2017年8月11日 21:15
「I understand. 」~私は理解する。~|12星座連載小説#138~射手座 最終話~
『クリスぅ~~』
後ろからクリスに抱きつく。
「Haha……princess, 気に入ってくれたかい?」
『Perfect! んもう、最高! クリスがこんな別荘を持っていたなんて、驚きよ!』
「Umm……まぁ、正しくは“僕の”ではなくて“お爺さんの”なんだけどネ……」
クリスは一人っ子らしく、お爺様が遺した財産の一部を、母親の許可をもらって管理しているとのこと。ま、いわゆる“ボンボン”ってヤツ。
私は仕事が好きだからあまりピンとこないけど、お金はあって困るものじゃないからそれはそれで良いわ。
クリスはそんな私を好きだって言うし。
『ん……ねえクリス? 今日はどこにいこうかしら?』
クリスに熱いキスと抱擁をお見舞いし、今日の予定を尋ねる。
「そうだネ……pizzaとワインを楽しまないかい?」
『Oh! 良いわね! ショッピングもしたいわ!』
「遊んでばかりだけど、仕事は……大丈夫なの?」
『It’s all right! もう手はずは整えてあるわ。明日の13時にパレルモでジュエリーの買い付けよ』
「I’m no match for you.(君にはかなわないよ)」