2017年7月11日 21:15
「年下男子」の虜になる30歳女|12星座連載小説#116~山羊座11話~
がある。
何十年続いているんだろう……と思わせるレトロな外観だ。
目で『ここにしましょう』とサインを送る。満面の笑みでうなづく北野先生。
子どもみたい。年下の男性って、こんな感じなんだ。
前に、女性誌で読んだことがある。男性は女性と比較して精神年齢が3歳くらい幼いって。
年下男子だと、なおさら幼く感じるのかな……。
あれこれ考えながら、喫茶店に入る。あと1時間で閉店ということもあり、店にはマスターしかいない。
『コーヒー2つでいい?』
「はい!」
北野先生に尋ねる。ふぅ、やっと落ち着けた……。
『北野先生!』
「はい、なんでしょう?」
『なんでしょう? じゃありません!』
北野先生がビクッとなる。
『学校であんなことしちゃダメじゃないですか!? もし生徒に見られたらどうするんです! 大体ですね……』
―――その後、私の説教は15分以上続いた。
「すみません……」
筋骨隆々とした青年が、怯える子犬のように小さくなっている。
――意外と素直なのね。
そろそろ良いかしら。
『まぁ、それはそれとして……。週末のお食事の件、行きましょう』
「……え?」
『いや、ですから! デパ地下のフードコートがあるんでしょ!? そこ、行きますよ』
ポカーンとしている北野先生。