■親は、子どもが気持ちを吐き出す相手になってあげる
ひとつめ。
まずは、お子さんの気持ちに寄り添いましょう。
「親としては、そんな思いをしてまでやることか?辞めれば?と思っています」
「いつでも辞めていいことも伝えています」
そのように書かれているように、今のところお母さんは自分の考えを伝えているだけのようです。つまり「親発信」です。そうではなく「子ども発信」をさせるよう努めてください。
何よりも、息子さんの気持ちを聴くことです。お母さんから「お友達にはどんなことを言われたのかな?」「どんな気持ちだったの?辛くない?」「クラブを辞めないのはどうして?」と聞いてあげてください。息子さんがさまざまな嫌なことを吐き出せる機会を設けることです。
お母さんが吐き出す相手になってあげてください。
そのためには、息子さんが弱音を吐きたくなる安全基地にお母さんがなること。それが二つめです。
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■親が悲しい気持ちで見ていることは子どもに伝わる。ありのまま受容してあげて
ご相談文を拝見すると「努力して見返すタイプではない」「問題は息子がそんな扱いを受けることを当然と受け入れてしまっていること」などと、息子さんを低く評価する言葉が見受けられます。いずれもやや否定的なニュアンスです。
そうなってしまうお母さんの歯がゆい気持ちはとてもよくわかります。私も、同じような経験をしました。
息子が小学2年生くらいのとき3年生の試合に呼ばれて参加したのですが、3試合あって一度も出場させてもらえませんでした。一緒に呼ばれた同学年の子どもは出場させてもらって活躍しているというのに、わが息子は地面に座ったまま指で何か描いて試合も観ていません。息子はガツガツしておらず、息子さんに似たタイプの子どもでした。
私は息子の姿を見るのに耐えきれず、試合を見届けずに家路につきました。途中で勤務先にいる夫に泣きながら電話したのを憶えています。すると、夫はこう言いました。「そりゃ、悔しかったね。でも、ママが先に帰っちゃったら、○○(息子の名前)がガッカリするんじゃない?試合に出られなくて一番悔しいのはアイツだろ?」
温かい声でした。
そんなこともあって、私は少しずつですが、息子の気持ちに寄り添えるようになりました。
これと同じように、実は息子さんが一番辛く、悔しいのです。