子育て情報『「恋愛ってなに?」大人のASD・宇樹の紆余曲折な恋愛遍歴から――安定した親密な関係を築くために必要なこと』

2020年7月29日 07:00

「恋愛ってなに?」大人のASD・宇樹の紆余曲折な恋愛遍歴から――安定した親密な関係を築くために必要なこと


「恋愛とは何か」がわからない…… どこかぎこちない恋愛遍歴

振り返ると、私が恋愛の場面で抱えていたトラブルの中には発達障害の特性が関わっているものが多かったように思います。

ひとことでうまく言えないのですが、私は一般社会で当たり前のものとされる恋愛市場的な価値観とはどこか離れたところで生きているところがありました。

私には、多くの人がスルッと適応していく「男と女の惚れたはれた、モテるモテない、ゲットするしない」みたいな価値観がどうも理解できなかった……けれど同時にASD的な鵜呑み傾向が、「正しい恋愛・生き方とはそういうものなのだ」という思い込みにもつながっていました。

結果的に、自分の中での自然な実像と「こうあるべき像」の間にギャップが生じて、そのギャップに苦しんでいたような気がします。

まずは、私はもともと何かに興味を持つとき、対象がモノであろうが人であろうがあまり関係ありませんでした。その人が男か女かも関係ありません。自分にとって興味をそそる対象であれば、対象に向かって突進していく。これはおそらく発達障害の文脈で言う「積極奇異傾向」だと思います。


たとえば、私が突進していったものがたまたま人であり、かつ男性(以下Aくん)であった場合、周囲が「宇樹さんはAくんのことが(恋愛的に)好きに違いない」と解釈します。どうも、Aくん本人も「宇樹さんは僕のことが(恋愛的に)好きに違いない」と考えることが多いようでした。

私には悪気がないばかりか、そもそもAくんに恋愛的な好意があるわけでもありません。というか、突き詰めて考えると、誰かへの恋愛的な好意と、誰かの持っている一要素への心酔のようなものがどう違うのか、私にはいまだにわからないところがあります。

結果、周囲から「宇樹さんキモい」とか言われて排除されたり、自分で「これは私がAくんを好きということなのか、私はAくんと恋愛をしなければならないのだ」と思い込んで、どこか違和感を感じながら「恋愛」を演じてしまったりすることになりました。Aくん本人が私から恋されていると思ってなんだか調子に乗った言動をすることもありました。

私は、いま思い返しても「これは恋愛だったな」と感じる関係性においてもどこかぎこちないところを抱えていました。それは、「距離感が極端になりがち」ということです。
小学生のころなどは、相思相愛が確認できた相手と一日中喋っているという程度で済みました。

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