないです」と苦笑していた。綾瀬さんも「気さくにいろんな話をしてくださり、おいしいコーヒーをごちそうになりました」と感激した面持ちで語った。東映の助監督時代以来の高倉さんとの付き合いで、これが20作目のコンビ作となる降旗監督は作品について「一昨日、78歳になりましたが、遅ればせながら年を取るとはどういうことか考えながら作りました」と語る。そして「健さんは僕のアイドルで、僕はアイドル映画を撮ってきた。またぜひもう1回、アイドル映画を撮る機会があればいいなと思います」と次回作への意欲を口にすると、客席からは期待を込めた大きな拍手が沸き起こった。『あなたへ』は8月25日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年08月21日俳優・高倉健の6年ぶりの主演作で、名匠・降旗康男監督(『鉄道員(ぽっぽや)』)と10年ぶりにタッグを組んだ『あなたへ』が遂に完成。公開に先駆けて8月16日(木)、メインロケ地である長崎県・平戸市で市民を招いての舞台挨拶が行われ、高倉さんを始め綾瀬はるか、三浦貴大、降旗監督が登壇し、思い思いの感謝の言葉を述べた。亡き愛妻が遺した絵手紙の真意を知るために、北陸から九州まで車で旅をする主人公・倉島英二(高倉さん)の総距離1,200キロにおよぶ、大切な人との思い出を辿る旅を描いた感動作。富山刑務所の指導技官である主人公・英二の辿る旅路に沿って、富山県を皮切りに岐阜県、兵庫県、福岡県、長崎県で撮影が行われたが、旅の目的地である長崎県平戸市・薄香港で行われた8日間のロケ撮影では地元の漁師さんが船を貸し出すなど、町をあげてのアットホームな雰囲気の中で撮影が進んだという。「ぜひ、平戸のみなさんに『あなたへ』を観ていただきたい。撮影のときの御礼がしたい」という高倉さんの想いから、映画館のない平戸市の市民300人を招いてこのほど舞台挨拶が実現した。高倉さんが舞台挨拶に登壇するのは、2005年の東京国際映画祭での『単騎、千里を走る。』のプレミア以来7年ぶり。「久しぶりにこんなに高いところに立つので、緊張しています」と少々戸惑いの表情を浮かべながら挨拶した。同地での撮影中はよく街を散歩していたという高倉さん。「映画の後半を後ろの方でこっそり拝見させていただきました。とても懐かしく感じました。仲良くなった坊やがいたので小学校にもお邪魔させていただきました。ちょっと騒がしくなりましたけど(笑)」と笑顔で撮影時をふり返った。一方、英二が立ち寄る食堂の娘を演じた綾瀬さんは「今朝も海がきれいで清々しい気持ちです。平戸はお魚もおいしいし、お肉もおいしいし感動しました」と相変わらずのマイペースを発揮。さらに、撮影中のエピソードを聞かれると、「撮影初日に旅館に帰ると、フルーツと『お疲れ様です』と書いてあるお手紙がお部屋にあって。料理長さんからだと思っていたら、翌日高倉さんからのプレゼントだと知ってビックリしました」と明かし、会場を沸かせた。九州男児の漁師を演じた三浦さんは「昔、ライフセービングをしていたので海の男を演じることができて良かった」と語り、改めて「撮影地である平戸に挨拶に来ることができて幸せです」と感謝の言葉を口にした。さらに、降旗監督が「みなさんも僕らと一緒になった映画だと思って今後も応援していただけると嬉しいです。また機会があったら撮影をしに来たいなと思っています」と希望を語ると、高倉さんから「こう言った降旗監督は必ず来ますよ!」と平戸市への再訪を約束。8月23日(現地時間)より開幕するモントリオール世界映画祭への正式出品に先駆けて、堂々の凱旋となった。『あなたへ』は8月25日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年08月17日日本を代表する名優・高倉健の通算205本目の出演作であり、盟友・降旗康男監督との20本目の共作映画『あなたへ』。このほど、本作が今年の8月に開催される第36回モントリオール世界映画祭の「ワールドコンペティション」部門に正式出品されることが決定した。亡き愛妻が遺した絵手紙を受け取り、真意を知るために北陸から九州まで車で旅をする主人公・倉島英二(高倉さん)の総距離1,200キロにおよぶ、大切な人との思い出を辿る旅を描く本作。英二が旅路の最中に出会う人々として、ビートたけしや佐藤浩市、草なぎ剛(SMAP)、綾瀬はるか、浅野忠信など個性豊かなキャスト陣が登場することでも話題を呼んでいる。高倉さんはモントリオール映画祭で、1999年に降旗監督とのタッグ作『鉄道員(ぽっぽや)』で日本人俳優として初の主演男優賞を獲得しており、13年ぶり二度目の受賞に期待がかかる。高倉さん本人からは「感謝の念を感じながらも、主演させていただいた作品が選ばれたことに気が引き締まる思いです。日本映画の良さを世界に伝えられる一助になればと思っています」とさすがベテランらしい真摯なコメントが寄せられた。また、降旗監督も同様に「『鉄道員』から13年の時を経て、再びモントリオール映画祭に参加できることを大変嬉しく思っております」と言葉少なだが喜びを表している。さらに、本作のプロデューサー・佐藤善宏氏からは「高倉さんは『鉄道員』のときに現地入りできなかったのに主演男優賞をいただいた、『感謝の気持ちを伝える機会をいただいたのかな』とおっしゃっていました。その想いに応えるべく、高倉さんのモントリオール入りを前向きに調整中です」という情報も。今年のモントリオール映画祭では、本作のほかにも日本映画の出品の決定が続々と報じられているが、その中で本作はどのような反応で迎えられるのか?願わくば高倉さんの現地入り&受賞の知らせを。『あなたへ』は8月25日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年07月31日高倉健の主演する映画『あなたへ』が、現地時間8月23日(木)よりカナダで開催される第36回モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に正式出品されることが決定した。その他の写真『あなたへ』は、亡き妻の遺した絵手紙をきっかけにその真意を知るため、妻の故郷・九州へと旅に出る夫(高倉)の姿を描いたロードムービーで、高倉のほか、ビートたけし、佐藤浩市、草なぎ剛、綾瀬はるか、田中裕子、浅野忠信らが出演。日本映画界を代表する降旗康男監督と高倉の記念すべき20本目の共作となる。高倉は過去に、降旗監督と組んだ『鉄道員〈ぽっぽや〉』で、モントリオール世界映画祭の主演男優賞を獲得しており、同賞では日本人唯一の受賞となっている。正式出品の決定を受けて高倉は「日本映画が、モントリオール世界映画祭に呼ばれることは感謝の念を感じながらも、主演させて頂いた作品が選ばれたことに気が引き締まる思いです。この作品にかけたスタッフ、キャストの情熱がモントリオールに届いたのだと思います。日本映画の良さを世界に伝えられる一助になればと思っています」と喜びを語っている。降旗監督は「『鉄道員〈ぽっぽや〉』から13年の時を経て、再びモントリオール映画祭に参加できることを大変嬉しく思っております」とコメントを寄せており、映画祭に出席することが発表されている。映画『あなたへ』は8月25日(土)から全国公開される。『あなたへ』8月25日(土)全国ロードショー
2012年07月31日高倉健が、盟友・降旗康男監督と10年ぶりのタッグを組み、6年ぶりに主演を務める映画『あなたへ』。先日発表となった、ビートたけしや佐藤浩市、綾瀬はるから豪華共演陣も話題を集める本作だが、これに続いて「ナインティンナイン」の岡村隆史が本作への出演を果たしたことが明らかとなった。北陸の刑務所の指導技官・倉島英二(高倉さん)が、亡き愛妻・洋子(田中裕子)の生前の真意を知るため、九州まで車で旅をする心温まるロードムービー。出発点である富山県を始め、旅情あふれるロケ地での撮影を敢行し、英二と道中に出会う人々との心の交流が描かれる。岡村さんが演じるのは、英二と洋子が大阪で訪れたお好み焼き屋で出会う、阪神タイガースファンの男!阪神タイガース優勝の瞬間をテレビで観戦し、興奮のあまり英二と洋子に乾杯を求めるというシーンに挑んだ。事前にタイガースファンの知人に「六甲おろし」の歌い方も習って撮影に臨んだという岡村さん。「迷惑をかけてはいけない!NGなんて絶対出してはいけない!噛んだらいけない!」と、緊張で前日は眠れなかったそう。倉島夫妻と乾杯を行うアドリブの演技、そして「六甲おろし」の大合唱という撮影を無事に終えた岡村さんは「楽しかったです。夢のような時間でした」と興奮を隠せない様子だ。実は今回の岡村さんへの出演オファーは、2000年の第23回アカデミー賞授賞式で最優秀主演男優賞(『鉄道員』)を受賞した高倉さんが、同賞話題賞(『無問題』)を受賞した岡村さんと同席した際に「いつか一緒にお仕事しましょうね」と声をかけたことがきっかけとなったとか。キャスティングの際に高倉さんが岡村さんの名前を挙げ、初共演が実現した。岡村さんは「そんな日が来るわけもないなぁと思っていたのに、今回声をかけていただいて本当に嬉しいです。高倉健さんみたいになりたいです、僕。高倉さんみたいなかっこいい大人になりたいです」とあふれる喜びを語る。12年前に交わした“男の約束”を忘れず、実現した貴重な共演シーンに期待が寄せられる。『あなたへ』は8月25日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会■関連記事:高倉健6年ぶり新作の競演陣発表!ビートたけし、初共演には綾瀬はるか&草なぎ剛も80歳高倉健、6年ぶりの映画は妻を亡くした男のロードムービー!
2012年04月24日8月25日(土)より公開する高倉健主演映画『あなたへ』が完成し、岡村隆史が出演することが発表された。その他の写真本作は、北陸の刑務所の指導技官・倉島英二(高倉)が、長年連れ添った亡き妻・洋子(田中裕子)の遺骨を散骨するために富山から九州へ車で旅をし、その過程で妻の想いに気づかされていく姿を描いたロードムービー。岡村が出演するきっかけとなったのは、『鉄道員』で第23回アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した高倉が、『無問題』で話題賞に輝いた岡村に「いつか一緒にお仕事しましょう」と声をかけたことから。今回岡村が演じるのは阪神タイガースファンの男の役だが、大阪のお好み焼き屋で球団が優勝する瞬間をテレビで観戦している時に、店に訪れた英二と洋子に興奮のあまりに乾杯を求め、『六甲おろし』を大合唱するという。事前にタイガースファンの知人に『六甲おろし』の歌い方を習って準備したという岡村。昨年、9月25日に、東宝スタジオに作られた下町の飲み屋のセットで行われた撮影を振り返り、「前日はあまり眠れませんでした。撮影中はずっと高倉さんの存在を感じていたんですが、緊張しすぎて顔が見られませんでした。僕からしたら神様です」と明かすも、「楽しかった。夢のような時間でした」と出演の喜びを語っている。高倉の声がきっかけで実現した、ふたりの貴重な共演シーンに注目だ。『あなたへ』8月25日(土)全国ロードショー
2012年04月23日『単騎、千里を走る。』から6年ぶりとなる高倉健の主演作『あなたへ』の撮影が11月20日(日)に福岡県・門司港にてクランクアップを迎え、高倉、佐藤浩市、草なぎ剛が揃って会見を行なった。その他の写真映画『あなたへ』は、亡き妻の遺した絵手紙をきっかけにその真意を知るため、妻の故郷・九州へと車で旅に出る倉島英二(高倉)が、行く先々で出会う人たちとの交流を描いたロードムービー。監督は、高倉と『駅・STATION』『夜叉』『あ、うん』『鉄道員〈ぽっぽや〉』などを作り上げてきた盟友・降旗康男。傘寿(80歳)となる高倉にとって通算205本目、降旗監督とは20本目の共作となる。撮影終了日は、物産展でイカ飯販売員役の佐藤、草なぎがお店に立つ設定の中、20店舗のご当地グルメの屋台が並び、300名を超えるエキストラが集結。物語のエンディングに相応しい大規模なロケとなった。草なぎは「高倉さんの旅に僕も便乗させてもらったような気持ちで、本当にスペシャルで貴重な体験と時間を過ごすことができた」とコメント。高倉とは『南極物語』(1983年公開)以来の共演となる佐藤は「“がんばれよ。これからだぞ”」と高倉から声をかけられたことを話し、「30年やってきて、芝居に対する気持ちが平板になりかけていたときに、その言葉が新鮮で、ありがたかった」と語った。高倉は「感慨無量です」と繰り返し、「降旗監督も珍しく興奮していたので、それを見てぐっときました。良い旅でした」と、富山から始まり、岐阜、兵庫、福岡、長崎と、総移動距離約9,000kmに及んだロケ撮影を振り返った。『あなたへ』2012年秋 東宝系にて全国ロードショー(C)2012「あなたへ」製作委員会
2011年11月28日高倉健の6年ぶりとなる主演映画『あなたへ』の撮影が今月3日と4日に岐阜県の高山で行われ、高倉とビートたけしが27年ぶりに共演を果たした。本作は、15年連れ添った妻の遺骨を散骨するため、富山から九州へと自家製のキャンピングカーで旅をする男の姿と、そこで男が知った“妻の本当の想い”を描き出すロードムービー。『あ・うん』『鉄道員』など数々の傑作で高倉とタッグを組んできた降旗康男が監督を務める。映画では高倉演じる倉島と、旅中で出会うさまざまな人との交流が描かれており、ビートたけしは倉島が最初に出会う人物・杉野輝夫を演じている。ふたりの共演は1985年の映画『夜叉』以来で、ビートたけしは「健さんとは27年ぶりという感じはせず、楽しく話していますが目の前に立たれるとセリフが止まっちゃいますね。おれはセリフが多くて一生懸命言っているのに健さんは「ああ」とか「そうか」とか短いセリフでずるい!(笑)」と話しており、高倉は「たけちゃんが来るのが待ち遠しくて、高山駅まで迎えに行った。彼の出番は少ないが、ぱくっと食っていくおいしい役でたけちゃんにしかできない」と互いについてコメントしている。高山での撮影後は都内や各地でのロケを予定しており、ビートたけしのほか出演者の佐藤浩市、草なぎ剛、綾瀬はるか、田中裕子、浅野忠信などの豪華キャスト陣が撮影に入る予定だ。『あなたへ』2012年秋 全国東宝系にてロードショー
2011年10月05日高倉健が6年ぶりに主演を務める新作映画『あなたへ』で、このほど高倉さんと共演する豪華キャスト陣が決定した。北陸の刑務所の指導技官が、亡き愛妻の生前の真意を知るため、九州まで車で旅をする、心温まるロードムービー。出発点である富山県を始め、旅情あふれるロケ地での撮影を敢行し、高倉さん扮する主人公・英二と道中に出会う人々との心の交流が描かれる。今回発表されたキャストには、高倉さんの出演作ではおなじみの面々からフレッシュな若手まで豪華俳優陣が結集した。英二の妻・洋子役で高倉さんと夫婦を演じるのは、『ホタル』(’01)でも夫婦役で高倉さんと共演した田中裕子。高倉さんと田中さんはこれが3度目の共演となるが、田中さんは「1985年の『夜叉』、2001年の『ホタル』、そして今年『あなたへ』で、降旗(康男)監督のもと高倉さんと共演させていただけることを心から嬉しく思います」と喜びのコメントを寄せている。また、英二が道中に出会う面々も個性豊か。イカ飯の販売員・南原役には、『南極物語』(’83)以来の高倉さんとの共演となる佐藤浩市、南原の同僚で先輩社員の田宮役に草なぎ剛。九州で食堂を営む濱崎多恵子・奈緒子の母娘役に余貴美子と綾瀬はるか、奈緒子の婚約者で漁師の卓也役に三浦貴大、卓也の祖父である漁師・吾郎役には高倉さんと多くの作品で共演してきた名脇役、大滝秀治が扮している。さらに、英二が務める富山刑務所の総務部長の塚本和夫とその妻・久美子には長塚京三、原田美枝子。道中に出会う警官役には浅野忠信が扮しており、それぞれから日本映画界きっての大御所俳優との共演に向けての喜びと感激の言葉が寄せられている。佐藤さんは「約30年ぶりに高倉さんとご一緒できることの喜びと緊張に、交感神経と副交感神経のバランスが取れなくなりそうです。『何だ、小僧のときと何にも変わってないじゃないか』と思われぬよう現場を努めさせていただきます!」との意気込み。高倉さんと初共演を果たす面々からも、気合の入ったコメントが。「ご覧になって下さったみなさんに気持ちが伝わる映画にしたいです。高倉健さんを始め、素晴らしい役者さんたちとお芝居をご一緒できることがいまからとても幸せで、ワクワクドキドキしています。一生懸命、頑張ります!!」(草なぎさん)、「仕事をする前からこんなにワクワクすることは滅多にありません。高倉健さんとお仕事をするということは、俳優にとって刺激的なことです。心を込めて撮影に臨もうと思います」(余さん)、「脚本を読み、主人公が旅をする中で様々な人と出会い、寂しい心に少しほっこりと温もりを感じるような物語でした。先輩方にご迷惑をかけぬよう、主人公、そして観客のみなさまにほっこりするような気持ちを伝えられるように一生懸命与えていただいた役を演じたいです」(綾瀬さん)。そして、1985年の『夜叉』以来となる高倉さんとの共演でどのような絡みを見せてくれるのかが楽しみなのがビートたけし。自称・元中学教師の杉野輝夫という役どころも興味深いところ。「『夜叉』以来、四半世紀ぶりに高倉健さんと一緒にお仕事できるということで、とても楽しみにしております」と語っている。一同との共演について、高倉さんからは「個性あふれる素敵な俳優のみなさんと共演できることをとても幸せに思います。お一人お一人との出会いを大切にしながら、お芝居を通い合わせることを楽しみにしています」との温かな言葉。御年80歳の名優と個性あふれる俳優陣が織りなす化学変化に期待が寄せられる。『あなたへ』は2012年秋、全国東宝系にて公開予定。■関連作品:あなたへ 2012年秋、全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会■関連記事:80歳高倉健、6年ぶりの映画は妻を亡くした男のロードムービー!
2011年09月27日今年80歳を迎えた高倉健の6年ぶりの新作映画で、夫婦の絆を描いた『あなたへ』が降旗康男監督とのコンビで製作されることが決定!撮影を前に意気込みを語った健さんのコメントも到着した。『駅 STATION』、『鉄道員』など数々の名作を世に送り出してきた降旗康男監督と健さんのゴールデンコンビによる19作目の作品となる本作。健さんにとっては2005年の『単騎、千里を走る』以来、通算205作目の映画出演となる。健さんが演じるのは、北陸の刑務所の指導技官の男・英二。50を過ぎて刑務所に慰問に来ていた歌手の洋子と結婚し、平穏で幸せな日々を送っていたが洋子は53歳の若さで亡くなってしまう。その後、英二は洋子からの絵はがきを受け取る。そこには「故郷の海に散骨してほしい」という彼女の望みが。なぜ生きているうちに言わなかったのか?15年連れ添った彼女の真意を知るべく、故郷の九州へと旅立つ英二。1,200キロの旅の中で人々に出会い心を通わせ、彼女の故郷の海で散骨した英二は妻の本当の想いに気づくことに…。本作の製作の始まりとなったのは、健さんと降旗監督のコンビによる『夜叉』、『あ・うん』のプロデューサーを務め、2008年に亡くなった市古聖智が遺した原案。降旗監督は脚本の青島武と共にこの原案を再構築し練り上げ、夫婦の愛を描く心温まるロードムービーを作り上げた。市川南プロデューサーによると健さんへのオファーは昨年の秋。年末に前向きな返答をもらい、今年の春から具体的な打ち合わせを進めてきたという。市川プロデューサーは「北陸から九州へ向けての旅で出会う、国語教師やイカ飯売りの凸凹コンビなどとのシーンでは、高倉さんのコミカルな演技も見られるかと思います。久しぶりの映画出演を決めた理由の一つには、降旗監督があるように思います。高倉さんは、降旗監督との仕事をいまの俳優さんたちに1本でも多く、経験させたいと思っていらっしゃるようです。共演者は現在最終調整中ですが、高倉さんと共演したことのない人も含まれています」と明かす。撮影開始を前に健さんは「この物語に出会い心が動きました。人が人を思い遣ること、生きることの切なさを思いました。降旗監督とご一緒できることも、6年ぶりの映画出演となる大きなきっかけです。スクリーンでみなさまにお会いできるのを楽しみにしております」と語る。2006年の天皇、皇后両陛下主催の文化勲章受章者・文化功労者を招いたお茶会に出席して以来、公の場に姿を見せていなかったが、満を持して再びスクリーンに!妻の洋子役をはじめとする共演陣が誰になるかも気になるところだ。先だった妻が夫に伝えたかった本当の想いとは――?『あなたへ』撮影は9月7日(水)に開始で、クランクアップは11月中旬。公開は2012年秋、全国東宝系にて。■関連作品:あなたへ 2012年秋、全国東宝系にて公開
2011年08月24日