アルツハイマー病の原因となる脳の老廃物の量が、約2分の1に減ったのです。
また、50~70歳の健常者に毎日180mlの“イソα酸”が入ったノンアルコール飲料を4週間飲んでもらい、脳活動を測定したところ、とくに60~70歳のシニア層でより効果があることが確認されています。“苦い”と感じる脳の刺激を通じて情報伝達機能が改善されることも分かりました」
阿野さんによれば、このイソα酸は、ビール1缶(350ml)に10~30ppm程度(1缶に数~10mg程度)含まれるという。
「苦味の強いものやコクの強いものに多く、辛口や爽快タイプにはあまり含まれていません。ノンアルコールビールにも、ホップが使われているのでイソα酸が含まれます。
昨今、人気が高まっている強い苦みが特徴のIPA(インディアペールエール)やセゾンビールは、ホップを多く使うためイソα酸の含有量も多くなります」
残念ながら「認知症予防のため」とビールを飲みすぎるのは逆効果だという。アルコールの取りすぎは、脳に悪い影響を与えるためだ。ビールの適度な飲酒量は、女性やシニア層で1日あたりアルコール度数5%のビール250gで、ビール缶1本弱程度とされる。