くらし情報『尊厳死と安楽死の違いは? 超高齢化社会で日本はどうなる…』

2018年6月9日 22:00

尊厳死と安楽死の違いは? 超高齢化社会で日本はどうなる…

認められる条件は、本人の自発的な要求のほか、改善の見通しがない、安楽死以外の解決策がない、安楽死の担当医以外の医師の診断などです。2016年には6091人の人が安楽死を選択。7割が末期ガン。あとは高齢者や認知症患者などが占めていました。

超高齢者がますます増える日本にとって、終末期医療・ケアは大きな課題です。厚生労働省は3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を改訂しました。本人の意思を尊重するのは大前提ですが、本人が意思決定できなくなる前に、家族や医療・介護従事者が連携をとって方針を繰り返し話し合い、文書にしておくことを勧めています。

尊厳死、安楽死は難しい問題です。
治る見込みがなく、毎日苦痛を伴いながら家族を犠牲にして生き続けるのは確かに辛い。しかし、生きることを前提に作られている社会で、死を自ら選択できることになれば社会不安を起こします。また、弱者は切り捨ててよいという発想にもなりかねません。人生100年時代、社会でも家族間でも徹底して議論する必要があるでしょう。
尊厳死と安楽死の違いは? 超高齢化社会で日本はどうなる…


堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に「8bitNews」

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