ふわりとした柔らかな物腰ですべてを受け止めながら、そのまま流されはしないしなやかさ。笑顔を絶やさず、素直に正直に語る綾瀬はるかの口調からは、しっかりとした意志と芯の強さが伝わってくる。最新作は『リアル~完全なる首長竜の日~』。ヨーロッパを中心に国際的な支持を得ている黒沢清監督の下、自殺を図って以来、意識が戻らず眠り続けているヒロイン・淳美を演じている。1年前に自殺未遂を起こし、昏睡状態にある淳美には幼なじみの恋人・浩市(佐藤健)がいる。“センシング”という最新医療を受けることで、眠り続ける彼女と脳内で意思疎通を試みた浩市が自殺を図った理由を問いかけると、淳美は「首長竜の絵を探してきて」と言うばかり。淳美を救いたい一心で、浩市は現実と仮想が幾重にも折り重なる世界を淳美と共に彷徨い始める。撮影に入るとき、黒沢監督から「『3人の淳美がいます』と最初に説明を受けたんです」と綾瀬さんは言う。「意識下の淳美、現実の淳美、虚像の淳美。これをうまく演じ分けてくださいと言われました」。いわば1人3役。それも、別人ではなく同じ女性でありながら、置かれる状況に応じて微妙に変化する。これはかなり難易度が高そうだが、綾瀬さんは「同じ人物なんだけど、ちゃんと切り離して意識できたので、どの淳美も楽しんで演じられたと思います」と笑顔で語る。「メイクや衣裳でも分けているし。現場でまずやってみて、監督に『このぐらいですか』と確認をしながら、時には『もうちょっと悪魔みたいな感じで』と言われたり(笑)」。毎日ワクワクしながら撮影していたとふり返る。「監督の演出が楽しみでした。特に意識下という設定の場合、“何でもあり”の世界なので、抑えたトーンだけど自由な感じなんです。急に怒ったり、笑い出したり。それが面白くて、すごく楽しんで私はやっていました」。黒沢監督の演出は、動きに関する指示が細やかだ。「『ここでふり返って、歩き出して、ここでお茶を飲んで、そのセリフ言った後に全部一気に飲んでください』とか。監督の中でしっかり動きが決まっていて、それだけははっきりと。例えば、すごくジグザクな動き方を指示されたとして、実際やってみると、すごい感情が乗るんですよね。なるほど!みたいな(笑)。緻密な計算をされているのか、何か感覚で捉えられているのか。動きが付くことによって、それぞれの淳美の違いがさらにはっきりしてくるんです」。浩市役の佐藤さんとは、CMやドラマのゲスト出演などで共演したことはあるが、これだけじっくり共に演じたのは今回が初めて。「ストイックで、作品や役のことをすごく考えてる方だなって思いました。私自身は自分が最初に受けた感覚でやるタイプですけど、健くんは結構緻密に考えてるのかな、と現場で見ていて思いましたね。クランクインしてすぐは、どういう風に演じるのか、様子を見ていた感じでしたけど、撮影の途中から仲よくなりました。お互い素直に思うことも言い合っていたし」。淳美と浩市は、乾緑郎の原作小説「完全なる首長竜の日」では姉弟の設定だ。映画では一緒に暮らす恋人同士だが、“首長竜”という謎めいたモチーフも介在する幻想的なラブストーリーでは、手を繋いで夢想の世界を歩む2人には童話の主人公のような可愛らしさや健気さがある。「手を繋ぐのは、健くんが提案していましたね。監督はやっぱりすごい、とこのときも思いました。無駄なものは一切撮らないし、自分の中で動きや画をきちんと決めているんだけど、出演者のちょっとした意見や疑問にちゃんと応えてくれる。ロケ中に雲で向こうの建物が見えなくなれば、『セリフを変えて“何も見えない”って言いましょうか』とか、すごい柔軟なんです」。実は綾瀬さん自身は、撮影中に自分から提案することはあまりないという。「これが自分に足りないところでもあるんですけど」と分析しつつ、「発信型のお芝居をする方、アドリブでいろんなことをやられる方もいらっしゃいますが、私は完全に受け身のお芝居ですね」と語る。「監督が望む形にできるだけ近づけたいと思っているから、自分の意見とか思考が入るのが好きじゃないんです。できるだけ、いままでの自分にない引き出しを開けてもらうことに喜びを感じるタイプだから」。そんな思いで演じ続ける中、監督の言葉で印象深かったのは「やっぱり“技”ではなくて“感情”。何が伝わるって、それしかないと僕は思うんですよね」というものだった。「ああ、やっぱりそうなんだと思って。私自身、いままでそれを大事にしてやってきたつもりだけど、改めて黒沢監督の言葉を聞いて、基本的に淳美がどういう感情だったのかということだけを大事にして演じました」。3人の淳美がいる。仕事の不調に苦しみ、がんじがらめになっている淳美、自分が自分でないような感覚に囚われている淳美、そして命がけとも思える強い愛を浩市に注ぐ淳美。どの淳美に一番共感するかと尋ねると、「全部にありますね」と綾瀬さんは迷わず即答した。確かにその通りかも。淳美が置かれている状況は特殊かもしれないが、彼女の中から涌き上がってくるのは今を生きる女性なら誰しも味わう普遍的な感覚だ。「自分が誰だか分からないほどにはなったことはないけど、感覚的には分かります。スランプで苦しむのも、恋人に献身的になるのも、どれも同じくらい共感できます」。(photo:Yoshio Kumagai / text:Yuki Tominaga)■関連作品:リアル~完全なる首長竜の日~ 2013年6月1日より全国東宝系にて公開(C) 2013「リアル~完全なる首長竜の日~」製作委員会
2013年05月28日日清シスコは28日、「セサミロンガー」「バターロンガー」を全国でリニューアル発売する。「ロンガーシリーズ」は、1974年の発売以来、”素材がおいしい”スティックビスケット商品として好評を得ているという。今回のリニューアルでは、パッケージに「SINCE 1974」と入れ、レトロ感のある親しみのあるパッケージに変更、素材の良さをアイコンで表現した。そして同シリーズの特徴である「素材のおいしさ」を高めるべく、素材の含有量をアップ。「セサミロンガー」はごまの含有量を増量。「バターロンガー」はバターの含有率を6.1%から6.4%に増やした。内容量は共に100g。希望小売価格はノープリントプライス。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年01月17日ついに今夜(12月18日)最終話を迎える、連続TVドラマ「ゴーイング マイ ホーム」。映画監督の是枝裕和が、阿部寛を始めとする豪華キャスト陣を迎えて贈る本作が、2013年1月23日(現地時間)よりオランダで開催される第42回ロッテルダム国際映画祭に正式招待され、全話上映されることが明らかとなった冴えないサラリーマンの坪井良多が、疎遠だった父が倒れたのをきっかけに故郷の長野に帰る。そこで彼は父が伝説の小さな生き物“クーナ”を探していたことを知る。当初は“クーナ”の存在に疑問を持っていた良多であったが、地元の人々と触れ合ううちに彼の心にも変化が起き始める――。ロッテルダム国際映画祭は、毎年30万人を超える人々が訪れ、上映本数も700本に及ぶ、ヨーロッパではカンヌ、ベルリン、ロカルノなどと並ぶ国際映画祭だ。そんな由緒ある映画祭に日本の連続ドラマが全話上映されるのは異例中の異例!是枝監督は、監督デビュー作『幻の光』(’95)以来ほぼ全ての作品で正式招待されており、今回で通算10回目の参加となる常連監督だ。今回の朗報を聞いた是枝監督からは、「このようなチャンスを頂いたことを映画祭関係者のみなさまに感謝します。まだ最終回を迎えていない連続ドラマの全話上映を決定していただけるというのは、やはりなかなかないことだと思いますので、ぜひこれをきっかけに、このドラマが海外でも放送されるといいなと思います」と野望を込めた喜びのコメントを寄せている。今年、8月に行われた第69回ヴェネチア国際映画祭では黒沢清監督が自身が監督を務めたドラマ「贖罪」が特別招待部門で上映されたが、その際の上映形態はドラマ全5話分を再編集した4時間半にも及ぶフィルムとしての参加だった。果たして、是枝監督はどのようにドラマ「ゴーイング マイ ホーム」を現地入りさせるのか?ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」は関西テレビ・フジテレビ系にて12月18日(火)22:00~最終話放送。第42回ロッテルダム国際映画祭は2013年1月23日~2月3日(現地時間)の期間で開催。「ゴーイング マイ ホーム」公式サイト:
2012年12月18日日清食品は12月10日、日清ラ王シリーズから季節限定の「冬味ラ王鶏炊き白湯」を発売した。同商品の特長は、丸鶏をじっくりと炊き出して、濃厚な鶏のうまみと甘みが味わえる鶏白湯スープ。ゆずこしょうが付いているので、途中で入れれば味の変化も楽しめる。具材は鶏白湯スープと相性がよい蒸し鶏肉とメンマ、白ねぎ、赤唐辛子。内容量は120gで、価格は237円(税別)。全国で季節限定販売する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月14日日清食品は17日、「日清こがし屋 焦がし味噌仕立て」を全国で発売する。「日清こがし屋」は「香ばしいスープで食べるラーメン」をコンセプトにした同社の新ブランド。その第1弾である同商品は、焦がした味噌の香ばしさが食欲をそそる、同社比1.5倍となる麺重量90gの大盛りカップ麺。同社独自の技術を用いた太ストレート麺に、ガーリックとジンジャーを利かせた濃厚で香ばしいスープが絡む、食べ応えのある一杯となった。具材には、食感や味わいにアクセントを与えるタマネギ、キャベツのほか、チャーシューとニンジンを合わせた。焦がした味噌のザラツキ感がある香ばしいスープは、濃厚でありながらも最後の一滴まで飲み干したくなる商品に仕上がっているという。希望小売価格は190円(税別)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月05日日清食品は17日、「日清のどん兵衛 年明けうどん」を全国で発売する。「日清のどん兵衛」は1976年の発売から発売36周年を迎えた、和風カップ麺のトップブランドとして支持されているロングセラー商品。「年明けうどん」は「年明けうどん普及委員会」が提唱する、元日から1月15日までに食べるうどん。白いうどんに赤い具材を添え、紅白のめでたい彩りが特徴となっている。うどんは太くて長いことから、長寿を祈る縁起物であり、年の初めに食べることで、その年の人々の幸せを願うものとされている。同商品は2009年の発売以来、年の初めを華やかに彩るバリエーションとして好評を得ているという。白いうどんと大粒の「梅干し」で紅白を演出し、さらに「よろこんぶ (よろこぶ)」の「とろろ昆布」、長寿を願う「寿かまぼこ」を盛り付けた。また、フタ裏に「どん兵衛七福神おみくじ」を付け、お正月に楽しみながら食べられる商品となっているとのこと。希望小売価格は170円(税別)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月05日世界最大級の自主映画コンペティションを擁する「第34回PFFぴあフィルムフェスティバル」が東京に続き、12月に神戸で開催される。その他の写真本映画祭最大のプログラム「PFFアワード」は、“新しい才能の発見と育成”、“映画の新しい環境づくり”をテーマに、1977年より続く世界最大級の自主映画コンペで、今年も522作品の中から16作品が入選し、今年9月にグランプリなど各賞が決定した。神戸会場では、入選作品16本をはじめとする19作品を上映。会場には次世代を担う若手監督10人が登壇し、上映後に観客と質疑応答を実施する。また神戸会場では、PFF初の試みとして、1プログラム700円で観賞できる当日学生券を開始。PFFアワード8プログラムをすべて観賞できるパスや、会期中の全作品を観賞できるパスも販売する。これまで、森田芳光や、黒沢清、中島哲也、園子温、矢口史靖ら多彩な監督たちを発掘し紹介してきたPFFだけに神戸会場に登場する監督たちが将来、人気監督として活躍する可能性は高い。会期中は関西の映画ファンが多く足を運ぶことが予想される。第34回PFFぴあフィルムフェスティバル in 神戸12月22日(土)~24日(月・祝)神戸アートビレッジセンターで開催
2012年11月27日日清食品は12月10日、「冬味ラ王 鶏炊き白湯」を全国で新発売する。同商品は、「寒い冬の一杯」をコンセプトに開発した「日清ラ王」の冬季限定商品。小麦の香りと生麺のような食感が特徴の3層太ストレートノンフライ麺を使用し、丸鶏を炊き出した濃厚な鶏のうまみと甘みが味わえる鶏白湯スープとなっている。具材は蒸し鶏、白ネギ、メンマ、赤唐辛子。また、鍋料理の薬味などに使われる柚子胡椒が別添で付いており、途中で入れることで、味の変化が楽しめるという。内容量120g(麺75g)で、希望小売価格は237円(税別)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月27日セブン&アイ・ホールディングスと日清食品はこのほど、「セブンゴールド 日清名店仕込みシリーズ」として、カップラーメン「すみれ 札幌濃厚味噌」「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」「山頭火 旭川とんこつ塩」の3商品を共同開発。13日に全国のセブン-イレブン、イトーヨーカドーなどセブン&アイグループ約1万5,000店にて発売する。「日清名店仕込みシリーズ」は、”有名ラーメン店のおいしさを家庭にいながらにして味わえる”をコンセプトにした商品。発売以来、12年以上好評を得てきたという。今回この商品が、セブン&アイグループの高級プライベートブランド(PB)「セブンゴールド」から発売される。同ブランドからは初のカップラーメン登場とのこと。3商品ともに、”さらなる店味の追求”をテーマとして、麺、スープ、具材を一新。麺は小麦粉を増量して製法を見直し、具材もボリュームアップするなど、細部にまでこだわり、店の味に近づけたという。価格は、各268円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月09日日清食品は6日、JR渋谷駅(東京・渋谷)に「日清ラ王 袋麺」がその場で食べられる店舗「日清ラ王 袋麺屋」を期間限定でオープンする。期間は未定。場所は山手線内回りホーム上(中央)。営業時間は10時~22時(ラストオーダー21時30分)。店舗は外観を赤色の広告シートでラッピングし、「日清ラ王」の世界観を表現しているという。面積は約17.6平方メートルで席数10席。同店では、「日清ラ王 醤油」「日清ラ王 味噌」(各250円)の2種類を提供。麺とスープに適したトッピング5種類を選び抜いたとのことで、醤油味はチャーシュー、煮玉子、ほうれん草、メンマ、輪切りねぎ、味噌味はチャーシュー、煮玉子、コーン、もやし、白髪ねぎが盛り付けられている。オープン前の発表会でさっそく日清ラ王 醤油をいただいてきた。キャッチコピーの”まるで、生めん。”の通り、とても袋麺とは思えないもちもちと弾力のあるつるつるの麺が味わえた。あっさりとしたスープに彩りのよいトッピングが見た目にも鮮やかで、これが250円で食べられるなら大満足だ。「日清ラ王袋麺は発売以来ご好評いただいているが、まだ知らない人、食べたことのない人もいらっしゃると思います。人通りの多い渋谷に構えたこの店舗をきっかけに商品を知っていただいて、ぜひご自宅でも召し上がっていただきたい」と同社。この店舗で提供される「日清ラ王 醤油 5食パック」「日清ラ王 味噌 5食パック」は、8月に関東甲信越・静岡地区で先行発売された。価格は1パック500円(税抜)。同商品は、これまでの袋麺にはなかった豊かな小麦の香り、麺のつるみやコシ、もっちりとした食感を実現したという。袋麺ならではの賞味期限6カ月という保存性の高さと調理の簡便性も兼ね備えているとのこと。なお、同商品は7月~8月に東京・汐留で「値段のないラーメン屋」としてブースをオープン。袋麺の「日清ラ王 醤油」であることを公表せずに提供し、「このラーメンにあなたなら一杯いくら払うか」と聞いたところ、体験者2,074人の平均価格は545円となった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月05日若手映画監督の登竜門として、世界に誇る名匠を多数輩出してきた自主制作映画のコンペティション「PFFぴあフィルムフェスティバル」。1977年のスタートから今年で34回目を迎える同映画祭が、9月18日(火)より11日間にわたり開催される。未来の匠を生み出す、目玉のコンペティション部門「PFFアワード」では今年、522もの作品が集まり、その中から16作品が入選。平均年齢も23.6歳と、新世代監督たちの熱戦が繰り広げられるが、それに加えてここでしか観られない作品も数々登場する。既に入選作品のうち4作品がカナダ・バンクーバー国際映画祭や韓国の釜山国際映画祭での上映が決定しており、その信頼度が世界からも注目されている「PFFアワード」。今年のトロント国際映画祭を沸かせた内田けんじ監督らも、ここから巣立ったひとりであることは有名である。毎年、多種多様の作品が寄せられる本アワードだが、今年は震災や原発を扱った作品やいじめ問題など、入選作では時事的なテーマを扱う作品が多く見られるが、さらに過去最多となる5名の女性監督が入選しているのも特筆すべき点。女性ならではの視点で描く、思春期の悩みやジェンダーを題材にした作品に注目が集まる。この目玉となるコンペに加えて、今年注目すべきなのが招待作品部門の作品の数々。「テレビドラマに挑戦!WOWOWドラマをみる」と題した企画では、今年話題となったWOWOW製作のドラマが一挙上映され、先日ヴェネチア国際映画祭でも上映された黒沢清監督×小泉今日子主演のドラマ「贖罪」の国際映画祭バージョンが上映される。世界各国の映画関係者らの強い希望のもと、4時間半にも及ぶ長尺の映画として蘇った本作はヴェネチアでスタンディング・オベーションを起こしたが、この映画祭バージョンが国内で観られるのはPFFだけ。ぜひチェックを!また、名作を通してタイムワープのひとときを過ごしてみたいという方には、イギリスを代表する監督&脚本コンビ、マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガー、撮影のジャック・カーディフによる名作を集めた「映画の“ルック”を浴びてみる!」コーナーがオススメ。『老兵は死なず』(’43)や『天国への階段』(’46)、『赤い靴』(’48)など、技術が進化した今日から遡ること半世紀以上前のこだわりの映画が観る者のクリエイティブ精神を刺激する。さらに、2010年のPFFアワード審査員特別賞を受賞した『世界グッドモーニング!!』がフランスで公開を控えるなど、世界から注目を集める新鋭・廣原暁監督の新作であり、自身の転換点だという『HOMESICK』が初披露されたり、村上淳、渋川清彦らが集結した『Playback』など公開予定の日本映画最新作の上映、昨年逝去した名匠・森田芳光監督が生んだ幻の8ミリ作品のデジタルバージョンでの上映など、ここだけでしか楽しめない企画が目白押し!各国の映画祭も最高潮の盛り上がりを見せる“芸術の秋”、ぜひあなたも日本が誇る新たな才能を先取りしながらこの季節を堪能してみては?「第34回PFFぴあフィルムフェスティバル」は9月18日(火)から28日(金)まで東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催。「第34回PFFぴあフィルムフェスティバル」会期:9月18日(火)~28日(金) ※月曜休館場所:東京国立近代美術館フィルムセンター公式サイト:■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月13日先日の第69回ヴェネチア国際映画祭に単身乗り込み、大喝采を浴びた黒沢清監督の最新作にして、トニー・レオンを主演に松田翔太、前田敦子を共演に迎えて贈る『一九〇五』が、日本と中国で共同製作されることが決定!豪華キャスト陣、黒沢監督からのコメントが到着した。1905年の横浜を舞台に、2人の男と1人の女が国境を越えて織りなす壮大なスケールの新感覚アクションムービーとなる本作。香港が世界に誇る名優・トニーと日本の若手実力派・松田さんのコンビと、彼らの運命を変えることになる女・宮子がたどる絶望と希望を描き出す。今年の11月からのクランクインを予定しており、詳細はまだまだ不明。しかし、キャスト陣は早くも気合十分なコメントを寄せている。世界的な規模での公開が予定されている本作で主演を務めるトニーは、「黒沢清監督の作品をずっと敬愛していました。その監督と一緒に仕事ができる機会を得て、とても興奮しています。あらゆる瞬間に至るまで、この貴重な体験を楽しみたいと思っています!」と高鳴る胸の内を明かしている。また、トニーとバディを組むこととなる日本人役に挑戦する松田さんは、「脚本をいただいたときにゾクゾクとしました!この映画のスケールの大きさや、キャストの凄さにも驚きましたが、この脚本で黒沢監督に会えると思うと嬉しくて仕方がありません」と語る。さらに、この2人の運命を変えることとなる日本人女性という大役に大抜擢された前田さんは、「世界を舞台に活躍されている黒沢清監督の作品に参加できることに、とてもワクワクしています。そしてトニー・レオンさん、松田翔太さんとご一緒できることもすごく嬉しく思います。女性のあらゆる魅力を持っている宮子を、全力で演じたいと思います。女優としての素晴らしい経験になるように、頑張ります!」と、「AKB48」を卒業し今後の女優業への第一歩となる本作に体当たりでぶつかっていく心構えのようだ。黒沢監督自身もこの奇跡のようなキャスティングが実現したことを、未だに夢のようだと語る。「この映画のために、夢のようなキャスティングが実現しました。私自身まだ信じられないくらいです。恐ろしく魅惑的な3人の俳優たちが言葉、年齢、性別を超えて魂と魂をぶつけ合うことになるでしょう。そのお膳立てができるなんて、監督冥利に尽きると言うものです」。松田さんと前田さんは中国語での演技もあるようで、これから語学の勉強を始めていくよう。現在はロケハン中で日本、香港での大規模なロケーション撮影を検討しており、クランクアップは2013年1月になるという。『一九〇五』は2013年11月、全国にて公開。■関連作品:一九〇五 2013年秋、全国にて公開
2012年09月10日『回路』や『アカルイミライ』『贖罪』の黒沢清監督が、トニー・レオン、松田翔太、前田敦子をキャストに迎えた新作映画『一九〇五』を手がけ、来年秋に公開されることが発表された。本作は、1905年の横浜を舞台にした作品。詳細な物語や設定はまだ発表されていないが、日本と台湾で大規模なロケーション撮影を行い、1905年に製造された世界初の45口径の自動拳銃“コルトM1905”が、重要な役割を果たすアクション映画になるという。2009年の3月に香港で開催された「アジア映画賞(Asian Film Award 亞洲電影大奨)」で『トウキョウソナタ』が大賞を受賞した際に、総合イベントの大使を務めていたレオンと黒沢監督が出会ったことがきっかけで、本プロジェクトが誕生したそうで、黒沢監督は「百年前の横浜は驚くほど国際的な街だったようで、そこに流れ着いた人々の思惑が国籍を超えて激突するさまを物語の軸に据えてみました。彼らが経験する絶望と希望とは、私たちが今現在、そして未来に向けて抱えている様々な問題とずばり直結しており、今これを撮る意義もそこにあるのだと思っています。そしてこの映画のために、夢のようなキャスティングが実現しました。私自身まだ信じられないくらいです。恐ろしく魅惑的な三人の俳優たちが言葉、年齢、性別を超えて魂と魂をぶつけ合うことになるでしょう。そのお膳立てができるなんて、監督冥利につきると言うものです」と言い、レオンは「黒沢清監督の作品をずっと敬愛していました。その監督と一緒に仕事ができる機会を得て、とても興奮しています。あらゆる瞬間に至るまで、この貴重な体験を楽しみたいと思っています」と意気込みを語っている。松田は劇中、全編に渡って中国語のセリフでレオンとタッグを組む役で「脚本をいただいた時にゾクゾクとしました。この映画のスケールの大きさや、キャストの凄さにも驚きましたが、この脚本で黒沢監督に会えると思うと嬉しくて仕方がありません」と述べ、物語に登場する唯一の若い女性で、レオン演じる主人公に大きな影響を与える宮子を演じる前田は「世界を舞台に活躍されている黒沢清監督の作品に参加できることに、とてもワクワクしています。そして、トニー・レオンさん、松田翔太さんとご一緒できることも、すごく嬉しく思います。女性のあらゆる魅力を持っている宮子を、全力で演じたいと思います。女優としての素晴らしい経験になるように、頑張ります」とコメントを寄せている。撮影は今年11月から開始され、来年1月にクランクアップ。仕上げ作業を経て来年の秋に松竹とプレノンアッシュの配給で全国公開される。『一九〇五』2013年秋 全国ロードショー
2012年09月10日8月29日(現地時間)より開幕中の第69回ヴェネチア国際映画祭で8月30日(現地時間)、日本人監督として公式上映第1号となる黒沢清のドラマ「贖罪」が特別招待部門にて上映された。この日の上映のためにドラマ全5話分を再編集した4時間半にも及ぶ力作を引っさげ黒沢監督も単身現地入りし、ヨーロッパ中から集まった映画人に向けて思いの丈を語った。ベストセラー小説「告白」の原作者として知られる湊かなえの同名小説を原作に、主演・小泉今日子、各エピソードに蒼井優を始め池脇千鶴、小池栄子、安藤サクラという豪華女優陣を迎え、今年1月にWOWOW連続ドラマ枠で放送された本作。とある田舎町で起きた美少女殺人事件の被害者の母親が、事件当時、娘と一緒に遊んでいた4人の少女たちに“償い”を課していく。『トウキョウソナタ』や『アカルイミライ』など、幾度となく監督作を引っさげ海外の映画祭の数々に参加してきた黒沢監督だが、インターナショナル版として再編集されたものとは言え、ドラマ作品を携えての参加はこれが初めて。「撮影をした当時は、テレビや映画を意識して撮ってはいなかったので正直、このように映画として世に出ることになったことはとても嬉しく思っています。本作を正式出品作として、この長尺にも関わらず選んでくれたヴェネチア国際映画祭は寛大で冒険的な映画祭だと、改めて懐の広さに感激しています」と感謝の思いが口を突いて出た。また、本作の製作に至った経緯を「湊かなえさんの作品はとても女性的で、主な読者も女性なんだと推測しますが、男性の私にとってはあまりなじみもない原作と思いながらも、とても楽しんで作ることができました」と語る黒沢監督。「特に前作の『トウキョウソナタ』でご一緒していた小泉さんと香川さんの再競演など、その2人が演じてくれているそのエピソードにも思い入れがあり、この映画は私自身の過去作品の“その先”を探り出すような思いで作ることができました」。最後に、外国人記者から「個人と社会を対立させるということが軸になっている小説を基に作られていると理解しているが、なぜ日本の社会ではこの映画のように個人の存在が社会と対立するような事件が起こるのか?」という映画祭ならではの質問が飛んだ。これに対して監督は「日本に住んでいる自分でも分からない。日本の社会構造には、新聞や報道で見えてくるものとは異なるものが隠れていると思う」と率直な言葉で見解を述べた。上映後、会場内にいた黒沢監督に向けて盛大なスタンディング・オベーションが贈られ、海外の映画祭経験が豊富な黒沢監督も今回の上映には大きく胸を揺さぶられていた様子だった。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ヴェネチアにて開催。■関連作品:リアル~完全なる首長竜の日~ 2013年初夏、全国東宝系にて公開
2012年08月31日日清食品は8月27日、「日清ラ王 醤油 5食パック」「日清ラ王 味噌 5食パック」を関東甲信越・静岡地区で先行発売する。価格は1パック500円(税抜)。カップ麺の”お湯かけ調理”で蓄積した同社の技術を”煮込み調理”の袋麺へ展開。「調理エネルギーの高い煮込み調理」と「3層太ストレートノンフライ麺」を組み合わせ、表面のつるみと中芯感のあるコシを表現し、「これまでの袋麺にはない、生麺しか味わえなかった麺質」を実現したという。賞味期限は6カ月と生麺より保存性が高く、また、麺を一旦茹でた後、その茹で汁を捨てるゆでこぼし調理が不要といった簡便性も兼ね備えているとのことだ。「日清ラ王 醤油」はノンフライの太ストレート麺を使い、香味野菜の香りが特徴のあっさりとして旨みのある醤油味スープとなっている。「日清ラ王 味噌」は醤油より太目のノンフライ太ちぢれ麺を使用。香味野菜の香りや炒めたキャベツ、ジンジャー、ガーリックの風味をきかせた味噌味スープに仕上げている。両商品の発売に先駆け、7月25日~8月7日の14日間、東京・汐留にて「値段のないラーメン屋」ブースをオープン。袋麺の「日清ラ王 醤油」であることを公表せずに提供し、「このラーメンにあなたなら一杯いくら払うか」と聞いたところ、体験者2,074人の平均価格は545円となった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月21日日清食品は8月27日、「日清ラ王 醤油 5食パック」「日清ラ王 味噌 5食パック」を関東甲信越・静岡地区で先行発売する。価格は1パック500円(税抜)。カップ麺の”お湯かけ調理”で蓄積した同社の技術を”煮込み調理”の袋麺へ展開。「調理エネルギーの高い煮込み調理」と「3層太ストレートノンフライ麺」を組み合わせ、表面のつるみと中芯感のあるコシを表現し、「これまでの袋麺にはない、生麺しか味わえなかった麺質」を実現したという。賞味期限は6カ月と生麺より保存性が高く、また、麺を一旦茹でた後、その茹で汁を捨てるゆでこぼし調理が不要といった簡便性も兼ね備えているとのことだ。「日清ラ王 醤油」はノンフライの太ストレート麺を使い、香味野菜の香りが特徴のあっさりとして旨みのある醤油味スープとなっている。「日清ラ王 味噌」は醤油より太目のノンフライ太ちぢれ麺を使用。香味野菜の香りや炒めたキャベツ、ジンジャー、ガーリックの風味をきかせた味噌味スープに仕上げている。両商品の発売に先駆け、7月25日~8月7日の14日間、東京・汐留にて「値段のないラーメン屋」ブースをオープン。袋麺の「日清ラ王 醤油」であることを公表せずに提供し、「このラーメンにあなたなら一杯いくら払うか」と聞いたところ、体験者2,074人の平均価格は545円となった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月21日デビュー作『告白』で人気を得た湊かなえの原作を、小泉今日子主演でドラマ化したミステリー作『贖罪』が24日(金)にDVDリリースされるにあたり、19日に都内で全5話一挙上映会&トークショーを実施。黒沢清監督と、第1話に出演した森山未來が登壇した。その他の写真『贖罪』は、15年前に小学生の娘を殺害された母親(小泉)と、当時事件を目撃したことが原因で、“償い”の思いを抱えながら大人になった4人の女性が、連鎖する悲劇を引き寄せていく姿を描いた物語。5話構成になっており、蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴ら豪華女優陣が出演している。29日(水)から開催される第69回ヴェネチア国際映画祭(アウト・オブ・コンペティション部門)、第37回トロント国際映画祭(コンテンポラリーワールドシネマ部門)ほかでの上映が決定しており、世界的に注目されている本作。これに対して黒沢監督は、「本当にうれしい。幸福な出会いがあった作品だったと思います。はじめてのTVドラマでしたので、やはり映画とは違うと覚悟を決めて取り組んだのですが、本当にスタッフとキャストに恵まれて、映画と遜色のない自分らしい作品が作れたと思っています」と喜びを語った。一方、森山が出演するのは『贖罪 第1話 フランス人形』で、“ある秘密”を抱えるという難しい役どころ。森山は黒沢監督の演出に対して、「主人公が変わった性癖を持っているので色々とイメージを持って現場に入ったのですが、それを上手く監督にいなされながら演じた気がしています。自分の感覚が抜けた時、自分のイメージと微妙にズレた時に、そのシーンでOKが出る感じでした」とコメント。それに対して黒沢監督は、「森山さんの印象としては、僕が攻めるとヌメっとかわしていくので、そこを僕がまた攻めると。ただ、演技に関しては、特に私は何もしていません。あの雰囲気は、(第1話で共演した)蒼井優さんとのふたりのコンビネーションによって生まれたものだと思いますので、非常に面白かったですね」と絶賛していた。そんなふたりには撮影中に共通の思い出があるようで、「台詞のないシーンがあったのですが、森山さんのほうから何か台詞があったほうが良いのではと意見があった。それで、その夜に、あるアイデアを考え付きまして“ある台詞”を台本に入れ込んでみたんです」と黒沢監督が述べると森山は、「次の日、その台詞を演じてみたら、すごくしっくりきて、スゴイなと。でも、その台詞については助監督の方と意見の相違というか、ケンカになりまして。最終的には監督の判断に任せようと、そこでは納得したのですが(笑)」と会場の笑いを誘う場面も見られた。『贖罪』レンタル:8月24日(金)前篇・中篇・後篇(全5話)レンタル開始セル:8月24日(金)DVDコレクターズBOX【初回生産限定】発売開始DVDコレクターズBOX【初回生産限定】8990円(税込)発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
2012年08月20日監督・黒沢清×主演・小泉今日子でWOWOWで放送された『贖罪』。原作を手がけたのは映画化もされた『告白』の衝撃がいまなお記憶に新しい湊かなえ。DVDリリースを機に改めて湊が映像化された自作について語った。その他の写真迷宮入りとなった少女殺害事件。被害者の少女の母親は現場にいた娘の友人の少女4人に「犯人を見つけるか、私が納得する償いをすること」を迫るが、事件から15年を経て、彼女の言葉を胸に刻んだまま成長した4人が連鎖的に悲劇を引き寄せていく。蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴が成長した4人を演じるなど、実力派俳優が集結したが、湊は特に被害者の母親・麻子を演じた小泉を絶賛。原作でも4人の視点を絡ませながら、麻子は時に素直で慈悲深い母として、時に盲目的に復讐の炎を胸に抱く鬼女のようにも描かれるが「小泉さんには一人の女性に対して様々な見方が存在しうるということを表現していただけました。小泉さんが演じてくださったことで、私の中での自分の小説の登場人物ランキングで麻子さんが『告白』の森口先生(松たか子)に肩を並べるくらいになってます(笑)」と称賛を惜しまない。本作を含め自作の映像化について「監督の独特の世界観で新しいものを作ってもらえたという感覚で『よかったね、私の子供たち』という気持ち」と思いを明かす。湊本人が「映像化できないだろうなと思いながら書いている」と語るように、一人称の語りを中心にした彼女の著作には文章ならではの魅力があり、決して映像化しやすい小説とは言えない。それを自覚した上で、どのように映像化されるのか「誰よりも私自身が楽しみでしょうがない」のだという。特に本作で湊が驚きをもって受け止めたのは最終第5話。「麻子さんが犯人と対峙しますが、原作ではここはたった2行なんです。黒沢監督の解釈によって完成した場面だと思うし、『ここでこの人たちはこんな顔してたのか』とあそこに連れて行ってもらったかのような気持ちになりました」と原作者の思惑を超えた映像作品ならではの魅力を嬉しそうに語る。子供の頃から「テレビと読書が娯楽の中心だった」と語っており小説家デビューの前には脚本コンクールに応募したことも。トレンディドラマ隆盛の時期に高校・大学生活を送ったことで「その頃や子供時代に見たドラマが自分の財産になっていると思う」とうなずく。ちなみに好きな俳優は織田裕二。「私の作品に出てこないタイプでしょ?」と残念そうに笑うが、ぜひ今後、織田をイメージした人物を描き、実写化を実現させてほしい!ちなみに、本作は、DVD発売を記念して19日(日)から9月7日(金)まで渋谷・ユーロスペースで特別上映される。『贖罪』8月24日(金)より、発売&レンタル開始DVDコレクターズBOX【初回生産限定】3枚組(全5話収録)8,990円(税込)レンタル:前篇・中篇・後篇(全5話)発売元:20世紀フォックスホームエンターテイメント取材・文・写真:黒豆直樹
2012年08月07日ミステリー作家を志す新人の登竜門として注目される「このミステリーがすごい!」大賞の第9回大賞を受賞した乾緑郎の「完全なる首長竜の日」(宝島社刊)。10年の歴史の中で、「チーム・バチスタの栄光」と同様に選考委員満場一致の大賞決定という快挙を成した本作が、主演に佐藤健と綾瀬はるかを迎え、日本映画界のカリスマ・黒沢清監督指揮の下、映画化されることが明らかとなった。佐藤さんと綾瀬さんが演じる浩市と淳美は、幼なじみ同士の恋人。だが1年前、淳美は自ら命を絶とうとして昏睡状態に。浩市は昏睡状態の患者と意思疎通のできる脳神経外科医療の一種“センシング”によって、淳美の自殺未遂の理由を探り昏睡状態から目覚めさせるべく、彼女の潜在意識に潜入する――。待望の映像化を果たすのは、『アカルイミライ』、『トウキョウソナタ』など、その映像美と独特の世界観でカンヌ国際映画祭を始め世界各国で高い支持を集める鬼才、黒沢清。主演に抜擢された佐藤さんと綾瀬さんは、『るろうに剣心』、『映画 ひみつのアッコちゃん』とそれぞれ主演作の公開が控えるが、今回の出演に際し「面白すぎて震えました。最初から引き込まれて、後半で驚きの展開があり、お話が終わる最後の最後まで目が離せなかったです」(佐藤さん)、「ワクワクして、ヒャーッ!となりました。意識下の世界は、現実離れした不思議な世界なので、“どういう感じになるんだろう?”と思って読んでいました」(綾瀬さん)と、この異次元ラブストーリーの世界にすっかり魅了されている様子。「人の心の中をまるで旅でもするかのように探索して回ること、それは何とも魅惑的な行為だが、同時に耐えがたい恐怖の体験かもしれない」と話す黒沢監督は、「映画で人の心の中を撮影することはできないという原則に挑戦してみたかった」と本作の映画化に賭ける意気込みを口にする。そのほか中谷美紀、オダギリジョー、染谷将太、小泉今日子ら豪華俳優陣が脇を固めることも決定。既に撮影に入っており、来年5月に開催される第66回カンヌ国際映画祭への出品も視野に入れているとのこと!佐藤さんからは早くも「監督、可能であるならば、僕たちをぜひカンヌに連れて行って下さい!」とのラブコールがあるほど。昏睡患者との意思疎通により、現実と仮想の境界が曖昧になっていくストーリーはハリウッド超大作『インセプション』をも彷彿とさせるが、いままさにノリに乗っている2人が、どのように演じぬくのか期待したい。『リアル~完全なる首長竜の日~』は2013年春、全国東宝系にて公開。■関連作品:リアル~完全なる首長竜の日~ 2013年初夏、全国東宝系にて公開映画 ひみつのアッコちゃん 2012年9月1日より全国にて公開© 赤塚不二夫/2012「映画 ひみつのアッコちゃん」製作委員会るろうに剣心 2012年8月25日より全国にて公開© 和月伸宏/集英社© 2012「るろうに剣心」製作委員会
2012年07月18日佐藤健と綾瀬はるかが黒沢清監督の新作映画『リアル~完全なる首長竜の日~』に主演することが発表された。その他の写真本作は、第9回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した乾緑郎の『完全なる首長竜の日』が原作。自殺未遂によって昏睡状態に陥った淳美(綾瀬)の自殺の理由を探るため、彼女の幼なじみで恋人の浩市(佐藤)は昏睡状態の患者と意思疎通のできる脳神経外医療の一種“センシング”によって、淳美を昏睡状態から目覚めさせようと試みる。人間の意識下の世界が舞台となるため、現実と仮想の境界は崩れており、現実、仮想、そしてふたりの過去が混在しながら先の読めない物語が展開される。佐藤と綾瀬は脚本について「面白すぎて震えました」(佐藤)、「意識下の世界は、現実離れした不思議な世界なので『どういう感じになるんだろう』と思って読んでいました」(綾瀬)とコメント。また、お互いの印象を佐藤は「『こういうところもあるんだ、こういう顔もするんだ』って、新しい発見があって驚かされています。ほぼ毎日ケンカしながら、楽しくやっています(笑)」。綾瀬は「すごくしっかりされていて、私の方が年上なんですけど『先輩!』って感じです」と話している。『回路』『アカルイミライ』など、発表する作品が国際的に注目を集める黒沢監督が今作で挑むのは、最愛の人の意識下へダイブする、壮大なラブストーリー。黒沢監督は「映画で人の心の中を撮影することはできないという原則に挑戦してみたかった」と語っており、来年5月開催の第66回カンヌ国際映画祭での上映を視野に入れているという。撮影は現在進行中で、7月末にクランクアップ予定。『リアル~完全なる首長竜の日~』2013年初夏公開
2012年07月18日日清食品は7月9日、「カップヌードル焼そば 1ミニット」「日清焼そばU.F.O. 1ミニット」を関東甲信越・静岡地区で先行発売する。同商品は、ロングセラーである「カップヌードル」「日清焼そばU.F.O.」のおいしさはそのままに、「1分でうまい! 」をコンセプトに開発したBOX型の焼そば。両商品は、湯を入れてからたったの1分で湯切りができるという。カップヌードル焼そば 1ミニットは、オイスターソースの旨みと白菜の甘みが特徴の醤油ベースのソースに、カップヌードルらしくエビの香りをきかせているとのこと。日清焼そばU.F.O. 1ミニットは、おなじみのU.F.O.ソースでローストした香り、ソースとポークのうまみと酸味、スパイス感がしっかりと味わえるという。価格は各170円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月27日世界最大級の自主映画コンペティション“PFFアワード”をメインプログラムにした映画祭「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」が東京、神戸、京都に続き、6月30日(土)から名古屋の愛知芸術文化センターで、7月6日(金)から福岡の福岡市総合図書館で開催される。その他の写真「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は、“新しい才能の発見と育成”をテーマに、1977年より続く映画祭。メインプログラムのコンペティション部門には毎年、平均500本以上もの自主映画が寄せられ、これまでに黒沢清、中島哲也、園子温、矢口史靖ら多彩な監督を発掘してきた。名古屋、福岡会場では、昨年行われた“PFFアワード2011”の入選作品17本を上映。グランプリを受賞し、東京国際映画祭、釜山国際映画祭でも上映された北川仁監督の『ダムライフ』を筆頭に、602作品の中から審査員が厳選した作品が上映される。また名古屋会場では、上記のプログラムに加えて、昨年12月に急逝した森田芳光監督の追悼特別企画“20代の森田芳光がみていたもの~疾走する8ミリ自主映画時代~”を開催。寺山修司、野田秀樹ら演劇人をとらえた幻のドキュメンタリー作品『劇的ドキュメント レポート’78~’79』をはじめ、『ライブイン茅ヶ崎』『水蒸気急行』の3作品を上映する。これらの自主映画は上映される機会が極めて少なく、東京で上映された際には立ち見が出るほどの盛況をみせたプログラムだけに、名古屋会場でも映画ファンが多く足を運ぶことが予想される。第33回 PFF ぴあフィルムフェスティバル in 名古屋会期:6月30日(土)~7月4日(水)※月曜休館会場:愛知芸術文化センター12階アートスペースA第33回 PFF ぴあフィルムフェスティバル in 福岡会期:7月6日(金)~7月8日(日)会場:福岡市総合図書館映像ホール・シネラ「第34回PFFぴあフィルムフェスティバル」2012年、東京国立近代美術館フィルムセンターほか全国で順次開催
2012年05月17日日清食品は6月4日、「カップヌードルカレー」の味をごはんで再現した「日清カップヌードルごはん カレー」を発売する。内容量102gで250円(税抜)。同商品は、カップ麺の”ごはん化”第4弾。これまでに発売した「日清カップヌードルごはん」「日清カップヌードルごはん シーフード」「日清焼そばU.F.O. そばめし」に続く商品。一度炊き上げた米を高温高速の熱風で乾燥させたパフライスを具材と共に電子レンジで水から炊くことで、独特の風味や食感が楽しめるとのこと。おなじみのカレースープの味だけでなく、フライした麺の風味を取り入れ、具材に「カレー専用コロ・チャー」を使用するなど、カップヌードルカレーの味を忠実に再現しているという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月16日日清食品は4月9日、「日清焼そばU.F.O.」のピリ辛トマト味「日清焼そばU.F.O.チリトマト味焼そば」を東北・関東・甲信越地区、静岡県限定で発売する。内容量114g(麺100g)で価格は170円(税抜)。トマトの酸味と甘味にスパイシーなチリスパイスが効いた味になっているという。同商品は、東北・関東圏の消費者に好まれる味を第一に考えた東日本限定商品の第1弾。2008年~2010年の総務省統計局の調査によると、1世帯当たりのトマトの消費量が多い都市の上位10都市の内、9都市が東日本、その内8都市が関東圏となっていたとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月27日日清食品は26日、「日清焼そば U.F.O.そばめし」を発売する。昨年、ヒット商品となった「カップヌードルごはん」「カップヌードルシーフード」に続く、カップ麺のごはん化第3弾。近畿地区では1月3日より先行販売されている。内容量は111gで、価格は250円(税抜)。同商品は、「日清焼そばU.F.O.」の麺を細かく刻んだものとご飯を合わせたもの。ご飯は一度炊き上げてから熱風で乾燥させ、パフィング加工したパフライスを使用。麺とともに電子レンジで水から炊くことで、一粒一粒が立ったコシのある食感が楽しめるという。日清焼そばU.F.O.の味を再現したそばめし専用のソースを付け、ローストした香り、ポークの旨みを楽しめるとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月07日世界最大級の自主映画コンペティション「PFFアワード2012」の公募が今年も2月1日(水)から開始される。その他の写真「PFFアワード」は、“新しい才能の発見と育成”、“映画の新しい環境づくり”をテーマに、1977年より続くPFF(ぴあフィルムフェスティバル)のメインプログラム。事務局には、毎年2か月という短い応募期間に、平均500本以上もの自主映画が寄せられる。PFFでは、通常の映像コンペに設けられる、年齢、プロアマ、上映時間などの一切の規制を排し、「過去1年以内に制作された未公開作品」であれば、どんな作品を応募しても受け付けられる。集められた作品は、「最低3人が必ず最初から最後まで1分1秒もらさず観る」というルールで審査。さらに一次通過作品を審査員全員で審査した後、7月に入選作品を決定。入選作品は、9月に東京国立近代美術館フィルムセンターで上映され、その後、全国を巡回する。事務局が海外の映画祭などにも積極的に作品を紹介するため、応募作品次第では応募作の海外上映の可能性もある。これまで、森田芳光、黒沢清、中島哲也、園子温、矢口史靖ら多彩な監督たちを発掘し紹介してきたPFFだけに、今年も多くの応募が予想される。「PFFアワード2012」応募締切:3月31日(土)当日消印有効※本年度よりフィルム作品以外の応募はDVDのみの受け付け応募に関する詳細は映画祭公式サイトに記載「第34回PFFぴあフィルムフェスティバル」2012年、東京国立近代美術館フィルムセンターほか全国で順次開催
2012年01月25日『告白』でベストセラー作家となった湊かなえの原作を、豪華な女優陣の顔ぶれで映像化したWOWOW連続ドラマ『贖罪』。監督・脚本を手がけた『トウキョウソナタ』の黒沢清、物語の鍵を握るキャラクターを演じた池脇千鶴がインタビューに答えた。その他の写真小学生の娘を殺された母親に小泉今日子が扮し、事件を目撃したことから償いの思いに囚われたまま大人になった女性たちを、池脇をはじめ、蒼井優、小池栄子、安藤サクラが演じる。5人の女優が主人公となる全5話の脚本も執筆した黒沢監督は、原作を読んだ印象を「女性の情念や妄想、闇がとことん書かれているところに惹かれた」と語り、脚本化の際に難しかったのは「モノローグで表現されているそれぞれの心の中を客観的に描くこと。外からだと5人はどういう風に見える人物なのか、それを想像するのが難しくもあり、楽しかったところですね。あとは彼女たちの"現在"に大きな影響を及ぼしている"過去"の扱い方に気を使った」という。「脚本がとにかく面白かった」と語る池脇が演じたのは、強迫観念のように贖罪にとりつかれている他の3人の同級生とは異質の存在感を放つ、したたかで貪欲な女性だ。「みんなは小学生の頃の事件にまだ縛られていたり、それが理由で破綻してしまったり、それぞれの苦しみ方をしている。でも私が演じたのは、悲壮感が一切なく、理不尽なことが許せない人。自分が欲しいと思ったら、姉の旦那さんまで手に入れようとする女性なんです。ある意味、有言実行でパリッとした生き方をしてきた人だからこそ、ずっと娘の同級生を責め続ける麻子さん(小泉今日子)と対等に話せる言葉を見つけて、挑むことができたのだと思います」。監督が「悪同士だからこそ心が通じ合う場面」だと語る小泉と池脇の"対決"シーンをはじめ、ホラー映画のような不穏なタッチが、監督らしさを感じさせる。「私だけがセリフのなかで、タイトルでもある"贖罪"という言葉を使えたのが、すごく嬉しかった」という池脇を、監督は「池脇さんに演じてもらったのは、脚本の段階で最も面白いと思いながら調子に乗って書いていったキャラクター。いつも純情な役ばかりをやっていらっしゃるわけではないのは知っていましたが、ここまで突き抜けた役を演じてもらえるとは。インタビューの場で言うのも何ですが、若い女優さんのなかでダントツで芝居がうまい」と絶賛。池脇は「私にこういう役を預けてくれたことが、めちゃくちゃ嬉しい」と答え、監督と女優の相性の良さが感じられる映像化となった。文:細谷美香撮影:星野洋介連続ドラマW『贖罪』毎週日曜22時よりWOWOWプライムにて放映
2012年01月12日第3回沖縄国際映画祭のオープニング作品となる『クロサワ映画2』の上映が沖縄国際コンベンションセンターにて行われ、主演の黒沢かずこ(森三中)、光浦靖子、大久保佳代子、椿鬼奴、コン・テユ、イ・テガン、そして渡辺琢監督がレッドカーペットと舞台挨拶に登場した。前作である『クロサワ映画』が昨年の第2回沖縄国際映画祭で、「“Laugh部門”海人賞グランプリ」と「ゴールデンシーサー賞(審査員特別賞)」をダブル受賞したこともあって、続編の『クロサワ映画2』で堂々の凱旋を果たした。前作に続いてメガホンをとった渡辺監督は、「あれから1年。4人にはいまもまったく浮いた話もない。映画の中だけでも恋愛させないとダメになると思った。4人の“彼氏いない歴”をあわすと66年にもなる。この4人の生き様を96分にわたって描いています…」と制作までのいきさつを披露した。監督の話を受けて、黒沢さんは「今作は、それぞれの恋愛模様もあって、前作よりパワーアップしているし、リーズナブル」とちょっと照れたのかコメントが脱線してしまった様子。「濡れ場あるよー。あるかもよー。アニョハセヨー」と韓流スターとの共演ということもあってのジョークも失笑を買ってしまった。これでは、まだまだ恋愛にはほど遠いといわれても仕方がないかも?ほかのキャストたちも、「生きてきて、こんなに握手を求められたのは初めて。人に求められるっていいですね」と光浦さん。大久保さんにいたっては、「男の人の手をたくさん触れて肌のツヤが良くなった気が…」と自分のペースを崩さずコメント。鬼奴さんはキューティクルを失った自分の髪になぞらえて、「失うことによって生まれるものがある。そんな部分をじっくり観て」とアピール。最後には口をそろえて、「この映画を観て、元気になってほしい。元気がいっぱい詰まっています」と温かいメッセージを残した。第3回沖縄国際映画祭は3月18日(金)から27日(日)まで、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターをメイン会場に開催。特集「よしもと芸人が贈る!沖縄国際映画祭2011」■関連作品:第3回沖縄国際映画祭 [映画祭] 2011年3月18日よりカウントダウンイベント開始、22日から27日まで映画祭開催■関連記事:【沖縄国際映画祭】相武紗季、初の子持ち役で新たな境地が開けた!【沖縄国際映画祭】私たちにも、できることがきっとある。吉本芸人が贈る映画祭開幕!映画、エンタメイベントの中止が相次ぐ中で、少しずつ開催の動きも木村祐一監督、次回作の主役はスリムクラブ!?「M-1取るまでの軌跡を描きたい」
2011年03月23日俳優、松山ケンイチとお笑いトリオ・森三中の黒沢かずこが「スカパー!」CMキャラクターに抜擢され、新婚夫婦役で初共演することになり10月28日(木)、東京・THE GRAND HALL品川で行われた発表会見に出席した。2人が結婚を機にスカパー!ユーザーとなる新婚夫婦を演じるシリーズCMで、上映された第1弾「宣言・披露宴」篇は披露宴で泣きじゃくる新婦(黒沢さん)を新郎(松山さん)が笑顔で見守る内容。披露宴風のセットにスーツ姿で登場した松山さんは「夫婦役はやったことがなかったけど、黒沢さんの天真爛漫なキャラを見ているだけで幸せになれたので、苦労したことはない」と楽しんだ様子。すかさず黒沢さんが「普段、11歳だと思って生活しているので」と言葉をはさむと、松山さんは「11歳らしさは感じましたが、受け止めず流しているところもあり、そこに信頼し合っている様子が出ていて、いいCMになっています」と上手くPRした。黒沢さんは冒頭から「妻の黒沢です。ヤバイ、最初にこのお話を聞いて、ヤバイ、松ケン見れんの?いままで結婚しなくて良かったと思いました」とハシャぎ気味。「TVや映画で見てクールなんじゃないかと思っていたら、超、超親しみやすかったです。(お笑いコンビの)カラテカの入江さんくらい緊張しなかった」と嬉しそうに語った。初共演してみての互いの感想を、松山さんは「声がかわいらしく特徴がある」、黒沢さんは「友人の椿鬼奴が、藤井隆と顔立ちが似ていると言っていたんですけど、そんなことねえよ!と思った」と会場の笑いを誘った。“結婚”を描いたCMだけに、松山さんは退場時、以前より報じられている女優の小雪との熱愛について「新婦姿は近く見られそう?」、「交際は順調?」などと取材陣から声掛けされていたが、無言で照れたようにお辞儀をし、足早に立ち去った。こちらのCMは10月30日(土)から全国でオンエア。(photo/text:Yoko Saito)「スカパ−!」公式サイト:■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョンGANTZ 2011年1月29日より全国東宝系にて公開© 2011「GANTZ」FILM PARTNERSマイ・バック・ページ 2011年、全国にて公開僕達急行 A列車で行こう 2011年秋、全国にて公開予定© 2011『僕達急行』製作委員会クロサワ映画 2010年8月1日よりヨシモト∞ホール、神保町花月、ヨシモト∞ホールOSAKAにて、10月9日より新宿バルト9、横浜ブルク13、梅田ブルク7、T・ジョイ京都ほかにて順次公開© 吉本興行/フジテレビジョンゴースト もういちど抱きしめたい 2010年11月13日より全国にて公開© 2010「ゴ−スト」製作委員会■関連記事:平井堅が死んじゃう?新曲「アイシテル」映像は涙必至特注サイズの棺桶から熱唱松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛『ノルウェイの森』の撮影が行われたレストランで“赤”と“緑”の特別メニュー誕生松嶋菜々子アジア版『ゴースト』にろくろシーン「あります」
2010年10月28日『クローズ ZERO』シリーズを観て覚えている人も多いかもしれない。やんちゃな高校生の一人として、シリーズを通じて強い存在感を放った遠藤要。この『クローズ ZERO』が映画デビュー作と聞いて驚いたが、その後も次々と多様な作品へ出演。そんな彼が、初めて主演を張った映画が『イエローキッド』である。祖母と暮らすボクサー志望の青年であり、周囲の状況に流されながら、徐々に“変貌”していく主人公・田村を好演している。監督を務めたのは真利子哲也。これまで短編作品で名を馳せてきた彼が、ついに長編作品を世に送り出す。公開を前に遠藤さんと真利子監督に話を聞いた。実は、真利子監督が最初に遠藤さんに対して打診した役は田村ではなく、田村のボクシングジムの先輩で、彼を悪行へと誘い込む何とも嫌な男・榎本の役だったとか。監督もまた『クローズ ZERO』を観て遠藤さんに強烈な印象を受けたという。「あの映画で最初に遠藤さんが登場するシーン。屋上でボソボソ喋ってる場面があるんです。実は、あのキャラクターの人物像がその最初のワンカットで表現されていることがおいおい分かってくる。それを見て、この人すごいな、と思いました。それで、この映画で最初に声を掛けたのが遠藤さんだったんです。『クローズ ZERO』のイメージのまま、最初にお会いするまでは榎本役をお願いするつもりだったんですが、遠藤さんから田村役に対する熱意を伝えられて…」。監督の言葉を引き取り、その経緯を遠藤さんはこう説明する。「最初は榎本役のつもりで脚本を読んでたんですが、なぜか田村に感情移入してしまったんです。田村はセリフではなく表情で感情や気持ちを表現するキャラクター。それってすごいことだと思って挑戦したくなって…。監督に『田村役は誰が?』と聞いたらまだ決まってないということだったので『ぜひ、田村役をやらせてください』と」。こうした俳優陣からのリクエストや熱意に応えていく真利子監督。実際、撮影中も俳優の側から様々なアイディアが出され、それを実際に採用していったという。田村の人格が“変貌”する、という意味で非常に印象的なのが、ビルの屋上からお札をばら撒くシーン。そこでも遠藤さんからあるアイディアが…。監督は言う。「お札の撒き方。少しずつ、パラパラと撒くのは彼のアイディアです。遠藤さんはカメラが回る前に、考え込んで、それから田村という役に憑依するような感じ。だから、そうしたアイディアは、現場で直感的に浮かんだものなのかも。僕らは、それを受け入れられるように体制を整えて、準備して撮影に臨んでました」。遠藤さんにそのときのことをふり返ってもらうと、意外な答えが…。「発想といいますか、実はいま、思い返してもなんでそうしたのか分からない(苦笑)。間違いなく、あのときは“田村”だったんですね。田村としての自然な動きでそうしたんだと思います」。まさに憑依!天然の役者といった感じだが、先述したように映画デビューは800人以上のオーディションを勝ち抜いた『クローズZERO』で、本作が初主演作。だが、遠藤さんは言う。「子役からやってこられた方や、同世代で僕よりキャリアの長い俳優さんはたくさんいますが、背負っているものの重さ、『伝えたい』という気持ちでは負けていない」と。「僕は両親が離婚し、その後、母親が死んで20歳の手前まで土木作業員をしてたんです。『立ち止まるな。過去をふり返るな』って人生訓はよく聞きますが、僕はそのとき、あえて立ち止まって自分の人生をふり返って、自分の小ささや愚かさを噛みしめた。じゃあ何がやりたいのか?と考えても何も浮かばない…。そのとき、そんな自分と同じようなやつらに夢や希望を与えるようなことがしたいって考えて、仲間を集めて芝居をやったんです。人間は失ってから初めて大切な物を知る。僕自身が母親を亡くしてから初めてその偉大さを知った気持ちを芝居にしたんですが、老人ホームで上演したら、みんな涙流して喜んでくれた。その瞬間にゾクゾクッと来て、表現者として生きていきたいと思ったんです」。強い気持ちの込められた遠藤さんの演技の秘密がよく分かるエピソードだが、一方の真利子監督もまた、表現者として独特の道を歩み、ここまでたどり着いた人物。短編作品で実績を積み重ねたのち、東京藝術大学大学院の門を叩き、黒沢清監督に師事。修了作品として製作した本作は、独立系の映画館主のネットワーク「New Director/New Cinema 2010」での高評価を受けて劇場公開されることに。資金難などで映画製作が難しくなっていると言われるいま、新たな道筋を作ったと言える。「以前、石井聰互監督がHDV(ハイビジョンカメラ)の台頭で、プロとアマチュアの映像の差がなくなる、というお話をされていて、そこに自主制作映画の可能性を感じました。プロの映像と差のない作品、劇場で掛けられるような作品を撮りたい、と。そういう意味で、今回のような流れが新しい領域になれたらいいな、と思います。これからどんどん新しいものが出てくると思いますし、僕自身、決して悲観的に見てはいません。刺激し合いやっていけば手段はいくらでもあるはずだ、と信じてます」。それぞれに信念をもって映画に臨む2人。これからどのような道を歩んでゆくのか楽しみだ。■関連作品:イエローキッド 2010年1月30日よりユーロスペースほか全国にて順次公開■関連記事:現代の若者に贈る二焦点活劇『イエローキッド』劇場鑑賞券を3組6名様にプレゼント「本屋大賞」「映画館大賞」に続き、映画館主が新鋭監督を発掘するプロジェクトが発足
2010年01月27日