子育て情報『「え。今日何もしてへんの?」どうして自分だけ…不妊治療、一番苦しめたのは心の闇だった』

2021年3月5日 12:30

「え。今日何もしてへんの?」どうして自分だけ…不妊治療、一番苦しめたのは心の闇だった

 

「あの時のみじめな思いがきっかけで、どうしても自分の子どもが欲しいってこだわり始めました。職場の先輩たちが『産休』『育休』をとる姿が、まぶしく見えるようになりました」

その後、2年間自然妊娠を待ったがかなわず、不妊治療を開始した。

タイミング法で結果出ず、自己嫌悪に

日本産科婦人科学会は、子どもを望む夫婦が夫婦生活を1年続けても妊娠しないことを「不妊」と定義する。年齢や病気などで妊娠しにくい場合は、すぐに治療を開始することも。かなさんは年齢的な余裕はあったものの、2年が経過したので不妊治療に踏み切った。ゴールの見えない2人旅の始まりだった。

初めは近くの産婦人科クリニックの門を叩いた。卵子が20代から劣化するというグラフを見せられ、ショックを受けた。
「まずは基礎体温を付け、タイミング法でやってみましょう」という医師の助言に従った。

毎月何本も妊娠検査薬を使い、ちょっとした変化があるたび、インターネットで情報をかき集めた。しかし半年経っても毎月生理はやって来る。妊婦で混み合うクリニックの待合室。人の幸せが喜べない……。穏やかなオルゴールBGMを聴きながら、かなさんはこぶしを握った。

「私はなんてひどい人間なんだろうって自己嫌悪に陥りました。その状況が耐え難くて、専門のクリニックに移ることにしたんです」

専門クリニックで治療開始夫が原因で「妊娠の可能性1%」

不妊治療


不妊の原因はさまざまだ。
病気や体質、精神的ストレスのほか、原因が見つからない場合もある。男性、女性、または両方が問題を抱えていることもある。原因の半数は男性側にある。(※1)

紹介された不妊治療専門のクリニックでは、夫婦2人の血液や卵巣、精巣など、生殖に関する器官の検査から始まった。 検査結果を聞きに行くと医師は告げた。 

「旦那さんのこのデータから見ると、妊娠の可能性は1%です」

夫の精子は数が少なく、動きも活発ではなかった。かなさんにもホルモンの出方などに問題があった。「つまり、毎月ベストタイミングで子作りをしても8年後にできるかできないかといったところですね」と医師は続けた。
0%じゃないんだね、と励まし合った。すぐに治療に取り組もうと、二人で決意した。

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