2018年6月22日 19:00
『祝福~オラとニコデムの家~』が映す14歳少女の過酷すぎる現実とは?
待望の長編デビューとなった本作の見どころや撮影での苦労などについて語ってもらいました。
まず、日本ではあまり知られていない聖体式ですが、ポーランドではどのような意味を持っていますか?
監督
ほかの宗教にも同じような儀式がありますが、聖体式というのは子どもが大人になるための第一歩。ポーランドでは99%の家庭がカトリックなので、とても大事な儀式でもあります。ただ、最近ではある種のセレモニーになっていて、宗教的な意味合いよりも家族が集まる行事になりつつあるかもしれません。なので、神のためというよりも、いまは家族のためという印象ですね。
今回、オラの家族を題材にしようと思ったきっかけを教えてください。
監督
最初は短いフィクションの映画を作ろうと考えていたんですが、そのあとに偶然この家族と知り合って、とても興味深いと思ったので、フィクション映画は諦めて、ドキュメンタリーを撮ろうと決心しました。
ただし、オラの信頼を得ることは難しかったそうですが、カメラを回すまではどのくらいの時間がかかりましたか?
監督
だいたい1年と3か月くらいはかかりました。短い期間で彼女の信頼を得ることはとてもできなかったので、撮影に入るまでにものすごく長いプロセスが必要だったんです。