知能指数(IQ)とは?知能指数の定義や知能検査の種類、知能指数の値と疾患・障害の関係は?
の3つの症状がみられる発達障害のことであり、自閉症スペクトラム障害と併存する場合もあります。WISC-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査。詳細は後述)では、ADHDのある人は、注意集中の維持の困難さから、「数唱」「迷路」といった検査項目において点数が低くなる傾向があります。
子どもに早期から療育を行う場合、その効果を見極める指標として、知能検査の結果の変化が参考とされる場合があります。早期療育とは、発達の遅れが見られる子供を対象に専門的な教育プログラムやトレーニングを実施することです。
◇ダウン症
たとえば、ダウン症のある子どものほとんどは、生後1ヶ月以内に診断されるため、早期療育の対象となることが多いです。早期療育によって、ダウン症の子どもの能力がどの程度発達したかは、例えばウェクスラー式知能検査の幼児版であるWPPSIの言語性IQによって測定されます。
◇学習障害(LD)
学習障害は、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことで、知的障害とは区別されます。
児童期において、WISCの全検査IQが正常範囲であるものの、言語性IQと動作性IQの得点の差が15点以上ある場合に学習障害のリスクが高いとされています。学習障害は知能の部分的な偏りが学習の遅れに結びついています。測定したIQに対して、実際の学習到達度にギャップが大きい場合、学習障害の可能性が疑われます。学校での子どもの学習の様子と対応させて、困難が大きい部分に対して適切な支援をしていくことが大切です。
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参考:日本児童研究所/著『児童心理学の進歩』2014年 金子書房/刊
知能指数の値に応じて受けられる支援は?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017013687
知能指数の値は、療育手帳の取得判定の際に参考とされます。
児童相談所または知的障害者更生相談所において知的障害であると判定された場合や、知能指数が75以下(自治体によっては70以下)の場合、療育手帳をもらうことができます。また、特別支援学校に入学する際、療育手帳が必要な場合があります。