眼振(がんしん)とは?種類や原因、症状から治療方法まで詳しく解説します!
水平方向は右や左に、垂直方向は上下に眼球が動きます。回旋性というのは、眼球の位置は変わりませんがその場で回転します。ペットボトルのふたを閉めるときの、キャップのように眼球が動くとイメージするとわかりやすいかもしれません。
ですが、眼球の動く方向は、水平方向と回旋性が合わさっていることもあり、きれいに3つに分けられるということではないので注意が必要です。
眼球には、緩徐相と呼ばれる特徴的な動きがあり、この動きがあるかないかで律動眼振と振子眼振の2種類の眼振に分類されます。
緩徐相は、眼球のゆっくりとした動きのことです。ゆっくりとした動き以外にすばやく眼球が動く急速相もありますが、急速相は緩徐相によってできたズレをなくすために生じます。よって眼振で重要に考えられているのは、緩徐相の方です。
緩徐相と急速相の目の動きは、イメージとしては「仕事中や勉強中など椅子に座っているときにうっかり寝てしまうとき」に似ています。うたた寝の際、ゆっくり頭が下がっていき(緩徐相)、突然目が覚めて元の姿勢に戻った(急速相)ような動線を描いて、眼球が動くのです。
◇律動眼振
律動眼振は、上述の緩徐相と急速相が区別されて現れる眼振のことを言います。
律動眼振の中でも、ゆっくりとした眼球の動きの速度が一定なのか、それとも少しずつ速くなったり、遅くなったりするのかでさらに分類されることもあります。
◇振子様眼振
振子様眼振は、緩徐相と急速相の区別がつかず、眼球が往復運動をするときに、往路と復路の揺れ方が等しい眼振のことを指します。
このように眼振は、いろいろな観点から分類することができますが、詳細な分類ができないケースも多くあります。
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参考書籍:三村治/著者『神経眼科学を学ぶ人のために』(医学書院・2014)
先天性の眼振が発症する要因は?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038004492
眼振が発症する要因は遺伝によるものもあるとされていますが、細かい原因やメカニズムはまだ判明していないものも多く見られます。
先天性の眼振は、ヒトがものをしっかりと見るために必要な3つの要素のうちのどこかに問題があると発症します。
次の3つのうちいずれかまたはいくつかに異常が見られると、眼振の症状が起こりえます。