2016年11月24日 20:45
発達障害の私が、「障害者」として生きることを決意するまで
一応地球一周の船旅を企画しているツアーの中では格安ですが、それでも130万円以上の費用がかかります。貯金で払うことは可能でしたが、当時無職で再就職のあても全く無い私は、この旅で何かを得られなければただ散財するだけになってしまいます。
しかし、「このままだと確実に気力を失って、死が待っている」と感じた私は一か八か賭けてみることにしたのです。
世界中の人々との出会い、広がりゆく視野
Upload By 穹峰蒼志
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私はわずかな希望に賭けて、地球一周の船旅に出かけました。
さて、地球一周の船旅と聞くと、リッチで高級、ゴージャスといったイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?
残念ながら私が参加した船旅は、それとはかなり程遠いものです。
しかし、この船旅は私も含めてほとんどの方が退屈していませんでした。
というのも、乗船者自身が船内でイベントを企画する「手作り感満載」な船旅だったからです。ゴージャスでこそないものの、娯楽を自分達で作り出す過程はとても楽しいものでした。
私はこの旅で、幅広い世代と交流し、世界各国を巡り様々な人々と出逢いました。
「失業中」という事実に、家族や友人達との間では私は気まずさや負い目を感じていましたが、船には似たような境遇の人もいます。社会とうまく関われない人間は私だけではないのだと知り、どこか安心できました。
旅を通して、国や人種や宗教の違いを目の当たりにして、私は”人間には多様な生き方がある”ということを肌で感じました。
私の視野は、確かに広がり始めていたのです。
同性愛者の友達のカミングアウトを聞いて、人生が変わった
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161013580
船旅の中で、ついに私の人生を180度変える出来事が起こりました。
ある日、同性愛者や性同一性障害の方々が自分達の事をカミングアウトする船内イベントがありました。
カミングアウトをした人たちの中には、私がよくお世話になっている方もいて、私は衝撃を受けたのです。
「どうして同性愛者である事を告白したのですか?隠しておけば良さそうなのに、告白するのは怖くはなかったのですか?」
と私はその人に聞いてみました。それに対する答えは、
「同性愛者である自分を知って離れていく人がいても仕方がない」