2017年7月10日 21:15
年下好青年からの猛アタックに、女は…|12星座連載小説#115~山羊座10話~
熱意はあるんだけど、それが間違った方向に向いてしまうのは新任によくあることだって、先輩から教えられたわ。
……ん?
“熱意が間違った方向”か。何だか少し、北野先生にも当てはまるような気がして、可哀想になった。
お昼休みの終了を告げるチャイムが構内に響いていた。
校内清掃の時間。職員室の向かいデスクには北野先生はいない。多分、体育館の掃除をしているんだろう。
年下かぁ。
午後の授業が終わったら、声を掛けてみよう。
午後の授業は不思議と冷静だった。いつものように生徒たちの前でテキストを読み上げる。黒板にチョークを滑らせ、例文を書き、小テストをする。
6限目が終わり、今度はサークルの支度。階段を下り職員室に戻ると……、また北野先生はいない。
タイミングが悪かったわね。別に私を避けてるわけじゃないだろうけど。
サークルの子達と、前回の課題について話をしている間に夕方に。
結局、今日は北野先生と話せそうにない。まぁ、こうして同じ学校にいるから、必ずまた会うことになるだろうけど。
サークル活動が終わり、鍵を閉めようとしたとき、
「せんせ~、今日は何かあったの?」
飯山さんから声を掛けられた。