お金がなくてもOK!? 非正規で働く夫婦が子どもを育てる際の心構え
こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。
非正規雇用がごく一般的な雇用形態となったわが国で、夫も妻も非正規で働いているというパターンに該当する夫婦はまったく珍しくなくなりました。
にもかかわらずネットの世界などでは、「夫婦ともに非正社員なのに子どもを持つなんて無謀なことは考えるな」といった類いの発言がいまだに溢れているようにみえます。
現実にはパパ・ママともに非正社員で世帯収入が多くなくても、2人のお子さんを立派に育てているご夫婦を筆者は知っていますし、「夫婦とも非正規では子どもは持てない」という認識は正しくありません 。
ただ、収入が少なくても何を心がけ、何を捨てたから育てられたというのはあったようですので、今回はこれから親になろうという非正規で働いているご夫婦が心がけるべきことについて考えてみたいと思います。
●まず「非正社員夫婦じゃ子どもは持てない」という“迷信”から抜け出しましょう
まず肝に銘じておくべきことは、夫婦ともに真面目に働いてさえいるのであれば、雇用形態が非正規であっても子どもを持てないなどということはけっしてない、ということです。
これは2011年に厚生労働省が公表した数字ですが、正社員の平均年収は男性が339.6万円で女性が248.8万円。
一方非正社員はというと、男性が222.2万円で女性が172.2万円でした。
たしかに夫婦とも非正規だと二人合わせても年収300万円台と少々大変かもしれませんが、(住んでいる地域等にもよりますが)子どもがいたらやって行けないというほどのことでもありません。
また、今後は法改正に伴って一定以上の時間数勤務する非正社員は会社の規模にかかわらず社会保険にも加入できるようになりますので、福利厚生面が著しく劣悪ということもないです。
非正社員どうしの夫婦には子どもを持つという人として当たり前の幸せを手にする資格がないなどといった世間の一部にある考え方は明らかな“迷信”であるという基本認識を持つところからスタートしましょう。
●「ずっと公立」「塾行かず」でも本人に学ぶ意欲さえあれば問題はありません
次に問題になるのは、子どもを持った場合に当然必要になってくる教育費です。夫婦二人きりならどのようなライフスタイルで生きようが二人の自由ですが、子どもに最低限の教育を受けさせることができるか否かはその子が大人になったときに自立して生きていけるようになるかどうかを左右します。