ビバンセとはどんな薬?ADHDのある子どもに処方される薬ビバンセの効果や副作用などを詳しく解説!
における神経伝達物質のドーパミンとノルアドレナリンの働きを高める作用があるのです。
詳しい仕組みをみてみましょう。
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神経伝達物質のドーパミン、ノルアドレナリンが神経の末端から放出されると、次の神経細胞にある受容体で受け取り、それが信号となって神経伝達が行われます。このメカニズムは、神経と神経の細胞の間にある狭い空間(シナプス間隙)の神経伝達物質の濃度に依存します。
神経伝達物質は、トランスポーターと呼ばれる再取り込み口から神経細胞に回収され、再利用されます。
ADHDのある人では、何らかの理由で神経伝達物質の作用が少なくなっていると考えられています。アンフェタミンは、神経伝達物質を取り囲んでいるシナプス小胞に直接作用して、神経末端からの神経伝達物質の遊離を促進するとともに、トランスポーターにおける再取り込みを阻害することで、神経と神経の間(シナプス間隙)にある神経伝達物質の量を増やし、神経伝達を高めると考えられています。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-047.html
参考:ドパミン | 厚生労働省 e-ヘルスネット
ビバンセとアンフェタミンの違い
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10132107108
ビバンセは、消化管から吸収された後、血液のなかで代謝されて、アンフェタミンになるというお話をしました。それなら、アンフェタミンを最初から服用したらいいのではないか、とお考えになるでしょう。実際に、欧米ではアンフェタミンの製剤が販売されています。
しかし、ビバンセはそれ自身が薬効を持たず、代謝されてアンフェタミンになる、そのことによってアンフェタミンよりも安全性を高めている薬剤なのです。このような薬剤をプロドラッグといいます。
プロドラッグとは、そのままでは体にはまったく影響を及ぼさず、体内に入って代謝されることでその効果を発揮する薬のことです。代謝を利用するため、血液中で急激に濃度が上がらず長時間効果が続くように設計されています。
プロドラッグであるビバンセをもし意図的に吸入などの方法で接種したとしても何の効果も及ぼさないため、乱用のリスクが低いのです。