2017年7月24日 21:15
男から「離れられない」女たち…|12星座連載小説#124~牡羊座10話~
こんな時、余計なことを何も言わない如月に好感が持てる。私たちはプロなんだから―――。
会社のデスクで作業を続ける。何時間くらいたっただろうか、木田さんが差し入れを持ってきてくれた。
「よう!やってるねぇ~。良い画は撮れたか?」
『ええ、かなりリアルな内容を頂きました』
「そうか、良かったな。ほれ、コレ」
ビニールで包まれた箱を私に差し出してくれる。箱の中にはシュークリームとエクレアが2個ずつ!
『ありがとうございます!』
「ま、後半もがんばれよ~」
甘いものを差し入れしてくれるなんて、木田さんニクい!早速、如月と分け合う。
「おいし~い!」
如月が目をキラキラさせている。いつの世も、女は甘いものに弱いのだ。
『これ食べ終えたら、準備して出ようか』
「そうですね。新宿のネットカフェで待ち合わせの予定です」
『OK』
そう言って、スマホの電源を入れる。メールの確認だ。
電源を入れると、着信が8件。留守電が2件。全部、祐也からだ。
恐る恐る留守電を聞く。
「おまえさあ、俺を何日ほったらかしてると思ってんの? 金がなくてコンビニの弁当も買えないんだけど! もうマジでムカつくわ」