2018年12月22日 09:00
ホロコースト生存者が命の恩人と再会。奇跡を巻き起こす『家へ帰ろう』
というのも、「アルゼンチンで僕一人だけなんじゃないか?」という恐怖心に駆られてしまったからなんだ。
でも、あとで両親も親戚もみんな同じなんだという説明を受けてからは納得できたけど、最初の印象はそんな感じだったよ。
―この作品でいろんなリサーチをしたと思いますが、事実を知るたびに心境にも変化はありましたか?
監督
もちろん、たくさん変わったと思うよ。僕で3世代目なんだけど、調べていくうちにユダヤ人というのは宗教だけではなく、文化があるということにも気づきはじめて、その伝統に共感するようになったからなんだ。
とはいえ、10代ですでに自分がユダヤ人なんだというアイデンティティも生まれてはいたけどね。ただ、アルゼンチンにあるユダヤ人コミュニティに属するようなことはなかったよ。というのも、「人間はみんな平等だ」と僕は思っているので、閉鎖された民族の集団というのが嫌なんだ。
カフェで起きた偶然の出来事とは?
―作品でも人との出会いがいかに人生を彩るかというのを感じましたが、監督もこの作品を作るうえで、カフェで遭遇したある偶然の出会いがきっかけだったそうですね。そのときのことを教えてください。