愛着障害とは? 愛着障害の症状・治療法・愛着を築く方法をご紹介します!
大人の愛着障害が他の疾患を発症の原因になってしまうことがあります。
・うつ病
・心身症
・不安障害
・境界性パーソナリティ障害など
このように、愛着障害がある大人は生活を送るうえでさまざまな困りごとが起こるだけではなく、二次的に他の疾患を引き起こすこともあります。ですが、大人になってからでも工夫次第では症状をやわらげることができたり、困りごとを克服できたりすることもあります。
最も大切なこととして、幼少期に満足に得られなかった、愛着形成のための愛情深いスキンシップやコミュニケーションを補ってあげることが挙げられます。大人になってしまうと実の親と子どものころのように密にやりとりをする、ということが難しいかもしれません。その場合は、恋人やパートナー、教師や友人などとのやり取りが愛着障害の克服の第一歩となることがあります。
また、職場など対等な人間関係をつくることができ、自分の存在価値が認められるような環境に身を置くことや、自分が「理想の親」のような存在となって後輩を指導するということもアイデンティティの確立や自信をもつことにつながり、結果的に愛着障害が改善していく可能性があります。
愛着障害と発達障害の関連はあるの?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11071000383
発達段階の年齢にある子どもの愛着障害の症状は、発達障害の症状に似ているため、しばしば混同されることがあります。
しかし、発達障害は先天性のもの、愛着障害は後天性のものである、という決定的な違いがあります。そのため愛着障害は適切な環境(愛着がきちんと形成される環境)で子どもを育てれば、症状が改善するケースが多いのです。
以下、愛着障害を「反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)」と「脱抑制型愛着障害」をわけて、それぞれ間違えられやすい発達障害との違いをご紹介します。
◇自閉症スペクトラム
自閉症スペクトラムと愛着障害は、養育者と目が合いにくい、嬉しい・楽しいといった情動表現をあまり見せない、認知と行動に遅れが見られる、対人関係を円滑に築くのが苦手といった共通点があります。
しかし、自閉症に見られるこだわりや反復行動は、多くの場合愛着障害には見られません。また、自閉症児の場合、知的機能は高くてもコミュニケーションに苦手意識があったり、相手の気持ちを察したりすることができないということもあります。