2019年3月25日 00:00
住み慣れた場所で建て直す内部化された庭を中心に家族が暮らす家
田村さんはこのつくりについてこう説明する。「その多様な場所同士が近からず遠からずという関係ができればいいなと。そこでまず中心にガランドウの母屋をつくって、このいわば室内化された中庭に対して、さまざまな生活の要求に応える部屋たちがちょっとずつあふれ出すというイメージですね」
ただそのほかの部分とのコントラストをはっきりさせてしまうとこの中庭が取り残されてしまう。そこで、各部屋を少しずつ寸足らずにして機能があふれ出るようにしているのだという。「アクティヴィティがはみ出るというか、空間をまたがらないと活動できないようにしてあります。中庭か部屋かどちらにいるのか少しわからなくなるような感じがあるといいかなと思いました」と田村さん。
真ん中のガランドウが孤立しないように、周囲の各室を少し寸足らずにしてアクティヴィティがはみ出るようにしている。AVコーナーのソファもわざとガランドウのほうへとはみ出るようにした。
左からダイニング、キッチン。食器棚の右にロフトとその下がバス、トイレなどの水回り、右側の下が主寝室。視線のことだけでなく風の通り具合についても打ち合わせをして、いい風が室内に入るようにも配慮されている。