2017年11月13日 11:00
布袋寅泰がロンドンで「あちゃー(笑)」と同時にニンマリしたこと
若いときは大人にNO!政治にNO!と何でもNONONOと言うのが許されているけど、年を重ねていろんなものが見えてきて、問題を提起するだけのメッセージには疑問が出てきたんです。こういう時代に生きている自分が、言葉と音楽をひとつにし、心に届いてみんなのエネルギーになるものを作る、それが僕にできる唯一の表現なので、そういう作品を作りたいと改めて思いました。NONONOは誰でも言えるけど、そのNOをどうやって伝えるか。難しいけどやりがいのある表現だと思います」
また昨年のデヴィッド・ボウイの死は、布袋さんの心境に少なからず影響を与えたという。
「亡くなる2日前にリリースした最後のアルバムがあまりにも素晴らしかったので、彼がいなくなった喪失感はかなりのものでした。僕はまだ若いけれど、彼のように作品を自分の生きた証として残す、そんな意識を持って作品を作りたいと思いましたね。自分はあと何枚作品を残せるかと考えたら、コマーシャルなものとか、そのときの流行りのものを追っかけても何の意味もない。それが最後の作品になっても恥ずかしくないものを、じっくり作らないとね」エレガンスを持った大人の男になりたい。
終始穏やかに、丁寧に質問に答えてくれる布袋さんも、かつてはナイフのエッジのように尖った存在感を放っていた。