3世代で家をシェアする穏やかな時を刻む思い出の地に開いた珈琲屋
いつも祖父が見守ってくれているように感じます」。
目立った看板はなく、OPEN、CLOSEの札のみ。大きなドアから「何屋かな?」とのぞく人も多い。
切妻屋根と四角い木製窓がかわいらしい外観。入口の左側に丸太の椅子があり、ウェイティングスペースになっている。
「いづみ(IDUMI)」の“i”や滴を連想させる店のマークは、グラフィックデザイナーが作製した数案の中から、祖母の惠子さんが最終決定したそう。
シェアハウスのような造り
現在は、主に、2階が直井さんと惠子さん、3階が直井さんのご両親の生活スペースになっている。
2階のリビング・ダイニングは家族の共有スペース。作業台を広くとった大きなアイランドキッチンでは、直井さんをはじめ惠子さん、働いている母、ときには父も、そのときどきでできる人が料理を作る。夕食時にはダイニングに家族が集い、カフェでの出来事など何気ない話題で会話が弾むという。
床はオークのフローリングを斜めに敷き詰め、天井には杉の足場板を使用。
自然素材が心地よい空間には、ハンス・J・ウェグナーやボーエ・モーエンセンの名作椅子たちがさりげなく置かれている。家族の時間を大切にしている直井さんは、家族が集う2階のスペースには経年変化が楽しめる素材や家具にこだわったという。