くらし情報『私が本当にやりたかったコト…|12星座連載小説#143~魚座 11話~』

2017年8月21日 21:15

私が本当にやりたかったコト…|12星座連載小説#143~魚座 11話~

『素敵な眺めですね……私、お花が大好きで』

「ありがとうございます。こうしてお花を眺めながらお茶するのが、私の楽しみなんです」

しばし、世間話に花が咲く―――

『それで、フラワーエッセンスについてなんですけど、安岡さんはどういった講座を受講されたんですか?』

本題を切り出す。

「ええ、私は一番古い歴史がある協会が主催する講座を受講しましたわ。講座自体も細かく分けられていて用途ごとに選べますし、お値段も手ごろでしたから」

『そうなんですね』

確かに、一番歴史がある協会の講座なら、間違いなさそう。

「でも、大事なのはどのような目的で受講するか、ということなのかもしれません」

目的……か。

『私は、人を癒すために使っていきたいと考えているので、基礎的なことが分かれば十分です』

「ふむふむ……ちょっと待っててね」

そう言って安岡さんは立ち上がり、奥の棚から小瓶がぎっしり詰まった木箱を持ってきた。

「和辻さん、今、どんな気分?」

『え……』

突然の質問に戸惑う。

『う~ん、ちょっと焦っている……感じ、でしょうか』

「なるほど」

安岡さんが、透明な液体が入ったたくさんの小瓶のなかからひとつ選び、“理科の実験で使うようなやつ(ピペット)

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