2019年1月24日 19:00
父親のDV、両親の離婚…11歳の少年が恐怖に震える衝撃作『ジュリアン』
そのなかでさまざまな反響をもらいましたが、取材をした女性から言われたのは、「実際に自分が経験した恐怖がそのまま描かれていて驚いた」ということ。
つまり、彼女の経験した状況や夫からされてきたこと、それに対して彼女が考えていたことのすべてが映画のなかで映し出されていたようです。
―では、映画のなかでDVというテーマを取り上げようと決めたきっかけを教えてください。
監督
まずは悲劇を書きたいと思って脚本を書き始めたんですが、そのあと家族と家について描きたいと思うようになりました。なかでも、「家」というのは、自分を守ってくれるものではあるものの、突如として危険なものにもなり得るんだというのを描きたかったんです。
特に、今回のように家庭内で起きる暴力というのは現代病のひとつだと思ったので、最初にも話したように、事前にたくさん調査をして、いろんな経験者や被害者の方々と会うことで内容を固めていくようにしました。
意識したのはジュリアンを生きるように演じること
―トーマスくんにとっては、テーマも役もかなり難しかったと思いますが、実際に演じてみてどうでしたか?
トーマスくん
今回が初めての映画だったということもあり、撮影に入る前には演技のコーチから何か月間にもわたって演技指導を受けました。