2018年12月20日 20:20
「はしゃげない(笑)」作者が自分を投影したオタク心満載のコミック
『みつば通り商店街にて』は、タケミさんと商店街に集う人々との交流が四季の移ろいとともに描かれた、ほんわか下町情緒コミックだ。
東京の下町にある〈あまり立派ではない〉商店街で、小料理屋コエドを始めたタケミさん。ワケありかと思いきや、〈わりと空(す)いてたから…〉と天然ぶりを見せるあたりも愛らしい。
「私自身は人づきあいがドライな環境で育ったので、人間同士の距離は近いけど閉鎖的すぎない下町の空気に憧れがあるんです。そんな場所で、小料理屋でも開いて暮らしてみたいという、タケミさんの気持ちに乗っかる形で描きました」
ウェブに1日1枚をアップするスタイルで連載。新聞の4コママンガのように、キャラクターたちがワイワイ動いていく世界ができたらいいなと思った、とオカヤイヅミさん。
「ただし、表舞台のドタバタからこぼれてしまうような些細な出来事に自分は惹かれがちで、軸足はそちらにある感じです」
たとえば、タケミさんは酉の市に出かけても、大声で三本締めされるのが苦手で小さな熊手しか買えない。
「こういう場面で照れてしまうのはまんま自分ですね。
テンションが高い領域に踏み込めない、はしゃげない(笑)。