2020年8月18日 08:00
過集中・うっかり忘れ・生活リズムの乱れ…大人の発達障害の私を助ける、ITのチカラ【生活編】
人に「行動を修正すべきですよ」と気づかせるための刺激は、なるべく感情が乗っていないほうがいいと言われています。このため、たとえば指しゃぶりをしている子に指導していく場合、指しゃぶりに気づいたら声をかけるのではなく、ピッと機械的に笛を鳴らす方法が勧められることがあります。
スマートスピーカーの声には感情が乗っていません。「機械的だ」と嫌われる場合もありますが、子どもの行動修正に関してはスマートスピーカーの機械的なところこそが威力を発揮するのではないかと思います。親が口を酸っぱくして指示しても聞かないのに、スマートスピーカーの指示にはスッと従う、という話もよく聞きます。
家事・事務手続きをこなそう
生活に必要な活動の中で、家事や事務手続きは、発達障害者が苦手なもののひとつです。基本的にマルチタスクで、細切れに時間をとられるものが多いからです。
発達障害があると、ワーキングメモリ(情報を一時的に脳に保持する力)が小さいという傾向があります。
タスクをこなすためのモチベーションにも困難を抱えがち。このため、「タスクが頭から吹っ飛んでしまう」「タスクを先延ばししてしまう」という失敗をしやすいのです。
私は、こうした発達障害の特性からくる不得手を、ITを駆使することでかなり軽減できました。
使うのは、タスク管理アプリ、カレンダーアプリ、スマートスピーカー。私は「Todoist」「Googleカレンダー」、Amazon Echo用の音声アシスタントアプリ「Amazon Alexa」を使っています。
初めの設定がやや複雑ですが、TodoistとGoogleカレンダーとAmazon Alexaを連携させておくと、以下のような環境が実現できます。
Alexaに話しかけるだけでTodoistにタスクが登録される
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Todoistのタスクに期日を設定するだけでGoogleカレンダーのスケジュールに登録される
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期日になるとスマホやPCに通知がくる
発達障害者のタスク管理でもっとも重要なのは、「タスクが発生した瞬間にタスクを書き留める」ことだと私は思っています。発達障害者のタスクへの注意や意欲は、タスクが発生した瞬間の刺激で最も強く喚起される、と聞いたことがあるからです。
あとで書き留めようと思っていたタスクがいつの間にか消し飛んでしまう現象は、タスク発生の瞬間の、最も忘れにくいタイミングを外してしまうから起きるのではないでしょうか。