「頑張った結果」で評価される環境が大切だった出典 : 編集部:前回までは、畠山さんの幼少期のご経験や進学についてお聞きしました。中高一貫校に進学したとのことですが、「親がいれてくれた」というのは…?畠山:子どもですから、自分で進路の選択肢を「探して持ってくる」までは、しないですよね。親が決めたレールのうち、どれかを選ぶことはあっても基本は親の提示したレールや選択肢の中から決める。塾に入り、成績が良かった、成績が良い場合はここらへんの学校を受験するんだよ、と教えられ、何の疑問を抱かずにその通りに進みました。「自己選択したな」という自覚は別になかったですね。頑張った結果で選べるところに進んだだけ。編集部:「頑張った結果で進める」というのは、曖昧さがなくてわかりやすいですよね。畠山:そう、公文の算数がわかりやすいですよね。出来るようになれば次にいける、できないと何度もそこをくり返す。それに、成績がでるのがいいですよね、地域で何番目かわかる。努力が「事実」で認められる、曖昧な概念ではなく評価される。編集部:例えば、美術のような良し悪しの評価が難しいものは…畠山:いや数字で結果が出ればよい、というのではなく「頑張ったことを認めてもらえる」という事が大前提で一番大事だ、ということです。例えば、自分は100点とったのに、なぜか60点だったあの子が褒められる。100点をとったのに「君は才能があるから」といって努力したことを認めてもらえない、というのはおかしい。そういうことです。編集部:学校でも社会でもありますね。そういった場面で、畠山さんはどうしていたのでしょう?畠山:一つは、その集団に興味がなくなります(笑)会社だったら、そういう会社はやめてしまうかもしれませんね。例えば、上司に気に入られたらボーナスがあがる、という会社だったら仕事は頑張らなくなってしまい、上司に気に入られることを努力するでしょう。仕事を頑張ろうと思ったら違う会社に行くと思います。僕の場合は、塾で勉強すれば評価される環境だったから、しっかり勉強して伸びてきた。それだけ。偶然入った大学では、拘束が多い生活が待っていた。でもそれが自分には合っていた編集部:大学は中学高校と違い、枠組みが曖昧になってきますよね、通い方や学び方も。そこでつまづきはなかったのでしょうか?畠山:中高は無遅刻無欠席、通学も50分かかり、授業後は塾。という、それまでのルーチンとは変わりましたが、防衛大は寮生活ですし、なぜかキツいサッカー部に入ったので、生活は依然拘束されていました。それが良かったんです(笑)普通の大学生生活といってイメージするような、昼から授業にいき、眠りながら授業を受けて…という環境ではなかったので、真っ直ぐ真面目に(笑)編集部:自分のスタイルに合わせて、あえて、そういった学生生活を選んだんですか?畠山:いや、受かったからです(笑)国立の医学部で受かったのは防衛医大だけでした。親もお金かからないし、家計も助かる、じゃあ行きましょう。というところですね。今振り返えると、あの生活スタイルは自分にとって、とても良かったと思います。ただ、全寮制だとは知っていても、朝6時に点呼があるなんて知らなかった(笑)世の中は理不尽なことが多い。だからこそ僕は仕組みを学んだ出典 : 編集部:ちなみに、寮のルールや集団の決まり事に疑問を感じることなどはなかったのでしょうか?理由を考えるとイマイチ納得出来ない慣例的なルールだったり…畠山:疑問…そうですねえ…「ルールがあると知らなくて疑問を抱くこと」はありますよ。編集部:あ、なるほど。畠山:はい、だから僕はルールを隅々まで学んだ。例えば、賃貸物件。部屋を借りるときに、敷金・礼金・手数料がすごく高いことがありました。不動産屋が取れる手数料は、家賃の1ヶ月分で、手数料には消費税はつきますよね。且つ敷金/礼金には消費税はつかない。ところが、僕の手元にきた見積り書には、2ヶ月分の手数料に消費税がかかっていた。これは、宅建法違反なんですよ。というように、ルールを隅々まで学んでいれば、おかしいと思うことをすぐに論理的に理解し、社会の理不尽にすぐに対処し交渉したりできるんです。編集部:そんな風にルールを学ぼうと思ったキッカケは…?畠山:腹が立つからですよ(笑)というのは、冗談で、例えば高速道路のスピード違反、捕まる人と捕まらない人がいるのはなぜでしょう?それは、警察が取り調べをするルールがあるみたいなんですね。警察の覆面パトカーを追い越してから後ろにつかれて云々…と。要は、取り締まりのルールが決まっている。捕まる人と捕まらない人がいるのは理不尽ですよ。でも理不尽だからこそ、学ぶんです。なぜそういうことが起きているのか、という事を知っておく。知っておけば理不尽な社会でも生き抜くことができるんです。僕はそう考えています。畠山さんが現在のお仕事をされるまでの経緯について詳しく伺います。医師(整形外科医)。1974年、大阪府生まれ。1998年、防衛医科大学校卒業後、自衛隊医官として仙台市で勤務。自衛隊退職後、大泉記念病院整形外科、石巻ロイヤル病院整形外科部長を経て2010年、八木山整形外科クリニックを開業。2011年、東日本大震災で被災。2012年維新政治塾に参加、衆院選(宮城4区)に立候補するも落選。現在は複数の病院の外来や在宅診療を掛け持ちで担当している。著書に、『ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法』(KADOKAWA)、『「糖質制限+中鎖脂肪酸」で確実にやせる! 驚異のMCTオイルダイエット』(幻冬舎)。畠山昌樹オフィシャルサイト:
2016年09月15日ヘアやメイクを工夫しても、オシャレな服を着ても、どうにもパッとしない“おブス女子”。美人の友だちがチヤホヤされているのを横目に、ひとりうつむきながら日陰をずっと歩いてきた……そんな経験、あなたにもありませんか?顔の美醜は生まれつきのもの。もしもあなたが残念な“おブス女子”だったとしても、ここはひとつポジティブに捉え、いい面をさがしてみましょう!というわけで今回は、“おブス”を自覚している女性たちに突撃インタビュー。ズバリ、「ブスで得したこと」を語ってもらいました。●ナンパ、キャッチ、チカンと無縁に過ごせる『ナンパからもキャッチからもシカトされる。おかげで夜の繁華街だってのんびり歩けます』(30代女性/事務職)『チカンにあったことが一度もない 』(20代女性/通信業)ナンパ、キャッチ、チカン。女性にとっては“3大敵”ともいえるこれらの存在と完全に無縁でいられるのは、確かにメリットといえそうです。●女子カーストやマウンティングに巻き込まれない女性特有の戦いに巻き込まれずにすんだ、といった意見も多く聞かれました。『女子のカーストから離れたところで生きてこられた。マウンティング?されたことないですね。ああいうのは中途半端にカワイイ子たちのかわいそうな戦い ですよ』(40代女性/主婦)『だれからも警戒心を持たれないからかな。なんかみんな優しい気がします』(20代女性/運送業)女同士の格付け合戦はとにかくエゲツなくて熾烈なもの。そこに参加せず、飄々と生きていけるのだとしたら、それは少しうらやましい気もしますね。●コンプレックスをバネにすれば、素晴らしい人生を手に入れられるさらに「この顔のおかげで、素晴らしいものを手に入れることができた」という女性たちも。『「お前は正直、ブスだ 。だから他人の2倍勉強して、2倍仕事ができるように努力しろ」と父から言われて育ちました。悔しかったけどブスなのは事実。必死に勉強して就活も頑張ったら、一流といわれる大学へ合格し、大手の企業に就職することもできました 。いま、会社でもそれなりに評価してもらえています。ブスの反骨精神、侮れないですよ(笑)』(30代女性/広告代理店)『親から「とにかく笑顔でいろ」と言われ続け、いつもニコニコ笑っている子になった私。その結果、ブサイクだけど笑顔がかわいいと言われ、社内でイチバン人気の男性からプロポーズを受けて結婚することができました。女は愛嬌ってホントです 』(40代女性/事務職)まさに、コンプレックスをバネにして勝ち得た人生。自信に満ちた彼女たちからは、力強いオーラすら感じることができました。----------いかがでしたか?美人でもそうでなくても、生きていく上で最終的に大切になるのは“人間力”です。生まれ持った美醜を越え、よいパワーを持っている人こそ幸せに生きられるはず。コンプレックスを抱えて悩める皆さん、鏡を見て泣くのはもうおしまいです。今日からは、ポジティブシンキングでいきましょう!●文/パピマミ編集部
2016年09月13日コミュニケーションが苦手な息子。ドラマを見るのは立派な勉強!Upload By かなしろにゃんこ。先日、特別支援教育モデル校の先生にお会いする機会があり、そこで聞いたお話です。友達と関係を築くのが苦手な息子のことを相談すると、先生から、「最近の若い子は時間の優先順位がSNSで、ドラマを観なくなりました。でも、人付き合いが苦手だったり、相手の気持ちがわからない子はドラマを観ると良いんですよ」と教えてもらいました。ドラマは、自分とは性別も趣味も年齢も違ういろいろな立場の人が登場するので、他人の心模様を観察するのにちょうど良いんだそうです。そこで、「よし!うちもドラマで人間関係を学ぼう!」と思い立ち、時間があれば息子と一緒にドラマを観ることにしました。ドラマを実況中継!息子が分からない表現を母が解説Upload By かなしろにゃんこ。ドラマの中では本心ではない言葉をあえて使って駆け引きしたり、皮肉を言って笑わせる場面が出てきます。でも、コミュニケーションの経験が少ない息子にとっては「どうしてそんなこと言うの?」と謎なことが多いのだと分かりました。そこで、「分からないことがあったら聞いてね、教えてあげるから」と伝えてからDVDで観ることにしました。何か質問されたときは再生を止めて簡単に説明しながら観るようにしたところ、息子は「この言葉はジョークなんだ」「こういうときには本当に思っていることを言わないんだ」などを覚えて、少しずつドラマを楽しむようになっていきました。言葉を文字どおりに受け取るだけではなく、その裏に意味が隠れていることを次第に理解していったのだと思います。また、息子は自分の気分がいいとき、目の前の人の表情から「困っている」「喜んでいる」「怒っている」などの気持ちがくみ取れない、いわゆる空気が読めない性格です。ドラマを見ることで、人間には憂いやはにかみなどたくさんの感情が存在することや、そしてそのときの表情を知ってほしいというのもひとつの狙いでした。コメディを理解し始めた息子は…親の心、子知らず!Upload By かなしろにゃんこ。さて、私の好みもあってアメリカのコメディドラマも観せていると、息子はどっぷりハマってそればかり見るようになってしまいました(笑)おかげで、汚い表現やイカすちょい悪なセリフを覚えては使いたがるようになった息子…ジョークや皮肉をある程度理解するようになったところに成長を感じるものの、「なんか学んでほしいところが違うな…」と思う母なのでございました。余談ですが、アメリカドラマに『ビックバン★セオリー』という発達障害の特性を持つ主人公が出てくるコメディドラマがあります。このドラマは「発達障害を楽しく知ってもらうのにおススメ」だと私も知人から教えてもらい、私もその面白さにハマってしまいました。愛すべき特性がいっぱい出てきて、発達障害は悪いもんじゃないと思えるようになりました。発達障害のお子さんがいるご家庭で、ご覧になっていただけたら嬉しいです。出典 : ワーナー海外ドラマ公式サイト「ビッグバン★セオリー」
2016年09月13日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。夏休みも終わり、日本を離れてインターナショナル校や現地校に通わせている日本人家庭のお子さんが、日本国内の公立小学校での体験入学を終えて戻ってきました。この時期、ママたちのあいだで盛り上がるのが「学校」の話題です。特に、インター校では当たり前にできる“学校への苦情 ”の申し入れについて、日本の学校を経験して新たに知ったり感じたりすることが多く、毎年ちょっとした議論になるほどです。学校の子どもへの対応について、親から教師側に対して意見や感想を抱くのは、日本在住で普段から日本の小学校へ通わせていようが、年に1度数週間の体験入学であろうが、変わりないはず。ただ、その苦情を申し入れていいのかどうかで判断が違ってきます。海外在住だからこそ、インター校と比べてしまうからこそ、気になり、驚くことも多いのも確かですが、その違いを知った上で、“日本の小学校に対する苦情のあり・なし ”についてまとめてみました。●できるだけ我慢の日本式「あれ?」と疑問に思っても、「え?」と戸惑いを覚えても、その場では飲みこんでおき、できれば我慢するのが多くの日本の学校スタイルのようです。どうにも我慢ができないときだけ、それでもできるだけ角が立たないように注意を払って学校側に伝えていきます。●些細なことでもすぐ一言のインター校インターナショナル校にも個性があり、多少の違いはありますが、一般的に親たちはかなり自由に教師や校長、経営者などと意見交換を行います。アポを取っていなくても、勉強や子どもに関することであれば、いつでも校長に声をかけることができる という気楽さから、疑問や苦情を抱え続けることはあまりありません。●親の口出しがプラスになる場合親が学校側に意見をするとき、それは子どものためにも学校のためにも「良かれ」と思っての行動であるはずです。ただ、学校には学校の方針があり、子どもと一言でまとめるには多すぎる数十人から数百人単位の子どもたちがそこで学習しています。そのため、親が意見をするにあたっては、それが自分の子どもを含めた子どもたちに大きく関係することであり、それが子ども(たち)に深刻な害を及ぼす可能性がある 、または大きなプラスになる 場合であれば、積極的に話し合いの場を作っていく価値があるでしょう。具体的には、子ども周辺にあるイジメの兆候、不良行為の兆候、教師による体罰ややりすぎ行動、言い過ぎ発言などは見過ごすべきではありません。これらは学校側が受け入れやすい“苦情”であり、対応も比較的しやすいため結果がプラスとして現れやすいようです。●親の口出しがマイナスになってしまう場合残念なことに、口出しをしたことで事態が悪化したり、真剣に取り上げてもらえない、無視されるなどで気分を害したり、学校や教師と親や子の関係にマイナスの影響を与えることもあります。特に、学校の教育方針などへの口出しは学校側が嫌う傾向にあるので、よほどの問題がある場合を除いて個人で意見や苦情を上げるのは避けた方が無難です。話し合いを持つ場合にも、単独ではなくグループやPTAなどを動かす とスムーズでしょう。また、ほかの児童を名指しした苦情も慎重に行動する必要があります。学校側は当事者ほどに事態を把握していない場合が多く、「そんなはずがない」といった軽い認識から相手方やクラス担任、同級生などに情報を流してしまうこともあります。その結果、逆恨みを買うことも起こりえます。十分な証拠を揃え、同じ考えの親や証人となる親とともに訴える方法を考えましょう。●子どもが嫌がる場合も子どものためにと考えてとった行動が、子ども本人の反発を引きだしてしまう例もあります。特に友だちや教師といった人と人の関わりにおける問題は難しく、親に相談するのは“聞き役”や“味方”が欲しいからであって、必ずしも代わりに解決してくれることを求めているとは限りません。学校側も必ずしも上手に対応できるとは限らず、かえって子どもの立場を危うくしてしまう こともあります。また、親が子どもから聞きとった話でカーっと頭に血を上らせ学校へ駆けつけても、話し合いは成り立ちません。親はまず冷静に状況を観察して把握すること、学校側に十分な対応力があるかどうかを見極めることが大切です。場合によっては学校を超えた外部機関(相談機関)に持ち込むのも一つの手です。●まとめとして親から小学校へと苦情を申し入れるときには、“子どものため ”であることが大前提です。結果として子どもにプラスにならなければなりません。そのためには、親側が苦情の内容を冷静に受け止めて、学校側がその苦情を受け入れて、対策をとりやすい形で申し入れをするという気遣いも大切です。特に小学校では勉強という見えやすいものよりも、人間関係という目に映りにくく形のないものでの問題が発生しやすいのが特徴です。その分、対応は難しくなりがち。インター校に問題がないわけではありませんが、普段から気軽に学校側と会話ができる環境があるという点では、大きな問題が起こる前に対応してもらいやすいという利点があります。苦情のあり・なしでの悩みを減らすには、日本の小学校でも学校と子どもと家庭という3本柱の距離をもっと近づける工夫 を互いにしていく必要があるのかもしれません。【参考リンク】・小野田正利 保護者クレーム問題を語る 教育インタビュー | 学びの場.com()●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
2016年09月10日医師として活躍する畠山さん。幼少期に困ったのは「クリスマスプレゼント事件」編集部:現在の活動からお伺いしてもよろしいですか?畠山:整形外科の医師として開業医をしていましたけど、それをやめて、書籍を出版したり講演をしています。親御さんにむけて「子どもの褒め方のコツの解説が聞きたい」、と言われたらいくらでもできますよ!(笑)編集部:畠山さんの本を読んで、幼少期からずっとアスペルガー症候群の特性が理由で困っていたという印象はあまり無かったのですが…畠山:そうですね。しいて言えば、書籍にもあるクリスマスプレゼントの事件。小学生のとき、クリスマス会のプレゼント交換があったんです。準備をちゃんとして持っていたのに、僕の持っていったプレゼントは手元からなくなってしまった。平たく言えば、「盗まれた」わけですね。出典 : そのときに、僕はあったはずのものは無いのでパニック。しかも誰かが、盗まれた僕のプレゼントを、クリスマス会の交換会で出していました。誰かはわかりませんが、交換会のプレゼントを見つけて、「盗まれた」と気づいた僕は、周囲に一生懸命主張したんです。でも、誰も僕の話は聞いてくれなかったんです。「盗まれた」と僕は言っているのに、周囲の人はそれよりも僕の主張の強さや仕方が気になったのか「いいんだよ、落ち着いて。プレゼントがなくても参加していいんだよ」と、なだめました。励ましてなだめてきたんです。それはおかしくないですか?あれはなんでなんでしょうね?(笑)編集部:なんなんでしょうね(笑)間違いが容認される社会では、価値観が歪んでゆく畠山:担任の先生も、なだめる事はしても、盗まれた事自体には何もしてくれなかったわけです。誰かが窃盗を犯したのに、その時は被害側の僕が抹殺されたようなものですよね。兄がいうには「あのときお前は3日間くらいずーっと(その事を)言っていたよね。」と。それくらいおかしいと主張していたのに、周囲の大人は盗まれたことよりも「そんなにこだわるお前はおかしい」と言ってきたんですよ。それは納得できないですよね。編集部:なるほど。畠山:今思えば、そこで理解を間違えてしまうと「モノは盗んでもバレなければいいんだ」という価値観になってたかもしれない。間違ったことを周りの社会や大人が容認するような経験を繰り返すと、特に「目に見えないこと、体験できないことは想像し難い」という特性のある子は、「事実、こういう事がおこったから、それで良いのだ」と誤解してしまう。発達障害のある人が犯罪を犯しやすいと言われるのは、発達障害のある人に理由があるのではなく、「誤った理解」をしてしまうようなそんな理不尽な世の中が放置されているという事なんです。そのことで価値観やモラルが歪んでしまう。自分の価値観をつくったのは、周りの環境だった出典 : 編集部:そのような中で、畠山さんが「誤った理解」をしなかったのは、なぜでしょう?畠山:環境ですね。僕の場合は、小学校のころ勉強が出来て、中学から進学校に入ったんです。その後は防衛医大に進みました。進学校の中での優劣はやはり勉強です。だから勉強を必死にして、真面目な方向に進むことが可能だったんです。もしそれが、喧嘩が強いことがステータス、というような地域や学校であれば、不良グループなどその道に進んでいたでしょうね。編集部:なるほど。畠山:先ほどの話と通じることですが、発達障害がある僕ら…いや、僕は物事を見た通りに解釈していくのです。間違っていることが良いとされる経験を積めば、それは「良いこと」「しても構わないこと」と理解しますし、同じように良い行いが最も良いとされる経験をつめば、そのように理解していくのです。ですから、僕の場合は、環境が僕の特性とって良かったのです。編集部:環境…畠山:防衛大は厳しいルールがあるんですね。自衛官として寮生活をする、その中で人のモノを盗むなんてありえない。だから適切な進み方が出来ただけです。例えば、悪いことをしないと生き残れない環境にいたり、悪いことをする方が強い、評価される、そういう環境にいれば、自然とそういうことをすると思いますよ。小学校の成績、最初のスタートラインがちょっと良かったから、中高一貫の進学校に親が頑張って入れてくれた、そこが大きいですよね。畠山さんの学生時代のご様子について、詳しく伺っていきます。医師(整形外科医)。1974年、大阪府生まれ。1998年、防衛医科大学校卒業後、自衛隊医官として仙台市で勤務。自衛隊退職後、大泉記念病院整形外科、石巻ロイヤル病院整形外科部長を経て2010年、八木山整形外科クリニックを開業。2011年、東日本大震災で被災。2012年維新政治塾に参加、衆院選(宮城4区)に立候補するも落選。現在は複数の病院の外来や在宅診療を掛け持ちで担当している。著書に、『ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法』(KADOKAWA)、『「糖質制限+中鎖脂肪酸」で確実にやせる! 驚異のMCTオイルダイエット』(幻冬舎)。畠山昌樹オフィシャルサイト
2016年09月08日ある女子高生が学校から化粧について注意され反省文を提出することになり、その反省文をTwitterで公開したことから、大きな反響を呼んでいます。反省文では、校則を破ったことについては反省しつつも、 「化粧をしてはいけない」という校則がある理由が不明なことや、生徒によっては注意されない人がいるなど、その運用について不満が爆発。実際、高校生で化粧をしているという人は多いと思いますが、世間は化粧をする女子高生をどう見ているのでしょうか。そこで、パピマミ読者のみなさまに「学校に化粧をしていく女子高生についてどう思いますか?」 というアンケートを実施しましたので、その結果を見てみたいと思います!●学校に化粧をしていく女子高生についてどう思いますか?・1位:そもそも高校生は肌がキレイなので化粧する必要はない……27%(280人)・2位:学校に化粧をしていくなんて根本的におかしい……22%(226人)・3位:学校の校則で禁止されていないなら別にしてもいい……20%(214人)・4位:化粧するかしないかは個人の自由……20%(209人)・5位:自信につながるなら賛成……6%(63人)・6位:どちらでもいい……5%(54人)※有効回答者数:1,046人/集計期間:2016年9月2日〜2016年9月5日(パピマミ調べ)●高校生に化粧は不要、学校に化粧はおかしいという意見が多数『イヤでも毎日化粧しなきゃいけない日がくるんだから!高校生なんてそのままが一番かわいいんだし、化粧なんていらないでしょ』(40代女性/不動産)『学校は勉強をするために行くところ。オシャレしたり化粧したりは卒業してからでいい。仮に校則で禁止されてなくても、化粧なんてダメ』(50代男性/教師)「高校生は肌がキレイだから」という理由で化粧が不要だと考える人が最も多い結果となりました。確かに、肌の衰えを感じる人からすると、若い女子高生はそのままで十分かわいいのにという考えになるのかもしれません。しかし、これはこれで「じゃあ肌が汚い女子高生は?」となり、明確な答えにはならない でしょう。学校は勉強する場だから化粧をする必要はないと言っても、自分の容姿が気になって勉強が手に付かなくなれば元も子もありません。“女子高生が化粧をする”ということそのものに違和感を持つ人が多いと言えるようです。●校則を守ることの重要性とは『校則を破ったことは確かに問題だと思う。でも、高校では校則で化粧ダメ、社会人になったら化粧するのがマナーと言われる。1日で言われることが正反対になるような校則に意味はないとも思う』(20代女性/事務職)『堂々と化粧をしたいんだったら、校則で化粧が禁止されてない学校に行けばいいよ。それなら何の問題もない』(30代女性/専業主婦)3位にランクインしたのは「学校の校則で禁止されていないなら別にしてもいい」という回答。これは、化粧という行為自体は世間一般に批判されることではなく、あくまで校則で禁じられているからやってはいけないと認識されているということでしょう。キレイになりたいという気持ちは女性であれば持って当然のこと。しかし、高校生が化粧することに問題はないとしても、校則を破る行為であれば許されない とする人は多いようです。たとえその校則が理不尽なルールだとしても、社会に出ればそれ以上に理不尽な出来事に遭遇するかもしれません。校則の運用に不満があろうと、注意される生徒に差別があろうと、学校の校則とはそういうものだ と受け入れるしかないのでしょうか。●化粧が自信につながるという声も『自分の顔に自信を持てない子が、化粧してキレイになることで生き生きとすることもあると思う。実際、化粧をしてはいけない理由なんて明確にないでしょ』(20代女性/大学生)『あまりにもド派手な化粧はまだしも、エチケットレベルのものなら良いんじゃない?高校生ならニキビとかで悩む年頃だと思うし、少しぐらい許したって学校生活に支障が出るとは思えないけど』(30代男性/営業)自分の顔に自信を持っている人もいれば、そうでない人もいるでしょう。化粧をすることで自分に自信が持て、学校生活を楽しめるようになるのであれば、それをやめさせることは生徒のためにならない かもしれません。また、化粧に関して校則を定めること自体が間違っており、個人の自由にさせればいいという声もありました。化粧を禁止することがどれほどの効果を持っているのか 、確かに疑問のある部分と言えそうです。----------いかがでしたか?女子高生の化粧には批判的な人が多いようですが、校則を盾に注意するのであれば全生徒を平等に扱ってほしいところ。生徒によって怒ったり見逃したりすれば、教師に対する不信感しか生まれません 。「決まりだから」で片付けられてしまえば、生徒も余計に反発するだけ。生徒と学校側がお互いに納得するためには、きちんとした説明と運用が不可欠と言えるでしょう。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】学校に化粧をしていく女子高生についてどう思いますか?()●文/パピマミ編集部
2016年09月06日厳しい方が息子に合う!そう思って塾に通わせていたけど…Upload By かなしろにゃんこ。ADHDのある息子。勉強が苦手で、周りの子たちに比べて学習が遅れていました。「息子には、厳しい先生が目を光らせる塾が合っているのかも」と思い、小3のときに塾に通わせ始めました。しかし息子は、「塾の先生がイヤだ!」「教室に入りたくない!」と塾を嫌がるようになりました。私は息子が「ワガママを言っている」と思い、 無理やり塾に通わせましたが、息子は塾の日になると部屋の中の柱を蹴ったり、転げまわったり、悪態をついたり…それでもなだめて「頑張ろうね」と送り出しましたが、ある日塾から帰ってくるなり、もう我慢できないようで泣きながら大声で「行きたくない!」「家で勉強したい!」と吐き出しました。これは何か理由があるな?とゆっくり話を聞いてみると…。凸凹のある息子にとって、塾は苦手なことばかりUpload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。息子を通わせていた塾では、プリントを丁寧に扱う、学習は静かに行う、先生には敬語で話すなどの決まりがありました。私はそれを、息子が身の回りに気を遣うことを学べていいかな、と思っていました。しかしその厳しさが、息子には合わなかったようです。じっとしていることが苦手で、人一倍不器用な息子ができないことばかり求められるので、何をやっても先生に怒られてしまいます。さらに、「分かるまで自分でやり方を考えましょう!」という塾の方針も息子にとってはつらいものでした。指導やお手本がないと覚えられないタイプの息子は、何日たってもプリント1枚すら終わらせることができなかったそうです。それでも静かに考えているフリをしなければいけない時間は、息子には苦痛だったでしょう。息子がパンクしたところでようやく、荒れまくっていた原因にたどり着きました。息子のつらさに気づくまで、2年の月日を費やしてしまいました。自分自身の焦りが、息子に苦痛を与えていた出典 : 私は今まで息子にこんなツライ思いをさせていたのか…。息子が嫌がるサインを見て見ぬふりをしてきたことにと気がついて、ようやく塾を辞めさせることに決めました。今思えば、息子が勉強ができないことに私が一番焦っていたのだと思います。その焦りから、「厳しく鍛えてもらえる塾がよい」と思いこんでしまいました。塾のような学習方法が合う子と合わない子がいるとは考えもせず、「我が子は大丈夫!通っていればデキるようになる!」と信じていたのです。もし過去に行けるとしたら、塾の扉を叩く前の自分自身を止めにいきたいものです。思い出すだけでも息子に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。これからは、息子に合ったやり方で、息子のペースで成長してほしいと思っています。
2016年09月02日仕事のポリシーは、「小さなことでも周りが困っていたら助ける」編集部:プログラマーとしてご活躍されている上杉さん。今回は、仕事という視点でお伺いしたいと思います。以前、「営業職ほどコミュニケーションやホスピタリティが重要じゃないから、対人関係は今そんなに困っていない」とおっしゃっていましたが…上杉:そうですね。もちろん、仕事をする上でコミュニケーションは大事だと感じていますが、プログラマーという職業も働く環境も僕に合っていると思います。編集部:働く上で心がけていることはありますか?上杉:僕の働く上でのポリシーは「どんな小さなことでもいいから、周囲の社員が困っていたら、助ける」なんです。困っている人がいたら、一番最初に気づいて助けてあげられる人でありたい。ネットがつながらないとか、プリントアウトができないとか、ほんの些細な事であっても。出典 : 編集部:それは、どうしてでしょうか。上杉:Facebookでインターンをしていたとき、優秀な上司がいつも言っていました。大企業では周囲の人を助けても対して変化は無いけれど、小さなチームでは周囲の人を助けると、会社も変わる。周囲の人が成功すればするほど、プロジェクトは進むし成果もだせる。ベンチャーだったら、会社が成功したらストックオプションという形で自分にも見返りがある。その上司はとても優秀で、彼は後に有名なIT企業の社長になったのですが、すごい人の行動原理ってシンプルなんだなと思ったんです。どんなに優秀な人も「当たり前のことを大切にしてる」と気づきました。編集部:なるほど。上杉:こう思えるまでは、自分の事でいっぱいいっぱいでしたから。プログラマーになってから、毎日の業務で「これ簡単だな」と思った事はありません。多分、だからこそ僕はこの仕事が好きなんだと思います。どう頑張っても「最高に綺麗な答え」というのは無く、どんなに優秀なプログラマーでも「プログラミングは簡単だ」と思うことは出来ない。この業界の「永遠に終わりがない感じ」が、ぼくは好きですね。子どもの世界を、まずは家族が知る。すると必要なものが見えてくるかもしれない。編集部:将来プログラマーになりたい、という子ども達も多い一方で、大人がそれをどうやって導いてあげたらいいのか難しいというお声も聞きますが…上杉:そうですねえ、もし僕に子どもがいて、その子が自分の子ども時代と似ていたらまず「本人が興味のあることを一緒に勉強する」と思います。かじる程度でも。と、いうのも、僕の弟はチェスでアメリカの全米高校チャンピオン、日本チャンピオン、そしてチェスオリンピックの日本代表になったのですが、弟がチェスをはじめてすぐ、ぼくら家族全員でチェスをはじめたんですよね。家族がちょっとでもその世界のことを知っていれば、子どもが言うことの信ぴょう性とか、どんな環境に置いてあげるのが良いのか、など考えやすいのだろうなと思います。編集部:なるほど。一方で「何にも興味がない、出来ることはあるけど別にやりたいことではない」という子ども達もいますが…上杉:そんなときは「人に会うこと」が大事だと思っています。学校がつまらないなら、学校で出会えない人達や、同い年で自分よりはるかに先に行っている人とか。今はインターネットがありますから、地域や国を超えて、刺激を取りに行くことは出来ると思います。ツイッターで「この人すごい」と思えるような人をフォローするだけでもいいと思いますよ。凸凹があることに悩んでいた自分から、今、子どもたちに伝えたいこと編集部:確かに、少し調べてみるだけでも色んな選択肢が見えてきそうですね。最後にお聞きしたいのですが、昔の上杉さんと同じような悩みを抱えている子どもたちと出会ったとしたら、どんなことを伝えたいですか。上杉:「好きなことをやったらいい」、と伝えます。その時は、ぜひアメリカも視野に入れてみてほしいですね。もし日本の教育システムが息苦しかったり、勉強が物足りなく感じるのであれば、アメリカには「飛び級」がありますよ。大学の同級生には15歳くらいの子もいました。高校が簡単すぎるから、と。「同世代との集団生活を経験しないのは、社会性の面で心配だ」という意見もありますけど、飛び級するような子は思考も大人びているので、そんな事ないのでは?という気もします。編集部:なるほど。上杉:「飛び級の逆」もいいですよね。僕は数学は飛び級して、国語は学年を戻してくれたら嬉しかったな。そしたら国語もしっかり理解できたのに(笑)編集部: たしかに、それ便利ですよね。でも、上杉さんみたいに凸凹が大きい人って、やっぱり魅力的だと思いますけどね。上杉: ほめても何も出てきませんよ(笑)【インタビュー完】
2016年08月31日ADHDと診断はおりていたけれど、まずは普通級に進学した長男出典 : 子どもに合った学習環境のためとはいえ、転学というのは、なかなか簡単には決められないものです。また、近所の友だちやそのご家族に、どのように伝えたらいいのだろうか。どんな目で見られるだろうか。私は、それがたまらなく不安でした。幼稚園の年長のとき、園の先生にすすめられて受けた相談外来で「ADHDの疑いがありますね」と言われた長男。就学相談では、「検査の結果から、普通級で大丈夫でしょう」と言われ、そのまま地元の小学校へ入学しました。次第に勉強についていけなくなり、ストレスから体に異変が出典 : 明け頃から、目まぐるしい学校生活や友達関係に必死についていこうとして疲れてしまったのでしょう。学校から帰ると、パニックのように大泣きして「ぼくはダメだ、最低だ!」と自分を責めるようになっていきました。こうして、週に一日、通級学級に通うことが決まりました。仲の良い友達もでき、「これで学校生活は大丈夫かな~」とホッと一安心していたのですが、2年、3年と進級していく毎に、今度は勉強について行けなくなりました。「勉強できないけど、遊ぶのが楽しいからいっか♪」と開き直れる子なら良かったのですが、テストは100点でないとダメ、1つ失敗するともう終わり!という極端な考え方の長男。こうしたこだわりは、いつしか自分を責め、それでも頑張らなくちゃいけないと、どんどん自分を追い込んでいったようです。そんな中、ある日突然「もう疲れた。学校に行きたくない!」と大泣きをして、数日学校に行けなくなったことが、ありました。首をあまりに痛がるので、病院に行くとチックと診断を受けました。この頃には、授業でボーっとしたりできずに泣いたりすることが増え、「頑張っているのにできない」という現実に、長男はかなりのストレスを溜めているようでした。子どもにとって本当に良い選択とは何か?悩んだ日々出典 : この頃、私たち夫婦は「転学させるべきか、このまま様子をみるべきか?」迷っていました。私たちの地域には、情緒障がい児のための特別支援固定級はありません。あるのは、知的障害児のための固定級です。好きなことにはとことんのめり込み、1度見ただけのテレビや本の知識もすぐ吸収してしまう。「将来は研究者になりたい!」と目を輝かせて言う長男を、特別支援級に入れることで、彼の将来の選択肢を狭めてしまうのではないか?違う学校の支援級に転学するということは、友達とも引き離してしまうことになります。また、次男と一緒に通っている小学校から、長男だけ別の学校に転学することを、近所の友だちやそのご家族がどう思うのだろう?という不安もありました。ですが、その一方で「長男がどんどん自信を無くしていく、ネガティブになっていく」ことも、ひどく心配でした。校長先生からの一言で、転学を決意出典 : そんなとき、校長先生からある言葉をかけられました。「彼は、とても一生懸命だよ。そして、とても豊かな発想力と、人へのやさしさを持っている。そんな彼が、学校の勉強では辛い思いをしているのを見てるとね。我々学校の意味ってなんだろう、って思うんだよ。彼の良いところだけはつぶしたくないよね、守っていきたいよね。」私たちが長男に願うのは、学歴や、他の子どもと同じように育てるということよりも、幸せな大人になってほしいということ。自分なりの生活をして、失敗をして落ち込むことがあっても「それでも僕は大丈夫」と思えるように。自分の好きなところを見つけられるように。そんな大人に、なってほしい。そのためには彼のペースに合った、学習や生活ができるところに、置いてあげたほうがいい。不安な気持ちもありましたが、校長先生との話で、息子への思いを改めて確認することができました。こうして、私たち夫婦は転学を選ぶことにしたのです。転学までのステップ出典 : まず最初に、就学相談を申し込みました。●初回面談・行動観察相談員の先生に、子どもの発達の様子や学校生活の様子、転学先の希望などについて伝えます。母子手帳や育児日記など、ありったけの資料をひっくり返して臨みました。子どもは別室で1時間ほど、遊んだり簡単な学習をしたりし、その様子をモニタリングしてもらいます。●発達検査・医師との相談など長男は半年ほど前に、LDの検査を受けています。その資料を取り寄せて提出したので、医師との相談、検査は省略されました。●学校での様子を観察相談員の先生が、学校での長男の様子を見に行っていたようでした。出典 : 就学相談期間中に1度、希望する支援級での体験が受けられますが、相談を受ける前に、私たち夫婦で支援級の見学に行きました。まずは親が見て「長男にとっていい環境かどうか」を判断する必要がある、と思ったからです。これには、小学校の校長先生が快く動いてくださいました。相談すると、校長先生「向こうの校長先生と知り合いだから、話を通しておくよ、電話してみて」と言ってくれたのです。見学の結果、ここなら長男が自分のペースで自信を持ち、学習するのを助けてくれるだろう、と確信できたので、見学先の先生方にその旨お伝えしたところ、見学先の先生「1度本人も来てみた方がいいですよ、連れていらっしゃい!」と提案してくれました。こうして長男は、1回の見学、1回の体験と、2回支援級に行くことができました。慣れない環境だと、緊張が強く出てしまう長男にとっては、2回目の体験で「ここなら楽しく勉強できそうな気がするよ」と思えたのでした。出典 : 就学相談を始めたのが4月、必要書類も5月には提出し、後は会議を待つばかりとなっていました。ですが、結局「転学支援部会」が開かれたのは7月の半ばのこと。そこで改めて保護者面談・子どもの行動観察が行われ、その結果をもとに「就学支援等検討委員会」が行われたのが、その1週間後でした。「結果が出るのは、夏休みに入ってからですね」と言われたのには、驚きました。つまり、1学期の終業式には転学するかどうかがわからないまま、2学期になったらいきなり、新しい学校に行くんだよ!と言わなくてはならないということ。彼の心の区切りのためにも、ちゃんと先生や友達に「ありがとう、次の学校で頑張ります!」と挨拶してから、次へのステップに進めたい。この気持ちを、今までの学校と支援級の先生とにお話をしたところ、お二方とも「その方がいいですね」とご理解くださいました。結局、夏休みに入って転学許可を頂いた後に相談をし、「始業式は今までの学校で参加し、翌日から支援級へ」という流れにしてもらったのでした。転学の目的を、本人にどう伝えるか出典 : 転学が正式に決まり、長男本人にも「2学期からは、前に見学に行ったあそこの学校に行くことになったよ」と伝えました。見学や体験の時に「う~ん…勉強はこっちの学級のほうがラクそうだけど、友達がな~」「歩く距離が遠くなるんじゃない?」と言っていた長男ですが、なんとなく察していたところがあったのでしょう。父親が、「今のクラスでは、君のペースで勉強できなくて辛いでしょう。でも、君のペースに合わせてもらえるところなら、君はもっともっといろんなことを学べるんだよ。君の得意なこと、いいところを大事に伸ばしていくために、新しい学級に行こうよ」と伝えたところ、「うん、わかった!」と、親が拍子抜けするほどに、すんなりと受け入れられたようです。転学が子どもの可能性をひらくこともある出典 : 知的障害児対象の特別支援学級に行くことは、「勉強についていけないから、落ちこぼれたから行く」のではなく、●彼のペースや興味関心・勉強の仕方を尊重し、自信を持って勉強するための環境に行く●彼の良さを認め、伸ばすことができる環境に行くというステップアップのためだと、私たち夫婦は考えています。これからいろんなことを言われたり、考えたりするかもしれません。ですが、親がその考えからブレることなく、自信を持って彼を支え励ましていきたい。そう思っています。
2016年08月31日とっても気分屋の息子。宿題をしようとすると…出典 : 我が家の次男は、とても気分屋です。例えば学校の宿題は、やりたくないときは全く取り掛かろうとせず、一緒にやろうとしてもイライラして机に向かいません。でも時々スイッチが入る時があります。他のことには目もくれず、一生懸命に宿題をします。今度は頑張りすぎるぐらいです。気分のムラは0か100か、黒か白かといった感じです。息子は学習障害もあったので、学校の勉強では自信喪失気味でした。そのため私は、学習以外で多くの経験をさせて、少しでも自信をつけてもらいたいと思っていました。遊びの中でも「身体を使うこと」を「自分の好きなようにやってみる」ことを大切にして、息子にできるだけたくさんの経験を積ませようとしています。昨日は「やりたい!」って言っていたのに!出典 : しかし、勉強以外のところでもやっぱり、息子は気分屋です。息子が珍しく、「お母さん!○○やりたい!」と言ったそのときに、私の都合が悪く「明日にしようよ。」と言って次の日まで待たせると、もうそのやる気は失せています。私は「昨日やりたいと言ってたからお母さん準備したよ!」「やりたいと言ったじゃない?」と言っても「オレはもうやりたくないもん。」と言われてしまいます。いったんそうなれば今度はもう絶対にやろうとはしません。息子の「やりたい気持ち」は持続しないのです。そんなとき、私はこの子が何か経験する機会をひとつ逃してしまったなと反省するのです。息子の興味はくるくる変わる。だからその前に出典 : 気分屋ということは、興味が次から次へと移り変わるということです。だから、待たせている間に息子の興味は変わってしまいます。そして何より、息子は待つことが大の苦手でした。私は、息子の「やりたい気持ち」にできるだけ早く対応してみることにしました。少し面倒でもすぐに材料を準備したり、やり方を教えたり、見せたりして一緒に関わったのです。例えば、クッキー焼いてみたい!理科の実験してみたい!木工道具でロボット作りたい!この容器に穴を開けたい!などなど…。子どもは意外なところに興味を持ちます。その興味を生かしてどんなことも経験させれば、子どもは充実した満足感を得て、いろんなことに対する想像力も育つのではないでしょうか。親子でできるだけたくさんの経験をしよう出典 : 息子はやりたかったことが叶うと、生き生きとチャレンジしていきます。楽しそうに、身体を揺らしながらいろんな経験をしていきます。できたことを褒められ、なにか達成した気持ちを私と共有すると、息子はとても良い表情をします。そんな様子を見ていると、私も楽しくなってきます。もちろん、常に子どもの要望は答えられるわけではありません。でも、子どもの「やりたい!」という気持ちを大事につかみ取って、これからも一緒にたくさんの経験を楽しめたらと思っています。
2016年08月30日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。生活の場は海外であっても、子育てでぶつかる壁は同じです。それを痛感したのは、幼稚園から小学校に上がる年頃の子どもたちの口癖に気づいたときでした。「Not fair! 」。これは、英語圏の子どもたちが繰り返し使う言葉で、「フェアーじゃない! 」という意味。「もう寝なさい」と言えば、「Not fair!パパもママもまだ寝ないのに!」と言い返します。「これは食べられないのよ」と言っても、「Not fair!友だちはみんな食べていいんだよ」。一事が万事「Not fair!」なんです。これが、日本に一時帰国していた1か月間で、日本語の「ズルい! 」に変わりました。なるほど。でも、大人と子どもは常にFair(フェアー)ではいられません。年齢という数字の分だけ、心も体も違って当たり前です。しかし、それを子どもにわからせるのは一苦労です。そこで、子育てを終えたパパママに、こんなときはどう対応したか質問してみました。金言ともいうべきセリフの登場に目からウロコがポロリです。●子どもに「Not fair!」と言われたときの対処法●(1)「世の中はFairにできていない」子どもには重たい言葉では?と思いつつ、その通りとも思ってしまいました。これを教えてくれたのは、50代のパパTさん。自営業のTさんは週末でもご夫婦で仕事や接待に出かけることが多く、3人の年子の娘さんはお手伝いさんと留守番です。そのたびに、「Not fair」「Unfair」と言われ続けたため、「世の中はフェアーにはできてないんだぞ! 」と言い返したそうです。当時4~6歳だった娘たちは、この言葉に興味を持ち、「どうして?」と聞き返してきたそう。そこで、社会の中ではパパもNot Fairと感じることが多いことなど、リタイヤしているおじいちゃんおばあちゃんであっても同じであることなど、世の中の「Unfair」な事例を年代別にいろいろと話して聞かせたところ、それ以来グっと「Not fair!」が減ったとのこと。Not fairな気持ちになるのが子どもだけ(自分だけ)ではないと知って、納得できたのでしょう。●(2)「お酒もたばこも一人で生活費を稼げるようになってから」海外のインターナショナル校では5歳から20歳までの子どもが同じ校舎で学んでいることもあります。上級生の中には喫煙を許される年齢になっている子も混じっています。低年齢の子どもたちは上級生たちの影響を良くも悪くも多大に受けます。当時10歳だった少年が、学校帰りに公園でたばこを吸っていたとして親ともども学校に呼び出されました。そこで少年は、「先生も吸っているし先輩たちも吸っている。同じ学校にいて、少し年下なだけの僕だけがなぜ怒られるの?」と憤懣をぶつけました。20代後半の女性教師はそれに対して、「たばこは大人のたしなむもの。大人っていうのは、自分の生活費を自分で稼げる人のこと を言います。あなたはどうかしら?」。学校では、アルコールやたばこ、そしてドラッグなどが青少年の体と心に与える害について繰り返しセミナーを開いています。そこで子どもたちは、「たばこは子どもの体に悪いこと」と「たばこは大人になってから」と繰り返し聞かされてはいます。でも、大人と子どもの違いは単に年齢だけだとしか認識できていないことが多いのです。●(3)「誰にでも平等にやるべきことはある」「どうして勉強なんかしなくちゃいけないの?」「家に帰ってまで勉強なんてしたくない」。勉強嫌いな子どもはどこの世にも存在しています。赤ちゃんは飲んで寝るのが仕事、幼い子どもは遊ぶのが仕事、学齢期の子どもは学ぶのが仕事、大人は社会や家庭の中で働くのが仕事。大人ならわかっていることも、子どもには理解しにくいのでしょう。勉強嫌いで学校では授業を聞かずに上の空、宿題は放置、そんな状態が2年あまりも続いていた14歳の女生徒のママ、Aさんは言いました。「勉強がいやなら、明日から家の掃除と食事作りはあなたがやりなさい。朝は6時に起きて弟のお弁当と家族の朝ごはんを用意するのよ」。でも娘は言い返します。「どうして?それはママの仕事でしょ」。「人にはみんな平等に自分の能力に見合ったやるべきことがある の。ママは家事をすることも外で働くこともできるけど、あなたには何ができるの?」。このセリフ、「能力に見合った」を強調して発言したというAさん。娘さんは、何も言い返せずにしぶしぶ宿題に取り掛かったそうです。●まとめとして子どもには子どもの言い分があるでしょう。世の中は不公平なことばかりだとは考えたくも、教えたくもありませんが、残念ながら必ずしもfairなことばかりではないという現実を知ることも、子どもにとっては一つの学習です。年齢、学年、男女などの違いによって、さまざまな区別があるのが社会であり、これは差別とは別物であることも親子で話し合うと、子どもはすんなりと今の自分の年齢で「できること」や「するべきこと」を受け入れられるでしょう。●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
2016年08月26日【ママからのご相談】子どもが声優になりたいと言うのです。私は反対ですが、夫は「やりたいことをやらせれば」と言います。声優なんて食べていけるわけがないのに。どう思いますか?●A. 「好き」は娯楽。「仕事」は社会・人の役に立つかどうか。こんにちは。婚活・恋愛コンサルの菊乃です。私が以前、貧困女性の自立支援セミナーをキャリアカウンセラーの方とやったときに、参加者の方で割と多かったのが音大卒の方 でした。全国規模の音楽教室でも、ピアノの先生って個人事業主の場合もあるみたいですね。自衛隊の音楽隊とか有名音大を首席で卒業した人が勢ぞろいで、しかもそのパートに欠員が出ないと入れないのですね。また、フリーターの就職支援をしている方にお話を聞いたところ、『フリーターには声優の専門学校を卒業した方が多い』とのことです。進学先としてアーティストや芸能関係を養成する教育機関はありますが、そこの卒業生の数より、就職先はずっと少ない のです。進学先を決めるときに、本人と親はその辺の事情を知っていたのかなぁと思ってしまいました。お聞きしていると、「勉強は身を助ける」と思い込んでいる方が多いなぁと感じました。とりあえず勉強っぽいことならば何でもやっていればいいというか。就職難をあまり経験していない世代の方は、特にそうかもしれません。●勉強は身を助けません。取得しても就職には無意味な資格がたくさんあります「好きならやらせればいいんじゃない」と習い事感覚で進学させて、就職できない、就職しても給料が安い学歴、資格ってたくさんありますよね。“資格が取れる”=“すごい”と思考停止してしまうのは危険 です。私たちだって、世の中のすべての仕事を知っているわけじゃありません。子どもの目に見える仕事って、学校の先生、プロスポーツ選手、芸能関係とかもっと少なくて限られているでしょう。さかなクンは魚がすごく好きで、水産学部を受験して落ち、アニマルケアの専門学校に進学したそうです。卒業後は寿司屋などの魚にかかわるアルバイトを転々と。寿司屋で描いていたイラストが目に留まり、そこからイラストレーターを副業で始めて、それをテレビ関係者が見たそうです。そこから今のポジションを確立するわけなのです。だから一見、仕事に結びつかなそうな進学先でもどうなるかわからないといえばそうなのですが、さかなクンは高校時代から魚通チャンピオンでした。「好き」の思いがそれぐらい濃いならその道でもいいのでは。しかし、いま知っている仕事の中で「声優」が一番興味があるという程度ならば、声優がダメというわけじゃないのですが、もっとお子さんの特性を見つめて、たくさんの仕事があることに目を向けるようアドバイスしてみてはどうでしょうか。●ライター/菊乃(婚活・恋愛コンサルタント)●モデル/香南
2016年08月25日数字とゲームにとにかくハマった小学生時代編集部:前回は小学生のころのお話をお聞きしました。「ゲームよりもゲームの仕組みを知るのが好きだった」と。上杉:そうですね。親にはすごく自由に育ててもらいました。ゲーム禁止や時間制限もありませんでした。習い事も特に無く…あ、水泳はやっていましたけど、週1回くらいですね。ほんとに制限なく、自由に(笑)編集部:ゲームの他に興味のあった事は?上杉:ミニ四駆も好きでしたが、でもやっぱりゲームですね(笑)ゲームに関する数字をひたすら覚えていました。例えば、ポケモン1つ1つの能力値を全部覚えて、どうすれば強くなるのかを計算したりミニ四駆もレースより、ミニ四駆を題材にしたゲームにハマりました。「ミニ四駆GB Let’s&Go」というゲームをとにかくやり込んだのですが、能力値の計算がけっこう複雑で、知的興奮を覚えたのが懐かしいです。編集部:数字を使って考えるのが得意だったんですね。上杉:はい、そうですね。夏休みの自由研究でサイコロをつかったRPGを作ったときは、学校に持って行ってみんなが「これどうやるの?」「すごいな!」と言ってくれるのが嬉しかったです。その後、アメリカに引っ越すことが決まった時も、「向こうに行ったら英訳しよう!」ぐらいに気に入っていたんですよ。まぁ、行ってみたらそんな余裕はありませんでしたけどね(笑)編集部:(笑)「普通」の基準なんて変わる。人生の転機になった大学時代上杉:アメリカに渡ってから自分を大きく変えてくれたのは、やっぱり大学ですかね。僕は中学校から高校までアメリカにいっても変わらず少数派だったのに、大学に入ったら一気に変わりました。それまでは真面目に勉強するとクラスから浮くし、友達とも上手に関われない。どの科目も得意な優等生だったら良かったんだろうけど、僕は科目別の学力の凸凹が激しかったから、馬鹿にされることも多かった。でも理系の大学に入ったら、僕は「普通」でした。勉強するのは普通、もっと凸凹が激しい人も普通にいる、一生懸命勉強するのは別にダサくない。それまで「僕の人生ってダメだなぁ」と思ってましたが、「環境でこんなに違うものか」と驚きましたね。編集部: 環境によって「普通」の基準なんて変わるんですよね。「得意なだけ」だった数学を「好き」になった、ある先生との出会い出典 : 上杉:あとは「数学そのものの面白さ」を知りました。これは大きい。昔から算数も数学も得意でしたが、正直好きかと言われると「別に」という感じで。ものすごく数学にハマっていた、とか、数学が面白いから一生懸命解いていた、とかでは無かったんです。授業もつまらなかったので。ですが、大学の教授がとても面白い数学の授業をしてくれたんです。そこで「楽しい!もっと出来るようになりたい!」と思いました。はじめてゲーム以外に「もっともっと」と、のめり込めることを見つけた。編集部:どんな先生だったんですか?上杉:数学の教授ってどこか世間離れしている仙人みたいな人が多いイメージじゃないですか?でも、筋肉モリモリで日焼けした白人で…見た目が完全にサーファー。数学の難しい科目なのに最前列は女子ばっかり(笑)アルゴリズムの授業で、なぜか爆笑が起こる。それくらい教え方が上手くて、複雑な内容も勉強するのがものすごく楽しかったです。彼の授業を受けるまで、数学のテストで平均点以下をとったことが無かったのですが、はじめて平均点をとったんです。もっと早いうちに、自分が得意だと思っていたことで、頭をガツンとやられたかったですね。上杉さんのお仕事について、そして子どもたちへのメッセージを語っていただきます。
2016年08月24日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。お子さんが思春期に反抗的になるのはある意味当然のことですが、ごく稀に“反抗期のない子 ”がいます。親や祖父母のことが大好きで、「パパやママ、おじいちゃん、おばあちゃんのことをとにかく悲しませたくない」という子どもたちです。脳科学を専門とする医学博士でタレントの中野信子さんは、そういった“反抗期のない子”について、『脳の前頭前野の背外側部(はいがいそくぶ)の機能が弱いため、ものごとを自分の脳で合理的に考えることができない という特徴があり、親や祖父母の価値観に洗脳されやすい 』と、おりにふれて指摘されてきました。今回はそのような“反抗期のない子どもたち”について一緒に考えてみましょう。●筆者の旧友N君は、お父様のことが大好きで議員を世襲し、挫折して自ら命を絶ちました筆者の中学・高校時代の友人で、N君(故人)という人がいました。故人の名誉のために実名は伏せさせていただきますが、N君は正真正銘のセレブリティーの家に生まれ育った御曹司で、お父様は巨大与党所属の元国務大臣でした。愛されて育ったN君は本当に“いいやつ”で、愛すべき好青年でした。N君がどれほどいいやつだったかを示すエピソードが一つあります。高校のとき、勉強が苦手な友人たちは試験前になると筆者の“鈴木ノート”を借りて一夜漬けの勉強をし、及第点ぎりぎりで進級・進学したのですが、みんな友達のよしみで“鈴木ノート”を借りられて当然といった感覚でした。それに対しN君だけは試験が近づくと、「鈴木、申し訳ない。俺にもノートを貸してもらえないかなあ」と、膝をついて頼みに来たのです。あのN君であれば思春期に親に反抗したとは到底考えられません。案の定N君は30代のはじめに衆議院議員だったお父様が亡くなられた際、自分の意思でやっていたテレビ局のキャスターの仕事を辞め、巨大与党から補欠選挙に擁立されて衆議院議員に当選したのでした。高校生のころに垣間聞いた話によると、N君は「男たるもの与党の政治家となって国を動かせ」というお父様の話を素直に「はい」と聞き、年齢相応に反抗するどころかむしろそんなお父様に憧れていた ようです。ところがそんなN君の素直さは、お父様のみならずお父様の“取り巻き”だった人たちへの素直さにも直結してしまいました。取り巻きの人たちからもすっかり洗脳されてしまったN君は、その後公職選挙法違反や受託収賄容疑などで3度にわたって逮捕され、失意のまま41歳で自ら命を絶ったのでした。●親を好きであることが生きるうえで合理的なケースもあるが、逆もあるN君のように、立派なお父様のことが大好きで、そのお父様から話を聞き、おじい様のことを心から尊敬する。そのこと自体はけっして悪いことではなく、素敵なことです。そして、中には大好きな親と同じ職業に就いて成功する人もあり、親を好きすぎることが合理的な生き方でもあるケースは確かにあります。ただ、N君のようにややもすると親の価値観に影響されすぎているうえに“思いやり”もありすぎる人の場合、他人とのタフな駆け引きを必要とする政治家のような仕事が果たして適職であったかというと疑問は残ります。●脳科学に造詣の深い精神科医は、思春期に複数の価値観にふれることをすすめている都内でメンタルクリニックを開業する精神科医のA先生は脳科学にも造詣の深い医学博士ですが、N君のようなケースについて次にようにおっしゃっています。『Nさんに反抗期があったかなかったか、直接面識のない自分には分かりようもありませんが、お話だけからも明らかなことは、Nさんが非常に“思いやり”の深い人であったということです。これは、前頭前野の中でも腹内側眼窩前頭皮質(ふくないそくがんかぜんとうひしつ)と呼ばれる部分が一般的なレベルよりも発達しているためで、Nさんはこのケースに該当すると思われます。思いやりが深いことは素晴らしいことなのですが、眼窩前頭皮質が発達していて背外側部の機能が弱い場合、「思いやりが深くて打算的にはなれない 」という、政治家には最も不向きな人格に育っていたおそれは否定できません』(50代女性/都内メンタルクリニック院長、精神科医)自分の脳は人間性に強く関与する前頭前野のどの部分が発達していてどの部分に弱さがあるのか。残念ながらそれを自分で計り知ることは難しいと言えます。しかし、偏りを最小限にとどめることはある程度は努力で可能になるのではないでしょうか。A先生は言います。『思春期には、できるだけ複数の価値観にふれる ことをおすすめします。自分の親、自分のおじいさん、自分の家族の価値観には親近感はあるでしょうが、この世の中は全然違う感性を持った人間が「共に暮らしている」のだということを意識して自覚した方がいいでしょう。特にますますグローバル化が進むこれからの時代は、その方がストレスに対してタフかつ安全に生きることができるのではないかと思います』(50代女性/前出・精神科医)----------最後に、今はなき愛すべき友N君が、これからも人間どうしの足の引っ張り合いのない天国で笑顔で過ごされますよう祈念しながら、締めくくらせていただきたいと思います。合掌。●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年08月23日同社は2014年10月から小さな子どもがいる社員などが時間に縛られずに働くことができる「専門業務型裁量労働制」を導入しました。実はそれ以外に特別なことはしていません。 「実績さえ出せば自由」という一見厳しい空気が、ママにも子どもたちにも自由を与えてスペースタイムをひとつの家族のようにしてくれた、と中村景子代表取締役社長はお話しして くれました。社員の皆さんとの集合写真。前列左から2番目が中村社長「Women Willレポート」バックナンバー第1回:働くママだけじゃない。Google が目指すのは、誰もがHappy に働ける社会第2回:「子連れ出勤」がもたらすかけがえのない“体験”とはWomenWillサポーター企業「ソウ・エクスペリエンス株式会社」理系女子が活躍できるサイエンス・コミュニケーションという領域中村さん:スペースタイムが手がけている「サイエンス・コミュニケーション」とは、大学や研究機関 の扱っている情報を紙やWeb、イベントなど様々な形で一般の方に分かりやすく届けるという仕事です。そのほか、子どもたちが楽しくサイエンスを学べるようなサイエンス&プログラミング教室も開催しています。いま、社内には9名の社員がいますが、7人が女性。大卒3名、修士4名、博士2名と全体的に高学歴の社員が多いですね。弊社のスタッフには先端的で難解なサイエンスを理解して、それを様々なメディアを使って表現することが求められます。分かりにくい内容を誰にでも理解できるように翻訳できるようなセンスが必要なんです。女性の場合、博士号や修士号をとっても、なかなか研究機関や大学など研究の世界で職を得ることは難しくて、せっかく興味を持って学んだり経験したことを仕事に活かせずにいるのが現状です。そういった女性にとって、サイエンス・コミュニケーターという職業が一人ひとりの学びを活かせる新しい仕事になればと考えました。働きかたを自由にすることで、『いまの自分』にとってベターな時間の使い方を保育園お迎え後にオフィスに戻って仕事することも。専門業務型裁量労働制を導入したのは、2年前。それまでは一般的な会社と同じで勤務時間が決まっていました。でも、どうしても残業問題が発生してしまうのが悩みでした。能力があってテキパキとクオリティの高い仕事をこなしていく人より、長時間働いている人のほうが仕事をしているように見えてしまうことがありますよね。それはおかしい。そう考えて、社員と一緒に裁量労働制について勉強し、自分たちの働きかた、仕事に適した制度にしようと考えたんです。それが、実績に対して評価できる専門業務型裁量労働制でした。裁量労働制は自由な反面、自分で仕事の進捗を管理しなければいけないので個人の努力に委ねられる部分が大きいんですけど、それも仕事のやりがいと感じてもらえたらいいなと思っています。弊社の裁量労働制は、毎月のお給料は固定でみなし残業がついています。極論、1日に1時間 しか働かなくても、10時間仕事しても差がありません。ボーナスだけは実績で評価するので能力によって差がでてきます。自己裁量で自由に仕事をしながら、モチベーションを維持できるという面ではすごく利点が多いですね。極端に言えば、「仕事の実績だけで評価する」。実績が出せるのであれば、決まった時間にオフィスにこなくても構いません。子どもが急に病気になって遅刻したり早退したりしても、労働時間が決まっていないので、連絡さえしてもらえれば問題ないです。小さな子どもがいる人にとっては、育児と両立するために色々なことに折り合いをつけないと良い仕事ができないので、裁量労働制のメリットが大きいと思います。厳しさもありますが、その分、自由でもあり思いっきり働ける制度なんです。自然に大人と子供、子供と子供が関係し合うオフィス弊社では、特にオフィスに育児に関する制度を設けていません。でも、臨機応変に対応できるのが弊社の自慢のひとつ。「あと1時間仕事したいのに子どものお迎えが…」というよう なときは、お迎えに行ってから子どもと一緒にオフィスに戻ってきてもOKです。ハイハイするくらいの小さい子がいても大丈夫なように、オフィスは土足厳禁にして、気兼ねなく子どもを連れてこられるようにしています。家に帰っても一人でお留守番になってしまうような小学生は、学校が終わってからお父さんの仕事が終わるのをオフィスで待っています。会議用テーブルで宿題や工作、ゲームをしながらお留守番をしているような感じです。子どもたちはみなとても良い子。他のスタッフや 来客の邪魔になることはありません。子どもがすごく小さい間は、育児に比重を置きたいという時期があってもいいと思うんで す。子どもから手が離れたらバリバリ働いて、能力や実績をアップさせる。そんなことができるのも裁量労働制の良いところですね。年齢が高い子どもが小さい子どものお世話をしたり、他の社員が相手をしたりするのは弊社にとっては当たり前。時間帯によってはオフィスが児童館のようになっています。年代の違う子ども同士で遊ぶ機会ができるのも良いところだと思っています。サイエンス教室で使っている道具で遊んだり、開発中のものを試しに使ってもらったりすることもあります。スペースタイムをひとつの家族のように、子どもたちと親にとって過ごしやすい環境にしていきたいと考えています。裸足でもOKなオフィス。サイエンスの勉強も自然とできる。会社で働く側、社員を雇う側、しばしば対立してしまうことがありますよね。でも、社員も経営者もひとつの家族として考えてみて欲しいです。家族ならみんなが幸せになるにはどうしたらいいのかを考えていけます。いまの環境は完成形ではない、ひとりひとりの事情を考慮しつつ、柔軟で有意義なスタイルを選ぶことができるんです。みんなが仕事を長く続けら れるように、お互いの状況を思いやれるチームであったら嬉しいです。ライター所感:周りの働くママの多くは、働ける時間に制限があるため、「もっとやりがいのある仕事を任せてほしい」「もっと稼ぎたい」というジレンマを抱えています。反対に、残業バリバリで働いているママは、子どもと過ごす時間がなくて罪悪感を抱えていたり…。スペースタイムのように、時間に縛られない代わりに、実績に応じた評価が得られる職場が増えれば、「子どもがいるとキャリアを積めない」とか「経済的な事情で子どもは生めない」という声も少なくなるかなぁと思いました。(ライター 柏木)お互いの子供の顔を知っていることは一緒に仕事する上でも、自然とお互いに思いやりが生まれそうですね。母であり、妻であり、女であるなんてよく言われることですが、女性に限らず誰もが、あらゆる面を持った存在なのに、働いてるとそのこと忘れられがちです。スペースタイムのようにそんな多面性を受け入れて、従来の働き方に捉われない企業が増えていくといいなと思いました。(編集 村上)株式会社スペースタイム「Women Willレポート」バックナンバー第1回:働くママだけじゃない。Google が目指すのは、誰もがHappy に働ける社会第2回:「子連れ出勤」がもたらすかけがえのない“体験”とはWomenWillサポーター企業「ソウ・エクスペリエンス株式会社」ライター:柏木 真由子
2016年08月20日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。子どもも小学校高学年になると立派な思春期。中学、高校と、より多感な年齢になっていきます。この時期の女の子は自我意識が強くなり、外見を気にするようになります。美容やファッションなどに目覚めるのもこのころです。また、あこがれの対象としてモデルやアイドルを意識するようになり、ダイエットにも興味が高まります。このダイエット、思春期に行うにはリスクも多く、気をつけないと大変なことになります。そこで今回は、思春期のダイエットについてお伝えします。●思春期の女の子とダイエット小学校高学年から高校にかけて、女の子の体は大人の女性へと変容していきます。女性ホルモンも増える影響で皮下脂肪が増します。このため、一時的に太ったように勘違いしがち です。最近では、細身のスタイルがかっこいいという風潮もあります。そのため、ダイエットが不必要な子までダイエットをしているケースも見られるのです。●思春期に行うダイエットのリスク必要のないダイエット、間違ったダイエットはリスクが大きく、次のような危険を伴います。●(1)体が大きくならないこの時期は血液や筋肉など、体の主要な部分の成長が必要な時期です。特に身長は思春期を逃すと伸びることが難しくなります。ダイエットで栄養が不足すると、体全体の成長が止まってしまうのです。成長が止まることで貧血になる、筋肉が育たずにいつも疲れやすい、集中力が続かない などのトラブルがでます。●(2)生理不順体重が減り、脂肪も落ちると、生理不順が起きやすくなります。何か月も生理がこないということも稀ではありません。体は栄養が足りなくなると、卵巣まで栄養を届けることができず、正常な排卵ができなくなるのです。生理不順は将来、赤ちゃんが欲しくなってもなかなか妊娠できない『不妊症』に悩む原因 になります。●(3)ブサイクになる!?ダイエットで栄養が不足すると、体内でたんぱく質や脂質が不足します。髪の毛や爪はたんぱく質でできていますので、うるおいのないパサパサ髪、抜け毛、もろい爪になってしまいます。さらに、ビタミンなども不足することで肌もボロボロ、荒れがちになります。ホルモンバランスの崩れから毛深くなった というケースもあります。●(4)“食べること”が恐怖!?多感なこの時期は、学校生活や勉強、部活動、友人関係、家族関係で悩みや不安も多いため、食欲にも影響しています。悩みを一層深くし、食べることができなくなる『拒食症』や、食べ続けてしまう『過食症』など、ダイエットによって摂食障害を引き起こす可能性 があります。摂食障害になると心身ともに蝕まれ、深刻なうつや死に至る こともあります。ここまでくると治療や入院が必要です。ダイエットを甘くみてはいけません。●ダイエット中でも食事は必須!いくらダイエットが危険だといっても、「絶対にやる!」という女の子もいるでしょう。そのような場合は、間違ったダイエットにならないよう保護者が見守りたいものです。この場合も、食事を抜くことは止めましょう。食事は体のエネルギー源です。勉強も遊びも美しくなるのも、すべて食事からということをよく理解させることです。憧れのトップモデルは、食事をしっかり管理しながら体型を維持しています。専門家がつくことも多く、運動も取り入れています。素人が単に食事を減らして痩せたところでキレイな体型にはなりません。どうしてもダイエットをやるというなら、バランスの良い食事と運動で健康的に進めるのがポイントです。食事制限をして必死に痩せたところで、体には大きな影響がでてしまうのです。今のままで十分にかわいいこと、魅力的であることを自分で理解できるようになることも大人への一歩かもしれませんね!【参考文献】・『危険がいっぱい思春期ダイエット』福岡秀興・著●ライター/佐藤理香(株)
2016年08月18日【ママからのご相談】子どもが小学校に上がるので、祖父母から準備用にとお金をもらいました。学習机を買おうかと思います。選ぶポイントは何でしょうか?●A. 学習机は親の期待の象徴。10年後に気兼ねなく処分できるものを。こんにちは。婚活・恋愛コンサルの菊乃です。ご入学おめでとうございます。学習机を買う前に知っておいていただきたいことがあります。積水ハウス総合研究所が行った「住まいにおける子どもの居どころ調査」では、約80%の方が小学校に上がるタイミングで学習机を購入しています。しかし、子どもが勉強している場所は71%がリビング なのです。つまり、学習机を使っていないのです。●学習机は捨てるときのことも考えて思うのですが、「普通は小学校に上がるときに買うものだ」「学習机があれば勉強する」という思い込みで親が買ってしまうだけで、勉強机はなければないでなんとかなるアイテムではないでしょうか?私のところに相談に来る、恋愛や結婚ができないと悩む女性の方は、親との距離感が上手に取れない方が多いです。親離れができず、30代でも40代でも実家暮らしという方も大勢います。その方々の中には、部屋がいまだに子ども部屋のままの方が多いのです。子ども部屋の象徴、学習机が今もある部屋に住んでいては結婚できません 。しかし、いざ本人が捨てようとすると親が、「まだ使えるしもったいない」「おばあちゃんが買ってくれたんだから」と言って止めることがあります。ずっと、娘・息子を子ども扱いして、生涯母親でいようとする子離れできない方もいるのです。ご本人も「入学祝いに買ってくれたものだから悪いな」と思って手放せないケースが多いのです。また、本人が捨てたくて、親も反対していない場合でも処分が大変なのです。普通のデスクと比べて、引き出しや棚が付いており、分解しないと部屋から出せない場合もあるでしょう。買うときは無料で組み立ててくれても、処分するときはこちらがお金を出して業者を探して 処分しなければなりません。学習机、二段ベッドは捨てるときが買うときよりずっと大変なのです。子どもが入学するときのワクワクした気持ちで準備をするならいろんな作業が苦にならなかったかもしれませんが、ゴミと思って捨てるときは面倒くさいだけ。もちろん、いろんな面から考えて購入してもいいのですが、子どもが高校を卒業するときに気兼ねなく捨てられる値段で、捨てやすい形、重さのものを選ばれてはいかがでしょうか?【参考リンク】・子どもが自然と勉強をする家 | ママ住ま()●ライター/菊乃(婚活・恋愛コンサルタント)
2016年08月18日【ママからのご相談】子どもが音楽を聞きながら勉強しています。勉強をするのはいいのですが、音楽を聞いていたら集中できないので、意味がないのではないかと思います。注意するとすねて勉強をやめてしまうので、どうしたものかと……。 音楽を聞きながらの勉強は効果があるのでしょうか?●A. 子どもが集中しているか見極めましょう。ご質問ありがとうございます。学習アドバイザーの佐々木です。子どもが勉強したり、宿題をしたりするのはいいのですが……。音楽を聞きながら勉強していたら、ちょっと気になりますよね。とはいえ、せっかく子どもが自分から勉強を始めたのに「音楽は聞くな!」と言うと、勉強しなくなってしまうのではないかと不安になるのではないでしょうか。悩ましい問題ですよね。●音楽を聞きながら勉強するのには理由がある音楽を聞きながら勉強する理由は大きく分けて2つです。ひとつは、“落ち着かない”から。音楽を聞きながら勉強する中学生は、こんなふうに言います。『静か過ぎると落ち着かない。少し音楽がある方が集中できるし、はかどる気がするんです』(中1男子)実はこれ、脳科学の観点でも言われていることなのです。人間は、“静かで壁に囲まれた狭い空間にたった一人でいること”に慣れていないそうです。たとえば、こんな経験はありませんか?自宅で読書よりも、カフェの方が落ち着く、はかどったという経験が。BGMや周りの人のおしゃべり、調理するときの音。適度な雑音がある方が、人間は集中できるのです。自然に生活していれば、何かしらの音が出るのが当然 ですね。全く音がない状態というのは、かえって不自然な状態なのです。だから、静かな部屋で一人で勉強するときに音楽を流したくなるのです。反対に、あまりにも音がうるさいのも、不自然な状態といえます。自宅の近くで工事をしていて騒音がひどい、家族がテレビを見ていてその音が漏れ聞こえてくるから集中できないという理由で、要するに耳栓がわり。私の生徒にも、こんな子がいます。『毎晩のように夫婦げんか、兄弟げんかが聞こえてくる。うるさくて集中できないから、音楽を流して聞かないようにしないと集中できないし、音楽がある方が安心できる』(中2女子)●勉強の環境は適切か?もし「音楽を流さないと集中できない」なら、静かすぎる、うるさすぎる不自然な状態に耐えられないのかもしれません。「音楽を聞きながら勉強してはいけない」と言う前に、環境改善が必要 です。音楽を聞くにしても、日本語の曲はやめて洋楽にするとか(日本語の曲は感情移入したくなったり、歌いたくなったりする)、集中できる音楽にするとか、音楽のジャンルを選びましょう。●音楽を聞きながら勉強してはいけない人そして、もうひとつの理由は、“音楽が好きすぎる”こと。『音楽が大好きで、音楽を流して歌いながら勉強しています』(中1女子)もしこちらの理由で音楽を聞きながら勉強しているなら、やめましょう。音楽に気を取られてしまい、勉強に集中できるわけがありません。特に、歌を歌ってしまうような人は絶対にやめた方が良いです。ただし、いずれの理由にせよ、「最初は音楽が聞こえていたけれど、気が付いたら聞いていなかった」という人は、音楽を聞きながら勉強しても大丈夫です。聞こえないのは集中している証拠。集中するための儀式として音楽を聞いている ならそれで大丈夫です。結論としては、集中できているなら音楽を聞きながら勉強してOK。集中できていないならやめるべきです。一度、お子さんが音楽を聞きながら勉強する様子を観察してみましょう。加えて、なぜ音楽を聞きながら勉強しているのか聞いてみてください。音楽がある方が集中できているようであれば大丈夫です。歌いながらであればやめたほうがいいでしょう。【参考文献】・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年08月13日【ママからのご相談】長女のスマホについてです。夏休みだからか、娘が家にいるあいだはずっとスマホをいじっています。夏休みの宿題もあるのに……。塾には行っていないので、自分で勉強する習慣を付けて欲しいのですが、娘いわく、スマホの誘惑に勝てないそうです。 どうすれば、勉強とうまくバランスが取れますか?●A. 時間を決めて勉強させ、終わったら思いきりスマホで遊ばせましょう。ご質問ありがとうございます。学習アドバイザーの佐々木と申します。スマホについては、当事者たちも、「どうしてもスマホを見ちゃうんです。つい、Twitterを開いてあれこれ見てたらLINEが来て、友達と喋って……気が付いたら結構な時間になっていて」と、気にしている様子です。勉強中のスマホやゲームとの戦い方。難しいですよね。そこで今日は、スマホやゲームの誘惑に負けてしまう人のためのアドバイスをご紹介します。●(1)物理的に離れるまず、スマホがどうしても気になってしまうときは、物理的に距離を置く ことです。ついつい開いてしまうアプリがあるなら、フォルダに入れて見ないようにする。・アプリから通知がこないように設定しておく・ゲームなら電源の入らない状態にする・誰かに預けてしまう・勉強部屋から一番遠い場所に置くというように、とにかく“触れない状態”をつくります。●(2)完全禁止は逆効果とはいえ、完全に禁止してしまうのも危険です。なぜなら禁断症状が出る からです。「ああああ、スマホが気になる気になる気になる!」と、もう何も手につかない状態ですね……。取り上げて何日も見られない状態が続くと、かえってスマホが恋しくなるので危険です。禁止されるとより気になってしまう心理状態を『カリギュラ効果 』といいます。「押しちゃダメ」と言われると押してみたくなる……あの心理ですね。試験前だからとまったく触らせない、全く触れない状態も、かえって危険です。●(3)時間を決めるそして、時間を決めるのです。決めるのは、スマホをいじる時間ではありません。“勉強する時間 ”を決めるのです。その日にやらなければならないことを書き出し、決めた時間までにすべて終わらせる。「終わったらスマホを好きなだけ触ってOK 」と、ルール決めをするのです。スマホが大好きで早く触りたいなら、早く勉強を終わらせるでしょう。時間を区切ることで緊張感が生まれ、頭に入りやすくなる効果も期待できます。早く終わらせようとすることでスピードがアップし、勉強の効率が上がっていきます。●(4)報酬を与える勉強が続かない理由はいたってシンプルです。報酬がないからです。ゲームは“おもしろい”という報酬がありますが、勉強には報酬がありません。だから続かないのです。将来のためになる、賢くなるなど将来的な報酬はもちろんたくさんあるのですが、子どもにはそんなことを言ってもわかりません。今の楽しみしか見えないでしょう。大人だってそうです。ダイエットは健康のためとわかりながら継続できない人を私は何人も知っています。長期的に見ればいいことがあるけれど、短期的には報酬がない。だから続かないのです。勉強が終わったら、ゲームやスマホを報酬にして、「終わったらいいことがあるんだ 」と思わせることも大切なことです。----------時間を決めて、勉強をやるときはやる。終わったら“いいこと”がある。スマホを触るときは、徹底的に触る。メリハリをつけましょう。これがコツです。【参考文献】・『直感力を高める 数学脳のつくりかた』バーバラ・オークリー(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年08月09日学習障害(LD)で働いている人はどのくらいいるの?出典 : 学習障害とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。英語ではLearning Disabilityと呼ばれ、LDと略されることも多いです。学習障害は、知的発達に遅れが見られないことから、障害者自立支援法の対象外とされてきました。現在では障害者基本法の改正により精神障害者保健福祉手帳の対象となりましたが、まだまだ学習障害を「障害」として認識している人が少ないのも現状です。学習障害の人の就職率として、はっきりとした数字は出ていません。厚生労働省のアンケート結果では学習障害を含む知的障害の見られない発達障害の人は普通学級に進学した人の割合が最も多いことが分かっています。また発達障害がある人の就職状況をみると、一般枠で就労した人の割合は全体の40%近く、障害者枠で就労した人の割合は25%以上いることが分かりました。これらのことから、学習障害の人の中には社会に出て働いている人もたくさんいることが予想されます。厚生労働省「発達障害のある人の就労の現状と課題 障害者権利条約への対応に向けて」大人の学習障害、いつ診断された?きっかけは?出典 : 学習障害は今でこそ知っている人が増えてきている障害ですが、昔はそれほどそうでもありませんでした。知的発達に遅れが見られないため気付きにくく、学習障害が障害として認識されないまま大学へ進学したり、就職したりすることも少なくありません。学習障害の症状は「勉強が苦手」や「やる気がない」などとひとくくりにされ、大人になって初めて発達障害だったと気づいた人も少なくないのです。現在では障害者基本法の改正により精神障害者保健福祉手帳の対象となりましたが、まだまだ学習障害を「障害」として認識している人が少ないのも現状です。以下では、大人になって学習障害と診断された方の小さい頃の症状や、きっかけなどの体験談をご紹介します。私は、注意欠陥障害と学習障害(算数障害で四則計算がまったくできない)です。小学1年生でついていけず、中学でも数学や化学は0点でした。でも、自分なりに数学0点でも他の教科で頑張って高校にも行きましたし、大学も行って、就職もしました。この人のように、学習障害であっても大学へ行き就職する人も多くいます。学習障害の場合、苦手な勉強分野に偏りがあるので、この人は苦手な数学以外に力をいれるという工夫をし、大学へ進学したそうです。小さい頃から勉強が苦手でした。計算ができなかったり、文書を作るのが苦手だったり、記憶力が無く一つのことを覚えるのに時間が掛かりました。よく天然だね!と言われて過ごしてきましたが、天然ではなくただ、発達障害の為、人の話や空気が読めなかったり、質問に対して違う返事を返してしまったりします。なので、上手く伝えられない自覚はあります。その為、自然と臆病になり、なるべく自分から発言したり行動を取らなくなりました。また、あまり考えれないので、とっぴおしないことをしだしたり、自分の思う様に出来ない苛立ちから、癇癪を起こすようになりました。小学生の時に一度学習障害ではないかと言われていたようですが、最近専門の病院で診察してもらったところやはり学習障害という結果でした。このように、大人になってから学習障害が発覚する人もいます。子どもの頃を振り返ってみると、学習障害の症状があった人が多いようですね。学習障害の人が向いている仕事、向いていない仕事は?出典 : 学習障害は、能力の凸凹や特性の偏りが多く、苦手なことにかなり個人差がある障害です。そのため、向いている仕事、向いていない仕事も人によって様々であると言えます。本人の特性を理解し、得意な分野を活かせる仕事につけることが理想ですね。向いていない仕事は一概には言えませんが、苦手な業務が多い仕事内容だと、困難な場面も増え、ストレスを感じることも多くなるかもしれません。一方、別の手段で代替できたり、職場の理解や協力があれば乗り越えられる可能性も大いにあります。たとえば、算数障害(ディスカリキュリア)の人の場合、日々、多くの計算が業務に必要な仕事は苦手かもしれません。ですが、計算機で解決できる場合もあります。同じ小売業でも、暗算が苦手な場合、お釣りを計算しなければいけないお店の会計業務は向いていないと言えますが、バーコードを読み取るだけのレジであれば、問題ないこともあるでしょう。また、書字障害の人は、文字を書く業務が苦手かもしれませんが、パソコンでタイプしてプリントすればよいこともあります。読字障害の人も、音声読み上げソフトを使用したり、録音することで困難が解消できることもあります。苦手な分野を避けることは働き続ける上で大切ですが、テクノロジーや手段を替え工夫することでうまくいくこともあるので、「この仕事は無理」と決めつけてしまう前に検討するのがよいでしょう。実際に、様々な障害特性を乗り越えて作家、映画監督、発明家、俳優など様々な職業で活躍している人もいます。障害特性と向き合いつつも、自分が希望する仕事に目を向ける、という進路も選択肢の一つかもしれません。学習障害の人の仕事の探し方Upload By 発達障害のキホン■学校の進路相談を利用する発達障害に関する就労支援は、現在、よりよい対応を整えている状態です。特別支援学校などでは、卒業後に就職できる企業の紹介もあります。通常学級でも高校、大学ともに進路指導の先生に相談することも可能です。■ハローワークなどの公的支援を利用するまず、最寄のハローワークでの相談をおすすめします。障害者雇用の窓口もあるので、そこでご自身の学習障害の特性について伝え、仕事を探していること、仕事で不安に感じていることなどの相談をすることができます。障害者を対象とする障害者合同就職面接会などの情報を得ることもできます。障害者向けの支援を希望しない場合でも、ハローワークできめ細やかな相談・支援を実施してくれます。適職があれば求人に応募してもよいでしょう。「若年者コミュニケーション能力要支援者就職プログラム」として、発達障害などでコミュニケーションに困難を抱えている場合の支援も行っており、不安がある場合には、発達障害者支援センターや医師との連携をとってもらうことができます。適職を自分では探すことが難しい場合には、適職を探す方法や調べてもらえるところも紹介してもらえます。就職に不安をかかえている場合には、就労移行支援という方法で就職をすることもできます。これは障害者総合支援法に基づいた支援で、就労移行支援事業所が各都道府県や政令都市の認可を受けて民間が運営しています。この就労移行支援は手帳を取得していなくても支援を受けることができます。まずは最寄のハローワークや就労移行支援事業所に連絡をとってみましょう。ハローワークは発達障害のある人が就職された場合、その事業主に対して助成を行う「発達障害者雇用開発助成金」という制度を設けています。他にも「障害者トライアル雇用奨励金」という短期間の施行雇用を行い、仕事に慣れることで実際の雇用につなげる制度もあります。詳しい情報は以下のリンクを確認してください。実際に働いてみると仕事が想像していた仕事内容と大きく異なった、と離職を希望される場合も少なくありません。仕事を探す際には、似たような職種で職務経験を積んでいく方法や、希望の会社でまず一定期間働くことが可能なのか、聞いてみる方法もいいでしょう。より自分の得意・不得意を理解し、どの仕事ならこなせるか、やりがいを持てるかどうかを把握するヒントになるかもしれません。就職後も相談に乗ってほしい場合はジョブコーチによる支援を受けることもできます。これは、就職後、職場にジョブコーチが出向き、職場でうまく仕事をしていくための支援をしてくれる制度です。■障害者雇用制度を利用する手帳を取得している場合はいわゆる「障害者雇用制度」の対象となります。・手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウントの対象となり、障害者雇用枠での就職ができる・障害者職場適応訓練を受けられるなど、就職への支援が受けられます。実際に障害者雇用制度を利用して就労する人の数は年々増加しています。ですが、希望している職種や企業が障害者雇用枠で募集しているとは限らないこと、賃金などの面で希望と合わないこともあるでしょう。一般の求人に応募したい場合などには、手帳を持っているからと言って必ずしもこの制度を利用しなくてもよいですし、手帳取得者であることを報告する義務はありません。制度を利用するかどうか、よく考え、支援機関などと連携し、相談しながら進めていくとよいでしょう。厚生労働省「障害者トライアル雇用奨励金」厚生労働省「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金」学習障害の会社への報告出典 : 大人になって学習障害に気づいた方は会社に報告するか迷うかもしれません。いままで何の問題もなく仕事をこなしていた人、困難があり失敗続きだった人、大人の学習障害は様々ですが、いずれにせよ「障害」という言葉は相手にマイナスのイメージを与える可能性もあるため、報告するかどうか、また誰に報告するかは慎重に検討するべきと言えます。学習障害と診断され、報告をする方の場合、理解のある会社であることが多いようです。何かを隠しながら会社で働くのは、自分へのストレスと、会社への負担を生みかねません。報告することで、「学習障害があったから苦手だったのか」「サボってるわけではなかったのか」と、周囲に理解してもらい、自分の得意・不得意に合った仕事に配慮してもらいやすくなる、というメリットも感じられます。会社に学習障害を報告した人の割合は分かっていませんが、発達障害の人で一般枠での就労後1年で離職する人の割合は37.5%と非常に高いという話もあります。離職の理由としては「仕事のミス」「上司の要求に応えられない」「毎日変わる仕事についていけない」などの仕事上での困難が挙げられました。会社に報告し、自分に合う仕事を担当させてもらうことで、それらの困難が軽減されることもあります。一方で、学習障害の間違った理解により「あいつは仕事ができない」「教えてもできないから教えても意味ないか」など、望まない結果になってしまうことも考えられます。伝える場合は、まずは障害を理解してもらえるよう、しっかりと説明するようにしましょう。厚生労働省「発達障害のある人の就労の現状と課題 障害者権利条約への対応に向けて」学習障害を伝えるとき、「学習障害と診断されました」と伝えるだけでは「障害がある」ということしか伝わりません。学習障害の中でも、どの部分に特性の偏りが見られるのかをきちんと説明し、自分の得意・不得意を理解してもらうことが大切です。1.自分が難しいこと・苦手なこと2.どうすればうまくいきやすいか3.会社・同僚にどうして欲しいのかなどをできる限り具体的に伝えるとよいでしょう。例えば、・書類に記入するのは苦手だが、パソコンは得意なので、パソコン入力を許可してほしい・書類を読むのは苦手だが、読みあげればわかるので、口頭で指示してほしいなど、自分の特性と工夫すればできることを伝え、お願いすれば職場でも対応しやすいでしょう。言葉で伝えるだけでは、理解が難しい部分もあります。その際は、文面に起こす、参考資料をもって伝える、などの工夫もいいかもしれません。同僚には要点をしっかりまとめ、配慮してもらいやすいよう、報告してみましょう。人事のみに伝える場合と、働いている同僚にも伝える場合と、両者のメリットやデメリットも考えてあなたにとって一番いい方法を選んでいきましょう。学習障害を報告した場合でも、職場や周囲に偏見が無理解があれば、職場で差別・虐待を受けてしまう可能性もゼロではありません。こうした深刻なケースでは、本人から周りに助けを求めるのが難しい場合もあるので、周囲の人が虐待に気づいた場合、各市町村の障害者虐待防止センターなどの専門機関に虐待の存在を知らせましょう。本人からの申告も可能性です。またこの虐待は就業場に限らず家庭内の虐待も含みます。障害者虐待防止センターに虐待を相談すると、支援・指導を受けることができ、問題の糸口を探す手伝いをしてくれます。強制的に仕事や家族から隔離されたりすることはありませんので、安心して相談することができます。学習障害の仕事での困りごと・よくあるミスと対処法Upload By 発達障害のキホン学習障害の人は職場で様々な困りごとに直面し、時にはミスを繰り返すこともあります。よくある職場での困りごとと、それを解消するための対処法をまとめてみました。中には、話を覚えるのが苦手で一度にいろんな物事を同時に理解するのが難しい方もいます。メモを取るのが苦手な場合もあります。事前に上司に障害のことを説明し、口頭だけでなく文字に起こした状態で伝えてもらうよう依頼するのもいいかもしれません。また、会議などではボイスレコーダーなどを使用して、あとで聞き返すのも効果的です。自分で話したい物事があっても簡潔にまとめたりその場で話すのが苦手な人は、あらかじめ文章にまとめ原稿を作成しておきましょう。会議中に作成した原稿を確認しながら提案すればスムーズにこなせるはずです。学習障害の中には、文章を読むのが苦手な人もいます。そういった場合には、理解が難しかった言葉や概念をカードやノートなどにまとめておきましょう。一度理解できなかったことは必ず意味を調べ、次に出てきたときにすぐに分かるように常備しておきましょう。読字障害のひとつに読んでいる部分が分からなくなる症状があります。会議の資料やメールなど社会では長い文章が多いですよね。読むのが困難に感じる場合は一行だけ見えるように切り取った枠をつかって対処しましょう。一行ずつ読んでいけば理解がしやすくなります。またタブレットやパソコンなどの音声読み上げ機能を使用するのもおすすめです。まとめ出典 : 学習障害の人が就業する場合、多少の困難はもちろんつきものです。職場の方から偏見を受けたり誤解されてしまうこともあります。学習障害は障害の中でも知的発達に遅れがない分、他人には障害であることが理解されにくい場合があります。自分でも自覚が少なく、仕事ができないと他人と比べて落ち込むこともあるかもしれません。しかし、自分の障害特性を理解することで適切な支援も受けられますし、必要な配慮を周囲の人に伝えやすくなります。自分の特性を理解し、自分にあった対処法を工夫し、やりがいの感じられる働き方ができるとよいでしょう。法令データ提供システム「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」2012年
2016年08月09日親が子どもの発達障害を受け入れられるようになるまで出典 : お子さんに発達障害があることが分かったとき、まず最初に「なんとかしたい」「どんなことをしてもいいから、普通の子にしたい」と考える親御さんも少なくないと思います。でもそんな親でも、専門家の先生から「子供に無理にストレスを与えてはいけません。逆効果です。」「子供のあらゆる行動は、子供の『こうしたい』という自己主張なので、子供の全てを受け入れて抱きしめて下さい」と言われると、当初の「普通の子にしたい」という思いから、「発達障害を何とかしようというのは間違っていた。子どものすべてを受け入れなければならないんだ」という気持ちにだんだんと変化していくようです。本当にお子さんの「障害を受け入れて」いますか?出典 : この気持ちの変化は、お子さんのありのままを受け入れて、お子さんに本当に必要な教育やトレーニング、支援方法は何なのかを考え得るために大切なことです。しかし、お子さんの「障害を受け入れる」ということの意味ををはき違えてしまっている保護者の方も多いように思われます。例えば、障害がない兄のことは厳しく育てていたのに、弟に発達障害があると分かった途端に何もしなくなり、なんでもその子の自由にさせているご両親がいました。その子が人の物を壊しても、「この子はこうしたかったんです。分かってください」といって、子どもに「謝る」というコミュニケーションをまったく教えようとしません。他にも、「この子は今まで大人しかったが、最近は癇癪がでてきた。これも立派に自己主張するようになったということ。成長を感じるよ。」と言っている保護者の方がいました。もちろんそういった場面でお子さんの成長を感じる場面はあると思います。でも、その方はあまり嬉しそうな顔をしていませんでした。これは本当にお子さんの「障害を受け入れている」と言えるのでしょうか。子どもの発達障害に向き合うということ出典 : 私は、「発達障害を何とかしよう」と考えることは、「障害を受け入れていない」ということにはならないと思います。むしろ、子どもに障害があることが分かった後「この子は障害があるから」と言って、その子が社会に適応するための支援や教育を何もしないことこそ、「障害を受け入れていない」ことになるのではないでしょうか。そういった親の教育の仕方は、問題を後回しにしているだけのように私は思います。私の娘は学校での勉強を習得するのに、他の子どもたちの何倍も時間がかかります。もしかすると、娘は他の子どもたちと同じように勉強ができるようになることは難しいかもしれません。でも私は、発達障害を理由に娘の成長を諦めたわけでは決してありません。私は娘に、勉強はほどほどにして家事を教えることにしています。娘には、洗濯物を干してもらったり、味噌汁を作らせたり、ご飯を炊いてもらったりしています。障害のある私の娘には、こういった社会に適応するための教育こそが必要なのです。確かに今はできなくても、成長とともに出来るようになることもあります。しかし、親が子どもの障害をきちんと受け入れられれば、子どもが将来自立して生きていくためには何を教えればよいのかが見えてくるのではないでしょうか。子どもが将来、社会の一員として生きていくために出典 : 障害のある子どもでも、将来は社会の一員として自立して暮らしていく必要があります。そしてそのように生きる権利もあります。そのため、障害があろうとなかろうと、社会で生きていくうえで最低限必要なスキルやマナーは身につけている必要があると思います。もしかすると、障害のある子どもとない子どもの育て方は違うと考えている人が多いのかもしれません。しかし、「その子の得意な部分を見つけて伸ばしてあげるようにすること」が親の役目だとするならば、基本的には変わらないと私は考えています。子どもにいろいろなことを経験させることで、その子のの得意不得意が分かると思います。その経験をさせるきっかけを与えたり、その後に子どもにとって適切な支援は何なのかを考えることが、本当に親がやらなければならないことではないでしょうか。どんな子どもでも、社会で生きていく1人の人間として育てる事に変わりはありません。子どもの障害を本当に受け入れられたのであれば、社会で生きるために必要なことを一つずつ教えていくのが、親の役目だと私は思っています。
2016年08月09日【ママからのご相談】小学校1年生の男の子がいます。勉強が嫌いみたいで、学校の宿題もほとんどやらず一日中友達と外で遊んでいます。1年生でこの様子だと先が思いやられます。なんとか勉強をしてくれる方法ってないでしょうか。●A. 小学校3年生までを目標に。勉強癖はつけられます。こんにちは。ライターのakiです。小学校時代は、のびのび外遊びをすることも大切ですが、勉強をする習慣を早めにつけておくことも大切です。一説によると、小学校3年生までにしっかり勉強癖をつけるのがいいそうです。宿題がまだ少ない小学校時代の前半のうちにという意味もありますが、単純に記憶が得意な時期であり、脳の前頭前野の発達過程でもそのころが大きな節目になるからだそうです。では、具体的にどのように勉強癖をつけるといいのでしょうか?●子どもに勉強癖をつけさせる方法●(1)歯磨きと一緒で、毎日やらないと気持ち悪いと思わせる歯磨きは毎日します。虫歯になるからという理由もありますが、毎日しなければ気持ち悪いという完全な習慣化が確立しているからです。それと同じように、勉強も“しなければ気持ち悪い” と位置づけするのです。頭の中のバイキンをイメージさせて、「勉強をやらないと頭の中のバイキンがなくならないよ」と吹き込んで毎日少しづつでもいいので勉強をさせるのです。感覚的に勉強をしないことがなんだか落ち着かない……という状況にもっていくよう、まずは親がうまく立ち回りましょう。●(2)最初に音読から一緒にやってみる小学校の宿題でほぼ必ず出されるのが“音読”の宿題です。たいていのお子さんは、「音読なら簡単だからやる」と比較的取りかかりやすいはずです。もしくは音読が嫌いなお子さんも、「お母さんと読んでみようよ」と一緒に誘ってみると素直に聞いてくれることが多いです。脳科学の分野で有名な東北大教授の川島隆太氏は、音読をしているときは脳がもっとも活性化する と断言されています。脳が活発になったところでそのまま勢いにのってほかの宿題や課題をしてもいいですし、集中力が途切れたらまた音読に戻って……というやり方で上手にのせるといいかもしれません。読解力にもダイレクトにつながると言われている音読。家で遊びのように毎日音読ごっこをしてもいいくらいです。まずは、音読を基本に学習を導いてみましょう。●(3)天狗になってもけっこう。おだててやる気を持続させる勉強を好きになるには“達成感”が必要です。そのためには、親がとにかく子どもをほめることが大切です。子どもの意欲は、親が達成感を味わわせる力次第とも言われているくらいです。たとえば、小学校低学年のうちはテストでも100点や高得点を取ることが多いです。その際も、「100点すごいねえ」だけではなく、「学校を休んであまり習ってないところだったのに100点?すごいわねえ」や「この前の日曜日、一緒におさらいして頑張ったもんね。すごいねえ」などと、点数以外でも頑張った部分を具体的にほめてあげること が大切です。時には「勉強しないのにいい点とれた」と言ってくるかもしれません。その場合も、「勉強しなかったのにすごいわねえ。頭いいのね」とうぬぼれさせて新たな勉強をさせる弾みにしてもいいのです。とにかくおだててやる気を引き出すことが親の役目です。----------以上です。勉強は、中学、高校……とこの先もずっと続いていきます。親が横について勉強をさせられるのも小学校のうちだけかもしれません。小学校低学年の素直な時期に勉強癖をしっかりつけておくと、それ以降は自主的にできるお子さんになる可能性が高いです。今のうちにしっかりと親子二人三脚で頑張ってみてください。【参考文献】・『小3までに「勉強グセ」をつける法ー親の「教育力」次第で子どもの学力はいくらでも伸びる!』和田秀樹・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年08月07日私の父にそっくりな息子出典 : 発達障害は遺伝の要素が強いとは言いますが、それを実感したエピソードがあります。息子と私の父は間違いなく同じ特性を持っています。息子が発達障害の診断を受ける前からずっと、私は息子の様々な行動が私の父にそっくりなことに気付いていました。「動き方がおじいちゃんみたい」「自分勝手な行動がおじいちゃんそっくり」「じっとできないところがおじいちゃんと同じ」と、家族もみんな言っていました。そのせいか、私の父はどの孫よりも息子のことを特別可愛がっていたように思います。私の父と言えば、まずとんでもなく不器用。お皿を割らずに皿洗いができない人です。そして、シングルフォーカス。庭に水やりをしてと頼むと、足元の花を全部ふんづけて水を撒いています。衝動性は凄まじく、思ったことをそのまま口に出すため母が「恥をかかされた」と怒って外出先から泣いて帰ってくるなどしょっちゅうでした。また、残念ながらカッとくると感情のコントロールができないので、家族は大変。多動と多弁は70を超えた今でもそのまま残っており、「ガサガサゴソゴソしないで!」「ちょっと黙って!」と周囲によく注意されています。制御がきかなかった父の幼少期出典 : 父の特性がよく分かる話を、今は亡き祖母がしてくれたことがあります。「幼稚園に入園させたらねえ、毎日手がつけられないほど泣いて叫んで暴れて…。先生たちが困り果てて、結局1ヶ月で退園させられちゃったの。」「家にお客さんがくると、いつもと違う状況に異常にテンションが上がっちゃってね。もうどれだけ注意しても大はしゃぎで、本当に大変だった。」「小学校に上がったら、授業中に鉄棒しに勝手に出ていっちゃったりしてね…」とにかく父は「大変な子」だったようです。問題児だった父を変えたひと言出典 : 幼稚園は強制退園、小学校は立ち歩き脱走ばかりしていた父。小学校低学年までは成績も悪く、勉強も大嫌いな子だったそうです。しかし、最終的には某国立大学を首席で卒業し、表彰式の模様はテレビで放映されました。大学卒業後は企業の営業職として抜群の営業成績をおさめ、リタイア後は法律関係の仕事をしています。周りにずっと「ダメな子」認定されていた父が変わったきっかけは何だったのでしょうか。以前、父が話してくれたことがあります。成績が悪く立ち歩きをする父に、小学校4年生のとき担任の先生がこう言ってくれたそうです。「君は、本当はすごく出来る子なんだよ。僕は知っているよ。」その先生の言葉が、父に革命を起こしたと言います。それまで何をやっても自分はダメだと思っていたけれども、たった1人でも自分を認めてくれる人がいる、それは父の中で大変なことだったのです。それからというもの、父は勉強を含め様々なことに前向きに取り組むようになったそうです。当時、周りと同じことをするのに数倍の努力が必要でしたが、その先生の言葉のおかげで父は努力をし続けることができたと言います。良き大人との出会いが人生を変える出典 : 父のこのエピソードは「窓ぎわのトットちゃん」と重なるものがあります。小学校を退学処分になったトットちゃんに、新しい学校の校長先生が「きみは、ほんとはいい子なんだよ!」と言うという話は有名です。自分を認めてくれる良き大人との出会い、これは、子どもの人生を変えるものです。日常的に自信を失うことが多い発達障害児にとって、こんな言葉をかけてくれる人はどれほど貴重なことでしょう。自分を認めてくれる良き大人、そんな人と子どもが出会うことを信じながら、日々育児に取り組んでいます。
2016年08月06日【ママからのご相談】うちには小学6年生の子どもがいるのですが、この前もらった通知表の内容がひどくてショックでした。国語や算数などの苦手な教科はほぼ「頑張りましょう」。得意なはずの体育や図工ですら「よくできました」が一つもありませんでした。先生からのコメントには、「忘れ物や宿題忘れが頻繁にあった」と書かれており、母子ともに反省しています。来年からは中学生だというのに、この調子では不安ばかりが募ります。本人も相当ショックだったらしく、この夏休みで変わりたいと言っています。そんな息子を全力で応援したいのですが、正直子どもに対して何をしてやればいいのか分かりません。すでに塾や習い事はいくつか通わせているため、時間的にも金銭的にもこれ以上増やせません。何か良い方法を教えてください。●A. 子ども自身に目標を立てさせましょう。ご相談ありがとうございます!ライフオーガナイザーの阪口ゆうこです。子どもから通知表をもらい、それが悪い評価ばかりだとショックですよね。しかし、いつまでもクヨクヨしているわけにはいきません。何事もつまづいたときが成長する絶好のタイミング。計画性を持って子どものサポートをしてあげることが大切です。●夏休みを有意義にするソニー生命保険が実施した『子どもの夏休みの過ごし方に関する意識』という調査では、・夏休みの過ごし方は子どもの将来に影響を及ぼすと思う……72.2%・家族の絆を深めたい……88.2%・子どもが将来を考える機会を設けたい……80.6%というアンケート結果が出ています。多くの保護者が「夏休みを有意義に過ごさせたい」 と感じていることが読み取れますね。それでは、夏休みをどういう風に過ごせば有意義だと言えるのでしょうか。ご相談者さんの場合は子どもの通知表の成績が悪かったとのことですから、「子どもの苦手科目を克服させよう!」と思うかもしれません。もちろん、それも素晴らしい夏休みの過ごし方です。しかし、国語や算数の勉強は夏休みでなくとも日常の中でできます。“夏休みだからこそできること” に視点をフォーカスしてみてはいかがでしょうか。たとえば、お子さんは宿題や忘れ物が頻発していたとのことですが、こちらを優先して改善するのはどうでしょう。夏休みは家族で一緒に過ごす時間がぐっと増えるため、子どもが日常生活で犯すミスを観察して指摘することができます。これは塾や習い事で忙しく、家で過ごす時間が少ない普段の生活では難しいことですよね。このように、“夏休みにしかできないこと”を考えて子どもと接するのも一つのポイントとなります。●まずは俯瞰、そしてできる範囲で実行子どもの将来について親子で一緒に考えてみましょう。子どもは自分自身のことをどのように思っていて、将来をどう考えているのか。テレビやゲームを消して、じっくりと話し合ってみましょう。苦手科目を克服したり、日頃の生活態度を改めさせたりするのにも、この過程がなければ効果が薄くなります。子どもが一通り自分のことについて考えを巡らせたら、自分の現状を客観的に見つめさせ、達成できる範囲で目標を立てさせましょう。どんな目標でも構いません。子ども自身に目標を立てさせることが大切なのです 。そして保護者はそれを全力でサポートしてあげましょう。夏休みの間にその目標をクリアできれば、課題をこなせたことによる成功体験や計画性を得るキッカケになります。それらは勉強面、生活面の両方で役に立ちます。ひと言でまとめると、夏休みの課題は子ども自身に設定させ、それをきちんと達成させること。それが有意義な夏休みの過ごし方なのではないでしょうか。【関連リンク】・子どもの将来と教育費に関する調査(平成25年度) | ソニー生命保険株式会社()●ライター/阪口ゆうこ(ライフオーガナイザー)
2016年08月02日【ママからのご相談】小学校高学年の子どもがいます。成績がどんどん下がっていて、1学期の成績は目も当てられない状態でした。子どももすっかり自信をなくしてしまって、勉強が大嫌いになってしまったようで、一切勉強をしたがりません。この夏休みのうちに自信を持ち直してもらい、勉強する習慣をつけたいのですが、どうしたらいいでしょうか。●A. 一つの目標を達成できるように、家族ぐるみでサポートしましょう。ご相談ありがとうございます。勉強嫌い専門コンサルタントの佐々木です。勉強が嫌いになってしまうと、今のうちから心配ですよね。心理学者アルバート・バンデューラが提唱した『社会的学習理論 』では、自己効力感を上げる(自信をつける)ために、4つの要素(個人的達成、代理学習、社会的説得、情緒的覚醒)が必要とされています。そのうち、勉強に対して自信と習慣をつけるためには、特に個人的達成、つまり“成功体験 ”が重要です。夏休みのあいだに、一つ目標を持って何かを達成できるように、家族ぐるみでサポートしましょう。●(1)下の学年の復習から始めるお子さんが5年生なら、4年生あるいは3年生の問題集を解くことから始めましょう。ポイントは、つまずいたところの“少し前”まで戻る ことです。どうしても、つまずいたところに戻りたくなってしまうと思うのですが、つまずいたところではなく、その子が簡単にできるところまで戻るのです。できないことを克服するのは大人だって大変なこと。できる問題をやって調子をつけてから、できないところの復習に取り掛かりましょう。●(2)カレンダーに印をつける少しでも勉強ができた日には、カレンダーに印をつけたり、シールを貼ったりしてみましょう。夏休みの約40日、全てにシールが付いたらちょっとしたごほうびを用意するのもいいですね。話し合ってルールを決め、実践してみてください。ラジオ体操に毎日行って、スタンプを集めた経験はありませんか?最初はいやいやでも、続けることで楽しくなり、やってみようという気持ちが湧いてくることも。頑張りが見えることでやりがいが出てくる ものです。●(3)ほめるそして、なんといっても最大のコツはほめること。下の学年の問題ができたら「こんなにできるんだから大丈夫!」と励ましましょう。どんなに量が少なくても、きちんと続けられたら「頑張ってるね」と、続けることが素晴らしいと伝えてあげる のです。テスト形式で問題を解いて、全問できたら大きな花丸をつけたり、大きく“100点”と書いてあげたりするのもいいですね。自信と習慣をつけるためには、小さなミスにこだわりすぎず、できたことに目を向け、ほめてあげることが大切です。厳しいことを言うのは、自信がしっかりついてから。----------勉強が嫌いな子は、できないことに嫌気がさしている場合が多いので、できていることに着目して、一つひとつ階段をのぼるように伸ばしていきましょう。夏休みの長いお休みで、「できた!」「やり遂げた!」体験を一つさせてあげることで、自信がアップします。ぜひ、家族一丸となってサポートと演出をしてみてくださいね。●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年08月01日【ママからのご相談】小学生と中学生の子どもがいます。頭のいい子がいるご家庭の母親たちは、「勉強しろなんて一度も言ったことがない」とよく言っています。これは、嘘なのでしょうか。それとも本当なのでしょうか?●A. 「勉強しろ」とは言わないが、子どものやる気を引き出す方法を工夫している。こんにちは。ライターのakiです。私も教員時代、東大をはじめとする超難関校に合格するお子さんのいらっしゃるご家庭をみてきました。確かに親御さんは教育熱心ではあるのでしょうが、「勉強しなさい」などと頭ごなしに勉強をさせるイメージはありませんでした。むしろ、子どもの感受性や心を育てながら、やる気にさせるのがお上手……。そんな方が多かったです。ということで今回は、ご相談者さまの質問に答えるべく、PICASOさんの著書『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方やる気を引き出す親のヒケツ50』より、東大生のご家庭でされていた親から子どもへの接し方の具体例を挙げてまいります。●東大生の自分の成績が伸びた・やる気が出たきっかけエピソード●日常生活編『小2から旅行のプラン(行き先、宿、レストランなど)を決めさせてもらえ自主性を鍛えられた』(東大文科1類男子)『幼稚園から高校まで塾通いをしていた。苦にならなかったのはいつも母親がおやつを用意してくれて、お喋りしながら書き取りや計算を見てもらって勉強の習慣をつけてくれたから』(東大理科3類男子)『両親は共働きで忙しかったけど、本の読み聞かせと博物館や美術館にはよく連れて行ってくれた』(東大人文社会系修士男子)『母からの教育方針は「勉強しなさい」「生活態度を改めなさい」という漠然とした言い方ではなく、「門限を守らなければお小遣いを渡さない」のみ。具体的でわかりやすかった。守ってるうちに生活習慣がきちんとしたものになっていった』(東大経済学部女子)共通しているのは、無理に何かをさせられるのではなく、親から興味のきっかけを与えてもらったり具体的な指針を教えてもらっていたりするということです。「勉強しなさい」「きちんとしなさい」と言うのは簡単ですが、このようにまず具体的な方法 をお子様に示すことが大切です。●勉強編『幼稚園前からフラッシュカードや本の読み聞かせを両親がしてくれた』(東大文学部女子)『5歳まで海外にいた。帰国後は英語の本を親からどんどん与えられた。ハリー・ポッターの原書など何十回も繰り返し読んだ』(東大文科1類男子)『中学校のころ、母が問題集の中から何題か選んで手書きドリルを作ってくれた。問題集をこなすよりやる気が出た』(東大文科3類男子)『英語の音読とシャドウイング(英語を聞きながら少し遅れて発音していく訓練)のやり方を父親が教えてくれてやっていた』(東大人文社会系修士男子)ある東大生の言葉で印象に残っているものに、「親も自分と一緒に勉強していた」 というものがあります。これは別に親も一緒になって受験問題を解いていたという意味ではありません。何をどうすればいいのかを提示してあげ、並走しながらわが子の勉強を見守っているのです。まさに上記の具体例そのものです。難関大に合格する子どもを持つ親御さんの場合、このように一歩踏み込んで子どものやる気を引き出す工夫をされている方が多いのです。●その他『幼稚園のころから「どこの大学に入るかで人生は重要になってくる」とわかりやすいように説明してくれていた』(東大工学部男子)『受験前日にカラオケに連れて行かれたり、ほかの受験2日前も温泉に連れて行かれたり。父親はいつも無理にでもリフレッシュさせてくれた』(東大薬学部男子)臨機応変に子どもに対応するというのもひとつのポイントかもしれません。子どもの性格や状況に合わせて上手に向き合うのです。素直なお子様には大学に入る意味を小さいころから説明して勉強を前向きにさせたり、プレッシャーに弱いお子さんには率先して気分を盛り上げたり。子育て同様に教育方法にも決まったやり方はありません 。お子さん一人ひとりに合わせた導き方を親がきちんと把握していくといいでしょう。----------以上です。「勉強しなさい」と言わずとも見事にお子さんのやる気を引き出してやる気にさせているエピソード。ぜひ、その手法を参考にしてみてください。【参考文献】・『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方やる気を引き出す親のヒケツ50』PICASO・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年07月23日「学校に行かなくても、自分の道はみつけられる」−吉開拓人(高校生エンジニア)現役高校生でありながら、エンジニアとして「株式会社ウィンクル」というIT企業に勤務、「Gatebox」というホログラム映像を使ったコミュニケーションロボットの開発に携わり、数々のコンテストでの受賞経歴もある吉開さん。株式会社ウィンクルそんな吉開さんには、3年半ほどの不登校経験があります。「当時の経験が今の自分をつくっている」と力強く語る吉開さん。不登校になってから、エンジニアとして活動するまでの道のりをうかがってきました。「学校に行く意味がわからない」―小さな疑問からはじまった不登校時代Upload By 発達ナビ編集部編集部: 現役高校生でありながら、エンジニアとしても活躍されている吉開さんですが、不登校の時期があったとお聞きしました。そのときのきっかけは何だったんでしょうか?吉開さん: 何か大きなきっかけがあったわけではないのですが、一番の理由は学校の空気に窮屈さを感じていたことでしょうか。中学に上がると急に受験に向けた詰めこみ教育がはじまって「何のために勉強してるのかわからないなぁ」と悩み始めたんです。勉強やスポーツが特別出来る方じゃなかったので、気づいたらドラえもんの「のび太くん」状態になってましたね。あとは、中学生特有の人間関係というか、学校の中に流れるギクシャクした雰囲気も苦手でどんどん嫌気がさし始めたんです。編集部: 大きなきっかけがあったわけじゃなかったんですね。吉開さん: そうなんです。特にいじめがあったとか家庭環境が悪かったというわけではなかったですね。だけど、中学生になって半年経ったところで「1日、ちょっとずる休みしてもいいかな」って気持ちがもたげてきて。そこで学校をサボってみたんです。一度「えいっ」と休んじゃうと心のハードルが下がるんですよね。そのまま1日、また1日と休む日が増えて、気付いたら中学1年の秋頃から不登校になってました。出典 : 編集部: そこから始まったんですね。吉開さん:はい。16歳まで、約3年半ほど続きました。だから中学は最初の半年だけしか行ってないです。編集部: どんなことをして過ごしていたんですか?吉開さん: 最初はゲームばかりして過ごしていましたね。別にゲーム好きじゃなかったんですが、何がしたいのか思い浮かばなくて暇つぶしでやってました。その時は家からぜんぜん外に出なかったので、親以外との交流もほとんどありませんでしたね。編集部: ちなみに、そのときご両親との関係は?吉開さん: 不登校になってから、仲が悪くなりましたね。母は「休んだらいいんじゃない?」と言ってくれていたのですが、父は早く学校に行かせたいという気持ちが強かったみたいで。それが原因でよく喧嘩をしてました。「父のおかげでとことん好きなことに向き合うことができた」Upload By 発達ナビ編集部編集部: そんな中から、エンジニアを目指すようになったんですよね?吉開さん: はい。実は、エンジニアになったキッカケは、父の一言だったんです。編集部: あ、そうなんですか!吉開さん: そう(笑)不登校になってからの1年間、ずーっとゲームをしてたら、父が「そんなにゲームをやるなら、自分でつくってみれば?」って言ったんです。“ゲームをつくる”っていう言葉にすごく惹かれて、それを境にプログラミングの世界にどっぷりはまりました。編集部: お父様の一言が今につながってるなんて、すごいですね。吉開さん: ほんとですよね。父には今でもとても感謝してます。プログラミングを始めると言ってから、勉強に必要なものは惜し気なく与えてくれました。今までに専門書は60冊くらい買ってもらいました。編集部: 60冊!?Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: 「プログラミングを始めるぞ!」と決意してからは、父が買ってくれた本を片手にずっとひとりで勉強していましたね。編集部:独学で勉強していたんですか?吉開さん: はい。ずっと独学。自分のペースで勉強していました。編集部: ネットの掲示板やコミュニティで交流しながら勉強、という事も特になく?吉開さん: そうですね。情報収集のためにエンジニアのコミュニティを利用することはありましたが、他のプログラマーとの交流はしませんでした。僕の場合は、周りに左右されず自分のペースで勉強を進めるのが合っていたんだと思います。編集部: まっすぐ好きなことに向かえる環境にいられたということですね。吉開さん: そうですね。そういう点でいうと、僕は不登校という環境を選べてよかったと思っています。自分のやりたいことを自分に合ったペースで探求できたのは、不登校になったおかげだとおもっています。もし学校にそのまま通っていたらエンジニアも目指してなかったかもしれませんね。編集部: お父様からのサポートや、ひとりで勉強できる環境…いろいろなことが重なってエンジニアとしての道につながっていったんですね。吉開さん: はい、その中でも父のサポートは大きかったですね。学校にいかなくても自分なりの道がみつけられたのは、僕がプログラミングだけに集中して取り組めるように環境を整えてくれたおかげだと思います。自分にぴったりの高校に出会い、学校に通いながらエンジニアの道へ出典 : 編集部: そのあと高校に進学されましたよね。高校へ行こうと思ったのはいつごろからなのでしょうか?吉開さん: 実は、高校に行く年齢になっても、まだ学校には行きたくない気持ちの方が強くて1年ほどのんびりしていました。だから僕、みんなより1年遅れて高校に入学してるんです。そのときは行きたいと思える高校がなかったんですよね。編集部: という事は、逆に言うと今の高校は吉開さん自身が「行きたい!」と思えた…?吉開さん: はい。行くならこの学校しかない!と思ってすぐ願書を出しました。正直、この高校に入学してから人生が変わりましたね。今通っている学校は、「プログラミングの授業が必修」という謳い文句に惹かれて入学を決めました。それに、通信制高校なので自由に使える時間が多いんですよ。学校側も、外で自由に活動することを推奨していました。編集部: 自分のやりたいことにマッチした学びができるというのは、素敵ですね。Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: うちの高校は面白い人が多くて、企業でインターンしている人、エンジニアとして働いている人や学生団体をたちあげる人…いろいろな人がいますよ。高校に入ってから活動的な人たちと交流することも増えていって、そこからどんどん外でやっているイベントに顔を出すようになりました。いま働いている会社に出会ったのも、この時期に参加したイベントがきっかけだったので、高校に入ったことは大きな転機だったなぁと思います。編集部: なるほど。高校に入ってからの出会いが転機だったんですね。吉開さん: 本当に、不登校の時代からは考えられないくらい毎日がガラリと変わりました。あの頃とは真逆で、家にいる時間はほとんどなくて、必ず外に出て何かをやってますね。学校や仕事を通じて、自分が成長している実感があることが楽しくて仕方がないんです。周りの人たちも自分のやりたいことに向かって目的を持って行動しているから、その環境の中に身を置けて良かったと思っています。学校法人信学会 コードアカデミー高等学校これからの社会に必要なのは、子ども達それぞれにあったサポート体制をつくること出典 : 編集部: これから大学進学が待っていますね。大学生になってから挑戦したいことはありますか?吉開さん: 僕には大きな目標が2つあるんです。ひとつは、コンピュータサイエンスの技術を活かした、モノづくりのサポーターになること。もうひとつは、不登校だったり学校での生きづらさを感じている子どもたちのための、教育支援の仕組みをつくること。これまでの仕事を通じて、自分の技術で人をサポートできるようになりたいと思ったんです。モノづくり自体が楽しくして仕方がないので、「誰かのアイデアをどう実現できるのか」を考えて実行できる人になれたらいいなと。そのためにもっと技術を身につけていきたいです。子ども達の支援も、自分と同じような境遇の人たちをサポートするにはどういう仕組みが最適なのかを考えたいと思います。学校教育を変えるとなると難しいかもしれないけれど勉強カフェのような溜まり場や塾みたいなものを作っていけばいいかもしれない…というようにアイデアを練っていきたいと思ってます。編集部: 素晴らしい目標ですね。そんな吉開さんがこれまでを振り返って、今、同じように不登校を経験している人に何を伝えたいですか?吉開さん: 一旦不登校になると、なかなか戻れないというイメージって強いと思うんです。でも不登校になってみてわかったんですが、出来ないことってそんなにないんですね。僕の他にも同じような環境から自分のやりたいことを見つけて活躍している人はたくさんいます。とくに今やりたいことがないという人には、少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジしてほしいです。三日坊主になってもいいので、興味をもったらまずやってみることです。僕の場合は、色々と経験することで本当に自分に向いていることが見えてきたので、思い切ってチャレンジしてみるというのはいいのかもしれません。Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: それと、お父さんお母さんには、その子が思いっきりチャレンジできる環境をつくってもらいたいです。父が一生懸命に取り組めるような環境を整えてくれたから今の僕があると思っています。だから、興味を持ったものを学ぶためのサポートをしてもらえれば、安心して自分の道を突き進むことができるんじゃないかなぁと思うんですよね。編集部: 最後に、吉開さんの考える「これからの学校や社会で必要だと思うもの・変えていきたいもの」を教えてください。吉開さん: 今ある学校に適応できなかったら失敗、という、ひとつのレールに子どもを乗せていくような教育観が変わっていけばいいなと思っています。好きな事には夢中になって取り組めますし、仕事にできるくらい極められるようになると思うんです。そういうふうに、型にはまった勉強以外にも子どもたちそれぞれの好奇心や意欲を活かせる場所をつくってあげれば、自立して社会で活躍する人材が育っていくんじゃないかと考えているんです。だから、学校の中に生きづらさを感じている人がいたら、その人たちの悩みに寄り添いながら、それぞれの「なりたい・やりたい」を実現できるような体制作りが必要だと思っています。出典 : 吉開さんは終始、物腰柔らかな受け答えをしつつも、自分のなかで育てた価値観を真正面から伝えてくれました。会話の中で印象的だったのは、お父様への感謝の言葉が何度も出てきていたところ。「本人にあった支援は何か」を考え続けられてきたからこそ今の活躍があるのだと思わずにはいられません。「学校に行かない」という選択から、不登校である時期を「自分にあった生き方を探す時間」として向き合ってきた吉開さんだからこそこれからの社会に必要なサービスを生みだしてくれそうだと、そう思わせてくれるほどに芯をもった方でした。
2016年07月21日虫が苦手なママ、多いのでは?私も「大」の苦手です。カメムシでもギャー!と雄叫びをあげずに見られません。そんな私の5歳長男がナミアゲハの幼虫を家に連れてきました。見た目は鳥のフンだけど、動きはイモムシソックリ…それでも不思議なもので、飼ってみると夢に出るまで可愛くなるものです。これからカブトムシの季節。虫嫌いでも飼育を考えるママのために、今回は虫に広げてもらった世界と子どもとの会話をご紹介します。動物アレルギー、かつアパート住まいキッカケは幼稚園のみかんの木についたアゲハの幼虫を、長男が「飼いたい!」と言ったことでした。動物が大好きな長男。しかし彼は犬・猫・ハウスダストアレルギー、さらに現在の住まいはアパートのため飼うことができません。爪先ほどの小さな幼虫を見て、「これぐらいいいか」と軽い気持ちで飼うことに決めました。見知らぬ虫より、飼っている虫最初は軽い気持ちだったのですが、目に見てわかるほど一日一日グングン大きくなっていきます。小指の第一関節ほどの長さに育ったところで脱皮し緑の青虫に。「気持ち悪っ!!」と叫ばずには見られず、正直飼ったことを少し後悔していました。ある日曜日のこと。幼稚園から持ってきた餌のミカンの葉が足りないことに気づきました。「じゃあキャベツでも」とあげても食べない。調べると「ミカン、カラタチなどミカン科の葉しか食べない」と餌のレア度に驚きましたし、勉強になりました。結局餌を見つけてきましたが、「餌がないかも…」と心配してはじめて自分の中で青虫が大切な存在になっていることに気づきました。「見知らぬ虫」は大嫌いだけど飼っている虫は徐々に可愛くなっていく。それから毎日、息子と成長を楽しみました。息子は「名前をつける、餌をあげる、幼稚園に持って行って先生やお友達に見せる、家中のお守りを集めて大きくなるよう祈る」などして楽しんでいました。成虫になっても飼うことに青虫は無事サナギになりました。羽化するまでは大体2週間。その頃息子とこんな会話をしました。「羽化したらお外に離してあげようね」「何で?寂しいから飼おうよ」「アゲハは空を飛んで、結婚して卵を作るのが生きる目的だからね。羽があるのに外を飛べないのはかわいそうでしょう。○○も、天気がいいのにお外で遊んじゃダメって言われたらどう?」「それは嫌だね…でも寂しいよ」そうして羽化しましたが、羽が十分に伸びず飛べないためアゲハチョウとなっても飼い続けることになりました。チョウになると子どもたちのテンションも上がるようで、1歳の次男も興奮して毎日見ていました。長男もエサをあげるときにアゲハが手にのぼってきてとても喜んでいました。「虫を自分の手で触れた」ことが子どもはとても嬉しいよう。少し失敗だと思ったのは、エサをやるときにチョウを傷付けてはいけないと思い、子どもでなく私がやっていたこと。もう少し子どもにもフォローしつつさせてあげればと思いました。死んだらどこへ行くの?結局成虫の平均寿命2週間を超え、20日ほどでチョウは死にました。元々繊細な長男は丸1日泣いていました。それからまだ3日ですが、以下のような質問が繰り返されます。「何で何もしていないのに死んじゃったの?」「チョウチョはボクと一緒にいて楽しかったの?」「今はどこにいるの?」「天国にいるの?」寿命とか死といった話をし、暗い話もあれば前向きに考える会話も重ねました。泣き続ける長男を見るのは辛いですが、こういった経験がないよりあったほうが良いと思いました。というのもまたまだ長男は命の重みをわかっていないと感じることが度々あったので、それをチョウは見せてくれたと感じています。生と死といったことを考えるのにも、生き物と生活することは大切だと感じました。ただ子どものダメージも大きいので寿命の長めなものを飼育するのが良いと思います。これからの季節、カブトムシやザリガニ、金魚やメダカなどの飼育を考えてみてはいかがでしょう。ママ自体も勉強になりますし、よい経験ができますよ。ライター:宮野 茉莉子
2016年07月20日ろう学校で学んだ手話は、全国共通じゃなかった!編集部:前回は、学校生活について教えていただきました。ちょっと気になるのですが、ろう学校では授業をどんな風に進めるんですか?津田:学校独自の手話を使ってましたね。編集部:独自?津田:そうなんです。東京に来て「これは全国共通じゃないんだ」と気づいたんです(笑)舞台で難聴の女性の役をやらせていただいた時、これまで自分が使ってこなかった日本語対応手話を使うことになりました。とにかく覚えるのが大変で、4ヶ月くらい練習したのかな…編集部:手話にもいくつか種類があるんですか?津田:そう。日本手話と、日本語対応手話、と別れていたり、方言と同じように関西と東京で違ったりもするんですよ!関西での「水飲みたい」は東京だと「岩飲みたい」になってしまう(笑)編集部:そうなんですね!知らなかったです。津田:学校では口話や文字、学校独自の手話で勉強してたんですけど…なぜかあの頃は「手話は社会にでたら役にたたないんだ」と思っていました。生徒の中でそんな風潮も少しあったのかな…理由はわからないですけど。過去の自分を想うと「あと1歩踏ん張ろう」と頑張れる編集部:女優を辞めたいと思ったこと、ありますか?津田:あります!即答しちゃいましたね。(笑)お仕事を辞めたいと思ったとき、親は「頑張りなさい」じゃなくて「帰っておいで」と言ってくれました。その言葉を聞いて「いつだって受け入れてくれる暖かい家族がいるから頑張ろう、頑張りたい」と思いなおしました。編集部:なるほど。津田:家族の応援は本当に心強い。でも、映画の撮影現場に来てくれたときは、緊張して20回くらいNG出しました!現場は1人の方が良いですね。(笑)編集部:あはは(笑)出典 : 津田:家族の存在も私の支えですが、事務所に応募する前の自分自身を想うと「もう少し踏ん張ろう、辛いけどまだ頑張りたい」と強く前へ進めるんです。学校にも行けず、毎日に何も見いだせなくて、すごく辛かった時期がありました。「死のう」と思うこともありました。そんな過去の自分自身を振り返ると、今やりたい事があって挑戦できている。こんなに変われたんだ、と励まされるんです。だからあの頃を考えると、まだ頑張れる。もう一歩頑張ろう、頑張りたい、そう踏ん張れますね。自分を守れるのは自分だけですからね。編集部:なるほど。その想いが踏ん張るときのエネルギーになっているんですね。津田:はい。事務所に所属してすぐに週刊朝日の表紙をさせていただきました。私にとっての一番最初のお仕事です。そのときに「あぁ、勇気だして挑戦して、本当に良かった…」と自分の決断を認める事ができました。右も左も分からない最初のお仕事でそう思えるなんて、私は本当にこの仕事をやりたいんだと痛感した経験でしたね。今も昔も変わらない「興味にまっすぐな性格」が自分を支えている編集部:「やりたい」と思って実際に応募するまで行動ができる、というのは津田さんの突破力といいますか…津田:確かに、昔から興味のあることは、迷わずとことん調べたり動くタイプでした。例えば…坂本龍馬がブームの時期があったんですけど、歴史の授業には全く関係ないのに「龍馬龍馬龍馬…」って本も映画も調べて四六時中頭のなかは坂本龍馬。(笑)編集部:授業と関係ないのに。(笑)津田:そうなんです、もったいない。(笑)今も気になることがあればすぐウィキペディアです。小さいころ学校で勉強したことが、大人になってもっとよくわかる、というのは面白いですよね。編集部:興味のあることにまっすぐなんですね。津田:そうかもしれないです。逆に興味が無いと全く…。読書も好きですが、最初の1ページを読んで「入り込めないな」と思うとすぐやめてしまいます。もういいやって。編集部:わかります、わかります。津田:あ、入りこめるから女優が楽しいのかもしれませんね。夫は照明関係の仕事をしていて、よく舞台の台本を持って帰ってくるんです。それを読むのが特に好き。スッと入りこめて楽しいんです。編集部:なるほど、入りこめる、かあ。津田:台本を読んで、現場にいって、その空気を感じる瞬間がとっても好きです。自分がやるこの役は、こういう環境で育ってきたのかな、と思索したり研究したりする時間を大切にしています。答えはないけど、じっくり考える。もちろん頭でわかっていることと出来ることは違いますから、演じるのは難しいですけど、それは女優の面白さですね。
2016年07月18日【ママからのご相談】祖父母が子どもをしょっちゅうほめています。ほめてもらえるのは嬉しいですし、子どもをほめるのは大切なことだと認識してはいますが、こんなにほめちぎって大丈夫なのかと不安になることもあります。●A. 大事なのは、子どもに「やればできる」と思わせられるかどうか。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木と申します。勉強が苦手な子どもに勉強を教える際、いかにほめるかが非常に重要になります。確かに、子どもの自尊心を高めるうえで、ほめることは有効な手段です。しかし、質問者様が懸念しているように、ほめ方を誤ってしまうと、かえって自尊心をくじく 結果になることもあります。●才能をほめると、挑戦しない!?こんな実験があります。子どもを2グループに分けてテストを受けさせます。一方のグループには「頭がいいのね」とほめ、難易度がより高いテストを行ったそうです。結果はどうだったかというと、「頭がいい」とほめられたグループは、“頭のいい自分”を演じようとしてしまうために、難しい問題に挑戦しなくなりました。頭がいいという評価を覆さないように、失敗を避けた のです。さらに悪いことに、自分の得点を申告する際に、得点を高く偽った子までいたのです。自分を賢くみせようとして必死になっているのですね。●努力に焦点をあてるでは、もう一方のグループはどうだったのか。もう一方のグループには「よく頑張ったね」と、才能ではなく努力をほめました。先のグループと同様に、より難しいテストをしたところ、結果は真逆。最初のテストより点数が上がっていたのです。「ほめるのは難しい」多くの親御さんがそうおっしゃいます。せっかくほめるのなら、効果のあるほめ方をしたいですよね。子どもの自尊心を高めるのは、才能よりも努力に焦点をあてた言葉です。努力をほめれば、「あなたの努力をきちんと見ている 」というメッセージを伝えることができます。お子さんの自尊心を育てるのはもちろん、安心感を与え、親子の信頼関係がよくなる効果も期待できるでしょう。全てを最初から完璧にできることではまずありません。頭でわかっていながらも、完璧を求めて、できたら「頭がいいのね!」とほめていませんか。子どもが最初からできることなんて限られていますし、できることしかしないのであれば、成長が見込めないのです。大切なのは、失敗から学んで、できるようになることです。そのためには、失敗をおそれすぎず、失敗をしてもいい、そこから学ぼうという姿勢。そして、できたときには、失敗しても諦めずに取り組んだこと、やりとげたことを評価するのです。ほめ言葉は、取り方を誤れば毒になります。一方で、正しくほめればよい薬になります。ぜひ、お子さんの成長を楽しみながら、努力をほめてみましょう。【参考文献】・『「やればできる!」の研究ー能力を開花させるマインドセットの力』キャロル・S・ドゥエック(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年07月15日育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん
ドイツDE親バカ絵日記