専業主婦として生きてきた母には「私が何のために働くのか」を頭では理解していても、どこか母である私が働くことへの偏見があったのだ。
折に触れ、大人になってからも「家庭・子育て・仕事」について衝突したし、なぜ私が仕事をしたいかについては何度も話をしてきた。私は母の凝り固まった価値観を押し付けてくる部分を反面教師にしている節があり、経済的自立ができるようになりたい気持ちや、社会と繋がりながら自己実現をしたい気持ちが強い。
■無意識のうちに私を落ち着かせる香り
しかし振り返ってみると、口では何やかんや言いながらも母はいつでも私を応援し続けてくれて、私と旦那で手が回りきらない部分に関して、育児にもずっと手を差し伸べてくれていた。
母のようになりたくないと思いながらも、母なしにはやっていけない自分の未熟さを憂う気持ちと、母のように自分の子どもや孫に無償の愛情を注ぎ続けられる人間になりたいという気持ちが複雑に入り乱れるのだ。
そして今回、この記事を書くにあたり、母の愛用している香水の調香を調べてみたら、奇しくもガーデニアに調香されているジャスミンが入っていた。公式には出ていないが、チューベローズもほのかに香り、母が使用している香水を名指しし、その香水に似ている、という口コミすら目にしたのは驚いた。