モンクレール ガム・ルージュ(MONCLER GAMME ROUGE)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク最終日の2017年10月3日(火)に発表された。会場に並ぶ無数のミラーボール。天井からは巨大な球体がぶら下がり、ギラギラと輝いている。ショーの始まりは、そのミラーボールをくぐり抜けるようにダンサー集団が登場。足元にはトゥシューズを履き、つま先立ちでくるくると回る。エレガントな足さばきとは異なり、上半身は力強い動き。手を伸ばし大きく広げパワフルなダンスを見せてくれた。コレクションピースは、彼女たちの動き、佇まいなどととても重なるところがあった。ベースとなるのは、エレガントな女性らしさ。シフォンやチュールなど軽やかな素材に、フェザーやレースが交わり優しい印象に。スカートはミニ丈で、花のプリントをあしらったものもある。オフショルダーのトップス、ビジューのついたショートパンツ。ウエストマークまたは絞ってシルエットの緩急を付けて、フェミニンなムードを高める。そこに無数に散らばる、程よいスポーツテイスト。スウェットトップスやフーディ、小物からはヘアバンドやナイロンバッグ、レッグウォーマー、ナップザックなどが取り入れられた。バレリーナがダンスレッスンを終えた後のようなラフさがそこにはあり、仕上がりはとてもモダンに見える。レイヤードアイテムとして度々登場した、チュールのスカートもバレリーナたちへのイメージに拍車をかけた。ラストは、幕開けを飾ったダンサーたちの再登場から。そこに、赤・白・青トリコロールカラーのフードジャケットを纏ったモデルたちが加わり、一同に整列。モンクレールらしい迫力あり、思わず写真に収めたくなる美しい演出と共にエンディングを迎えた。
2017年10月07日アニエスベー(agnès b.)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク最終日の2017年10月3日(火)に発表された。今季はフレンチシックなムードを残しつつも、若々しいテイストにシフト。カジュアルウェアと鮮やかなカラーを散りばめて、フレッシュに仕上げた。スクエアネックのワンピースやパンツスーツといった、アニエスベーらしいクラシカルウェア。そこに加わるのは、日本のストリートでも人気のあるブランドロゴTを筆頭に、スウェットフーディ、スタッズ付きのキャップといったストリートの要素だ。ロゴTシャツはメッシュTシャツのインナーとして、またはタンクトップ型になりスカートの上に重ねたレイヤードピースとして活躍。ブラック&ホワイトでまとめたスタイルは、パンクのテイストも感じさせる。また、チノパンやオーバーオール、ポケット付きシャツなど、ワークウェアとの起用も今季らしい。ファブリックはリネンやコットンなどが多く、ラフな印象。新しさと言えば、軽さのあるレザーがポイントに。アニエスベーのアイコンである、たくさんボタン並んだカーディガンやレギンスになって登場した。毎シーズン様々な風景を捉えたプリント。今季はパリの街のアイコンであるエッフェル塔や広大な田園風景、海鳥が集まる海岸、澄んだ青空などが切り取られた。また、万華鏡のような幾何学模様、安全ピンモチーフなど、ポップなプリントも多数。チェック柄、丸や四角を組み合わせたグラフィカルな模様と交わり、リズムのあるコレクションへと導いている。
2017年10月07日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が、2018年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
2017年10月06日ジョルネ(JOUR/NÉ)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月2日(月)に発表された。ジョルネは、リア、ルー、ジェリーの3人が手掛けるファッションブランド。フランス出身のリアとルーらしい、フランスのエスプリがきいた会場で、たくさんの花々が並んだこじんまりとした庭園が舞台となった。その花園のアイデアからか、フラワーに鱗のような模様を加えたオリジナルテキスタイルが多数起用。ジャンプスーツになったりドレスになったり、様々なオケージョンに対応できるシルエットで提案された。ウィメンズと一緒にメンズも発表されたのだが、ショートパンツを中心としたラフなウェアが多い。女性服は、テインディテールを取り入れたりフリルを飾ったり、ワンポイントアクセサントを効かせているものが中心だが、パイル地を使ったり、ハート刺繍のデニサロペットやジャケットムを使ったり、やはり日常着に寄り添うものが多い。また、シーンに応じたコーディネートを提案しているのか、度々フランス語で曜日を意味するロゴTシャツが登場。その下には時間が記されていて、7:45、12:30、23:30と朝~夜までジョルネと共にファッションを楽しむと伝えているようにみえる。最もキャッチーでコレクションの目玉となったのは、コカ・コーラとのコラボレーションだろう。中庭の中央に設置された椅子にモデルが座ると、男性モデルが近寄りコカ・コーラを手渡し。ゴクゴクと喉を潤すモデルの背景には、CMで流れる音楽が流れている。この演出を受け、真っ赤な下地に白い文字のコカ・コーラロゴも登場。ショーツやロングTシャツの上に乗り、のど越しのように爽快な後味をコレクション全体に残している。
2017年10月06日レオナール(LEONARD)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月2日(月)に発表された。マスキュリンなウェアから幕開けした今季。テイラードジャケット、ポケット付きのシャツとパンツのコンビ、オーバーサイズのコートなど、男性的な装いから始まっている、しかし、蓋を開けてみると、ポップで楽し気な印象。特に動きのあるドレスと夏らしいビーチスタイル、加えて鮮やかなカラーパレットが鍵を握る。太陽が降り注ぐ白浜のビーチ。そんなシチュエーションで纏いたいのが、レオナールの今季のドレスだ。大きく広がったフレアなライン、大胆にカットオフされたバッグスタイルは印象的。ホルターネックにしたり、ラインテープを添えたり、元気なディテールも夏の印象を強める。ブルーベースの花模様やパキッとした橙色といった色使いもポイントだ。このサンドレスと並ぶ、夏の装いはスイムウェア。大振りのフラワーを描いたテキスタイルで、ワンピーススタイルとビキニスタイルを提案。ビックサイズのトートバッグは、夏の旅行にもぴったりだ。また着物スリーブ風の優雅なワンピースは、海を上がった後に纏いたい、思わずそういった物語をイマジネーションさせてくれる逸品。レオナールらしい長所として美しいプリントがある。発色がとてもよく、一つひとつの色彩からパワーをもらえる感じがした。そういった伝統的な要素に加えて、タンクトップやフード付きコートなど、スポーツミックスを行ってモダンさを追求するチャレンジ精神も印象に残る。
2017年10月06日アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。今季、クリエイティブ・ディレクターのジョニー・ヨハンソンが関心を寄せたのは、ファッションの外の世界。今シーズンを一言でいうと個性の爆発、それくらい1つ1つのピースに独自性があり、パワーがあり、特徴がある。ミラーパーツのようなギラギラとした光沢と、サーフルックで見かけるような蛍光色。フォーマルとカジュアル、男性性と女性性。70年代のようなエッセンスと現代のストリートに溶け込むモダンさ。共通項のないもの同士が集い、”悪趣味ギリギリ”な攻めのコレクションを築き上げる。パンツスーツはゆったりとしたサイズ感で、肩もずり落ちアームは垂れ下がり、メンズ服を着たときのようなルーズなシルエット。カラーはミントグリーンにオレンジのボタンと刺激は強め。交わるパイソンのミニスカートや大きな襟のサテンシャツは、70年代のエッセンスを感じさせる。また、ミラーボールのような輝きを放つビーズ、ポケットでジャラジャラと動くネジのようなシルバーパーツなどを筆頭に、デコレーションは充実。ブランドのアイコンであるデニムパンツも、スパンコールで埋め尽くされて、カジュアルな雰囲気とは一線を画している。パスポートのスタンプを散りばめた半袖シャツたタイトなブラトップは、シアーな素材で仕上げて。今季は素材にもこだわり、細やかにアレンジしたモデルが多数。プラスチックのように見える生地も、本当はデニムで上から特殊な加工を施したものだ。
2017年10月06日sacai(サカイ)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月2日(月)に発表された。今シーズンも、異なるテイストと素材を組み合わせて、サカイ流のミックススタイルを提案。昨シーズンと比べると柔らかな印象で、ティアードドレス、フレアスカートといったフェミニンなピースが多く展開されている。カットアウトやジップによる解体に加えて、パッチワークのテクニックも起用。迷彩シャツやMA-1といったミリタリー要素には、グレンチェックのテーラードなどブリティッシュカルチャーをマッチ。ドッキングコートはもちろん、それぞれのテキスタイルを取り出し、プリーツのロングスカートやフレアなスカートも作り出している。テーブルクロスのようなクロシェレースは、デコラティブなパンク・パッチワークでワンピースに。大きさ、カラーの異なるチェック柄を縦縞模様に並べて作ったリメイク風スカートも登場した。また、今季らしいアレンジとして、洋服を巻き付ける手法もあった。ナイロンジャケットやチェック柄ジャケットのアーム部分を結んで、リボンのように胸元に巻き付ける。洋服をくちゃくちゃとしてバックスタイルにのせた、バックパックのようなアレンジもあった。異なる要素が多数共存しているが、軽やかさと程よいラフさを感じられるのは、スポーツミックスのおかげだろう。ロングドレスは、タンクトップのように大きくくり抜かれた袖口がポイントで、ナンバリングロゴのトップスも展開。ドローコードは大活躍で、ボリュームコントロールしてアシンメトリーなシルエットをより強調させる。ほかに、中華ボタンを配したデニムジャケットといったカジュアルなピースも交じっていた。
2017年10月05日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2018年春夏コレクションが、日本時間2017年10月4日(水)午前1:30より、フランス・パリで発表される。ファッションプレスではその模様をライブ配信。2017‐18年秋冬コレクションは「境界線」を取り払い、都市と遥か遠い地方のエッセンス、マスキュリンとフェミニン、メゾンの伝統と現代のフィーリングなど、様々な要素を融合。3種類の素材を使用したドレスやフレアなクロップド丈パンツ、ミニ丈のスカートなどが展開された。また、音楽にはニコラ・ジェスキエールの好きなジャパニーズカルチャーより「攻殻機動隊」が選ばれるなど、日本文化も大きな役割を担っているシーズンとなった。前回から引き続き、舞台はパリ市内のルーブル美術館。名作が集うこの場所からリアルタイムで届く、最新コレクションに注目したい。【詳細】ルイ・ヴィトン 2018年春夏コレクション開催日時:日本時間 2017年10月4日(水)午前1:30現地時間 10月3日(日)18:30
2017年10月05日9月30日、ビューティフルピープル(beautiful people)がパリで、2018年春夏コレクションを発表した。先シーズンに引き続き、パリ・ファッション・ウィークの公式スケジュールにてプレゼンテーション形式でお披露目。テーマは“MAKE LOVE”。相反するものの組み合わせで固定概念を取り払った斬新なコレクションを展開してきた熊切氏は今季、男女が惹かれ合い一つになる瞬間のラブストトーリーを描いた。プレゼンテーションでは、会場中央にモデルとフィッターが登場し、着付け方を見せながらルックが変化していく。真ん中でカットアウトされた洋服たちが、ファスターやボタンの着脱によって一つの洋服として生まれ変わる。観客は、どんな洋服に仕上がるのか、どのように交わり合うのか、想定が難しい複雑な工程なだけに、興奮気味に目を向けていた。一つひとつはベーシックなアイテムばかり。トレンチコート、ノースリーブのロングドレス、ボリュームスカート、テーラードジャケットなど。全体的にグレーや黒といった落ち着いたカラートーン。紡ぎ出されるラブストーリーは、燃え上がる恋愛ではなく、互いを補完するかのように愛し合う恋人同士の物語といったイメージだ。パリでのコレクション発表を初めて行った先シーズンは、日本を全面に押し出した内容だったが、今季は和の要素はほとんど感じられない。ガラッと方向転換した実験的なプレゼンテーションは、熊切のデザイナーとしての柔軟性と創造性の高さが発揮されたのではないだろうか。早くも半年後の次のコレクションが楽しみである。
2017年10月05日マリメッコ(marimekko)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月1日(日)に発表された。プレゼンテーション形式をとった今季は、フィンランド・ヘルシンキより機械を持ち込み、アイコンテキスタイル「ウニッコ」の制作過程を紹介。茎を色付け、花びらに色を差し、背景色となるブルーカラーを塗るまでの工程を非常に長いテキスタイルを吊るして表現した。モデル達はその前に並び、さらにそのテキスタイルの間をかき分けるようにウォーキング。今季は、マリメッコの原点に立ち戻るもので、新作プリントに加えてアーカイブも多数登場している。全てのピースに共通するのは、ゆったりとしたサイズ感とリラックスした印象。ウニッコのドレスは、ウエストなどを絞ることなくたっぷりとしたサイズ感のため、テキスタイルの面積が大きく色柄の美しさが伝わりやすい。しかしながら、首元はVの字にカットされ、いい塩梅に抜け感が出来ている。ストライプ模様のドレスは、ウエスト辺りから斜めのストライプ柄に切り替え、裾も同様に斜めにカットアウトしてリズムをつけた。シャツやパンツ、膝丈スカートなども展開されているが、どれもリラックスしたムードは同じ。波のようなウェーブプリント、シンプルなストライプ柄などで提案されている。また、今季は同柄でコンビネーションを楽しむ着こなしも提案。シャツドレスやロング丈のワンピースに、ワイドパンツを合わせたセットアップスタイルが多く展開された。小物ラインからは、人気のコットン地トートに加えて、バックパックが登場。足元は甲まで覆った履き心地のよいレザーシューズが起用されていて、履き口が斜めにカットされていたり、キトゥンヒールになっていたりと、可愛らしいデザインが取り入れられている。
2017年10月04日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。今季は、ヴィヴィアン・ウエストウッドの夫であり、ブランドのクリエイティブ・ディレクターである、アンドレアス・クロンターラーの名前「andreas」と名付けられたシーズン。コレクションノートには、自分の名前がなかなか好きになれなかったことや他の国が母国であったらよかったという本音とともに、年々色の持つ官能性に惹かれていることが綴られている。始まりは、真っ白なダウンをストールのように巻いたモデル達の登場から。首から頭、そして足首から下しかよく見えないが、中はスイムウェアかアンダーウェアを纏ったくらいのように見える。ショーを開けてみると、コレクションノートの言葉通り、鮮やかな色彩に溢れ色の魅力を伝えているように感じる。赤やブルー、オレンジ、黄色。ダメージ加工、ブロークンディテール、落書き風のハンドペイントなど”正統派”ではない世界に溶け込んだパレットは、ブランド特有の反逆的な精神までも明るく見せてくれる。また、色と色の重なりを楽しむように、パッチワークデザインが多い。スニーカーモチーフや絵画風のテキスタイルなどを組み合わせたドレス、パンツ、トップス。象徴的な性に関するプリントも今季は真っ赤なハートマークを上からペイントされポップなムードだ。また、小花柄のスカートと大きなハットは、アンドレアス・クロンターラーの出身地であるオーストリア・チロル地方の伝統衣装をイメージしているようにも見える。生地を破ったり割いたり、またテイスト違いのビックサイズのジャケットなどとのコーディネートも、過去に抱いていた母国へのマイナスなイメージを表現するように映った。自分自身の本当の姿を再現する開放感は、南国の島への旅にも繋がったようだ。特にメンズは、スイムウェア風のショートパンツが多く、アロハ柄で彩られている。女子モデルの耳には、サクランボやラズベリーなどビックサイズのフルーツピアスがぶら下がり、こちらも純粋にファッションを楽しむ、開放感のようなものが生きている気がする。
2017年10月04日オリヴィエ ティスケンス(OLIVIER THEYSKENS)が、パリで2018年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
2017年10月04日ビューティフルピープル(beautiful people)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。今季のテーマは「MAKE LOVE」。今季、デザイナーの熊切が行ったのは、異なる2つのものを融合させて一つにすること。惹かれ合う男女が繋がるように、相反するふたつのものがひとつになる瞬間と完成図を表現する。プレゼンテーション形式で行われたショーでは、会場中央にモデルとフィッターが登場。真ん中でカットアウトされた2つの洋服を持ち出し、ファスナーを上げたり下ろしたり、ボタンをつけたり外したり、リボンを結んだりほどいたり。そんな手作業を繰り返しながら、2つのワードローブが綴るラブストーリーを紹介する。実験的でユニークな仕掛けのウェアではあるが、ベースデザインはとてもシンプル。ボリュームスカート、ジャケット、ノースリーブドレス。素材にはコットンやシルクを使い、カラーは黒やグレーなど落ち着いたパレットを基調とした。パリデビューとなった昨シーズンとは変わり、和の要素も消えている。トレンチコートとライナー、デザイン違いのふたつのドレス、ショートブルゾンとテーラードジャケット。異なるアイテムが交われば、色柄も同時に一緒にになり、黒とグレー、花柄とチェックが溶け合っていく。プレゼンテーション形式で着付け方を見せてくれているのに、その交わり方は非常に曖昧だ。どこまでがどちらの洋服であるかの境界線を決めることができないほど、テキスタイルが右往左往している。その複雑さに変わり、デザインがとてもシンプルなため、完成した姿はすっと心に馴染む。
2017年10月04日A.P.C.(アー・ペー・セー)の2018年春夏コレクションが、プレゼンテーション形式でフランス・パリで発表された。2017年9月29日(金)のことである。昨シーズンブランド30周年を記念し、ランウェイショーを開催したA.P.C.。新しいステージの幕開けとなる今季は、ブランドのアイデンティティである「デニム」にフォーカスした。今季はスタンダードなパンツ、膝丈スカートに加えて、遊び心溢れるデザインが揃う。デザイナージャン・トゥイトゥが、カラフルなペンキを思うがままに飛ばしたというデニムパンツ。パンツを広げてエプロン型にしたスカート。ジャケットとパンツをドッキングさせて解体したコート。構築的なフォルムにリデザインしたケープなど、進化型デニムが盛りだくさんだ。デニムと並んでキーワードとなったのは、フェミニン。フレンチシックで可愛らしい。そんなA.P.C.ガールに合わせたのは、小花柄のワンピースだ。色柄は豊富。パープル、イエロー、レッド、春の花々がコットン地の上に咲き誇る。胸元のリボンや揺れるようなフリルは、より可憐な印象へと結びつける。また、暖かな季節の訪れを楽しむように、さらりと一枚で着れるトップスも一緒に。フラワーと小鳥に彩られたこのトップスは、同柄のフレアスカートと合わせてセットアップでのコーディネートも楽しめる。
2017年10月04日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。ナチュラルでほんわかした印象を受けた。スタッズチョーカーやトゲトゲのヘッドピース、レザーのライダースジャケットなどで、一見パンクロックを感じさせつつも、北欧デザインのような優しいボタニカルモチーフ、有機的なラインデザインが揃い、日常に取り入れやすいカットソーやTシャツワンピース、シャツなどが多かったからだ。序盤のキーワードは3Dドレス。うねるようなライン、スクエア型のモノグラムなど、グラフィカルなプリントテキスタイルの上に3Dの要素がのる。渦のように深く掘った穴、無数の空洞、地面と水平の突起、半円形型のこぶ。ドレスのいたるところに散りばめられ、見たこともない超立体的なドレスが完成している。続くのは、模様に合わせたカッティングとテキスタイルの重なりを楽しむピース。スクエア型モノグラムのコートは、モチーフに合わせて直角のショルダー。ウェーブ模様のコートには丸みのある肩回り。ドット柄のトップスは裾もラウンド型にカッティングされ、ボーダーTシャツはサイドを三つ編みのように生地を編み込み、模様に合わせてドレープを作る。青々とした木々に溶け込めそうな、オリジナル迷彩柄の登場とともに、興味関心は円形にシフト。円形パーツをパズルのように組み合わせたコート、ワンピースが揃う。卵のような丸みとぷっくりと膨らんだフォルムは、なんとも女性的で可愛らしい。半円と円形パーツをコンビネーションさせたドレスは、背中に蝶々が止まったように4つの羽が広がり、幸せな気分にさせてくれる。
2017年10月03日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。今シーズンは、ロング&リーンのアイコンシルエットに、”表と裏”を使った遊びを加えた。裏地にアクセントを付けたものが多く、襟元、袖口、胸元など随所で”裏”の姿を登場させて色の組み合わせを楽しんでいる。ノーカラーのロングコートから覗く、真っ赤なライナー。ジャケットは、ボタン口をカットオフしてあえて裏地を見せた。先に発表されたメンズコレクションでも見られたが、剥くようにして生地を破り裏地を見せた、パッチワーク風のジャケットも展開される。また”表の顔”となる前からみた姿と”裏の顔”後ろ姿が大きく異なるルックもある。真っ赤なパンツセットアップは前から見るとフォーマル。しかし、バックスタイルはトンネルのようにくり抜かれて、背中を大胆に露出させている。色の組み合わせという面では、度々登場するドレスやトップスにも共通項がある。2色のカラーを使い、テキスタイルをくるくるとねじり上げる。出来上がったのはアンバランスで不均衡なデザインであるが、色のコンビネーションが美しい。特に、ハイダー アッカーマンには珍しいパウダーイエローやライトブルーといったソフトな色合いは、ホワイトと相性がよくハッピーな印象を受ける。
2017年10月03日ロエベ(LOEWE)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。今季のロエベウーマンは世界中を旅する女性。クラフトに造詣が深い人物で芸術的な感性が鋭い人物だ。そんな女性像を表現するために、クリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンが取ったのは、ラフなアイテム使いとアシンメトリーなカットアウト。旅に最適なアイテムとして、今季はTシャツを提案した。シンプルな白いTシャツとロエベのロゴTシャツ。それに、ストレスなく歩けるブーツとスニーカー、気候の変化に対応できる大判のショール、バケットハットを。ボトムスにはデニム、さらにジャージ素材も起用して身軽さを追求する。揃ったワードローブには、ロエベウーマン独自のクリエイティビティでアレンジを加える。白Tはロングワンピースにして、パステルカラーのチェック柄テキスタイルを上から重ね、ロゴTシャツは裾をカットとしてフリンジのように飾る。旅のお供にと、ライニングがなく、リバーシブルで使える新作バッグ「テント」も取り入れた。また、旅先で見つけた文化はファッションとして取り入れる。そんな自由なマインドを表現するかのようにパッチワークデザインが多く登場。ペイズリー柄、マルチカラーストライプ、ギンガムチェック。これらをベージュ、ホワイト、ブラックといったベーシックカラーとコラージュしてドレス、コートなどを作り出した。彼女の創造性を象徴する不均衡なシルエット。ロングドレスはウエストあたりでくり抜くようにカットアウトされ、トレンチコートは裾を細かく切り込みリボンテープが斜めに広がる。そこに、レザーのパッチワークを添えて。細かな刺繍や整列したくるみボタンも、彼女のアーティスティックな感性を物語る。なお会場には、スティーブン・マイゼルが撮影したロエベのビジュアルから作った大型のタペストリーとモー・ジャップによるミニチュア陶芸彫刻をデコレーション。装いだけでなく空間そのもので、ロエベウーマンのキャラクターを表現していたようだ。
2017年10月03日カルヴェン(CARVEN)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。新クリエイティブ・ディレクターに、セルジュ・ルフューを迎えて初めてのショー。そのフレッシュさを体現するように、会場にはパリ市内の大学FACULTE DE JUSSIEUが選ばれた。新生カルヴェンの印象は、スポーティな要素とワークテイストが盛り込まれていて若々しい。また、ウェアラブルであることがデザインの念頭にあるようで、都会に溶けこみやすい程よいデイリー感がある。統一されているのは、アシンメトリーなシルエット。前は短く後ろは長く、または反対のフォルムがほぼほぼ全てのピースに落とし込まれた。トップスに関しては、8の字のような凹凸が多く起用され、丸みのあるアームやショルダーに対して、ウエストはキュッとタイト。ギャザーを寄せたり、ベルトを配したものもある。アイテムは、プリーツスカートやノースリーブワンピースなど、女性のクラシックウェアを基調に。そこにクロップドタイプのキルティングダウン、ワークジャケット、ラガーシャツなどが組み合わされる。気の利いた繊細なディテールも印象深い。シャツに部分的に描かれたイラストや、キャラクター風のワッペン。スカートやパンツには、フリンジ、パールなどを使った立体的な刺繍がランダムにあしらわれている。若々しい感性から、ポップな模様も生み出された。鳥やアルファベットをモチーフにしたプリントは、思わず見惚れてしまうほど可愛らしい仕上がり。ただ、色使いがカーキやベージュ、ブラウンなど落ち着いているためか、主張は強くなくひっそりと潜めているような印象だ。
2017年10月03日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年9月29日(金)に発表された。雨降りしきる夜のパリ。日中は強い日が差し、ここ数日に比べて暑さが際立つ気候であったのに、ヨウジヤマモトのショー前に、滝のような豪雨が降った。ショーが始まると、そんな”過酷な環境”が嘘みたいに穏やか。響き渡るギターの音色、モデルのゆっくりとしたウォーキング。そして、プリーツ、ドレープ、ギャザーなどを集め立体美を追求した”足し算”の昨シーズンとは変わり、今季は引き算の美学。慎ましく控えめ、これが第一印象だった。おそらく、今季のキーワードは切断だろう。山本耀司が仕立てたテーラード、コートは、その美しい完成体を惜しげもなく、縦横無尽にカットアウト。トレンチコートは、ボディからアームが離れて肘の辺りまで落ち、テーラードコートは本来お腹のあたりにあるはずの中央ボダンがアームへ。バックスタイルはどれも斜めにカットアウトされ、カーゴパンツのサイドポケットはひどく下に落ち、ひざ下の位置に。どのパーツも本来の位置にはないのに、洋服の美しい形を保てている。技術だ。バラバラになった生地はボタンで繋ぎ留め、そのボタンもきちんと上から下まで止めることなく、ずれていたり抜けていたり。足りない部分はあて布のように1枚布をアタッチ。これらが集まると、観る者の予想だにしていない膨らみやドレープ、フレアなシルエットなどが生まれ、女性らしいフォルムが作られていく。後半に続くにつれ、このカットアウトは潔さを増し、洋服は綺麗に半分こ。サロペットもドレスも全部中央で真っ二つになっていて、ボタンや金具で絶妙に止められている。そこで流れる音楽は「俺を置いて消えていく、辛いことがあったんだね、キレイだよ君の背中」というナンバー。過去の恋人を想うのか、甘く切ないメロディーにぱっくり背中が真っ二つになったドレスがのる。よく見ると背中には、ロゴシールのようなものが付いていて、全ての文字は読み取れなかったが「LOVE」といった文字があったのは確かだった。切断というクリエーション手法には似つかわしくないが、今季は愛に溢れた創作であったのかな…と妄想が膨らんだ。
2017年10月03日リック・オウエンス(Rick Owens)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。会場につくと手渡されたのは雨カッパ。シートの前には巨大プールのような、水を引いた広場が広がっている。水族館にイルカショーを見に来た時のような興奮と、一体リックは何を始めるのだろう…という期待が観客を包み込んでいた。始まりは静かで、この水場に沿ってモデルが闊歩するものだった。ファーストルックからしばらくは白いドレスの連続。折り紙のように織り込んだり、テキスタイルの中に空気を入れ込んだり、ひねったり、カーブさせたり。片方だけ長いアーム、片足だけのアームウォーマー。シルクツイルやナイロン、テクニカルコットンキャンバスといった素材を自由気ままに触り、アンバランス組み合わせ、" リック・オウエンスのスタンダードウェア"を作り上げていた。しかし、そこからが今季の始まり。突如として目の前の水場から天まで登る勢いで無数の噴水が発射。と同時に、大量の水しぶきが観客に降り注ぎ、先に渡されたカッパの意味を知る。幻想的な霧に包まれたような靄がかかった会場には、彫刻のようなピースが新作ウェアとして紹介される。ボディの周りにまとまっていたテキスタイルたちは、身体の中央から離れ、首の上に向かって高く伸びるもの、ウエストから離れて前に前にと繰り出してくるものなど様々。サナギのような丸みと同時に、鎧のような硬さ、どちらも感じとれる不思議なシルエット。フリル、Tシャツの首元のようなリブがそこらかしこに散らばり、どこがアームでどこがネックでという概念そのものまでも払拭されている。とにかくショーそのものがエンターテイメント性が高く、誰もの心にしっかりとリックオエンスのクリエーションが刻まれたに違いない。凄まじいスプラッシュできちんと直視出来なかった人もいるかもしれないが、誰もの心に「アハハハハハハ」という笑い声サウンドだけは残っただろう…。
2017年10月03日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年9月29日(金)に発表された。テーマは、2つの顔を持つ「JANUS」。共通項を持ちながらも対照的な要素をファッションを通じて表現する。演出は非常にドラマティックで、ほぼ同じ背丈のモデル2人が1組になり”双子ルックコーデ”のまま手を繋ぎながら会場を回った。相反するもの、象徴としてリバーシブルウェアを魅力的に映し出した。ショーの始まりはとてもフェミニンで、ワンピースにソックスがユニフォーム。ミニ丈、フリル、フレア、リボン。少女趣味のルックが並んだ。彼女たちは、バッグ、シューズ、ヘアアクセサリー、ピアスまで一緒で、片方の襟がめくれていれば、もう片方の襟もめくられるほどそっくりさんだ。違うのは、カラーリングと洋服の上にのった模様、モチーフなど。白い雲が浮かんだ朝の街と星が瞬く夜の街。人々の下に根を張る木の幹と青々とした草木。と、物語性のある対局のものを見せ、観客のイマジネーションをくすぐる。ロリータチックなムードから、男性性・ダーク・ゴシックといった要素が並ぶ世界へトリップ。転換の火付け役となるのは「CINDY SHERMAN」プリントの登場だ。彼女を映した、モノトーンのプリントドレス、ベアドレスの反対には、唇やリンゴ、黒猫を象ったビジューモチーフがいっぱい。そこからは、涙を流した瞳と血のような鮮血の赤、「LOVE ANIMAL」と「HATE HUMAN」のロゴ対比、とメッセージ性の強いデザインが強調される。そろそろフィナーレかというタイミングには、サプライジングな演出が。ライトブルーのミニドレスにハイソックスを着たモデルが5組。ただ、それぞれ左側の子だけが赤い糸状のアクセサリーを身に着けている。よく見ると、二人はそっくりで本物の双子を登場させたようだ。表の顔と裏の顔、二つ同時に並んで真っ赤な装飾を加えれば、どこか”2つの顔”は狂気的な感じに映る。
2017年10月03日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年9月29日(金)に発表された。荒々しい大地の割れ目、太陽の光を浴びた溶岩、透き通った氷河。何万年もの時をかけて生まれた、アイスランドの豊かな自然が今シーズンのインスピレーション源だ。テーマは「A Piece of Memory-記憶のカケラ-」。今シーズンは、オリジナルテキスタイル「スチーム ストレッチ」が、進化を遂げる。折り目をあらかじめ織り込み、蒸気で縮めてる作るこの素材を再びフラットに戻した。こうすることで、プリーツの割れ目からベースの生地が覗き、これまで見たことのない新しい表情に出会うことができる。ショーの始まりは、この進化した「スチーム ストレッチ」を紹介するべく、ダンサーたちの前衛的なダンスと共に。バルーンシルエットやフレアなトップスなど、フォルムの異なる服を纏ったダンサーは、ダンスで身体をぐっと伸ばすと同時に、テキスタイルにも圧をかける。すると、先まで黒の中からほんのりと顔を出していたベースの白が、このストレッチ効果によって大きく現れるようになる。コレクションピースでは、アイスランドの風景を生地にプリント。そのため、モデルたちの歩みに応じて、海の青や溶岩の茶など、広大な自然を思い起こさせる豊かな色彩が顔を出していた。特殊なのりをプリントして高温で膨らませた「ベイクド ストレッチ」のドレスも同様に、アイスランドの風景をおぼろげに映し出し、遠い地への想いを搔き立てる。今季は、プリーツ素材だけでなく「キューブ(CUBE)」という名のテキスタイルも登場した。異なる素材を格子状に張り合わせたこの生地は、ランダムに隣合う色を変えることでまるでアートピースのような仕上がりになっている。
2017年10月03日ラコステ(LACOSTE)が85周年を機に再びパリへ。14年続いていたアメリカ・ニューヨークでのコレクション発表を辞め、2018年春夏よりパリへ帰還する。アニバーサリーショーは、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2017年9月27日(水)に発表された。タイムレスでヘリテージ。創業より大切にしてきたキーワードに、デザイナーのフェリペ・オリヴェイラ・バティスタがメスを入れる。過去のコレクションを改めて見直し、軸となるのはスポーツ着想のアイデアと決めた。そこにモダンさ、ストリートへの溶け込み、若年層にうけるフレッシュさ、定番のリデザイン…といくつかのキーワードを掲げて、新たなラコステワールドを築き上げる。新生ラコステを彩るのは、デイリーワードローブの起用。ウォッシュ加工をしたデニム、チェーン付きのクラッチバッグ、ビックサイズのアイウェア、女性らしいパンプス。スポーツシーンでは見れらなかった、ファッショナブルなピースが今季の基軸を担う。ワニロゴのアイコン・ポロシャツは、スリット入りのラフなドレスに転換。また、ウエストラインに波打つボーダーラインを添えてモダンにしたものもある。同じくワニロゴのニットは、サイズ感をゆったりとさせ、アームを長く。カーディガンは、ボタンをアレンジ。コインのような大きなサイズにして全て金色ボタンに変換させた。ストリートを意識した現代化。すべてに共通するのはその指向性であるが、随所に散りばめらたプリントだけはヘリテージをフル活用した。ラコステを象徴するワニ、テニスボール、ポロシャツ、メガネ。全てのモチーフは、ラコステのこれまで歩んできた軌跡に繋がる。
2017年10月02日オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE ℅ VIRGIL ABLOH)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。テーマは「natural woman」。このテーマが自然体の女性を映し出したものかは定かではない。しかしながら、どちらの解釈にせよ会場に集まるジャーナリスト、エディター、バイヤー、スタイリスト、フォトグラファー…といった働く女性は共感するシーンが多かったはずだ。ヒールを脱ぎ捨て手に持ちスニーカーで歩く姿、パーティーだからと気張って豪華なドレスを纏う姿。ヒールまで覆ったパンプスやブーツなどのシューズは、「雨に濡れたくない」「新品だから大切に履きたい」なんてつい思ってしまう本音のようにも見えるし、とにかく女性心理をうまく突っついたコレクションであった。その印として「ラグジュアリーなストリートウェア」をコンセプトに抱えているブランドとは思えないほど、女性らしい仕上がりであったが、ショー終了後は拍手とブラボーの声が止まなかった。コレクションピースは、先のリゾートコレクションでも存分に感じていたが、直接的なストリートの定義は排除されている。テーマに沿った、フェミニニティが大きな幹。仕事場で着るスーツ、華やか場で纏いたいドレス、デートで着たいタイトなスカート。日常シーンをイマジネーションできるピースが今季の中心である。花柄、シフォン、チュール、ピンク、リボン、スリット、ティアードドレス、ベアドレス。洋服の名称も素材も模様も色柄も全部ミックスしているが、こんな女性的な要素がランウェイに溢れている。なのに可憐にならない。花柄は鮮やかなピンクとモノクロを共存。スリット入りタイトスカートはロゴ文字を内側に隠す。ジャケットのパートナーはカジュアルなハーフパンツ。パンプスに乗せたリボンは床につきそうなほどビックサイズ。と、揃ったカードは女性らしいのに、ウィットに富んだ調理で、男性性も併せ持った現代女性の心理に迫る。ポップなアイデアが効いていたのは、洋服だけじゃない小物もだ。先に挙げたビニールラップ型のシューズを筆頭に、ギフトボックスのようにリボンを巻いたクラッチ。TIME、LIFEと現代女性に大切なワードをバッグにしたアイテムまでも。本来はエレガンスに見えるはずのグローブもくしゃくしゃしたフォルムで、何か憎めない愛嬌がある。
2017年10月02日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2017年9月27日(水)に発表された。今季のドリス ヴァン ノッテンは楽し気だ。コラージュ、モンタージュ、アッサンブラージュ。大切に作り上げたピースたちを寄せ集め、立体的に重ね合わせ、全く新しい生命体を作る。そんな冒険心と好奇心に溢れた、ポジティブなシーズンである。まずは素材作りから。ドリス ヴァン ノッテンおなじみのジャカードは、ボタニカルやスターフィッシュ(ヒトデ)をモチーフにしたハッピーな印象。。輝くシルバーや淡いラベンダーなどを使用して丁寧に作り上げた。そこに交わるシルクプリント。こちらは、1920年代のアール・デコから1980年代の装飾スタイルまでを着想源とした。シュルレアリスムのリップ、ペイズリー柄、幾何学模様…仲良く手を取り合うようにプリントにプリントを重ねてカスタマイズする。新作ウェアは、心躍る気持ちに反映して軽やかな印象、そしてフェミニンだ。オーバーサイズのジャケットはオーガンザで包み込み、テーラードジャケットはラペルを取り除き、細いベルトでウエストマークする。パンツスーツは柔らかい素材で仕立てていて、鋭さはなく可憐な印象だ。ストラップのハイヒールサンダルにシャツドレス、シルクスカーフのパッチワークスカート。どれも女性らしく今季らしいアイテムと言えるが、一番のキーピースといえるのはスリップドレスだろう。肌の色とマッチしたヌーディドレスには、長く伸びたビジュー装飾を散りばめて煌きを。モデルの目元、口元には同様にキラキラメイクが施され、耳元ではシャンデリアのようなビジューピアスが瞬いている。
2017年10月02日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。先に発表されたメンズコレクションと共通のマインドを持って進む、ウィメンズのピース。スリットやレイヤードで楽しむ軽やかな雰囲気、そしてラフでルーズなコーディネートは、メンズに引き続く今季のキーワードだ。春の訪れは、軽量な素材に乗せて表現した。オーガンザ、シルク、レース、そしてレザーまでも今季は軽快な様子に見える。ジャケット、シャツ、パンツとベーシックなアイテムを基調としながらも、カッティングやシルエットで遊びを付ける。テーラードジャケットやベストは、ロングでリーンなシルエットに整え、中央から潔くカットアウト。洋服本来の形から抜け出し、リボンのようになったテキスタイルは、羽のように広がり優雅に舞う。そののびやかな空気感を助長するように、引きづるほど長いフェザーのストール、そして首からぶらさがったネックレスがコーディネートされる。どちらのアクセサリーも自在に動き周り、黒と白で統一された禁欲的な世界では無邪気な印象だ。シャツやカットソーの類は、原型を忘れるほど大胆なカットアウトを連続で。袖口はえぐるように大きくくり抜かれ、アームはボディ本来からほぼ分解されている。それを肩やウエストから無数に延びるリボンを使って身体に巻き付ける。壊れかけのピースを寄せ集めた完成体は、妙な儚さとエレガンスに包み込まれている。昨シーズンも登場したヘアアクセサリー。今季は、フェザーとフラワーをモチーフにした王冠型だ。今季のショーミュージックは、Warhausの生演奏。ハスキーで独特な声を持つ女性ボーカルのサウンドが耳に残る。
2017年10月02日バルマン(BALMAIN)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。バルマンならではのグラマラスなムードに、ラフさと遊びを取り入れているシーズンである。ショーの中心となるのは、”これぞバルマン”と言えるゴージャスなピース。総スパンコール・スタッズを飾ったデコラティブな素材や、メタルチェーンを編み込んだレザー、ラメ入りニット。これらの煌びやかなファブリックがボディコンシャスなシルエットを形作る。そこに、今季は大輪の花のようなディテールを添えた。スカートの裾、トップスの肩やヘムラインに添えたフリルは波打つように揺れ動く。奥にはチュールが仕込まれているため、ボリュームは満点。ボーダー模様やチェック柄、そしてドット柄穴あきニットなど、グラフィカルなエレメントと交われば、洋服はよりドラマティックな表情となる。新しい試みとして、カジュアルウェアとのドッキングがある。BALMAINのロゴ入りカットソーやロングTシャツなどデイリーアイテムが盛り込まれた。メタルチェーンでラフさをカモフラージュしつつも、ラフなオールインワンも度々登場。また、ボトムスもタイトシルエットに交じって、ワイドスタイルが提案されている。素材も上質素材に交じって、トランスペアレントなビニルを起用。レインコートやスカートになって”フレッシュなバルマン”を作る担い手となっている。
2017年10月02日イーチ × アザー(EACH X OTHER)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。今季のテーマは「Salvage Paradise」。ショーは大きく分けると4つのセクションに分かれ、詩の朗読から始まり、バンドの生演奏と共に歩みを進めた。鮮やかな色使いが特徴の第1パート。赤、青、白、強い色彩で作られたのは、男性性と女性性が共存する世界だ。テーラードジャケット、ベスト、スラックス、スーツスタイルを作るマニッシュなピースが、スリップドレスやシフォンワンピースと同じ配色で仕上げられている。続くのは、カジュアルなルック。Tシャツワンピースや総ロゴのパジャマシャツ、スウェットのフーディ、デニムパンツなど、ラフで軽快なアイテムが並んだ。第1パートとの共通項はシルバーのアクセサリーディテール。先は、ジャケットのラペルと耳を繋ぐチェーンアクセが出ていたが、ここではゆらゆら動くフリンジとなって登場する。音楽の高まりと共に、再びマスキュリン&フェミニンの融合パートへと戻る。スリップドレス、テーラードジャケットなど、先述と同じピースであるが、総スパンコールでデゴラティブに早変わり。ラストにかけては、全くテイストチェンジをしてゴシックなドレスに。コルセットが浮かび上がり、昔のヨーロッパ貴族を思わせるドレスはエレガンスがベース。しかし、背中では髑髏が微笑み、ウェディングベールには暗号かメッセージのような無数の文字が…。仮面舞踏会かのように一斉にモデルたちがマスクを纏い、フリフリレースのアイマスクからじっと強い眼差しで見つめてくるのも、なんとも言えぬ奇妙さがある。
2017年10月02日ヴァレンティノ(VALENTINO)2018年春夏コレクションが、日本時間2017年10月1日(日)24:00より、フランス・パリで発表される。ファッションプレスではその模様をライブ配信。2017‐18年秋冬コレクションは、80年代にムーブメントを起こしたデザイナー集団・メンフィスからインスピレーションを得て、相反するものを結びつけ、一つのピースに形成することをテーマにしたコレクション。鮮やかな色彩、有機的な形状、キッチュなモチーフを並べ、様々な要素が一つにまとまっている。フリルや刺繍などフェミニンな要素に混ざって登場する、幾何学的なパッチワークやポップな手のモチーフ、数字ロゴが印象的だった。パリからリアルタイムで届く、最新コレクションに注目したい。【詳細】ヴァレンティノ 2018年春夏コレクション開催日時:日本時間 2017年10月1日(日)24:00現地時間 2017年10月1日(日)17:00
2017年10月01日その道のプロに、暦や月の巡りに合わせたその時期ならではの開運行動を聞きました。今回は2018年1月~3月の開運行動をご紹介。気になるものは、手帳に書き込んでみては。1月新しい年の始まりの開運アクションは、おいしい縁起物からスタートしよう。・6日ケーキ「ガレット・デ・ロワ」で新年の運試しを「イエス・キリストが神の子として見いだされた日を祝う『公現祭』では、ケーキの中にひとつ入っている、幸運の象徴であるフェーヴという陶器の置物を当てる運試しをします。おいしくて、楽しいひととき」(占術・心理テスト研究家・章月綾乃さん)・20日“大寒たまご”を食べて健康運をUPさせる「大寒の日に生まれた卵は、栄養価が高く、健康運はもちろんのこと、ご縁にも恵まれる気がします。知人から縁起物でいただいて以来、私もギフトの定番に」(ソウルメイト研究家・Keikoさん)2月節分の過ごし方がポイント。日本と中国の伝統行事で、ラッキーを呼び込んで。・3日23時節分の夜は自宅を空けて運を招く「節分の子の刻(23時から翌深夜1時)を、自宅以外で過ごします。最近は占い師の先生方と温泉へ行き、新しいツキを招いてます。この時刻に窓を開けるのも効果アリ」(章月さん)・15日~24日媽祖廟(まそびょう)のお神輿の下をくぐって厄落とし@横浜媽祖廟「横浜媽祖廟では、旧正月(春節)期間中と媽祖祭(3/21)のみ、お神輿の下をくぐることができます。これを毎年の習慣にしてから、良い厄落としとなって、仕事運が活性化した気が。春節期間中、神輿に鎮座する媽祖様は毎日変わりますが、最終日には、3尊の媽祖様が同じお神輿に鎮座。こちらをくぐったら、パワーも増すはず。次は試してみたいです!」(章月さん)神奈川県横浜市中区山下町136TEL:045・681・0909みなとみらい線「元町・中華街」駅より徒歩約3分。※イベントは、2月15日夜~24日午後まで(予定)3月厄落としや浄化を行う好機。来るべき新生活への準備にとりかかる良日もあり。・3日流し雛で厄落とし後、運慶仏の拝観でパワーをいただく「淡島神社で縁起物を奉納後、芦名海岸へ。桃の節句の流し雛には、邪気を祓い、海に流す力があります。その後、淡島神社から徒歩約15分ほどのところにある浄楽寺にて運慶仏を間近で拝観。運慶仏の力強さを感じることで、力を蓄える時間に」(文筆家・広田千悦子さん)淡島神社神奈川県横須賀市芦名1-18-29TEL:046・856・0707京浜急行「新逗子」駅よりバスで約25分「浄楽寺」下車後、徒歩約15分。浄楽寺神奈川県横須賀市芦名2-30-5TEL:046・856・8622・21日1時15分春分に新しいことを始める「西洋占星術の新年は、春分です。髪を切ったり、新品を下ろしたり、逆に春分が来る前に不用品を処分したり。強いアクションを起こすと、季節のリズムに乗れる気がします」(章月さん)・21日早朝フランキンセンス香をたいて家を浄化「春分を境に地上に降り注ぐエネルギーはガラリと変化。早朝、窓と玄関を開け、空気を清める効果のあるフランキンセンス香をたいて住まいを浄化しておけば、新しい気が入ってきやすくなります」(Keikoさん)・下旬吉方位を選んでお花見する「出会いと別れの季節。蕾が膨らみ散っていく桜の姿からは、応援や励ましが感じられます。でも、お花見の方位には注意を。’18年は自宅から見て、北、南東、南は別離運が流れるので避けた方が無難です」(作家、運命学研究家・オペラ沢かおりさん)章月綾乃さん占術・心理テスト研究家。小誌をはじめ、様々なメディアで活躍中。『小悪魔★恋愛心理テスト』(宝島社)など著作多数。Keikoさんソウルメイト研究家。月を使った開運法「ルナロジー」創始者。著作に『お金の「引き寄せ力」を知りたいあなたへ』(小社刊)など。広田千悦子さん文筆家、日本の行事や歳時記の研究家。季節のしつらい講座を開催。『鳩居堂の歳時記』(主婦の友社)など著作多数。オペラ沢かおりさん作家、運命学研究家。幼少の頃から独学で占術を学ぶ。ウェブサイト「PINKIE’S EYE」で毎月の九星別運気と吉方位などを発信中。※『anan』2017年10月4日号より。イラスト・吉田トキオ(by anan編集部)
2017年10月01日