2018年7月12日 19:00
主役は難病の子5人! 映画『子どもが教えてくれたこと』に学ぶ人生の愛し方
と考えずにすべて受け身で密着するようにしていたわ。
―とはいえ、撮影中に躊躇したり、難しかったりしたことはありませんでしたか?
監督
具合が悪いときの子どもたちは撮れなかったし、もちろん難しいこともあったわ。でも、たとえば表皮水疱症のシャルルなんかは、私たちが躊躇して撮るつもりがなかった入浴シーンも、自ら招き入れてくれたの。つまり「そこから逃げるべきではない」ということを伝えてくれたのよ。
だから、今回の撮影で私たちが無理強いしたことは一切なくて、どちらかというと舵をとっていたのは子どもたち。なぜなら、「ここは撮っていいよ」とか「具合が悪いから出ていって欲しい」ということをちゃんと言える子たちだったからよ。
私のほうがストレスや不安に襲われるんじゃないかと撮影前は思っていたけれど、そういうものは、彼らの私への信頼感がすべて取り去ってくれたわ。
―ご自身の経験上、病気の子どもたちや家族と向き合うことがつらいと感じる瞬間もあったのではないかと思いますが、それでもこの作品を完成まで支えた原動力は何ですか?
監督
まず私はこの子たちと接しているときに、「病気の子どもたち」という意識はなかったわ。