子育て情報『知能指数(IQ)とは?知能指数の定義や知能検査の種類、知能指数の値と疾患・障害の関係は?』

知能指数(IQ)とは?知能指数の定義や知能検査の種類、知能指数の値と疾患・障害の関係は?

というような言葉はよく使われますが、それでは知能指数(IQ)が高い=知能が高い・頭が良いということになるのでしょうか。

心理学の視点から「知能」というものを見てみると、一概にそうとは言いきれない広がりを持っています。

ここでは、知能の様々な定義のうち、いくつか例をご紹介します。

・「目的別に行動し、合理的に思考し、効率的に環境を処理する個人の総体的能力」(アメリカの心理学者・デイヴィッド・ウェクスラーによる定義)
・「言語、数、空間、記憶、推論、語の流暢さ、知覚」(アメリカの心理学者・サーストンによる定義)
・「言語的知能、論理的数学的知能、空間的知能、音楽的知能、身体運動的知能、対人低知能、博物的知能、内省的知能」(アメリカの心理学者・ガードナーによる定義)

既存の知能検査で測定できるのは、主に言語的機能や論理数学的機能と定義される能力です。

しかし、上記で示した心理学的アプローチから「知能」を捉えると、知能検査で計ることができる能力は知能の一部でしかないとも考えられます。

つまり知能指数が高いと「頭が良い」とは単純に言い切ることはできず、「言語的・論理数学的機能において優れている」ということなのです。逆に知能指数の値が低いからといって、知能指数で測定できる能力以外の領域で、高い能力を発揮する子どももいます。知能指数の値だけに振り回されることなく、知能指数を参考に、一人ひとり得意分野・不得意分野を上手に把握していくことが大切です。


https://www.amazon.co.jp/dp/4810005577
参考:櫻井茂男/著『たのしく学べる発達心理学』2010年 有斐閣/刊


知能指数における「境界領域」とは

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28174005559

「境界領域」とは知能指数が70~79の領域のことを言います。

前述した判定基準の通り、知能指数が70以上である場合は知的障害とは判定されにくいため、「境界領域」の方は療育手帳が取りづらいといった現状があります。

また、知能指数では「境界領域」にあたり知的障害とは判定されない子どもでも、発達障害の特性がある場合もあります。例えば学習障害や注意欠陥・多動性障害、広汎性発達障害が挙げられます。発達障害があるかどうかは、知能検査や心理検査の結果、普段の様子を長期的に見て判断する必要があります。

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