疲れ切った心を癒す夏休みUpload By ヨーコ子どもたちの大きな楽しみの1つ、夏休み。それは不登校の子どもにとっても同様です。娘は不登校になってからというもの、本当に疲れ切って、どうしようもなくなって、体も心も動かなくなっていきました。それは、ただ「学校に行きたくないから」という理由だけではありません。行けなくなったときにはもう、エネルギーはマイナス状態になっていました。そんな娘にとって、夏休みはエネルギーをたくさん貯め込むチャンスかも!と私は考えました。楽しい気持ちの貯金をたくさんさせてあげたい!Upload By ヨーコ普段は「自分だけサボっている」と引け目に感じていても、夏休みはみんなも休みなので安心して友達と遊ぶことができました。娘は小2で不登校になりましたが、小3まで夏休みは一生懸命友達と遊んでいました。それくらいの年ごろまでは、友達もまだ無邪気で付き合いやすく、屈託なく遊ぶことができたようです。友達付き合いに困難さを抱えていた娘ですが、やはり「心の中では1番友達を求めていた」のだな、と感じました。楽しく遊ぶ姿を見て、「学校は行けないのに遊びには行けるのね」「これだけ元気なら2学期からは学校に行けるよ」といった学校と結びつける言葉をつい言いそうになりますが、私は言わないようにしていました。その言葉を聞いたとたんに、元気になった心もしぼんでしまうと思ったからです。また、楽しい気持ちの貯金をたっぷりさせてあげたい気持もありました。母子でキャンプに行きましたUpload By ヨーコ子どもの様子を見て、行けそうなら家族でレジャーに出かけるのもおススメです。我が家は母と娘の2人で、親子キャンプに参加しました。同じ学校からの参加者もいませんし、青少年スタッフたちもプロフェッショナル、私たちは安心して参加できました。着いてすぐに事情を話し、いろいろと配慮してもらいました。さりげない声掛けで娘は他の子たちと仲良くなったり、夜は親同士の飲み会に私だけ参加したり、プログラムに疲れたら2人で部屋で寝ていたことも。親子ともにリフレッシュできました。宿題など学校との関わりは?Upload By ヨーコとはいえ、不登校になって初めての夏休みは遊んでばかりもいられませんでした。プールや登校日、そして大量の宿題と、学校のイベントは盛りだくさん。当時、「娘に無理をさせない」という私の意志を貫き通すことができず、引きずられるようにして登校していた娘。宿題はすでに勉強が追い付けなかったのでほとんどできませんでした。その結果、2学期から完全に学校に行けなくなってしまったのです。この教訓を活かし、娘が4年生の時から宿題を含め、私は一切お断りして自由に過ごせるようにしました。学校へは戻れなかったけれど、おかげで夏休みにおびえることはなくなりました。勉強はいつでも取り戻すことができますが、子どもにとっての夏休みという時間は2度と戻っては来ません。娘にはせっかくの夏休み、思いっきり楽しんでほしいと思っています。楽しめる年齢はあっという間に過ぎてしまいますから。学校に行くタイミングは見守りたいUpload By ヨーコ楽しかった夏休みがいざ明けても、私は「きっとすぐ学校には行けないだろうな」と考えていました。不登校に至るまでにすり減ったエネルギーは、そう簡単には回復しないと思ったからです。不登校によって自責の念を背負った娘には「学校にも行けなくても大丈夫」「あなたは生きているだけでいい」、「親はいつだって見守っている」と思いながら接していました。不登校児を抱えた親御さんの中には、2学期を節目と考える方もいるかもしれませんが、子どもにとって節目はそれぞれです。高校進学が節目になる子もいれば、もっと早い段階で戻る子もいるでしょう。その子にとってのタイミングは1人ひとり違うと私は考えています。大人の都合で急かしたりせず、子どもにとってベストなタイミングを暖かく見守りたいものです。Upload By ヨーコ子ども達と素敵な夏休みを過ごしましょう!いつか心閉ざす時期があっても、家族との楽しい思い出は「子どもの心を支え、家族を信じる力」につながると私は考えています。夏休みにためたエネルギーはきっと将来の力になると私は信じています。
2016年07月15日7月10に行われた参院選で、神奈川選挙区から出馬したSPEEDの元メンバーで歌手の今井絵理子さん(32)。知名度の高さもあってか開票がはじまってほどなくのスピード当確を得て、無事に初当選を果たしました。しかし、当選後に受けたインタビュー内容があまりにも酷かったということで批判が集まっています。テレビ東京系で放送された選挙特番『池上彰の参院選ライブ』の中で、『在日アメリカ軍問題のことをよく知らない』『確かに沖縄出身ではあるが、15歳から上京しているので現在の沖縄の問題については人づてに聞いて知る程度だった。これからよく勉強していきたい』などと発言したのです。大きな争点であるはずの沖縄問題・基地問題についてよく理解しないまま立候補したことについて、多くの有権者が疑問を感じたようです。●(1)『生徒会じゃないんだから』『正直ドン引き』とネット上では非難が続出そんな今井絵理子さんに対し、ネット上では……『これから勉強って、大丈夫なの?』『ちょっと軽く考えすぎ。学生の生徒会じゃないんだから』『SPEEDとして活動していた時にはあんなに沖縄色だしてたのに、かなりガッカリ』『沖縄の現状を知らない今井さんが当選したなんて、ホントに選挙ってわからないものなんだな』『子供のころに上京してるんだから地元とはいえないんじゃないの?仕方ないといえば仕方ない』『党の政策を全部わかってる必要はもちろんないと思うけど、沖縄出身である以上こういう質問は想定するべきだし、ちゃんと勉強しておくべきだったと思う』『歌手デビューが決まってから「これから発声レッスンします!頑張ります」って言っちゃうようなもんじゃねwwwwww』『池上さんも明らかにこの発言には呆れ顔だったよね。会場ゲストもみんなドン引きだった』『沖縄県民とはいえ何十年も沖縄に住んでるんだから、関心は薄れますよね。そりゃ当然でしょうね。by沖縄県民』『同じタレント出身でも東国原とえらい違い。彼はちゃんと大学入り直して地方政治を学んでから政界入りしたんだからね。何も知らないで飛び込んで一体何ができるというのか疑問』『SPEED好きだっただけに残念感もひとしお。頼むからファンを失望させる発言はしないで』『政党に担がれてるとしか思えない。ここまで無知だとちょっとかわいそうにすら感じる』などと、批判的な意見が目立っていました。若手の女性が政治に参加するのは本来好ましいことといえるはず。今井さんがしっかり勉強して国民の期待に応えることができるのか、今後の活動に注目が集まりそうですね。【画像出典元リンク】・今井絵理子(@Eriko_imai)(Twitter)/●文/パピマミ編集部
2016年07月11日こんにちは。ライターの渦マキです。子どもにスマホやタブレットを使わせることに関しては、家庭によってさまざまな意見があり、「持たせない」という選択をしている人もいます。しかし、近年では“ICT教育”という情報通信技術教育が注目されており、授業でPCやタブレットを使用する学校も出てきています。●子どもにタブレットを使わせるメリット3つ●(1)直感的に学べる理科や社会などの学習の際、タブレットを使用することでバリエーション豊かな写真を見ながら直感的に学ぶことができます 。数学にしても、立方体などの図形を指で触れて角度を変えることで形を把握しやすくなります。●(2)学習用のアプリが豊富現在、さまざまな学習専用のアプリが販売されています。漢字の成り立ちや理科の実験など、さまざまな学習分野に対応しており、ゲーム感覚で楽しめる ように作られています。普段は勉強にやる気のない子どもでも、アプリを使用することでモチベーションUPが期待できます。●(3)タスク管理を学ぶ私たちは学校で夏休み前に、“1日の計画”という表を作っていましたよね。しかし、大抵は予定通りにいかず計画倒れになることも少なくありませんでした。タブレットにはタスク管理に適したアプリが出ているため、自分の予定をより計画的に立てることができます。●タブレット学習のデメリット一方、タブレット学習には以下のようなデメリットがあります。・学習に関係のないサイトにアクセスする恐れがある (親や先生が知らないうちにSNSに参加しているなど)・タブレット購入や学習のための費用がかかる・個人情報が流出する危険がある----------文部科学省では、ネットの怖さを認識してもらうための動画を公開しています。このような動画を親子で見ながら、タブレット学習には便利さがある反面、危険も孕んでいるのだと教え、話し合うことが大切です。【参考文献】・『スマホ・タブレットで子どもの能力を開発しよう』瀬戸武生・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年07月06日最近、子どもに学校を休ませて家族旅行をする家庭が急増しています。実際に平日のレジャー施設には多くの家族連れの姿が見られるようになりましたが、これについては多くの保護者の間で賛否が分かれています。今回は旅行やレジャーなどを理由に学校を休ませることについてどう思うか、賛成派・反対派の声をまとめてみました。●賛成派の声『シーズンを外した春と秋の平日に2泊程度の旅行をしています。宿も観光地も空いているし、旅費も安い。一度これを経験してしまうと、ハイシーズンにわざわざ出かけるのがバカバカしくなりますよ 』(40代女性/主婦)多くの賛成派から聞かれた声がこちらです。確かに、小さな子どもを連れてテーマパークの長蛇の列に並び続けるのはとても大変なこと。それが夏休みの炎天下、冬休みの寒空の下などだったとしたら、考えるだけでもゾッとしてしまいますね。また、シーズンオフや平日はホテル代も安く設定されています。おトクに宿泊するもよし、浮いたお金でもう一泊するもよし。これまで手が出なかった高級宿にグレードアップすることもできそうです。『学校を休ませて旅行、普通に行きますよ。学校の先生にも正直に理由を伝えています。それで止められたこともないですし、むしろいい経験ができてよかったね と言われます。たった数日休むだけですから、勉強が遅れて困ったことはありません。ただ宿題は必ず持って行かせますね』(30代女性/パート)最近では学校の先生の中にも、平日旅行賛成派がちらほらみられるようになりました。宿題を持っていく、旅行前後にきちんと勉強をさせるなどの対策を立て、勉強の遅れを自己責任でカバーできるなら問題ない、という若い先生は多いようです。『サービス業のわが家は、土日・祝日に休みが取れません。家族がそろうのは必然的に平日になってしまいます。誰しも週末が休みだと思わないでほしい 』(30代男性/飲食店)仕事の種類や働き方によっては、平日にしか休めないこともありえます。こういった場合、家族旅行をするなら学校を休ませるしかないでしょう。家庭によって事情はさまざま。一概に“非常識”とくくることはできませんね。●反対派の声『小学校・中学校は義務教育。学校を休んで娯楽に行くなんて信じられません。単純に常識知らずだと思います 』(20代女性/事務職)学校で勉強することこそ子どもの仕事、と捉える人たちの多くは平日旅行には断固反対の様子です。幼稚園や保育園なら休ませてもよいけれど、義務教育の間は絶対NGという意見は反対派の多くを占めました。『わが子のクラスにも何人かいるんですよね、学校を休んで旅行に行っちゃうご家庭の子が。帰ってきてから自慢大会が始まるらしく、うちの子も行きたがって困ります。正直迷惑なのでやめてほしいです 』(40代女性/金融関連)実際のママさんならではの反対意見ですね。みんな行きたいのを我慢しているなか、ひとりだけテンション高く土産話を繰り広げられると誰だっていい気はしないもの。子どもはすぐに友だちをうらやましがりますから、余計にタチが悪いといえますね。『欠席して旅行って、つまりズル休みってことですよね 。ウソをつく、ズルをするということを親が子どもに教えてどうするんでしょうか。そもそもズル休みしてまで遊びに行って、心から楽しめますか?罪悪感もないなら恐ろしいことです』(40代男性/営業)平日旅行派の中には『先生や友だちには病気だったと言いなさい』と伝える親もいるようですが、それは確かに考えものです。ウソがばれなければズル休みしてもよいのだという誤った価値観を子どもが持ってしまうかもしれません。----------平日の旅行はラクでおトク、メリットもりだくさん。その一方で、クラスの雰囲気を乱したり、隠れてコッソリ行かなくてはならなかったりと問題点も多いものです。もしも学校を休んで平日旅行を楽しみたいのならば、“勉強面の遅れは自力でカバーする”、“登校したときむやみに自慢話をさせない”、“先生や友だちにウソをつかず、かといって大っぴらにもしすぎないようにする”などの高度なテクニックが必要になってくるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部
2016年07月05日【パパからのご相談】娘が中3で、受験を控えています。娘は明らかな文系で、国語、社会、英語の勉強は順調ですが、どう頑張っても数学の成績が伸びません。私はもともと理系で数学が得意なほうでしたので、妻から数学を教えるようにと言われ教えていますが、教えたその場ではできても、テストになると途端にできなくなり、努力が点数につながっていない状態です。全ての科目の中で最も数学に時間を費やしているのに、全く成果が出ない現状……。公立高校を志望しているので受験が心配なのもありますが、親として、この状況を何とかしてやりたいです。●A. 数学が苦手な子には、見直すべきポイントがあります!こんばんは。教育アドバイザーの佐々木です。勉強嫌いのお子さんの指導を得意としています。一生懸命やっているのに成果が出ない。これほどつらいことはありませんよね。周囲の人間は間接的にしか関われないので、もどかしい気持ちもあろうかと思います。とくに文系女子にとって、数学ってほかの科目と勉強方法が全く違うので、やりにくい部分も多いかもしれません。数学、算数が苦手な子にありがちなこと。“計算が遅い” という問題です。計算が遅すぎるゆえに、全然進まずに、嫌になって折れてしまうのですよね。数学でなかなかな伸びないとき、確認すべき点は2つです。●(1)計算のやり方を、理解できているか?計算の方法を理解していないと、足すべきところで掛け算してしまうなど、得意な人にとっては理解できないような計算 をやってしまうことがあります。もちろん、本人に悪気はありません。中学生なら、プラスマイナスの計算や文字式の計算でつまずく子がとても多いです。数学でなかなか成績が振るわないのであれば、ここの理解を確認します。特に文字式では、文字が出てくると途端にわからなくなる子がいます。文字式が苦手な子は、文字を数字に置き換えて、具体化して考える ことがコツです(たとえば、30円の品物をa個買ったときの代金を求める問題では、aを具体的な数字にします。「a個じゃなくて、3個だったらどう計算する?」と聞いてあげれば、答えられるでしょう)。●(2)単純計算を「考えずに」やれているか?計算するときに、「えーっと」と考えていたり、指で計算していたりしませんか。計算で考えてしまう ことが、遅さとミスの原因です。たとえば、歩くときに「次は右足?」と考えたら、転びますよね。自転車に乗るときに「よし!ここでブレーキ!」「ここはペダルを踏んで~」と、いちいち考えないはずです。計算のやり方を考えずに、手が勝手に動く状態。脳科学ではこれを、作業記憶 といいます。計算が作業記憶化されているかどうか、チェックしましょう。----------数学・算数については、「文章題の出来」が気になる方もいるかと思います。とはいえ、文章題いかんの前に、数学のつまずきはだいたいこの2つが根本原因です。普段はできているのであれば、この2点が定着しきっておらず、参考書等が近くにある、教えてくれる人がいるから、それをマネしてできているだけの可能性が高いです。数学って、できるようになると、とても楽しいのです。問題を解いて答えにたどり着く喜びを味わえるのは、5教科のなかでは数学だけ 。しかし、この(1)(2)ができていない状態だと、問題の答えまでたどり着けないので、まったく面白くありません。どうしても成果が出ないのであれば、思い切って戻ってみるのです。こういうときこそ、急がば回れ 。まだ受験まで時間があります。ぜひ、夏休みの時間を使って、不安なところをやり直してみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年07月01日【ママからのご相談】初めまして。30代のママです。小3の息子がいるのですが、どちらかというとインドア派の、軟弱なもやしっ子です。共働きで忙しく、あまり親が遊んであげていないのが原因なのか、生まれ持っての個性なのか、私が気が強すぎる反動が子どもに影響してしまったのか、などといろいろ考えてしまいます。基本的にわが子が信用できないというか、「うちの子はダメだろうな」みたいな気持ちがどこかにあります。運動会やスポーツなんかでも期待しないし、逆にケガでもするんじゃないかといつも悪い方に考え、ハラハラ心配している自分がいます。活発で強いタイプのお子さんを見るとうらやましくなってしまいます。もやしっ子のわが子をもっと信じてあげたいのですが、やっぱりとことん鍛えるしかないのでしょうかね。●A. 一見弱々しくてもメンタルは強いかも? 侮れない子どものパワーがあります。こんにちは、ライターの月極姫です。ウチにも男子が1人いるため、「強くあってほしい」というママさんの思いには素直に共感できます。しかし、最近は草食系男子も多いので、確かに「これは個性であって、仕方がないのかな?」「それとも鍛え方が足りないのかな?」と悩んでしまうときって、ありますよね。今後ご相談者様の息子さんをビシビシ鍛えていくか否かは別として、まずはありのままの子どもを信用してあげるところから始めなくてはなりません。その一助になるかどうかはわかりませんが、今回はへりくつは置いておき(笑)、子どもの生命力 が感じられるエピソードを集めてみました。どの子も“特別に優秀”“特別に強い”ということはありません。ときには運や偶然が運命を左右しますが、本人が類まれなる生命力を発揮したことには間違いないでしょう。●覚悟してお読みください! 世界に注目された奇跡の生還劇7選ニュースとなって世界を駆け抜けたエピソード集です。中には痛ましく読み進めにくい箇所もあるかもしれませんが、すべては私たち大人よりずっと小さな勇者たちが経験した実話です。●(1)内部斬首!? 「頸椎が脱臼した状態」から奇跡の復活を果たした男の子つい最近(2016年6月)の出来事です。米アイダホ州で起きた交通事故で一命を取り止めたキリアン君。車内から救出されたときは、首の内部で頸椎(けいつい)が脱臼し、傷口から髄液が流れ出ている状態でしたが、そんな状態でも大きな声で泣いていたそう。救出に当たった人の適切な対処もあり、“生還率1%” の窮地から見事に生還しました。●(2)地獄で起きた奇跡。生き埋めの赤ちゃんが元気に生還2014年1月、シリアを襲った空爆によって、家屋が大規模に倒壊しました。そんな中、がれきの中から赤ちゃんの泣き声が。聞きつけた大人たちが必死に掘り起こしたところ、ほぼ無傷で元気な状態で生還!“助けを求めて泣き叫ぶ” 力の大切さを痛感させられるニュースでした。●(3)飛行機事故を乗り越えて……たった一人生き残った少女の底力米ケンタッキー州の山中で自家用の小型飛行機が墜落するという痛ましい事故が起こりました。他の家族は全員亡くなり、7歳の少女セイラーちゃんだけがケガをした体で助けを求めて夜の森を移動 。付近に3軒しかない民家の1つに運よくたどり着き、九死に一生を得ました。その後は親戚に引き取られて、元気に暮らしているそうです。●(4)小児がんを克服して志望校へ。今も輝き続ける超ポジティブ女子!現在23歳の吉野やよいさんは、小5のときに200万~300万人に1人の確率で発症するといわれる小児がんの一種『ユーイング肉腫』 を発症。ときには数か月にわたって生死の境をさまようような苦難 を乗り越え、奇跡的に回復しました。優れた臨床心理士になるという夢に向かって猛勉強し、早稲田大学にも合格。ご本人の前向きな性格と意志の強さ、優しいご家族と愛犬の存在が胸を打つエピソードです。自らの体験をつづった著書も出版され、現在も講演活動などを行っています。●(5)みんなテレビに釘付けだった。亡き母の思いに応えた“最強の2歳児”新潟県中越地震で生還を果たした小さな男の子のこと、皆さんは覚えていますか?山崩れによって車内に生き埋め にされながらも、奇跡的に救出された優太君、当時2歳。救出直後の堂々たる様子、また救出後まもなく報道された、元気に三輪車を乗り回す姿が記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。本人の生命力もさることながら、同じ車内に居て残念ながらほぼ即死状態だったお母さん・お姉ちゃんが彼を守ってくれたのかもしれませんね。●(6)日本中が安堵……やんちゃ坊主の運と肝っ玉が窮地を救った世界のニュース番組でも報道された、記憶に新しい北海道七飯町の行方不明事件。事の発端にはさまざまな批判が飛び交いましたが、何はともあれ大和君の生還を多くの人が喜びました。事後に複数のテレビ局などが「大和君の歩いた道を実際に歩いてみる」という企画をやっていましたが、そのルートは熊の生息エリア で、足を踏み外すと転落する危険性のある沢も複数あったようです。大和君自身の歩き続ける逞しさ、精神力、強運さ、自衛隊の施設でじっと救援を待った選択の正しさ、たくさんの要素が重なってのうれしい奇跡でした。●(7)『無脳症』の赤ちゃんは確かに生きた! 両親の愛に包まれた数年の奇跡先天的に大脳が欠落している『無脳症』 の赤ちゃん。脳がないことから出産しても生きられないことが多く、ほとんどのご両親が出産をあきらめる中、ごくひと握りの“産む選択”をしたご両親がいました。アメリカのニコラス君は3年、ビトリア・デ・クリストちゃんは2年半、無脳症の赤ちゃんとして産まれ、短い人生を生きました。75%が死産、残り25%は無事出産できても1週間以内に死亡するケースがほとんどという微かな望みの中で、生きられただけでも奇跡的。ニコラス君の母・シーナさんはこんなコメントを残しています。『ただ、眉から上が無いだけ。私たちのかわいい子どもであることに変わりはありません。そしてニコラスは奇跡を起こしています。おっぱいも吸うことができない脳の無い子どもが、私たちに微笑むようになったのです 』わずか数年の人生というのは想像するだけでも切ないですが、もしかしたら本人もご家族も、ものすごく幸福だったのかもしれません。●ママに聞く! わが子が起こした奇跡3選いかがでしたか?個人的には無脳症の赤ちゃんのエピソードに一番感動してしまいました。さらに、ぐっと身近な「子どもの生命力エピソード」をいくつかご紹介します。●(a)なぜそんなに強い? 笑っちゃうほど免疫力抜群のわが子『現在小5の息子を、0歳から職場の託児室に預けて看護師の仕事をしてきました。託児室ではインフルエンザ、ノロウイルスなどさまざまな感染症が蔓延(まんえん)することがあり、多くの親がハラハラしながら預けるのですが、うちの子は数えるほどしか流行中の病気に感染したことがありません。ときにはほぼ全員が感染して託児室が一時閉鎖になったときも、ただ1人生き残っていました(笑) 。大きくなった今は、ちょっと昭和の匂いがするガキ大将。いいのか悪いのか……』(北海道在住34歳看護師・1児のママさん)●(b)ハチの襲撃に冷静に対処。無傷で生還したダイ・ハード女子に脱帽『道東の田舎に住んでおり、山の近くでは蜂に刺される被害が時々聞かれます。当時5歳の長女がミツバチの巣をイタズラしてしまい、案の定蜂の集団に追いかけられました。よく「蜂が向かってきても動くな」といいますが、集団の蜂が怒った場合はそれじゃダメなんです。娘は全力疾走 で自宅より近い物置に入り、扉をシャットアウト。物置の中にあった町内会用の拡声器でサイレンを鳴らし 、それでやっと私たちが気づいたんです。もちろんすごく叱りましたが、まさかそこまでやれる子だとは思いませんでした。今は中1、アイスホッケーに汗を流す日々です』(北海道在住専業主婦・3児のママさん)●(c)末は政治家? 親顔負けの世渡り上手ぶりに思わず拍手『窮地を乗り越えた、という話はないんですけど、現在中2の息子はかなりの世渡り上手 です。小柄で勉強はまあまあ、運動はどちらかというと苦手。見た目も、お世辞にもイケメンではないです。だけど小さいころから、不思議と友達だけは多い子だな……と思っていました。最近になり、なんと、生徒会長に立候補して見事に当選 。しかも圧勝だったみたいです。先生によると、息子の周りにはいわゆる“取り巻き”みたいな子どもたちが結構いて、選挙にも自信満々に挑み、楽しんで生徒会活動をしているみたい。普通生徒会長って成績優秀な子が多いので、珍しいパターンだって先生に言われました(笑)。勉強やスポーツも大事だけど、人の心をつかむ技術はもっと大切なのかも?とわが子に考えさせられてる今日このごろです』(東京都在住シングルマザー・1児のママさん)----------窮地の中で命を永らえる力だけを“生命力”と呼ぶわけではありません。一見もやしっ子の息子さんでも、友人関係を円滑に保つのがうまかったり、ち密な作戦を立てるのが得意だったり、集団の中で器用に立ちまわったりするところはありませんか?大人になれば、筋骨隆々な強さよりも、むしろしたたかな世渡り力 、世知辛い世間を“生きる力” の方が身を助けるかもしれませんよ。どの子も必ず持っている“ウチの子の強み”を見つけて、そこを徹底的に伸ばしていってあげましょう。何かで自信をつけること、また、親が自分を信用してくれているという安心感が、イザというときの生命力も鍛え上げてくれるような気がします。【参考文献】・『なんくるないさぁ。―小児ガンに打ち克った少女の愛の物語』吉野やよい・著●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年06月30日【ママからのご相談】40歳、専業主婦です。中2の息子がいます。「勉強しなさい!」と毎日繰り返すのに疲れてしまいます。自分から机に向かわせる方法はありませんか?●A. 反抗期に入ると「勉強しなさい!」の声がけだけでは逆効果です。こんにちは。ご相談ありがとうございます、ライターの渦マキです。「勉強しなさい!」というお母さんの声に、はじめは「はーい!」と機嫌よく返していますが、だんだん「うん……」「いまやる!」「わかってる!」と、子どもの返事の仕方や声の調子が変わってきますよね。言う側、言われる側ともにいい加減うんざりしてしまうでしょう。反抗期に入ると、親から「勉強しなさい」と執拗に言われるとかえって逆効果になることもあります。●自分から勉強をはじめる子ども親から言われなくても机に向かうことができる子どもは、自己管理力がしっかりと身に付いています。勉強することが、顔を洗ったり歯を磨いたりする行動と同じで習慣化されている ので、「遊びたいけれど勉強を終わらせないうちに遊んでしまうとスッキリしない……先にやってしまおう!」となるわけです。●習慣づけるにはどうしたらいい?まずは親御さんと子どもとで、約束ごとを作りましょう。約束ごとは原点に立ち返り、「なぜ勉強しなければならないか 」という根本的なことを話して納得させていき、次に細かい約束ごとを決めていきます。・勉強しなければ、子どもにどのような損が生じるか(将来社会人になってからどのように影響していくか)・宿題はどのようにやるかを教える(予習、復習の仕方などをアドバイスする)・勉強と遊びの時間割をつくるといった内容を話し合いながら、親子一緒に計画をたてます。ゆっくり会話しながら、命令口調ではなくアドバイスしてあげてください。「勉強しなければならない」ことは漠然とわかっていても、それが「将来どのように影響を及ぼすか 」までは考えていない子どもが案外いるものなのです。●親がしっかり見守ることが大事先に示した決めごとを子どもがしっかり実行できたかを確認することが親の役割です。時間割通りに漫然とやっただけでは、やっつけ仕事になってしまいます。中身が薄ければ何の意味もありません。時間よりも、その中身をしっかりと親御さんが評価します。また、勉強の内容を見て、「ここの部分はこういう風におぼえるといいよ」などといったアドバイスをしながら、親子の会話を増やしていきましょう。子どもが一生懸命取り組んでいることが認められたなら、褒めることも大切 ですね。褒められることで、子どものモチベーションはぐんとアップします。そこから、勉強が子どもにとって日常生活の一部として習慣化されていくようになるでしょう。●万が一、子どもに勉強する兆しが見えなかったら「勉強しなさい!」ではなく、「おかあさん、ご飯の支度するんだけど、そろそろ勉強の時間だよね?」といったように軽く声をかけてあげましょう。諦めないで根気強く見守ることが大事です。親の見守りがなくなると、子どものやる気は途端になくなってしまいます。親……特にお母さんの取り組み方次第で子どもはどんどん変わるものです。【参考文献】・『勉強好きにする導きかた』品川不二郎・著・『男の子は10歳になったら育て方を変えなさい!』松永暢史・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月29日【ママからのご相談】小学校6年生の息子がいます。私は学校行事に関わるのが嫌いで(先生とかママ友とかと話すのが苦手なので)、これまでは主人に授業参観や懇談会などに出席してもらっていました。しかし、主人が春から単身赴任になってしまい、どうしても私が懇談会に出なくてはならない状況に……。今さらですが、懇談会でのNG行動などがあれば教えていただきたいです。●A. 現役の小学校・中学校の先生に聞いてみましたので、参考にしてみてください。こんにちは。ライターのakiです。年に数回ある懇談会。いよいよこの時期がやってきたか……と思うのは保護者だけではありません。先生にとっても生徒一人ひとりのご家庭と向き合える貴重な機会であるため、力が入ります。ご相談者さまは懇談会が苦手とのことですが、基本的には自宅でのお子様の様子などをお話しされるだけで大丈夫です。あとは、公共の場であることを認識して常識的な振る舞いをしていれば何の問題もありません。とはいえ、中には「これはNGでは?」と思われる保護者の方の言動があるのも事実です。今回は、小学校と中学校の教員の方々に、“懇談会で避けた方が良い言動”について聞いてみました。ぜひ参考にしてみてください。●(1)友達感覚で先生と話す『教室に入って早々「あっつーい。クーラー入ってる?」とタメ口。こちらの話も「うん、うん」と頬づえをつきながら聞いていた。お友達ではないんですけど……(苦笑)』(中学校教員男性)愛想やノリがよいのと節度があるかどうかは別の話です。教室に入ったら「いつもお世話になっております。本日はよろしくお願いします」 のひと声ぐらいは欲しいところです。当然、相手が若い先生でも敬語で話しましょう。あなたの先生ではなくて、お子様の先生なのですから。●(2)ママ友と大声で雑談をする『一日に5〜6人懇談をさせていただいてます。時間が多少前後してしまうのは申し訳ないのですが、待ってる間廊下でお喋りに夢中になるお母様方がいてその声がすごく響くのです。高笑いされるとこちらで話してる声がかき消されるほど。私の悪口が丸聞こえだったこともあります』(小学校教員男性)懇談会に限らず、授業参観や学年行事などでママ友とついつい世間話に興じてしまうというお母様は少なくありません。しかし、学校の廊下での話し声は意外と響くので、声を潜めていても教室の中にいる先生には丸聞こえ です。学校の行事に参加する際は、“公共の場”という意識を持ち、待ち時間も静かに過ごすよう心がけましょう。●(3)子どもの服装はボロボロなのに、ママだけオシャレ『洋服はもちろんバッグや小物など全身高価なブランドで登場されていたお母さん。もちろんそれは構わないのですが、そのお子さんは体操服のゼッケンがとれていたり洋服は擦り切れて穴があいてたりボロボロだったりします。忘れたときに貸した給食着も洗わず返してきたり……。自分より子どもの面倒をもう少し見てください、と思ってしまいました』(小学校教員女性)基本的に懇談会の服装に決まりはありません。清潔で先生との話し合いの場にふさわしい格好であればなんでも構わないでしょう。ただ、子どもにはボロボロの格好をさせておいて、自分だけビシッと決めているとアンバランスで「子どもより自分が大事なのかな」 と思われる可能性があります。学校ではお母様ではなく子どもが主役です。先生はお母様より子どもの方をよく見ていることをお忘れなく。●(4)塾の自慢話ばかりをする『お子さんの苦手教科の話をしていたら「でも、塾ではいい点数をとっている」「塾の先生は伸びると言っていた」などと反論してくる親御さんがいました。揚げ句には、「あそこの塾は入れるだけでもすごいんですよ〜」とドヤ顔で言ってきました。自慢する相手を完全に間違えてるのでは』(中学校教員男性)同じように勉強を教わる場だとはいえ、学校と塾は完全に別物 です。学校の先生からすると、あからさまに「塾のおかげで成績が……」などと塾びいきな話題をされても困惑するだけです。先生は学校での子どもの取り組みについてお話ししているのです。塾の話がしたければ、ほかの保護者か塾関係者とするようにしましょう。●(5)子どもをさしおいて、自分の話ばかりする『「私は忙しいからあまり子どもの面倒がみれないんです。でも、そんな働く母の背中を見て頑張って欲しい。私の仕事は……」と遮っても遮ってもご自身の話ばかりをするお母様がいました。次の人が待ってるのに時間が過ぎてもどこ吹く風。結局、お子さんの話があまりできませんでした……』(中学校教員女性)懇談会は、学校と家庭におけるお子さんのあり方を照らし合わせながら生活や勉強面での成長を促せる貴重な場です。そこで大切なのはお子さんの話題 であって、お母様の話題ではありません。懇談会は時間も限られているので、できるだけお子さんについて会話をするようにしましょう。----------上記のような行動に当てはまっている人は要注意です。ご相談者さまはこのような態度を取らないようにお気をつけください。「先生から注意されなかったから大丈夫」と思っていても、内心では先生がどう思っているかは分かりません。意外と先生たちの間では情報共有の意味も含めて保護者の方々の話をよくします(特に学年間)。私も教員になった当初は、先生たちはこんなにも保護者のうわさ話をするのかと驚いた記憶があります。学校の先生だからといって必要以上に拝める必要もないですが、最低限の公共の場でのエチケットは守るようにしましょう。懇談会は、なによりもお子さんが主役であるということも、お忘れなく。●ライター/aki(中高英語教員)
2016年06月27日一人で学習する習慣は、親が子どもに身につけさせたい習慣のひとつ。しかしその習慣の前に、身につけておくべき“大切なこと”があるって知っていますか?学ぶことは楽しい!という意識今回話を聞いたのは、塾講師でありホームラーニングのプロ、荒川茂樹さん。元小学校教員で、6人の子の父でもある荒川さんが大切にするのは、「学ぶことは楽しい!」ということ。「『学ぶのが楽しい』という意識が定着する時期は4~9歳です。そしてこの“楽しい”を一番学べる場所は、学校でもなく塾でもなく、家庭なのです」。荒川さん曰く、学ぶ楽しさを知っている子どもは、放っておいても自ら学習するようになるのだとか。どうやら、4~9歳がゴールデンエイジのよう。これは逃したくないタイミングですね。でも、「家庭で学ぶ楽しさを教える」って、自分でさえ「学ぶ楽しさ」を知らずに育ったのに難しそう・・・。「心配しなくても大丈夫。子どもと一緒に遊べばいいのです」と、荒川さん。そこでどのような方法があるのか、具体的に教えてもらいました。遊びの中に学びをまず子どもが今、興味を持っていること、好きなことを知ること。そこをふまえて、これらのアイデアを参考にしてはいかがでしょう。1.子どもの“大好き”を文字の練習にひらがなやカタカナを覚えるのに、自分の名前やあいうえお順から始める人も多いでしょう。しかしここは発想を変えて子どもが一番好きなものから始めてみてはどうでしょう。大好きな恐竜の名前、興味のある昆虫の名前、お気に入りのキャラクターなど、子どもの“一番のお気に入り”をネタとして登場させます。字を覚えさせるのではなく、遊びながら学ぶことがポイント。子どもは自然と文字を覚えていくでしょう。2.“できる!”を体感、数字にはトランプ数字に興味を持ちはじめたら、トランプ遊びもおすすめです。数字として認識しにくいJ(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)は省き、1から10までの数字で神経衰弱も楽しいです。難しければ1から5までに減らします。子どもが難しいと感じるものではなく、まずは少しハードルを下げて「できた!」「楽しい!」を実感させてあげましょう。私も荒川さんに教えてもらった「足し算神経衰弱」をやってみました。2枚の数字を足すと10になるカードを当てるというもの。いつもと違うルールに子どもたちも前のめり、親の私たちも本気モードです。その様子に子どもたちのテンションもあがり、親子で楽しむことができました。3.多種多様な“かるた”も使う価値あり「『漢字の部首かるた』、『地図記号かるた』、『国旗かるた』、『ことわざかるた』など、種類が豊富な“かるた”を活用しない手はないですよ!」と荒川さん。早速ネットで検索してみたところ、あるある!習う漢字も増え、熟語の意味を質問してくる長女には“四字熟語かるた”、海外や世界地図に興味を持つ次女には“国旗かるた”、「となりのトトロ」が大好きな三女には“となりのトトロかるた”かな?と、それぞれの興味・関心を思い出しながら検索。商品を見ている私も、子どもの反応を想像してわくわくしました。4.トイレでも学習できる?荒川さんいち押しの方法に「トイレ学習法」があります。トイレに座ったときに、子どもの目に飛び込むように、壁に表やカードを貼っておくものです。あいうえお表や九九の表は定番だと思いますが、子どもが「おや?なんだろう?」と興味を持つものを選んでみるとよいとのこと。私が試してみたのは、ポルトガル語会話。2016年オリンピック開催地のブラジル、この機会にブラジルを知ろうと、子どもと調べたのがきっかけでした。A:「はじめまして、お元気ですか?」B:「はい、元気です。お名前はなんですか?」A:「○○です」B:「では、またね」ポルトガル語で簡単な会話をしているページ。このコピーを1週間くらいトイレに貼っておいたところ、小学生の長女と次女がフレーズを丸暗記。しかも二人で会話を成立させて遊んでいるではないですか。こんなに簡単に覚えてしまうもの?、と正直驚きました。この方法は英会話にも使えそうです。九九の表も、1から9の段全部を貼りっぱなしにするのではなく、最初の1週間は2の段、翌週は3の段といったように変化をつけます。子どもたちは新しいものが大好き、ちょっとした変化にも敏感に気づくので、そこを逆手にとって楽しい“学び”を貼ってあげましょう。すべては母と子の“コミュニケーション”たくさんの例を教えてもらいましたが、学びと遊びを別物と考えるのでなく、いかに融合させるかがポイントのよう。「『遊びながら学ぶ』という意識をお母さんが持って接すると、子どものやる気は倍増、いや3倍に育ちますよ」と荒川さん。「しかし子どもは自分とは別人です。思うように反応しないとき、失敗だってあります。それらは次のネタ探しの糧となりステップアップにつながりますよ」と、前向きなアドバイスもいただきました。子どもの好きを発見し、子どもに働きかける、そして子どもの反応を楽しむ、すべては母と子のコミュニケーション。母と子がうまく循環しだすと、“楽しい”は自然と定着していき、後の人生でも“学ぶことを楽しむ”土台となるようです。まずは簡単な方法から試してみてはいかがでしょうか。<取材協力>笑学舎<文・写真:フリーランス記者林未香>
2016年06月27日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。子どもの学習に最適だとして注目を浴びる『リビング学習』というスタイル。小学1、2年生の約8割がリビングで勉強しているという大手通信教育会社のアンケート結果もあるほど浸透しています。また、東大生の約半数がリビング学習をしていたという調査結果がテレビ番組で紹介されたこともあり、「子ども部屋よりリビング」という形が定着しつつあります。このリビング学習、多くのメリットがあげられていて、いいところばかりのように見えますが、デメリットはないのでしょうか?どんなに効率の良い勉強方法にも多少のデメリットはつきもの。リビング学習にもあるデメリットを良く知り、それに注意を向けることで、学習効果をもっとあげることもできるはずです。●(1)干渉リビング学習の利点に“寂しくない”ということがあります。いつでも誰かがそこにいるか、気配を近くに感じることができるから、安心して勉強ができるというのです。特に小学生低学年では、子ども部屋に一人でいることに慣れない、または勉強を一人でするのが寂しいという声があり、リビングにいる方が勉強がはかどるのも確かであるようです。ところが、人がいるからこそのデメリットもあります。たとえば、親からの過干渉 。「あ、そこ違っているよ」「姿勢を正しなさい」「消しゴムのカスを落とさないで」などなど、子ども部屋で一人学習をしていれば、めったに言われない言葉が次々に子どもに向かって降りかかってくる可能性があるのです。目の前に子どもがいれば、注意をしたくなるのが親心。親が干渉したい気持ちをグッと我慢できるかどうか が、リビング学習の成果に影響を与えます。●(2)音リビングだからこそ、ママが食事の支度をする音、兄弟が聴いている音楽など、いろいろな“雑音”が自分の部屋にいるときよりも多く大きく聞こえてきます。これをシャットダウンできる集中力が備わっていればいいのですが、子どもの性格によっては気になって気もそぞろになるばかりのこともあります。子ども部屋とは違って“寂しくない”リビング学習の場を作るなら、音の種類や大きさ にも気をつかってあげる必要がありそうです。ほかの家族がテレビを見ている、ゲームをしている、おしゃべりをしている、そんな状況は勉強の妨げになることの方が多いでしょう。●(3)食べ物リビングとキッチンやダイニングが仕切られずに同じスペースにある家庭も多いでしょう。子どもは食事の支度をしている匂いで胃袋が刺激され、目に入るところに置かれたお菓子にも気を引かれてしまいます。「お菓子を食べながら勉強してもいい」という家庭もあるようですが、2つのことを同時にこなせる子どもは多くありません。嗅覚からも視覚からも、集中の邪魔になる食欲を刺激しない ように工夫が必要でしょう。●(4)照明リビングの照明は落ち着いた色や光量に調整されていることが多いでしょう。全体的には明るくても手元までは照らしません。これが個室の学習机であれば、手元をしっかりと照らす照明がくくりつけられていたり、スタンドを置いたりするはずです。少しくらい明るさが足りないからといって、すぐさま勉強に影響を与えるとは限りませんが、一つ確実に影響を与えるところがあります。そう、視力 です。リビング学習を行うなら、専用のスタンドを用意するなどで“照明”を確保してあげましょう。●(5)姿勢勉強机は、机の高さも椅子の高さも子どもの成長に合わせて変えることができます。でも、リビングのテーブルや椅子はどうでしょうか?リビング用の椅子は大人サイズに合わせて作られていることが多く、子どもでも座ることはできますが、足が届かなかったりお尻が沈んでしまったり、テーブルが高くなり過ぎたり低すぎたりしてしまうのです。子どもは体に合わない椅子で姿勢を保つことができません 。リビングの椅子では子どもの姿勢が崩れてしまうのです。特に、椅子が高い場合には足が浮いてブランブランと遊んでしまい踏ん張ることができません。これが、勉強に集中できない原因となることがあります。足元には踏み台を、椅子にはクッションを敷くなどして、姿勢を保てるようにしてあげましょう。●まとめリビング学習にはメリットもたくさんあります。ところが、いくつかのデメリットがせっかくのメリットを台無しにしていたり、せっかくの子どものやる気をそいでしまったりしていることもあるのです。これらのデメリットは、子ども自身はなかなか気づくことができず、当然対応もできません。親の方で気をつけてあげる必要があるのです。親は“ただ、そこにいる”ことを心がけ、子どもからの問いかけに対応するにとどめておくのが、リビング学習の効果をアップさせるコツです。口を出したくても「グっと我慢」が合言葉です。【参考リンク】・子ども部屋?リビング?勉強はどこでする? | ベネッセ 教育情報サイト()・リビング学習は学力向上に効果? | リサーチのrTYPE()●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
2016年06月25日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。小学校に入ってすぐは、宿題をうれしく迎え入れて、自発的に行う子が多いです。でも、次第に中だるみが出たり、やり始めるまでに時間のかかる子も出てきたりします。親としては「ちゃんとやらせたい!低学年から自主的に家庭学習ができるようになってもらいたい!」と思うことでしょう。心理的なサポートなどをすることで、忙しいママでもやる気にさせる声かけが可能です。●親の言葉を絶対的と受け止める「児童期:7歳ごろ」児童期は、物事の善悪などを判断するための道徳観を身につける時期です。しかし、幼児期と児童期の中間にある7~8歳は、まだまだ親の言葉や意見を絶対的な判断基準として受け入れやすい時期 と言えます。多少の個人差はありますが、この時期に家庭学習を一緒に始めると、良い意味での癖として、成長しても残せます。それが楽しく励まされるような状況であれば、なおのことです。●親子関係だからこそのピグマリオン効果『ピグマリオン効果』 とは、教師が生徒に対して期待するような言葉を示せば、生徒の成績が上がるというものです。1998年に行われた心理学実験がありました。「学力の伸びが期待できるとされた生徒」と「それ以外の生徒」では、前者にIQの増加が見られたというものです。特に小学1~2年生の結果は著しい差がありました。このピグマリオン効果は、教師だけに生じる現象ではありません。親子関係にも起こります。親が心から子どもに期待をかけることで、子どももそれに応えようとする のです。低学年であれば、前項目のことから、その関係がとても築きやすいと言えます。ただし、ここで大切なのは口先で言うのではなく、本心で期待をかけることです。言葉かけとしては、「この計算がこんなに速くできるのすごいね!まだまだ記録伸びるね!」「字がとても上手だね。本当に見やすい!これを続けていこうね!」「テストの結果は残念だったけど、次は大丈夫!間違えたところを一緒にやってみよう!」などと、事実を認め、褒めたり励ましたりして低めの階段(目標)を目指すようにしていきましょう。低めの階段を設定してあげると、効果が出たときにさらに褒めることにつなげられます。●低学年の学習ポイントは国語学習のポイントが国語というのは、全ての基礎になるからです。他のどの教科を見ても日本語で書かれています。だからこそ、“読んでわかる力” が必要なのです。テストなどの問題を解くにしても意味がわからなければ、解けませんしわかりません。まずは内容がわかることのできる力をつけるための学習を家庭学習に取り入れましょう。ひらがな・カタカナ・漢字と、低学年ではさまざまな文字を学びますから、音読は毎日必要です。教科書の音読は、宿題として出されてくるでしょうから、絵本などの文章を音読するのでもいいでしょう。実際に私が学習塾で教えていたときは、どの子にも音読をさせていました。その子に応じて、テキストだったり、絵本だったり書籍だったりとさまざまでした(低学年のうちは、読む文の長さも短め)。読む力がつくことで、最初は文章問題などを諦めていた子や、問題を読まずにやっていた子が、しっかりと問題を読み、解くようになっていきました。学習としてのポイントは、最初のうちは一緒にやる ことです。低学年の家庭学習は、20~40分と言われています。音読はそのうちの数分です。ぜひ、一緒にやってみてあげてほしいと思います。●おわりに心理学の面から褒めて励まし、学習面から“読んでわかる力”を学ばせてあげることで、低学年のうちに学習する癖をつけることができます。自分の子どもだけでなく、講師をしていたときも多くの生徒に実践してきました。ですから、忙しいママたちにも必ずできます。まずは、「勉強、一緒にやろっか」からスタートしてみましょう。問題文を声に出して読むことも音読です。何でも読むことを取り入れるようにしてみてください。もちろん、褒めること励ますことを忘れずに!【参考文献】・『伸びる子には秘密がある―小学生・意欲を育てる勉強法』石井郁男・著●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
2016年06月22日こんにちは。ママライターのamuです。新学期になって早2か月、遠足や運動会も終わり、学校での様子がよくわかるようになるころかと思います。小学校教諭をしている友人によると、6月は保護者から相談や連絡を受けることが多い時期だとか。誰もがわが子を心配し、楽しい生活を望んでいることと思いますが、行き過ぎの言動も見られるそう。そこで、小学校教諭をしている友人に聞いた、「この人モンペ(モンスターペアレント)?」 と思ってしまったというエピソードをまとめてみました。●(1)自分の子どもは絶対に悪くないと言い張る『喧嘩両成敗が通用しない。掃除中に雑巾を投げ合うふざけあいが高じて喧嘩になり、二人とも転んでしまったとき、絶対に子どもに謝らせず、「きちんと見ていてください」 と言われた』(30代女性)相手側の怪我のほうがひどかったので、非難こそしなかったそうですが、もしその子の怪我のほうがひどかったら大騒ぎしたのではないかと言っていました。また、悪気ないアクシデントで怪我をさせてしまったとき、菓子折を持っていったら受け取りを拒否した人や、小さなトラブルで相手の家に乗り込んだ人もいたそうです。『一見おとなしそうな人が、目を見開いて感情に任せて大きな声でものを言うから怖くなった』(30代女性)『モンペは夫婦そろって学校に来る 。奥さんを止めるだろうところで止めず、旦那さんも抗議の手紙を書いたりする』(30代女性)ふと思い出したのですが、私が小学生のころにも「モンペ」と言える親御さんがいました。その人たちは、少しきつい言い方をしただけで「娘がいじめられている!」と多くの家に押しかけて玄関先で怒鳴り散らしたので、みんながその子を敬遠していました。そういうことになるとわからないところが不思議だし、子どもも嫌がらないのかなと幼心に思ったものでした。●(2)わが子推し『学芸会のとき、「うちの子は幼少期から劇団に入っているので、劇のクオリティをあげるために主役をさせて」と言われた』(30代男性)「個別にオーディションをしてほしい」「あの子より上手なのにどうして主役がうちの子じゃないのか」などと言う人もいるそうです。「昔は一人だった主役が数人体制に変わってつまらない」という声もよく聞きますが、こんなことを言われたら学校側も主役を増やすしかありませんよね……。子どもには得意不得意があり、その時々で才能がある子がスポットライトを浴びるのは、とても素敵なことだと思うのですが……。「言えば通る」と思っている、それがモンペの特徴なのかもしれません。●(3)正論風に非常識なことを言う『「私用で休ませるので、その日の勉強内容を書いたプリントか、誰かお友達のノートをコピーしたものをください。勉強が遅れると皆さんに迷惑がかかりますし 」と言われて、目が点になった。ただでさえ忙しいのに、さすがにそこまではできない』(30代女性)しかも、私用と言いつつ、テーマパークへ遊びに行っていたそうです。『「日焼けするから窓側の席にするな」「肌がほこりに弱いから掃除はさせるな」と言う親御さんがいて驚いた』(30代女性)これでは、何が普通で何が正しいか、子どもがわからなくなってしまうのでは?と思います。●(4)無関心・無責任『行事に一切来ない、提出物を出さない、電話に出ないのも困りもの』(30代男性)『給食費や教材費を払わない。電話するたび、「明日持っていく」の繰り返し。特に生活に困っている様子はないのに払わない。校長先生から電話してもらったらやっと払ってくれた』(30代女性)他にも、『「緊急連絡先に書かれているご実家の方に連絡してもよろしいでしょうか」と言ったら、不愉快そうに払ってくれた』という声も。義務教育で勉強をさせてもらっているという感謝の気持ちで、最低限の費用くらいは気持ちよく期限内に払いたいものですよね。また、トラブルがあったときに、「子どものしたことですから」と言うだけで、話を聞こうとしない人も多いとのこと。これは確かに困ってしまうのも頷けます。●(5)悪口を子どもに言う『私のことを家庭で悪く言っていたようで、その子の態度がどんどん悪くなっていった。質問しても、「ワッツ(What)?』と言われて鼻で笑われたり、「もっとベテランの学年主任の先生がよかった」と言われたり』(30代女性)これは悲しい……。先生は敬うもの、たとえ不満があっても、それは子どもの前では禁句です。せめてママ友達との愚痴り合いで留めるべきところだと思います。----------以上、縮み上がるようなエピソードの数々でした。ママ友達とモンペについて話したとき、あるママがこう言っていたのが印象的でした。「学校には多くを求めるが、PTA活動には非協力的 だよね」……たしかに!すぐ意見する人に限って、クラスの役員決めのとき、だんまりを決め込む姿を私も何度も目にしてきました。親としてするべきことを間違えないようにしたいと、改めて感じます。●ライター/amu(ママライター)
2016年06月19日【ママからのご相談】受験直前、子どもが一生懸命頑張っているのですが、どうしても不安です。不安から、怒鳴ってしまいます。怒鳴ってしまったあと後悔するという悪循環を、もう何度もしています。どうすれば、この不安な気持ちを解消し、 子どもを応援してあげられるでしょうか?●A. お金をかけず、不安が解消できて、合格率が上がる方法があります。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木恵です。これまで勉強嫌いの子どもを専門に学習支援を行い、全員を第一志望に導いてきました。受験に限らず、子どもにとって大切なイベントの前。受験をする本人はもちろんですが、支える側のお母様も、心配で夜も眠れないのではないでしょうか。でも、自分が代わりに受験することもできないので、見守るしかなく、子どもがダラダラしているのを見るとイライラして怒鳴ってしまうこともあるのではないでしょうか。成績が志望校に足りなくて、不安で仕方がない……。そんな気持ちを抱えておられる方、多いのではないかと思います。イライラしたり不安になったりするのは、お子さんに受かってほしいからですよね。しかし、イライラをそのままぶつけたら、間違いなくお子さんは傷ついてしまいます 。そこで受験生を持つ親の皆さまに、不安が軽くなって、なおかつ子どものやる気も上がる方法をお伝えします!●お子さんに手紙を書きましょう受験など、ここ一番の直前に不安な気持ちになったら、お子さんに応援のお手紙を書きましょう。「いつも頑張っているね」「こんなに頑張ったんだから大丈夫だよ」そばでお子さんを見守ってきたお母様だからこそ、書ける言葉があると思います。温かい応援メッセージで、お子さんを励ましてあげましょう。●なぜ、紙に書くのか紙に書くことで、お母様の気持ちがお子さんに伝わります。しかし、メリットはそれにとどまりません。騙されたと思って一度書いてみてください。受験直前の不安な気持ちがスっと落ち着くのを感じるはずです。不安や悩みなどのマイナスな感情を抱えているとき、頭は混乱状態にあるものです。紙とペンを使って書くとき、言葉の意味やつながりに始まり、文字を書くときの手の動きや強弱、バランスなどを考えます。そのため、脳に大量の刺激が与えられ、理性的に考えることができるのです 。書き終えたものを見れば、頭の中にあった思考が客観視できます。さらに、それを読んだお子さんは、やる気200%アップ間違いなし。特に中学受験においては、多くのお子さんが中学受験を自分のためにやってはいません。子どもたちは親の喜ぶ顔のため に、一生懸命勉強しているものです。年齢が下がれば下がるほどこの傾向は強くなるでしょうが、「受かって、親を喜ばせたい」という気持ちは、小学生だろうが高校生だろうが同じなのです。●手紙を書く効果では、実際にお子さんに手紙を書いてみた親御さんの声を聞いてみましょう。『受験前日、子どもは寝る前に布団の中で私の手紙を読んでいたようです。受かったらラッキーくらいに考えていましたが、子どもも不安だったんだなと思いました。手紙があったから緊張せずに当日を迎えられたようで、無事に第一志望に合格できました』(中学受験生の母親)『手紙作戦は効果絶大でした。実は、書くことを最近しなくなりましたが、娘からのリクエストで手紙が欲しいとのことでしたので、短いですが、したためてみました。受験生は、勉強もですがいろいろな不安な気持ちとも戦っているのですよね』(高校受験生の母親)『受験前は私の方が不安でしたが、書くことで気持ちの切り替えができました。私も子どもたちの支えにならなくてはいけないので、母として、あらためて、強く構えようと思うことができました』(中学受験生の母親)お子さんからの声も紹介しましょう。『受験が不安でしたが、手紙をもらって「ひとりじゃない」と思うことができ安心しました』(高校生)いかがでしょうか。手紙を書くのは恥ずかしいかもしれません。しかし、親子の絆が強まり、不安が解消され、合格率も上がるなら……やってみる価値があります。ぜひ、受験にあたり、お子さんにお手紙を書いてあげてください。最高のお守りになるはずです。【参考文献】・『大人の脳科学常識 頭が冴えわたる脳の鍛え方』トキオ・ナレッジ(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年06月19日長男5歳。小学校入学も控え、いよいよ本格的に「しつけ」を考える年齢になってきました。以前より口うるさく言う機会が増えてきたのですが、正直、心の中はモヤモヤでいっぱいです。子どもが言うことを聞いても嫌なムードが残り、何だかスッキリしない…。そもそも「しつけ」って、何だろう?子どもに偉そうに指示を下し、「あなたのためよ」とお決まりのセリフで押し付けるのが、本当のしつけなんだろうか?そもそも私って、子どもをしつけられるほど立派な人間だったっけ…そう、悩み始めたのです。 ほんとうに「子どものため」?悩みながら気付いたのが、まず自分が「しつけ」という言葉をうまく飲み込めていないということ。それは、子ども時代の記憶があるから。子どもの頃は、「しつけと称して偉そうにしたり、怒る大人」に嫌悪感を感じていたのです。同時に思い出されるのが、「あなたのため」と口うるさく言われた記憶。たしかに親になってみれば子どものためを思って言うのですが、子どもの頃を思い出すと、親の言う「あなたのため」が時々「押し付け」に感じるときもありました。そういうときに限って、よく考えると「親のため」も絡んでいるのです。たとえば「親の体裁のために勉強してほしい」というように。では、本来のしつけって何でしょうか?それは「子どもが自分で自分の身を守り、また他人と社会でうまくやっていくための習慣作りの基盤」となるものです。たとえば、子どもが健康で、安全に生きていくために。友達と遊んだり、ケンカをしても仲直りして、信頼関係を築いていくために。社会に出て周囲と協力して夢を叶え、恋人や家庭を作り、やがて我が子を育てていくために。そうやって子どもが自分らしい人生を歩める基盤を、いま形作ることがしつけなのです。子どもにどう育ってほしいのかじっくり考え、しつけの定義をしっかり定めておくと、「しつけと称して偉そうになる」ことは防げると気付きました。本来の自分とのギャップもう一つ引っかかるのが、「自分は子どもをしつけられるほど、きちんとしていたかな?」ということ。そこまでひどい人間だとも思いませんが、独身時代は夜更かしが好きでしたし、休日はパジャマのままダラダラ、テレビだって付けっぱなしでした。「本来の自分」だって、子どもに威張れるほど立派な人間ではないのです。だからさも偉そうに口うるさく言う「ママとしての自分」とのギャップを、気持ち悪く感じていたのでしょう。そして子どもはその違和感にも、必ず気付くものです。そのギャップをなくすためには、まず本来の自分がしっかり生活することです。早く寝てもらいたいなら、自分が早く寝る。勉強して欲しいなら、自分が勉強する、という風に。子どもは親の真似が大好きですし、親の背中を見て育ちますから、効果はあるでしょう。基本は自分がしっかり生活をし、子どもに声をかけるときはしつけの定義を思い出すこと。そうすることで「偉そうに」「口うるさく」「押し付けるように」ならず、自然としつけることができると思うのです。ライター:宮野 茉莉子
2016年06月17日長男が年長になり、小学校準備に焦るようになりました。今でも自分は口うるさくなっているのに、さらに口うるさくならなければいけない。これが小学校にあがれば、「勉強しなさい」と毎日うるさく言うようになるのでしょう。それは自分が子ども時代、嫌っていた親の姿と同じ。口うるさく言うことが子ども側にとってどれだけ逆効果か、筆者の実体験とともに考えてみましょう。「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」第3回:「怒られているときってこんな気持ち」第4回:「同じことを何度言われてもわからないワケ」第5回:「上の子にとって弟・妹なんて別に可愛くないわけ」第6回:「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」第7回:「子どもの繊細な性格を武器にする」第8回:「イタズラって悪いこと?イタズラを考える」第9回:「どう褒められると嬉しいの?」第10回:「こんなケンカならしてもいいよ。夫婦げんかを見る子どもの気持ち」第11回:「良いママ」を目指すママに育てられる子の気持ち言われるほど働く「天邪鬼」心理ママ:もうっ何回言ったらわかるの‼テレビを見過ぎ!早く消して!K:うるさいな〜もうちょっと見るんだよ〜ママ:もういいわ、注意するのも疲れた。テレビを見たいだけ見てればいいわ。K:もういいや、テレビ消そう。ママ:えぇっ!何で「見ないで」って言ったら見るのに、「見たいだけ見て」って言ったら消すの?K:ボクだって、自分でテレビを消せるよ。でもあんまり口うるさく言われるから、ボクの中の「天邪鬼」が動くんだよね。ダメって言われるほど、止めたくなくなるの。ママ:ママもそうだったわ。大人が「飲んじゃダメ」っていうビールほど、飲んでみたくなるのよね。すごく魅力的に思えて。実際は苦くて、子どもには美味しくないのにね。不安と甘えの現れK:あと、「わざとママを困らせてやろう」って思うときもなかった?ママ:あったあった!あんまり怒るからギャフンと言わせたくて、怒られることをあえてするのよね。「うるさいママなんか、もっと怒ってればいいや!」って。K:そうそう。でもそれは、甘えたい気持ちの表れでもあるんだよね。怒られると、やっぱり子どもは不安だよ。不安と甘えたい気持ちが複雑に絡み合って、わざとやるんだ。「何でママは怒ってばかりいるの?ボクのこと嫌いになっちゃったの?本当は甘えたいのに」ってさ。ママ:子どもも大人並みに複雑な感情を抱えるのね〜K:だってボク、もう5歳だよ?プライドだってあるよ、自分としてのプライド、男としてのプライド、年長としてのプライド、お兄ちゃんとしてのプライド…。強がったり、素直になれないときだってあるし。ママ:子どもは小さい大人なのね。言うことを聞いても自立には繋がらないK:あとね、口うるさく言われると「言われている内容」なんか、どうでも良くなっちゃうんだよね。「テレビを見すぎている」ことよりも、「ママに口うるさく怒られている」ことが頭に残る。それにイライラして忘れて、また同じことをしちゃったり。ママ:それって、「感情的に怒られる」のと一緒ね。感情的に怒られると、「怖い」ことしか頭になくて、怒られている内容が飛んじゃうのよね。K:そうなんだよ。だから「口うるさく怒る」のって、あんまり意味ないんだ。結局言うことを聞いたとしても、「やらされた感や支配された感覚」しか感じないんだよ。いつまでも不満が残るだけで、自立には繋がらないんだ。ママ:なるほど、実はママもいい気がしなかったのよ。うるさく言って言うこと聞かせても、何だかモヤモヤしていて。じゃあ、どうすればいいの?子どもを変えるより、親が変わるK:まず、口うるさく言わないことだね。ママ:だってそうしたら、どんどん不健康になるし、困ることばかりよ。K:ママはボクのことを信じてないんだね。ボクは「ダメなことしかやらない子」だと思われてるんだ。口うるさく言われることで、それも伝わってるよ。同じことをやるにしても、気分の差は大きいよ。たとえば「勉強をする」にしても、「口うるさく言われて勉強する」と、中身も入ってこない。でも、「楽しみながら勉強する」のはどう?中身も入ってくるし、もっともっと勉強したくなるんだ。ママ:つまり、「やりたい気持ちになるように導く」ことね。K:そうさ。テレビの見過ぎだってさ、テレビより楽しいことがないんだよ。子どもも複雑ではあるけど、単純だ。ただ「面白いことがしたい」だけなんだよ。ママ:具体的にどうしたら、子どもが動いてくれるのかしら?K:子どもが1番好きなのは誰?ママ:ママとパパね。K:子どもはママとパパの真似っこが好きでしょう。だからママとパパが、ボクたちになってほしいように生きていれば、それを自然と真似するよ。今はパパだって、ずっとテレビ見てるじゃない。ママ:「子どもを変える」という思考自体が、おこがましかったわね。まずはママとパパが生活を変えてみるわ。「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」第3回:「怒られているときってこんな気持ち」第4回:「同じことを何度言われてもわからないワケ」第5回:「上の子にとって弟・妹なんて別に可愛くないわけ」第6回:「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」第7回:「子どもの繊細な性格を武器にする」第8回:「イタズラって悪いこと?イタズラを考える」第9回:「どう褒められると嬉しいの?」第10回:「こんなケンカならしてもいいよ。夫婦げんかを見る子どもの気持ち」第11回:「良いママ」を目指すママに育てられる子の気持ちライター:宮野 茉莉子
2016年06月11日【ママからのご相談】わが子の諦めの早さが悩みです。小学校6年生の息子のことです。野球のチームに入っていますが、監督に怒られるとすぐにしょげてしまい「なにくそ」と頑張る気持ちになれないようです。「このままじゃお前のポジションなくなるぞ」 とまで言われているのに、火がつきません。監督も息子の「なにくそ」という頑張りを期待していると思うのですが。「つらいならやめてもいいよ」と言うと「やめたくない」と言います。こんな息子にどう声を掛けてあげればよいでしょうか?●A. 何かをやりきる経験を通して前向きな気持ちを育みましょう!ご相談ありがとうございます、ママライターのパピルスです。筆者も小学生の親ですが、勉強の面でもスポーツの面でも、わが子について「メンタルが弱い」「頑張りきれない」「すぐ諦める」 という嘆きの声をパパさんママさんとのお話の中でよく耳にします。厳しくされて奮起できない子というのは、案外身近にたくさんいるように思います。●「もっと頑張れ!」よりも何かを“やりきる”経験をさせよう!高校野球の名門高校でメンタルコーチを務める飯山晄朗氏は著書『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』の中で、『諦めモードに入ってしまった子を、そこから抜け出させるには、なにかをやりきらせてみるというのが有効』とおっしゃっています。「きっと僕(私)はダメなんだ」としょげている子に、いくら口で「大丈夫だ」「諦めずに頑張れ」と言ったところで、自分自身に自信がなければ前向きな気持ちになれず、具体的にどうしたらいいかが分からない のではないでしょうか。そういうときには何かひとつのことを「やりきった!」という経験を積ませることで、「自分にもできる!」という気持ちを持たせるのだそうです。ご相談者様の例でいえば、「このままポジションがなくなってもいいの?」と聞いてみましょう。「いやだ」と言えるのであれば、「じゃあ、どうしたらいいか考えよう。何かひとつやりきってみたら、何か変わるよ。何にチャレンジする?」という感じで導いてみます。「ポジションがなくなっても仕方ない」という諦めに至っている場合は、「ポジションを諦めるのはいつでもできるよね。その前に何かひとつやりきってみない?」という感じです。何にチャレンジするかを本人に決めさせる のがポイント。ランニングでもよし、素振りでもよし、キャッチボールでもよし、練習中にしっかり声を出すでもよいでしょう。1か月続けることを目標に設定します。そして、できた日にはカレンダーに○を、できなかったら×を記入していきます。子どもは、放っておいても自分から取り組めるほど成長していませんから、親がまめに声をかけることが必要になりますね。できた日もあればできなかった日もあるかもしれませんが、とにかく1か月間取り組みを続けられたら、「よく頑張り抜いたね」と認めてあげることが大切です。“やりきった”ということで達成感が味わえれば大成功!「自分にもできる」という小さな自信の種になり、前向きな気持ちが持てたり、やる気が出てきたり、何か気持ちの変化があるはずです。----------いかがでしょうか?勉強でもスポーツでも、親子共に“成果”にとらわれがちです。しかし、“取り組んだ過程そのもの” にスポットを当てることで子どもが達成感を感じられる機会が増えます。“できたか、できないか”という成果での評価に疲れて諦めてしまっているお子さんには、有効な手段だと思いますので、ぜひ取り組んでみてください。【参考文献】・『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』飯山晄朗・著●ライター/パピルス(フリーライター)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年06月07日【パパからのご相談】小学校5年生の息子がいて、休日に勉強を教えています。一生懸命教えているのですが、なかなかうまくいかず、テストの点がいつも悪いです。「なんでできないの?」と聞いても何も言いませんし、褒めても叱っても効果なし。自分の頃は何も考えずがむしゃらに勉強していたので、なぜこんなにやる気がないのか理解できません。どうしたらやる気に火がつくのでしょうか?●A. やる気を出す声のかけ方を知りましょう。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。お子さんのやる気になかなか火がつかないのですね。お父様が学生だったころとは随分と環境が変わってしまい、「自分のころはこうだった」が通用しなくなっているのも、難しさの原因のひとつかもしれません。そこで今回は、いまどきの子のやる気をあげる声のかけ方をご紹介します。●「なぜできない?」と聞いてはいけないテストの結果が悪かったとき、「なぜできなかったの?」と聞くと、厳しい印象を与えてしまいます。子どもは「なぜ?」と問われると、責められているように聞こえる のです。相手を責めない聞き方をすることで、本音が聞き出せます。「テストができなかったのは、何が原因だと思う?」と聞けば、その子を責めているわけではなく、理論的に分析しようという姿勢になるため、子どもの本音が出やすくなります。練習が足りなかったとか、学校の授業がよくわからないとか、本人が思う理由が出てくれば、対策も取りやすいはず。そしてさらに、原因がわかったら、「どうやったらうまくいく?」 と質問します。「どうしてできないの?」だと、できない自分ばかりをイメージし、自分はダメだと思い込むことにつながります。そこで、うまくいっているイメージを描けるように質問するのです。イメージを描いて、そのときの感情を想像する。例えば、「勉強ができるってどんなイメージ?」と聞いてみるのです。答えは「いい点を取る」だけではないかもしれません。「試験でスラスラ解ける」「学校の授業でたくさん挙手をする」「お友達に勉強を教える」など、イメージは人によってさまざまです。そのイメージを実現させるためにはどうすればいいのか、お子さんと一緒に考えてみましょう。●“やらないとどうなる”より、“やったらこうなる”子どもに勉強の話をする際に、「勉強しないとお先真っ暗」みたいな話をしてしまっていませんか。人間の脳は、“正しいこと”では動きません。“楽しいこと”に反応します 。たくさんの子どもを見てきましたが、いまどきの子は特に、義務感よりも楽しさに反応する傾向が強いように思います。「勉強しないと進学できないし、就職もできないよ!」というのは正しいのですが、楽しくはありません。言い方を変えて「勉強すれば希望の学校に進学できて、希望の進路に進めるよ」と言うのは、楽しさを伝える言い方です。いずれも「将来のために勉強は必要」という同じメッセージを伝えているにも関わらず、脳の捉え方はまったく違う のです。お子さんと勉強の話をするときは、できるだけ楽しいことをイメージしてみてください。勉強すれば憧れのあの学校に進学できる、お友達がたくさんできる、かっこいい彼氏ができる、お金を稼げる、趣味に没頭できるなど。そのほうが楽しく勉強に取り組むことができます。意外かもしれませんが、どんなに勉強が嫌いな子どもでも、「勉強は必要」ということは認識していて、やらないといけないとは思っています。それなのに、なぜやらないのか?それは踏み出せないからです。どうやったらいいかわからない、何から始めたらいいかわからない、やってもできないなど。だから子どもたちは、やり方次第、声のかけ方次第で変わっていきます。「自分のころとは違う」ことに戸惑うかもしれませんが、一度、声のかけ方を変えてみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』飯山晄朗・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年06月03日【ママからのご相談】小6の息子のことです。新しい担任になってからほとんど毎日居残りがあります。居残りすること自体は別にいいのですが、習い事に間に合わない時間まで残されることもあり、困っています。5年生のときには居残りが一切なかったので、6年生になってからの居残りの多さに納得がいきません。勉強ができないから残されているのでしょうか。●A. 優先するべきは学校ですが、居残り時間の上限を先生と相談してみてはどうでしょう。こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。「居残り」と聞けば、どうしても「うちの子は勉強できないのかしら?」と不安になってしまいますよね。親として当然です。居残り問題について、現役の小学校教諭をしている友人に話を聞いてきましたので、参考にしていただければと思います。●居残りはどうして発生するのか居残りをさせる先生は、何を考えて行っているのかという点が気になり、小学校教諭の友人に話を聞いてきました。『する先生としない先生がいるけど、居残りをさせる先生は、クラスのみんなに学習する力をつけさせたいと考えている ことは確か。それだけでなく、クラスみんなにできるようになって欲しいと思っているのではないかと思う』と、話していました。居残りはたいていの場合、前日の宿題でやってこなかった分や、授業で行った課題の終わっていない分を終わらせるという目的ですることが多いようです。居残りをさせる先生は、「子どもたちみんなに学力をつけさせたい」という思いから居残りという手段に出ているということがわかりました。ただし、居残りをさせない先生がいるのも事実です。『こういう先生は、帰りが遅くなると危ないからと考えているか、宿題の量がクラスみんなの適正量である可能性が高いのではないか』とも話していました。先生によって居残りに対する考え方は異なるようです。●居残りは学校の授業と同様相談者様にわかっていただきたいことは、「居残りは学校の活動の1つである」 ということです。学校が優先なのです。部活や習い事、学習塾はあくまでも学校活動の次に行うものと思っていただきたいです。居残りは学校の授業と同じ意味なのであって、学習塾などを引き合いに出してはいけないと私は考えています。●居残り時間の上限を先生と決めよう居残りは大切ですが、どうしても部活や習い事をさせてあげたいと思うこともあるでしょう。また、居残りが長引いて帰りが遅くなってしまうことに懸念を抱く人もいると思います。そんなときは、自分一人で悶々と抱え込むのではなく、担任の先生と居残り時間の上限について相談することが一番の解決方法 だと思います。担任の先生と直接話をすれば、子どもの学習状況を知ることができるので、どのような対策を取るべきかを考えることもできます。そうやって情報を共有することで先生、子ども、親の三者がより良く過ごすことができるはずです。相談者様からこのようなお話をいただいたとき、私も同じ立場であると感じました。ちょうど私の息子も居残りをさせられるようになったからです。居残りによって部活の時間に間に合わないと一番悩んでいるのは息子だと思い、思い切って担任の先生と電話でご相談をさせていただきました。話し合いをすることで情報を共有することができましたし、息子を主体としてお互いどのような対策を取ればよいのかを決めることができました。居残りをさせられている子を持つ同じ親として、相談者様のお気持ちは本当によくわかります。お子さんのためにも、日々の連絡帳・電話・参観日の後の保護者懇談会 などで先生に相談をする機会を持たれてみてはいかがでしょうか。きっと、先生がどういう考えで居残りをさせているのかを知ることができますし、心の中にあるモヤモヤした気持ちを解消することができると思います。ぜひ一度先生とお話ししてみてください。ご相談ありがとうございました。【参考文献】・『ほめるとき、叱るとき、諭すとき、最強の子育て思考法』和田秀樹・著●ライター/桜井涼(フリーライター)
2016年05月25日【ママからのご相談】子どもが「どうして勉強しないといけないの?」と繰り返し聞いてきます。どうやら、勉強がつまらないらしく、やる気が出ずにこんなことを言っているようです。超有名な学校に入ってほしいとは思わないですが、せめて勉強を嫌いになってほしくありません。家でできることはありますか。●A. 子どもが興味をもつ4つのツボをおさえる!ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。これまで勉強に興味のない子どもに対して勉強を教え、興味を持たせることに取り組んできました。●勉強が嫌いになる理由勉強が嫌いになってしまう理由は大きく2つあります。1つは「できない」から 。上手にできないことを好きになるのは、大人であっても難しいですよね。上手にできないとき、頑張っても成果が出ないとき、一生懸命頑張れば頑張るほど、子どもは勉強を嫌いになっていきます。もう1つは「つまらない」から 。自分のやっていることに意義が見いだせていないのです。意味のわからないことを1日何時間もやらされていれば、嫌いになるのも無理はありません。大人はつい「勉強は我慢してするものだ!」なんて言ってしまいますが、子どもは楽しみが見いだせないとどんどん勉強が嫌いになります 。●勉強のやる気を引き出すツボ4つそこで、勉強が「できない」「つまらない」を解消するために、『ARCSモデル』 をご紹介します。ARCSモデルは、アメリカの教育工学者ジョン・M・ケラーが「学習のやる気を出す方法」をモデル化したもので、4つの要素の頭文字をとって、このように呼ばれています。『ダイヤモンド社』の人材開発用語集サイトでは、以下のように説明されています。**********①注意(Attention)学習者の興味関心を引き、探究心を喚起する。マンネリを避け、学習者に「面白そうだなぁ」 と思わせることである。②関連性(Relevance)学習の目標に対して親しみをもたせ、与えられた課題を受身的にこなすのでなく、学習者が自分のものとして積極的に取り組めるようにする。目標に向かうプロセスを楽しめるようにし、学習者に「やりがいありそうだなぁ」 と思わせることである。③自信(Confidence)ゴールを明示し、成功の機会を与える。自分の努力によって成功したと思える教材にし、「やればできそうだ」 と思わせることである。④満足感(Satisfaction)学習の結果を無駄に終わらせない。目標に到達した学習者をほめて認める。公平な評価を行い、「やってよかったなぁ」 と思わせることである。**********この4つを順番に刺激できればやる気がアップします。どれか単体として刺激しても、効果が現れます。おうちで子どもと一緒に勉強する際には、この4つ全てを考えながら勉強を教えるのは難しいかもしれません。しかし、どれか1つをおさえることはできそうなのではないでしょうか。例えば、・勉強のときに一緒に絵を書いて「おもしろい!」と思わせる・勉強することやその内容が、日常生活と密接に関わっていることを教えて「やりがいがありそうだ」と思わせる・たくさんある、やるべきことを細かく小さく分解して、「これならできそうだ」と思わせる・勉強が終わったらほめて、「やってよかった」と思わせるこれだけなら、普段の取り組みと心がけ次第で、おうちでできることがたくさんあるはずです。むしろ学校よりも家でこのような話をしておいたほうが、勉強に対して興味関心を持てるかもしれません。この4つのツボをおさえて、お子さんと話をしてみてくださいね。【参考リンク】・ARCS(アークス)モデルとは | ダイヤモンド社の適性検査・社員教育・研修()●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年05月22日【ママからのご相談】小学校4年生の息子がいます。家でまったく勉強をしません。ですからつい「ゲームソフトを買ってあげるから」「テーマパークに連れて行ってあげるから」などとご褒美で釣ってやらせてしまいます。 すると、主人からそんなやり方では子どもの主体性をダメにしてしまうだろう、と叱られてしまいました。子どものやる気を引き出すためにモノで釣るのはいけないことでしょうか?●A. “目の前のニンジン作戦”で効果をあげるお子さんはたくさんいます。こんにちは。ライターのakiです。勉強が好きで自分から進んでしてくれる子であればいいのですが、ほとんどのお子さんは親が一生懸命言ってもなかなか勉強してくれない子が多いと思います。いくら将来のためだと言い聞かせても。あなた自身のためだと熱弁しても子どもにとってはピンとこないのが実情でしょう。そこで、頑張ったら「○○を買ってあげる」「●●に連れて行ってあげる」などと目の前にオイシイ条件をぶら下げてやる気を出させる方法で子どもを動かしてしまうのです。そのあとで「こんな方法でしか子どもを説得できないなんて……子どもの自主性や、勉強本来の目的や楽しさを奪ってしまうのではないか?」と自己嫌悪に陥ってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。しかし、ご褒美で子どものやる気を引き出すことは決して悪いことではありません 。『「学力」の経済学』の著者である中室牧子さんによれば、やり方次第では効果があがるのだそうです。●ご褒美で釣って成功する方法は“あるキーワード”がポイントここで、あるおふたりのお母様の体験談をみてみましょう。【母親Aさん(小学校5年生男の子)】『算数が苦手なわが子。ですから、学校のテストで85点以上とったら好きなゲームを買ってあげるよ。と約束しました。そのゲームは前から欲しがっていたものです』【母親Bさん(小学校6年生男の子)】『算数が苦手なわが子に、算数の問題集を1冊終えたら好きなゲームを買ってあげると約束をしました。ゲームは前から欲しがっていたものです』どちらも算数が苦手な高学年のお子さんに、それぞれご褒美を差し出しています。この結果、どちらかのお子さんは算数の成績が伸び、どちらかのお子さんは成績にほとんど影響がありませんでした。この場合、AさんとBさんどちらのお子様の成績が伸びたかわかりますか?具体的な点数を提示して条件を出しているAさんに対し、Bさんは1冊の問題集をやらせるだけで漠然としています。この場合、一見Aさんのお子さんの方が成績が伸びそうな気がしますが、結果は逆でした。Bさんのお子さんの成績が伸びて、Aさんのお子さんの成績は変わらなかったのです。なぜでしょうか?それは、ご褒美の条件を出す際の子どもの行為 が“アウトプット型”であるか“インプット型”であるかで学力が変わるからです。●“アウトプット型”と“インプット型”、条件の違いで学力が変わるたとえば、「テストの点数が良かったら」「通知表の成績が良かったら」などという条件は、今までやってきたことを外に出して結果を出す“アウトプット型 ”の力です。それに対して、「宿題を終える」「問題集を解く」「本を読む」などの条件は力をつけるために知識を取り入れる“インプット型 ”の行動です。ハーバード大学のフライヤー教授の研究によれば、この“インプット型”の条件でご褒美を示した方が子どもの学力をあげる効果が大きかったと述べています。確かに、“アウトプット型”の「テストの点数が良かったら」「通知表が良かったら」というのは結果を求めるばかりで、良い点数をとるためにどのように勉強をすればいいのか、通知表で良い成績をとるためには何をすべきか、という具体的な手段 が抜けています。一方“インプット型”の行為は、「問題集を解く」「宿題をする」「本を読む」などの学力向上につながる具体的な行動を示しています。子どももその通りにやるだけなので自然と力がついてきます(もちろん、“アウトプット型”の「良い点数がとれればご褒美を……」という条件を出してもその良い点数がとれるための方法を教え、導いてくれる人がいれば良い結果に結びつくと思われます)。ということで、ご褒美は具体的な手段や方法を提示する“インプット型”の条件が良いことがわかります。ちなみに、ご褒美の条件を出す際の日にちは近ければ近い方が具体的でいい そうです。たとえば、「本を毎月1冊ずつ読んだら来年の誕生日におもちゃをあげる」よりも「1時間勉強したら、終わった後でお小遣いをあげる」の方が効果があるそうです。●ご褒美は子どもの勉強への自主性や楽しみを奪わないでは、ご褒美が成績向上に一役かうことはわかりましたが、子どもの勉強へのやる気や楽しさなどの気持ちの影響はどうなるのでしょうか?前述のフライヤー教授の研究によれば、ご褒美をあげる対象となった子どもたちと、そうでない子どもたちを心理学の手法を用いて統計的にはかったところ、両者に気持ちやモチベーションの差は特になかったそうです。つまり、ご褒美が子どもの「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせる結果にはならない のです。そう考えると、やり方さえ間違わなければご褒美を前にして子どものやる気を引き出すことは決して悪いことではないとわかります。----------以上の結果からまとめると、・「本を読む」「宿題をする」などの(知識を取り入れる)インプット条件・ご褒美は遠い将来ではなく近い将来にという観点でお子さまにご褒美勉強法を試してみると、学力向上につながるかもしれません。ぜひ、お子さまのやる気を引き出す日々の学習法として役立ててみてください。【参考文献】・『「学力」の経済学』中室牧子・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年05月17日【ママからのご相談】初めまして、小1と4歳の2児の母です。上の子が入学後に仲良くなったお子さんがいて、とてもかわいい男の子なのですが、服装に季節感が無くて、ほとんど同じ服を着ていたり、よくお腹が空いたと言います。私は、息子のお友達にご飯を食べさせることくらい、本当に何とも思いません。あまりにかわいそうで、よく簡単なご飯を食べさせます。ただ、その子のお家は5人兄弟なのですが、幼稚園年長くらいの妹さんが、よちよち歩きの子を公園に連れて行って遊ばせたりしています。ウチに遊びに来るときにご飯を食べさせる程度では、済まされない問題が横たわってる気がします。男の子に聞くと、お母さんは「病気で寝ている」という返答で、それ以上立ち入ることもできません。息子と同じ、1年生になったばかりなのに……と思うと、本当に胸が痛みます。学校の担任の先生がどれくらい把握しているのかも、まだわかりません。私にできることは、なんでしょうか?●A. 先生に言いづらいのであれば、児童相談所などに相談してみましょう。ご相談ありがとうございます。ライターの月極姫です。優しいご相談者様と出会って、その男の子はとても幸運だと思います。毎回食事を与えるというやり方が正しいかどうかは別として、「気にかけてくれる人が一人でもいる」 ということは、その子の環境が良くなる可能性がそれだけ高まるいうことです。筆者は先日、早朝に市内の住宅地を車で走っているときに、ボロボロのパジャマを着た5歳くらいの男の子が、必死な表情で外を走っているのを見かけました。車を止めて追いかけたのですが、ついにその子を見つけることはできませんでした。彼の様子から「朝、起きて親が居なかったのだな」 ということが容易に推測できました。「すぐに通報するべきだったかもしれない」と、今でも後悔しています。「急いで移動しなければ」という、自分の仕事の都合を優先してしまったことが、悔やまれてなりません。子どもの貧困問題は、今や誰にとっても身近な問題となりました。2014年に厚生労働省がまとめた調査結果によると、2012年の段階で、一般的な世帯収入の半分以下の収入で暮らす“貧困家庭”で暮らす子どもは全体の16.3%。つまり「6人のうち1人の子どもは貧困家庭で育っている」ということになります。世界的視野で見ても、先進国34か国中、日本の子どもの貧困率は悪い方から数えて10番目です(2014年、OECD経済協力開発機構調べ)。子どもの貧困率(17歳以下の子ども)の国際比較(2010年)/出典:OECD(2014)Family database “Child poverty”日本の、漠然とした“豊かな国”というイメージは、本当に実質を伴っているのでしょうか?少なくとも、何もかも持っている子どももいれば、食事さえ満足に与えられない子どももいます。彼らをとりまく経済状況に、大き過ぎる“格差”が横たわっているのは紛れもない事実です。●両親が抱える問題は多種多様……“負の連鎖”で貧困が続いていく学校の給食費や修学旅行費を支払うことができず、就学援助を受けている家庭も近年は増加傾向にあります。こうした制度を利用しながら徐々に経済的安定を目指していければ良いのですが、親の収入が伸びない理由もさまざまで、簡単に解決できないのが現実です。【代表的な貧困の原因】・親の病気、精神疾患・ひとり親家庭(離婚、死別など)・親が非正規労働者、定職につかない、収入の良い仕事に就けない・親の孤立化(周囲のアドバイスと無縁、生活保護などの公的援助制度について無知など)・親の借金親が学歴を必要としない、何か特殊な技能を持っている場合は別ですが、たいていの場合、親の低学歴は貧しさの連鎖を引き起こす要因となっています 。親の学歴が乏しくても「自分の子どもには同じ苦労をさせたくない」と勉強に力を入れる親は立派ですが、残念ながら、自分の学歴が乏しいと子どもの学歴も重要視しない 傾向があります。また、子どもに勉強させたくても塾に通う費用を捻出できない家庭も多くなっています。家庭が自己負担する教育支出(学習費)の内訳/出典:文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」グラフが示すように、現代では学校以外の教育費がかなりの割合を占めます。貧困が原因で、子どもの学力に格差が生まれてしまう現実は否めません。①親が低学歴で、収入の高い仕事に就けない↓②子どもが生まれても塾の費用が捻出できず、子どもが進学をあきらめる。または、進学先が限定される↓③子どももまた収入の高い仕事に就くことができず、成人後も貧困に苦しむことになる収入が伸びないフラストレーションを子どもにぶつける形で、虐待が行われるケースも少なくありません 。こうした虐待や貧困の連鎖を絶つためには、貧困層の子どもが希望の進学先に進めるための制度や、専門家による親への指導が必要です。●ボランティア組織、専門家集団、その効力は?近年は、こうした子どもの貧困問題や学力の問題にSSW(スクールソーシャルワーカー) が関わって改善するケースも目立っています。SSWは社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ専門家で、児童相談所と連携しており、主に子どもの家庭環境の問題解決を専門としています 。公的な制度に関して知識がない人が制度を利用する過程でも、アドバイザーとして活躍します。しかし、増える一方の貧困層に対応しきれるほど、十分な人数が配置されているわけではない、厳しい現状もあります。また地域によっては、現役大学生や教員OBなどが、ボランティアで塾に通えない子どもたちに勉強を教える活動が行われています。このような貧困層の進学を助ける活動も大いなる希望ですが、さらに地域格差なく活発化しなければ問題解決には程遠いでしょう。また、有志や専門家に任せるだけではなく、現場の出来事を吸い上げて報告する、草の根的な活動は私たち一人ひとりの仕事ではないでしょうか 。ご相談者様のようなケースでも、プライバシーを守りながら匿名で相談できる先は少なくありません。・幼稚園、学校の担任の先生・民生委員・児童相談所・自治体のSOSダイヤル「いつもお腹を空かせている」、「入浴させてもらっていないようだ」、「様子がおかしいが、親と連絡がとれない」など、自分で抱えきれない問題に遭遇したら、迷わず然るべきところに相談してください。少し様子を見る過程は必要かもしれませんが、こうした問題を長く放置して良いことなど何もないのです。●最悪の事態を防ぐために“他人事”で済ませてはいけない!先日『子宮に沈める』という映画のDVDを観ました。2010年に起きた、“大阪2児餓死事件”を題材にした作品です。まったく救いのない、目を背けたくなるような内容でした。餓死や自殺、これは貧困問題に直面する子どもにとって最悪の事態です。根本的な原因は母親の貧困と孤立化、育児放棄なのですが、周囲の大人の「ま、いいか」という無関心 や、「自分の仕事じゃないし」という損得勘定の積み重ねも、実際にこうした事件の引き金となってしまいます。もし飢えている子どもが筆者のすぐそばにいたら、ご相談者様のように、やはり食事を提供すると思います。その上で、自分にできることや相談先を考えるつもりです。大人の事情とは無関係に、誰の子どもであっても、まずしっかり食事をし、清潔にしてもらい、生きる権利があるからです。【参考文献】・『日本の大課題 子どもの貧困』池上彰・編【参考リンク】・子どもの教育の問題とは | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン()●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年05月12日【ママからのご相談】中学生の息子が、部活の連絡用にスマホが欲しいと言い出しました。今はフィルタリングを掛けたガラケーを持たせています。息子は「ガラケーを持たせるならスマホでもいいじゃないか」と言うのですが、ガラケーとスマホでは子どもの生活への影響力が違うと思うのですが、どうでしょうか?●A. 中高生のアンケート調査から、ガラケーとスマホの与える影響の違いを確認してみましょう!ご相談ありがとうございます、ママライターのパピルスです。お子さんにスマートフォン(以下スマホ)を持たせるかどうかというのは、どの家庭でもいつかは直面する問題です。今回は“スマホとガラケーが子どもに与える影響の違い”についてのご相談ですね。ガラケーというのは、従来型携帯電話を指します。調べてみると、さまざまな調査結果がありましたが、今回は中高生自身がアンケート項目を考え、大阪府内の約2万人の小中高校生を対象に行った『スマートフォン利用実態アンケート』を参考に考えてみたいと思います。●中学生の6割超がスマホユーザーまず小中高生の携帯電話の利用実態を確認してみましょう。このアンケート調査の結果によると、平成27年7月の調査時点での携帯電話所持率は以下の通りでした。【携帯電話(ガラケー、スマホ合計)所持率%】小学校男子(4~6年)48.0%→中学男子70.8%→高校男子97.0%小学校女子(4~6年)59.9%→中学女子80.8%→高校女子99.1%【スマホ所持率%】小学校男子(4~6年)23.9%→中学男子61.2%→高校男子94.7%小学校女子(4~6年)26.2%→中学女子67.5%→高校女子96.7%小学生時代は少数派だったスマホユーザーが、中学生では一気に6割超 にまで増加していることに驚かされます。アンケート調査の中で、ガラケーユーザーと比べスマホユーザーで回答内容に大きな差がついた項目が複数ありました。中でも特徴的だった項目を次にまとめてみます。●アンケート調査で見えたガラケーとスマホの影響力の違いとは?アンケート調査の結果、「あてはまる」と回答した割合がガラケーユーザーとスマホユーザーで2倍程度の差がついた項目は以下の通りです。【生活面での影響】・「12時より遅く寝る」・「勉強に自信がない」・「1日3時間以上使用」・「健康異変(視力低下など)」【インターネットに関する影響】・「課金したことがある」・「ネットトラブル(ケンカなど)」・「面識がない人とLINEやメール」・「ネットで知り合った人と実際に会ったことがある」・「有害サイト」・「ネットで知り合った人と交際したことがある」----------例えば「12時より遅く寝る」という項目については、携帯電話をもっていない子16.8%、ガラケーユーザー19.8%に対し、スマホユーザー52.7%が当てはまると回答しています。スマホを持っているから夜更かしになるのか、もともと夜更かしをする子の多くがスマホを持っているのかははっきりしませんが、気になる結果です。また、「1日3時間以上使用」という項目に当てはまると回答したガラケーユーザーが10.6%だったのに対し、スマホユーザーは44.8%と約4倍 もの差がついています。上記の「12時より遅く寝る」という項目との相関関係がありそうですね。「ネットトラブル(ケンカなど)」についても、ガラケーユーザーの9.7%に対してスマホユーザーは28.2%と3倍もの差があります。上記の結果を見ると、同じ“携帯電話”のくくりにあってもガラケーとスマホでは子どもに与える影響力は大きく違うと言わざるを得ないのではないでしょうか。「勉強に自信がない」という項目がありますが、前年度の同じアンケートで「勉強に自信がある」という調査項目がありましたので、合わせてご紹介します。【勉強に自信がない(平成27年度調査)】・携帯電話不所持……12.3%・ガラケー……11.5%・スマホ……25.5%【勉強に自信がある(平成26年度調査)】・携帯電話不所持・・・45.7%・ガラケー・・・39.7%・スマホ・・・19.1%中高生が保護者にスマホを購入してもらう際の説得話法に、「テスト勉強にスマホが便利だ」ということを言う場合があるそうですが、この結果を見る限り、スマホの所持がテスト勉強に有利に働いているかと言うと疑問 です。スマホは便利ですが、危機管理能力や自己コントロール能力が未熟な中高生が適切に使いこなすには、難しいツールであることも確かなようです。機能の上では使いこなせていても、自分をコントロールしたり、危険を回避することが難しいのです。●スマホ利用のコントロールがカギこのアンケート調査は中高生自身でアンケート項目を考えたというところが興味深いですね。自身や友人の様子などから、ガラケーとスマホが与える影響について、身近に感じるところがあるのでしょう。一概にガラケーに比べてスマホに悪影響がある、とは言い切れませんが、このアンケート調査が示した結果は、中高生の現状を示すものとして、保護者はよく認識しておく必要があると思います。スマホを避け続けていれば良いというわけではありません。いつかはスマホデビューするのですから、そのときに自分で適切に利用できるような教育 をしていく必要があるのです。今回ご紹介したアンケート調査の結果からは、スマホを持った場合に陥りやすい傾向が見えてきました。これを回避できるようなルール作りを親子で話し合い、実行していくことが現代の親子には必要なのではないでしょうか。【参考リンク】・OSAKAスマホサミット2015を開催しました! | 大阪の子どもを守るネット対策事業(文部科学省委託事業)()●ライター/パピルス(フリーライター)
2016年05月10日【ママからのご相談】小3息子が「ユーチューバーになりたい」と言い出しました。小さいころからYouTubeなどで動画を見せることが多く、最近では興味のあるゲームの実況動画を見ています。おそらく、それらと同じような実況を撮りたいと思っている様子。私は反対したのですが、息子は「なんで?いけないことなの?」と……。「たしかに、何がダメなんだろう?」と、私自身言葉に詰まってしまい、「そんなの、大きくなってから後悔するんだから!」としか言えませんでした。それでも息子は「後悔しないよ?ぼく、カッコよく撮るよ!」と聞いてくれず、そのまなざしは希望でイッパイです。そんな息子を見ているうちに、(ものづくりへのモチベーション自体は悪くないことなのでは?でも、やっぱりやめておけば良かった!って思いそうだし……)と混乱しています。●A. 子どもの将来の夢はユーチューバー!? ママはどう動くべきか考えましょう。ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。今年3月、大阪府の某小学校に通っている児童たち(4年生)を対象に行った「将来の夢」のアンケート結果が、ネット上で話題となりました。その内容は、以下のようなもの。【将来の夢(小4男子)】・第1位…サッカー選手・第2位…医者・第3位…ユーチューバー・第4位…公務員注目を集めたのはもちろん、第3位に輝いた「ユーチューバー」の存在。ユーチューバーとは、『YouTube』(動画共有サイト)に動画を投稿し、動画再生によって得られる広告収入を収入源とする、比較的新しいスタイルの職業です。どうやら相談者さまと同じようにユーチューバーに憧れるお子様は決して少数ではない様子。今回は、子どもとユーチューバーについて考えてみましょう。●キッズユーチューバーがはらむリスクを考える「子どもがユーチューバーだなんて……」と思う人がいる反面で、すでにキッズユーチューバー と呼ばれる子どもたちが数多く誕生しています。ハラハラしながら動画を見てみると……「え、かわいいし、なんだか楽しそう!ひょっとすると、反対する方が子どものタメにならないのかも!?」とも思わせるほどのクオリティです。●人気「キッズユーチューバー」3選【Kan & Aki’s CHANNEL】【がっちゃんねる】【こうくんちゃんねる】こんなにもかわいらしくイキイキとしたキッズユーチューバーを目の当たりにした親心は、「子どもたちのやりたいことをこんな風に応援してあげられたら、どんなにステキだろう……」 と思う気持ちと、「イヤ、やっぱり何か危なっかしいよ!」 と感じる心が五分五分といったところでしょうか。なんの警戒心もなくネットの海へわが子を放り込む前に、動画投稿にともなうリスクについて考え直してみましょう。●キッズユーチューバーは黒歴史になる?ネットに自身の声や顔をさらすことで真っ先に思い浮かぶリスクは、「黒歴史にならないの?」 というポイントです。今は「最高に面白い!」と思える動画でも、自身の成長や時代の流れとともに「やめておけばよかった……」という過去になってしまう可能性は拭えません。“デジタルタトゥー ”という言葉が示す通り、一度ネットにアップしてしまった情報は未来永劫残り続けてしまうもの。このリスクから、動画投稿を食い止めたいと願うパパ・ママも少なくはないはずです。キッズユーチューバーたちが将来抱えるであろう後悔を憂う声も、少なくはありません。**********ユーチューバーキッズとか大人になった時の黒歴史となりうるな— きっとん (@kitton66) 2015年7月28日********************YouTuber kids… 親に黒歴史を作らされるのか… 古い考え方なんだろうけどいくら子供でも素顔をさらすなんてゴメンだな… — ふで@ (@mishishi_p) 2015年7月28日********************ユーチューバーキッズ…変な人多いし物騒な世の中だから大丈夫なのかなぁ…— BBエリー(ベリー) (@BB_ellymini) 2015年7月28日********************ユーチューバーキッズ絶対将来学校で虐められるでしょ — とむ (@tomu_hama) 2015年7月28日**********上記で紹介した人気キッズユーチューバーたちの動画が、いわゆる“黒歴史”とは程遠い印象を受けるのは、彼らの親御さんによる、動画を編集する技術力 のたまものなのではないかと考えます。大きくなった本人が見返しても、「このころの自分、かわいいなあ……」と、まるでアルバムをめくるように楽しめるような仕上がりに完成しているからこそ、世の中のパパ・ママたちに「これならOKかも……?」と思わせる魅力を発しているのです。しかし、それでもこれらの動画がキッズユーチューバーたちの黒歴史になるのか否かは、そのときが来るまでわかりません。子どもたちの姿をネットにさらす際には、そのリスクを理解することが必須だと言えるでしょう。●防犯面でもキッズユーチューバーはやめておくべき?ここ十数年の間に目まぐるしく普及していったインターネット。私たち親世代は、その便利さが広がっていく裏で、ネットに関わるさまざまな事件 が発生した瞬間を目の当たりにしてきました。その中には、将来の光を奪われるような痛ましい出来事も印象深く心に残っているかと思います。これに対して、過去を知らない子どもたちは、インターネットの恐ろしさにリアリティを感じることができません。動画を視聴する人は皆、自分たちと同じような羨望(せんぼう)のまなざしでディスプレイを眺めているとも思っているはずです。しかし、現実には、YouTubeの動画を見ている人の中に、子どもを傷つける可能性を秘めた人物がいてもなんら不思議ではありません。不特定多数の目にさらされる という現実を受け入れた上で、どのラインまで(顔も出すのか、声だけに止めるのか、など)露出させるのかを判断する必要があるでしょう。●ユーチューバーを目指す子どもは勉強しない?冒頭で触れた、小学4年生の子どもたちによる「将来の夢」のアンケート。この調査結果を毎日新聞ニュースサイトで紹介した兵庫県立大学の竹内和雄准教授は、『有名なユーチューバーは1億円以上稼いでいる。もうあくせく勉強する時代じゃない』と、勉強をせず過激な動画撮影に夢中になる子どもたちの現状を伝えています。「なんて時代だ!」と嘆かわしく思う方も多いのではないでしょうか。しかし、冷静に考えてみてください。大好きなゲームをしながら、おしゃべりするだけで生活ができるなんて、子どもはもちろん大人でも夢のようなお話!憧れて当然だといえば当然でしょう。私たちが子どものころ「ジャニーズに入りたい」「モー娘。に入りたい」「お笑い芸人になりたい」と言っていたことと、あまり変わらないのではないでしょうか。そんな子どもたちに、大人はなんと言えばいいのでしょう。実際に、自分が子どもだったころ、大人たちはどう諭してくれましたか?「夢だけで生きて行くことはとても難しい」「本当に人を引き付けるようなユーモアは、知識を蓄えることで身につく」これらのアドバイスは、今の子どもたちにもぜひ伝えるべきことだと言えるでしょう。今はなんの意味も感じられないお勉強かもしれないけれど、あなたを魅力的な大人にするための土台なんだ!と、子どもたちを机に向かわせるのは、ちょっと退屈な、それでいてとても重要な大人の仕事です。ユーチューバーを目指すのでれば、なおさら勉強しなくてはいけない現実をきちんと教えてあげるべきなのではないでしょうか。●せっかく芽生えた子どものやる気をへし折りたくない以上の理由から、「YouTubeに動画投稿なんて、とんでもない!」と、子どもの願いを却下してしまう方は大勢いらっしゃるのではないかと思います。しかし、本当にそれでいいのでしょうか?内容はどうあれ、せっかく芽生えた「やってみたい!」という子どものやる気。もしかすると、思わぬ才能が隠れている のかもしれませんよね。動画の内容を企画し、撮影を行い、編集をする……。この一連の作業の中に、子どもたちが学べることはいくつもあるはずです。投稿をするか否かは置いておいて、動画を完成させてみるというのも、教育の一環として有効であることは否めません。本当にユーチューバーになるのかどうかは、それから考えてみても遅くはないはずです。「動画撮影なんて、アソビみたいなことしてないで!」なんて足蹴にせず、お子さんが興味を持っているジャンルに親子で飛び込んでみる のも手段なのではないでしょうか。●ユーチューバーを目指す気持ちが、将来につながるかもしれません私事ですが、絵を描くことが大好きな子どもだった私が、はじめて抱いた将来の夢は“画家”でした。当時は、自分の好きなこととつながる職業について、画家以外の仕事を知らなかったからです。その後、絵を描く中で“表現すること”そのものの面白さに気づき、文章に興味を持つようになったのは小学校高学年ごろ。最初の「画家になりたい!」という夢は、紆余屈折あってライターという形で実りました。「楽しい!」と思えることは、志の始まりだと思います 。ユーチューバーと聞けば、親は「そんな不安定そうな職業!」と不安になるでしょうが、お子さんの選択肢にまだユーチューバー以外の職業が登場していないだけなのかもしれません。ユーチューバーの何に惹かれているのか、親が許容できるラインはどこなのか。もう少しだけ真剣に、お子様の「やってみたい!」と向き合ってみてもいいのではないでしょうか?【参考リンク】・スマホっ子の風景竹内先生の新教育論「夢はユーチューバー」勉強しない子どもたち | 毎日新聞()●ライター/木村華子(ママライター)
2016年05月04日【ママからのご相談】中学1年生と小学4年生の娘がいます。長女は塾や宿題があって、そのあとスマホで少し遊んでから、いつも1時過ぎに寝ています。睡眠は個人差があると聞いたのですが、今のところ元気ですし遅刻もしていません。子どもの成長に影響があるものなのでしょうか。●A. 就寝時間が遅い子どもほどイライラしやすいという調査結果が!ご相談ありがとうございます。こんにちは、ライターの川中利恵です。最近、子どもの睡眠不足や睡眠障害が増加しているというニュースをよく見ます。実際に睡眠に関する調査は多数行われていて、社会現象と呼べるほど、子どもの睡眠不足にスポットが当てられつつあり、その重要性が注目されているところです。わが家も子どもたちが高校生になり、夜更かしが増えてきたので気になっているところでした。もし、今は大丈夫だとしても、睡眠不足状態が続いた子どもたちはどうなってしまうのでしょうか。●子どもに必要だと言われる睡眠時間は?文部科学省『不登校に関する実態調査』(平成26年度)によると、子どもに必要と考えられている睡眠時間の目安は以下のとおりです。・0~3か月……14~17時間・4~11か月……12~15時間・1~2歳……11~14時間・3~5歳……10~13時間・6~13歳……9~11時間・14~17歳……8~10時間小学生は10時間前後の、中高生でも8時間以上の睡眠 が必要だとされているわけです。しかも睡眠で重要なのは時間だけではありません。規則正しいリズムで睡眠と起床を繰り返さなければ、睡眠の質が悪くなり、寝ても疲れがとれないという状態が引き起こされてしまいます。同じく文部科学省で平成26年11月に実施された『睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査』によると、多くの子どもたちは6時半〜7時より前には起きているようです。そこから逆算すると、本来は「小学生ならば21時ごろ、中高生でも22時には就寝した方がいい」 ということになります。実態はといえば、同データによると、22時までに就寝している小学生は49.2%、そして0時以降に就寝するという子どもは、中学生になると22%となり、高校生になると47%にまで増えています。その原因として、塾、スマホなどの普及、親世代の夜更かしなどが挙げられています。●睡眠不足が続くとどうなるの?睡眠中は、体内時計に従って深い睡眠と浅い睡眠を繰り返すものですが、深い睡眠をできるだけ長くとることで、成長ホルモンが分泌され、コルチゾールと呼ばれる副腎皮質ホルモンの一種の分泌が抑制されます。成長ホルモン は、体そのものの成長や肌細胞の修復、疲労回復、脂肪の燃焼を促進する作用があります。寝る子は育つとよく言いますが、この成長ホルモンの作用です。そして、最近の研究では、睡眠不足は生活習慣病にかかってしまうリスクが上げてしまうだけでなく、症状を悪化させる一因であることがわかっています。そして、コルチゾール はストレスを感じたときに分泌されるホルモンで、大量に分泌され続けると脳内の記憶をつかさどる海馬を傷つける作用があります。しかし、深い睡眠中は、コルチゾールの分泌を抑えることができる のです。勉強をしたことをしっかり身につけるためには、睡眠が必要だと言われるのはこのためです。逆に深い睡眠ができていない場合は脳の機能が落ち、うつ病などにかかりやすくなると言われています。つまり、深い睡眠を逃し続けると、成長を妨げ体調不良を起こす上に太りやすくなり、かつストレスにずっとさらされている状態が続いてしまうというわけです。●不登校のきっかけ、2位が「生活習慣の乱れ」小中学生で不登校に陥っている生徒は、全国でおよそ12万人以上もいると言われています。当初はいじめなどが原因とされていましたが、文部科学省『不登校に関する実態調査』(平成26年度)によると、2位が「生活リズムの乱れ」となっています。「朝起きられない」「夜に眠れない」などが原因で睡眠不足・睡眠リズムの乱れに陥り、学校に行けなくなる日が増えていった結果、学校へ行きづらくなり、不登校に陥ってしまう子どもが多くなっているのです。寝る時間は遅くなっても、朝起きなければならない時間は変わりません。それに伴い、脳の疲労回復を担う睡眠時間が短くなり、脳が疲れ切ってしまいます。それにより、自律神経の乱れが起こり、体内時計が狂ってしまうのです。場合によってはうつ病になるケース もあるようです。不登校になっているわけではないから大丈夫、と思っていても、睡眠不足はじわじわと子どもたちをむしばんでいきます。実際に前述の『睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査』でも、就寝時間が遅い子どもほど、「自分のことが好きだ」という質問に対して「そう思わない」と答えた割合が高く、「何でもないのにイライラする」という質問に対しても「よくある」「ときどきある」と答えた割合が高くなる傾向があったことがわかっているのです。●大人も一緒に早寝&朝活しませんか?早寝早起きをして、朝食をしっかり毎日食べている子どもは、成績が良く、運動能力が高いというデータがすでに存在します。子どもの将来を思うのであれば、勉強をさせることも大切ですが、それ以上にしっかり睡眠をとることの方が重要なのでしょう。日本の子どもたちは世界的にも就寝時間が遅く、睡眠時間が短い傾向があることがわかっています。そのせいか、「子どものためにも添い寝はNG」という説もあるぐらいです。そうはいっても住環境的に、独立した子ども部屋を作れないというご家庭も多いのではないでしょうか。その場合、乳幼児のころは添い寝が一番家族にとって寝やすいのですが、大人の生活時間に子どもが合わせてしまいやすい というウィークポイントがあります。これは小学生や中学生になっても同じで、親がテレビを見たり、スマホをいじったりしたまま「早く寝なさい」と言っても説得力がまるでなく、思春期との合わせ技によって、睡眠時間がどんどん遅くなるばかりでしょう。わが家でも心当たりがあります……。私もかつて、子どもたちが低学年のころまでは、20時に部屋中の電気を消して一緒に寝てしまっていました。それからこっそり1時か2時ごろ起きだして仕事をする生活をしていたのです。しかし、今はすっかり夜更かし型になってしまっていて、それに伴い、子どもたちも夜更かしする日が増えていることに思い当たりました。今思えば、早寝早起きをしていたときの方が、かなり仕事がはかどっていたように思います。せっかくですから、相談者さんのご家庭でも、子どもたちの就寝時間にはパパやママもテレビやスマホを消して一緒に寝てしまい、早起きする生活 をしてみてはいかがでしょうか。そして万が一お子さんに、どうしても眠れない、体調が悪いなどの症状がある場合は、速やかに睡眠外来の門をたたくことを強くおススメします。【参考リンク】・睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査の結果()●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)
2016年04月28日【ママからのご相談】娘が小学校4年生になったので、毎日の宿題に“自主学習”が加わりました。担任の先生には「何を書いてきてもいいよ」と言われているのですが、娘は「何を書いたらいいか分かんない」と困っている様子です。結局、ただイラスト(漫画のキャラクター)を描いたり、簡単な日記を書いたりして提出しています。これでは“自主学習”にならないのではないかと不安です。“自主学習”って一体どんな勉強をすれば良いのでしょうか。皆さんはどのような内容で勉強をされていますか?●A. 今日の“授業の一番大切なこと”を教科別にノートに書き出してみましょう!ご相談ありがとうございます。ママライターのパピルスです。進級した子どもたちがそろそろ新しいクラスに慣れてきたころでしょうか。中学年以降(学校によっては低学年から)、先生から出された課題に加えて、「自分で学習する内容を決めて勉強する」=「自主学習(自主勉強)」が新たに宿題に加わったというご家庭も多いことと思います。もともと“自主学習”という概念は、『全国学力・学習状況調査』で常にトップを維持している秋田県の小学生が、毎日取り組んでいるということで注目を浴びた勉強法です。現在ではその流れを受けて、多くの小学校で自主学習が行われていますが、その取り組み方はさまざまです。実際、筆者の子どももこれまで4人の先生のもとで自主学習に取り組みましたが、先生によって認識に大きな違いがあり 、とても驚きました。周囲のママに聞いても、細かく自主学習のやり方を指導する先生もいれば、「とにかく1日1回でもノートに向かえば良し(お絵かきでもOK)」という先生もいるとのこと。後者のように漫画のキャラクターを書いただけでOK!という方針は子どもにはうれしいものですが、親としては「せっかくなら何か身になることを……」と思ってしまいますよね。そこで今回は、『自主学習ノートへの挑戦』という本を参考に、確実にお子さんの力となる“自主学習”の方法についてご紹介します。●自主学習の目的は、“自ら学び自ら考える力の養成”自主学習とは、その字が表すとおり「自らが主体となって学ぶ」 ということに他なりません。これは、現行学習指導要領の大きな狙いである、“自ら学び自ら考える力の養成”に直結しています。適切な自主学習を繰り返すことで、自発的に学び考える力が育成される……それが自主学習の本来あるべき姿なのです。●その日の授業を要約させると効果的それでは、具体的にどんな取り組みをすれば適切な“自主学習”になるのでしょうか?子どもに有益な自主学習をさせるために必要なことは以下の2つ。1.その日の授業(各教科)を思い返して、「授業の中で一番大切だったこと」を自主学習ノートに書かせる。2.子どもが書いた内容に先生や保護者がコメントを書き込む。“授業の中で一番大切だったこと”を思い返してノートにまとめることで、授業を真剣に聞く態度が培われます 。授業中に眠っていたりぼーっとしていたら書けませんからね。また、全体の中から要点を取り出し、内容をまとめる能力も育つため、大変効果的な自主学習方法と言えます。何度も繰り返しますが、自主学習の目的は“自ら学び考える力”を養成することにあり、ただページを埋めること が目的ではありません。考えなしに漢字練習や計算問題を繰り返すのではなく、「今日の国語の授業で一番大切なことって何だろう?」と考えながら復習することが大切です。この“自ら考える”という行いが自発的な学習への第一歩!受け身の勉強から自分で考える能動的な勉強へ変化する第一歩となります。とはいっても、最初は「1時間目は算数、分数の足し算をやった。2時間目は国語、新しい部首を習った」などと書くことが精一杯な子もたくさんいるようです。実際、筆者の息子もそれに近い状態でスタートしました。何事も最初はうまくできないものなので、「これじゃダメだ!」などと言わず、まずは先生や保護者が励ましのコメントを書き込んでモチベーションを高めてあげることが大切 です。子どものモチベーションを高めるコメント例は後述しますので、参考にしてくださいね。通常、“自主学習ノート”は担任の先生に見せるだけ、という環境が多いと思いますが、できる範囲で親も子どものノートを読んでコメントを書き添えてあげましょう。それだけで子どものモチベーションは大幅にアップします。実際、保護者のコメントをきっかけに学習内容がガラリと改善されたお子さんもいるようです。●子どものモチベーションをUPさせるコメントの書き方4つ子どもの“自主学習ノート”にコメントを書く際、気を付けるべきポイントは4つ!(1)コメントは短ければ短いほど良い。→例:がんばったね!毎日続けてえらい!など。(2)“よい点”を指摘する。→例:「丁寧に書けてるね」「図があって分かりやすいね」「ノートの使い方が工夫できてるね」「よく調べたね」など。(3)考える手がかり(ヒント)を与える。→例:「絵を書くとわかりやすいよ」「図にしたらどうなる?」「大事なところは色を使うといいよ」「間違えた問題をやってみよう!」など。(4)励ます。→例:「どんどん良くなっているよ!」「集中して取り組めたね!」「忙しい中、頑張っているね」「5日続いたね、記録更新!」など。自主学習ノートに先生や保護者がコメントを添えることで、子どもが「じゃあ、もう少し丁寧に書いてみよう。ここは絵で説明しよう。大事な言葉には色ペンを使おう」という風に自発的に考えて工夫する ようになります。----------いかがでしょうか?“授業の一番大切なところ”をまとめるうちに、自主的に分からないことを調べたり関連性の高い情報を付け加えたりするなどの発展的な学習に進化していくようになります。1か月続いたら、ぜひ最初のページと直近のページを比較してみてください。もし内容に良い変化が見られるようなら、お子さんと一緒に「こんなに変わったね!」と話して成長ぶりを褒めてあげましょう。子どもに「やり続ければ成果が出る」ということを教えることになりますし、何よりモチベーションアップにつながりますよ。【参考文献】・『自主学習ノートへの挑戦』堀哲夫/仙洞田篤男/芦澤稔也・著●ライター/パピルス(フリーライター)
2016年04月26日こんにちは。教育コンサルタントの佐々木です。子どもを賢くしたい、頭のいい子に育ってほしい、勉強ができるようになってほしい……子どもがいる親御さんなら誰しもそう願っているのではないでしょうか。そこで、脳科学の見地から、簡単にできる子どもを賢くするコツをご紹介いたします。●(1)適度な運動頭を良くするためには、脳をよく動く状態にすること、つまり脳に血が回ること が重要です。脳に血を回すためには、適度に運動をすることが大切です。集中力が落ちたと感じたらウォーキングをしたり、片付けなど単純作業をして血流を良くしましょう。ちなみに、食後に眠くなるのは胃に血液が流れるため脳に血が回らないためです。●(2)緊張感を持たせるストレスになる程の強い緊張感はパフォーマンスを下げてしまうものですが、適度な緊張感は脳を活性化します 。人が見ているところでは下手なことができないので、一生懸命やろうとするでしょう。あるいは、「絶対に○日までに終わらせる!」という緊張感は脳のパフォーマンスを上げます。たとえば、締切の日や補習の日程に楽しい予定を入れてしまえば、絶対に落とすわけにはいかないので、必死で勉強に取り組むでしょう。●(3)締切や時間制限を設ける時間設定を必ず設けましょう。「何時間でもいいよ」と言われると、脳はだらけてしまいます。宿題をするにしても、今日中に終わればいい、いつでもいいとしてしまうのではなく、時間を決めて取り組みましょう。30分かかりそうなものであれば20分にセットするなど、かかりそうな時間より少し短くする ことで、緊張感を演出できます。キッチンタイマーや、スマートフォンのタイマー機能を使って、時間内に必ず終わらせる習慣を作りましょう。●(4)ライバルを設定する人と競い合うこと は脳の回転数を上げることに非常に役立ちます。負けたくない気持ちから、モチベーションアップも期待できます。例え難しいことだとしても、ライバルがいれば、それをできるように頑張れるものです。●(5)子どもに教えてもらう人に教えることには緊張感が伴い、脳のあらゆる場所を使って考えたり説明したりするため、脳が活性化します。受け身な講義での理解度は5%であるのに対し、人に教えることの理解度は90% と言われています。子どもを賢くしたいならこれを利用しない手はありません。お子さんに、学校で起きたことや学校であったことを説明してもらうことを習慣にすれば、脳が活性化し頭が良くなるでしょう。----------脳を活性化し回転をよくするためには、脳の血流を良くしながら、常に緊張感を持って取り組むことが大切です。自宅で実践できることがほとんどですので、ぜひやってみてくださいね。【参考文献】・『覚えない記憶術』樺沢紫苑・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年04月24日こんにちは。ママライターのamuです。子どものころ親にされて嫌だったはずなのに、ついわが子に同じことをしてしまっていることってありませんか?ガミガミ、決めつけ、お節介……。人は、欲求や価値観が対立したときに、お決まりの12の対応で相手の行動を変えようとしてしまいがちだそうです。だけど、それは抵抗や反発を生んでしまうとか……。普段してしまっていることが、逆効果だと知ることも、親子のより良い関係への近道なのかもしれません。以下に、宿題をしないときの12の対応パターンと、子どもがそのときどう思いがちかをまとめてみました。●子どもがやる気をなくす親のNG対応12パターン●(1)命令、指示「これの解き方はこうだよ、さっさとやってしまいなさい」親の私たちにとっては簡単に見えるので、このようについ口を出してしまいます。→子どもの気持ち:(もう、聞きたくない、何を言ってもムダ )●(2)脅迫、警告「宿題をしないと怒るよ!どんどん頭が悪くなるよ」「はい!5、4、3、2、1!!」昔コギャル語にあった、MK5(マジでキレる5秒前)ってやつですね。→子どもの気持ち:(こわい、押しつけてきて嫌だなぁ )●(3)説教、義務付け「宿題をするのは、みんながしてる当たり前のことでしょ?勉強することが仕事でしょ」一般論を振りかざすこと、よくあります。→子どもの気持ち:(うるさい! )●(4)提案、助言、忠告「もっと上手に時間を使えるように、帰ってきたらすぐ片付けるとか、きちんと計画を立てなさい」「ママもご飯を食べたらすぐ洗い物したら?」と言われたら困るなぁと思いつつ。→子どもの気持ち:(わかっているけど、できないんだよ 。イライラする)●(5)論理による説得「寝る時間まで、もう2時間しかないんだよ。お風呂に30分入っていたら残りはどれだけ?よく考えて」逆算や時間配分が苦手な子は多いようです。→子どもの気持ち:(そうだよな……。なんでできないんだろう…… )●(6)批判、非難「ノロノロしてるからでしょ!どうしてそんなに怠け者なの?どうして毎日のことなのにできないの?」なんで?どうして?は、ママがよく使うワード→子どもの気持ち:(できない自分はダメなんだ )●(7)悪口、侮辱、はずかしめる「全く成長しないのね、小さい子でもできることができなくて恥ずかしくないの?」兄弟と比べるパターンは、ママ友達からも反省点でよく聞きます。→子どもの気持ち:(こんなこともできない自分は嫌われている )●(8)解釈、分析「宿題をしない言い訳ばっかり考えているんでしょ?勉強が嫌いなの?塾に入れないとダメかしら……」こういう、親の本気の一人言って怖いですよね……。→子どもの気持ち:(勉強ができるいい子になってほしいんだろうな、変わってほしいんだろうな 、でもできない……)●(9)同情、なぐさめ、激励「宿題多いよね。難しいよね。でも、きっとやればできるよ。ファイト!」これは、優しくて一見よさそうに見えます。私にはできない……。→子どもの気持ち:(できないと決めつけられている )●(10)尋問(原因・動機・理由を探る)「どれだけ時間をかければできるの?すぐに取りかかれない理由はなに?」そんなこと言われても、面倒だってこと以外に理由はないんですよね……。→子どもの気持ち:(どうしてすぐに問い詰めるんだろう )●(11)賞賛、ご機嫌とり、同意「本当は頭がいいんだから。やればすぐ終わるよ」俺の何を知っているんだ!パターンフラグ。→子どもの気持ち:(そんなことないのにプレッシャー…… )●(12)ごまかし、皮肉「誰かさんは、今日は機嫌が悪いのかな~」俺のこと何ひとつわかってない!パターンフラグ。→子どもの気持ち:(もう少ししたらやるといっても、理解してもらえないだろうな )----------どれも、「いいよね、お母さんはやらなくていいんだから」という気持ちにさせてしまうのもわかる気がします。●子どものやる気を奪う“親の攻撃行動”3つそして、これら12の対応以外にも、3つの攻撃行動と呼ばれるものが、●(a)無視「どうせやらないんだから」と冷たい視線でほうっておく。何か頼まれても聞こえないふりをする、など。●(b)仕返し言うことを聞かないのに腹を立てて、ご飯を抜きにしたり、普段してあげていることをしない。宿題に使うものを捨てるふりをする、など。●(c)他で攻撃する、いやがらせ「全然言うこと聞かなくて、宿題もガミガミ言わないとできない」と友達や祖父母などに言いふらす。先生に相談して言ってもらう、など。----------これらをすると、相手の心は閉じてしまうそう。かと言って、自発的にはやらないし、何も言わなかったら永遠にやらない!というママの声が聞こえてきそうです。そこで、オススメしたいのが、まずわが子の反抗パターンを知ること 。命令すると腹が立って反抗する子、逆に優しくすると子ども扱いや馬鹿にされたと感じて反抗する子がいると思います。命令されると重い腰をあげる子と、励まされたら頑張れる子がいると思います。12のパターンをうまく使って、その子にあったアレンジをしながら発破をかけるのも、親の腕の見せどころなのかもしれません。【参考文献】・『親業―子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方』トマス・ゴードン(著)●ライター/amu(ママライター)
2016年04月23日こんにちは。保育士ライターのyossyです。小学生以降、場合によっては幼稚園の後半以降になってくると、子どもの勉強に関してヤキモキすることも増えてくるのではないでしょうか。幼い子どもがいる場合、特に算数に関して、親が教え方に悩んだり、 なかなか理解してもらえずイライラしてしまったりするケースは多いように感じます。「どうしてわからないの!」「何回も言っているでしょ!」なんて言ってしまった経験がある人もいるかもしれませんね。でも、できることなら楽しく優しく勉強のサポートをしてあげたいものです。では、幼い子に算数の基礎を身に付けさせる にはどうすればいいのでしょうか。5つ方法をご紹介します。●子どもに「算数の基礎」を身につけさせる方法5つ●(1)言葉だけでなく“モノ”を使って説明する数字を“足す”“引く”という概念ひとつ取ってみても、幼い子が相手ではなかなか言葉で説明しづらいものです。そんなときは、身近にある物を使って説明するのがいいでしょう。たとえば、「10-2=8」という計算であれば、実際におはじき・お菓子・鉛筆など、なんでもいいので10個(本)用意してください。そして、2個よけて数えてみるのです。数が大きくなって同じものを用意するのが大変になってきたら、そろばんの知育玩具を購入するのもいいですね。実際に、わが家でも大活躍しています。視覚的に数の概念がわかるツール を使うことで、一気に理解が進むケースも多いですよ。●(2)“毎日の積み重ね”はやっぱり大事!緑進学院の代表取締役、石田勝紀氏は『東洋経済オンライン(2015年7月16日)』のなかで以下のように述べています。『小学生の間は、毎日1枚程度の計算プリントを行うことがとても重要です』『毎日歯を磨くことと同じように、日課にする必要があるでしょう』子どもが幼いうちに勉強を習慣化するためには、親の声かけも重要です。当然、忍耐力も必要になるでしょう。でも、毎日少しずつやっていくことで、確実に算数の基礎力が身についていくはず です。市販のドリルでも構いませんので、ぜひやってみてくださいね。●(3)生活のなかで数字を取り入れる普段の生活のなかで数字や計算を使うことも重要です。たとえば、・家族全員分のお皿を並べてもらうときに多めに渡し、何枚余ったか聞く・小さなお菓子を、家族全員同じ数になるように振り分けてもらう・少額の買い物をさせてみる(年齢に応じてサポートしながら)といった具合です。もし時計がなかなか読めずに苦労しているのであれば、時計盤の表示がわかりやすくなっている子ども向けの時計を用意するのもいいでしょう。また、幼稚園の早いうちから時計が読める子のママに秘訣を聞いてみたところ、「普段から“60”を意識して数を数えさせている」という答えがかえってきました。たとえばお風呂で湯船に浸かる際、60数えさせるのです。そうすることで、時計に使われている60進法の基礎が知らず知らずのうちに身に付いている というわけですね。●(4)国語力を鍛える単純な計算式だけでなく、問題文が出てくるようになると、「問題文そのものが読めていない/わかっていない」 というケースも多いものです。これに関しては、文章読解力を別途身につけなければなりません。やはり、訓練を積み重ねること、日ごろから文章に触れる機会を増やすことが大切でしょう。特に、読み聞かせや子ども自身による音読などが有効です。●(5)「うちの子はできない」と思い込まない最後に、パパ・ママが「うちの子は算数ができない……」と思い込んだり、できないからと言って頭ごなしに叱ったりするのはやめたほうがいいでしょう。子どもが計算ミスをすることや、計算の概念を理解できないのは当たり前と思ってください。「なぜできないの?」ではなく「どうしたら伝わるだろうか?」というふうに、手段に思考を巡らせたほうがイライラせずに済む はず。また、仮に親が算数を苦手としていても、子どもには関係ありません。きちんと理解できるように説明すればできるようになります。「自分が苦手だから、やっぱり子どもも……」なんて諦めると、希望の芽を摘むことになりかねません。忍耐力も必要なので大変ですが、ぜひできることからはじめてみてくださいね。【参考リンク】・算数が苦手な子は「3つの誤り」を犯している | 東洋経済オンライン()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年04月16日こんにちは。在宅ワーカーの川中利恵です。入学のシーズンですね。これを機に学習机を購入されたり、いつ買おうかタイミングを見計らっていたりするパパやママは多いのではないでしょうか。実はわが家には勉強机がありません。物理的に置く場所がなかったためですが、子どもたちが高校生になった今も結局購入できていません。でもやはり、買えばよかったかなという気持ちはあります。なぜなら、自分自身が在宅で長くパソコンの前に座っているため、椅子や机の高さの重要性について身をもって知ったためです。やはり、合わない机や椅子を使い続けていると、どうしても姿勢が悪くなるので、肩こりや腰痛が起こりがちになるのです……。そこで今回は、実際のところ、みんなは子どもの学習机をどうしているのか、それから、体に適した机や椅子の選び方について、調べてみました。●多くのママがリビング学習を望んでいる!良い姿勢を保つ椅子や机、と考えると、やはりオーダーメイドに近くなければ難しいのではないかと思います。実際に多くのママはどうされているのか、カリモク家具による調査と、キッズスターによる調査の結果を見てみました。キッズスターの調査によると、「学習机を使っている」という先輩ママは63%という結果となりました。つまり、およそ4割の家庭では学習机は使っていない ということです。一方で、最近は親の目の届く範囲で子どもに学習をさせる“リビング学習”が流行っているようです。実際にカリモク家具調査によると、「子どもにリビング学習をさせたい」と思うママは、「ぜひさせたい」「まあさせたい」と思う方も合わせると、なんとおよそ88%もいました。特に個室があるケースでは、子どもに目が届かなくなることを懸念するママが多いのかもしれませんね。●姿勢が悪いと気持ちも落ちる!?リビングで勉強してくれると、親はとてもホッとします。でもよく考えてみると、リビングの机や椅子は子どもの体格に合わせたものではないケースがほとんどです。骨格の成長が止まった大人でも、長く体格に合わない机や椅子を使い続ければ悪影響があるものです。では、成長過程にある子どもはどうなるのでしょう。東京都教育委員会が行った『「正しい姿勢」のもたらす、心理・社会的側面調査』によると、小学生の児童の場合、姿勢の良い児童は「飽きても宿題は最後までする」など、自己抑制が高い傾向があるという結果が出ています。さらに中高生になると、姿勢のいい子どもほど、「学校生活に意欲的に取り組んでいて自己肯定感が高い傾向がある」 という結果を導き出していました。ただし、この調査は担任教員による評価に基づいています。もともと気落ちしていたり、落ち着きがない子どもだったりするケースもあると思うのですが、そのあたりは特に記載はありません。本調査の結論としては、別途行われた身体調査、および今回ご紹介した心理・社会的測面調査ののち、起立や礼など姿勢を正す訓練をはじめとした体幹を鍛えるプログラムを実践したところ、物理的な姿勢の悪さについては、いずれの児童・生徒に関しても、改善がみられたとのことでした。確かに姿勢は悪いよりもいい方が身体的にもいいことです。その上、第一印象も大きく変わります。しかし、心理的にも変化が起こるものなのか、個人的にとても興味があったので、体幹を鍛えた後の調査結果が気になるところです。●机はそのままでも椅子の調整は可能! ぜひ試してみてそうはいっても、正しい姿勢を継続して行うだけで、体幹を鍛えることにもつながることが判明しています。リビング学習をするにしても、学習机で勉強をするにしても、机や椅子は切り離せませんから、やはり適したサイズの机や椅子を用意したほうが良いのでしょう。では具体的に、体にフィットした机や椅子の高さはどのように調べればよいのでしょうか。実はこれ、人間工学の知見から、すでに計算式が判明しています。【最適な机の高さ】・机の高さ=“身長×0.25-1+身長×0.183-1”【最適な椅子の高さ(座面高)】・座面高=“身長×0.25-1”机も椅子も最適な高さは身長から導かれます。たとえば身長118cmのお子さんにとって最適な机の高さは49cmですし、最適な椅子の座面高は29cmです。しかし、小さい机や椅子を買っても、子どもは成長するため、すぐに使えなくなってしまいますよね。一般的に学習机や椅子は調節ができるものがよい と言われているのはこのためです。足がつかないと、ぶらぶらさせてしまいがちですし、机の高さが合わなければ疲れやすくなるため、勉強に集中できなくなるでしょう。新しい机や椅子を、家具屋さんなどで探していてメジャーがない場合、適切な高さがわからないこともあるでしょう。その場合、実際に購入予定の椅子に正しい姿勢で座ってみてください。机は肘をまげて手をテーブルに置いてみたとき、肩が上がったり下がりすぎたりしない高さ、椅子は足がぴったり床につく高さが適切な椅子や机の高さになります。机をすでに購入してしまった、リビング学習をするから子ども専用の椅子やテーブルがないというご家庭も多いでしょう。調節ができる机や椅子ならよいのですが、リビングテーブルで高さの調節ができるものはごく少数だと思います。その場合は、足を安定しておける足置きを用意して、座面の上に高さ調節用クッションを置いてみてはいかがでしょうか。足置きはお風呂用の腰かけや段ボール箱を補強したものや木箱 など、足を安定して置ければなんでもOKです。いつか学習机を購入予定があるのならば、椅子だけ足置きがついていて高さ調節ができるものを用意するのも一つの手だと思います。わが子たちはもう高校生で、私より体が大きいので、自分たちで椅子の調節をするようになりました。でも、少し猫背なところもあるので、もっと早く気付いてあげればよかったなあと思っています。もし余裕があれば、ぜひお子さんが学習する机と椅子の高さチェックをして、調節してあげてみてくださいね。【参考リンク】・子供の体幹を鍛える~正しい姿勢のもたらす教育的効果の検証~ | 東京都教職員研修センター(PDF)()・学習机に関するアンケートを実施 先輩ママがいま一番選びたいのは「体に合わせて高さ調整ができる机」! | キッズスター()・「リビング学習」に関するアンケート結果発表! | カリモク家具()●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)
2016年04月14日育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん
ドイツDE親バカ絵日記