子どもが自由に駆け回る暮らしに合わせてDIY進化し続ける都心の狭小住宅
間口3m。筋交いが生み出す広々空間
東京23区の中心部に位置し、歴史と文化の街として発展してきた文京区。Kさん夫妻がこの地に家を建てたのが5年前。共働きで子育てをすることを考え、文京区育ちの奥様の実家の近くに住もうと思ったのがきっかけだった。
文京区という場所柄、限られた予算の中で購入できる建売住宅はとても狭く感じたという。そこで、土地探しからお願いしたのが石井井上建築事務所。「テレビの住宅番組で、いい雰囲気だなと思った家を手掛けていて、事務所も文京区だったのでお願いしました」(ご主人)。
いくつか提案のあったなかで、Kさん夫妻が決めたのは約16坪の細長い狭小地。
そこに、間口3m、奥行き10mの木造3階建ての家を建築した。
「ご主人が『土地の特徴を活かして、建物も細長くしたほうが面白い』と言われたことが設計の決め手となりました」と当時を振り返るのは、建築家の石井大さん。通常、かなりの量の構造壁が室内に出るところを、見通せる筋交いで建物を支えるように設計した。天井高3mの2階は、階段部分に2つの筋交いを設置。リビング・ダイニングとキッチンを振り分けつつ、奥行きのある広々とした空間を実現した。