2018年2月23日 14:00
満席続出! 齊藤工監督作『blank13』をスクリーンで観るべき理由とは?
家族とは何かを突きつけられる!
今回、これだけキャラの濃い俳優陣が集結しているだけに、カットするには惜しい映像も多かったのではないかというのは想像に難くないですが、それにも関わらず本作は70分という長編としては短めの尺。とはいえ、そこには映画に造詣の深い齊藤監督だからこその手腕が光る “引き算” があり、絶妙な切り取り方によって各シーンがより印象的に映し出されています。
放送作家のはしもとこうじさんの実体験がもとになっている本作は、決して派手なストーリーではないですが、誰にでもいる家族の物語だからこそ、それぞれの “家族の風景” が観客の心にも広がるはず。私にも少しややこしい家族がいますが、面倒だけど愛おしい家族の姿が浮かび、胸の奥がグッと痛くなったあとに、温かくなりました。
説明過多ではないからこそ、観客が自ら想像したり、自分と重ね合わせたりすることができる “余白” があり、それこそが多くの共感を呼んでいる理由のひとつ。上海国際映画祭「アジア新人賞部門」での最優秀監督賞など、海外の映画祭でも数々の賞を受賞していますが、言葉や文化を超えて受け入れられたのもうなずけます。
個性豊かなキャストが生み出す見事な化学反応!
そんな本作を支えているのは、主演の高橋一生さんやリリー・フランキーさんをはじめとする実力派俳優たち。