2018年8月28日 08:00
【指定難病】脊髄小脳変性症(SCD)とは?気になる症状や進行、治療などを解説します
「脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン」作成委員会 (編集) 『脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン2018 』(南江堂・2018年)
脊髄小脳変性症(SCD)の治療やリハビリは?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10132107101
さまざまなアプローチで、根本的治療の実現に向けて研究が進められていますが、まだ確立した治療法はありません。薬で症状を和らげる対症療法や生活の質を維持していくためのリハビリが中心となっています。
一般的に、薬剤による治療開始は早ければ早いほど、運動機能が維持でき、身体機能も良好な状態をより長く保つことができる可能性があります。
主症状である運動失調に対しては以下のような薬が使用されます。注射液…プロチレリン酒石酸塩(ヒルトニン®)
錠剤…タルチレリン水和物(セレジスト®)
その他、足のつっぱり感、めまい感など、症状に応じて薬で治療します。
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400061_7223401A2020_2_01.pdf
ヒルトニン®
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400315_1190014F1033_1_04.pdf
セレジスト®
うまく体が動かせなくなっていくことで、症状の進行とともに患者が転倒などを恐れて動く時間が減っていく傾向があります。それに伴い、筋力や体力の低下につながり、さらに症状を悪化させます。
しかし、小脳失調を主体とする脊髄小脳変性症に対して、バランスや歩行に対する理学療法を集中的に行うと、小脳失調や歩行が改善することができます。
病院などでのリハビリテーションをはじめ、自宅での日常生活でも自分でできることを継続的に行うなど前向きに体を動かしていくことが大切です。
介護者が専門的技術を指導してもらうことも、介護者負担を軽減するために重要です。外来や訪問リハビリテーションの際に歩行時や車いすなどへの移乗時の介助方法に関して、介護者が指導を受けて習得することで、負担感の軽減、腰痛や転倒事故の予防にもつながることが期待されます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4524246177
参考書籍: 日本神経学会厚生労働省「運動失調症の医療基盤に関する調査研究班」