愛着障害とは? 愛着障害の症状・治療法・愛着を築く方法をご紹介します!
ただ、大人になってからも情緒や人との関係づくりで苦労することがあってもその原因が愛着障害であるという自覚が少ないケースもあります。まず大人が愛着障害を発症している場合どのような特徴があるのかご紹介します。
◇情緒面
・傷つきやすい
・怒りを感じると建設的な話し合いができない
・過去にとらわれがち、過剰反応
・0か100かで捉えてしまう
・意地っ張りなど
情緒面では主にこのような症状が表れます。他人の何気ない発言に対して過剰に反応してしまい、傷ついてしまったり、過去の失敗や恐怖を極度に引きずってしまったりすることがあります。
また、一度頭に血が上ってしまうと何に怒っているのか整理することができず、当たり散らしてしまう。「ある・ない、好き・嫌い」など物事や人を極端に捉えることしかできず、「この人は苦手な部分もあるけど、良いところもある」というように柔軟で折り合いをつけた考え方ができないということが挙げられます。
◇対人関係
・親などの養育者に対して敵意や恨みを持つ、または過度に従順になったり、親の顔をうかがう
・親の期待に応えられない自分をひどく責める
・人とほどよい距離がとれない
・恋人や配偶者、また自身の子どもをどう愛すればいいかわからないなど
対人関係の面では、第一に愛着障害の原因をもたらした養育者に対しての態度に症状が見られることがあります。養育者に激しい敵意・恨みをもつことでいつまでも反抗的な態度を取り続ける。
反対に親に従順すぎるほどの態度を取り、大人になっても親に言いなりになってしまっているというような症状が表れます。
また、子どもの場合と同じように、人とほどよい距離を保つことができない、恋人や配偶者、そして自分の子どもに対してどのように愛情を注げばいいかわからず、関係づくりに苦労することがあります。
◇アイデンティティが確立できない
・キャリア選択がうまくできず時間をかけた割にわずかな見聞や情報で決めてしまう
・自分の選択に対する満足度が低い
大人になると、仕事やプライベート、さまざまな場面で自分自身で選択することが求められます。愛着は他人との基本的な信頼感の基礎であるだけでなく、好奇心や積極性、自己肯定感の基礎ともなるものです。その愛着が子どもの時に十分に形成されず、大人になっても愛着障害が続くと、アイデンティティを獲得・確立する青年期や成人期で決断を求められる場面において苦労してしまうことがあります。