子育て情報『発達が気になる子どもの通院から帰宅までをサポート!診察や治療を嫌がる子どもの心の準備を促せる「心理的プレパレーション」を解説』

2021年12月28日 14:15

発達が気になる子どもの通院から帰宅までをサポート!診察や治療を嫌がる子どもの心の準備を促せる「心理的プレパレーション」を解説

見通しを持たせるためのプレパレーションが必須ですが、抽象的な説明では理解できない場合もあります。たとえば注射をする際、「注射をする意味」「針を刺してから終わるまで何秒程度かかるのか(具体的な数字で)」「たくさん予告してから針を刺す」など、分かりやすく具体的な言葉で説明し、かつ終わりを明確に伝えること大切です。

発達障害のある子ども多くは、感覚過敏を持っているといわれています。注射や点滴など痛み、あるいは心電図などひんやりする感覚を伴う処置は、過敏性が感じ方に影響したり、不安の高まりから過敏性がより増して処置そのものを嫌がるようになります。
口頭やツールを使った説明だけでなく、「なるべく細い針で行う」「麻酔クリームやパッチ使用する」「温めたタオルで肌を拭いてから行う」など、感覚が増すことを極力抑えるやり方を本人に選択させる方法もあります。

こだわりや過敏性などから、処置中に動いたり、起きて歩き回ったり、突如暴れだすなどのリスクがつきものです。「こういう状況になると興奮してしまう」「見通しが立ちすぎると不安になるので、最小限の説明でいい」など、子どもが不安を覚えやすい、あるいは怒りのスイッチが入ってしまう状況をその都度医療者に伝えることも大切です。医療者と保護者のやりとりの中で「子どもの拒否・興奮を避ける方法の模索」をしていきます。


発達障害は個々によって特性が異なるため、本来なら詳細なアセスメント行い個々に合ったプレパレーションを行うことが理想的ですが、現在の医療現状からは困難であると考えられます。しかし、具体的で簡潔な言葉で説明する(難しければマニュアルなどで対応)、視覚的なツールや痛み・苦痛を軽減できる器具を使うなどの支援を中心とした汎用性の高いプレパレーションであれば、医療関係者の負担も少ない方法で行えるかもしれません。

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2017/172091/201717019B_upload/201717019B0009.pdf
参考:小児科外来における発達障害児へのプレパレーションの現状とその効果に関する検討(鳥取大学 鳥取大学大学院 医学系研究科 井上 雅彦)|厚生労働科学研究成果データベース (MHLW GRANTS SYSTEM)


プレパレーションの具体例

治療や手術に臨む、一人で入院する子どもの不安や痛みを少しでも和らげるにはどのような方法が行われ、どのような工夫がされているのでしょうか。

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