2018年8月5日 19:00
兄は精神障害者…境遇を隠し異性との関わりを断った妹に訪れた奇跡 #22
「この前は、たくさん話してくれてありがとう。家族のことだけど、お兄さんはどんな状況なの? コミュニケーションは取れますか? 手話はできますか? 車椅子ですか? ……それとも、ベッドから動けない状態ですか?」
そして、障害者施設のことや斡旋サポートのページなど参考になりそうなリンクが貼られていました。彼なりに兄のことを考えてくれたメッセージだったのです。
引っかかっていた心のわだかまりが溶けた瞬間
このメッセージを見た時、心臓の奥を強く握られたような痛みと共に感じたことは、「ああ、血の繋がっている私よりも、兄に対して真剣に考えてくれている」という現実を直視する彼の強さです。
そのメッセージは「私には、障害を持つ兄がいる」ということだけを頼りに情報を探してきてくれた内容で、“手話” や、下半身が不自由な人のための “車椅子” など、精神障害ではなく身体障害についてだったのですが、それでも時間をかけて調べてきてくれたことに胸がいっぱいになりました。気づけば誰にも言うこともなく、心にしまいこんでいた感情——。兄のことを避けるようにしていたことを、血の繋がっていない彼に教えてもらうとは……。