ビバンセとはどんな薬?ADHDのある子どもに処方される薬ビバンセの効果や副作用などを詳しく解説!
また血液中の濃度も緩やかに変動しますから、多幸感が生じにくいのです。
依存、乱用のリスクは、急激に血中濃度が上がり、急速に下がっていくときに高まります。したがって、プロドラッグであるビバンセの血中濃度の変化の緩やかさは、アンフェタミンが有している依存、乱用リスクを低めていると考えられています。
依存、乱用リスクを軽減するために、もっとも重要なことは、その薬剤を本当に必要としている患者さんが定められた用量を服用するという適正使用です。医師は、患者さんや家族、学校等の情報から正しく診断する必要がありますし、患者さんは決まった用法・用量を守って服用しなければなりません。
ビバンセには流通規制があり、登録されている医師のみが処方でき、登録薬局のみで調剤することになっています。患者さんをシステムに登録し、同じ患者さんが複数の医療機関でビバンセを受け取ることがないよう制度化されているのです。
ビバンセの用法・用量
ビバンセはカプセルの薬で、20mg、30mgの2種類が用意されています。
通常は、30mgから服用を始め、70mgを上限として必要に応じて増量していきます。増量の必要があるかどうかは診察のうえで医師が判断するため、自分で増量して服用することはやめましょう。
ビバンセには併用が禁止されている薬があることから、医師の診察では服用している薬を忘れずに報告してください。
●モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
セレギリン塩酸塩(エフピー)
ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
※モノアミンとは、ドーパミンやノルアドレナリンをはじめとする神経伝達物質の総称のことです。ビバンセは、ドーパミンやノルアドレナリンの作用に深く関係していることから、併用すると神経の外に神経伝達物質が増えてしまい、命に関わるほどの高血圧をもたらす可能性があります。
他にもビバンセを服用するにあたっては、併用に注意しなければならない薬があります。自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。
●尿のpHをアルカリ化する薬剤
炭酸水素ナトリウム等
※ビバンセの有効成分d-アンフェタミンは腎臓から排出されるため、腎臓で排出される分が少なくなってしまい、作用が強くなりすぎてしまう恐れがあります。
●尿のpHを酸性化する薬剤
アスコルビン酸等
※尿のpHをアルカリ化する薬剤とは反対に、有効成分を過剰に腎臓から排出してしまうため、作用が弱くなりすぎてしまうことがあります。