認知行動療法(CBT)は心の病気に効果的? メカニズムや形式、体験談まとめ
認知行動療法ではこうした状態を、出来事を受け止めたときの認知に歪みが生じている、もしくは偏りが生じていると捉えます。
そして、気分や行動に悪影響をもたらし、自分では気づかないうちに負のスパイラルに陥ってしまいます。この認知のゆがみを修正し、考え方の幅が広げ、より柔軟に対処することができるようになることを目的として認知行動療法を行います。
認知行動療法の流れとは
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10158000537
認知行動療法は困っている問題や環境について考えるとともに、それに対する認知や行動の修正を図り、ストレスを軽減することで、より柔軟・自由な考え方・行動へと変えていきます。
では具体的に認知行動療法はどのように進めていくのでしょうか。厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」をもとに、認知行動療法の進め方の一例をご紹介します。
現在どのようなストレスがあるのか整理しましょう。例として授業中に強いストレスを感じ、恐怖感や気分の落ち込み、頭痛などを感じる中学1年生の場合を見ていきましょう。
例: 授業中、特に数学の時間に強いストレスを感じます。
どういった状況で問題が起き、それによりどのような気持ちになるか確認しましょう。例: 「数学の授業には練習問題を解く時間が設けられています。進めていくと分からない問題があり、先生に質問したいと思います。しかし先生は他の生徒と話しているので質問することができません。質問できない私は無力感を感じ、惨めな気持ちになります。」
勝手に浮かんでくる思考である自動思考が、気持ちや行動にどのように影響しているか確認しましょう。
例: "どうして勇気を出して先生に呼んで質問できないのか"と、自分を責めます。また"これ程まで消極的な私はうまく人と付き合っていけるのか"、と不安になります。
さらに"この程度の問題が解けないのか"と自分を責め、絶望感にさいなまれます。
自動思考の特徴的なくせとしてどのようなものがあるか考えましょう。
例: 私自身を過小評価し、根拠のない決めつけをします。
自動思考の内容と現実の間にはどのような違い・差があるでしょうか。少しづつ現実にそった見方に変えることができるように練習をしましょう。