2018年12月19日 18:30
不倫、泥沼離婚…スキャンダラスな歌姫の真実『私は、マリア・カラス』
映画と同時進行で彼女に関する写真集や本を3冊も手掛けており、いまや “マリア・カラス通” としても知られています。そこで、映画完成までの道のりやマリア・カラスの魅力などについて語ってもらいました。
あくまでも取材者として向き合った
―監督自身がマリア・カラスの熱狂的なファンということですが、どのような思いで今回の準備や撮影に挑まれていたのでしょうか?
監督
最初から映画にしたいという明確な目標があったので、ファンとしての目線というのはまったくなく、あくまでも取材者として向き合っていたよ。ただ、途中で大きく変わったのは、ドキュメンタリーの構成について。
というのも、当初は彼女に近い友人たちのインタビューが半分、残りはアーカイブ映像を使ってのドキュメンタリーにしようと思っていたんだけれど、資料を集め始めて2年くらい経ったとき、彼女自身の言葉だけを使って作ったほうがもっとパワフルになるんじゃないかと思うようになったんだ。そんなふうに方針を変えたときが一番の転機だったと言えるかな。だから、いろいろな映像を探したりして、ほとんどゼロからやり直したんだよ。
―実際、かなりたくさんの資料を集めたようですが、そのなかで彼女の心情を実感した映像や記録はありましたか?
監督
ひとつのイメージだけを選ぶことはできないかな。